JP2020161468A - 遮断装置 - Google Patents

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純久 福田
Sumihisa Fukuda
純久 福田
健児 金松
Kenji Kanematsu
健児 金松
一寿 木下
Kazuhisa Kinoshita
一寿 木下
中村 真人
Masato Nakamura
真人 中村
進弥 木本
Shinya Kimoto
進弥 木本
瞬 伊藤
Shun Ito
瞬 伊藤
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Abstract

【課題】アークの発生を抑制する。【解決手段】遮断装置1は、筐体9と、第1電路部21と、第2電路部22と、動作ピン8と、導電部4と、を備える。第2電路部22は、筐体9の内部空間に設けられた第3電路部23を介して、第1電路部21に電気的に接続される。動作ピン8は、駆動機構7によって駆動されて内部空間を移動することで、第1電路部21と第2電路部22との少なくとも一方から第3電路部23を分離させる。導電部4は、動作ピン8の移動方向における動作ピン8の後端と分離部との間に配置され、動作ピン8に連動して移動する。導電部4は、開離した第1電路部21と第2電路部22とを導通させる。【選択図】図3

Description

本開示は遮断装置に関し、より詳細には、電路を遮断する遮断装置に関する。
特許文献1記載の回路遮断器は、電気回路に接続されるように設計された少なくとも1つの導電体と、ハウジングと、マトリクスと、パンチと、火工品を用いたアクチュエータと、を備えている。アクチュエータは、点火されたときにパンチを第1の位置から第2の位置に移動させるように設計されている。パンチ及びマトリクスは、パンチが第1の位置から第2の位置に移動するときに、少なくとも1つの導電体を破断して、少なくとも2つの別個の部分にする。
特表2017−507469号公報
特許文献1に記載されている回路遮断器では、導電体に大電流が流れているときに導電体を破断すると、破断した箇所でアークが発生することがある。このとき発生するアークのエネルギーは非常に大きくなり得る。
本開示は、アークの発生を抑制することが可能な遮断装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る遮断装置は、筐体と、第1電路部と、第2電路部と、動作ピンと、導電部と、を備える。前記第2電路部は、前記筐体の内部空間に設けられた分離部を介して、前記第1電路部に電気的に接続される。前記動作ピンは、駆動機構によって駆動されて前記内部空間を移動することで、前記第1電路部と前記第2電路部との少なくとも一方から前記分離部を分離させる。前記導電部は、前記動作ピンの移動方向における前記動作ピンの後端と前記分離部との間に配置され、前記動作ピンに連動して移動する。前記導電部は、開離した前記第1電路部と前記第2電路部とを導通させる。
本開示は、アークの発生を抑制することが可能となるという利点がある。
図1は、一実施形態の遮断装置の断面斜視図である。 図2は、同上の遮断装置の斜視図である。 図3は、同上の遮断装置の断面図であって、動作ピンが駆動される前の状態を示す。 図4は、同上の遮断装置の断面図であって、動作ピンが移動を開始した直後の状態を示す。 図5は、同上の遮断装置の断面図であって、動作ピンが駆動された後の状態を示す。 図6は、同上の遮断装置の動作ピンを含む要部の分解斜視図である。 図7は、変形例1の遮断装置の動作ピンを含む要部の分解斜視図である。 図8は、変形例2の遮断装置の断面図である。 図9は、同上の遮断装置の動作ピンを含む要部の分解斜視図である。 図10は、変形例3の遮断装置の動作ピンを含む要部の分解斜視図である。 図11は、変形例4の遮断装置の要部の上方から見た断面図である。 図12は、同上の遮断装置の要部の側方から見た断面図であって、動作ピンが駆動される前の状態を示す。 図13は、同上の遮断装置の動作ピンの斜視図である。 図14は、同上の遮断装置の要部の側方から見た断面図であって、動作ピンが駆動された後の状態を示す。 図15は、変形例5の遮断装置の動作ピンの斜視図である。 図16は、同上の遮断装置の要部を示す側面図であって、動作ピンが駆動される前の状態を示す。 図17は、同上の遮断装置の要部を示す側面図であって、動作ピンが移動を開始した直後の状態を示す。 図18は、同上の遮断装置の要部を示す側面図であって、動作ピンが駆動された後の状態を示す。 図19は、変形例6の遮断装置の要部の側方から見た断面図である。 図20は、変形例7の遮断装置の要部の側方から見た断面図である。 図21は、変形例8の遮断装置の要部の側方から見た断面図である。 図22は、変形例9の遮断装置の断面斜視図である。 図23は、同上の遮断装置の動作ピンを含む要部の分解斜視図である。 図24は、同上の遮断装置の断面図であって、動作ピンが駆動される前の状態を示す。 図25は、同上の遮断装置の断面図であって、動作ピンが移動した状態を示す。 図26は、同上の遮断装置の断面図であって、図25の状態から動作ピンが更に移動した状態を示す。 図27は、同上の遮断装置の断面図であって、図26の状態から動作ピンが更に移動した状態を示す。 図28は、同上の遮断装置の断面図であって、動作ピンが駆動された後の状態を示す。 図29は、変形例10の遮断装置の要部の側方から見た断面図である。 図30は、変形例11の遮断装置の断面図である。 図31は、同上の遮断装置の動作ピンを含む要部の分解斜視図である。 図32は、変形例12の遮断装置の要部の側方から見た断面図である。
以下、本開示の実施形態に係る遮断装置について、添付の図面を参照して説明する。ただし、下記の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の各実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(1)実施形態
(1.1)概要
本実施形態の遮断装置1は、図1に示すように、第1電路部21と、第2電路部22と、駆動機構7と、動作ピン8と、を備えている。また、遮断装置1は、第3電路部(分離部)23と、筐体9と、を備えている。
第1電路部21と第2電路部22とは、互いに電気的に接続されている。第1電路部21と第2電路部22とは、第3電路部23を介して、電気的に接続されている。ここでは、第1電路部21及び第2電路部22は、第3電路部23とともに、一つの導電部材2を構成している。第3電路部23は、導電部材2において第1電路部21と第2電路部22との間をつなぐ部分である。要するに、導電部材2は、第1電路部21及び第2電路部22を含む。また、導電部材2は、第3電路部23を含む。図1に示すように、第3電路部23は、筐体9の内部空間に設けられている。
駆動機構7は、動作ピン8を移動させる。
動作ピン8は、駆動機構7によって駆動されて移動する。動作ピン8は、第1電路部21と第2電路部22とを開離させる。ここでの動作ピン8は、図4、図5に示すように、導電部材2を破断させることにより、第1電路部21と第2電路部22とを開離させる。ここでは、動作ピン8は、駆動機構7によって駆動されることで移動して、第3電路部23を直接押し、これにより第3電路部23を第1電路部21及び第2電路部22から切り離す。すなわち、動作ピン8は、筐体9の内部空間を移動することで、第1電路部21と第2電路部22との少なくとも一方(ここでは両方)から、第3電路部(分離部)23を分離させる。
遮断装置1は、導電部4と絶縁部5とを備えている。導電部4は、動作ピン8の移動方向(図4、5の上下方向)における動作ピン8の後端(図1の上端)と第3電路部(分離部)23との間に配置され、動作ピン8に連動して移動する。
ここでは、導電部4及び絶縁部5は動作ピン8の一部である。すなわち、動作ピン8は、導電部4と絶縁部5とを有している。
図4に示すように、動作ピン8が移動することで、導電部4は、開離した第1電路部21と第2電路部22との間に入り込む。その結果、導電部4は、第1電路部21と第2電路部22とを電気的に接続する(導通させる)。
図5に示すように、動作ピン8が移動することで、導電部4が第1電路部21と第2電路部22とのうちの少なくとも一方から離れると、絶縁部5は、開離した第1電路部21と第2電路部22との間に入り込む。その結果、絶縁部5は、第1電路部21と第2電路部22との間を絶縁する。
本実施形態の遮断装置1によれば、第1電路部21と第2電路部22とが開離されてから、導電部4によって、第1電路部21と第2電路部22とが(一時的に)導通される。そして、遮断装置1では、導電部4によって第1電路部21と第2電路部22とが導通した後、絶縁部5によって第1電路部21と第2電路部22とが絶縁される。つまり、第1電路部21と第2電路部22とは、開離されると、一旦導電部4を介して導通した後に、(ここでは絶縁部5によって)絶縁される。これにより、動作ピン8が導電部4を備えていない場合に比べて、(ここでは絶縁部5によって)第1電路部21と第2電路部22とを絶縁する際に導電部材2に流れる電流の大きさを、小さくすることが可能となる。そのため、第1電路部21と第2電路部22とを絶縁する際のアークの発生を、抑制することが可能となる。なお、アークの発生を抑制するとは、アークを発生させなくすることに限らず、発生したアークが持続する時間を短くすること、または発生するアークのエネルギーを小さくすることも含み得る。
(1.2)構成
本実施形態の遮断装置1について、図1〜図6を参照して、より詳細に説明する。
上述のように、遮断装置1は、第1電路部21、第2電路部22及び第3電路部(分離部)を含む導電部材2と、導電部4と、絶縁部5と、駆動機構7と、動作ピン8と、を備えている。本実施形態では、導電部4及び絶縁部5は動作ピン8の一部である。また、遮断装置1は、図1に示すように筐体9を備えている。
遮断装置1は、例えば、電動車両等に備えられる。遮断装置1は、例えば、電動車両の電源とモータとを接続する電気回路に設けられ、電源からモータへの電流の供給の有無を切り替える。遮断装置1における駆動機構7の動作は、例えば、電動車両に設けられている制御部(ECU:Electronic Control Unit等)によって制御される。
以下では、説明の便宜上、動作ピン8の移動方向であって動作ピン8と導電部材2とが対向する方向(図3の上下方向)を上下方向と呼び、動作ピン8から見て導電部材2側を下側、導電部材2から見て動作ピン8側を上側と呼ぶ。また、導電部材2の長手方向であって第1電路部21と第2電路部22とが並ぶ方向(図3の左右方向)を左右方向と呼ぶ。また、上下方向及び左右方向の両方と直交する方向(図3の紙面に垂直な方向)を前後方向と呼ぶ。なお、これらの方向は、遮断装置1の構造を説明するための便宜的なものであり、遮断装置1を使用する場合の遮断装置1の向き等を規定するものではない。
導電部材2は、上下方向に厚さを有する板状である。導電部材2は、例えば、銅により形成されている。上述のように、導電部材2は、第1電路部21と、第2電路部22と、第3電路部23と、を備えている。第1電路部21と第2電路部22とは、第3電路部23を介してつながっており、互いに電気的に接続されている。第3電路部23は、第1電路部21と第2電路部22との間に設けられている。第1電路部21、第2電路部22及び第3電路部23は、一体に形成されている。導電部材2の長手方向において、第1電路部21と、第3電路部23と、第2電路部22とが、この順に並んでいる。
図6に示すように、第1電路部21は、矩形板状の部分と、矩形板状の部分の側面から突出する突出部分とを有する。突出部分の突出端面は、凹面状である。第2電路部22は、矩形板状の部分と、矩形板状の部分の側面から突出する突出部分とを有する。突出部分の突出端面は、凹面状である。
図1に示すように、第1電路部21は、第1端子211を有している。第2電路部22は、第2端子221を有している。第1端子211及び第2端子221は、電動車両の電源とモータとを接続する電気回路の両端に電気的に接続される。第1端子211及び第2端子221の各々は例えば貫通孔を有している。第1端子211及び第2端子221の各々は、貫通孔にねじを通し、このねじを電気回路の端子に結合することで、電気回路に対して電気的に接続され得る。
図6に示すように、第3電路部23は、第1電路部21及び第2電路部22よりも幅(前後方向の寸法)が狭い板状である。すなわち、導電部材2は、上面視略H字状である。
導電部材2は、第1電路部21と第3電路部23との間、及び第2電路部22と第3電路部23との間に、溝24を有している。溝24は、導電部材2の第1の面F1(図3参照)及び第1の面F1とは反対側の第2の面F2(図3参照)とのうち、第1の面F1に形成されている。第1の面F1は、動作ピン8と対向する面であり、第2の面F2は、緩和空間S2と対向する面である。各溝24の深さ方向は、導電部材2の厚さ方向に沿っている。2つの溝24の各々は、部分円筒状である。2つの溝24は、同心状に形成されている。2つの溝24は、外側(中心から遠い側)の径が互いに等しく、内側(中心に近い側)の径も互いに等しい。
2つの溝24が、第1電路部21と第3電路部23との境界部分240、及び第2電路部22と第3電路部23との境界部分240を規定する。境界部分240の破断強度は、第1電路部21及び第2電路部22の破断強度以下である。また、境界部分240の破断強度は、第3電路部23の破断強度以下である。
筐体9は、例えば、樹脂により形成されている。筐体9は、その内部に空間(内部空間)を有している。図1〜図3に示すように、筐体9は、第1収容部91と、第2収容部97と、を有している。第1収容部91は、その内部に、移動前の動作ピン8の一部を収容する収容空間S1を有する。第2収容部97は、その内部に空間(緩和空間S2)を有する。
第1収容部91は、第1ボディ92と、第1カバー93と、キャップ94と、を備えている。
第1ボディ92は、矩形板状のプレート部921と、筒状部922と、を有している。プレート部921は、その中央に、断面円形状の貫通孔920を有している。筒状部922は、プレート部921の一面(上面)に設けられている。筒状部922の外径は、プレート部921に収まる大きさである。筒状部922の外面は、円筒面状である。筒状部922の内面は、一端(下端)が貫通孔920に繋がっており、プレート部921から離れて上方に向かうにつれて徐々に径が大きくなる円錐台面状である。
第1カバー93は、下面が開口した矩形の箱状である。第1カバー93は、第1ボディ92を上側から覆う。第1カバー93は、その中央に、断面円形状であって上下方向に延びる貫通孔930を有している。第1カバー93は、その下面に凹所931を有している。凹所931は、円筒面状の内面を有する第1凹所932と、第1凹所932の底面(上面)から上方にお椀状に凹んだ第2凹所933と、を有している。第1凹所932は、筒状部922が嵌まる形状である。また、凹所931は、第1カバー93の下面における第1凹所932の周囲に、第1凹所932とつながったリング状の第3凹所934を有している。
第1カバー93が第1ボディ92に被せられた状態で、第1ボディ92の筒状部922の内面と第1カバー93の第2凹所933の内面とで囲まれるように、収容空間S1が形成される。第1カバー93の第3凹所934には、第1ボディ92のプレート部921の上面との間に挟まれるように、オーリング61が配置される。これにより、第1ボディ92と第1カバー93との間の隙間が密閉され、収容空間S1の気密性を確保できる。
キャップ94は、第1カバー93の上面に被せられる。キャップ94は、台部95と覆い部96とを備えている。台部95と覆い部96とは、一体でもよいし別体でもよい。
台部95は、直方体状の部分と、その上にのせられた円柱状の部分と、を含む形状を有している。台部95の中央には、貫通孔950が上下に貫通している。貫通孔950は、台部95の下面の中央に上方に凹むように形成された円柱状の凹所951と、台部95の上面に形成された収容凹所952と、を含んでいる。凹所951の底面(上面)と収容凹所952の底面(下面)とは、つながっている。凹所951の断面形状(上下方向と直交する面内における形状)は、第1カバー93の貫通孔930の断面形状と、同じである。
台部95が第1カバー93に取り付けられた状態で、台部95の凹所951と第1カバー93の貫通孔930とはつながっている。つまり、キャップ94の凹所951は、第1カバー93の貫通孔930、収容空間S1、及び第1ボディ92の貫通孔920とつながっている。
また、台部95の下面には、リング状の凹所953が設けられており、凹所953にはオーリング62が配置される。
キャップ94の台部95の凹所951、第1カバー93の貫通孔930、収容空間S1、及び第1ボディ92の貫通孔920から構成される空間に、動作ピン8が配置される。また、キャップ94の収容凹所952内の空間に、ガス発生器70が配置される。
覆い部96は、下面が開口した有底円筒状である。覆い部96の上壁の中央には、ガス発生器70の上面を露出するための貫通孔が形成されている。覆い部96は、台部95の上面を覆うように台部95に被せられる。
第2収容部97は、第2ボディ98と、第2カバー99と、を備えている。
