JP2020165222A - 建築用柱材及び建築用柱材の製造方法、並びに耐力壁 - Google Patents

建築用柱材及び建築用柱材の製造方法、並びに耐力壁 Download PDF

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綾那 久積
Ayana Hisazumi
綾那 久積
清水 信孝
Nobutaka Shimizu
信孝 清水
佐藤 圭一
Keiichi Sato
圭一 佐藤
知季 小橋
Tomoki KOBASHI
知季 小橋
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Abstract

【課題】中空部における作業性の向上と、柱材としての強度の確保とを、好適に両立できる。【解決手段】建築用柱材10Aは、隣接する側壁板どうしが結合して設けられ、平面視で、90度±5度の3個の内角と1個の開口部とが形成される4枚の側壁板12,14,16,18と、平面視で、4枚の側壁板12,14,16,18のうち少なくとも1枚の側壁板との間で90度±5度の内角が更に形成されるように、開口部20に位置する側壁板12,18に設けられ材軸方向全体に亘って延びる補剛板13,17と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、建築用柱材及び建築用柱材の製造方法、並びに耐力壁に関する。
従来、鉄骨プレハブ住宅等、鉄骨構造を有する建築物中で用いられる柱材として、軽量形鋼の角形鋼管等が、一般的に使用される。角形鋼管は、閉断面構造の建築用柱材であり、座屈耐力や曲げ強度といった、柱材として求められる基本的な強度(構造性能)において優れる一方、内側の中空部を活用することは難しい。中空部を活用できると、例えば、建築用柱材に梁や耐力壁等の他の建築部材を接続する作業を、容易に行うことが可能になる。
柱材の中空部を活用する技術として、例えば特許文献1には、外壁パネル間に設けられ、材軸方向(長手方向)全体に亘って延びる切欠き部が外面に設けられた、開断面構造の柱が開示されている。特許文献1の柱は、中空部を有する四角柱状であり、四角柱の側面における1個の角部の領域に切欠き部が形成されることによって、中空部が、外部に連通している。特許文献1では、切欠き部を介して、中空部に断熱材を設けることが可能になるとされている。
実開昭64−12811号公報
ここで、切欠き部のような開口部が柱材の側壁に設けられる場合、開口部の幅が拡がる程、手やボルト締め用の締結工具等を中空部に差し込むことが容易になり、例えば、柱材とベースプレートとの接続作業等の負担が低減する。一方、開口部の幅が拡がり過ぎると、柱材としての強度が低下する懸念がある。
ここで、特許文献1では、切欠き部によって中空部における作業が可能になることは開示されているものの、柱材としての強度を確保する点については、何ら検討されていない。すなわち、開口部の幅がどの程度拡がれば、中空部における作業性の向上と、柱材としての強度の確保とを両立できるか、検討されていない。
このため、特許文献1の開断面構造の柱において、例えば、開口部を有さない角形鋼管のような閉断面構造の柱材と同等の強度を実現しようとすると、断面の矩形の縦横の最大寸法を、閉断面構造の柱材の場合より大きくする必要が生じる。結果、柱材及び建築物の設計における制約が大きくなってしまう。一方、矩形の縦横の最大寸法が閉断面構造の柱材と同等の状態で、側面の1個の角部に開口部を形成すると、そのままでは、柱材としての強度が低下する。
本開示は、上記の問題に鑑み、中空部における作業性の向上と、柱材としての強度の確保とを、好適に両立できる、建築用柱材及びこの建築用柱材を用いた耐力壁を提供することを目的とする。また、この建築用柱材を、加工負担を抑えて簡易に製造可能な建築用柱材の製造方法を提供する。
本開示の第1の態様に係る建築用柱材は、隣接する側壁板どうしが結合して設けられ、平面視で、90度±5度の3個の内角と1個の開口部とが形成される4枚の側壁板と、開口部に位置する側壁板の端部から突出され材軸方向全体に亘って延びるように設けられ、平面視で、4枚の側壁板のうち少なくとも1枚の側壁板との間で90度±5度の内角が形成される補剛板と、を備える。
第1の態様では、4枚の側壁板が、隣接する側壁板どうしが結合して設けられ、平面視で、90度±5度の3個の内角と1個の開口部とが形成される。すなわち、建築用柱材の側面の1個の角部における開口部では、一対の側壁板が結合しておらず、4枚の側壁板の内側の中空部に対して、開口部からアクセス可能である。
また、材軸方向全体に亘って延びる補剛板が、開口部に位置する側壁板に設けられ、平面視で、4枚の側壁板のうち少なくとも1枚の側壁板との間で90度±5度の内角が形成される。4枚の側壁板による90度±5度の3個の内角に加え、補剛板による90度±5度の内角が形成されることによって、開口部に位置する一対の側壁板が結合していなくても、建築用柱材の座屈耐力を強化できる。
本開示の第2の態様に係る耐力壁は、互いに離間して配置された一対の建築用柱材であって、隣接する側壁板どうしが結合して設けられ、平面視で、90度±5度の3個の内角と1個の開口部とが形成される4枚の側壁板と、平面視で、開口部に位置する側壁板の端部から突出され材軸方向全体に亘って延びるように設けられ、平面視で、4枚の側壁板のうち少なくとも1枚の側壁板との間で90度±5度の内角が形成される補剛板と、を有する建築用柱材と、一対の建築用柱材の間に設けられた壁体と、を備える。
第2の態様では、4枚の側壁板の内側の中空部に対して開口部からアクセス可能であるため、建築用柱材と壁体とをボルト締めする際、中空部に手や締結工具を差し込むことが可能になる。このため、開口部を有さない閉断面構造の角形鋼管を柱材として用いた耐力壁の場合と比べ、容易にボルト締めできる。
本開示の第3の態様に係る建築用柱材の製造方法は、ウェブ及び一対のフランジを有するH形鋼を用意する工程と、平面視で、90度±5度の3個の内角と1個の開口部とが形成されるように、H形鋼のウェブの中央部を折り曲げて一対のフランジの間に隙間を形成する工程と、を含む。
第3の態様では、例えばブレーキ曲げ等、1本のH形鋼に折り曲げ加工を施すだけで建築用柱材を得ることが可能になるため、4枚の側壁板及び補剛板を個別に溶接して建築用柱材を得る場合に比べ、加工負担を抑えて簡易に製造可能である。
本開示に係る建築用柱材及び耐力壁によれば、中空部における作業性の向上と、柱材としての強度の確保とを、好適に両立できる、建築用柱材及び耐力壁を提供できる。また、本開示に係る建築用柱材の製造方法によれば、加工負担を抑えて簡易に製造可能な建築用柱材の製造方法を提供できる。
第1実施形態に係る建築用柱材の構成を説明する斜視図である。 第1実施形態に係る建築用柱材の構成を説明する平面図である。 第1実施形態に係る建築用柱材においてボルトの締結位置の他のパターンを説明する平面図である。 第1実施形態に係る建築用柱材の開口部の幅厚比と断面二次モーメントとの関係を説明する図である。 第1実施形態に係る建築用柱材の偏心率と断面二次モーメントとの関係を説明する図である。 第1実施形態に係る建築用柱材の板厚比と局部座屈耐力との関係を説明する図である。 比較例(第1比較例)に係る建築用柱材の構成を説明する平面図である。 第1実施形態の実施例に係る建築用柱材の局部座屈耐力を説明する図である。 図9(A)及び図9(B)は、ウェブがフランジに対して偏心した軽量H形鋼を用いた第1実施形態に係る建築用柱材の製造方法を、(A)→(B)の順に説明する図であり、図9(C)は、ウェブが偏心していない軽量H形鋼のフランジを切断する状態を説明する図である。 第1実施形態の変形例(第1変形例)に係る建築用柱材の構成を説明する平面図である。 第1変形例に係る建築用柱材の側壁板の厚みと断面二次モーメントとの関係を説明する図である。 図12(A)は、第1変形例に係る建築用柱材を用いた耐力壁の構成を説明する正面図であり、図12(B)は、図12(A)中の12B−12B線断面図である。 比較例(第2比較例)に係る建築用柱材を用いた耐力壁の構成を説明する断面図である。 第1変形例に係る建築用柱材を用いた耐力壁の解析で用いる解析モデルの形状を説明する図である。 第1変形例に係る建築用柱材の層間変形量と水平力との関係を説明する図である。 第2実施形態に係る建築用柱材の構成を説明する斜視図である。 第2実施形態に係る建築用柱材の構成を説明する平面図である。 第2実施形態に係る建築用柱材の開口部の幅厚比と断面二次モーメントとの関係を説明する図である。 第2実施形態に係る建築用柱材の補剛板の幅厚比と局部座屈耐力との関係を説明する図である。 第2実施形態に係る建築用柱材を用いた耐力壁の構成を説明する断面図である。 図21(A)は、第2実施形態の変形例(第2変形例)に係る建築用柱材の構成を説明する平面図であり、図21(B)及び図21(C)は、第2変形例に係る建築用柱材の製造方法を、開口部が上側に位置するように材軸方向を水平にして建築用柱材を配置し、材軸方向の端部を正面から見た状態で(B)→(C)の順に説明する図である。
