JP2020162934A - 吸収性物品用の表面シート及び吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収性物品の表面シートにきた体液を、広範囲に拡散させながら、体液を吸収体に効率よく吸収させるために透液性を改善した表面シート、及び、それを用いた吸収性物品を提供することを目的とする。【解決手段】単層の不織布である吸収性物品用の表面シートであって、前記不織布は、平均密度が0.010〜0.040g/cm3であり、前記不織布の表面に、連続した線状の凹形状又は互いに隣接して配置される複数の点状の凹形状が付与されてなり、前記凹形状の側壁部は、少なくとも2段階の段階的な形状を有する、吸収性物品用の表面シートである。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収性物品に用いられる表面シート、及び、吸収性物品に関する。
生理用ナプキンやおむつなどの吸収性物品は、一般的に、液透過性のトップシート(表面シート)と、吸収した尿や経血等の体液の漏れを防止するバックシートと、それらの間に置かれ体液を吸収する吸収体とを備える。吸収性物品では、体液がトップシートから吸収体へと素早く透過され、肌に触れる時間を少なくすることが求められており、吸収性物品の機能をさらに高めるためにトップシートの検討が行われている。
例えば、特許文献1は、衛生材料に用いられる柔軟で嵩高な不織布を提供するために、不織布の表面を部分的に熱圧着した後、凹凸加工を施すことで部分的に変形を与え、高密度域を形成したものを開示している。特許文献1は、不織布に特定の形状を付与することによって、嵩高く、圧縮に強く、また液透過性に優れ、液戻りの少ない不織布が得られ、かかる不織布は衛生材料のトップシートとして用いられることを開示している。
また、特許文献2は、2層の不織布を積層して得られる表面シートであって、1層目の不織布に凹凸加工を施した後、2層目の不織布を貼り合わせ、その凹部に開孔処理または圧着処理を施すとともに、凸部内部に空洞が形成された表面シートを開示している。特許文献2は、前述の構造によって、表面シートの耐圧縮性と液の引き込み性が向上し、表面シートの表面液流れを低減し、通気性やクッション性に優れた表面シートが得られることを開示している。
また、特許文献3では、不織布に凹凸加工を施し、開孔部分と液拡散通路とを形成して、透液性と拡散性を向上させた表面シートが提案されている。特許文献3の表面シートは単層の不織布で、一方の面に凸部と凹部とが形成され、他方の面は平坦面とされており、また、着用者の肌に当たる部分である凸部に疎水剤を付与して疎水性とし、さらに、特定の荷重を加えた時に、凸部が潰れながらも高さがある程度保持され、また、肌に触れない凹部の空間が残ることによって、液拡散通路が形成されることを開示している。
特開2004−113489号公報 特開2009−89965号公報 特開2015−62484号公報
しかしながら、従来の表面シートでは、体液の拡散や透液性が必ずしも十分ではなく、特に液量が多い場合には液の引き込み性が著しく低下し、着用者に濡れ感などの不快を感じさせてしまうおそれがあった。この状況に鑑み本発明は、吸収性物品の表面シートにきた体液を、広範囲に拡散させながら、体液を吸収体に効率よく吸収させるために透液性を改善した表面シート、及び、それを用いた吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、吸収性物品の表面シートとして、特定範囲の密度を有し、また、不織布の表面に段階的な凹形状が付与された不織布を用いたときに、優れた体液の拡散性と透液性とが得られることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、上記の課題を解決する以下の構成を有する。
[1]単層の不織布である吸収性物品用の表面シートであって、
前記不織布は平均密度が0.010〜0.040g/cmであり、
前記不織布の表面に、連続した線状の凹形状又は互いに隣接して配置される複数の点状の凹形状が付与されてなり、前記凹形状の側壁部は、少なくとも2段階の段階的な形状を有する、吸収性物品用の表面シート。
[2]前記凹形状において、底部から表面に向けて、繊維の密度が段階的に小さくなっている、[1]に記載の吸収性物品の表面シート。
[3]前記凹形状の底部の少なくとも一部が開孔している、[1]又は[2]に記載の吸収性物品の表面シート。
[4]前記表面シートにおいて、前記凹形状の占める面積率が、前記表面シートの表面に対して4〜40%である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シート。
[5]EDANAストライクスルー法で測定した通液時間測定後の液拡散面積が、15〜30cmである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シート。