第2ボディ98は、矩形の箱状である。第2ボディ98は、その上面(動作ピン8に近い側の面)に凹所981を有している。凹所981は、円筒状の内面を有する第1凹所982と、第1凹所982の底面(下面)から下方に凹んだ第2凹所983と、を有している。第2凹所983は、第1凹所982の内径よりも小さな内径を有する円筒状の内側面を有しており、その内底面と内側面との間の境界部分が湾曲している。また、凹所981は、第2ボディ98の上面における第1凹所982の周囲に、第1凹所982とつながったリング状の第3凹所984を有している。
第2カバー99は、第2ボディ98を上側から覆う。第2カバー99は、第1ボディ92と上下対称な形状を有している。第2カバー99は、矩形板状のプレート部991と、円筒面状の外面を有する筒状部992と、を有している。プレート部991は、その中央に、断面円形状の貫通孔990を有している。筒状部992は、プレート部991の一面(下面)に設けられている。筒状部992の外径は、プレート部991に収まる大きさである。また、筒状部992の外形は、第1凹所982に嵌まる形状である。筒状部992の内面は、一端が貫通孔990に繋がっており、プレート部991から離れて下方に向かうにつれて徐々に径が大きくなる円錐台面状である。
第2カバー99が第2ボディ98に被せられた状態で、第2ボディ98の第2凹所983と第2カバー99の筒状部993の内面とで囲まれるように、緩和空間S2が形成される。第2ボディ98の第3凹所984には、第2カバー99のプレート部991の上面との間に挟まれるように、オーリング63が配置される。これにより、第2ボディ98と第2カバー99と間の隙間が密閉され、緩和空間S2の気密性を確保できる。
第1ボディ92と第2カバー99との間に、導電部材2が配置されている。より詳細には、第1ボディ92の下面に凹所が形成されており、導電部材2はこの凹所に嵌められている。導電部材2において、第3電路部23及び境界部分240は筐体9の内部に収容されている。導電部材2は、第3電路部23が動作ピン8の下面と対向するように配置されている。また、導電部材2において、第1電路部21の第1端子211及び第2電路部22の第2端子221は、筐体9の外部へ露出している。
駆動機構7は、ガス発生器70を備えている。駆動機構7は、ガス発生器70で発生したガスの圧力に連動して、動作ピン8を移動させる。ガス発生器70は、筐体9の収容凹所952に配置される。図1に示すように、ガス発生器70は、燃料74と、ケース71と、通電用の2つのピン電極72と、発熱素子73と、を備えている。
ケース71は、中空の円柱状である。遮断装置1は、ケース71の外周面と収容凹所952の内面との間に介在するオーリング64を更に備えている。ケース71は、内部空間を構成する下側の壁に、例えば十字溝が形成されており、この溝が形成された部分が他の部分よりも破断しやすくなっている。燃料74は、ケース71の内部空間に収容されている。燃料74は、温度が上昇すると燃焼してガスを発生させる。燃料74は、例えば、ニトロセルロース、アジ化鉛、黒色火薬、グリシジルアジドポリマ等の火薬である。
2つのピン電極72は、ケース71に保持されている。2つのピン電極72の各々の第1端は、筐体9の外部に露出している。2つのピン電極72の各々の第2端は、発熱素子73に接続されている。つまり、発熱素子73は、2つのピン電極72の間に接続されている。発熱素子73は、ケース71内において燃料74が収容された内部空間に配置されている。発熱素子73は、通電されることにより熱を発生する。発熱素子73は、例えばニクロム線、鉄とクロムとアルミの合金線である。
ガス発生器70は、燃料74を燃焼させることによりガスを発生させる。より詳細には、ガス発生器70は、2つのピン電極72の間が通電されると発熱素子73が発熱して、発熱素子73の周りの燃料74の温度を上昇させる。これにより燃料74が燃焼して、ガスが発生する。
図3に示すように、動作ピン8は、ガス発生器70と第3電路部23との間に配置されている。動作ピン8は、導電部4と、絶縁部5と、を備えている。ここでは、動作ピン8の主体が絶縁部5によって構成されており、導電部4は動作ピン8を構成する部材(絶縁部5)に固定されている。
絶縁部5は、電気絶縁性を有している。絶縁部5は、例えば、材料として樹脂を含む。
絶縁部5(動作ピン8を構成する部材)は、上下に長い円柱状である。絶縁部5の径は、貫通孔920の径及び貫通孔930の径と略等しい。絶縁部5の径は、溝24の外側の径よりも小さく、溝24の内側の径よりも大きい。ただし、絶縁部5の径は、溝24の外側の径と略等しくてもよい。絶縁部5は、高さ方向の第1面(上面)がガス発生器70に対向し、第2面(下面)が導電部材2に対向するように、筐体9内に配置されている。詳しくは、絶縁部5は、第1端(上端)が凹所951及び貫通孔930内に位置し、第2端(下端)が貫通孔920内に位置するように、筐体9内に配置されている。
絶縁部5(動作ピン8を構成する部材)の上端の外縁には、絶縁部5の周方向に沿った円環形の溝51が形成されている。遮断装置1は、溝51に嵌め込まれているオーリング65を更に備えている。オーリング65の外縁は、凹所951の内面に接している。溝51の内面及び凹所951の内面と、オーリング65との間の摩擦力により、動作ピン8が凹所951の内側において筐体9に保持されている。筐体9内には、絶縁部5の第1面(上面)、ガス発生器70の下面、及び貫通孔950の内面に囲まれるように、気密な空間(加圧室75)が形成されている。図6に示すように、絶縁部5の下端には、導電部4に対応する形状を有して導電部4が嵌め込まれる嵌合凹所52が形成されている。
導電部4は、金属製である。導電部4の材料は、例えば、ステンレス、タングステン、ニクロム合金、鉄とクロムとアルミニウムとの合金等である。導電部4の材料となる金属は、導電部4の電気抵抗値、耐熱性、熱容量、伝熱性等を考慮して選定される。また、導電部4の形状は、導電部4の電気抵抗、耐熱性、熱容量、伝熱性等を考慮して選定される。
導電部4の材料及び形状は、導電部4の電気抵抗が第3電路部23の電気抵抗以上となるように選定される。導電部4の材料及び形状は、導電部4の電気抵抗が第3電路部23の電気抵抗よりも大きくなるように選定されることが望ましい。導電部4の電気抵抗とは、導電部4が第1電路部21と第2電路部22との間に位置している場合において、導電部4における第1電路部21と対向する部分と第2電路部22と対向する部分との間の電気抵抗である。第3電路部23の電気抵抗とは、第3電路部23が第1電路部21及び第2電路部22との間に接続されている場合において、第3電路部23における第1電路部21との接続部分と第2電路部22との接続部分との間の電気抵抗である。
また、導電部4の材料及び形状は、導電部4の耐熱性が高くなり、熱容量が大きくなり、伝熱性が高くなるように選定されることが好ましい。導電部4の材料及び形状は、例えば、遮断装置1の動作時に導電部4が溶断しないように選定される。
図6に示すように、導電部4は、第1部分41と、第2部分42と、第3部分43と、を備えている。導電部4は、上面視略H字状の形状を有している。
第1部分41は、絶縁部5(動作ピン8を構成する部材)の中心と同じ中心を有する部分円筒状である。第1部分41の外径は、絶縁部5の外径と略等しい。第1部分41の外径は、溝24の外側の径よりも小さく、内側の径よりも大きい。第1部分41の内径は、溝24の内側の径よりも小さい。第1部分41は、所定の高さ(上下方向の寸法)を有している。第1部分41の高さは、導電部材2の厚さ(上下方向の寸法)よりも大きい。第1部分41の高さは、第1ボディ92のプレート部921の厚さ(上下方向の寸法)よりも大きく、第1ボディ92の高さ(上下方向の寸法)よりも小さい。特に限定されないが、第1部分41の上下方向の寸法は、例えば10mm程度である。
第2部分42は、第1部分41と同一の寸法及び形状を有しており、絶縁部5の中心に対して、第1部分41と点対称な位置にある。第1部分41は、導電部材2の一方(右側)の溝24と対向する。第2部分42は、導電部材2の他方(左側)の溝24と対向する。
第3部分43は、第1部分41と第2部分42とを電気的に接続する。第3部分43は、第1部分41及び第2部分42よりも電気抵抗が大きい。第3部分43は、第1部分41と第2部分42とをつなぐ矩形の棒状である。ただし、第3部分43は、第1部分41との接続部位が第1部分41に向かって徐々に幅が広くなり、第2部分42との接続部位が第2部分42に向かって徐々に幅が広くなっている。第3部分43の上下方向の寸法は、第1部分41の上下方向の寸法及び第2部分42の上下方向の寸法よりも小さい。また、第3部分43の前後方向の寸法は、第1部分41の前後方向の寸法及び第2部分42の前後方向の寸法よりも小さい。つまり、第3部分43における左右方向と直交する断面の面積は、第1部分41及び第2部分42のそれよりも小さい。第3部分43は、単位長さ当りの電気抵抗が、第1部分41及び第2部分よりも大きい。
導電部4は、絶縁部5の下端に設けられている嵌合凹所52に嵌め込まれることで、絶縁部5(動作ピン8を構成する部材)に結合されている。図3に示すように、動作ピン8は、その外周縁が導電部材2の溝24(境界部分240)と対向するように、筐体9内に配置されている。動作ピン8は、ここでは、導電部4が導電部材2と接触するように筐体9内に配置されている。
(1.3)動作
次に、遮断装置1の動作について、図3〜図5を参照して説明する。
ガス発生器70のピン電極72が通電されず駆動機構7が駆動されていない場合、図3に示すように、第1電路部21と第2電路部22とは、第3電路部23を介して電気的に接続されている。そのため、導電部材2は導線として機能し、第1電路部21、第2電路部22及び第3電路部23には、第1端子211及び第2端子221に電気的に接続されている電気回路から供給される電流が流れる。
電動車両の制御部等が、2つのピン電極72間に通電すると、駆動機構7が駆動されて、ピン電極72に接続されている発熱素子73が発熱する。この発熱素子73で発生した熱によって燃料74が点火され、燃料74が燃焼してガスを発生する。ガスは、ケース71において燃料74を収容する空間の圧力を上昇させて、この空間を構成する壁(下壁)を破断し、この破断した部分を通して加圧室75に導入されて加圧室75内の圧力を上昇させる。加圧室75内のガスの圧力により、動作ピン8には、第3電路部23を押す向き(下向き)の力が作用する。
動作ピン8は、オーリング65の摩擦力に抗して駆動され、動作ピン8の下面が第3電路部23を押す。第3電路部23が動作ピン8に押されることにより、図4に示すように、導電部材2は、第1電路部21と第3電路部23との境界部分240の溝24、及び第2電路部22と第3電路部23との境界部分240の溝24において破断される。これにより、第3電路部(分離部)23が第1電路部21及び第2電路部22から切り離され、第1電路部21と第2電路部22とが開離される。第1電路部21及び第2電路部22から切り離された第3電路部23は、動作ピン8に押されて下方の緩和空間S2に入る。
ここで、動作ピン8は、その下端(進行方向の先端)に導電部4を有している。そのため、動作ピン8が移動することで、第1電路部21と第2電路部22とが開離された後、開離された第1電路部21と第2電路部22との間に導電部4が入り込む。そして、導電部4の第1部分41が開離した第1電路部21と接触(対向)し、第2部分42が開離した第2電路部22と接触(対向)する。そのため、第3電路部23を流れていた電流は、導電部4を流れることとなる。
既に述べたように、本実施形態の遮断装置1では、導電部4の電気抵抗は、第3電路部23の電気抵抗より大きい。そのため、第1端子211と第2端子221との間の電気抵抗は、第1電路部21と第2電路部22とが導電部4を介して導通する場合(図4参照)の方が、第1電路部21と第2電路部22とが第3電路部(分離部)23を介して導通する場合(図3参照)よりも大きい。言い換えれば、第1端子211と第2端子221との間の電気抵抗は、第1電路部21と第2電路部22とが導電部4を介して導通する場合(図4参照)の方が、第1電路部21と第2電路部22とが動作ピン8の移動により開離される前(図3参照)よりも大きい。これにより、第1電路部21と第2電路部22との間に流れる電流は、第1電路部21と第2電路部22とが導電部4を介して接続されているとき(図4参照)の方が、第3電路部(分離部)23を介して接続されているとき(図3参照)よりも小さくなる。つまり、第1端子211と第2端子221との間に流れる電流は、第1電路部21と第2電路部22とが導電部4を介して導通する場合(図4参照)の方が、第1電路部21と第2電路部22とが動作ピン8の移動により開離される前(図3参照)よりも小さくなる。
そして、動作ピン8が進んだ距離が所定距離(第3電路部23の厚さと第1部分41の高さとの合計に相当する距離)を超えると、導電部4の第1部分41が第1電路部21から離れる。また、動作ピン8が進んだ距離が所定距離(第3電路部23の厚さと第2部分42の高さとの合計に相当する距離)を超えると、導電部4の第2部分42が第2電路部22から離れる。そして、動作ピン8の絶縁部5が、開離した第1電路部21と第2電路部22との間に移動する。これにより、第1電路部21と第2電路部22との間が、絶縁部5によって絶縁される(図5参照)。緩和空間S2の深さ(上下方向の寸法)は、移動後の動作ピン8の絶縁部5が、開離した第1電路部21と第2電路部22との間に留まるように設定されている。
本実施形態の遮断装置1では、第1電路部21と第2電路部22とは、一旦導電部4を介して導通された後に、絶縁される。すなわち、第1電路部21と第2電路部22との間に流れる電流は、導電部4を通って流れることによってその大きさが小さくなった後に、絶縁部5によって遮断される。これにより、導電部4が無い場合に比べて、遮断される時点での電流の大きさが小さくなる。その結果、本実施形態の遮断装置1によれば、第1電路部21と第2電路部22とを絶縁する時に発生するアークを抑制することが可能となる。また、アークの発生が抑制されることにより、発生するアークのエネルギーを小さくすることができる。そのため、アークのエネルギーを内部に閉じ込めるための緩和空間S2の容積を小さくすることが可能となる。また、アークのエネルギーを内部に閉じ込めるための筐体9の壁の厚さを薄くすることが可能となる。その結果、遮断性能の向上と遮断装置1の小型化が可能となる。
なお、第3電路部23が第1電路部21及び第2電路部22から切り離されると、切り離された電路部間でアークが発生することがある。しかしながら、本実施形態の遮断装置1では、動作ピン8が移動することで、導電部4の第1部分41が、第3電路部23から切り離された第1電路部21の破断面と対向(近接)する。そのため、第1電路部21と第3電路部23との間に発生したアークは、第1電路部21と導電部4の第1部分41との間に移動する。また、動作ピン8が移動することで、導電部4の第2部分42が、第3電路部23から切り離された第2電路部22の破断面と対向(近接)する。そのため、第2電路部22と第3電路部23との間に発生したアークは、第2電路部22と導電部4の第2部分42との間に移動する。つまり、第1電路部21又は第2電路部22と第3電路部23との間に発生したアークは、第3電路部23が移動することで電路部間で引き延ばされるよりも、第1電路部21又は第2電路部22と導電部4との間へと移動することとなる。そして、上述のように導電部4を通ることでそのエネルギーが小さくなってから、絶縁部5によって遮断される。これにより、本実施形態の遮断装置1は、第3電路部23が第1電路部21及び第2電路部22から切り離される時に発生するアークを抑制することが可能となる。
なお、発生したアークは、導電部4、第1電路部21、及び第2電路部22を溶融させ、これらの材料(銅)を気化させ、筐体9内の圧力を上昇させる可能性がある。本実施形態の遮断装置1では、筐体9が緩和空間S2を備えているため、圧力の上昇の程度を抑えることが可能である。
(2)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
(2.1)変形例1
本変形例の遮断装置1Aについて、図7を参照して説明する。本変形例の遮断装置1Aにおいて、基本例の遮断装置1と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図7に示すように、遮断装置1Aは、導電部4Aと絶縁部5Aとを備えている。ここでは、導電部4A及び絶縁部5Aは動作ピン8Aの一部である。動作ピン8Aの主体は絶縁部5Aによって構成されており、導電部4Aは動作ピン8Aを構成する部材(絶縁部5A)に固定されている。すなわち、動作ピン8Aは、導電部4Aと絶縁部5Aとを備えている。
導電部4Aは、第1部分41Aと、第2部分42Aと、第3部分43Aとを備えている。
第1部分41A及び第2部分42Aは、上下に長い棒状である。第1部分41Aは、開離した第1電路部21に対向する。第2部分42Aは、開離した第2電路部22に対向する。第3部分43Aは、左右に長い棒状である。第3部分43Aは、第1部分41Aと第2部分42Aとを電気的に接続する。第1部分41A〜第3部分43Aの前後方向の寸法(幅)は、互いに等しい。導電部4Aは、第1部分41A〜第3部分43Aによって、正面視U字状(角括弧状)に形成されている。
絶縁部5A(動作ピン8Aを構成する部材)は、導電部4Aに対応する形状を有して導電部4Aが嵌め込まれる嵌合凹所52Aを有している。
