JP2020164524A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水膨潤性粘土鉱物等のケイ酸塩と第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤とを含有する系において、極性油を配合しても安定性を維持できる油中水型乳化化粧料を提供することを目的とする。【解決手段】(A)ケイ酸塩、(B)第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、及び(C)炭素数6〜12のアルキル基を有するアルキル変性シリコーンを含有することを特徴とする油中水型乳化化粧料。前記化粧料は、(D)直鎖状シリコーン及び(E)フェニル基を有するシリコーンを更に含有するのが好ましい。本発明における(A)ケイ酸塩は、水膨潤性粘土鉱物、特にケイ酸アルミニウムマグネシウムであるのが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、油中水型乳化化粧料に関する。より詳細には、外相を構成する油分として、極性油から非極性油に至るまでの幅広い油分を用いることができ、なおかつ安定性にも優れた油中水型乳化化粧料に関する。
一般に、油中水型乳化化粧料は、水中油型乳化化粧料に比較して温度安定性に劣ると考えられている。特に、油相に極性油を配合したときに不安定化が顕著になる。このような欠点を改善する方法の一つとして、油相を増粘する方法がある。しかし、油相にワックスを配合して増粘した化粧料では、高温においてワックスが軟化又は融解し、安定化効果が十分に発揮されず、のび等の使用性を劣化させるという問題が生じていた。
特許文献1には、油相に有機変性粘土鉱物を配合することにより、温度安定性に優れ、べたつきが少ないといった使用性にも優れた油中水型乳化組成物が得られることが記載されている。特許文献1において使用される有機変性粘土鉱物は、水膨潤性粘土鉱物(例えば、ビーガム又はベントン−38)を第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(例えば、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド等)で処理して得られるものである。特許文献1は、有機変性粘土鉱物で安定化することにより、外相となる油分として極性油から非極性油まで幅広く用いることができると記載しているが、実際に調製されている組成物(化粧料)では、非極性油(流動パラフィン又はスクワラン)が油相(外相)の大部分を占めている。
特許文献2には、ジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト等の有機変性粘土鉱物を配合した油中水型乳化化粧料が開示されている。特許文献2では、有機変性粘土鉱物とともに疎水性シリカ及びシリコーン系界面活性剤を共配合し、各成分の配合量等を適切に調整することによって、化粧料全体を低粘度としながら、極性油を含んでいても優れた安定性を維持できることが確認されている。ところが、特許文献2において安定性の維持に不可欠とされる疎水性シリカは、その配合量によっては「きしみ」を生じさせる場合がある。
特許文献3には、特定構造の3種類のアクリル系モノマーを所定割合で含む共重合体と、有機変性粘土鉱物とを含有する油中水型皮膚外用組成物が開示されている。特許文献3の組成物を製造する際には、予め調製した有機変性粘土鉱物を配合しても、その原料である水膨潤性粘土鉱物と第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤を別々に添加して、製造工程の中で有機変性粘土鉱物を形成させてもよいとされている。しかし、意図する乳化安定性及び粉末分散安定性を達成するには、前記の共重合体を配合しなければならない。また、シリコーン油(揮発性シリコーン)を配合した系に共配合されているのは非極性油(流動パラフィン)のみであり(表1〜表4)、当該非極性油を極性油に置換すると安定性が低下することが懸念される。
特公平4−62776号公報 特開2014−172853号公報 特許第4219856号公報
本発明は、水膨潤性粘土鉱物等のケイ酸塩と第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤とを含有する系において、極性油を配合しても安定性を維持できる油中水型乳化化粧料を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究の結果、油分として特定のアルキル変性シリコーンを配合すれば、安定性を維持しながら当該アルキル変性シリコーンに加えて配合できる油分の選択の幅を拡げることができること、即ち、極性油から非極性油にわたる様々な油分を含有し、なおかつ安定で低粘度の油中水型乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(A)ケイ酸塩、
(B)第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、及び
(C)炭素数6〜12のアルキル基を有するアルキル変性シリコーン、を含有することを特徴とする、油中水型乳化化粧料を提供する。