[6]EDANAストライクスルー法で測定した通液時間測定後の表面シートに残存する液体量である液残り量が、0.1g以下である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シート。
[7]前記不織布が、熱接着性繊維からなる、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シート。
[8]前記不織布が、スルーエア不織布である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シート。
[9][1]〜[8]のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シートを備える、吸収性物品。
本発明の吸収性物品用の表面シートは、特定範囲の密度を有するとともに、その表面に設けられた線状又は点状の凹部が、凹部の側壁が少なくとも2段階の段階的な形状をしており、凹部における繊維の密度が凹部の底部から表面へ向けて段階的に小さくなっている構造とすることで、表面シート上にきた体液を、広範囲に拡散させ、吸収体に効率よく吸収させるとともに、表面シートに残存する液量を低減することが可能である。
本発明の表面シートの断面形状の例を示す模式図である。 本発明の表面シートの断面形状の例を示す模式図である。 本発明の表面シートの断面形状で、底部の一部が開孔している例を示す模式図である。 本発明の実施例1で用いた凹凸パターンを示す写真である。 本発明の実施例2で用いた凹凸パターンを示す写真である。 本発明の実施例3で用いた凹凸パターンを示す写真である。 本発明の実施例4で用いた凹凸パターンを示す写真である。 本発明の実施例5で用いた凹凸パターンを示す写真である。 本発明の実施例6で用いた凹凸パターンを示す写真である。 比較例2で用いた凹凸パターンを示す写真である。 比較例3で用いた凹凸パターンを示す写真である。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明の吸収性物品用の表面シートは、吸収性物品の肌に触れる部分に使用され、表面に凹形状が付与された単層の不織布であって、平均密度が0.010〜0.040g/cmであり、その表面に、連続した線状の凹形状又は互いに隣接して配置される複数の点状の凹形状が付与されてなり、前記凹形状の側壁部は、少なくとも2段階の段階的な形状を有するものである(側壁部が少なくとも2段階の段階的な形状を有する凹形状を、「段階的な凹部」ないし「段階的な凹形状」と称することがある)。
吸収性物品において、着用者の肌に接する表面シートでは、体液を吸収体に効率よく吸収させるために、体液を拡散させ、短時間で通過するように設計することが好ましい。このような構造であれば、濡れ感がなくなり、着用者の不快感を抑えることができ、吸収体も効率良く使用することができる。
本発明の吸収性物品用の表面シートは、目付が10〜100g/mの不織布を使用でき、15〜60g/mであればより好ましい。目付が10g/m以上であれば、表面シートの密度が低くなりすぎることがないことから、体液を十分に拡散させてから、下方の吸収体に通過させることができる。また、吸収性物品用の表面シートの目付が100g/m以下であれば、体液が表面シートを通過する時間が適切となり、表面シート中への液残りが少なくなる。
本発明の吸収性物品用の表面シートは、平均密度が0.010〜0.040g/cmであり、0.020〜0.040g/cmであることが好ましく、0.020〜0.035g/cmであることがより好ましい。平均密度が0.010g/cm以上であれば、体液を十分に拡散させてから下方の吸収体に通過させることができる。平均密度が0.040g/cm以下であれば、体液が表面シートを通過する時間が適切となり、表面シート中への液残りが少なくなる。なお、本明細書において、吸収性物品用の表面シートの平均密度は、表面シートの目付(g/m)及び平均厚み(mm)から算出される。表面シートの平均厚み(mm)は、表面シートの段階的な凹形状及び凸状部(凹形状以外の非賦形部分)のそれぞれの厚み(mm)及びそれぞれの面積率(%)から算出される。
本発明では、吸収性物品用の表面シートとして、上記範囲の平均密度を有する不織布を用いることが肝要である。上記範囲の平均密度は、従来慣用されるトップシート用の不織布と比較して高くなる。吸収性物品用の表面シートとして用いる不織布の平均密度は、上述のとおり、不織布の目付と、段階的な凹形状及び凸状部のそれぞれの厚みと面積率から算出される。吸収性物品用の表面シートでは、一般に、体液の拡散性が高いほど、体液が表面シートを通過した際に、表面シート中に残存する液残り量が増加する関係にあるところ、本発明では不織布の平均密度を前記の範囲とすることによって、吸収性物品用の表面シートとしての拡散性と、表面シート中の液残り量とのバランスが良好となる。
特定の理論に拘束されるものではないが、本発明の吸収性物品用の表面シートは、特定の平均密度を有し、かつ、段階的な凹形状のパターンを有することによって、本発明の特徴である液体の拡散性能と、表面シート中への液残り低減を相乗的に向上させるものと考えられている。