本変形例の遮断装置1Aでも、遮断装置1と同様、導電部4Aと絶縁部5Aとを備えていることにより、アークの発生を抑制することが可能となる。また、例えば、線材を折り曲げることで導電部4Aを製造することができ、製造手順を簡略化することが可能となる。
(2.2)変形例2
本変形例の遮断装置1Bについて、図8、図9を参照して説明する。変形例の遮断装置1Bにおいて、基本例の遮断装置1と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図8に示すように、筐体9Bは、第1ボディ92Bと、第1カバー93Bと、キャップ94Bと、第2ボディ98Bと、第2カバー99Bと、を備えている。筐体9Bは、その内部に空間(内部空間)を有している。
第1ボディ92Bは、断面円形状の貫通孔920Bと、上面が開口し円筒面状の内周面を有する凹所921Bと、を有する箱状である。第1カバー93Bは、円筒状であって、下面が開口した円筒面状の内周面を有する凹所930Bを有している。第1カバー93Bは、その上端に、駆動機構7のガス発生器70を収容するための円筒状の収容壁932Bを備えている。第1カバー93Bは、その外周面が第1ボディ92Bの凹所921Bの内周面と対向するように、第1ボディ92Bに嵌め込まれる。第1カバー93Bの凹所930Bの内部空間、及び第1ボディ92Bの貫通孔920B内に、動作ピン8Bが配置される。
キャップ94Bは、第1ボディ92Bの上面と第1カバー93Bの上面とを覆うように、第1ボディ92B及び第1カバー93Bに取り付けられる。第1ボディ92Bとキャップ94Bとの間に、オーリング62Bが配置される。
第2カバー99Bは、板状のプレート部と、プレート部の下面から突出する円筒状の筒状部とを有する。プレート部には、円形の貫通孔990Bが形成されている。筒状部の内周面は、下方に向かうほど径が大きくなる円錐台面状である。
第2ボディ98Bは、内部空間を有する。第2ボディ98Bの内部空間は、筐体9内の圧力上昇を緩和する緩和空間S2を規定する。第2ボディ98Bの内部空間は、第2カバー99Bの内部空間に繋がる円柱状の部分と、お椀状の部分とを含む。第2ボディ98Bの内部空間内には、底面から突出する台部が設けられている。台部は、駆動機構7によって下方に移動する動作ピン8B(実際には、第3電路部23)がぶつかることによって、動作ピン8Bのそれ以上の移動を阻止するための部材である。台部の高さは、移動後の動作ピン8Bの絶縁部5Bが、開離した第1電路部21Bと第2電路部22Bとの間に留まる寸法に、設定されている。第2ボディ98Bと第2カバー99Bとの間には、オーリング63Bが配置されている。
第1ボディ92Bと第2カバー99Bとに挟まれるように、導電部材2Bが配置されている。図9に示すように、導電部材2Bは、それぞれ板状の第1電路部21B及び第2電路部22Bと、第1電路部21Bと第2電路部22Bとをつなぐ第3電路部(分離部)23Bと、を有する。第3電路部23Bの幅は、第1電路部21Bの幅及び第2電路部22Bの幅よりも小さい。第1電路部21Bと第3電路部23Bとの間、及び第2電路部22Bと第3電路部23Bとの間には、部分円筒状の溝24Bが形成されている。
ガス発生器70は、第1カバー93Bの収容壁932Bで囲まれた空間内に配置される。ガス発生器70と第1カバー93Bとの間に、オーリング64Bが配置される。
遮断装置1Bは、導電部4Bと絶縁部5Bを備えている。ここでは、導電部4B及び絶縁部5Bは動作ピン8Bの一部である。動作ピン8Bの主体は絶縁部5Bによって構成されており、導電部4Bは動作ピン8Bを構成する部材(絶縁部5B)に固定されている。すなわち、動作ピン8Bは、図9に示すように、導電部4Bと絶縁部5Bとを備えている。
導電部4Bは、第1部分41B、第2部分42B、及び第3部分43Bを備えている。第1部分41Bは、開離した第1電路部21Bに対向する。第2部分42Bは、開離した第2電路部22Bに対向する。第3部分43Bは、第1部分41Bと第2部分42Bとを電気的に接続する。
第1部分41B及び第2部分42Bは、上下に長い棒状である。第3部分43Bは、長尺の線材を複数回反対方向に交互に折り曲げた形状を有しており、複数の屈曲部を有している。すなわち、第3部分43Bは、第3部分43Bの両端を結ぶ直線距離よりも長い電流経路を有している。これにより、第3部分43Bが直線状の場合(図6、図7等参照)と比べて、第3部分43Bの電気抵抗が大きくなる。また、第3部分43Bの屈曲部間の長さを適宜設定することで、第3部分43Bの電気抵抗を適宜決めることが可能となる。また、第3部分43Bが複数の屈曲部を有していることにより、動作ピン8Bに大きな電気抵抗の第3部分43Bを収めることができる。これにより、遮断性能の向上と遮断装置1Bの小型化が可能となる。
絶縁部5B(動作ピン8Bを構成する部材)は、円柱状である。絶縁部5Bの上端の外縁には、絶縁部5Bの周方向に沿った円環形の溝51Bが形成されている。溝51Bには、オーリング65Bが嵌め込まれる。また、絶縁部5Bの下端には、嵌合凹所52Bが形成されている。嵌合凹所52Bには、導電部4Bが嵌め込まれる。
図8に示すように、動作ピン8Bは、導電部4Bが導電部材2Bの第3電路部23Bと対向するように、筐体9B内に配置される。
本変形例の遮断装置1Bでも、遮断装置1と同様、導電部4Bと絶縁部5Bとを備えていることにより、第1電路部21Bと第2電路部22Bとを開離させる際のアークの発生を抑制することが可能となる。その結果、遮断装置1Bは、遮断性能の向上と遮断装置1Bの小型化が可能となる。また、導電部4Bを、線材の折り曲げまたは金属板の打ち抜きなどにより製造することができ、製造手順を簡略化することが可能となる。また、導電部4Bの折り曲げの回数や全長を適宜設定することができ、設計自由度が高くなる。
(2.3)変形例3
本変形例の遮断装置1Cについて、図10を参照して説明する。本変形例の遮断装置1Cにおいて、変形例2の遮断装置1Bと同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
遮断装置1Cは、導電部4Cと絶縁部5Cを備えている。絶縁部5Cは、動作ピン8Cの一部である。動作ピン8Cの主体は絶縁部5Cによって構成されている。また、遮断装置1Cは、導電部4Cを保持する保持キャップ(保持部)80Cを備えている。ここでは、導電部4C及び保持キャップ80Cは、動作ピン8Cの一部である。すなわち、図10に示すように、動作ピン8Cは、導電部4Cと絶縁部5Cとを備えている。ただし、保持キャップ80C及び導電部4Cは、動作ピン8Cとは別部材とみなしてもよい。
導電部4Cは、第1部分41Cと、第2部分42Cと、第3部分43Cとを備えている。
第1部分41C及び第2部分42Cは、上下に長い円柱状である。第1部分41Cは、開離した第1電路部21Bに対向する。第2部分42Cは、開離した第2電路部22Bに対向する。
第3部分43Cは、第1部分41Cと第2部分42Cとを電気的に接続する。第3部分43Cは、螺旋状の部分を有している。より詳細には、第3部分43Cは、第1部分41Cの下端につながる直線状部と、直線状部の端から螺旋状に延びる螺旋状部と、螺旋状部の上端から延びて第2部分42Cの下端につながるL字状部と、を有する。すなわち、第3部分43Cは、第3部分43Cの両端を結ぶ直線距離よりも長い電流経路を有している。
絶縁部5C(動作ピン8Cを構成する部材)は、導電部4Cに対応する形状を有して導電部4Cが嵌め込まれる嵌合凹所52Cを有している。嵌合凹所52Cは、導電部4Cの第3部分43Cを収容する円柱状の内部空間を有する凹所と、この凹所の開口端から左右に延びて第1部分41C及び第2部分42Cを収容する溝と、を有する。絶縁部5Cの内部空間に、導電部4Cが収容される。
保持キャップ(保持部)80Cは、導電部4Cを保持する。保持キャップ80Cは、電気絶縁性である。保持キャップ80Cは、絶縁部5Cの内部空間に収容されて導電部4Cを絶縁部5C内に配置させる。
本変形例の遮断装置1Cでも、遮断装置1Bと同様、導電部4Cと絶縁部5Cとを備えていることにより、アークの発生の抑制が可能となる。その結果、遮断装置1Cは、遮断性能の向上と遮断装置1Cの小型化が可能となる。また、例えば、線材を曲げることで導電部4Cを形成することができ、製造手順を簡略化することが可能となる。
(2.4)変形例4
本変形例の遮断装置1Dについて、図11〜図14を参照して説明する。本変形例の遮断装置1Dにおいて、基本例の遮断装置1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、遮断装置1Dの要部の上方から見た断面図である。図12は、遮断装置1Dの要部の側方から見た断面図であって、動作ピン8Dの動作前の状態を示す。図13は、動作ピン8Dの斜視図である。図14は、遮断装置1Dの要部の側方から見た断面図であって、動作ピン8Dの動作後の状態を示す。図11、図12、図14には、上下、左右、前後を表す矢印を図示しているが、この矢印は説明のために図示したものであり、遮断装置1Dの使用方向を限定する趣旨ではない。
本変形例の遮断装置1Dは、筐体9D、ガス発生器70Dを含む駆動機構7D、導電部4D、絶縁部5D、動作ピン8D、第1電路部21Dとしての第1固定端子210D、第2電路部22Dとしての第2固定端子220D、第3電路部(分離部)23Dとしての可動接触子230D、及び接圧ばね14Dを備えている。本変形例では、導電部4D及び絶縁部5Dは動作ピン8Dの一部である。
図11に示すように、第1固定端子210D及び第2固定端子220Dの各々は、左右方向に長い矩形の板状に形成されている。第1固定端子210D及び第2固定端子220Dの各々は、例えば銅等の導電性材料により形成されている。第1固定端子210Dと第2固定端子220Dとは、左右方向に並ぶように配置されている。第1固定端子210Dは、その先端部(右端部)の前面に、第1固定接点11Dを有している。第2固定端子220Dは、その先端部(左端部)の前面に、第2固定接点13Dを有している。
可動接触子230Dは、銅等の導電性材料により形成されている。可動接触子230Dは、左右方向に長い板状に形成されている。可動接触子230Dは、長手方向の第1端(左端)の後面に第1可動接点121Dを有し、第2端(右端)の後面に第2可動接点122Dを有している。第1可動接点121Dが第1固定接点11Dと対向し、かつ第2可動接点122Dが第2固定接点13Dと対向するように、第1固定端子210D、第2固定端子220D及び可動接触子230Dが配置されている。
第1固定端子210D及び第2固定端子220Dは、遮断装置1Dの外部の電気回路に電気的に接続される。
接圧ばね14Dは、例えば、圧縮コイルばねである。接圧ばね14Dは、可動接触子230Dが、第1固定端子210D及び第2固定端子220Dに向かうように、可動接触子230Dにばね力を加えている。つまり、接圧ばね14Dは、第1可動接点121Dが第1固定接点11Dと接続され、第2可動接点122Dが第2固定接点13Dと接続される向きに、可動接触子230Dにばね力を加えている。
図12に示すように、ガス発生器70Dは、ケース76Dに収容されている。ケース76Dは、可動接触子230Dの上方に配置されている。ケース76Dは、円筒状に形成されている。ケース76Dの上面には、ガス発生器70Dの2つのピン電極72を露出させるための開口が形成されている。ケース76Dの下面には、ガス発生器70Dで発生したガスを放出するための孔761Dが形成されている。ケース76Dの内部においてガス発生器70Dの下方には、空間(加圧室75D)が形成されている。
動作ピン8Dは、上下方向において、ケース76D(ガス発生器70D)と可動接触子230Dとの間に配置されている。動作ピン8Dは、導電部4Dと絶縁部5Dとを有している。絶縁部5Dは、左右方向に長さを有し上下方向に厚さを有する矩形板状の部分と、いわゆる楔型の部分(断面形状が長方形の下側に直角三角形がつながった台形状の部分)と、を有している。動作ピン8Dの下端は、前後方向において、可動接触子230Dと第1固定端子210D(第2固定端子220D)との間に位置している。
図13に示すように、導電部4Dは、絶縁部5Dの下端において絶縁部5Dの前面及び後面に跨がるように、断面V字状に設けられている。導電部4Dは、絶縁部5Dの下端において、左端付近と右端付近とに設けられている。つまり、導電部4Dは、動作ピン8Dが移動した場合に、第1固定接点11Dと第1可動接点121Dとの間、及び第2固定接点13Dと第2可動接点122Dとの間に差し込まれる位置に設けられている。
筐体9Dは、内部空間を有する矩形箱状に形成されている。筐体9Dの内部空間に、第1固定接点11D、第2固定接点13D、可動接触子230D、接圧ばね14D、ケース76D、及び動作ピン8Dが収容されている。
本変形例では、ガス発生器70Dでガスが発生すると、加圧室75D内の圧力が上昇し、この上昇した圧力によって動作ピン8Dが下方に押される。動作ピン8Dが下方に移動するにつれて、動作ピン8Dの下端が第1可動接点121Dと第1固定接点11Dとの間(及び第2可動接点122Dと第2固定接点13Dとの間)に入り込み、可動接触子230Dを前方(図12の左向き)に押す。これにより、第1固定端子210D(第1電路部21D)及び第2固定端子220D(第2電路部22D)から可動接触子230D(分離部23D)が分離する。要するに、ここでの動作ピン8Dは、第1電路部21Dと第2電路部22Dのうちの少なくとも一方(ここでは両方)に対して、分離部23Dを相対的に移動させることにより、第1電路部21Dと第2電路部22Dとを開離させる。
そして、動作ピン8Dが移動することで、開離した第1固定端子210D(第1電路部21D)と第2固定端子220D(第2電路部22D)との間に、可動接触子230D(分離部23D)を介して導電部4Dが入り込み、第1電路部21Dと第2電路部22Dとを導通する。
また、動作ピン8Dが移動することで、導電部4Dが第1電路部21Dと第2電路部22Dとのうちの少なくとも一方から離れた後、第1電路部21Dと分離部23Dとの間及び第2電路部22Dと分離部23Dとの間に絶縁部5Dが入り込む。その結果、第1電路部21Dと第2電路部22Dとの間が絶縁部5Dにより絶縁される(図14参照)。
本変形例の遮断装置1Dでも、遮断装置1と同様、動作ピン8Dが導電部4Dと絶縁部5Dとを備えていることで、第1電路部21Dと第2電路部22Dとを開離させる際のアークの発生を抑制することが可能となる。
なお、遮断装置1Dは、ガス発生器70D及び動作ピン8Dの組を2組備えていてもよい。この場合、2組のうちの一方の組のガス発生器70D及び動作ピン8Dは、第1可動接点121Dを駆動する。他方の組のガス発生器70D及び動作ピン8Dは、第2可動接点122Dを駆動する。また、遮断装置1Dにおいて、固定接点と可動接点との組の数は、1組であってもよいし、3組以上であってもよい。
また、動作ピン8Dは、第1電路部21Dと第2電路部22Dとのうちの少なくとも一方に対して分離部23Dを相対的に移動させればよく、分離部23Dに変えて又は加えて、第1電路部21D及び/又は第2電路部22Dを移動させてもよい。
また、第1固定端子210Dと第1固定接点11Dとは、第1固定端子210Dとは別体の第1固定接点11Dが第1固定端子210Dに取り付けられて互いに結合されていてもよいし、第1固定接点11Dが第1固定端子210Dと一体の部材として構成されてもよい。同様に、可動接触子230Dと第1可動接点121Dとは、可動接触子230Dとは別体の第1可動接点121Dが可動接触子230Dに取り付けられて互いに結合されていてもよいし、第1可動接点121Dが可動接触子230Dと一体の部材として構成されてもよい。第2固定端子220Dと第2固定接点13Dとの関係、可動接触子230Dと第2可動接点122Dとの関係も同様である。
(2.5)変形例5
本変形例の遮断装置1Eについて、図15〜図18を参照して説明する。図16〜図18は、遮断装置1Eの要部を示す側面図である。本変形例の遮断装置1Eにおいて、基本例の遮断装置1と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図15に示すように、遮断装置1Eは、導電部4Eと絶縁部5Eとを備えている。ここでは、導電部4E及び絶縁部5Eは動作ピン8Eの一部である。動作ピン8Eの主体は絶縁部5Eによって構成されており、導電部4Eは動作ピン8Eを構成する部材(絶縁部5E)に固定されている。すなわち、本変形例の動作ピン8Eは、導電部4Eと絶縁部5Eとを有している。本変形例の絶縁部5Eは、変形例4の遮断装置1Dの動作ピン8Dと同様に、矩形板状の部分と楔型の部分とを有している。導電部4Eは、絶縁部5Eの下端において断面V字状に設けられている。
また、本変形例の遮断装置1Eは、板状の導電部材2Eを備えている。導電部材2Eは、第1電路部21Eと、第2電路部22Eと、第3電路部(分離部)23Eと、を備えている。図16に示すように、第1電路部21Eと第2電路部22Eとは、第3電路部23Eを介してつながっている。導電部材2Eの長手方向において、第1電路部21Eと、第3電路部23Eと、第2電路部22Eとが、図16における右から左に、この順に並んでいる。
