JP2023118589A - 電気回路遮断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動後の絶縁抵抗値の低下を防ぐ電気回路遮断装置を提供する。【解決手段】電気回路遮断装置は、ハウジングに設けられた点火器と、ハウジング内に形成されると共に一方向に延在する収容空間に配置された発射体であって、点火器から受けるエネルギーにより収容空間に沿って発射される発射体と、ハウジングに設けられると共に電気回路の一部を形成する導体片であって、その一部に点火器から受けるエネルギーによって移動する発射体によって切除される被切除部を有し、当該被切除部が収容空間を横切るように配置された導体片と、収容空間のうち、点火器の作動前において被切除部を挟んで発射体とは反対側に位置し、発射体によって切除された被切除部を受けるための消弧領域に配置され、点火器の作動に伴う熱によって変性する樹脂材料で形成され、可撓性を有して、切除された被切除部が衝突した場合の衝撃を吸収する衝撃吸収部材とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電気回路遮断装置に関する。
電気回路には、その電気回路を構成する機器の異常時や、該電気回路が搭載されたシステムの異常時に作動することによって該電気回路での導通を緊急に遮断する遮断装置が設けられる場合がある。その一態様として、点火器等から付与されるエネルギーによって発射体を高速で移動させて、電気回路の一部を形成する導体片を強制的に且つ物理的に切断する電気回路遮断装置が提案されている(例えば、特許文献1、2等を参照)。また、近年では、高電圧の電源を搭載する電気自動車に適用される電気回路遮断装置の重要性が益々高まっている。
米国特許第2019051478号明細書 国際公開第2020/093079号
電気回路遮断装置において、作動時に切除された導体片の被切除部がハウジング内部で跳ね回ると、切除時のアーク放電によって蒸発した導体を拡散させて、作動後の絶縁抵抗値を低下させることが考えられる。
本開示の技術は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作動後の絶縁抵抗値の低下を防ぐ電気回路遮断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示の電気回路遮断装置は、
ハウジングに設けられた点火器と、
前記ハウジング内に形成されると共に一方向に延在する収容空間に配置された発射体であって、前記点火器から受けるエネルギーにより前記収容空間に沿って発射される発射体と、
前記ハウジングに設けられると共に電気回路の一部を形成する導体片であって、その一部に前記点火器から受けるエネルギーによって移動する前記発射体によって切除される被切除部を有し、当該被切除部が前記収容空間を横切るように配置された導体片と、
前記収容空間のうち、前記点火器の作動前において前記被切除部を挟んで前記発射体とは反対側に位置し、前記発射体によって切除された前記被切除部を受けるための消弧領域に配置され、前記点火器の作動に伴う熱によって変性する変性樹脂材で形成され、可撓性を有して、切除された前記被切除部が衝突した場合の衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、
を備える。
前記電気回路遮断装置は、前記消弧領域に配置されたクーラント材を更に備えてもよい。
前記電気回路遮断装置は、前記衝撃吸収部材が、前記クーラント材の内部に配置されてもよい。
前記電気回路遮断装置は、前記衝撃吸収部材が、前記消弧領域を画す前記ハウジングと前記クーラント材との間に配置されてもよい。
前記電気回路遮断装置は、前記衝撃吸収部材が、前記ハウジングの内壁面に沿ってリング状又は円弧状に配置されてもよい。
前記電気回路遮断装置は、前記衝撃吸収部材が、シリコーンを含む合成樹脂であってもよい。
本開示によれば、作動後の絶縁抵抗値の低下を防ぐ電気回路遮断装置を提供できる。
図1は、実施形態に係る電気回路遮断装置(以下、単に「遮断装置」という)1の内部構造を説明する図である。 図2は、実施形態に係る導体片の上面図である。 図3は、実施形態に係る遮断装置の作動状況を説明する図である。 図4は、変形例1に係る遮断装置の内部構造を説明する図である。 図5は、変形例2に係る遮断装置の内部構造を説明する図である。 図6は、図5のB-B線に沿う遮断装置1Bの断面図である。 図7は、円弧状の衝撃吸収部材がボトム容器における側壁部の内周面に沿って配置された例を示す図である。 図8は、変形例3に係る遮断装置の内部構造を説明する図である。