本発明の吸収性物品用の表面シートは、その表面に、連続した線状の凹形状又は互いに隣接して配置される複数の点状の凹形状であって、その側壁部が少なくとも2段階の段階的な形状を有してなる凹形状が付与されてなる。このような凹形状の形成は、体液を拡散させる効果を阻害しない範囲で、種々の方式によることができる。例えば、彫刻ロールとフラットロールの組み合わせた熱エンボス方式(熱圧着方式ともいう)、同様に超音波を用いた方式、対となる凹凸ロールの噛み合わせによる方式、また熱接着前の繊維ウェブを凹凸パターン上で熱風接着したエアスルー方式などがある。中でも、熱エンボス方式(熱圧着方式)で加工されて凹形状が形成された表面シートは、吸収性物品用の表面シートの密度制御が容易な点で好ましい。吸収性物品用の表面シートの表面の凹形状は、肌側に配置されていてもよく、吸収体側に配置されてもよい。また、表面シートは、内部が繊維で埋められた中実構造でもよく、内部に空間のある中空構造であってもよい。
連続した線状の凹形状のパターンとしては、吸収性物品の前後方向に連続する凹形状が形成される各種のパターン、具体的には、線状(筋状)のパターン、波状パターン、ジグザクパターン等が例示できる。また、線状のパターンとしては、吸収性物品の前後方向だけでなく、吸収性物品の斜め方向に連続する凹形状を有するパターンであってもよい。このようなパターンとして具体的には、格子状が例示でき、格子状の場合は、吸収性物品の前後方向に対して平行に配置される四角パターンや前後方向に対する配置角度を変更した菱形パターン、縦横比を変更した長方形パターンや平行四辺形パターン等が例示できる。いずれの場合も、凹形状の凹部の側壁部が少なくとも2段階の段階的な形状を有するという特徴を有することが肝要である。凹形状の側壁部とは、凹部を構成する面のうち、不織布の厚み方向を横断するように延在する面のことを意味し、不織布の厚み方向に平行する面でもよく、厚み方向に斜行する面でもよい。
また、互いに隣接して配置される複数の点状の凹形状とは、線状より短い凹形状であって、凹形状のパターン(表面シートの表面に現れる形状)は特に特に制限されず、例えば、丸型、長丸型、三角型、四角型、六角型、菱形、十文字型、星型等、あるいはこれらの組み合わせ等であり、これらに限定されない。例えば、複数の点状の凹形状のパターンが混合して配置されていてもよく、線状の凹形状と点状の凹形状とが組み合わされている等も好ましい。例えば、一定の深さを有する線状の凹形状の中に、さらに深い点状の凹部が分散的に配置された形状等も好ましい。隣接して配置された点状の凹形状の間隔は、本発明の効果を有する限り特に制限されないが、例えば4.5mm以下とすることができる。なお、互いに隣接して配置された点状とは、複数の点状の凹形状が間隔をもって連続的に配置されていることをいい、一定間隔で一定の大きさの点状の凹形状が並ぶもの、一定間隔で大きさの異なる点状の凹形状が並ぶもの等が例示できる。いずれの場合も、個々の凹形状の凹部の側壁部が、少なくとも2段階の段階的な形状を有するという特徴を有する。凹形状の側壁部とは、凹部を構成する面のうち、不織布の厚み方向を横断するように延在する面のことを意味し、不織布の厚み方向に平行する面でもよく、厚み方向に斜行する面でもよい。特に理論に拘束されるものではないが、線状の凹形状は拡散性に、点状のエンボスは透液性に対する効果を有すると考えられており、これらを適切に組み合わせることによって、より液残り量が少ない表面シートが得られると考えられている。
本発明の表面シートにおける、少なくとも2段階の段階的な形状を有する側壁部を有する凹形状の具体例として、図1〜3に本発明の表面シートの断面模式図を示す。図1は本発明の表面シートの断面模式図であり、凹形状1の側壁部は、側壁部12a及び12bの2段階に構成されている。不織布を構成する繊維の密度は、凹形状1の底部12cが最も高く、段状部b、凸部(非賦形部)aの順に小さくなっている。すなわち、不織布の底部から表面に向けて、繊維密度が段階的に小さくなっている。
なお、図1の例では、凹形状1の側壁部12a、12bはそれぞれ不織布の厚み方向に平行な面であるが、これらの面は不織布の断面に対して斜行するようにすることも好ましい。例えば、側壁部12a、12bの一方又は両方を、凹部の中央に向かって傾斜する面としてもよい。また、図1の例では、凹形状1ないしその側壁部は2段階の形状とされているが、3段階、4段階等であってもよい。
図2も同様に、2段階の側壁部22a、22bを有する。図2の例では、凹形状2の側壁部22a、22bは、図1の例と同様に不織布の厚み方向に平行な面であり、凹形状2の底部22cの断面は不織布の面に平行する平面である。図2は、側壁部22aで規定される線状の凹形状の中に、側壁部22bで規定される丸い点状の凹形状を有する。不織布を構成する繊維の密度は、凹形状2の底部22cが最も高く、段状部b、凸部(非賦形部)aの順に小さくなっている。なお、本発明の表面シートにおける不織布の凹形状の底部は、平面でもよいし、弧状(曲面)に形成されていてもよい。