導電部材2Eは、第1電路部21Eと第3電路部23Eとの間、及び第2電路部22Eと第3電路部23Eとの間に、溝24Eを有している。各溝24Eは、導電部材2Eの第1の面F1(図16参照)及び第1の面F1とは反対側の第2の面F2(図16参照)とのうち、第1の面F1に形成されている。第1の面F1は、動作ピン8Eと対向する面である。各溝24Eの深さ方向は、導電部材2Eの厚さ方向に沿っている。各溝24Eの長さ方向は、導電部材2Eの幅方向に沿っている。各溝24Eは、断面V字状である。以下、第1電路部21Eと第3電路部23Eとの間の溝24Eを溝241E、第2電路部22Eと第3電路部23Eとの間の溝24Eを溝242Eとも呼ぶ。
動作ピン8Eは、楔型の部分の先端が、導電部材2Eの一方の溝24E(241E)と対向し、矩形板状の部分がガス発生器70(図1参照)と対向するように、配置されている。
本変形例では、ガス発生器70でガスが発生すると、動作ピン8Eがガスの圧力によって押されて、導電部材2Eに向かって移動する。動作ピン8Eは、移動するにつれてその先端が溝241Eに差し込まれ、溝241Eにおいて導電部材2Eを破断する。これにより、第3電路部23Eが第1電路部21Eから切り離されて、第1電路部21Eと第2電路部22Eとが開離される。
ここで、動作ピン8Eの先端には導電部4Eが設けられているので、導電部材2Eが溝241Eにおいて破断された時、第1電路部21Eと第3電路部23Eとは、導電部4Eを介して導通する(図17参照)。すなわち、第1電路部21Eと第3電路部23Eとの間に導電部4Eが直列に接続されることとなり、電流は、第1電路部21Eから、導電部4Eを通って第3電路部23Eへと流れる。そのため、第1端子211Eと第2端子221Eとの間の電気抵抗は、動作ピン8Eが移動する前に比べて、少なくとも導電部4Eの電気抵抗の分だけ大きくなる。要するに、第1端子211Eと第2端子221Eとの間の電気抵抗は、第1電路部21Eと第2電路部22Eとが導電部4Eを介して導通する場合(図17参照)の方が、第1電路部21Eと第2電路部22Eとが動作ピン8Eの移動により開離される前(図16参照)よりも大きい。
動作ピン8Eは、移動するにつれて、第2電路部22Eと第3電路部23Eとの間の溝242E(動作ピン8Eが差し込まれていない方の溝24E)において、導電部材2Eを破断させる。そして、動作ピン8Eが進んだ距離が所定距離を超えると、導電部4Eが第1電路部21Eから離れ、絶縁部5Eが、開離した第1電路部21Eと第2電路部22Eとの間に移動する。これにより、第1電路部21Eと第2電路部22Eとの間が、絶縁部5Eによって絶縁される(図18参照)。
本変形例の遮断装置1Eも、遮断装置1と同様、導電部4Eと絶縁部5Eとを備えていることで、第1電路部21Eと第2電路部22Eとを開離させる際のアークの発生を抑制することが可能となる。
(2.6)変形例6
本変形例の遮断装置1Fについて、図19を参照して説明する。図19は、遮断装置1Fの要部を示す断面図である。
本変形例の遮断装置1Fは、本変形例の遮断装置1Fにおいて、基本例の遮断装置1と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図19に示すように、本変形例の遮断装置1Fの動作ピン8Fは、導電部4Fと、絶縁部5Fとに加えて、消弧部材30を有している。絶縁部5Fは、上下方向に長い円柱状であり、ここでは動作ピン8Fの主体を構成する。絶縁部5Fの上端はガス発生器70(図1参照)に対向している。
消弧部材30は、動作ピン8Fの少なくとも一部を構成する。より詳細には、消弧部材30は、動作ピン8Fの外周面の少なくとも一部を構成する。言い換えると、動作ピン8Fの外周面は、消弧部材30の外面を含む。
導電部4Fは、動作ピン8Fの先端(下端)に位置している。導電部4Fは、ここでは円板状である。動作ピン8Fがガス発生器70により駆動される前の時点において、導電部4Fは、導電部材2の第3電路部23に接する。
動作ピン8Fの先端側(下側)から順に、導電部4F、消弧部材30、絶縁部5Fの順に並んでいる。すなわち、消弧部材30は、導電部4Fと絶縁部5Fとの間に位置している。消弧部材30は、例えば、動作ピン8Fの主構成である樹脂成型部材に埋め込まれている。ここで、樹脂成型部材は、絶縁部5Fを含む。なお、消弧部材30は、動作ピン8Fの主構成である樹脂成型部材に貼り付けられていてもよい。
絶縁部5Fは、消弧部材30を基準として導電部4F側とは反対側に位置しており、消弧部材30よりも電気絶縁性が高い。
消弧部材30は、消弧作用を有する。消弧部材30は、例えば、珪砂にエポキシ樹脂と硬化剤とが混ぜられて、エポキシ樹脂が硬化することにより固形状又は半固形状に形成された部材である。すなわち、消弧部材30は、珪砂(シリカ)を含有する。消弧部材30において、珪砂が消弧作用を有する。
本変形例の遮断装置1Fにおいて、動作ピン8Fが下方へ移動すると、第3電路部(分離部)23が動作ピン8Fに押される。これにより、導電部材2は、第1電路部21と第3電路部23との間の溝24、及び第2電路部22と第3電路部23との間の溝24において破断される。そして、開離された第1電路部21と第2電路部22との間に、導電部4Fが入り込む。そのため、第3電路部23を流れていた電流は、導電部4Fを流れることとなる。
動作ピン8Fが更に下方へ移動し、導電部4Fが第1電路部21及び第2電路部22から離れると、第1電路部21と第3電路部23との間、及び第2電路部22と第3電路部23との間でアークが発生することがある。
このとき、消弧部材30は、開離した第1電路部21と第2電路部22との間に移動する。消弧部材30に含まれる珪砂にアークが直接接触又は接近することで、珪砂がアークの熱に晒される。すると、珪砂は、アークの熱を吸収して融解する。つまり、消弧部材30は、消弧部材30に接したアークを冷却する作用を有する。アークが冷却されることにより、アーク電圧が上昇し、アークの消弧が促進される。
また、珪砂は、融解してから再凝固することがある。再凝固することで生成された生成物は、シリカを含むため電気絶縁性を有し、アークがその生成物に接することで、アーク電圧が上昇する。また、その生成物により、アークが遮断された後において第1電路部21と第2電路部22との間の電気絶縁性を確保することができる。
動作ピン8Fが更に下方へ移動すると、絶縁部5Fが、開離した第1電路部21と第2電路部22との間に移動する。これにより、第1電路部21と第2電路部22との間が、絶縁部5Fによって絶縁される。
本変形例の遮断装置1Fでも、遮断装置1と同様、導電部4Fと絶縁部5Fとを備えていることで、第1電路部21と第2電路部22とを開離させる際のアークの発生を抑制することが可能となる。また、本変形例の遮断装置1Fでは、動作ピン8Fが消弧部材30を備えていることで、発生したアークの消弧を促進することができる。
消弧部材30は、珪砂を用いた構成に限定されない。消弧部材30として、例えば、SiC、SiO、アルミナ、PA6、PA46、PA66等のポリアミド(ナイロン)、又は、このポリアミドの樹脂に水酸化マグネシウム又はホウ酸マグネシウムを混合した材料を用いることができる。この場合、消弧部材30が、アークの熱及び導電部4Fで発生した熱により分解され、消弧ガスが生じる。消弧ガスは、消弧作用のあるガスであって、例えば、水素、水分、二酸化炭素及び窒素等のうち少なくとも1つを含有する。消弧ガスは、アーク電圧を上昇させ、アークの消弧を促す。
あるいは、消弧部材30として、水素貯蔵合金を用いてもよい。消弧部材30として用いられる水素貯蔵合金は、アーク及び導電部4Fにより熱せられると、消弧ガスとしての水素を生じる。消弧ガスは、アーク電圧を上昇させ、アークの消弧を促す。
あるいは、消弧部材30として、例えば、シリコン又は炭化ケイ素(SiC)を含む部材を用いてもよい。消弧部材30に含まれるシリコン又は炭化ケイ素は、アーク及び導電部4Fの熱を吸収して融解し、これによりアークが冷却されるので、アーク電圧が上昇し、アークの消弧が促進される。
また、消弧部材30は、セラミックを含有していてもよい。セラミックは、樹脂等の材料と比較して耐アーク性能が高いので、セラミックにより、消弧部材30の耐アーク性能の向上を図ることができる。
(2.7)変形例7
本変形例の遮断装置1Gについて、図20を参照して説明する。図20は、遮断装置1Gの要部を示す断面図である。本変形例の遮断装置1Gにおいて、基本例の遮断装置1と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図20に示すように、本変形例の遮断装置1Gの動作ピン8Gは、導電部4Gと絶縁部5Gとを有している。絶縁部5Gは、上下方向に長い円柱状である。絶縁部5Gの上端はガス発生器70(図1参照)に対向している。
導電部4Gは、動作ピン8Gの下端に位置している。導電部4Gは、ここでは円板状である。
本変形例の導電部4Gは、水素貯蔵合金を含んでいる。水素貯蔵合金は、アークにより熱せられると、消弧ガスとしての水素を生じる。消弧ガスは、アーク電圧を上昇させ、アークの消弧を促す。すなわち、動作ピン8Gは、消弧作用を有する消弧部材30を備えている。また、水素貯蔵合金は、導電性を有しているが、導電部材2の材料よりも抵抗率が大きい。導電部4Gの材料及び形状は、導電部4Gの電気抵抗が、導電部材2の第3電路部(分離部)23の電気抵抗よりも大きくなるように選定される。
本変形例の遮断装置1Gでも、遮断装置1と同様、導電部4Gと絶縁部5Gとを備えていることで、第1電路部21と第2電路部22とを開離させる際のアークの発生を抑制することが可能となる。また、本変形例の遮断装置1Gでは、導電部4Gが消弧部材30として機能するため、発生したアークの消弧を促進することができる。
(2.8)変形例8
本変形例の遮断装置1Hについて、図21を参照して説明する。図21は、遮断装置1Hの要部を示す断面図である。本変形例の遮断装置1Hにおいて、変形例7の遮断装置1Gと同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図21に示すように、本変形例の遮断装置1Hの動作ピン8Hは、複数の導電部4Hと絶縁部5Hとを有している。絶縁部5Hは、上下方向に長い円柱状である。絶縁部5Hの上端はガス発生器70(図1参照)に対向し、下端は導電部材2に対向している。
複数の導電部4Hの各々は、金属板からなる。より詳細には、複数の導電部4Hの各々は、例えば、鉄等の磁性材料からなる。複数の導電部4Hの各々の形状は、枠状である。複数の導電部4Gの各々の形状は、ここでは円環状である。複数の導電部4Hは、絶縁部5Hの外周面から突出している。複数の導電部4Hは、動作ピン8Hの移動方向に並んでいる。複数の導電部4Hの電気抵抗は、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
複数の導電部4Hは、アークグリッドとして機能する。動作ピン8Hに押されることにより、第3電路部(分離部)23が第1電路部21及び第2電路部22から開離すると、第1電路部21と第3電路部23との間、又は第2電路部22と第3電路部23との間でアークが発生することがある。発生したアークは、動作ピン8Hに押されて第3電路部23が下方へ移動するにつれて、第1電路部21と第3電路部23との間及び第2電路部22と第3電路部23との間において、導電部4H(金属板)を通過することになる。アークが導電部4Hを通過する際には、アークが導電部4Hの第1の面に吸収されて、導電部4Hの第1の面とは反対側の第2の面から放電される。第1の面は、図21における導電部4Hの上面及び下面のうち一方であり、第2の面は他方である。アークが第2の面から放電される際に、陰極降下電圧が発生する。そのため、アークが複数の導電部4Hを通過する場合は、複数の導電部4Hを通過しない場合よりもアーク電圧が上昇し、アークの消弧が促される。このように、動作ピン8Hは、消弧作用を有する消弧部材30を備えている。
なお、絶縁部5Hの下端に、アークグリッドとして機能する複数の消弧部材30(金属板)が、設けられていてもよい。絶縁部5Hの下端に設けられる複数の消弧部材30の形状は、例えば、矩形板状である。下端に設けられる複数の消弧部材30は、図21の左右方向に並んでいることが好ましい。
本変形例の遮断装置1Hでも、遮断装置1Gと同様、動作ピン8Hが導電部4Hと絶縁部5Hとを備えていることで、第1電路部21と第2電路部22とを開離させる際のアークの発生を抑制することが可能となる。また、本変形例の遮断装置1Hでも、導電部4Hが消弧部材30として機能するため、発生したアークの消弧を促進することができる。
(2.9)変形例9
本変形例の遮断装置1Iについて、図22〜図28を参照して説明する。本変形例の遮断装置1Iにおいて、基本例の遮断装置1と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
筐体9Iは、その内部に空間(内部空間)を有している。図22に示すように、筐体9Iは、第1収容部91Iと、第2収容部97Iと、を有している。第1収容部91Iは、その内部に、移動前の動作ピン8Iの一部を収容する収容空間を有する。第2収容部97Iは、その内部に空間(緩和空間S2)を有する。
第1収容部91Iは、第1ボディ92Iと、第1カバー93Iと、キャップ94Iと、を備えている。
第1ボディ92Iは、断面円形状であって上下方向に延びる貫通孔920Iを有する円柱状、すなわち円筒状である。第1ボディ92Iの下面において貫通孔920Iの左右には、導電部材2が嵌められる凹所が形成されている。
第1カバー93Iは、矩形の箱状である。第1カバー93Iは、その中央に、断面円形状であって上下方向に延びる貫通孔930Iを有している。貫通孔930Iの内径は、第1ボディ92Iの外径と等しい。貫通孔930I内に、第1ボディ92Iが配置される。また、第1カバー93Iの下面において左右の位置には、導電部材2を通すための凹所が形成されている。
キャップ94Iは、第1ボディ92I及び第1カバー93Iの上面に被せられる。キャップ94Iは、台部95Iと覆い部96Iとを備えている。台部95Iと覆い部96Iとは、一体でもよいし別体でもよい。
台部95Iは、凹所951I及び収容凹所952Iを含む貫通孔950Iと、オーリング62が配置される凹所953Iと、を有している。凹所951Iは円柱状であって、台部95Iが第1ボディ92Iに取付けられた状態で第1ボディ92Iの貫通孔920Iとつながっている。貫通孔920I及び凹所951Iから構成される空間に、動作ピン8Iが配置される。また、収容凹所952I内の空間に、ガス発生器70が配置される。覆い部96Iは、台部95Iの上面を覆うように、台部95Iに被せられる。なお、台部95I及び覆い部96Iの形状は、基本例の遮断装置1の台部95及び覆い部96と同じであるので、詳しい説明は省略する。
第2収容部97Iは、第2ボディ98Iと、第2カバー99Iと、を備えている。
第2ボディ98Iは、矩形の箱状である。第2ボディ98Iは、その上面(動作ピン8Iに近い側の面)に凹所981Iを有している。凹所981Iは、円筒状の内面を有する第1凹所982Iと、第1凹所982Iの底面(下面)から下方に凹んだ第2凹所983Iと、を有している。第1凹所982Iの側面と底面との境界部分は、湾曲している。第2凹所983Iは、第1凹所982Iの内径よりも小さな内径を有する円筒状の内側面を有しており、その内底面と内側面との間の境界部分は湾曲している。
第2カバー99Iは、第2ボディ98Iを上側から覆う。第2カバー99Iは、円筒面状の外面を有する円筒状である。第2カバー99Iは、その中央に、断面円形状の貫通孔990Iを有している。第2カバー99Iの外形は、第2ボディ98Iの第1凹所982Iに嵌まる形状である。第2カバー99Iの底面は、一端が貫通孔990Iに繋がっており、下方に向かうにつれて貫通孔990Iから離れる円錐台面状である。
第2カバー99Iが第2ボディ98Iに被せられた状態で、第2ボディ98Iの第2凹所983Iと第2カバー99Iの底面とで囲まれるように、緩和空間S2が形成される。
第1ボディ92Iと第2カバー99Iとの間に、導電部材2が配置されている。導電部材2において、第3電路部23及び境界部分240は筐体9Iの内部に収容されている。導電部材2は、第3電路部23が動作ピン8Iの下面と対向するように配置されている。また、導電部材2において、第1電路部21の第1端子211及び第2電路部22の第2端子221は、筐体9の外部へ露出している。
遮断装置1Iは、絶縁部5Iと複数の導電部とを備えている。ここでは、絶縁部5I及び複数の導電部は、動作ピン8Iの一部である。すなわち、動作ピン8Iは、絶縁部5Iと、複数の導電部と、を備えている。動作ピン8Iは、ガス発生器70と第3電路部(分離部)23との間に配置されている。
絶縁部5Iは、電気絶縁性を有している。絶縁部5Iは、例えば、材料として樹脂を含む。
絶縁部5I(動作ピン8Iを構成する部材)は、上下に長い円柱状である。絶縁部5Iの径は、貫通孔920Iの径及び貫通孔990Iの径と略等しい。絶縁部5Iの径は、導電部材2の溝24の外側の径よりも小さく、溝24の内側の径よりも大きい。ただし、絶縁部5Iの径は、溝24の外側の径と略等しくてもよい。絶縁部5Iは、高さ方向の第1面(上面)がガス発生器70に対向し、第2面(下面)が導電部材2に対向するように、筐体9I内に配置されている。詳しくは、絶縁部5Iは、第1端(上端)が凹所951I内に位置し、第2端(下端)が貫通孔920I内に位置するように、筐体9I内に配置されている。