以下に本開示の第1及び第2実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一の部分及び類似の部分には、同一の符号又は類似の符号を付している。但し、図面における厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
−第1実施形態−
<建築用柱材の構造>
まず、第1実施形態に係る建築用柱材10Aを、図1〜図6を参照して説明する。建築用柱材10Aは、図1に示すように、4枚の鋼製の側壁板12,14,16,18を備える。4枚の側壁板12,14,16,18は、第1の方向X又は第2の方向Yに沿ってそれぞれ設けられている。第1の方向X及び第2の方向Yは、互いに直交する。
図1中の左手前側の側壁板12の右端部と、図1中の右手前側の側壁板18の左端部との間には、開口部20が、建築用柱材10Aの材軸方向(図1中の上下方向)全体に亘って延びるように形成されている。開口部20に位置する一対の側壁板12,18には、補剛板13,17がそれぞれ設けられている。補剛板13,17は、それぞれ結合する側壁板12,18と連続し、側壁板12,18の開口部20と反対側の端部から中空部の外側に向かって突出する。補剛板13,17の材軸方向の長さは、側壁板12,18の材軸方向の長さと等しい。
図2に示すように、第1実施形態では、開口部20に位置する一対の側壁板12,18について、左上の側壁板12の厚みT1Aと右下の側壁板18の厚みT1Bとは、互いに等しい。また、一対の側壁板12,18の間に位置する2枚の側壁板14,16についても、それぞれの厚みT2は、互いに等しい。一対の側壁板12,18の厚みT1A,T1Bの方が、一対の側壁板12,18の間に位置する2枚の側壁板14,16の厚みT2より厚い。
左上の補剛板13の厚みT1Aは、結合する側壁板12の厚みT1Aと同じであり、右下の補剛板17の厚みT1Bは、結合する側壁板18の厚みT1Bと同じである。平面視で、図2中の左上の補剛板13は、側壁板12と同一直線上において鉛直に延びると共に、補剛板13の板面と側壁板12の板面とは、面一である。また、平面視で、図2中の右下の補剛板17は、側壁板18と同一直線上において水平に延びると共に、補剛板17の板面と側壁板18の板面とは、面一である。
4枚の側壁板12,14,16,18の内側には、中空部が形成され、中空部では、隣接する4枚の側壁板12,14,16,18によって、90度±5度の3個の内角と1個の開口部20とが形成されている。更に、図2中の左上の補剛板13と上側の側壁板14との間にも90度±5度の内角が形成されていると共に、図2中の右下の補剛板17と右側の側壁板16との間にも90度±5度の内角が形成されている。
なお、図2中では、便宜上、中空部の3個の90度±5度の内角の位置に90度±5度を表すL字状の記号が付されている。また、以下の図面においても同様に、90度±5度の内角の位置に、L字状の記号を適宜付して説明する。
また、第1実施形態では、補剛板13,17が、それぞれ結合する側壁板12,18と同一直線上において鉛直に延びる場合が例示されたが、本開示ではこれに限定されない。例えば、図2中の左上で鉛直に延びる補剛板13に代えて、上側の側壁板14と平行に延びると共に側壁板12との間に90度±5度の内角が形成されるように側壁板12の端部に補剛板が設けられてもよい。本開示では、補剛板によって、4枚の側壁板12,14,16,18のうち少なくとも1枚の側壁板との間で90度±5度の内角が更に形成されればよい。
ここで、4枚の側壁板12,14,16,18の結合状態について説明する。図2中の左上の角部では、左側の側壁板12と上側の側壁板14とが結合され、図2中の右上の角部では、右側の側壁板16と上側の側壁板14とが結合されている。また、図2中の右下の角部では、右側の側壁板16と下側の側壁板18とが結合されている。一方、図2中の左下の角部では、左側の側壁板12と下側の側壁板18とは、結合されていない。
しかし、本開示では、図1及び図2に示したように、1個の角部で側壁板12,18どうしが結合されていなくても、中空部を形成する4枚の側壁板12,14,16,18が、平面視で90度±5度で交差するように配置された状態を「正方形状」又は「長方形状」と表現する。すなわち、補剛板13,17のような、中空部の外側に突出する領域や、後で説明する第2実施形態の補剛板のような、中空部の内側に突出する領域が、開口部20に位置する側壁板12,18に付加的に設けられてもよい。また、「正方形状」とは、厳密に4辺が同じ長さの場合だけでなく、若干の長さの違いがあっても、概ね同じ長さと見做せる場合を含む。また、「正方形状」及び「長方形状」をまとめて、「四角形状」とも称する。
なお、第1実施形態に係る建築用柱材10Aの場合、図2中の左下の角部に例示された交点Rの位置で、左側の側壁板12の板面(外壁面)が下側に向かって延長された仮想線と、下側の側壁板18の板面(外壁面)が左側に向かって延長された仮想線とが交差する。交差する2本の仮想線と、4枚の側壁板12,14,16,18の板面(外壁面)とによって描かれた形状は、平面視で、正方形状である。
また、図2中では、平面視で、正方形状のベースプレート30が、建築用柱材10Aの下端に溶接等によって接合された場合が例示されている。建築用柱材10Aは、ベースプレート30の内側に収まるように配置され、補剛板13,17の端面とベースプレート30の外縁とは、面一である。図示を省略するが、ベースプレート30の中央には、ボルト孔が設けられており、ボルト孔にワッシャー33を介してボルト32が差し込まれている。ボルト32の締結によって、建築用柱材10Aは、ベースプレート30の下側の基礎等の構造物(図示省略)に固定されている。
図2中のボルト32の周囲には、ボルト32を締結するためのソケットレンチ等の締結工具に備えられたソケット34の外縁が、円形状の破線によって例示されている。ボルト32の中心O、及び、ソケット34の外縁上の2点C,Dを通る線分CDの長さは、ソケット34の外縁の円の直径と等しい。また、線分CDは、側壁板12の開口端Aと側壁板18の開口端Bとを結ぶ直線と平行である。
建築用柱材10Aでは、開口部20は、側壁板12の開口端Aと側壁板18の開口端Bとの間に、一定の開口端間隔Lを有して形成される。第1実施形態では、建築用柱材10Aが、平面視で正方形状であると共に、開口部20に位置する側壁板12の厚みT1Aと、開口部20に位置する側壁板18の厚みT1Bとは、互いに等しい。また、第1の方向Xにおける開口部20の幅W2と、第2の方向Yにおける開口部20の幅W2とは、互いに等しい。このため、開口端間隔Lは、L=(W2−T1A)×(√2)である。
(最大幅の定義)
本開示では、「最大幅」は、平面視で、建築用柱材の正方形又は長方形の特定の一辺に沿って、側壁板及び補剛板が存在する領域を測った場合の長さを意味する。第1実施形態では、第1の方向(図2中の左右方向)Xにおける最大幅W1は、交点Rから図2中の右下の補剛板17の右端面までの領域を、第1の方向Xに沿って測った幅である。また、第1の方向Xにおける開口部20の幅W2は、交点Rから図2中の下側の側壁板18の左端面までの領域を、第1の方向Xに沿って測った幅である。
同様に、第2の方向(図2中の上下方向)Yにおける最大幅W1は、交点Rから図2中の左上の補剛板13の上端面までの領域を第2の方向Yに沿って測った幅である。また、第2の方向Yにおける開口部20の幅W2は、交点Rから図2中の左側の側壁板12の下端面までの領域を第2の方向Yに沿って測った幅である。第1実施形態では、第1の方向Xにおける最大幅W1と第2の方向Yにおける最大幅W1とは、互いに等しいと共に、第1の方向Xにおける開口部20の幅W2と第2の方向Yにおける開口部20の幅W2も、互いに等しい。
(開口率の定義)
次に、本開示では、開口部20の「開口率」とは、最大幅W1に対する開口部20の幅W2の比(W2/W1)を意味する。開口率W2/W1は、第1の方向X及び第2の方向Yのそれぞれにおいて算出される。第1実施形態のように、建築用柱材10Aの最大幅W1及び開口部20の幅W2が、第1の方向X及び第2の方向Yの両方において等しい場合、それぞれの開口率W2/W1も等しい。このため、以下、説明の便宜上、「第1の方向X」及び「第2の方向Y」の文言を特に付加することなく、単に「開口率」と表現する。
(開口部の幅厚比の定義)
