JP2020164384A - カーボンナノチューブ線材 - Google Patents

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Abstract

【課題】線材として所望の部位で確実かつ円滑に切断できるCNT線材を提供する。【解決手段】所定の長手方向の引っ張り強度を有する第1の部位と、該第1の部位よりも長手方向の引っ張り強度が低い第2の部位と、を備え、前記第1の部位の引っ張り強度に対する前記第2の部位の引っ張り強度の比が、1/1500以上1/2以下であり、前記第1の部位と前記第2の部位が、長手方向に交互に配置されているカーボンナノチューブ線材。【選択図】図1

Description

本発明は、引っ張り強度の高い部位と引っ張り強度の低い部位とが、長手方向に交互に配置されているカーボンナノチューブ線材に関する。
カーボンナノチューブ(以下、「CNT」ということがある。)は、様々な特性を有する素材であり、多くの分野への応用が期待されている。例えば、CNTは、六角形格子の網目構造を有する筒状体の単層、または略同軸で配された多層で構成される3次元網目構造体であり、軽量であると共に、導電性、熱伝導性、機械的強度等の諸特性に優れる。
従来、自動車や産業機器などの様々な分野における電力線や信号線として、一又は複数の線材からなる導電性の芯線が用いられている。芯線としては、例えば、銅やアルミニウム等の金属線が使用されている。しかし、自動車、産業機器等の高性能化・高機能化が進められており、これに伴い、各種電気機器、制御機器などの配設数が増加するとともに、これら機器に使用される電気配線体の配線数と芯線からの発熱も増加する傾向にある。また、環境対応のために、線材の軽量化も要求されている。
そこで、カーボンナノチューブ線材(以下、「CNT線材」ということがある。)は、上記のとおり、軽量性、導電性、熱伝導性、機械的強度等に優れることから、様々な分野における電力線や信号線として、CNT線材の使用が求められている。例えば、CNT線材の導電性を向上させるために、隣接したCNT線材の電気的接合点に、金属等からなる導電性堆積物を形成したカーボンナノチューブ材料が提案され、このようなカーボンナノチューブ材料は広汎な用途に適用できることが開示されている(特許文献1)。
また、CNT線材を巻線として使用することも検討されている。例えば、モーターのコイル巻き工程においては、ボビン巻きで提供された長尺線材を連続的にモーターへ巻き付けコイル形状に加工される。しかし、CNT線材は非常に強度が高いため、CNT線材を従来の金属線の設備を用いて切断する場合、従来の銅やアルミニウム等の金属線の切断とは異なり、完全に切断することが難しい。また、CNT線材は特殊な合金刃を用いて切断する必要があるので、切断に要するコストが上昇してしまう。加えて、CNT線材を切断する特殊な合金刃は、頻繁に交換する必要があり、巻線を製造する場合、生産効率が低下してしまう。さらに、CNT線材を完全に切断できない場合、切断工程が中断されて、切断工程の効率が低下してしまう。また、CNT線材の切断が不十分だと、切断されたCNT線材の末端にバリが生じる場合があり、巻線用途での品質が低下してしまう恐れがあった。従って、巻き線の生産効率向上のためには、あらかじめ芯線を容易に切断できる状態で出荷することが重要である。
特許文献2では、CNTの一部にCNT以外の分解または切断されやすい材料を混合し、部分的な強度を低下させたCNTの切断方法が開示されている。しかしながら、特許文献2の方法では、分散剤自体に前述の分解されやすい材料を混合させているので、CNT自体としての機能が変わってしまい、このようなCNTを用いてCNT線材を作製した場合、強度や導電性が低下してしまう。また、特許文献3では、CNTの一部を酸化消滅させることで、長尺のCNTから多数の短尺CNTを製造する技術が開示されている。しかし、光照射によりCNTの一部を酸化消滅させる際、光で切断されないように、非切断箇所に光に対するマスク材料を混合している。そのため、CNTを線材化した場合、線材として切断すべき箇所が特定できず、CNT線材に多数の欠陥が生じてしまい、電線としての機能が著しく阻害されてしまう。
特表2015−523944号公報 特開2004−43258号公報 国際公開第2009/060721号
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、線材として所望の部位で確実かつ円滑に切断できるCNT線材を提供することを目的とする。