絶縁部5I(動作ピン8Iを構成する部材)の上端の外縁には、絶縁部5Iの周方向に沿った円環形の溝51Iが形成されている。溝51Iには、オーリング65が嵌め込まれる。溝51Iの内面及び凹所951Iの内面と、オーリング65との間の摩擦力により、動作ピン8Iが凹所951の内側において筐体9Iに保持されている。
複数の導電部は、少なくとも、第1導電部401(導電部4I)と第2導電部402とを含んでいる。第1導電部401と第2導電部402とは、動作ピン8Iが移動する移動方向(上下方向)に並んでいる。動作ピン8Iの移動前において、第1導電部401の方が、第2導電部402よりも、導電部材2に近い。
本変形例の遮断装置1Iでは、複数の導電部は、第3導電部403、第4導電部404、及び第5導電部405を更に含んでいる。第1導電部401〜第5導電部405は、動作ピン8Iの移動方向において、導電部材2に近い側から(下側から)この順に並んでいる。
第1導電部401〜第5導電部405の各々は、左右に長い円柱状(ピン状)である。第1導電部401〜第5導電部405の各々の長さ(左右方向の寸法)は、絶縁部5Iの直径と略等しい。第1導電部401〜第5導電部405の各々は、開離した第1電路部21に対向する第1部分(図22における右端の端面)と、開離した第2電路部22に対向する第2部分(図22における左端の端面)と、第1部分と第2部分とを接続する第3部分と、を有する。
図23に示すように、絶縁部5I(動作ピン8Iを構成する部材)の下側の部分には、複数の導電部がそれぞれ差し込まれる複数の貫通孔が、左右に貫通している。すなわち、絶縁部5Iには、第1導電部401〜第5導電部405がそれぞれ差し込まれる第1貫通孔501〜第5貫通孔505が形成されている。なお、第1貫通孔501の下端は切り欠かれており、第1貫通孔501の内面は絶縁部5Iの下面とつながっている。言い換えれば、第1貫通孔501は、絶縁部5Iの下面に形成された凹所である。
第1導電部401と第2導電部402との間には、絶縁部5Iの一部(介在部53)が介在している。つまり、動作ピン8Iは、第1導電部401と第2導電部402との間に位置して第1導電部401と第2導電部402との間を絶縁する介在部53を備えている。なお、本変形例の遮断装置1Iの動作ピン8Iでは、第2導電部402と第3導電部403との間、第3導電部403と第4導電部404との間、及び第4導電部404と第5導電部405との間にも、絶縁部5Iの一部(介在部53)が介在している。
動作ピン8Iの移動方向における第1導電部401と第2導電部402との間の間隔は、導電部材2の厚さ(動作ピン8Iの移動方向における導電部材2の寸法)以下である。動作ピン8Iの移動方向における第1導電部401と第2導電部402との間の間隔は、ここでは導電部材2の厚さよりも小さい。動作ピン8Iの移動方向における、第2導電部402と第3導電部403との間の間隔、第3導電部403と第4導電部404との間の間隔、及び第4導電部404と第5導電部405との間の間隔も、同様である。
第1導電部401〜第5導電部405の材料及び形状は、例えば、動作ピン8Iの移動方向において、動作ピン8Iにおける導電部の電気抵抗が徐々に大きくなるように、選定される。すなわち、第1導電部401〜第5導電部405の材料及び形状は、例えば、第1導電部401の電気抵抗が第3電路部23の電気抵抗以上となり、第2導電部402の電気抵抗が第1導電部401の電気抵抗以上、第3導電部403の電気抵抗が第2導電部402の電気抵抗以上、第4導電部404の電気抵抗が第3導電部403の電気抵抗以上、第5導電部405の電気抵抗が第4導電部404の電気抵抗以上、となるように選定される。
第1導電部401の電気抵抗とは、第1導電部401が第1電路部21と第2電路部22との間に位置している場合において、第1導電部401における第1電路部21と対向する部分と第2電路部22と対向する部分との間の電気抵抗である。第2導電部402〜第5導電部405の電気抵抗も、同様である。
第3電路部23及び第1導電部401〜第5導電部405の電気抵抗は、互いに異なっていることが好ましい。特に、第1導電部401〜第5導電部405の材料及び形状は、第3電路部23、第1導電部401、第2導電部402、第3導電部403、第4導電部404、第5導電部405の順で、電気抵抗が大きくなるように選定されることが好ましい。一例において、第1導電部401の材料は、低抵抗な導体である。第2導電部402の材料は、比較的高抵抗な導体である。第3導電部403の材料は、低抵抗な半導体(ただし、第2導電部402の材料よりも高抵抗)である。第4導電部404の材料は、高抵抗な半導体である。第5導電部405の材料は、絶縁体に近い(第4導電部404の材料よりも高抵抗な)半導体である。
特に、複数の導電部のうちで、動作ピン8Iが移動する際に最後に第1電路部21と第2電路部22との間に移動する導電部の電気抵抗は、最初に第1電路部21と第2電路部22との間に移動する導電部の電気抵抗よりも、大きいことが好ましい。動作ピン8Iが移動する際に最初に第1電路部21と第2電路部22との間に移動する導電部は、動作ピン8Iが移動する前において導電部材2に最も近い導電部であり、本変形例の遮断装置1Iで言えば第1導電部401である。動作ピン8Iが移動する際に最後に第1電路部21と第2電路部22との間に移動する導電部は、動作ピン8Iが移動する前において導電部材2から最も離れている導電部であり、本変形例の遮断装置1Iで言えば第5導電部405である。すなわち、本変形例の遮断装置1Iで言えば、第5導電部405の電気抵抗が、第1導電部401の電気抵抗よりも大きいことが好ましい。
また、第1導電部401〜第5導電部405の材料及び形状は、第1導電部401〜第5導電部405の耐熱性が高くなり、熱容量が大きくなり、伝熱性が高くなるように選定されることが好ましい。第1導電部401〜第5導電部405の材料及び形状は、例えば、遮断装置1Iの動作時に第1導電部401〜第5導電部405が溶断しないように選定される。
次に、遮断装置1Iの動作について、図24〜図28を参照して説明する。
ガス発生器70のピン電極72が通電されず駆動機構7が駆動されていない場合、図24に示すように、第1電路部21と第2電路部22とは、第3電路部23を介して電気的に接続されている。そのため、導電部材2は導線として機能し、第1電路部21、第2電路部22及び第3電路部23には、第1端子211及び第2端子221に電気的に接続されている電気回路から供給される電流が流れる。
電動車両の制御部等が、ガス発生器70の2つのピン電極72間に通電すると、発熱素子73が発熱し、この発熱素子73で発生した熱によって燃料74が点火され、燃料74が燃焼してガスを発生する。ガスは、ケース71において燃料74を収容する空間の圧力を上昇させて、この空間を構成する壁(下壁)を破断し、この破断した部分を通して加圧室75に導入されて加圧室75内の圧力を上昇させる。加圧室75内のガスの圧力により、動作ピン8Iには、第3電路部23を押す向き(下向き)の力が作用する。
動作ピン8Iは、オーリング65の摩擦力に抗して駆動され、動作ピン8Iの下面が第3電路部23を押す。第3電路部23が動作ピン8Iに押されることにより、図25に示すように、導電部材2は、第1電路部21と第3電路部23との境界部分240の溝24、及び第2電路部22と第3電路部23との境界部分240の溝24において破断される。これにより、第3電路部(分離部)23が第1電路部21及び第2電路部22から切り離され、第1電路部21と第2電路部22とが開離される。第1電路部21及び第2電路部22から切り離された第3電路部23は、動作ピン8に押されて下方の緩和空間S2に入る。
動作ピン8Iは、その下端(進行方向の先端)に第1導電部401を有している。そのため、動作ピン8Iが移動することで、第1電路部21と第2電路部22とが開離された後、開離された第1電路部21と第2電路部22との間に第1導電部401が入り込む。そして、第1導電部401の一端(図25の右端)が、開離した第1電路部21と接触(対向)し、第1導電部401の他端(図25の左端)が、開離した第2電路部22と接触(対向)する。そのため、第3電路部23を流れていた電流は、第1導電部401を流れることとなる。
第1導電部401の電気抵抗は、第3電路部23の電気抵抗より大きい。そのため、第1端子211と第2端子221との間の電気抵抗は、第1電路部21と第2電路部22とが導電部4を介して導通する場合(図25参照)の方が、第1電路部21と第2電路部22とが第3電路部(分離部)23を介して導通する場合(図24参照)よりも大きい。言い換えれば、第1端子211と第2端子221との間の電気抵抗は、第1電路部21と第2電路部22とが第1導電部401を介して導通する場合(図25参照)の方が、第1電路部21と第2電路部22とが動作ピン8の移動により開離される前(図24参照)よりも大きい。これにより、第1電路部21と第2電路部22との間に流れる電流は、第1電路部21と第2電路部22とが第1導電部401を介して接続されているときの方が、第3電路部23を介して接続されているときよりも小さくなる。
動作ピン8Iが更に移動すると、開離された第1電路部21と第2電路部22との間から第1導電部401が離れる前に、開離された第1電路部21と第2電路部22との間に第2導電部402が入り込む。そして、図26に示すように、第2導電部402の一端(図26の右端)が、開離した第1電路部21と接触(対向)し、第2導電部402の他端(図26の左端)が、開離した第2電路部22と接触(対向)する。そのため、第1導電部401を流れていた電流は、第2導電部402を流れることとなる。すなわち、動作ピン8Iは、ガス発生器70によって駆動されて移動することで、第1電路部21と第2電路部22とを第1導電部401を介して導通させた後、第1電路部21と第2電路部22とを第2導電部402を介して導通させる。
第2導電部402の電気抵抗は、第1導電部401の電気抵抗と異なっている。そのため、第1端子211と第2端子221との間の電気抵抗は、第1電路部21と第2電路部22とが第2導電部402を介して導通する場合(図26参照)と、第1電路部21と第2電路部22とが第1導電部401を介して導通する場合(図25参照)とで、互いに異なっている。より詳細には、第2導電部402の電気抵抗は、第1導電部401の電気抵抗より大きい。そのため、第1端子211と第2端子221との間の電気抵抗は、第1電路部21と第2電路部22とが第2導電部402を介して導通する場合(図26参照)の方が、第1電路部21と第2電路部22とが第1導電部401を介して導通する場合(図25参照)よりも大きい。これにより、第1電路部21と第2電路部22との間に流れる電流は、第1電路部21と第2電路部22とが第2導電部402を介して接続されているときの方が、第1導電部401を介して接続されているときよりも小さくなる。
動作ピン8Iが更に移動すると、開離された第1電路部21と第2電路部22との間から第2導電部402が離れる前に、開離された第1電路部21と第2電路部22との間に第3導電部403が入り込む。そして、図27に示すように、第3導電部403の一端(図27の右端)が、開離した第1電路部21と接触(対向)し、第3導電部403の他端(図27の左端)が、開離した第2電路部22と接触(対向)する。そのため、第2導電部402を流れていた電流は、第3導電部403を流れることとなる。すなわち、動作ピン8Iは、ガス発生器70によって駆動されて移動することで、第1電路部21と第2電路部22とを第2導電部402を介して導通させた後、第1電路部21と第2電路部22とを第3導電部403を介して導通させる。
第3導電部403の電気抵抗は、第2導電部402の電気抵抗と異なっている。より詳細には、第3導電部403の電気抵抗は、第2導電部402の電気抵抗より大きい。そのため、第1端子211と第2端子221との間の電気抵抗は、第1電路部21と第2電路部22とが第3導電部403を介して導通する場合(図27参照)の方が、第1電路部21と第2電路部22とが第2導電部402を介して導通する場合(図26参照)よりも大きい。これにより、第1電路部21と第2電路部22との間に流れる電流は、第1電路部21と第2電路部22とが第3導電部403を介して接続されているときの方が、第2導電部402を介して接続されているときよりも小さくなる。
このように、第1電路部21と第2電路部22との間を、第1導電部401、第2導電部402、第3導電部403の順で順番に接続していくことで、第1電路部21と第2電路部22との間に流れる電流を、徐々に小さくすることができる。
ここで、第1増加量は、第2増加量と異なっていることが好ましい。第1増加量は、第1導電部401を介して第1電路部21と第2電路部22とを導通する場合の電気抵抗から、第2導電部402を介して第1電路部21と第2電路部22とを導通する場合の電気抵抗への増加量である。第2増加量は、第2導電部402を介して第1電路部21と第2電路部22とを導通する場合の電気抵抗から、第3導電部403を介して第1電路部21と第2電路部22とを導通する場合の電気抵抗への増加量である。
同様にして、動作ピン8Iが更に移動するにつれて、開離された第1電路部21と第2電路部22との間に、第4導電部404が入り込み、その後第5導電部405が入り込む。これにより、第1電路部21と第2電路部22との間に流れる電流が、さらに減少する。
そして、動作ピン8Iが進んだ距離が所定距離(第3電路部23の厚さと、複数の導電部の上端と下端との間の寸法と、の合計に相当する距離)を超えると、複数の導電部が第1電路部21から離れる。また、動作ピン8が進んだ距離が所定距離(第3電路部23の厚さと、複数の導電部の上端と下端との間の寸法と、の合計に相当する距離)を超えると、複数の導電部が第2電路部22から離れる。そして、動作ピン8Iの絶縁部5Iが、開離した第1電路部21と第2電路部22との間に移動する。これにより、第1電路部21と第2電路部22との間が、絶縁部5Iによって絶縁される(図28参照)。すなわち、絶縁部5Iは、複数の導電部(第1導電部401〜第5導電部405)が、第1電路部21と第2電路部22とのうちの少なくとも一方から離れた後、第1電路部21と第2電路部22との間を絶縁する。
このように、本変形例の遮断装置1Iでは、第1電路部21と第2電路部22とは、第1導電部401を介して導通され、その後第2導電部402を介して導通された後に、絶縁される。すなわち、第1電路部21と第2電路部22との間に流れる電流は、第1導電部401を通って流れることによってその大きさが小さくなり、第2導電部402を通って流れることによってその大きさが更に小さくなった後に、絶縁部5Iによって遮断される。これにより、第2導電部402が無い場合に比べて、絶縁部5Iによって遮断される時点での電流の大きさが小さくなる。その結果、本変形例の遮断装置1Iによれば、第1電路部21と第2電路部22とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。また、アークの発生が抑制されることにより、発生するアークのエネルギーを小さくすることができる。そのため、アークのエネルギーを内部に閉じ込めるための緩和空間S2の容積を小さくすることが可能となる。また、アークのエネルギーを内部に閉じ込めるための筐体9Iの壁の厚さを薄くすることが可能となる。その結果、遮断性能の向上と遮断装置1Iの小型化が可能となる。
また、本変形例の遮断装置1Iでは、第1電路部21と第2電路部22とは、第2導電部402を介して導通された後、第3導電部403を介して導通された後に、絶縁部5Iによって絶縁される。これにより、第1電路部21と第2電路部22との間に流れる電流は、第3導電部403を通って流れることによってその大きさが更に小さくなった後に、絶縁部5Iによって遮断される。これにより、絶縁部5Iによって遮断される時点での電流の大きさが更に小さくなり、第1電路部21と第2電路部22とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。
(2.10)変形例10
本変形例の遮断装置1Jについて、図29を参照して説明する。本変形例の遮断装置1Jにおいて、変形例9の遮断装置1Iと同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
本変形例の遮断装置1Jの動作ピン8Jは、図29に示すように、複数の導電部(第1導電部401J(導電部4J)〜第5導電部405J)と、絶縁部5Jと、を備えている。
本変形例の遮断装置1Jの第1導電部401J〜第5導電部405Jの径は、変形例9の遮断装置1Iの第1導電部401〜第5導電部405の径よりも、大きい。
第1導電部401Jと第2導電部402Jとの間には、介在部53Jがある。ここでは、第1導電部401Jと第2導電部402Jとの間の介在部53Jの上下方向の寸法は、境界部分240における導電部材2の上下方向の寸法(導電部材2の厚さと溝24の深さとの差分)と、略等しい。そのため、動作ピン8Jが移動する際に、開離された第1電路部21と第2電路部22との間から第1導電部401Jが離れる前に、開離された第1電路部21と第2電路部22との間に第2導電部402Jが入り込みやすくなる。
本変形例の遮断装置1Jでも、複数の導電部(第1導電部401J〜第5導電部405J)と絶縁部5Jとを備えていることにより、第1電路部21と第2電路部22とを開離させる際のアークの発生を抑制することが可能となる。