次に、本開示では、開口部20の「幅厚比」とは、開口部20に位置する側壁板12,18の厚みT1A,T1Bに対する開口部20の幅W2の比(W2/T1A又はW2/T1B)を意味する。第1の方向Xにおける幅厚比W2/T1A、及び第2の方向Yにおける幅厚比W2/T1Bも、開口率W2/W1の場合と同様に、第1の方向X及び第2の方向Yの両方において同じである。このため、以下の第1実施形態の説明では、「第1の方向X」及び「第2の方向Y」の文言「第1の方向X」及び「第2の方向Y」の文言を特に付加することなく、単に「幅厚比」と表現する。
(偏心率の定義)
次に、本開示における「偏心率」の定義について説明する。まず、図2中には、上側の側壁板14の上下方向の中央を通って、水平に延びる中心線Eが例示的に描かれている。中心線Eは、図2中の左上の補剛板13と、補剛板13に連続する側壁板12とを分ける。また、図2中には、左上の補剛板13の上端面から中心線Eまでの間を第2の方向Yに沿って測った長さW3が、例示されている。そして、補剛板13及び側壁板12を一枚の平板状に一体化された側壁部(12,13)と見做した際、平面視で、中心線Eは、側壁部(12,13)の図2中の上下方向の中心ではなく、中心より上側に位置している。
同様に、図2中の右下においても、右側の側壁板16の中心線(図示省略)を設定すると共に、補剛板17及び側壁板18を一体化された側壁部(17,18)と見做した際、平面視で、中心線は、側壁部(12,13)の左右方向の中心から右側に偏心している。すなわち、開口部20に位置する一対の側壁板12,18の間に挟まれた2枚の側壁板14,16の中心は、それぞれ結合する側壁部の幅方向の中心に対して、偏心して設けられている。
第1実施形態では、図2中の上側の側壁板14の「偏心率」とは、側壁部(12,13)の幅(W1−W2)に対する、補剛板13の上端面と中心線Eとの間の長さW3の比{W3/(W1−W2)}を意味する。同様に、図2中の右側の側壁板16の「偏心率」とは、側壁部(17,18)の幅(W1−W2)に対する、補剛板17の右端面と中心線(図示省略)との間の幅の比を意味する。
すなわち、本開示では、「偏心率」とは、開口部20に位置する一対の側壁板12,18の間に位置する2枚の側壁板14,16について、それぞれ結合する側壁部の中心から偏心した割合を意味する。第1実施形態では、図2中の上側の側壁板14の偏心率と、右側の側壁板16の偏心率とは、互いに等しい。このため、以下の説明では、「上側の側壁板14」及び「右側の側壁板16」といった文言を特に付加することなく、単に「偏心率」と表現する。
(板厚比の定義)
次に、本開示における「板厚比」の定義について、図2中の上側の側壁板14と、この側壁板14が結合する側壁部(12,13)との組み合わせの場合を例として説明する。まず、側壁板14について「第1幅厚比」が設定されると共に、側壁部(12,13)について「第2幅厚比」が設定される。
「第1幅厚比」は、第1の方向Xに沿って測った側壁板14の幅の、側壁板14の厚みT2に対する比である。側壁板14の幅は、最大幅W1から、補剛板13の上端面と中心線Eとの間の長さW3と、側壁部(12,13)の厚みT1Aを除いた幅(W1−W3−T1A)である。このため、側壁板14についての第1幅厚比は、{(W1−W3−T1A)/T2}となる。
一方、「第2幅厚比」は、側壁部(12,13)の幅(W1−W2)の、側壁部(12,13)の厚みT1Aに対する比{(W1−W2)/T1A}である。そして、「第1幅厚比」の「第2幅厚比」に対する比が、「板厚比」として設定される。このため、建築用柱材10Aの「板厚比」は、{(W1−W3−T1A)/T2}/{(W1−W2)/T1A}である。なお、図2中の右側の側壁板16と、この側壁板16が結合する側壁部(17,18)との組み合わせの場合についても、同様に、板厚比を定義できる。
すなわち、本開示では、開口部20に位置する一対の側壁板12,18の間に位置する2枚の側壁板14,16について、側壁板14,16についての第1幅厚比の、それぞれ結合する側壁部の「第2幅厚比」に対する比が、「板厚比」として定義される。「板厚比」は、開口部20に位置する一対の側壁板12,18及び補剛板13,17の厚みが互いに等しい場合に成り立つ。第1実施形態では、2枚の側壁板14,16の板厚比は、互いに等しい。このため、以下の説明では、「上側の側壁板14」及び「右側の側壁板16」といった文言を特に付加することなく、単に「板厚比」と表現する。
なお、図2中に例示した建築用柱材10Aでは、開口部20に位置する側壁板12,18の中心に対して、側壁板12,18に隣接する側壁板14,16が偏心して取り付けられていた。しかし、本開示では、側壁板14,16が偏心していなくても、開口部20に位置する側壁板12,18の厚みT1A,T1Bを、壁板12,18に隣接する側壁板14,16の厚みT2,T2より厚くすることができる。例えば、側壁板14,16が、開口部20に位置する側壁板12,18の中心に取り付けられた建築用柱材において、開口部20に位置する側壁板12,18の厚みの方を、側壁板12,18に隣接する側壁板14,16の厚みT2,T2より厚くしてもよい。
開口部20の開口率及び開口部20の幅厚比、側壁板14,16の偏心率、並びに建築用柱材10Aの板厚比のうち、開口率及び幅厚比は、中空部における作業性の向上と、柱材としての強度の確保とを、好適に両立するために設定されている。また、開口率及び幅厚比は、建築用柱材10Aを製造する際の加工性を向上させるため設定されている。また、側壁板14,16の偏心率、及び、建築用柱材10Aの板厚比は、いずれも、柱材としての強度を補強するために設定されている。
(開口部の開口率の値及び開口部の幅厚比の値)
次に、開口率、幅厚比、偏心率及び板厚比のそれぞれの値について具体的に説明する。まず、第1実施形態に係る建築用柱材10Aでは、開口率W2/W1は、45%以上に設定されている(0.45≦W2/W1)。同時に、開口部20の幅W2は、側壁板12,18の厚みT1A,T1Bの10倍以下に設定されている(W2/T1A≦10)。ただし、最大幅W1に対して厚みT1A,T1Bが小さくなり過ぎると、0.45≦W2/W1、及び、W2/T1A≦10が同時に成り立たないため、厚みT1A,T1Bとしては、最大幅W1の(9/200)倍以上、すなわち4.5%以上の大きさの値が必要である。
作業性及び加工性について、開口率W2/W1が45%以上の場合、中空部における作業性が向上すると共に、ブレーキ曲げ等の簡易な製造方法で加工が可能である。一方、開口率W2/W1が45%未満の場合、中空部における作業性が低下するだけでなく、加工手間が大きくなる。開口率W2/W1は、開口端間隔Lを規定し、中空部の内側でボルト32を締結する際、締結作業者が効率よく締結可能であるように設定される。具体的に考慮される要素としては、予定されるボルト32の締結位置、ボルト32の直径及び締結工具の寸法、ブレーキ曲げの矢弦(上型)の寸法等が挙げられる。
ここで、ボルト32の締結位置は、図2に示したように、平面視で、ベースプレート30の中央の1箇所であってもよいし、或いは図3に示すように、正方形状のベースプレート30の対角線上の2箇所であってもよい。図3中に例示したベースプレート30には、平面視で、開口部20から、開口部20の対角側に向かう対角線に沿って、2箇所のボルト孔(図示省略)が設けられている。なお、本開示では、ボルト32及びボルト孔の個数は、2個に限定されず、例えば3個以上、複数設けられてよいし、配置位置についても適宜設定できる。
対角線上の複数のボルト32を締結する際の開口端間隔Lは、開口部20から最も離間する締結位置でのボルト締めの作業性を考慮して、設定されることが好ましい。図3中に例示したベースプレート30の場合、右上の角部寄りの位置におけるボルト締めする場合、締結位置が開口部20から最も離間し、締結作業の困難性が高くなる。
第1実施形態では、ボルト32の締結位置を、図2中に例示したベースプレート30の中央の1箇所と設定して検討した結果、効率よく締結可能な開口端間隔Lとしては、ソケット34の直径の2倍程度が好ましいことが分かった。ソケット34の直径は、図2中の線分CDに対応する。例えば、ボルト32としてM16の六角ボルトを使用する際、使用されるソケット34の直径は、32.5mm程度となる。また、本形状をブレーキ曲げで製造するには、開口部20に差し込む矢弦の寸法を考慮して、開口端間隔L(開口端距離)が、約60mm必要であるため、開口端間隔Lが約60mm程度以上であれば、効率のよい締結作業及びブレーキ曲げが可能である。
例えば、最大幅W1が100mm、かつ、厚みT1A,T1Bが3.0mmの場合、開口率について、0.45≦W2/W1より、開口部20の幅W2は、45mm以上であればよい。また、幅厚比について、W2/T1A≦10より、開口部20の幅W2は、50mm以下である必要が生じる。すなわち、開口部20の幅W2は、45mm以上、50mm以下の範囲内で設定される(45≦W2≦50)。そして、開口端間隔Lは、L=(W2−T1A)×(√2)、及び、45≦W2≦50より、約59.4mm以上、約66.5mm以下の範囲内で設定される(59.4≦L≦66.5)。