本発明の油中水型乳化化粧料は、低粘度であって、べたつかず、伸びのあるさっぱりした使用感触を与えることができると同時に、優れた安定性を備える。本発明の油中水型乳化化粧料は、非極性から極性にわたる広範な油分を安定配合可能であり、特に低温環境下での安定性に優れている。
本発明の油中水型乳化化粧料(以下、単に「化粧料」とも称する)は、(A)ケイ酸塩、(B)第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、及び(C)炭素数6〜12のアルキル基を有するアルキル変性シリコーンを必須成分として含有している。以下に詳述する。
(A)ケイ酸塩
本発明の化粧料で使用されるケイ酸塩(成分A)は「シリケート」とも称され、1個又は複数個のケイ素原子を中心とし、これを電気陰性な配位子(酸素)が取り囲んだ構造を持つアニオンを含む化合物である。本発明では、ケイ酸塩の中でも、層状のアニオン構造を持つケイ酸塩鉱物(フィロケイ酸塩鉱物)、特に、水膨潤性粘土鉱物を用いるのが好ましい。
本発明に用いられる水膨潤性粘土鉱物としては、例えば、スメクタイト属に属する層状ケイ酸塩鉱物、具体的には、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられ、天然、合成の何れのものでもよい。市販の水膨潤性粘土鉱物、例えば、クニピア、スメクトン(いずれもクニミネ工業)、ビーガム(バンダービルト社)、ラポナイト(ラポルテ社)、フッ素四ケイ素雲母(トピー工業)等を使用することができる。本発明では、水膨潤性粘土鉱物を一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、合成サポナイトであるスメクトン(化粧品表示名称:ケイ酸アルミニウムマグネシウム)が好ましく用いられる。
本発明の油中水型乳化化粧料におけるケイ酸塩(水膨潤性粘土鉱物)の配合量は特に限定されるものではないが、通常は化粧料全量に対して0.05〜5.0質量%、好ましくは0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.2〜1.0質量%である。ケイ酸塩の配合量が0.05質量%より少ない場合には乳化安定性に劣る場合があり、一方で5.0質量%を超えて配合すると系の粘度が増大して使用感触を損なう場合がある。
(B)第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤
本発明の化粧料に用いられる第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(成分B)としては、例えば、下記一般式(I)で表されるものが好ましく用いられる。
(式中、R1は炭素数10〜22のアルキル基またはベンジル基、R2はメチル基または炭素数10〜22のアルキル基、R3及びR4は炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基、Xはハロゲン原子またはメチルサルフェート残基を表す)
本発明に用いられる第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤の具体的としては、例えば、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルエチルアンモニウム、塩化セチルジメチルエチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルエチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルエチルアンモニウム、塩化ベヘニルジメチルエチルアンモニウム、塩化ミリスチルジエチルメチルアンモニウム、塩化セチルジエチルメチルアンモニウム、塩化ステアリルジエチルメチルアンモニウム、塩化アルキルジエチルメチルアンモニウム、塩化ベヘニルジエチルメチルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルミリスチルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルセチルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、塩化ベンジルジメチルベヘニルアンモニウム、塩化ベンジルメチルエチルセチルアンモニウム、塩化ベンジルメチルエチルステアリルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジヒドロキシエチルアンモニウム、および各々に相当する臭化物等、さらにジパルミチルプロピルエチルアンモニウムメチルサルフェート等が挙げられる。本発明では、前記第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤の一種又は二種以上の組み合わせを選択して用いることができる。特に、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムが好ましく用いられる。