図3も同様に、2段階の側壁部32a、32bを有する。図3の例では、凹形状3の底部は開孔となっており、不織布の厚み方向を貫通する穴が形成されている。本発明の表面シートにおいて、凹形状の底部が開孔している場合、開孔は凹形状の底部の一部のみが開孔している。具体的には、開孔は、配列した点であることが好ましい。
なお、吸収性物品の表面シートにおいて、付与された凹形状の側壁が上述のように少なくとも2段階の段階的な形状を有していることは、例えば、デジタルマイクロスコープで表面シートの断面を確認する方法、またはレーザー厚み計で表面シートの凹形状の厚みを測定する方法によって確認できる。
凹形状の幅は、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されないが、例えば、0.3〜3.0mmとすることができ、0.5〜2.0mmであればより好ましい。凹形状の幅が前記の範囲内であれば、体液が凹形状に沿って移動するため十分な拡散性が得られると考えられる。また、凹形状の部分の厚みも、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されないが、例えば、0.2〜2.0mmとすることができ、0.5〜2.0mmであればより好ましい。凹状部の厚みが前記の範囲内であれば、体液が凹形状に沿って移動するため十分な拡散性が得られると考えられる。また、凸部(不織布の非賦形部)の厚みは、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されないが、例えば、0.5〜5.0mmとすることができ、1.0〜3.0mmであればより好ましい。例えば、2段階の形状であるとき、最も薄い部分(凹形状の底部)を0.5〜1.1mm、段状部の厚みを1.1〜1.8mm、不織布の非賦形部分の厚みを1.8〜3.0mmとすることができる。
吸収性物品用の表面シートにおける凹形状の割合は、表面シートの面積に対して、凹形状の占める面積が4〜40%であることが好ましく、5〜30%であることがより好ましい。表面シートにおいて、体液は主に凹形状に沿って拡散する。凹形状の面積が4%以上であると体液の凹形状に沿った拡散が阻害されず、十分な拡散性が得られ、凹形状が40%以下であると体液が吸収体に到達することが阻害されてしまうことがない。凹形状が4〜40%の範囲であれば、液体を拡散するシートとしての拡散性と、表面シートを通過して吸収体に到達するバランスが良好となり、表面シート中の液残りが低減できるため好ましい。吸収性物品用の表面シートにおける凹形状の面積率は、例えばデジタルマイクロスコープを用いて測定ないし算出できる。詳しい測定及び算出方法は、実施例に詳述される。なお、凹形状の占める割合とは、表面シートの凸部(非賦形部)以外の部分の割合を意味し、複数の段階を有する凹形状の面積の和である。
本発明の吸収性物品用の表面シートを構成する不織布は、熱接着性繊維からなることが好ましい。熱接着性繊維としては、熱接着性を有する複合繊維が挙げられる。熱接着性繊維の熱接着性成分は、その繊維からなるウェブに熱風を通すことによって熱溶融し、接着点を形成する熱可塑性樹脂成分であればよい。本発明において、繊維同士の熱接着点は、融点の低い熱可塑性樹脂成分が熱風処理で溶融することにより形成されることが好ましい。熱接着性繊維を構成する樹脂成分としては、ポリオレフィン系(例えば、ポリプロピレン、プロピレン共重合体[プロピレンを主成分とし、これと他のα−オレフィンとの共重合体;例えばエチレン−プロピレン二元共重合体、プロピレン−ブテン−1二元共重合体、プロピレン−ヘキセン−1二元共重合体など]、ポリエチレン等)、ポリエステル系(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド系(例えば、ナイロン6等)が例示できる。複合繊維における低融点成分と高融点成分の具体的な組み合わせとしては、ポリエチレン(低融点成分)とポリプロピレン(高融点成分)、ポリエチレン(低融点成分)とポリエチレンテレフタレート(高融点成分)などが例示できる。本発明の吸収性物品用の表面シートを構成する不織布としては、単一成分または複合成分からなる不織布を用いることができる。特に限定されないが、不織布の機械的強度および不織布表面への凹凸加工を施す点から、低融点成分と高融点成分の構成による複合繊維が好ましい。
複合繊維の形状は、同心鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、放射状型などを例示できる。複合繊維の繊度は、特に限定されないが、本発明の効果である液拡散性と、液通過性および風合いを考慮して、好ましくは0.5〜20dtexであり、さらに好ましくは1〜10dtexの範囲である。
本発明の吸収性物品用の表面シートである不織布を構成する熱可塑性繊維には、本発明の効果を高めるために親水性、耐久親水性、撥水性等の性状を付与することが好ましい。熱可塑性繊維に親水性、耐久親水性、撥水性等の性状を付与する方法としては、界面活性剤、脂肪酸類、脂肪酸金属塩類、脂肪酸エステル類、脂肪酸アルコール類、脂肪酸アミン類、脂肪酸アミド類、動植物油脂類、シリコーン類等から選ばれる少なくとも1種類を含んだ繊維処理剤を、繊維を製造する際の紡糸工程や延伸工程で繊維表面に噴霧等により塗布して付着させるのが一般的である。