また、ソケット34の直径(線分CD)が32.5mm程度であれば、ソケット34の直径の2倍程度のため、開口端間隔Lは、約60mm程度が好ましい。開口端間隔Lが60mm程度であれば、ブレーキ曲げ時の矢弦の寸法に起因する、約60mm程度以上という条件は満たされる。また、開口部20の開口率及び幅厚比の条件が、59.4≦L≦66.5である。以上より、本実施形態では、開口端間隔Lが、少なくとも、59.4≦L≦66.5の範囲内で設定されれば、開口部20の開口率及び幅厚比の条件が満たされているため、中空部における作業性を向上できる。
なお、矢弦の寸法に起因する条件は必須ではないが、矢弦の寸法を考慮して、開口端間隔Lが、60.0≦L≦66.5の範囲内で設定されてもよい。矢弦の寸法に起因する条件が満たされることによって、加工性が向上するという効果を付加できる。また、ソケット34の直径の2倍程度という条件も必須ではないが、ソケット34の直径を考慮して、開口端間隔Lが、65≦L≦66.5の範囲内で設定されてもよい。ソケット34の直径の2倍程度という条件が満たされることによって、中空部におけるソケット34を用いたボルト32の締結作業を滞りなく実施できるという効果を、更に付加できる。
一方、柱材としての強度の確保については、図4に示すように、建築用柱材10Aを、開口部20の幅厚比W2/T1Aを9パターンに変化させて製造し、それぞれの建築用柱材10Aの断面二次モーメントを測定した。また、図4中では、参考値として、開口部20を有さない閉断面構造の角形鋼管の断面二次モーメントの値(約940000mm)が、水平な破線で例示されている。角形鋼管は、平面視で正方形状であり、断面形状の外縁の縦横の最大寸法が等しい。
測定した建築用柱材10A及び角形鋼管の正方形の寸法は、いずれも約80mm×約80mmであった。すなわち、建築用柱材10Aの最大幅W1は、約80mmであった。また、角形鋼管の厚みは、一様であり、約3.2mmであった。また、建築用柱材10Aの開口部20に位置する一対の側壁板12,18の間に位置する2枚の側壁板14,16の厚みT2は、角形鋼管の厚みと同様に、約3.2mmであった。
図4中、データ点F1の断面二次モーメントの値は、約820000mmである。データ点F1は、開口部20の幅厚比W2/T1Aが、約10となる位置に描かれた破線状の縦線と交わる。このため、第1実施形態の場合、幅厚比W2/T1Aが10以下であると、断面形状の外縁の縦横の最大寸法が等しい角形鋼管の場合と比べ、断面二次モーメントの低下は、12%程度に抑えられ、角形鋼管の場合と概ね同等の性能を有している。また、幅厚比W2/T1Aが8以下であると、断面二次モーメントの値は、約940000mm以上であるため、断面形状の正方形の縦横の寸法が等しい角形鋼管の場合と同等程度以上の断面二次モーメントが確保できる。
(偏心率の値)
第1実施形態では、偏心率{W3/(W1−W2)}の値は、30%以下に設定されている{W3/(W1−W2)≦0.3}。図5中には、偏心率{W3/(W1−W2)}を、12パターンに変化させて測定された断面二次モーメントが、白丸(〇)のデータ点で例示されている。また、図5中には、開口部20を有さない閉断面構造の角形鋼管の断面二次モーメントの値(約940000mm)が、図4中の角形鋼管の場合と同様に、参考値として水平な破線で例示されている。
測定した建築用柱材10A及び角形鋼管の正方形の寸法は、いずれも約80mm×約80mmであった。すなわち、建築用柱材10Aの最大幅W1は、約80mmであった。また、角形鋼管の厚みは、一様であり、約3.2mmであった。また、建築用柱材10Aの開口部20に位置する側壁板12,18の厚みT1A,T1Bは、約5.0mmであった。図5に示したように、偏心率{W3/(W1−W2)}を30%以下に設定することで、角形鋼管と同等程度の断面二次モーメントを確保できる。
(板厚比の値)
第1実施形態では、板厚比{(W1−W3−T1A)/T2}/{(W1−W2)/T1A}の値は、4.0以下に設定されている[{(W1−W3−T1A)/T2}/{(W1−W2)/T1A}≦4.0]。図6中には、板厚比を変化させて測定された局部座屈耐力(圧縮強度)の大きさが、白丸(〇)のデータ点で例示されている。また、図6中には、参考値として、開口部20を有さない閉断面構造の角形鋼管の局部座屈耐力の値(約1250mm)が、水平な破線で例示されている。
測定した建築用柱材10A及び角形鋼管の正方形の寸法は、いずれも約80mm×約80mmであった。すなわち、建築用柱材10Aの最大幅W1は、約80mmであった。また、角形鋼管の厚みは、一様であり、約3.2mmであった。また、開口幅W2は、約40mm以上、約51.5mm以下の範囲内、かつ、補剛板13,17の端面と中心線との間の長さW3は、約10mm程度であり、厚みT1Aは、約5.5〜6.5mm、厚みT2は、約3.2〜6.0mmの範囲内で変化させた。図6に示したように、板厚比を4.0以下に制御することで、角形鋼管と同等程度の断面二次モーメントを確保できる。
(作用効果)
第1実施形態に係る建築用柱材10Aでは、4枚の側壁板12,14,16,18が、隣接する側壁板どうしが結合して設けられ、平面視で、90度±5度の3個の内角と1個の開口部20とが形成される。このため、4枚の側壁板12,14,16,18の内側の中空部に対して、開口部20からアクセス可能である。すなわち、材軸方向全体に亘る開断面構造が実現されているため、開口部20を介して、4枚の側壁板12,14,16,18によって囲まれた中空部に、手や締結工具を差し込むことが可能になる。
例えば、建築用柱材10Aの上側に、異なる柱材や梁等の横架材といった他の建築部材を接続する作業の際、特開2001−27011号に開示されたような、ボルト着脱空間形成用の接続金物を別途用意する必要がない。このため、接続作業の手間及び柱材製造時の加工手間を低減できる。具体的には、例えば、建築用柱材10の両端を部分的に切断して端部を分断し、分断した端部の位置に接続金物を溶接する必要がなくなる。また、材軸方向の全長に亘って断面が同じ形状であることで、建築用柱材10の成形時の手間を省力することが可能である。
また、材軸方向全体に亘って延びる補剛板13,17が、開口部20に位置する側壁板12,18に設けられ、平面視で、4枚の側壁板12,14,16,18のうち少なくとも1枚の側壁板との間で90度±5度の内角が形成される。4枚の側壁板12,14,16,18による90度±5度の3個の内角に加え、補剛板13,17による90度±5度の内角が形成されることによって、開口部20に位置する一対の側壁板12,18が結合していなくても、建築用柱材10Aの座屈耐力を強化できる。
また、第1実施形態では、開口率W2/W1が45%以上、かつ、幅厚比W2/T1Aが10以下に設定されているため、中空部における作業性の向上と、柱材としての強度の確保とを、好適に両立できる。特に、外形が同寸法の角形鋼管と同等程度の強度を確保できる。また、建築用柱材10Aの製造時に、加工負担を抑えて簡易に製造可能である。
また、第1実施形態では、補剛板13,17は、開口部に位置する一対の側壁板12,18のそれぞれにおいて、開口部20と反対側の端部から、平面視で、補剛板13,17が設けられた側壁板12,18と同一直線上を延びている。補剛板13,17及び側壁板12,18が、一体化された一枚の平板状の側壁部(12,13),(17,18)として機能するので、建築用柱材10Aの圧縮強度等が高められ、柱材としての強度を一層向上できる。
また、第1実施形態では、開口部20に位置する側壁板12,18の間に位置する2枚の側壁板14,16の厚み方向の中心は、側壁部(12,13),(17,18)の幅方向における中心から、補剛板13,17側に偏心して設けられている。偏心配置によって、補剛板13,17の端面と中心線との間の長さW3が短くなり、建築用柱材10Aの強度を高めることができる。なお、本開示では、側壁板14,16の偏心配置は、必須ではない。
また、第1実施形態では、開口部20に位置する側壁板12,18の間に位置する2枚の側壁板14,16の幅の、側壁部の幅に対する偏心率は、0.3以下に設定されている。このため、建築用柱材10Aの強度を一層高めることができる。
また、第1実施形態では、開口部20に位置する側壁部12,18の厚みT1A,T1Bが、側壁部12,18の間に位置する側壁板14,16の厚みT2より厚い。このため、開口部20において、側壁部12,18が結合していない分の建築用柱材10Aの強度を補うことができる。
また、第1実施形態では、開口部20に位置する側壁部12,18の間に位置する側壁板14,16と、側壁部(12,13),(17,18)との間で設定される板厚比が、4.0以下であるため、建築用柱材10Aの強度を一層高めることができる。