本発明の化粧料における第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤の配合量は、特に制限されるものではないが、前記(A)ケイ酸塩100gに対して40〜140ミリ当量(以下、meqと略す)であることが好ましく、さらに好ましくは60〜120meqであることが好適である。第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤の配合量が40meqより少ない場合には乳化安定性に劣る場合があり、一方で140meqより多く配合しても乳化安定化効果の向上は見られない。
(C)アルキル変性シリコーン
本発明の化粧料の油相(外相)を構成する油分はシリコーン油を含み、当該シリコーン油は、炭素原子数6〜12のアルキル基を有するアルキル変性シリコーン(成分C)を含有する。本明細書における「シリコーン油」は、鎖状(直鎖状又は分岐鎖状)あるいは環状のポリシロキサン骨格を有する油分である。本発明の必須成分である(C)アルキル変性シリコーンは、直鎖状ポリシロキサン骨格に側鎖として炭素原子数6〜12のアルキル基が結合した構造を有する変性シリコーンである。当該アルキル基の炭素原子数は、好ましくは6〜10、より好ましくは7〜9、最も好ましくは8である。
アルキル変性シリコーンの中でも、ポリジメチルシロキサンの側鎖に炭素原子数8のアルキル基(C17)を有するアルキル変性シリコーン、即ち、下記式(II):
で表される構造を有するカプリリルメチコンが特に好ましく用いられる。
本発明の化粧料における(C)アルキル変性シリコーンの配合量は、通常は0.5〜12質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1.5〜8質量%である。
本発明の化粧料における油相(外相)は、前記のアルキル変性シリコーン(成分C)以外のシリコーン油を含有するのが好ましい。当該シリコーン油は、(D)直鎖状シリコーン及び(E)フェニル基を有するシリコーンを含むのが好ましい。
(D)直鎖状シリコーン
直鎖状のシリコーンには、直鎖状ポリシロキサン骨格の側鎖及び末端がメチル基であるジメチルポリシロキサン、直鎖状ポリシロキサン骨格の側鎖の一部が水素(H)であるメチルハイドロジェンポリシロキサンが含まれる。本発明における直鎖状シリコーン(成分D)としては、ジメチルポリシロキサンが好ましく用いられる。(D)直鎖状シリコーンは、1種でも2種以上を組み合わせて配合してもよい。
(E)フェニル基を有するシリコーン
フェニル基を有するシリコーン(成分E)とは、直鎖状ポリシロキサン骨格の側鎖の一部がフェニル基であるシリコーンである。それらの中でも、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部がフェニル基に置換された構造のメチルフェニルポリシロキサンが好ましく使用される。
本発明の化粧料の油分が、前記3種類のシリコーン油(成分C、D及びE)を全て含有する場合には、(D)直鎖状シリコーンの配合量に対する(C)アルキル変性シリコーンの配合量の比率((C)/(D))を0.1〜1(質量比)の範囲内とし、(E)フェニル基を有するシリコーンの配合量に対する(C)アルキル変性シリコーンの配合量の比率((C)/(E))を0.2以上(質量比)とするのが好ましい。前記の比率(C)/(D)が0.1未満であるとき又は1を超えるときは、低温での安定性が低下する場合がある。前記の比率(C)/(E)が0.2未満であるときは、使用感が重くなる傾向がある。
上記したように、本発明の化粧料の油相(外相)におけるシリコーン油は、(C)アルキル変性シリコーンを必須成分として含有し、さらに、(D)直鎖状シリコーン及び(E)フェニル基を有するシリコーンを含むのが好ましい。以下、成分C、D及びEを包括的に「直鎖状シリコーン類」と呼ぶ。本発明の化粧料の油相(外相)に含まれるシリコーン油は、前記の直鎖状シリコーン類以外に、分岐鎖状シリコーン又は環状シリコーンを含んでいてもよい。但し、前記の直鎖状シリコーン類の全てを環状シリコーンに置換すると、特に極性の炭化水素油を共配合した場合に安定性を維持するのが困難になる。従って、本発明の化粧料においては、油相に配合される環状シリコーンの配合量を、直鎖状シリコーン類の配合量(成分C、D及びEの合計配合量)に対して10質量%以下とするのが好ましく、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下とする。さらに、本発明の化粧料は、環状シリコーンを含まない態様も包含する。
本発明の化粧料の油相には、シリコーン油以外の油分(以下、「非シリコーン油」とする)を含み得る。非シリコーン油は、分子内にシロキサン構造を持たない油分であり、例えば、炭化水素油、油脂、ロウ類、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油等が含まれる。本発明の化粧料は、従来は乳化安定性を低下させると考えられていた極性油でさえも安定に配合することができる。よって、本発明の化粧料は、多種多様な油分の組み合わせで構成される油相(外相)を有する処方とすることが可能である。
非極性の炭化水素油の具体例としては、流動パラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、プリスタン、パラフィン、イソパラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、水添ポリイソブテン、オレフィンオリゴマー等が挙げられる。