<第一実施形態>
以下に、図面を参照して本開示の実施形態に係る電気回路遮断装置について説明する。なお、実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
<構成>
図1は、実施形態に係る電気回路遮断装置(以下、単に「遮断装置」という)1の内部構造を説明する図である。遮断装置1は、例えば、自動車や家庭電化製品、太陽光発電システム等に含まれる電気回路や、当該電気回路のバッテリー(例えば、リチウムイオンバッテリー)を含むシステムの異常時に、電気回路を遮断することで大きな被害を未然に防止するための装置である。本明細書においては、図1に示す高さ方向(後述する収容空間13が延在する方向であり、以下、延在方向とも称す)に沿った断面を遮断装置1の縦断面といい、高さ方向と直交する方向の断面を遮断装置1の横断面という。図1は、遮断装置1の作動前の状態を示している。
遮断装置1は、外殻部材としてのハウジング10、点火器20、発射体40、導体片50、クーラント材60、衝撃吸収部材70等を含んでいる。ハウジング10は、一方向、例えば上端側の第1端部11から下端側の第2端部12の方向に延在する収容空間13を有している。この収容空間13は、発射体40が移動可能なように直線状に形成された空間であり、遮断装置1の上下方向に沿って延在している。図1に示すように、ハウジング10の内部に形成された収容空間13には、発射体40が収容されている。但し、本明細書において遮断装置1の上下方向とは、実施形態の説明の便宜上、遮断装置1における各要素における相対的な位置関係を示すものに過ぎない。
[ハウジング]
ハウジング10は、ハウジング本体100、トップホルダ110、ボトム容器120を含む。ハウジング本体100には、トップホルダ110およびボトム容器120が結合されており、これによって一体のハウジング10が形成されている。
ハウジング本体100は、例えば、概略角柱形状の外形を有している。但し、ハウジング本体100の形状は特に限定されない。また、ハウジング本体100には、上下方向に沿って空洞部が貫通するように形成されており、この空洞部は収容空間13の一部を形成している。更に、ハウジング本体100は、トップホルダ110のフランジ部111が固定される上面101と、ボトム容器120のフランジ部121が固定される下面102を有する。本実施形態においては、ハウジング本体100における上面101の外周側には、当該上面101から上方に向けて筒状の上筒壁103が立設されている。本実施形態において、上筒壁103は、例えば角筒形状を有しているが、他の形状を有していても良い。また、ハウジング本体100における下面102の外周側には、当該下面102から下方に向けて筒状の下筒壁104が垂設されている。本実施形態において、下筒壁104は、例えば角筒形状を有しているが、他の形状を有していても良い。以上のように構成されるハウジング本体100は、例えば、合成樹脂等といった絶縁部材によって形成することができる。例えば、ハウジング本体100は、ポリアミド合成樹脂の一種であるナイロンによって形成されていても良い。
[トップホルダ]
次に、トップホルダ110について説明する。トップホルダ110は、例えば、段付き円筒形状を有するシリンダ部材であり、内側が空洞状になっている。トップホルダ110は、上側(第1端部11側)に位置する小径シリンダ部112と、下側に位置する大径シリンダ部113と、これらを接続する接続部114と、大径シリンダ部113の下端から外側に向かって延在するフランジ部111等を含んで構成されている。例えば、小径シリンダ部112および大径シリンダ部113は同軸に配置されており、大径シリンダ部113は小径シリンダ部112よりも直径が一回り大きい。