また、第1実施形態では、補剛板13,17の端面とベースプレート30の外縁とが面一であるため、建築用柱材10Aにおいて、ベースプレート30の外縁の張り出し部分を最小限に抑えることができる。
また、第1実施形態では、ベースプレート30に、開口部20から開口部20の対角側に向かう対角線に沿って、2箇所のボルト孔が並んで設けられている。このため、ベースプレート30を介して建築用柱材10Aを設置する際、2箇所のボルト締めによって、建築用柱材10Aを強固に設置できると共に、開口部20からのアクセスの良さを活用して、容易、かつ、確実にボルト締めできる。
次に、第1実施形態に係る建築用柱材10Aの構造性能としての座屈耐力を、実施例を用いて説明する。また、比較例として、図7に示すように、開口部20に位置する一対の側壁板12,18に、補剛板13,17が設けられていない第1比較例に係る建築用柱材10Z1を用意した。第2比較例として、開口部20を有さない閉断面構造の角形鋼管(図13中の建築用柱材10Z2参照)を用意した。実施例、第1比較例及び第2比較例は、平面視で、いずれも正方形状である。
第1比較例に係る建築用柱材10Z1の最大幅W1、及び、第2比較例に係る建築用柱材10Z2の最大幅W1は、いずれも約75mmであった。また、実施例の最大幅W1は、約89.4mmであった。また、開口部20を有する実施例及び第1比較例では、開口率W2/W1がいずれも約46.7%であると共に、幅厚比W2/T1,W2/T1Aがいずれも約8.75であるように、建築用柱材10A,10Z1を構成した。なお、実施例、第1比較例及び第2比較例で、比較した局所におけるそれぞれの断面の断面積は、約920mm〜約990mmの範囲内であり、概ね同程度である。そして、実施例、第1比較例及び第2比較例について、有限帯板法(Finite Strip Method,FSM)を実施し、それぞれの局部座屈耐力を算出した。
図8中の左側の第2比較例の局部座屈耐力の値の約1250MPaに対し、図8中の中央の第1比較例の局部座屈耐力の値は、約1480MPaであり、約1.18倍の大きさであった。また、図8中の右側の実施例の局部座屈耐力の値は、約1740MPaであり、第2比較例の局部座屈耐力の値の約1.39倍に到達した。実施例で得られた局部座屈耐力によって、第1実施形態に係る建築用柱材10Aでは、第1比較例及び第2比較例より、座屈耐力を向上できることが確認できた。
<建築用柱材の製造方法>
次に、第1実施形態に係る建築用柱材10Aの製造方法を説明する。まず、図9(A)に示すように、ウェブ22及び一対のフランジ24,26を有する軽量H形鋼10A1を用意する。軽量H形鋼10A1では、ウェブ22が、フランジ24,26の中心(図9(A)中の左右方向の中心)に対して偏心して取り付いている。
次に、図9(B)に示すように、ウェブ22の中央部を、折り曲げ加工装置である下型40の凹部40A内に配置する。凹部40Aは、図9(B)中の上側に開口すると共に、下側に向かって窄んでいる。凹部40Aの左右で対向する一対の傾斜面は、凹部40Aの先端の位置で交差している。
そして、折り曲げ加工用の上型42を開口部20に差し込むと共にウェブ22の中央部に対して押し込み、上側から力を加えることによって、凹部40Aの傾斜面に沿って、ウェブ22の中央部を材軸方向全体に亘って、約90度±5度で折り曲げる。折り曲げの際、第1フランジ部12P,18Pの間には、隙間が形成される。
折り曲げ加工によって、図9(A)中の軽量H形鋼10A1でウェブ22の左側に位置していた第1フランジ部12P,18Pが、建築用柱材10Aの側壁板12,18として機能する。また、図9(A)中の軽量H形鋼10A1でウェブ22の右側に位置していた領域が、補剛板13,17として機能する。
また、第1フランジ部12P,18Pの間の隙間は、開口部20として機能する。また、本製造方法を利用するには開口部20の幅W2が最大幅W1の45%以上である必要がある。また、開口端間隔Lが60mm程度以上であれば、一般に多用される公知の上型42をそのまま活用できるため、有効である。以上の工程によって、第1実施形態に係る建築用柱材10Aを製造できる。
また、図9(C)に示すように、ウェブ22が、偏心しておらず、フランジ24,26の中心に取り付く軽量H形鋼10A2を使用することもできる。図9(C)中の軽量H形鋼10A2の上側のフランジ24は、第1フランジ部12P及び第2フランジ部13Pを有する。また、図9(C)中の下側のフランジ26は、第1フランジ部18P及び第2フランジ部17Pを有する。図9(C)中の一対のフランジ24,26は、左右方向に沿って同じ幅(フランジ幅)を有する。ウェブ22が偏心していない軽量H形鋼10A2を使用する場合、例えば、図9(C)中でウェブ22を挟んだ左右いずれか一方側に位置するフランジ部を切断すれば、建築用柱材10Aを製造することができる。
具体的には、例えば、図9(C)中の鉛直な破線で示すように、ウェブ22の右側に位置する第2フランジ部13P,17Pを、それぞれウェブ22寄りの領域を部分的に残しつつ、切断する。切断によって、ウェブ22が、フランジ24,26の幅方向の中心に対し、右側に偏心する。なお、本開示では、ウェブ22が、一方側(図9(A)中の左側)に偏心するように切断されてもよい。そして、図9(B)に示した場合と同様に、切断した軽量H形鋼10A2を折り曲げれば、第1実施形態に係る建築用柱材10Aを得ることができる。
なお、建築用柱材10Aの製造方法としては、図9中で例示したようなH形鋼の折り曲げ加工に限定されず、例えば、4枚の鋼板を、開口部20を有するように、溶接等により隣接する側壁板が交差するように接合する方法も採用できる。
(作用効果)
第1実施形態に係る建築用柱材10Aの製造方法によれば、1本のH形鋼に対して折り曲げ加工を施すだけで、建築用柱材10Aを得ることが可能になる。このため、例えば、4枚の側壁板12,14,16,18及び補剛板13,17を溶接する場合に比べ、加工負担が小さく、建築用柱材10Aを簡易に製造できる。なお、第1実施形態では、軽量H形鋼を用いた建築用柱材10Aの製造方法を例示的に説明したが、本開示ではこれに限定されない。例えば軽量H形鋼より幅の広いH形鋼や厚みが厚いH形鋼等、軽量H形鋼以外のH形鋼を用いて、建築用柱材10Aを製造してもよい。
また、通常、低層住宅等に使用される建築用柱材として流通する角形鋼管の寸法は、平面視で正方形状であり、75mm×75mm、80mm×80mm、90mm×90mm、100mm×100mm等、多用される寸法のパターンが、数個程度に固定されている。このため、角形鋼管の場合、調達の際の寸法自由度が低い。一方、第1実施形態に係る建築用柱材10Aの製造方法の場合、軽量H形鋼を使用して建築用柱材10Aを簡易に製造できるため、製品としての寸法の可変性が高い。このため、建築物の構造に適合するように柱材の形状を自由に実現できる。
<第1変形例>
図1中に示した建築用柱材10Aでは、開口部20に位置する一対の側壁板12,18のそれぞれの厚みT1A,T1Bは、互いに等しかった(T1A=T1B)。しかし、本開示では、それぞれの厚みT1A,T1Bは、互いに異なってもよい。
図10に示すように、第1実施形態の変形例(第1変形例)に係る建築用柱材10AXでは、一対の側壁板12,18のうち、左側の一方の側壁板12の厚みT1Aの方が、下側の他方の側壁板18の厚みT1Bより厚い(T1A>T1B)。第1変形例に係る建築用柱材10AXの他の構成については、図1に示した建築用柱材10Aにおける同名の部材とそれぞれ等価である。
図10中の左側の側壁板12の厚みT1Aが、図10中の下側の側壁板18の厚みT1Bより厚いため、第1の方向Xにおける最大幅W1Xの方が、第2の方向Yにおける最大幅W1Yより広い。同様に、第1の方向Xにおける開口幅W2Xの方が、第2の方向Yにおける開口幅W2Yより広い。
図11中には、一方の側壁板12の厚みT1Aを約6mmで固定すると共に、他方の側壁板18の厚みT1Bを、約3.2mmから約6mmまでの間で7パターンに変化させた場合に測定された断面二次モーメントが、黒丸(●)のデータ点で例示されている。また、参考値として一対の側壁板12,18のそれぞれの厚みT1A,T1Bが互いに等しく、かつ、厚みT1A,T1Bを約3.2mmから約6mmの間で7パターンに変化させた場合の断面二次モーメントが、白丸(〇)のデータ点で例示されている。なお、T1B=6mmの場合における白丸(〇)のデータ点は、黒丸(●)のデータ点と重なっている。
また、図11中には、参考値として、開口部20を有さない閉断面構造の角形鋼管の断面二次モーメントの値(約940000mm)が、水平な破線で例示されている。測定した建築用柱材10AX及び角形鋼管の正方形の寸法は、いずれも約80mm×約80mmであった。すなわち、建築用柱材10AXの最大幅W1は、約80mmであった。また、角形鋼管の厚みは、約3.2mmであった。