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]所定の長手方向の引っ張り強度を有する第1の部位と、該第1の部位よりも長手方向の引っ張り強度が低い第2の部位と、を備え、前記第1の部位の引っ張り強度に対する前記第2の部位の引っ張り強度の比が、1/1500以上1/2以下であり、前記第1の部位と前記第2の部位が、長手方向に交互に配置されているカーボンナノチューブ線材。
[2]前記第1の部位が、端部に配置されている[1]に記載のカーボンナノチューブ線材。
[3]前記第1の部位の引っ張り強度に対する前記第2の部位の引っ張り強度の比が、1/1000以上1/2以下である[1]または[2]に記載のカーボンナノチューブ線材。
[4]前記第2の部位の長さが、10mm以上100mm以下である[1]乃至[3]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材。
[5]前記第1の部位の長手方向に対して直交方向の断面積に対する前記第2の部位の長手方向に対して直交方向の断面積の比が、1/100以上1/2以下である[1]乃至[4]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材。
[6]前記第1の部位の密度に対する前記第2の部位の密度の比が、1/5以上1/2以下である[1]乃至[4]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材。
[7]前記第2の部位の欠陥度に対する前記第1の部位の欠陥度の比が、1/100以上1/5以下である[1]乃至[4]のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ線材。
上記態様では、第1の部位が巻線等の電線として実用に供され、第2の部位がCNT線材の切断部として機能する。上記態様における「欠陥度」とは、ラマンスペクトル測定で得られるCNT内のグラファイト構造の振動に由来するGバンドおよび欠陥部の振動に由来するDバンドの強度比であるG/D(結晶性)の値の逆数を意味する。CNT線材のG/Dの値が高いほどCNT線材を構成するCNTの結晶性が高いので、CNT線材の欠陥度が低いと評価される。
本発明のCNT線材の態様によれば、線材として第1の部位と該第1の部位よりも長手方向の引っ張り強度が低い第2の部位とを備え、第1の部位の引っ張り強度に対する第2の部位の引っ張り強度の比が、1/1500以上1/2以下であることにより、第2の部位にて、確実かつ円滑にCNT線材を切断できる。従って、CNT線材の切断工程が効率化され、また、CNT線材で巻線を製造する場合に、巻線の生産効率の低下と品質の低下を防止できる。
本発明のCNT線材の態様によれば、第1の部位の引っ張り強度に対する前記第2の部位の引っ張り強度の比が、1/1000以上1/2以下であることにより、第2の部位の強度を損なうことなく、第2の部位にて、さらに確実かつ円滑にCNT線材を切断できる。
本発明のCNT線材の態様によれば、第2の部位の長さが10mm以上100mm以下であることにより、第2の部位での切断操作が容易化されつつ、CNT線材の損失量を低減することができる。
本発明のCNT線材の態様によれば、第1の部位の断面積に対する第2の部位の断面積の比が1/100以上1/2以下であることにより、第2の部位の強度を損なうことなく、第2の部位にて、さらに確実かつ円滑にCNT線材を切断できる。
本発明のCNT線材の態様によれば、第1の部位の密度に対する第2の部位の密度の比が1/5以上1/2以下であることにより、第2の部位の強度を損なうことなく、第2の部位にて、さらに確実かつ円滑にCNT線材を切断できる。
本発明のCNT線材の態様によれば、第2の部位の欠陥度に対する第1の部位の欠陥度の比が1/100以上1/5以下であることにより、第2の部位の強度を損なうことなく、第2の部位にて、さらに確実かつ円滑にCNT線材を切断できる。
本発明の第1実施形態に係るCNT線材の概要の説明図である。 本発明の第2、第3実施形態に係るCNT線材の概要の説明図である。