(2.11)変形例11
本変形例の遮断装置1Kについて、図30、図31を参照して説明する。本変形例の遮断装置1Kにおいて、変形例9の遮断装置1Iと同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図30に示すように、筐体9Kは、第1ボディ92Kと、第1カバー93Kと、キャップ94Kと、第2ボディ98Kと、を備えている。
第1ボディ92Kは、断面円形状の貫通孔920Kと、上面が開口し円筒面状の内周面を有する凹所921Kと、を有する箱状である。第1カバー93Kは、円筒状であって、下面が開口した円筒面状の内周面を有する凹所930Kを有している。第1カバー93Kは、その上端に、駆動機構7のガス発生器70を収容するための円筒状の収容壁932Kを備えている。第1カバー93Kは、その外周面が第1ボディ92Kの凹所921Kの内周面と対向するように、第1ボディ92Kに嵌め込まれる。第1カバー93Kの凹所930Kの内部空間、及び第1ボディ92Kの貫通孔920K内に、動作ピン8Kが配置される。
キャップ94Kは、第1ボディ92Kの上面と第1カバー93Kの上面とを覆うように、第1ボディ92K及び第1カバー93Kに取り付けられる。第1ボディ92Kとキャップ94Kとの間に、オーリング62Kが配置される。
第2ボディ98Kは、その上面の中央に、断面円形状の凹所980Kを有している。凹所980Kの径は、貫通孔920Kの径と略同じである。
第1ボディ92Kと第2カバー99Kとに挟まれるように、導電部材2Kが配置されている。図31に示すように、導電部材2Kは、それぞれ板状の第1電路部21K及び第2電路部22Kと、第1電路部21Kと第2電路部22Kとをつなぐ第3電路部(分離部)23Kと、を有する。第3電路部23Kの幅は、第1電路部21Kの幅及び第2電路部22Kの幅よりも小さい。第1電路部21Kと第3電路部23Kとの間、及び第2電路部22Kと第3電路部23Kとの間には、部分円筒状の溝24Kが形成されている。
ガス発生器70は、第1カバー93Kの収容壁932Kで囲まれた空間内に配置される。ガス発生器70と第1カバー93Kとの間に、オーリング64Kが配置される。
遮断装置1Kは、複数の導電部と絶縁部5Kを備えている。絶縁部5Kは、動作ピン8Kの一部である。動作ピン8Kの主体は絶縁部5Kによって構成されている。また、遮断装置1Kは、複数の導電部を保持する保持キャップ(保持部)80Kを備えている。ここでは、複数の導電部及び保持キャップ80Kは、動作ピン8Kの一部である。すなわち動作ピン8Kは、図31に示すように、複数の導電部と絶縁部5Kとを備えている。複数の導電部は、第1導電部401K(導電部4K)と第2導電部402Kとを含んでいる。第1導電部401Kと第2導電部402Kとは、動作ピン8Kが移動する移動方向(上下方向)に並んでいる。ただし、保持キャップ80K及び複数の導電部は、動作ピン8Kとは別部材とみなしてもよい。
絶縁部5K(動作ピン8Kを構成する部材)は、円柱状である。絶縁部5Kの上端の外縁には、絶縁部5Kの周方向に沿った円環形の溝51Kが形成されている。溝51Kには、オーリング65Kが嵌め込まれる。また、絶縁部5Kの下端には、円柱状の凹所が形成されている。凹所には、保持キャップ80K(後述)の本体部が嵌め込まれる。
第1導電部401Kは、左右に長い円柱状(ピン状)である。
第2導電部402Kは、第1部分412Kと、第2部分422Kと、第3部分432Kと、を備えている。
第1部分412K及び第2部分422Kは、左右に長い円柱状(ピン状)である。第1部分412Kは、開離した第1電路部21Kに対向する。第2部分422Kは、開離した第2電路部22Kに対向する。
第3部分432Kは、第1部分412Kと第2部分422Kとを電気的に接続する。第3部分432Kは、複数の折れ曲った部分を有している。より詳細には、第3部分432Kは、第1部分412Kの左端につながり上方に延びる直線状部と、直線状部の上端から左方に延びて逆S字状の部分を含む湾曲部と、湾曲部の左端から下方に延びて第2部分422Kにつながる直線状部と、を有する。すなわち、第3部分432Kは、第3部分432Kの両端を結ぶ直線距離よりも長い電流経路を有している。
保持キャップ80Kは、電気絶縁性である。保持キャップ80Kは、円柱状の本体部と鍔部とを有している。保持キャップ80Kは、第1導電部401Kが差し込まれる第1貫通孔501Kと、第2導電部402Kが差し込まれる第2貫通孔502Kと、を有している。第1貫通孔501Kは、保持キャップ80Kの鍔部に形成されている。第2貫通孔502Kは、保持キャップ80Kの本体部に形成されている。なお、第2貫通孔502Kの上端は切り欠かれており、第2貫通孔502Kの内面は保持キャップ80Kの上面とつながっている。言い換えれば、第2貫通孔502Kは、保持キャップ80Kの上面に形成された凹所である。
保持キャップ80Kの第1貫通孔501K及び第2貫通孔502Kに第1導電部401K及び第2導電部402Kをそれぞれ配置し、保持キャップ80Kの本体部を絶縁部5Kの凹所に収容することで、第2導電部402Kが絶縁部5K内に配置される。
第1導電部401Kと第2導電部402Kとは、材料が異なっていてもよい。例えば、第2導電部402Kの材料は、第1導電部401Kの材料よりも比抵抗が大きい。
第1導電部401Kと第2導電部402Kとは、径が互いに異なっていてもよい。例えば、第1導電部401Kと第2導電部402Kとは、動作ピン8Kの移動方向における幅(上下方向の寸法)が、互いに異なっている。なお、第1導電部401Kまたは第2導電部402Kの径は、導電部の経路において一定でなくともよい。
また、第1端子211と第2端子221との間に流れる電流の経路長は、第2導電部402Kを介して第1電路部21Kと第2電路部22Kとが導通する場合と、第1導電部401Kを介して第1電路部21Kと第2電路部22Kとが導通する場合とで、異なっている。例えば、第1端子211と第2端子221との間に流れる電流の経路長は、第2導電部402Kを介して第1電路部21Kと第2電路部22Kとが導通する場合の方が、第1導電部401Kを介して第1電路部21Kと第2電路部22Kとが導通する場合よりも、長い。
また、本変形例の遮断装置1Kでは、開離した第1電路部21Kと対向する位置における、第1導電部401Kと第2導電部402Kとの間の介在部53Kの上下方向の寸法が、導電部材2の厚さと略等しくなっている。すなわち、動作ピン8Kがガス発生器70によって駆動されて移動すると、第1導電部401Kの端部が第1電路部21Kと対向した後、第1導電部401Kの端部が第1電路部21Kから離れると、第2導電部402Kの端部が第1電路部21Kと対向する。なお、第1電路部21Kに対向する側の第1導電部401Kの端部と第2導電部402Kの端部との面積が異なっていてもよい。
本変形例の遮断装置1Kでも、複数の導電部(第1導電部401K及び第2導電部402K)と絶縁部5Kとを備えていることにより、第1電路部21Kと第2電路部22Kとを開離させる際のアークの発生を抑制することが可能となる。
(2.12)変形例12
本変形例の遮断装置1Lについて、図32を参照して説明する。
本変形例の遮断装置1Lは、基本例の遮断装置1とは異なる形状の動作ピン8Lを備えている。本変形例の遮断装置1Lにおいて、基本例の遮断装置1と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
図32に示すように、本変形例の遮断装置1Lの動作ピン8Lは、先端部81Lと、中間部82L(導電部4L)と、消弧部材30と、絶縁部83L(絶縁部5L)と、を有している。動作ピン8Lの先端側から順に、先端部81L、中間部82L、消弧部材30、絶縁部83Lの順に並んでいる。先端部81Lは、例えば、タングステンを材料として形成されている。中間部82Lは、例えば、シリコン等の半導体を材料として形成されている。先端部81Lは、中間部82Lと比較して電気抵抗が大きい。絶縁部83Lは、例えば、合成樹脂を材料として形成されている。絶縁部83Lは、電気絶縁性を有している。
中間部82Lは、先端部81Lと消弧部材30との間に配置され、先端部81Lよりも電気抵抗が小さい。また、絶縁部83Lは、消弧部材30を基準として先端部81L側とは反対側に位置しており、消弧部材30よりも電気絶縁性が高い。
ガス発生器70(図1参照)で発生したガスの圧力により動作ピン8Lが駆動されると、動作ピン8Lに押されることにより、第1電路部21及び第2電路部22から第3電路部23が切り離される。そして、第1電路部21と第2電路部22との間には、動作ピン8Lの先端部81L、中間部82L、消弧部材30、絶縁部83Lがこの順に挿入される。動作ピン8Lが進みきった状態では、絶縁部83Lは、第1電路部21と第2電路部22との間に配置される。
第1電路部21と第2電路部22との間に発生するアークには、電気抵抗が比較的大きい先端部81Lが先にアークに接して、電気抵抗が比較的小さい中間部82Lが後からアークに接する。そのため、最初に中間部82Lがアークに接する場合と比較して、アーク放電のエネルギーを抑えることができ、また、アーク電流を段階的に小さくしていくことができる。段階的にアーク電流が小さくなってから、消弧部材30がアークを遮断し、その後、絶縁部83Lが第1電路部21と第2電路部22との間を電気的に絶縁する。動作ピン8Lをこのような構造にすることで、導電部材2を含む電路の遮断性能を向上させることができる。
(2.13)その他の変形例
遮断装置1,1A〜1C,1F〜1Lにおいて、動作ピン8,8A〜8C,8F〜8Lの形状は円柱状に限られず、任意の多角柱状であってもよい。導電部材2,2B,2E,2Kの溝24,24B,24E,24Kは、動作ピン8,8A〜8C,8E〜8Lの形状に沿った形状であることが好ましい。遮断装置1Dにおいて、動作ピン8Dの形状は図示の形状に限られない。
導電部4,4A〜4L及び/又は絶縁部5,5A〜5Lは、動作ピン8,8A〜8L(分離部を分離させる部位)の一部でなくてもよく、別部材であってもよい。
駆動機構7が駆動されていない場合、動作ピン8,8A〜8C,8E〜8Lの一端(下端)は、導電部材2,2B,2E,2Kの第3電路部23,23B,23E,23Kに接触していてもよいし接触していなくてもよい。
導電部材2,2B,2E,2Kの溝24,24B,24E,24Kは、導電部材2,2B,2E,2Kの第1の面F1に代えて/加えて、第2の面F2に形成されていてもよい。また、境界部分240は溝24,24B,24E,24Kによって規定されていなくてもよく、例えば、導電部材2,2B,2E,2Kの厚さ方向に貫通する1又は複数の孔によって規定されていてもよい。或いは、導電部材2,2B,2E,2Kの境界部分240が、他の部分とは異なる材料によって形成されていてもよい。
遮断装置1,1A〜1Lは、発生したアークを引き延ばすための永久磁石を備えていてもよい。永久磁石は、例えば、筐体9,9B,9D,9I,9Lの内部空間に配置されてもよいし、筐体9,9B,9D,9I,9Lに埋め込まれていてもよい。
遮断装置1,1A〜1C,1E〜1Lは、緩和空間S2に配置された消弧体を備えていてもよい。遮断装置1Dは、筐体9Dの内部空間に配置された消弧体を備えていてもよい。消弧体は、消弧作用を有する部材である。消弧体は、水素貯蔵合金、SiC、SiO2、アルミナ、PA6、PA46、PA66等のポリアミド(ナイロン)、このポリアミドの樹脂に水酸化マグネシウム又はホウ酸マグネシウムを混合した材料、シリコン又は炭化ケイ素(SiC)を含む部材、セラミック、ウール状の金属(金属繊維)等であってもよい。
遮断装置1,1A〜1Cにおいて、導電部4,4A〜4Cの第2部分42,42A〜42Cは、第1部分41,41A〜41Cと同一の寸法及び形状でなくてもよい。例えば、第2部分42,42A〜42Cは、第1部分41,41A〜41Cと異なる高さを有していてもよい。
遮断装置1I〜1Kにおいて、複数の導電部の形状は、ピン形状に限られず、例えば板状であってもよい。
遮断装置1I〜1Kにおいて、介在部(53,53J,53K)が消弧部材であってもよい。
遮断装置1,1A,1I,1Lの筐体9,9Iは、遮断装置1B,1Cの筐体9Bと同様の台部を備えていてもよい。
遮断装置1,1A〜1C,1E〜1Lは、動作ピン8,8A〜8C,8E〜8Lが導電部材2,2B,2E、2Kを押して破断させる構成に限らず、例えば別の部材を介して導電部材2,2B,2E、2Kを破断させてもよい。
遮断装置1I,1Jにおいて、第1導電部401,401J〜第5導電部405,405Jの電気抵抗は、この順に大きくなっていなくてもよい。例えば、遮断装置1Iにおいて、第2導電部402の電気抵抗は、第1導電部401の電気抵抗より小さくてもよい。
導電部4,4A〜4Lは、温度上昇に応じて抵抗値が変化するサーミスタを備えていてもよい。導電部4,4A〜4Lは、例えば、温度上昇に応じて抵抗値が増加するPTC(positive temperature coefficient)素子を備えていてもよい。この場合、第1電路部21,21B,21D,21E,21Kと第2電路部22,22B,22D,22E,22Kとの間に導電部4,4A〜4Lが移動して導電部4,4A〜4Lに電流が流れると、導電部4,4A〜4Lの温度が上昇する。これにより、導電部4,4A〜4Lの電気抵抗が上昇し、導電部4,4A〜4Lに流れる電流が徐々に小さくなる。そのため、絶縁部5,5A〜5Lによって第1電路部21,21B,21D,21E,21Kと第2電路部22,22B,22D,22E,22Kとを絶縁する際の、アークの発生を抑制することが可能となる。
(3)まとめ
以上説明した実施形態及び変形例等から以下の態様が開示されている。
第1の態様の遮断装置(1,1A〜1L)は、筐体(9,9B,9D,9I,9K,9L)と、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と、第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)と、動作ピン(8,8A〜8L)と、導電部(4,4A〜4L)と、を備える。第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)は、筐体(9,9B,9D,9I9K,9L)の内部空間に設けられた分離部(第3電路部23,23B,23D,23E,23K)を介して、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)に電気的に接続される。動作ピン(8,8A〜8L)は、駆動機構(7,7D)によって駆動されて内部空間を移動することで、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)との少なくとも一方から分離部を分離させる。導電部(4,4A〜4L)は、動作ピン(8,8A〜8L)の移動方向における動作ピン(8,8A〜8L)の後端と分離部との間に配置され、動作ピン(8,8A〜8L)に連動して移動する。導電部(4,4A〜4L)は、開離した第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを導通させる。
この態様によれば、動作ピンが導電部(4,4A〜4L)を備えていない場合に比べて、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際に第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)及び第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)に流れる電流の大きさを小さくすることが可能となる。第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。また、アークの発生が抑制されることで、アークのエネルギーを閉じ込めるための筐体(9,9B,9D,9I,9K)を小型化することが可能となる。
第2の態様の遮断装置(1,1A〜1L)は、第1の態様において、絶縁部(5,5A〜5L)を備える。絶縁部(5,5A〜5L)は、導電部(4,4A〜4L)が第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とのうちの少なくとも一方から離れた後、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)との間を絶縁する。
この態様によれば、絶縁部(5,5A〜5L)によって、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁することが可能となり、アークの発生を抑制することが可能となる。
第3の態様の遮断装置(1C,1K)は、第1又は第2の態様において、導電部(4C,4L)を保持する保持部(80C,80K)を備える。
この態様によれば、保持部(80C,80K)により導電部(4C,4L)を保持することが可能となる。
第4の態様の遮断装置(1,1A,1B,1D〜1J,1L)では、第1又は第2の態様において、導電部(4,4A,4B,4D〜4J,4L)は、動作ピン(8,8A,8B,8D〜8J,8L)を構成する部材に固定されている。
この態様によれば、動作ピン(8,8A,8B,8D〜8J,8L)により導電部(4,4A,4B,4D〜4J,4L)を保持することが可能となる。