本発明の吸収性物品用の表面シートを構成する不織布は、上記熱可塑性繊維のウェブを積層させたものでもよい。例えば、異なる繊度からなるウェブを積層させて不織布としたものや、異なる界面活性剤が繊維表面に付着されてなるウェブを積層させて不織布としたものでもよい。
本発明の吸収性物品用の表面シートは、スルーエア不織布であることが好ましい。スルーエア不織布とは、熱風接着プロセスで得られた不織布をいう。熱風接着プロセスとは、オーブン中にコンベアベルトまたはロータリードラムを備えて、ウェブを通過させた後、一方に吸引することで、接着効果を高め、厚み方向に均一な不織布を得るための方法である。一般に、熱風接着プロセスは、1)嵩高性を有する不織布の生産、2)比較的、簡単な均一な温度のコントロール、3)収縮のコントロール、ができるなどの長所を持つ。この長所を利用して、熱可塑性繊維のウェブを熱風処理し、繊維の交絡点を熱融着させてスルーエア不織布を得ることができる。
本発明の吸収性物品用の表面シートを構成する不織布は、効果を阻害しない範囲で、木綿、麻、パルプなどの木質繊維、コットンなどの天然繊維、レーヨンやアセテートなどの化学繊維を混合されていてもよい。また、本発明の吸収性物品用の表面シートを構成する不織布は、他の不織布、フィルム、パルプシート、編み物、織物を積層させた、複合化不織布を使用することができる。複合化不織布は、他の不織布、フィルム、パルプシート、編み物、織物を単独で積層させたもののほか、これらを複数組み合わせて積層させたものでもよい。
吸収性物品用の表面シートの液拡散面積とは、吸収性物品用の表面シートの上に一定条件で液体を供給した際に、液体が拡散する面積を示す値である。具体的には、EDANA(The European Disposables and Nonwovens Association)に準拠するストライクスルー法の通液時間測定後の拡散シートに残った拡散面積を、画像解析装置を用いて測定することで決定される。本発明の吸収性物品用の表面シートは、液拡散性に優れ、液拡散面積が15〜30cmであることが好ましく、16〜30cmであることがより好ましい。液拡散面積が15cm以上であれば、部分的な体液の吸収が生じず、特に液量が多い場合であっても、液の引き込み性が著しく低下することがなく、着用者に濡れ感などの不快を感じさせてしまうことがないため好ましい。また、30cm以下であれば、体液が拡散しすぎることがなく、吸収性物品から体液の漏れが発生しにくく、また広範囲で吸収することで、液戻りがないことから好ましい。本発明の吸収性物品用の表面シートは、液拡散面積が前記の範囲であることによって、吸収体を広範囲に使用できることから、吸収体を効率よく使用できる効果が得られる。液拡散面積の測定の詳細は、後述の実施例に記載される。
また、本発明の吸収性物品用の表面シートは、体液を繰り返し拡散させた場合でも、表面シート中の液残りが少ないという効果を有する。本発明の吸収性物品用の表面シートは、EDANA ERT §153.0−02(ストライクスルー法)の液体の通液時間の測定に準拠して通液時間を測定する時、通液前後の不織布重量差から、液残り量を算出し、液残り量が0.1g以下であることが好ましい。液残り量が0.1g以下であると、濡れ感による不快を低減できる効果が得られる。液残り量の測定の詳細は、後述の実施例に記載される。
また、本発明は、前述の吸収性物品用の表面シートを備える吸収性物品に関する。吸収性物品として具体的には、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等のほか、おしり拭き、ワイピングクロス等に好適に使用できる。
下記の実施例は、例示を目的としたものに過ぎない。本発明の範囲は、本実施例に限定されない。
実施例および比較例中に示された物性値の測定法を以下に示す。
(1)表面シートの厚み(mm):レーザー厚み計を用いて試料の凸部(非賦形部)と凹部のそれぞれ厚みを測定する。試料の寸法は、縦10cm、横10cmであり、測定は試料中で凸部の厚み10点、凹部の厚み10点を測定し、凸部(非賦形部)の厚みa、凹部の厚みb、凹部の厚みcの平均を求める。なお、凹形状が3段階以上である場合も同様に、段状部のそれぞれの段階において10点の厚みを測定し、その平均値を当該段状部の厚みとする。
(2)表面シートの凹部面積率(%):KEYENCE社製デジタルマイクロスコープ(VHX−6000)を用いて、凸部と凹部のそれぞれの長さ、幅を測定して、面積1cmに占める凸部の面積率d(%)、凹部の面積率e(%)、凹部の面積率f(%)をそれぞれ算出する。なお、凹形状が3段階以上である場合も同様に、段状部のそれぞれの段階において長さ、幅(点状の場合は直径)を測定し、面積1cmに占める当該段状部の面積率(%)を算出する。