以下に、本発明の第1実施形態に係るCNT線材について説明する。なお、図1は、本発明の第1実施形態に係るCNT線材の概要の説明図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るCNT線材1は、長尺な線材であり、長手方向Xに沿って、第1の部位11と第1の部位11に隣接した第2の部位12を備えている。CNT線材1では、第1の部位11と第2の部位12は、それぞれ、複数設けられている。また、複数設けられた第1の部位11、11、11・・・のうち、第1の部位11−1と第1の部位11−1に隣接した他の第1の部位11−2との間に、複数設けられた第2の部位12、12、12・・・のうちの1つの第2の部位12−1が配置されている。また、第1の部位11−2と第1の部位11−2に隣接した他の第1の部位11−3との間に、複数設けられた第2の部位12、12、12・・・のうちの1つの第2の部位12−2が配置され、第1の部位11−3と第1の部位11−3に隣接した他の第1の部位11−4との間に、複数設けられた第2の部位12、12、12・・・のうちの1つの第2の部位12−3が配置されている。
上記から、CNT線材1では、第1の部位11と第2の部位12は、交互に配置されている。すなわち、第1の部位11と第2の部位12が繰り返して設けられている。
CNT線材1の第1の部位11と第2の部位12とは、長手方向Xの引っ張り強度が相違する。第2の部位12の長手方向Xの引っ張り強度は、第1の部位11の長手方向Xの引っ張り強度よりも低い態様となっている。具体的には、第1の部位11の引っ張り強度に対する第2の部位12の引っ張り強度の比が、1/1500以上1/2以下となっている。上記から、作業者は、CNT線材1を取り扱う際に意図せずに第2の部位12にてCNT線材1を切断してしまうことを防止しつつ、切断工程にてCNT線材1を第2の部位12にて確実かつ円滑に切断することができる。従って、CNT線材1の切断工程が効率
化され、また、CNT線材1で巻線を製造する場合に、巻線の生産効率の低下と品質の低下を防止できる。
CNT線材1のうち、第1の部位11が巻線等の電線として実用に用いられ、第2の部位12が切断部として機能する。また、CNT線材1の端部には、第1の部位11が配置されていることが好ましい。CNT線材1の端部が第1の部位11であることで、CNT線材1の損失量を低減でき、歩留まりを向上させることができる。
第1の部位11の引っ張り強度に対する第2の部位12の引っ張り強度の比は、1/1500以上1/2以下であれば、特に限定されないが、その下限値は、CNT線材1を巻いた状態で保管する等、CNT線材1を取り扱う際に意図せず第2の部位12にて切断されることを確実に防止する点から1/1000が好ましく、1/500が特に好ましい。一方で、第1の部位11の引っ張り強度に対する第2の部位12の引っ張り強度の比の上限値は、特殊な合金刃を用いなくとも第2の部位12にてさらに確実かつ円滑にCNT線材1を切断できる点から1/5が好ましく、1/10がより好ましく、1/50が特に好ましい。
第2の部位12の長さは、特に限定されないが、その下限値は、切断用の刃が第1の部位11を損傷することを防止して第2の部位12での切断操作が容易化される点から10mmが好ましい。一方で、第2の部位12の長さの上限値は、CNT線材1の損失量を低減でき、歩留まりを向上させる点から100mmが好ましく、70mmが特に好ましい。
図1に示すように、第1実施形態に係るCNT線材1では、第2の部位12の長手方向Xに対して直交方向(以下、「径方向」ということがある。)Yの断面積は、第1の部位11の長手方向Xに対して直交方向(以下、「径方向」ということがある。)Yの断面積よりも小さくなっている。上記した第1の部位11の断面積と第2の部位12の断面積の相違によって、第1の部位11の引っ張り強度に対する第2の部位12の引っ張り強度の比が1/1500以上1/2以下となっている。
第1の部位11の径方向Yの断面積に対する第2の部位12の径方向Yの断面積の比は、第1の部位11の引っ張り強度に対する第2の部位12の引っ張り強度の比が1/1500以上1/2以下となる範囲であれば、第2の部位12の径方向Yの断面積が第1の部位11の径方向Yの断面積よりも小さければ、特に限定されないが、その下限値は、CNT線材1を巻いた状態で保管する等、CNT線材1を取り扱う際に意図せず第2の部位12にて切断されることを確実に防止する点から1/100が好ましく、1/50が特に好ましい。一方で、第1の部位11の径方向Yの断面積に対する第2の部位12の径方向Yの断面積の比の上限値は、特殊な合金刃を用いなくとも第2の部位12にてさらに確実かつ円滑にCNT線材1を切断できる点から1/2が好ましく、1/5がより好ましく、1/10が特に好ましい。
なお、CNT線材1では、複数の第1の部位11、11、11・・・の径方向Yの断面積は、それぞれ、略同じであり、複数の第1の部位11、11、11・・・の長手方向Xの引っ張り強度は、それぞれ、略同じとなっている。また、複数の第2の部位12、12、12・・・の径方向Yの断面積は、それぞれ、略同じであり、複数の第2の部位12、12、12・・・の長手方向Xの引っ張り強度は、それぞれ、略同じとなっている。