また、トップホルダ110におけるフランジ部111の輪郭は、ハウジング本体100における上筒壁103の内側に収まるような概略四角形を有している。フランジ部111は、例えば、上筒壁103の内側に配置された状態で、ハウジング本体100における上面101にネジ等を用いて一体に締結されていても良いし、リベット等によって固定されていても良い。また、ハウジング本体100の上面101とトップホルダ110におけるフランジ部111の下面との間にシーラントを塗布した状態でトップホルダ110をハウジング本体100に結合しても良い。これにより、ハウジング10内に形成される収容空間13の気密性を高めることができる。また、シーラントの代わりに、或いはシーラントと併用してハウジング本体100の上面101とトップホルダ110のフランジ部111との間にOリングを介在させることによって収容空間13の気密性を高めるようにしても良い。
トップホルダ110における小径シリンダ部112の内側に形成される空洞部は、図1に示すように点火器20の一部を収容する収容空間として機能する。また、トップホルダ110における大径シリンダ部113の内側に形成される空洞部は、下方に位置するハウジング本体100の空洞部と連通しており、収容空間13の一部を形成している。上記のように構成されるトップホルダ110は、例えば、強度、耐久性に優れたステンレス、アルミニウム等といった適宜の金属製部材によって形成することができる。但し、トップホルダ110を形成する材料は特に限定されない。また、トップホルダ110の形状についても上記態様は一例であり、他の形状を採用しても良い。
[ボトム容器]
次に、ボトム容器120について説明する。ボトム容器120は、内部が空洞状の概略有底筒形状を有し、側壁部122、側壁部122の下端に接続される底壁部123、側壁部122の上端に接続されるフランジ部121等を含んで構成されている。側壁部122は、例えば円筒形状を有しており、フランジ部121は側壁部122における上端から外側に向かって延在している。ボトム容器120におけるフランジ部121の輪郭は、ハウジング本体100における下筒壁104の内側に収まるような概略四角形を有している。フランジ部121は、例えば、下筒壁104の内側に配置された状態で、ハウジング本体100における下面102にネジ等を用いて一体に締結されていても良いし、リベット等によって固定されていても良い。ここで、ハウジング本体100の下面102とボトム容器120におけるフランジ部121の上面との間にはシーラントが塗布された状態でボトム容器120がハウジング本体100に結合されても良い。これにより、ハウジング10内に形成される収容空間13の気密性を高めることができる。また、シーラントの代わりに、或いはシーラントと併用してハウジング本体100の下面102とボトム容器120のフランジ部121との間にOリングを介在させることによって収容空間13の気密性を高めるようにしても良い。
なお、ボトム容器120の形状に関する上記態様は一例であり、他の形状を採用しても良い。また、ボトム容器120の内側に形成される空洞部は、上方に位置するハウジング本体100と連通しており、収容空間13の一部を形成している。上記のように構成されるボトム容器120は、例えば、強度、耐久性に優れたステンレス、アルミニウム等といった適宜の金属製部材によって形成することができる。但し、ボトム容器120を形成する材料は特に限定されない。また、ボトム容器120は複層構造となっていても良い。例えば、ボトム容器120は、外部に面する外装部を強度、耐久性に優れたステンレス、アルミニウム等といった適宜の金属製部材によって形成し、収容空間13側に面する内装部を合成樹脂等といった絶縁部材によって形成しても良い。勿論、ボトム容器120の全体を絶縁部材によって形成しても良い。
上記のように、実施形態におけるハウジング10は、一体に組み付けられるハウジング本体100、トップホルダ110、およびボトム容器120を含んで構成され、その内側に第1端部11から第2端部12の方向に延在する収容空間13が形成される。この収容空間13には、以下に詳述する点火器20、発射体40、導体片50における被切除部53、クーラント材60および衝撃吸収部材70等が収容される。
[点火器]
次に、点火器20について説明する。点火器20は、点火薬を含む点火部21と、点火部21に接続された一対の導電ピン(図示せず)を有する点火器本体22を備えた電気式点火器である。点火器本体22は、例えば、絶縁樹脂によって包囲されている。また、点火器本体22における一対の導電ピンの先端側は外部に露出しており、遮断装置1の使用時に電源と接続される。