極性油(以下、「成分F」ともいう)としては、IOB値が0.05〜0.80である油分、特にエステル油が挙げられる。(F)極性油の具体例には、イソステアリン酸、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、エチルヘキサン酸セチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(トリエチルヘキサノイン)、セチルイソオクタノエート、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、安息香酸(炭素数12〜15)アルキル、セテアリルイソノナノエート、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、(ジカプリル酸/カプリン酸)ブチレングリコール、トリミリスチン酸グリセリン、トリ2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル等が含まれる。
本発明の化粧料における油分の配合量(シリコーン油と非シリコーン油の合計配合量)は、通常は5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜45質量%の範囲である。
なお、特に限定されるものではないが、本発明の化粧料におけるシリコーン油の合計配合量に対する非シリコーン油の合計配合量の比率(非シリコーン油/シリコーン油)は、1.0以下(質量比)とするのが好ましく、より好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.7以下である。
また、非シリコーン油の全配合量に対する極性油の配合量の比率(極性油/非シリコーン油)は、0.4以上(質量比)とするのが好ましく、例えば、0.4〜0.9あるいは0.5〜0.8の範囲にすることができる。
本発明の化粧料には、シリコーン系界面活性剤、中でもHLB6以下のシリコーン界面活性剤、特にポリエーテル変性シリコーンを配合するのが好ましい。そのようなシリコーン系界面活性剤の具体例としては、PEG−10ジメチコン(例えば、シリコーンKF−6017P;信越化学工業株式会社製)、セチルPEG/PPG−10/1ジメチコン(例えば、ABIL EM90;エボニックデグサジャパン株式会社製)、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(例えば、シリコーンSC0938B;信越化学工業株式会社製)、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(例えば、シリコーンSC0928SL;信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内で通常化粧料に用いられる他の任意添加成分、例えば、低級アルコール、多価アルコール、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、粉末成分、糖、アミノ酸、有機アミン、pH調整剤、紫外線吸収剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。
例えば、水相には、低級アルコール又は多価アルコールを配合できる。
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−へキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール及びマンニトール(これらは糖アルコールにも属する)等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解等還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール、POP−ブチルエーテル;POP・POE−ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル等が挙げられる。
本発明の化粧料には、各種粉末成分を配合してもよい。しかしながら、疎水性シリカ等の粉末を配合すると、さらさらした感触は得られるが、きしみや粉っぽさを生じたり、しっとりした感触が低下する傾向がある。従って、本発明の化粧料は、疎水性シリカの配合量を1質量%以下、0.5質量%以下、あるいは0.1質量%以下とした態様、さらには、疎水性シリカを含有しない態様も含まれる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、粘度が1000〜10000mPa・s(30℃、B型粘度計)という低粘度の乳液状に調製するのが好ましい。粘度が1000mPa・s未満では十分な安定性を得ることが難しくなる傾向があり、一方、10000mPa・sを超えると粘度が高すぎて塗布時の伸びが重くなり、良好な使用感触が得られない場合がある。