第2の部位12は、例えば、CNT線材1の所望の部位、すなわち、CNT線材1の切断部位を幅狭に加工することで形成することができる。CNT線材1を幅狭にする加工方法としては、例えば、レーザ切削や研磨処理等が挙げられる。
CNT線材1は、銅やアルミニウム等からなる金属製の線材に匹敵する優れた導電性を有していることから、電線として機能する。CNT線材1は、例えば、コイル等の巻線として使用することができる。
CNT線材1は、1層以上の層構造を有する複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体(以下、「CNT集合体」ということがある。)の単数から、または複数が束ねられて形成されている。ここで、CNT線材1とはCNTの割合が90質量%以上のCNT線材を意味する。なお、CNT線材1におけるCNT割合の算定においては、メッキとドーパントは除かれる。CNT集合体の長手方向が、CNT線材1の長手方向Xを形成している。従って、CNT集合体は、線状となっている。CNT線材1における複数のCNT集合体は、その長軸方向がほぼ揃って配されている。従って、CNT線材1における複数のCNT集合体は、配向している。
第1の部位11におけるCNT線材1の平均直径は、特に限定されないが、例えば、コイル等の巻線として使用される場合には、0.05mm以上1mm以下である。なお、平均直径の「直径」とは、円相当直径を意味する。CNT線材1は、1本のCNT線材1からなる素線(単線)でもよく、複数本のCNT線材1を撚り合わせた撚り線の状態でもよい。また、CNT線材1は、絶縁被覆層が設けられていない態様でもよく、CNT線材1の外周面に長手方向に沿って絶縁被覆層が被覆されているCNT被覆電線でもよい。なお、図1では、CNT線材1は、絶縁被覆層が設けられていない態様となっている。
次に、本発明の第2実施形態に係るCNT線材について説明する。なお、第2実施形態に係るCNT線材は、主要な構成要素が第1実施形態に係るCNT線材と共通しているので、第1実施形態に係るCNT線材と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図2は、本発明の第2、第3実施形態に係るCNT線材の概要の説明図である。
第1実施形態に係るCNT線材1では、第1の部位11の断面積と第2の部位12の断面積の相違によって、第1の部位11の長手方向Xの引っ張り強度に対する第2の部位12の長手方向Xの引っ張り強度の比が1/1500以上1/2以下となっていた。これに代えて、図2に示すように、第2実施形態に係るCNT線材2では、第1の部位11の断面積と第2の部位12の断面積は略同じであるが、第2の部位12の密度が、第1の部位11の密度よりも低いことによって、第1の部位11の長手方向Xの引っ張り強度に対する第2の部位12の長手方向Xの引っ張り強度の比が1/1500以上1/2以下となっている。
第1の部位11の密度に対する第2の部位12の密度の比は、第1の部位11の引っ張り強度に対する第2の部位12の引っ張り強度の比が1/1500以上1/2以下となる範囲であれば、第2の部位12の密度が第1の部位11の密度よりも低ければ、特に限定されないが、その下限値は、CNT線材2を巻いた状態で保管する等、CNT線材2を取り扱う際に意図せず第2の部位12にて切断されることを確実に防止する点から1/5が好ましく、1/4が特に好ましい、一方で、第1の部位11の密度に対する第2の部位12の密度の比の上限値は、特殊な合金刃を用いなくとも第2の部位12にて、さらに確実かつ円滑にCNT線材2を切断できる点から1/2が好ましい。
第1の部位11の密度に対する第2の部位12の密度の比が1/5以上1/2以下の範囲であることにより、第1の部位11の長手方向Xの引っ張り強度に対する第2の部位12の長手方向Xの引っ張り強度の比を1/1500以上1/2以下の範囲、1/1000以上1/2以下の好ましい範囲に、さらに調整しやすくなる。第2の部位12の密度としては、例えば、0.1g/cm以上0.8g/cm以下が挙げられる。
なお、CNT線材2では、複数の第1の部位11、11、11・・・の密度は、それぞれ、略同じであり、複数の第1の部位11、11、11・・・の長手方向Xの引っ張り強度は、それぞれ、略同じとなっている。また、複数の第2の部位12、12、12・・・の密度は、それぞれ、略同じであり、複数の第2の部位12、12、12・・・の長手方向Xの引っ張り強度は、それぞれ、略同じとなっている。