白丸(〇)のデータ点から分かるように、一対の側壁板12,18の厚みT1A,T1Bを互いに等しい値として変化させた場合、断面二次モーメントは、約660000mmから約900000mmまでの間で変化する。一方、黒丸(●)のデータ点から分かるように、一対の側壁板12,18の厚みT1A,T1Bを、互いに異なる値に変化させた場合、断面二次モーメントの変化する範囲は、約900000mmから約940000mmまでの間に収まる。すなわち、一対の側壁板12,18の厚みT1A,T1Bを異ならせることで、断面二次モーメントの低下を抑制できることが分かる。
(作用効果)
図11に示したように、第1変形例では、一対の側壁板12,18の厚みT1A,T1Bを異ならせることで、柱材としての重量を減少させつつ、断面二次モーメントを確保することが可能である。例えば、厚みT1Aが厚い方の側壁板12の板面に直交する方向を、建築用柱材10AXの強軸方向と設定し、強軸方向の断面二次モーメントが確保された利点を活用して建築用柱材10AXを設置することが可能である。第1変形例に係る建築用柱材10AXの他の作用効果については、図1に示した建築用柱材10Aの場合と同様である。
<耐力壁>
次に、第1変形例に係る建築用柱材10AXを用いた耐力壁36を、図12〜図15を参照して説明する。図12(A)に示すように、耐力壁36は、一対の建築用柱材10AX,10AXと、一対の支持板36A,36Aと、一対のデバイス接合板36B,36Bと、エネルギ吸収デバイス36Cと、を備える。耐力壁36では、厚みT1Aが厚い方の側壁板12の板面に直交する方向(図12(B)中の左右方向)が、建築用柱材10AXの強軸方向と設定されている。
一対の建築用柱材10AX,10AXは、図12(A)中の左右方向に沿って、地面の上に、互いに離間して設置されている。支持板36A、デバイス接合板36B及びエネルギ吸収デバイス36Cは、一対の建築用柱材10AX,10AXの間に設けられ、本開示の「壁体」の一例である。なお、壁体としては、エネルギ吸収デバイスを備えたものに限定されず、一枚の板状部材等、他の構造であってもよい。
図12(B)に示すように、一対の建築用柱材10AX,10AXは、開口部20がいずれも壁体の外側に位置するように配置されている。なお、図12(B)中の左側の建築用柱材10AXでは、開口部20は左上側に開口する一方、右側の建築用柱材10AXでは、開口部20は右下側に開口している。すなわち、一対の建築用柱材10AX,10AXは、図12(B)中で、中央のエネルギ吸収デバイス36Cを中心として、点対称に配置されている。なお、一対の建築用柱材10AX,10AXは、点対称配置に限定されず、中央のエネルギ吸収デバイス36Cに対して左右対称(線対称)に配置されても構わない。
支持板36Aは、鋼板製部材であり、建築用柱材10AXと、ボルト32及びナット33で接合されている。デバイス接合板36Bは、鋼板製部材であり、デバイス接合板36Bの、対応する建築用柱材10AX側となる一方の板面には、支持板36Aの建築用柱材10AXと反対側の端面が溶接されている。なお、支持板36A及びデバイス接合板36Bは、H形鋼を用いて一体的に構成されてもよい。デバイス接合板36Bの他方の板面には、エネルギ吸収デバイス36Cが、ボルト締めによって接合されている。また、支持板36Aへのボルト32の挿入方向については、図12(B)に示すように建築用柱材10AXの開口部20からボルトを挿入しても、建築用柱材10AXの外から挿入しても問題ない。なお、溶接等、ボルト締め以外の接合方法が用いられてもよい。
エネルギ吸収デバイス36Cは、例えば、U字状に湾曲された鋼板製部材であり、図12(A)中では、合計4個のエネルギ吸収デバイス36Cが、U字の開口部を対向させて上下方向に隙間を開けて配置された場合が例示されている。上下一組のエネルギ吸収デバイス36C,36Cは、図12(A)中の左右に設けられたデバイス接合板36Bによって支持されている。地震時、耐力壁に地震のエネルギが入力されると、エネルギ吸収デバイス36Cが変形することで、エネルギが吸収される。
なお、エネルギ吸収デバイスはここで記載するU字状のものに拘らず、エネルギ吸収可能な機構であれば、問題なく使用できる。さらに、デバイスを設ける際のデバイスの個数や支持板36Aの形状は例示したものと異なってもよい。また、エネルギ吸収デバイス36Cの素材としては、鋼製だけでなく、粘弾性を有する素材であってもよい。
一方、図13に示した耐力壁36Zでは、角形鋼管の建築用柱材10Z2が柱材として用いられ、建築用柱材10Z2には、支持板36Aが接合されている。建築用柱材10Z2は、図8を用いて説明した「実施例」中で、第2比較例として説明した角形鋼管と同じ仕様を有する。第2比較例に係る建築用柱材10Z2の場合、側面の角部に開口部20が設けられておらず、支持板36Aは、建築用柱材10Z2の内側に接合された接続部材33Aを介して接合されている。接続部材33Aには、例えば、タップ等によってネジ溝が形成されている。
(作用効果)
第1変形例に係る建築用柱材10AXを用いた耐力壁36では、建築用柱材10AXに開口部20が設けられている。このため、建築用柱材10AXと支持板36Aとをボルト締めする際、開口部20によって建築用柱材10AXの中空部に手や締結工具を差し込むことが可能になる。
ここで、第2比較例に係る建築用柱材10Z2を用いた耐力壁Zの場合、接続部材33Aを別途用意する必要になる。また、角形鋼管の建築用柱材10Z2の製造工程において、閉鎖断面構造を形成する前に、角形鋼管の内壁面となる板面上で、支持板36Aがボルト締めされる予定位置に、接続部材33Aを溶接等によって予め接合する手間が生じる。一方、第1変形例に係る耐力壁36では、接続部材33Aを別途用意する必要がないと共に、建築用柱材10AXの内壁面上に接続部材を接合する必要もない。このため、第2比較例に係る耐力壁36Zと比べ、耐力壁36を簡易に構築できる。
また、第1変形例に係る建築用柱材10AXを用いた耐力壁36と、第2比較例に係る建築用柱材10Z2を用いた耐力壁36Zに対して、柱材の断面の変形量をパラメータとした、有限要素解析を実行した。図14中には、解析結果に基づく耐力壁のコンター図の外縁形状が例示されている。なお、図14中では、等値線の図示は省略する。解析の境界条件としては、図14中の耐力壁36の一対の建築用柱材10AXの上側に設定された丸印において、左右方向に沿った強制変位の量を、層間変形量Δとして設定した。図14中の左右方向は、厚みT1Aが厚い方の側壁板12に交差する方向であり、建築用柱材10AXの強軸方向である。
また、図14中の左右方向においては、右方向を正(+)とし、左方向を負(−)とした。また、図14中の上下方向及び紙面に交差する奥行方向における変位は拘束し、変位量は、いずれも零(ゼロ)とした。すなわち、建築用柱材10AXの上部について、3軸方向のうち、強軸方向に沿った1軸方向についてのみ、変位を許容し、他の2軸方向については、変位を拘束した。一方、図14中の耐力壁36の下部において、一対の建築用柱材10AX,10AXの左右方向、上下方向及び奥行方向の3軸方向については、変位量がいずれも零(ゼロ)となるように、それぞれの変位を完全に固定した。
図15中に示したように、解析の結果、建築用柱材10AXの場合、建築用柱材10Z2と比べ、剛性がやや下がるものの、建築用柱材10Z2より耐力が大きい。また、層間変形量Δが50mmのときも、水平力Qはほぼ一定であり、座屈等の不安定な挙動などは見られなかった。このため、開断面構造を有する建築用柱材10AXであっても、開口部20に位置する側壁板12,18の厚みT1A,T1Bを変化させることで、柱材の性能を担保できることが確認できた。
なお、本開示では、強軸方向において必要な断面二次モーメントを確保できる限り、開口部20に位置する一対の側壁板12,18の厚みT1A,T1Bは、互いに等しくてもよい。側壁板12,18の厚みT1A,T1Bが等しい場合には、建築用柱材を、比較的簡易に加工できるため、耐力壁36の製造負担を軽減することができる。
−第2実施形態−
<建築用柱材の構造>
次に、第2実施形態に係る建築用柱材10Bを、図16〜図19を参照して説明する。図16及び図17に示すように、第2実施形態に係る建築用柱材10Bは、4枚の側壁板12,14,16,18が、平面視で、正方形状に配置され、内側に中空部を有する点は、第1実施形態に係る建築用柱材10Aと同様である。また、正方形の4個の角部に対応する位置に、90度±5度の3個の内角が形成されると共に、開口部20が、建築用柱材10Bの材軸方向全体に亘って延びるように形成される点も、第1実施形態に係る建築用柱材10Aと同様である。
また、第2実施形態では、鋼製の補剛板11,19が、開口部20に位置する側壁板12,18のそれぞれに連続して設けられている点は、第1実施形態に係る建築用柱材10Aと同様である。しかし、第2実施形態では、補剛板11,19が、側壁板12,18の開口部20側に端部に設けられている点が、第1実施形態の場合の補剛板13,17と異なる。