(3)吸収性物品用の表面シートの目付g(g/m):試料寸法が、縦10cm、横10cmの重量を測定し、試料の重量を面積で除した試料1m当たりの重量gを求める。
(4)吸収性物品用の表面シートの平均密度(g/cm)=g(g/m)/{1000×{(凸部の厚みa(mm)×d(%)/100)+(凹部の厚みb(mm)×e(%)/100)+(凹部の厚みc(mm)×f(%)/100}}
なお、凹形状が3段階以上である場合も同様に、段状部のそれぞれの段階の厚み及び面積率を用いて、上記式にならって吸収性物品用の表面シートの平均密度を算出する。
(5)液残り量(g):EDANA ERT §153.0−02(ストライクスルー法)の液体の通液時間の測定に準拠して、液体が吸収性物品用の表面シート(不織布)を通過する時間を測定する際に、通液前後の不織布重量差から液残り量を算出した。具体的な方法としては、アクリル板の上に吸水紙(日本製紙クレシア(株)製キムタオル(商品名)を4枚重ねの4つ折り2組の計32枚)を載せ、その上に縦10cm、横10cmの予め重量を測定した表面シート(不織布)を載せる。更にその上に通液プレートを載せて、ホルダーをセットし、生理食塩水5mLを3回通液した。なお、生理食塩水は9gのNaClをイオン交換水に完全に溶解させ、1000gとした水である。3回通液後に、試料の重量を測定し、前後差から液残り量を算出した。液残り量が少ない程、濡れ感による不快を低減できる。
(6)液拡散性(液拡散面積)(cm):上記(5)の通液性測定で3回通液後の試料を用いて、画像解析(Adobe(登録商標) Acrobat(登録商標)付属ソフト)にて、液の拡散面積を求める。なお、生理食塩水には、液拡散が明瞭になるようにインクを混合しておき、着色しておく。
[実施例1]
鞘側に低融点成分としてポリエチレン(融点130℃、メルトマスフローレート16g/10min)、芯側に高融点成分としてポリエステル(融点250℃、固有粘度0.63)を、鞘/芯の重量比で50/50の割合で配した、繊度2.2dtex、カット長45mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱接着性同心鞘芯型複合繊維を、カーディング法にて目付44g/mのウェブとした。130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いて、ウェブに熱風を通過させることによりスルーエア不織布を得た。さらに、該不織布のネット面側に、ロール温度130℃、圧力1.96MPaの条件下で、図4に示す形状のエンボス(凹部面積率合計20%)の凹凸を付与し、2段階の段階的な線状の凹部を有する、吸収性物品用の表面シートを得た。図1に、実施例1の表面シートの断面形状の模式図を示す。
この吸収性物品用の表面シートの測定結果を表1に示す。得られた吸収性物品用の表面シートは、平均密度は0.022g/cm、液残り量が0.06g、拡散面積が19.5cmとなり、液残り、拡散性に優れるものであった。
[実施例2]
鞘側に低融点成分としてポリエチレン(融点130℃、メルトマスフローレート16g/10min)、芯側に高融点成分としてポリエステル(融点250℃、固有粘度0.63)を、鞘/芯の重量比で50/50の割合で配した、繊度2.2dtex、カット長45mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱接着性同心鞘芯型複合繊維を、カーディング法にて目付44g/mのウェブとした。130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いて、ウェブに熱風を通過させることによりスルーエア不織布を得た。さらに、該不織布のネット面側に、ロール温度130℃、圧力1.96MPaの条件下で、図5に示す形状のエンボス(凹部面積率合計25%)の凹凸を付与し、2段階の段階的な線状の凹部を有する、吸収性物品用の表面シートを得た。図1に、実施例2の表面シートの断面形状の模式図を示す。
この吸収性物品用の表面シートの測定結果を表1に示す。得られた吸収性物品用の表面シートは、平均密度は0.025g/cm、液残り量が0.04g、拡散面積が20.6cmとなり、液残り、拡散性に優れるものであった。
[実施例3]
鞘側に低融点成分としてポリエチレン(融点130℃、メルトマスフローレート16g/10min)、芯側に高融点成分としてポリエステル(融点250℃、固有粘度0.63)を、鞘/芯の重量比で50/50の割合で配した、繊度2.2dtex、カット長45mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱接着性同心鞘芯型複合繊維を、カーディング法にて目付44g/mのウェブとした。130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いて、ウェブに熱風を通過させることによりスルーエア不織布を得た。さらに、該不織布のネット面側に、ロール温度130℃、圧力1.96MPaの条件下で、図6に示す形状のエンボス(凹部面積率合計17%)の線状と点状の組み合わせによる凹凸を付与し、段階的な凹部を有する吸収性物品用の表面シートを得た。図2に、実施例3の表面シートの断面形状の模式図を示す。