第1の部位11の密度と第2の部位12の密度の調整方法としては、例えば、CNTからCNT線材2を紡糸する工程におけるCNT線材2の伸延速度を第1の部位11と第2の部位12とで変化させる方法が挙げられる。CNT線材2の伸延速度を第2の部位12では第1の部位11よりも適宜速くすることで、第1の部位11の密度と第2の部位12の密度を調整できる。
次に、本発明の第3実施形態に係るCNT線材について説明する。なお、第3実施形態に係るCNT線材は、主要な構成要素が第1、第2実施形態に係るCNT線材と共通しているので、第1、第2実施形態に係るCNT線材と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
第2実施形態に係るCNT線材2では、第1の部位11の断面積と第2の部位12の断面積は略同じであるが、第2の部位12の密度が、第1の部位11の密度よりも低いことによって、第1の部位11の長手方向Xの引っ張り強度に対する第2の部位12の長手方向Xの引っ張り強度の比が1/1500以上1/2以下となっていた。これに代えて、第3実施形態に係るCNT線材3では、第1の部位11の断面積と第2の部位12の断面積は略同じであるが、第2の部位12の欠陥度が、第1の部位11の欠陥度よりも高いことによって、第1の部位11の長手方向Xの引っ張り強度に対する第2の部位12の長手方向Xの引っ張り強度の比が1/1500以上1/2以下となっている。
第2の部位12の欠陥度に対する第1の部位11の欠陥度の比は、第1の部位11の引っ張り強度に対する第2の部位12の引っ張り強度の比が1/1500以上1/2以下の範囲であれば、特に限定されないが、その下限値は、CNT線材3を巻いた状態で保管する等、CNT線材3を取り扱う際に意図せず第2の部位12にて切断されることを確実に防止する点から1/100が好ましく、1/50が特に好ましい。一方で、第2の部位12の欠陥度に対する第1の部位11の欠陥度の上限値は、特殊な合金刃を用いなくとも第2の部位12にてさらに確実かつ円滑にCNT線材3を切断できる点から1/5が好ましい。
第1の部位11の欠陥度に対する第2の部位12の欠陥度の比が1/100以上1/5以下の範囲であることにより、第1の部位11の長手方向Xの引っ張り強度に対する第2の部位12の長手方向Xの引っ張り強度の比が1/1500以上1/2以下の範囲、1/1000以上1/2以下の好ましい範囲に、さらに調整しやすくなる。第2の部位12の欠陥度としては、例えば、0.02以上30以下が挙げられる。
なお、CNT線材3では、複数の第1の部位11、11、11・・・の欠陥度は、それぞれ、略同じであり、複数の第1の部位11、11、11・・・の長手方向Xの引っ張り強度は、それぞれ、略同じとなっている。また、複数の第2の部位12、12、12・・・の欠陥度は、それぞれ、略同じであり、複数の第2の部位12、12、12・・・の長手方向Xの引っ張り強度は、それぞれ、略同じとなっている。
第1の部位11の欠陥度と第2の部位12の欠陥度の調整方法としては、例えば、CNT線材3の切断部位となる第2の部位12を酸処理して第2の部位12の欠陥度を上昇さ
せる方法が挙げられる。また、CNT線材3を酸へ浸漬することによる酸処理と比較して、CNT線材3をマスクで覆うことで所定の範囲で確実な酸処理が可能である点から、スプレーを用いた酸の噴霧による酸処理が好ましい。また、酸噴霧による酸処理では、CNT線材3は短時間で欠陥度の変化が起き、所定の範囲を処理しやすいため、取り扱いも容易である。
次に、本発明のCNT線材の他の実施形態について説明する。複数の第1の部位の長手方向の引っ張り強度は、それぞれ、略同じであり、複数の第2の部位の長手方向の引っ張り強度は、それぞれ、略同じとなっていたが、これに代えて、複数の第1の部位のうち、少なくとも一部の第1の部位の引っ張り強度が、他の第1の部位の引っ張り強度と相違していてもよく、複数の第2の部位のうち、少なくとも一部の第2の部位の引っ張り強度が、他の第2の部位の引っ張り強度と相違していてもよい。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1〜4
試験体の作製
下記表1に示すように、CNT線材の第1の部位と第2の部位について、第1の部位の径方向の断面積に対する第2の部位の径方向の断面積の比(断面積比)、第1の部位の密度に対する第2の部位の密度の比(密度比)または第2の部位の欠陥度に対する第1の部位の欠陥度の比(欠陥度比)を調整することで、第1の部位の引っ張り強度に対する第2の部位の引っ張り強度の比(引っ張り強度比)を変更した試験体を作製した。実施例1、4、5、6、比較例1、4における断面積比は研磨処理、実施例2、比較例2における密度比は紡糸伸延の速度調整、実施例3、比較例3における欠陥度比は酸噴霧による酸処理により、それぞれ、引っ張り強度比を調整した。