補剛板11,19は、側壁板12,18の開口部20側の端部から中空部の内側に向かって突出する。補剛板11,19の材軸方向の長さは、側壁板12,18の材軸方向の長さと等しい。また、補剛板11,19の厚みT1は、側壁板12,18の厚みT1と等しい。図17中の左上の補剛板11は、隣接する側壁板12と交差し、水平方向に沿って一定の幅W4を有して延びる。同様に、図17中の右下の補剛板19は、隣接する側壁板18と交差し、鉛直方向に沿って一定の幅W4を有して延びる。
なお、図示を省略するが、本開示の補剛板の壁面は、第2実施形態の補剛板11,19のように、平坦である必要はない。本開示では、例えば、側壁板12,18との結合部と反対側の端部であって側壁板12,18に固定されていない側の端部が、側壁板12,18側に近づくように、さらに内側に折り曲げられた場合も含まれ得る。具体的には、例えば、補剛板11,19を約90度で折り曲げることによって、平面視でL字状に表れる場合や、約180度で折り曲げることによって、平面視でU字状に表れる場合が含まれる。
開口部20は、補剛板11の開口端Aと補剛板19の開口端Bとの間に、一定の開口端間隔Lを有して形成される。第2実施形態では、開口端A,開口端Bは、平面視で、補剛板11,19の端部の2個の角部のうち、交点R寄りの角部に位置する。
第2実施形態では、建築用柱材10Bの最大幅W1は、図17中の上側の側壁板14及び右側の側壁板16の幅と同じである。最大幅W1を有する側壁板14,16は、開口部20に位置する一対の側壁板12,18の間に挟まれて位置する。第2実施形態においても、開口率W2/W1が45%以上、かつ、幅厚比W2/T1が10以下に設定されている。また、開口端間隔Lは、柱材としての強度の確保と、折り曲げ加工時に開口部20に差し込まれる矢弦の寸法との両方を考慮して、例えば、60mm以上に設定されている。
第2実施形態においても中空部における作業性及び加工性については、第1及び第2実施形態の場合と同様に、開口率W2/W1が45%以上の場合、作業性及び加工性が向上する。一方、開口率W2/W1が45%未満の場合、中空部における作業性及び加工性が低下する。また、柱材としての強度の確保については、図18に示すように、第2実施形態に係る建築用柱材10Bを、幅厚比W2/T1を16パターンに変化させて製造し、それぞれの建築用柱材10Bの断面二次モーメントを測定した。
図18中では、開口部20を有さない閉断面構造の角形鋼管の断面二次モーメントの値(約940000mm)が、参考値として水平な破線で例示されている。測定した建築用柱材10B及び角形鋼管の正方形の寸法は、いずれも約80mm×約80mmであった。すなわち、建築用柱材10Bの最大幅W1は、約80mmであった。また、角形鋼管の厚みは、一様であり、約3.2mmであった。建築用柱材10Bの厚みT1も、一様であり、約3.2mmであった。
図18中、データ点F2の断面二次モーメントの値は、約870000mmである。データ点F2は、幅厚比W2/T1が10である位置に描かれた破線状の縦線と交わる。このため、第2実施形態の場合、幅厚比W2/T1が10以下であると、断面形状の正方形の縦横の寸法が等しい角形鋼管の場合と比べ、断面二次モーメントの低下は、7%程度であり、角形鋼管の場合と概ね同等の性能が実現できる。また、幅厚比W2/T1が8以下であると、断面二次モーメントの値は、約940000mm以上であるため、断面形状の正方形の縦横の寸法が等しい角形鋼管の場合と同等程度以上の断面二次モーメントが確保できる。
また、第2実施形態では、補剛板11の幅W4の、補剛板11の厚みT1に対する比(W4/T1)が、第1の方向Xにおける「補剛板の幅厚比」として定義される。また、補剛板19の幅W4の、補剛板19の厚みT1に対する比(W4/T1)が、第2の方向Yにおける「補剛板の幅厚比」として定義される。第2実施形態では、第1の方向X及び第2の方向Yにおけるそれぞれの「補剛板の幅厚比(W4/T1)」は、同じである。このため、以下、説明の便宜上、「第1の方向X」及び「第2の方向Y」の文言を特に付加することなく、単に「補剛板の幅厚比(W4/T1)」と表現する。
図19中には、補剛板11,19の幅厚比(W4/T1)を6パターンに変化させた場合に測定された局部座屈耐力の大きさが、白丸(〇)のデータ点で例示されている。また、図19中には、図7中に示した第1比較例に係る建築用柱材10Z1のように、補剛板11,19を有さない場合の局部座屈耐力の値(約1900MPa)が、参考値として水平な破線で例示されている。第1比較例に係る建築用柱材10Z1は、補剛板11,19以外の構成について、第2実施形態に係る建築用柱材10Bと同様の構成を有する。
図19に示すように、補剛板11,19の幅厚比W4/T1が1.5以上の場合{1.5≦(W4/T1)}、第2実施形態に係る建築用柱材10Bの局部座屈耐力は、第1比較例の局部座屈耐力と同等程度以上であることが分かる。第2実施形態に係る建築用柱材10Bの他の構成については、第1実施形態に係る建築用柱材10Aにおける同名の部材とそれぞれ等価であるため、重複説明を省略する。
(作用効果)
第2実施形態に係る建築用柱材10Bでは、4枚の側壁板12,14,16,18が、隣接する側壁板どうしが結合して設けられ、平面視で、90度±5度の3個の内角と1個の開口部20とが形成される。このため、4枚の側壁板12,14,16,18の内側の中空部に対して、開口部20からアクセス可能である。
また、材軸方向全体に亘って延びる補剛板11,19が、開口部20に位置する側壁板12,18に設けられ、平面視で、側壁板12,18との間で90度±5度の内角が形成される。4枚の側壁板12,14,16,18による90度±5度の3個の内角に加え、補剛板11,19による90度±5度の内角が形成されることによって、開口部20に位置する一対の側壁板12,18が結合していなくても、建築用柱材10Aの座屈耐力を強化できる。
また、第2実施形態10Bでは、開口率W2/W1が45%以上、かつ、幅厚比W2/T1Aが10以下に設定されているため、中空部における作業性及び加工性の向上と、柱材としての強度の確保とを、好適に両立できる。
また、第2実施形態では、補剛板11,19は、開口部20に位置する一対の側壁板12,18のそれぞれにおいて、開口部20側の端部から、内側に向かって延びている。補剛板11,19と側壁板12,18との間では、平面視で、90度±5度の内角が形成される。このため、第1実施形態の場合と同様、建築用柱材10Bの圧縮強度等が高められることによって、柱材としての強度を一層向上できる。すなわち、本開示では、補剛板は、中空部の外側及び内側のどちらに向かって突出してもよい。
また、第2実施形態では、補剛板11,19の幅W4の厚みT1に対する幅厚比が、1.5以上であるため、柱材としての強度を向上できる。第2実施形態に係る建築用柱材10Bの他の効果については、第1実施形態の場合と同様である。
<耐力壁>
図20に示すように、第2実施形態に係る建築用柱材10Bを用いた耐力壁36は、図12中に例示した耐力壁36で用いられた建築用柱材10AX以外の部材については等価である。すなわち、図20中の耐力壁36は、一対の建築用柱材10B,10Bと、一対の支持板36A,36Aと、一対のデバイス接合板36B,36Bと、エネルギ吸収デバイス36Cと、を備える。一対の建築用柱材10B,10Bは、図20中の左右方向に沿って、互いに離間して設けられている。支持板36A、デバイス接合板36B及びエネルギ吸収デバイス36Cは、一対の建築用柱材10B,10Bの間に設けられ、本開示の「壁体」の一例である。
(作用効果)
第2実施形態に係る建築用柱材10Bを用いた耐力壁36においても、図12中に例示した耐力壁36の場合と同様に、建築用柱材10Bに開口部20が設けられているため、支持板36Aとのボルト締め作業を容易に行うことが可能になる。建築用柱材10Bを用いた耐力壁36の他の効果については、図12中に例示した耐力壁36の場合と同様である。
<第2変形例>
図1〜図20中に例示された建築用柱材10A,10AX,10Bでは、4枚の側壁板12,14,16,18が隣接する側壁板どうしで交差し、側壁板の板面を延長した仮想線を含めた全体の形状が、平面視で「正方形状」又は「長方形状」であった。しかし、本開示では、これに限定されない。例えば、図21(A)に示した第2実施形態の変形例(第2変形例)に係る建築用柱材10Cのように、右側の側壁板14と左側の側壁板16との間に、面取り部のようなテーパー領域15が設けられてもよい。