この吸収性物品用の表面シートの測定結果を表1に示す。得られた吸収性物品用の表面シートは、平均密度は0.023g/cm、液残り量が0.05g、拡散面積が16.7cmとなり、液残り、拡散性に優れるものであった。
[実施例4]
鞘側に低融点成分としてポリエチレン(融点130℃、メルトマスフローレート16g/10min)、芯側に高融点成分としてポリエステル(融点250℃、固有粘度0.63)を、鞘/芯の重量比で50/50の割合で配した、繊度2.2dtex、カット長45mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱接着性同心鞘芯型複合繊維を、カーディング法にて目付44g/mのウェブとした。130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いて、ウェブに熱風を通過させることによりスルーエア不織布を得た。さらに、該不織布のネット面側に、ロール温度130℃、圧力1.96MPaの条件下で、図7に示す形状の開孔を有するエンボス(開孔含む凹部面積率10%)の線状と開孔部の組み合わせによる凹凸を付与し、段階的な凹部を有する吸収性物品用の表面シートを得た。図3に、実施例4の表面シートの断面形状の模式図を示す。
この吸収性物品用の表面シートの測定結果を表1に示す。得られた吸収性物品用の表面シートは、平均密度は0.016g/cm、液残り量が0.04g、拡散面積が16.5cmとなり、液残り、拡散性に優れるものであった。
[実施例5]
鞘側に低融点成分としてポリエチレン(融点130℃、メルトマスフローレート16g/10min)、芯側に高融点成分としてポリエステル(融点250℃、固有粘度0.63)を、鞘/芯の重量比で50/50の割合で配した、繊度2.2dtex、カット長45mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱接着性同心鞘芯型複合繊維を、カーディング法にて目付44g/mのウェブとした。130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いて、ウェブに熱風を通過させることによりスルーエア不織布を得た。さらに、該不織布のネット面側に、ロール温度130℃、圧力1.96MPaの条件下で、図8に示す形状の開孔を有するエンボス(開孔含む凹部面積率10%)の線状と開孔部の組み合わせによる凹凸を付与し、段階的な凹部を有する吸収性物品用の表面シートを得た。図3に、実施例5の表面シートの断面形状の模式図を示す。
この吸収性物品用の表面シートの測定結果を表1に示す。得られた吸収性物品用の表面シートは、平均密度は0.018g/cm、液残り量が0.06g、拡散面積が17.3cmとなり、液残り、拡散性に優れるものであった。
[実施例6]
鞘側に低融点成分としてポリエチレン(融点130℃、メルトマスフローレート16g/10min)、芯側に高融点成分としてポリエステル(融点250℃、固有粘度0.63)を、鞘/芯の重量比で50/50の割合で配した、繊度2.2dtex、カット長45mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱接着性同心鞘芯型複合繊維を、カーディング法にて目付25g/mのウェブとした。130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いて、ウェブに熱風を通過させることによりスルーエア不織布を得た。さらに、該不織布のネット面側に、ロール温度130℃、圧力1.96MPaの条件下で、図9に示す形状のエンボス(凹部面積率合計20%)の凹凸を付与し、2段階の段階的な線状の凹部を有する、吸収性物品用の表面シートを得た。図1に、実施例6の表面シートの断面形状の模式図を示す。
この吸収性物品用の表面シートの測定結果を表1に示す。得られた吸収性物品用の表面シートは、平均密度は0.014g/cm、液残り量が0.03g、拡散面積が16.8cmとなり、液残り、拡散性に優れるものであった。
[比較例1]
鞘側に低融点成分としてポリエチレン(融点130℃、メルトマスフローレート16g/10min)、芯側に高融点成分としてポリエステル(融点250℃、固有粘度0.63)を、鞘/芯の重量比で40/60の割合で配した、繊度2.2dtex、カット長45mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱接着性同心鞘芯型複合繊維を、カーディング法にて目付44g/mのウェブとし、130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いてウェブに熱風を通過させることによりスルーエア不織布を得た。エンボス加工は行わなかった。
