JP2020165137A - 給油口構造 - Google Patents

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【課題】簡易な構成で、インレットボックスに対するロック部材の取り付け作業性に優れる給油口構造を提供する。【解決手段】給油口構造1は、給油用開口の内側に設けられるインレットボックス2と、給油用開口を開閉するリッドをロックするロック部材3とを備える。ロック部材3は、インレットボックス2の車内側に取り付けられるロックブラケット31と、インレットボックスの車外側に雄ねじ部が突出される筒状部材4と、筒状部材4に挿入されてインレットボックスの車外側に進退可能なロックピン5と、ナット6とを備える。ロックブラケット31は、基部32の上部に爪部34を有する。インレットボックス2は、爪部34が掛けられる第一壁部21と、ナット6のねじ結合により共回りされるロックブラケット31の爪部34に当接する第二壁部25とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、給油用開口の内側に設けられるインレットボックスと、給油用開口を開閉するリッドをロックするロック部材とを備える給油口構造に関する。
自動車などの車両は、燃料を供給するための給油用開口が車体に設けられている。一般的な自動車では、多くの場合、給油用開口が車体後部の側面に設けられている。給油用開口の内側には、インレットボックスが車両外方を向いて開口するように設けられている。また、インレットボックスには、給油用開口を開閉するリッドをロックするロック部材が取り付けられている。
特許文献1には、リッドをロックするリッドロック機構をインレットボックスにねじ締め固定することが記載されている。特許文献1に記載のリッドロック機構は、ロックボディから出没可能に突出するロックピンと、ロックピンが挿入されるねじ部と、ねじ部に螺着されるナットとを備える。リッドロック機構のインレットボックスへの取り付けは、ロックボディとインレットボックスの側壁との間に取付ブラケットを介在させるとともに、ねじ部を側壁の取付け穴に挿入する。そして、取付け穴から突出させたねじ部にインレットボックス内からナットを螺着することにより、側壁にねじ締め固定する。
特開2014−88110号公報
従来、インレットボックスに対するロック部材の取り付け作業は、次の手順で行われている。インレットボックスに設けられた貫通孔に車内側から、ロックブラケットを介在させて、ロックピンが挿入される筒状部材を差し込む。これにより、インレットボックスの車外側に筒状部材を突出させるようにして、ロック部材を配置する。その後、インレットボックスの車外側から、筒状部材の外周面に設けられた雄ねじ部にナットを締め付け、ロック部材を固定する。
車体後部のバックドア用開口から給油用開口の位置が近い小型車の場合、ロック部材の取り付けは、一人の作業者によって行われている。具体的には、バックドア用開口から作業者が一方の手を差し入れて、インレットボックスの車内側にロック部材を配置する。そして、作業者が、一方の手でロックブラケットを支持しながら、もう一方の手でインレットボックスの車外側からナットの締め付けを行う。よって、小型車では、一人の作業者がロック部材の配置とナットの締め付けを同時に行っている。しかし、サイズが大きい車両の場合、バックドア用開口から給油用開口の位置が遠いため、作業者の手が届かないということがある。よって、このような車両では、インレットボックスの車内側にロック部材を一旦配置しておき、次の工程でナットの締め付けを行うことになる。その場合、次の工程までロック部材がインレットボックスから外れないように仮配置する必要がある。また、次の工程でナットを締め付ける際にロックブラケットが共回りすることがある。
したがって、ロック部材の取り付け作業性の観点から、ロック部材をインレットボックスに仮配置できながら、ナットの締め付けによるロックブラケットの共回りを防止できることが望まれる。
本発明の目的の一つは、簡易な構成で、インレットボックスに対するロック部材の取り付け作業性に優れる給油口構造を提供することにある。
本発明の一態様に係る給油口構造は、
車体側面に設けられた給油用開口と、
前記給油用開口の内側に設けられ、車両外方を向いて開口するインレットボックスと、
前記給油用開口を開閉するリッドをロックするロック部材と、を備える給油口構造であって、
前記ロック部材は、