なお、本開示では、テーパー領域15に替えて、平面視で、外側に膨らむように湾曲した領域等が、中間領域として、設けられてもよい。また、中間領域の位置は、図21(A)中の側壁板14,16間に限定されず、例えば、右側の側壁板12と下側の側壁板14との間等、4枚の側壁板の間に、1箇所以上、適宜設けられてよい。中間領域が設けられていても、平面視で、隣接する二辺が交差するように4枚の側壁板が配置されており、4枚の側壁板が、実質的に正方形状又は長方形状であると見做せればよい。中間領域の第1の方向X又は第2の方向Yに沿った幅が、例えば、最大幅W1の側壁板14,16の幅の50%以内であれば、建築用柱材を平面視で正方形状又は長方形状と見做すことが可能である。
また、第2変形例に係る建築用柱材10Cの製造方法としては、まず、図21(B)に示すように、ウェブ28、一対のフランジ(側壁板12,18)及び一対のフランジの端部にそれぞれ設けられたリップ(補剛板11,19)を有するリップ溝形鋼10C1を用意する。そして、リップ溝形鋼10C1を、折り曲げ加工用の下型50の凹部50A内に配置する。
凹部50Aは、図21(B)中の上側に開口すると共に、下側に向かって窄む。図21(B)中の凹部50Aの左右には、対向する一対の傾斜面が設けられ、傾斜面は、平坦な底面との間で約135度の交差角度をなして、底面と連続している。すなわち、凹部50Aは、上底が下底より長い等脚台形状である。また、折り曲げ加工用の上型52においてリップ溝形鋼10C1に接触する下面の形状は、凹部50Aの底面に応じて平坦である。
次に、上型52をリップ溝形鋼10C1のウェブ28の中央部に近接させる。そして、図21(C)に示すように、上型42をウェブ28の中央部に対して押し込み、上側から力を加えることによって、ウェブ28の中央部を、材軸方向全体に亘って、凹部50Aの傾斜面に沿って折り曲げる。折り曲げ後のリップ溝形鋼10C1には、一対のリップ(補剛板11,19)の間に、隙間が形成される。ウェブ28の中央部は、凹部50Aの一対の傾斜面及び底面の形状に沿って、約45度の内角を有するように2箇所で折り曲げられる。
折り曲げ後、ウェブ28の約45度の内角を有する2箇所の折り曲げ位置に挟まれた領域は、テーパー領域15(図21(A)参照)として機能する。また、図21(C)中のテーパー領域15の両側に位置する領域が、側壁板14,16として機能する。以上の工程によって、第2変形例に係る建築用柱材10Cを製造できる。
<その他の実施形態>
本開示は上記の開示した実施の形態によって説明したが、この説明は、本開示を限定するものではない。本開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになると考えられるべきである。例えば、第1及び第2実施形態では、4枚の側壁板が、平面視で、正方形状に配置された場合が例示されたが、本開示では、これに限定されず、4枚の側壁板が長方形状に配置されてもよい。
また、本開示では、柱材とは建築用柱材だけでなく、耐力壁の縦枠材も含まれる。すなわち、開口部からアクセス可能な中空部を有する柱材であれば、本開示は、部材の名称に限定されない。また、開口部20に位置する一対の側壁板12,18の幅(W1−W2)は、互いに異なってもよい。また、第2実施形態における補剛板11,19の幅W4は、互いに異なってもよい。
また、第1実施形態に係る建築用柱材10Aでは、開口部20に位置する一対の側壁板12,18の厚みT1Aが、これら一対の側壁板12,18の間に位置する一対の側壁板14,16の厚みT2より大きい場合が例示されていた。しかし、本開示では、これに限定されず、例えば、4枚の側壁板12,14,16,18の厚みは、一様であってもよい。本開示では、4枚の側壁板12,14,16,18の厚みは、開口部20の開口率及び幅厚比、建築用柱材の板厚比、並びに、補剛板の幅厚比等の設定に使用可能な値である限り、適宜、変更可能である。
また、図1〜図21中に示した構成を部分的に組み合わせて、本開示に係る建築用柱材を構成することもできる。本開示は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むと共に、本開示の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ定められるものである。
10A,10AX,10B,10C 建築用柱材
10A1 軽量H形鋼
11,13,13A,17,19 補剛板
12,14,16,18 側壁板
20 開口部
22 ウェブ
24,26 フランジ
36 耐力壁
L 開口端間隔
T1,T1A,T1B,T2 厚み
W1,W1X,W1Y 最大幅
W2,W2X,W2Y 開口部の幅
W3 補剛板の端面と側壁板の中心線との間の長さ
W4 補剛板の幅
X 第1の方向
Y 第2の方向

Claims (16)

  1. 隣接する側壁板どうしが結合して設けられ、平面視で、90度±5度の3個の内角と1個の開口部とが形成される4枚の側壁板と、
    前記開口部に位置する前記側壁板の端部から突出され材軸方向全体に亘って延びるように設けられ、平面視で、前記4枚の側壁板のうち少なくとも1枚の側壁板との間で90度±5度の内角が形成される補剛板と、
    を備える建築用柱材。
  2. 前記開口部の幅は、前記開口部の幅と同じ方向に沿った最大幅の45%以上、かつ、前記開口部に位置する前記側壁板の厚みの10倍以下である、
    請求項1に記載の建築用柱材。
  3. 前記補剛板は、前記開口部に位置する一対の前記側壁板のそれぞれにおいて、前記開口部と反対側の端部から、平面視で、当該補剛板が設けられた前記側壁板と同一直線上を延びている、
    請求項2に記載の建築用柱材。
  4. 前記開口部に位置する前記側壁板に隣接する前記側壁板の厚み方向の中心は、前記開口部に位置する前記側壁板と、当該側壁板に設けられ当該側壁板と同じ厚みを有する前記補剛板とからなる側壁部の幅の中心から、前記補剛板側に偏心している、
    請求項3に記載の建築用柱材。
  5. 平面視で、前記側壁部に隣接する前記側壁板の厚み方向の中心を通り、当該側壁板に沿って延びる中心線を設定し、
    前記側壁部を構成する前記補剛板の端面から前記中心線までの長さの、前記側壁部の幅に対する比が、0.3以下である、
    請求項4に記載の建築用柱材。
  6. 4枚の前記側壁板のうち、前記開口部に位置する前記側壁板の厚みは、当該側壁板に隣接して結合された前記側壁板の厚みより厚い、
    請求項3または請求項5に記載の建築用柱材。
  7. 4枚の前記側壁板のうち、前記開口部に位置する前記側壁板に隣接して結合された前記側壁板の幅の、当該側壁板の厚みに対する比を第1幅厚比とし、
    前記開口部に位置する前記側壁板の幅の、当該側壁板の厚みに対する比を第2幅厚比としたとき、
    前記第1幅厚比の前記第2幅厚比に対する比が、4以下である、
    請求項6に記載の建築用柱材。
  8. ボルト孔を有して4枚の前記側壁板の端部に設けられた四角形状のベースプレートを備え、
    前記補剛板の端面と前記ベースプレートの外縁とは、面一である、
    請求項7に記載の建築用柱材。
  9. 前記ボルト孔は、複数であり、平面視で、前記開口部から、前記開口部の対角側に向かう対角線に沿って設けられている、
    請求項8に記載の建築用柱材。
  10. 前記補剛板は、前記開口部に位置する一対の前記側壁板のそれぞれにおいて、前記開口部側の端部から、平面視で、当該補剛板が設けられた前記側壁板との間で90度±5度の内角が形成されるように、内側に向かって延びている、
    請求項2に記載の建築用柱材。
  11. 前記開口部の開口端間隔は、60mm以上である、
    請求項10に記載の建築用柱材。
  12. 前記補剛板の幅の厚みに対する比が、1.5以上である、
    請求項11に記載の建築用柱材。
  13. 互いに離間して配置された一対の建築用柱材であって、隣接する側壁板どうしが結合して設けられ、平面視で、90度±5度の3個の内角と1個の開口部とが形成される4枚の側壁板と、平面視で、前記開口部に位置する前記側壁板の端部から突出され材軸方向全体に亘って延びるように設けられ、平面視で、前記4枚の側壁板のうち少なくとも1枚の側壁板との間で90度±5度の内角が形成される補剛板と、を有する建築用柱材と、
    前記一対の建築用柱材の間に設けられた壁体と、
    を備える耐力壁。
  14. 前記開口部に位置する一対の前記側壁板の厚みは、互いに同じである、
    請求項13に記載の耐力壁。
  15. 前記開口部に位置する一対の前記側壁板のうち、一方の前記側壁板の厚みが、他方の前記側壁板の厚みより厚い、
    請求項13に記載の耐力壁。
  16. ウェブ及び一対のフランジを有するH形鋼を用意する工程と、
    平面視で、90度±5度の3個の内角と1個の開口部とが形成されるように、前記H形鋼の前記ウェブの中央部を折り曲げて前記一対のフランジの間に隙間を形成する工程と、
    を含む建築用柱材の製造方法。
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