第5の態様の遮断装置(1,1A〜1L)では、第1〜第4のいずれか1つの態様において、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)は、外部回路に電気的に接続される第1端子(211,211E)を有する。第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)は、外部回路に電気的に接続される第2端子(221,221E)を有する。第1端子(211,211E)と第2端子(221,221E)との間の電気抵抗は、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とが導電部(4,4A〜4L)を介して導通する場合の方が、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とが分離部を介して導通する場合よりも大きい。
この態様によれば、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際に第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)及び第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)に流れる電流の大きさを小さくすることが可能となる。そのため、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。
第6の態様の遮断装置(1,1A〜1L)では、第1〜第5のいずれか1つの態様において、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)は、外部回路に電気的に接続される第1端子(211,211E)を有する。第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)は、外部回路に電気的に接続される第2端子(221,221E)を有する。第1端子(211,211E)と第2端子(221,221E)との間に流れる電流は、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とが導電部(4,4A〜4L)を介して導通する場合の方が、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とが分離部を介して導通する場合よりも小さい。
この態様によれば、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際に第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)及び第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)に流れる電流の大きさを小さくすることが可能となる。そのため、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。
第7の態様の遮断装置(1,1A〜1L)では、第1〜第6のいずれか1つの態様において、駆動機構(7,7D)は、燃焼によりガスを発生させるガス発生器(70,70D)を備える。駆動機構(7,7D)は、ガス発生器(70,70D)で発生したガスの圧力に連動して、動作ピン(8,8A〜8L)を移動させる。
この態様によれば、ガス発生器(70,70D)で発生したガスの圧力に連動して動作ピン(8,8A〜8L)が移動するので、ガス発生器(70,70D)を用いない場合と比較して動作ピン(8,8A〜8L)を高速で移動させることができる。これにより、アークを急速に伸張させることができると共に、発生したアークが持続する時間を短くすることができ、電路の遮断性能を向上することができる。
第8の態様の遮断装置(1,1A〜1C、1E〜1L)は、第1〜第7のいずれか1つの態様において、第1電路部(21,21B,21E,21K)、第2電路部(22,22B,22E,22K)及び分離部を含む導電部材(2,2B,2E,2K)を備える。動作ピン(8,8A〜8C,8E〜8L)は、導電部材(2,2B,2E,2K)を破断させることにより、第1電路部(21,21B,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22E,22K)とを開離させる。
この態様によれば、動作ピン(8,8A〜8C,8E〜8L)の移動と、第1電路部(21,21B,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22E,22K)とを電気的に切り離すこととを容易に連動させられる。
第9の態様の遮断装置(1D)では、第1〜第7のいずれか1つの態様において、動作ピン(8D)は、第1電路部(21D)と第2電路部(22D)とのうちの一方に対して、分離部を相対的に移動させることにより、第1電路部(21D)と第2電路部(22D)とを開離させる。
この態様によれば、動作ピン(8D)の移動と、第1電路部(21D)と第2電路部(22D)とを電気的に切り離すこととを容易に連動させられる。
第10の態様の遮断装置(1,1A〜1C)では、第1〜第9のいずれか1つの態様において、導電部(4,4A〜4C)は、第1部分(41,41A〜41C)と、第2部分(42,42A〜42C)と、第3部分(43,43A〜43C)と、を有する。第1部分(41,41A〜41C)は、開離した第1電路部(21,21B)に対向する。第2部分(42,42A〜42C)は、開離した第2電路部(22,22B)に対向する。第3部分(43,43A〜43C)は、第1部分(41,41A〜41C)と第2部分(42,42A〜42C)とを電気的に接続し、第1部分(41,41A〜41C)及び第2部分(42,42A〜42C)よりも大きな電気抵抗を有する。
この態様によれば、第1電路部(21,21B)と第2電路部(22,22B)とを開離させた後に、第1電路部(21,21B)と第2電路部(22,22B)との間を導電部(4,4A〜4C)によって電気的に接続しやすくなる。
第11の態様の遮断装置(1I〜1K)では、第1〜第10のいずれか1つの態様において、動作ピン(8I〜8K)は、導電部(4I〜4K)としての第1導電部(401,401J,401K)に加えて、第1導電部(401,401J,401K)と電気的に絶縁された第2導電部(402,402J,402K)を更に備える。第2導電部(402,402J,402K)は、動作ピン(8I〜8K)に連動して移動する。動作ピン(8I〜8K)は、駆動機構(7)によって駆動されて移動方向に移動することで、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とを第1導電部(401,401J,401K)を介して導通させた後、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とを第2導電部(402,402J,402K)を介して導通させる。
この態様によれば、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)との間に流れる電流は、第1導電部(401,401J,401K)を通って流れることによってその大きさが小さくなり、第2導電部(402,402J,402K)を通って流れることによってその大きさが更に小さくなった後に、その経路が遮断される。これにより、第2導電部(402,402J,402K)が無い場合に比べて、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。
第12の態様の遮断装置(1I〜1K)は、第11の態様において、絶縁部(5I〜5K)を備える。絶縁部(5I〜5K)は、第2導電部(402,402J,402K)が第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とのうちの少なくとも一方から離れた後、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)との間を絶縁する。
この態様によれば、絶縁部(5I〜5K)によって、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とを絶縁することが可能となり、アークの発生を抑制することが可能となる。
第13の態様の遮断装置(1I〜1K)では、第11又は第12の態様において、第1電路部(21,21K)は、外部回路に電気的に接続される第1端子(211)を有し、第2電路部(22,22K)は、外部回路に電気的に接続される第2端子(221)を有する。第1端子(211)と第2端子(221)との間の電気抵抗は、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とが第1導電部(401,401J,401K)を介して導通する場合と、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とが第2導電部(402,402J,402K)を介して導通する場合とで、異なる。
この態様によれば、例えば絶縁部(5I〜5K)によって第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とを絶縁する際に第1電路部(21,21K)及び第2電路部(22,22K)に流れる電流の大きさを、小さくすることが可能となる。そのため、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。
第14の態様の遮断装置(1I〜1K)では、第13の態様において、第1端子(211)と第2端子(221)との間の電気抵抗は、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とが第1導電部(401,401J,401K)を介して導通する場合よりも、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とが第2導電部(402,402J,402K)を介して導通する場合の方が、大きい。
この態様によれば、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)との間に流れる電流は、第1導電部(401,401J,401K)を通って流れることによってその大きさが小さくなり、第2導電部(402,402J,402K)を通って流れることによってその大きさが更に小さくなった後に、その経路が遮断される。これにより、第2導電部(402,402J,402K)が無い場合に比べて、第1電路部(21,21K)と第2電路部(22,22K)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。
第15の態様の遮断装置(1I,1J)では、第11〜第14のいずれか1つの態様において、動作ピン(8I,8J)は、第1導電部(401,401J)及び第2導電部(402、402J)と電気的に絶縁された第3導電部(403,403J)を更に備える。第3導電部(403,403J)は、動作ピン(8I,8J)に連動して移動する。動作ピン(8I,8J)は、駆動機構(7)によって駆動されて移動方向に移動することで、第1電路部(21)と第2電路部(22)とを第2導電部(402,402J)を介して導通させた後、第1電路部(21)と第2電路部(22)とを第3導電部(403.403J)を介して導通させる。
この態様によれば、第1電路部(21)と第2電路部(22)とを絶縁する際に第1電路部(21)及び第2電路部(22)に流れる電流の大きさを、小さくすることが可能となる。そのため、第1電路部(21)と第2電路部(22)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。
第16の態様の遮断装置(1I,1J)では、第15の態様において、第1電路部(21)は、外部回路に電気的に接続される第1端子(211)を有し、第2電路部(22)は、外部回路に電気的に接続される第2端子(221)を有する。第1端子(211)と第2端子(221)との間の電気抵抗は、第1電路部(21)と第2電路部(22)とが第2導電部(402,402J)を介して導通する場合よりも、第1電路部(21)と第2電路部(22)とが第3導電部(403,403J)を介して導通する場合の方が、大きい。
この態様によれば、第1電路部(21)と第2電路部(22)との間に流れる電流は、第2導電部(402,402J)を通って流れることによってその大きさが小さくなり、第3導電部(403,403J)を通って流れることによってその大きさが更に小さくなった後に、その経路が遮断される。これにより、第3導電部(403,403J)が無い場合に比べて、絶縁部(5I,5J)が第1電路部(21)と第2電路部(22)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。
第17の態様の遮断装置(1I,1J)では、第16の態様において、第1増加量は、第2増加量と、異なる。第1増加量は、第1導電部(401,401J)を介して第1電路部(21)と第2電路部(22)とを導通する場合の電気抵抗から、第2導電部(402,402J)を介して第1電路部(21)と第2電路部(22)とを導通する場合の電気抵抗への増加量である。第2増加量は、第2導電部(402,402J)を介して第1電路部(21)と第2電路部(22)とを導通する場合の電気抵抗から、第3導電部(403,403J)を介して第1電路部(21)と第2電路部(22)とを導通する場合の電気抵抗への増加量である。
この態様によれば、動作ピン(8I,8J)の設計の自由度が増加する。
第18の態様の遮断装置(1K)では、第11〜第17のいずれか1つの態様において、第1導電部(401K)と第2導電部(402K)とは、動作ピン(8K)の移動方向における寸法が異なる。
この態様によれば、第1導電部(401K)の電気抵抗と第2導電部(402K)の電気抵抗とを、異ならせることが可能となる。
第19の態様の遮断装置(1K)では、第11〜第18のいずれか1つの態様において、第1電路部(21K)は、外部回路に電気的に接続される第1端子(211)を有し、第2電路部(22K)は、外部回路に電気的に接続される第2端子(221)を有する。動作ピン(8K)は、駆動機構(7)によって駆動されて移動方向に移動することで、第1電路部(21K)と第2電路部(22K)とを第1導電部(401K)を介して導通させた後、第1電路部(21K)と第2電路部(22K)とを第2導電部(402K)を介して導通させる。第1端子(211)と第2端子(221)との間に流れる電流の経路長は、第2導電部(402K)を介して第1電路部(21K)と第2電路部(22K)とが導通する場合の方が、第1導電部(401K)を介して第1電路部(21K)と第2電路部(22K)とが導通する場合よりも、長い。
この態様によれば、第1導電部(401K)の電気抵抗と第2導電部(402K)の電気抵抗とを、異ならせることが可能となる。
第20の態様の遮断装置(1I〜1K)では、第11〜第19のいずれか1つの態様において、動作ピン(8I〜8K)は、介在部(53,53J,53K)を備える。介在部(53,53J,53K)は、第1導電部(401,401J,401K)と第2導電部(402,402J,402K)との間に位置して、第1導電部(401,401J,401K)と第2導電部(402,402J,402K)との間を絶縁する。
この態様によれば、第1導電部(401,401J,401K)と第2導電部(402,402J,402K)との間を、電気的に絶縁することが可能となる。
第21の態様の遮断装置(1F〜1H,1L)では、第1〜第20のいずれか1つの態様において、動作ピン(8F〜8H,8L)又は動作ピン(8F〜8H,8L)に連動して移動する部材は、消弧作用を有する消弧部材(30)を備える。
この態様によれば、発生したアークの消弧を促進することが可能となる。
第22の態様の遮断装置(1,1A〜1L)では、第1〜第21のいずれか1つの態様において、導電部(4,4A〜4L)は、温度上昇に応じて抵抗値が変化するサーミスタを備える。
この態様によれば、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)との間に導電部(4,4A〜4L)が移動して導電部(4,4A〜4L)に電流が流れると、導電部(4,4A〜4L)の温度が変化する。これにより、導電部(4,4A〜4L)の電気抵抗が変化し、導電部(4,4A〜4L)に流れる電流が変化する。そのため、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際の、アークの発生を抑制することが可能となる。サーミスタは、温度上昇に応じて抵抗値が増加するPCT素子であってもよい。
第2〜第22の態様に係る構成は、遮断装置(1,1A〜1L)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