この不織布の測定結果を表1に示す。得られた吸収性物品用の表面シートは、平均密度は0.022g/cm、液残り量が0.15g、拡散面積が14.2cmとなり、液残りが多く、拡散性も低いものであった。
[比較例2]
鞘側に低融点成分としてポリエチレン(融点130℃、メルトマスフローレート16g/10min)、芯側に高融点成分としてポリエステル(融点250℃、固有粘度0.63)を、鞘/芯の重量比で40/60の割合で配した、繊度2.2dtex、カット長45mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱接着性同心鞘芯型複合繊維を、カーディング法にて目付44g/mのウェブとし、130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いてウェブに熱風を通過させることによりスルーエア不織布を得た。さらに、該不織布のネット面側に、ロール温度130℃、圧力1.96MPaの条件下で、図10に示す形状のエンボス(凹部面積率8%)の十字形状の凹凸を付与し、点状の凹部を有する吸収性物品用の表面シートを得た。なお、比較例2で用いたエンボスは、凹形状の側壁部に段階を有さないものである。
この吸収体用拡散シートの測定結果を表1に示す。得られた吸収性物品用の表面シートは、平均密度は0.017g/cm、液残り量が0.11g、拡散面積が18.0cmとなり、拡散性は優れるが、液残りが多いものであった。
[比較例3]
鞘側に低融点成分としてポリエチレン(融点130℃、メルトマスフローレート16g/10min)、芯側に高融点成分としてポリエステル(融点250℃、固有粘度0.63)を、鞘/芯の重量比で40/60の割合で配した、繊度2.2dtex、カット長45mm、親水性油剤が繊維重量に対して0.35重量%付着した熱接着性同心鞘芯型複合繊維を、カーディング法にて目付44g/mのウェブとし、130℃の熱循環式サクションバンドドライヤーを用いてウェブに熱風を通過させることによりスルーエア不織布を得た。さらに、該不織布のネット面側に、ロール温度130℃、圧力1.96MPaの条件下で、図11に示す形状のエンボス(凹部面積率10%)の線状の凹凸を付与し、線状の凹部を有する吸収性物品用の表面シートを得た。なお、比較例3で用いたエンボスは、凹形状の側壁部に段階を有さないものである。
この吸収体用拡散シートの測定結果を表1に示す。得られた吸収性物品用の表面シートは、平均密度は0.020g/cm、液残り量が0.13g、拡散面積が26.7cmとなり、拡散性は優れるが、液残りが多いものであった。
本発明の吸収性物品用の表面シートは、不織布表面に段階的な凹部を有する凹形状を付与することで、繊維密度と凹形状とにより、液残りと拡散性に優れ、使い捨ておむつや生理用ナプキンなど、吸収性物品のトップシートとして利用可能である。
1、2、3 凹形状
12a、12b、22a、22b、32a、32b 側壁部
12c、22c 底部
a 不織布厚み(凸部)
b 不織布厚み(段状部)
c 不織布厚み(底部)

Claims (9)

  1. 単層の不織布である吸収性物品用の表面シートであって、
    前記不織布は、平均密度が0.010〜0.040g/cmであり、
    前記不織布の表面に、連続した線状の凹形状又は互いに隣接して配置される複数の点状の凹形状が付与されてなり、前記凹形状の側壁部は、少なくとも2段階の段階的な形状を有する、吸収性物品用の表面シート。
  2. 前記凹形状において、底部から表面に向けて、繊維の密度が段階的に小さくなっている、請求項1に記載の吸収性物品の表面シート。
  3. 前記凹形状の底部の少なくとも一部が開孔している、請求項1又は2に記載の吸収性物品の表面シート。
  4. 前記表面シートにおいて、前記凹形状の占める面積率が、前記表面シートの表面に対して4〜40%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シート。
  5. EDANAストライクスルー法で測定した通液時間測定後の液拡散面積が、15〜30cmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シート。
  6. EDANAストライクスルー法で測定した通液時間測定後の表面シートに残存する液体量である液残り量が、0.1g以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シート。
  7. 前記不織布が、熱接着性繊維からなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シート。
  8. 前記不織布が、スルーエア不織布である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シート。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品用の表面シートを備える、吸収性物品。
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