試験体であるCNT線材の引っ張り強度比の変更前における平均直径は0.2mm、密度は1.2g/cm、欠陥度は0.011であり、CNT線材の所定部位に対して、断面積比、密度比または欠陥度比を調整する処置を行うことで第2の部位を作製し、断面積比、密度比または欠陥度比を調整する処置を行っていない部位を第1の部位とした。
評価項目
切断性
CNT線材の第2の部位において、従来使用されている金属線切断用の刃(日立工機株式会社製「高速切断機CC14SF」)を用いて整った切断面にて完全に切断できた場合を「◎」、上記切断用の刃を用いて切断面に若干の乱れが見られるが完全に切断できた場合を「○」、上記切断用の刃を用いては完全に切断できなかった場合、または上記切断用の刃を用いての切断前に直径100mmのコイルを用いたコイル巻き工程で切断されてしまった場合を「×」と評価した。
評価結果を下記表1に示す。
上記表1から、引っ張り強度比が1/1000以上1/2以下である実施例1〜6では、第2の部位において優れたCNT線材の切断性を得ることができた。特に、引っ張り強度比が1/1000以上1/100以下である実施例1〜3、5、6では、CNT線材の切断性がさらに向上した。このうち、実施例1、4、5、6では、断面積比が1/100以上1/2以下であることで、第2の部位において優れたCNT線材の切断性を得ることができた。また、実施例2では、密度比が1/2であることで、第2の部位において優れたCNT線材の切断性を得ることができた。また、実施例3では、欠陥度比が1/10であることで、第2の部位において優れたCNT線材の切断性を得ることができた。
また、実施例1〜4では、第2の部位の長さが10mmにてCNT線材の切断性を得ることができたので、CNT線材の損失量を低減でき、歩留まりを向上させることができた。第2の部位の長さが200mmである実施例6では、CNT線材の損失量を十分低減できないことが判明した。
一方で、引っ張り強度比が1/2000である比較例1、2、3では、コイル巻き工程で切断されてしまった。なお、比較例1では、断面積比が1/200、比較例2では密度比が1/10、比較例3では、欠陥度比が1/200であった。また、引っ張り強度比が1/1.5である比較例4では、CNT線材の第2の部位において完全に切断できなかった。なお、比較例4では、断面積比が1/1.2であった。
1、2、3 CNT線材
11 第1の部位
12 第2の部位

Claims (7)

  1. 所定の長手方向の引っ張り強度を有する第1の部位と、該第1の部位よりも長手方向の引っ張り強度が低い第2の部位と、を備え、前記第1の部位の引っ張り強度に対する前記第2の部位の引っ張り強度の比が、1/1500以上1/2以下であり、前記第1の部位と前記第2の部位が、長手方向に交互に配置されているカーボンナノチューブ線材。
  2. 前記第1の部位が、端部に配置されている請求項1に記載のカーボンナノチューブ線材。
  3. 前記第1の部位の引っ張り強度に対する前記第2の部位の引っ張り強度の比が、1/1000以上1/2以下である請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ線材。
  4. 前記第2の部位の長さが、10mm以上100mm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材。
  5. 前記第1の部位の長手方向に対して直交方向の断面積に対する前記第2の部位の長手方向に対して直交方向の断面積の比が、1/100以上1/2以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材。
  6. 前記第1の部位の密度に対する前記第2の部位の密度の比が、1/5以上1/2以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材。
  7. 前記第2の部位の欠陥度に対する前記第1の部位の欠陥度の比が、1/100以上1/5以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ線材。
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