前記インレットボックスの車内側に取り付けられるロックブラケットと、
外周面に雄ねじ部を有すると共に、前記ロックブラケットと前記インレットボックスとを貫通して前記インレットボックスの車外側に前記雄ねじ部が突出される筒状部材と、
前記筒状部材に挿入されて前記インレットボックスの車外側に進退可能なロックピンと、
前記雄ねじ部にねじ結合されるナットと、を備え、
前記ロックブラケットは、
車両上下方向に延びて前記筒状部材に貫通される基部と、
前記基部の上部から前記基部と交差する方向に延びる爪部とを有し、
前記インレットボックスは、
前記筒状部材が挿入される貫通孔と、
前記貫通孔の上方に設けられ、前記爪部が掛けられる第一壁部と、
前記ナットのねじ結合により共回りされる前記ロックブラケットの前記爪部に当接する第二壁部と、を有する。
上記の給油口構造は、ロック部材のロックブラケットに爪部を有し、インレットボックスに爪部が掛けられる第一壁部と、爪部に当接する第二壁部とを有する。そのため、ロック部材の取り付け作業において、ロックブラケットの爪部を第一壁部に掛けることにより、ロック部材をインレットボックスから外れないように仮配置することができる。また、ロック部材を仮配置した後、ナットを筒状部材の雄ねじ部にねじ結合する際に爪部が第二壁部に当接することにより、ロックブラケットの共回りを防止できる。したがって、上記の給油口構造は、ロックブラケットに爪部を設けると共に、インレットボックスに第一壁部及び第二壁部を設けるという簡易な構成で、インレットボックスに対するロック部材の取り付け作業性に優れる。
また、上記の給油口構造は、インレットボックスにおいて剛性が局所的に低下する貫通孔の上方に、第一壁部及び第二壁部とを有することで、剛性が向上する。そのため、貫通孔に起因するインレットボックスの変形を効果的に抑制できる。
図1は、実施形態1に係る給油口構造を車外側から見た概略斜視図である。 図2は、実施形態1に係る給油口構造を車内側から見た概略斜視図である。 図3は、実施形態1に係る給油口構造の要部を車内側から見た概略斜視図である。 図4は、図3におけるIV−IV線断面を示す概略断面図である。 図5は、実施形態1に係る給油口構造を構成するインレットボックスの要部を車内側から見た概略斜視図である。 図6は、実施形態1に係る給油口構造を構成するインレットボックスにおける第一壁部の形状を示す図である。
本発明の実施形態に係る給油口構造の具体例を、図面を参照して説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」とは、車両の正面を「前」とし、これを基準とする方向を意味する。図中の矢印で示す「FR」は車両前方、「RR」は車両後方、「UP」は車両上方、「LWR」は車両下方を示す。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
《全体構成》
図1に示す給油用開口10は車体後部の側面に設けられている。実施形態1に係る給油口構造1は、給油用開口10の内側に設けられるインレットボックス2と、給油用開口10を開閉するリッド(図示せず)をロックするロック部材3とを備える。給油口構造1の特徴の一つとして、図2、図3に示すように、ロック部材3は、ロックブラケット31に爪部34を有する点が挙げられる。また、インレットボックス2は、図3、図5に示すように、第一壁部21と第二壁部25とを有する点が挙げられる。
本例では、給油用開口10(図1)が車体の左側面に形成されている。インレットボックス2は、図1に示すように、車両外方を向いて開口するカップ状の部材である。インレットボックス2の底部には開口部2aが設けられており、図示しない燃料タンクから延びる給油パイプが開口部2aを通って配置される。また、車体には、給油用開口10を開閉するリッド(図示せず)が取り付けられる。リッドは、給油用開口10を塞ぐ板状の部材である。本例の場合、インレットボックス2の前側に例えばヒンジなどを介してリッドの前端が結合され、リッドの後端が車外側に開くように構成されている。リッドの後端部には、インレットボックス2から突出するロックピン5に係合する係止孔が設けられ、ロックピン5によってリッドが閉じた状態でロックされる。以下、給油口構造1を構成するインレットボックス2及びロック部材3について詳細に説明する。
〈ロック部材〉