本発明の油中水型乳化化粧料は、常法により調製することができ、乳化の方法は特に限定されるものではない。例えば、水相と油相を、それぞれ70℃程度に加温し、加温した水相を油相に徐々に添加して、乳化機で乳化し、その後、室温まで放冷する等の方法が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の化粧料は、有機変性粘土鉱物を形成しうる(A)ケイ酸塩及び(B)第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤を原料としている。本発明の化粧料は、特許文献3に記載された組成物と同様に、(A)ケイ酸塩と(B)第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤を予め反応させて得られる有機変性粘土鉱物とし、それを油相に添加して製造してもよいし、(A)ケイ酸塩と(B)第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤を別々に添加し、製造過程において有機変性粘土鉱物を形成させるようにして製造してもよい。後者の製造方法を用いて製造すると、有機変性粘土鉱物が元来有する茶色系の色味によって化粧料が着色されることを回避できる。
本発明にかかる油中水型乳化化粧料は、様々な化粧料に広く応用することが可能であり、例えば、サンケア化粧料(サンスクリーン、サンオイル、アフターサンローション等)、美白用美容液、乳液、クリーム、化粧下地、乳化ファンデーション等の製品とするのに適している。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特記しない限り質量%を示す。
下記の表1及び表2に示す処方の油中水型乳化化粧料(実施例及び比較例)を調製し、各例の試料について評価した。評価項目及び評価方法/評価基準は以下の通りである。
・粘度
B型粘度計(ローターNo.3)を用いて、30℃における粘度を測定した。
・平均乳化粒子径
各試料の平均乳化粒子径は、任意に選んだ100個の乳化粒子の粒子径を測定し、それらの平均値を算出することにより決定した。
・安定性(室温)
各試料を室温(25℃)で1週間保存した後の乳化物の分離の有無を目視で評価した。
〇:分離が見られない。
×:分離が見られた。
・安定性(低温)
各試料を低温(0℃)で2週間保存した後の乳化物の分離の有無を目視で評価した。
〇:分離が見られない。
×:分離が見られた。
これらの評価結果を表1及び表2に併記する。
なお、表1及び表2の処方では、以下の製品を使用した。
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム:カチオンDSV(三洋化成株式会社製)
ケイ酸アルミニウムマグネシウム:スメクトン−SA(クニミネ工業株式会社製)
ジメチルポリシロキサン(1.5cs):シリコーンKF96L−1.5cs(信越化学工業株式会社製)
ジメチルポリシロキサン(6cs):シリコーンKF96A−6T(信越化学工業株式会社製)
メチルフェニルポリシロキサン:シリコーンKF56(信越化学工業株式会社製)
アルキル変性シリコーン:カプリリルメチコン(日本ユニカー株式会社製)
表1及び表2に示した結果より、油相にアルキル変性シリコーン(カプリリルメチコン)を含む実施例1〜5は、極性油及び非極性油が含まれる系であっても、室温及び低温(0℃)において良好な乳化安定性が維持された。これらに対して、アルキル変性シリコーンを含有しない比較例1〜4は、特に低温条件下における乳化安定性が十分でないことが確認された。

Claims (10)

  1. (A)ケイ酸塩、
    (B)第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤、及び
    (C)炭素数6〜12のアルキル基を有するアルキル変性シリコーン、
    を含有することを特徴とする、油中水型乳化化粧料。
  2. (D)直鎖状シリコーン、及び
    (E)フェニル基を有するシリコーンを更に含有する、請求項1に記載の化粧料。
  3. (A)ケイ酸塩が、水膨潤性粘土鉱物である、請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. 水膨潤性粘土鉱物がケイ酸アルミニウムマグネシウムである、請求項3に記載の化粧料。
  5. (B)第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧料。
  6. (C)アルキル変性シリコーンが、カプリリルメチコンである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧料。
  7. (E)フェニル基を有するシリコーンがメチルフェニルポリシロキサンである、請求項2から6のいずれか一項に記載の化粧料。
  8. (F)極性油を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の化粧料。
  9. (D)直鎖状シリコーンの配合量に対する(C)アルキル変性シリコーンの配合量の比率((C)/(D))が0.1〜1の範囲内であり、
    (E)フェニル基を有するシリコーンの配合量に対する(C)アルキル変性シリコーンの配合量の比率((C)/(E))が0.2以上である、請求項2から8のいずれか一項に記載の化粧料。
  10. 化粧料全体の粘度が1000〜10000mPa・s(30℃、B型粘度計)である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化粧料。
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