第23の態様に係る遮断装置(1,1A〜1L)は、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と、第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)と、動作ピン(8,8A〜8L)と、を備える。第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)は、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)に電気的に接続される。動作ピン(8,8A〜8L)は、駆動機構(7,7D)によって駆動されて移動することで、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを開離させる。動作ピン(8,8A〜8L)は、導電部(4,4A〜4L)と絶縁部(5,5A〜5L)とを有する。導電部(4,4A〜4L)は、開離した第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを導通させる。絶縁部(5,5A〜5L)は、導電部(4,4A〜4L)が第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とのうちの少なくとも一方から離れた後、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)との間を絶縁する。
この態様によれば、動作ピンが導電部(4,4A〜4L)を備えていない場合に比べて、絶縁部(5,5A〜5L)によって第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際に第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)及び第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)に流れる電流の大きさを小さくすることが可能となる。そのため、絶縁部(5,5A〜5L)によって第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。また、アークの発生が抑制されることで、アークのエネルギーを閉じ込めるための筐体(9,9B,9D,9I,9K)を小型化することが可能となる。
第24の態様の遮断装置(1,1A〜1L)では、第23の態様において、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)は、外部回路に電気的に接続される第1端子(211,211E)を有し、第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)は、外部回路に電気的に接続される第2端子(221,221E)を有する。第1端子(211,211E)と第2端子(221,221E)との間の電気抵抗は、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とが導電部(4,4A〜4L)を介して導通する場合の方が、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とが動作ピン(8〜8L)の移動により開離される前よりも大きい。
この態様によれば、絶縁部(5,5A〜5L)によって第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際に第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)及び第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)に流れる電流の大きさを小さくすることが可能となる。そのため、絶縁部(5,5A〜5L)によって第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。
第25の態様の遮断装置(1,1A〜1L)では、第23の態様において、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)は、外部回路に電気的に接続される第1端子(211,211E)を有し、第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)は、外部回路に電気的に接続される第2端子(221,221E)を有する。第1端子(211,211E)と第2端子(221,221E)との間に流れる電流は、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とが導電部(4,4A〜4L)を介して導通する場合の方が、第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とが動作ピン(8,8A〜8L)の移動により開離される前よりも小さい。
この態様によれば、絶縁部(5,5A〜5L)によって第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際に第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)及び第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)に流れる電流の大きさを小さくすることが可能となる。そのため、絶縁部(5,5A〜5L)によって第1電路部(21,21B,21D,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22D,22E,22K)とを絶縁する際のアークの発生を抑制することが可能となる。
第26の態様の遮断装置(1,1A〜1L)では、第23〜第25のいずれか1つの態様において、駆動機構(7,7D)は、燃焼によりガスを発生させるガス発生器(70,70D)を備える。駆動機構(7,7D)は、ガス発生器(70,70D)で発生したガスの圧力に連動して、動作ピン(8,8A〜8L)を移動させる。
この態様によれば、ガス発生器(70,70D)で発生したガスの圧力に連動して動作ピン(8,8A〜8L)が移動するので、ガス発生器(70,70D)を用いない場合と比較して動作ピン(8,8A〜8L)を高速で移動させることができる。これにより、アークを急速に伸張させることができると共に、発生したアークが持続する時間を短くすることができ、電路の遮断性能を向上することができる。
第27の態様の遮断装置(1,1A〜1C、1E〜1L)は、第23〜第26のいずれか1つの態様において、第1電路部(21,21B,21E,21K)及び第2電路部(22,22B,22E,22K)を含む導電部材(2,2B,2E,2K)を備える。動作ピン(8,8A〜8C,8E〜8L)は、導電部材(2,2B,2E,2K)を破断させることにより、第1電路部(21,21B,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22E,22K)とを開離させる。
この態様によれば、動作ピン(8,8A〜8C,8E〜8L)の移動と、第1電路部(21,21B,21E,21K)と第2電路部(22,22B,22E,22K)とを電気的に切り離すこととを容易に連動させられる。
第28の態様の遮断装置(1D)では、第23〜第27のいずれか1つの態様において、動作ピン(8D)は、第1電路部(21D)と第2電路部(22D)とのうちの一方を、第1電路部(21D)と第2電路部(22D)とのうちの他方に対して相対的に移動させることにより、第1電路部(21D)と第2電路部(22D)とを開離させる。
この態様によれば、動作ピン(8D)の移動と、第1電路部(21D)と第2電路部(22D)とを電気的に切り離すこととを容易に連動させられる。
第29の態様の遮断装置(1,1A〜1C)では、第23〜第28のいずれか1つの態様において、動作ピン(8,8A〜8C)の導電部(4,4A〜4C)は、第1部分(41,41A〜41C)と、第2部分(42,42A〜42C)と、第3部分(43,43A〜43C)と、を有する。第1部分(41,41A〜41C)は、開離した第1電路部(21,21B)に対向する。第2部分(42,42A〜42C)は、開離した第2電路部(22,22B)に対向する。第3部分(43,43A〜43C)は、第1部分(41,41A〜41C)と第2部分(42,42A〜42C)とを電気的に接続し、第1部分(41,41A〜41C)及び第2部分(42,42A〜42C)よりも大きな電気抵抗を有する。
この態様によれば、第1電路部(21,21B)と第2電路部(22,22B)とを開離させた後に、第1電路部(21,21B)と第2電路部(22,22B)との間を導電部(4,4A〜4C)によって電気的に接続しやすくなる。
1,1A〜1L 遮断装置
21,21B,21D,21E,21K 第1電路部
211,211E 第1端子
22,22B,22D,22E,22K 第2電路部
221,221E 第2端子
4,4A〜4L 導電部
41,41A〜41C 第1部分
42,42A〜42C 第2部分
43,43A〜43C 第3部分
401,401J,401K 第1導電部
402,402J,402K 第2導電部
403,403J 第3導電部
5,5A〜5L 絶縁部
53,53J,53K 介在部
7,7D 駆動機構
70,70D ガス発生器
8,8A〜8L 動作ピン
80C,80K 保持部(保持キャップ)
9,9B,9D,9I9K,9L 筐体

Claims (22)

  1. 筐体と、
    第1電路部と、
    前記筐体の内部空間に設けられた分離部を介して、前記第1電路部に電気的に接続される第2電路部と、
    駆動機構によって駆動されて前記内部空間を移動することで、前記第1電路部と前記第2電路部との少なくとも一方から前記分離部を分離させる動作ピンと、
    前記動作ピンの移動方向における前記動作ピンの後端と前記分離部との間に配置され、前記動作ピンに連動して移動する導電部と、
    を備え、
    前記導電部は、
    開離した前記第1電路部と前記第2電路部とを導通させる、
    遮断装置。
  2. 前記導電部が前記第1電路部と前記第2電路部とのうちの少なくとも一方から離れた後、前記第1電路部と前記第2電路部との間を絶縁する絶縁部を備える、
    請求項1に記載の遮断装置。
  3. 前記導電部を保持する保持部を備える、
    請求項1又は2に記載の遮断装置。
  4. 前記導電部は、前記動作ピンを構成する部材に固定されている、
    請求項1又は2に記載の遮断装置。
  5. 前記第1電路部は、外部回路に電気的に接続される第1端子を有し、
    前記第2電路部は、前記外部回路に電気的に接続される第2端子を有し、
    前記第1端子と前記第2端子との間の電気抵抗は、前記第1電路部と前記第2電路部とが前記導電部を介して導通する場合の方が、前記第1電路部と前記第2電路部とが前記分離部を介して導通する場合よりも大きい、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮断装置。
  6. 前記第1電路部は、外部回路に電気的に接続される第1端子を有し、
    前記第2電路部は、前記外部回路に電気的に接続される第2端子を有し、
    前記第1端子と前記第2端子との間に流れる電流は、前記第1電路部と前記第2電路部とが前記導電部を介して導通する場合の方が、前記第1電路部と前記第2電路部とが前記分離部を介して導通する場合よりも小さい、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮断装置。
  7. 前記駆動機構を更に備え、
    前記駆動機構は、
    燃焼によりガスを発生させるガス発生器を備え、
    前記ガス発生器で発生したガスの圧力に連動して、前記動作ピンを移動させる、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の遮断装置。
  8. 前記第1電路部、前記第2電路部及び前記分離部を含む導電部材を備え、
    前記動作ピンは、前記導電部材を破断させることにより、前記第1電路部と前記第2電路部とを開離させる、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の遮断装置。
  9. 前記動作ピンは、前記第1電路部と前記第2電路部のうちの少なくとも一方に対して、前記分離部を相対的に移動させることにより、前記第1電路部と前記第2電路部とを開離させる、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の遮断装置。
  10. 前記導電部は、
    開離した前記第1電路部に対向する第1部分と、
    開離した前記第2電路部に対向する第2部分と、
    前記第1部分と前記第2部分とを電気的に接続し、前記第1部分及び前記第2部分よりも大きな電気抵抗を有する第3部分と、
    を有する、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の遮断装置。
  11. 前記導電部としての第1導電部に加えて、前記第1導電部と電気的に絶縁された第2導電部を更に備え、
    前記第2導電部は、前記動作ピンに連動して移動し、
    前記動作ピンは、前記駆動機構によって駆動されて前記移動方向に移動することで、前記第1電路部と前記第2電路部とを前記第1導電部を介して導通させた後、前記第1電路部と前記第2電路部とを前記第2導電部を介して導通させる、
    請求項1〜10の何れか1項に記載の遮断装置。
  12. 前記第2導電部が前記第1電路部と前記第2電路部とのうちの少なくとも一方から離れた後、前記第1電路部と前記第2電路部との間を絶縁する絶縁部を備える、
    請求項11に記載の遮断装置。
  13. 前記第1電路部は、外部回路に電気的に接続される第1端子を有し、
    前記第2電路部は、前記外部回路に電気的に接続される第2端子を有し、
    前記第1端子と前記第2端子との間の電気抵抗は、前記第1電路部と前記第2電路部とが前記第1導電部を介して導通する場合と、前記第1電路部と前記第2電路部とが前記第2導電部を介して導通する場合とで、異なる、
    請求項11又は12に記載の遮断装置。
  14. 前記第1端子と前記第2端子との間の電気抵抗は、前記第1電路部と前記第2電路部とが前記第1導電部を介して導通する場合よりも、前記第1電路部と前記第2電路部とが前記第2導電部を介して導通する場合の方が、大きい、
    請求項13に記載の遮断装置。
  15. 前記第1導電部及び前記第2導電部と電気的に絶縁された第3導電部を、更に備え、
    前記第3導電部は、前記動作ピンに連動して移動し、
    前記動作ピンは、前記駆動機構によって駆動されて前記移動方向に移動することで、前記第1電路部と前記第2電路部とを前記第2導電部を介して導通させた後、前記第1電路部と前記第2電路部とを前記第3導電部を介して導通させる、
    請求項11〜14のいずれか1項に記載の遮断装置。
  16. 前記第1電路部は、外部回路に電気的に接続される第1端子を有し、
    前記第2電路部は、前記外部回路に電気的に接続される第2端子を有し、
    前記第1端子と前記第2端子との間の電気抵抗は、前記第1電路部と前記第2電路部とが前記第2導電部を介して導通する場合よりも、前記第1電路部と前記第2電路部とが前記第3導電部を介して導通する場合の方が、大きい、
    請求項15に記載の遮断装置。
  17. 前記第1導電部を介して前記第1電路部と前記第2電路部とを導通する場合の電気抵抗から前記第2導電部を介して前記第1電路部と前記第2電路部とを導通する場合の電気抵抗への第1増加量は、前記第2導電部を介して前記第1電路部と前記第2電路部とを導通する場合の電気抵抗から前記第3導電部を介して前記第1電路部と前記第2電路部とを導通する場合の電気抵抗への第2増加量と、異なる、
    請求項16に記載の遮断装置。
  18. 前記第1導電部と前記第2導電部とは、前記動作ピンの前記移動方向における寸法が異なる、
    請求項11〜17のいずれか1項に記載の遮断装置。
  19. 前記第1電路部は、外部回路に電気的に接続される第1端子を有し、
    前記第2電路部は、前記外部回路に電気的に接続される第2端子を有し、
    前記動作ピンは、前記駆動機構によって駆動されて前記移動方向に移動することで、前記第1電路部と前記第2電路部とを前記第1導電部を介して導通させた後、前記第1電路部と前記第2電路部とを前記第2導電部を介して導通させ、
    前記第1端子と前記第2端子との間に流れる電流の経路長は、前記第2導電部を介して前記第1電路部と前記第2電路部とが導通する場合の方が、前記第1導電部を介して前記第1電路部と前記第2電路部とが導通する場合よりも、長い、
    請求項11〜18のいずれか1項に記載の遮断装置。
  20. 前記第1導電部と前記第2導電部との間に位置して前記第1導電部と前記第2導電部との間を絶縁する介在部を備える、
    請求項11〜19のいずれか1項に記載の遮断装置。
  21. 前記動作ピン又は前記動作ピンに連動して移動する部材は、消弧作用を有する消弧部材を備える、
    請求項1〜20のいずれか1項に記載の遮断装置。
  22. 前記導電部は、温度上昇に応じて抵抗値が変化するサーミスタを備える、
    請求項1〜21のいずれか1項に記載の遮断装置。
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