ロック部材3は、図2に示すように、インレットボックス2の車内側に配置される。ロック部材3は、図2〜図4に示すように、ロックブラケット31と、筒状部材4と、ロックピン5と、ナット6とを備える。
(ロックブラケット)
ロックブラケット31は、図2〜図4に示すように、インレットボックス2の車内側に取り付けられる。ロックブラケット31は、車両上下方向に延びる基部32を有する。基部32には、図4に示すように、筒状部材4が貫通される貫通孔33が形成されている。基部32は、インレットボックス2における貫通孔20(図5)が設けられた側面2bに面するように配置される。基部32の貫通孔33とインレットボックス2の貫通孔20とが重なるように位置する。本例では、図3に示すように、ロックブラケット31は、基部32における車幅方向の外方側の端部が車両後方側に屈曲して形成された側板部35を有する。
(爪部)
ロックブラケット31は、図3に示すように、基部32の上部から基部32と交差する方向に延びる爪部34を有する。本例では、爪部34は、基部32の上部から車両前方に向けて突出する。爪部34は、後述するインレットボックス2に設けられた第一壁部21に掛けられる。
(筒状部材)
筒状部材4は、図4に示すように、外周面に雄ねじ部41を有する円筒状の部材である。筒状部材4は、ロックブラケット31とインレットボックス2とを貫通してインレットボックス2の車外側に雄ねじ部41が突出される。具体的には、筒状部材4は、基部32の貫通孔33とインレットボックス2の貫通孔20とに挿入され、インレットボックス2の車外側に突出する。筒状部材4における車内側の端部にはフランジ部42を有する。このフランジ部42とインレットボックス2の側面2bとの間に基部32が挟まれる。
(ロックピン)
ロックピン5は、図3、図4に示すように、筒状部材4に挿入されてインレットボックス2の車外側に進退可能に設けられている。ロックピン5の先端部は、筒状部材4から露出して、図1に示すように、インレットボックス2の車外側に突出する。本例では、図3に示すように、側板部35に対して揺動部材51が設けられている。揺動部材51は、軸52を中心に揺動可能に支持されている。揺動部材51は、下方に延びる第一片53と、後方に延びる第二片54とを有する。第一片53はロックピン5の基端部に連結されている。一方、第二片54にはロックケーブル7が接続されている。また、軸52には、トーションばね55が取り付けられている。トーションばね55は、第一片53に連結されたロックピン5の基端部をインレットボックス2に向けて前方に付勢する。そのため、通常時は、ロックピン5の先端部がインレットボックス2の車外側に進出するようになっている。ロックケーブル7を引っ張り操作すると、第二片54が引っ張られて揺動部材51が回転し、第一片53が後方に揺動する。そのため、ロックピン5が後方に移動して、ロックピン5の先端部が筒状部材4内に退避する。
(ナット)
ナット6は、図4に示すように、インレットボックス2の車外側から筒状部材4の雄ねじ部41にねじ結合される。ナット6を雄ねじ部41に締め付ける際、フランジ部42とインレットボックス2のとの間に挟まれるロックブラケット31(基部32)がロックピン5の先端側から見て時計回りに共回りしようとする(図3中の矢印は共回り方向を示す)。
〈インレットボックス〉
インレットボックス2は、図5に示すように、筒状部材4(図4)が挿入される貫通孔20を有する。本例では、貫通孔20は、インレットボックス2における車両後方側の側面2bに設けられている。また、インレットボックス2において、貫通孔20が形成された部分は車外側から車内側に向けて凹む凹部2c(図1)になっており、側面2bが平坦面で構成されている。そのため、インレットボックス2を車外側から見たとき、凹部2cの底面に相当する箇所に貫通孔20が設けられている。凹部2cによって貫通孔20周辺の剛性が高められる。また、インレットボックス2は、図3、図5に示すように、貫通孔20の上方に設けられる第一壁部21と第二壁部25とを有する。
(第一壁部・第二壁部)
第一壁部21は、図3に示すように、ロックブラケット31の爪部34が掛けられる。第二壁部25は、ナット6のねじ結合により共回りされるロックブラケット31の爪部34に当接する。第一壁部21は、爪部34の突出方向と交差する方向(車幅方向)に沿うように設けられている。第二壁部25は、爪部34の突出方向(車両前後方向)に沿うように設けられている。本例では、第一壁部21は、凹部2c(図1)によって形成された上面2uから上方に突出する。第二壁部25は、第一壁部21及びインレットボックス2の車内側の面に隣接し、上面2uから上方に延出する。第一壁部21、第二壁部25、上面2u、及びインレットボックス2の車内側の面によって、少なくとも上方が開口した凹状空間が形成されている。このような凹状空間が形成されるように、上面2uに第一壁部21及び第二壁部25が一体に形成されていることで、インレットボックス2の側面2bの剛性を向上させることができる。
更に、本例では、第一壁部21は、図5、図6に示すように、第二壁部25側とは反対側の先端部に向かって高さが低くなる傾斜部22と、第二壁部25側の基端部に上面が切り欠かれた段部23とを有する。
(その他)
給油口構造1のその他の構成として、図3に示すように、インレットボックス2が車外側に突出する突片27を有し、基部32が突片27と係合する係合孔37を有してもよい。本例では、基部32の下部に、係合孔37が形成された係合片が設けられている。
{作用効果}
図3、図4を主に参照して、本例の給油口構造1の作用効果について説明する。ロック部材3の取り付け作業において、ロックブラケット31の爪部34を第一壁部21に掛けることができる。これにより、ロック部材3をインレットボックス2から外れないように仮配置することができる。また、ロック部材3を仮配置した後、ナット6を筒状部材4の雄ねじ部41にねじ結合する際、爪部34が第二壁部25に当接することによって、ロックブラケット31の共回りを防止できる。したがって、給油口構造1は、簡易な構成で、インレットボックス2に対するロック部材3の取り付け作業性に優れる。
本例では、図6に示すように、第一壁部21が傾斜部22と段部23とを有する。そのため、インレットボックス2の車内側から爪部34を第一壁部21に引っ掛ける際、爪部34を傾斜部22に沿って段部23まで案内することができる。よって、ロック部材3を配置する作業が行い易い。
また、ロックケーブル7の操作時など、インレットボックス2にはロック部材3を介して応力が作用する。インレットボックス2において剛性が局所的に低下する貫通孔20の上方に、第一壁部21及び第二壁部25を有することで、剛性が向上する。そのため、貫通孔20に起因するインレットボックス2の変形を効果的に抑制できる。
更に、本例では、図3に示すように、インレットボックス2の突片27と、ロックブラケット31(基部32)に設けられた係合孔37とが係合するように構成されている。そのため、インレットボックス2に対するロック部材3のガタツキを効果的に抑制できる。
1 給油口構造
10 給油用開口
2 インレットボックス
2a 開口部
2b 側面
2c 凹部
2u 上面
20 貫通孔
21 第一壁部
22 傾斜部
23 段部
25 第二壁部
27 突片
3 ロック部材
31 ロックブラケット
32 基部
33 貫通孔
34 爪部
35 側板部
37 係合孔
4 筒状部材
41 雄ねじ部
42 フランジ部
5 ロックピン
51 揺動部材
52 軸
53 第一片
54 第二片
55 トーションばね
6 ナット
7 ロックケーブル

Claims (1)

  1. 車体側面に設けられた給油用開口と、
    前記給油用開口の内側に設けられ、車両外方を向いて開口するインレットボックスと、
    前記給油用開口を開閉するリッドをロックするロック部材と、を備える給油口構造であって、
    前記ロック部材は、
    前記インレットボックスの車内側に取り付けられるロックブラケットと、
    外周面に雄ねじ部を有すると共に、前記ロックブラケットと前記インレットボックスとを貫通して前記インレットボックスの車外側に前記雄ねじ部が突出される筒状部材と、
    前記筒状部材に挿入されて前記インレットボックスの車外側に進退可能なロックピンと、
    前記雄ねじ部にねじ結合されるナットと、を備え、
    前記ロックブラケットは、
    車両上下方向に延びて前記筒状部材に貫通される基部と、
    前記基部の上部から前記基部と交差する方向に延びる爪部とを有し、
    前記インレットボックスは、
    前記筒状部材が挿入される貫通孔と、
    前記貫通孔の上方に設けられ、前記爪部が掛けられる第一壁部と、
    前記ナットのねじ結合により共回りされる前記ロックブラケットの前記爪部に当接する第二壁部と、を有する給油口構造。
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