点火器本体22は、トップホルダ110における小径シリンダ部112の内部に収容された概略円柱状の本体部221と、本体部221の上部に位置するコネクタ部222を備えている。点火器本体22は、例えば、本体部221を小径シリンダ部112の内周面に圧入することによって小径シリンダ部112に固定されている。また、本体部221の軸方向中間部には、外周面が他所に比べて窪んだ括れ部が本体部221の周方向に沿って環状に形成されており、この括れ部にOリング223が嵌め込まれている。Oリング223は、例えば、ゴム(例えばシリコーンゴム)や合成樹脂によって形成されており、小径シリンダ部112における内周面と本体部221との間の気密性を高めるように機能する。
点火器20におけるコネクタ部222は、小径シリンダ部112の上端に形成された開口部112Aを通じて外部に突出して配置されている。コネクタ部222は、例えば、導電ピンの側方を覆う円筒形状を有しており、電源側のコネクタと接続できるように構成されている。
図1に示すように、点火器20の点火部21は、ハウジング10の収容空間13(より詳しくは、大径シリンダ部113の内側に形成される空洞部)を臨むようにして配置されている。点火部21は、例えば、点火器カップ内に点火薬を収容する形態として構成されている。例えば、点火薬は、一対の導電ピンの基端同士を連結するように連架されたブリッジワイヤ(抵抗体)に接触した状態で点火部21における点火器カップ内に収容されている。点火薬としては、例えば、ZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジル
コニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、THPP(水素化チタン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等を採用しても良い。
点火器20を作動させる際、点火薬を点火するための作動電流が電源から導電ピンに供給されると、点火部21におけるブリッジワイヤが発熱する結果、点火器カップ内の点火薬が着火、燃焼し、燃焼ガスが生成される。そして、点火部21の点火器カップ内における点火薬の燃焼に伴って当該点火器カップ内の圧力が上昇し、点火器カップの開裂面21Aが開裂し、点火器カップから燃焼ガスが収容空間13へと放出される。より具体的には、点火器カップからの燃焼ガスは、収容空間13内に配置された発射体40の後述するピストン部41における窪み部411に放出される。
[発射体]
次に、発射体40について説明する。発射体40は、例えば、合成樹脂等の絶縁部材によって形成されており、ピストン部41と、当該ピストン部41に接続されたロッド部42を含んでいる。ピストン部41は概略円柱形状を有し、トップホルダ110における大径シリンダ部113の内径と概ね対応する外径を有している。例えば、ピストン部41の直径は、大径シリンダ部113の内径に比べて僅かに小さくても良い。発射体40の形状はハウジング10の形状等に応じて適宜変更することができる。
また、ピストン部41の上面には、例えば、円柱形状を有する窪み部411が形成されており、この窪み部411に点火部21を受け入れている。窪み部411の底面は、点火器20の作動時に当該点火器20から受けるエネルギーを受圧する受圧面411Aとして形成されている。また、ピストン部41の軸方向中間部には、外周面が他所に比べて窪んだ括れ部がピストン部41の周方向に沿って環状に形成されており、この括れ部にOリング43が嵌め込まれている。Oリング43は、例えば、ゴム(例えばシリコーンゴム)や合成樹脂によって形成されており、大径シリンダ部113における内周面とピストン部41との間の気密性を高めるように機能する。
発射体40のロッド部42は、例えば、ピストン部41に比べて小径の外周面を有するロッド状部材であり、ピストン部41の下端側に一体に接続されている。ロッド部42の下端面は、遮断装置1の作動時に導体片50から被切除部53を切除するための切除面421として形成されている。なお、本実施形態におけるロッド部42は概略円筒形状を有しているが、その形状は特に限定されず、遮断装置1の作動時に導体片50から切除すべき被切除部53の形状や大きさに応じて変更なし得る。ロッド部42は、例えば、円柱、角柱などの柱形状を有していても良い。なお、図1に示す発射体40の初期位置においては、発射体40のロッド部42における切除面421を含む先端側の領域は、ハウジング本体100の空洞部(収容空間13の一部を形成する)に位置付けられている。ロッド部42の直径は、例えば、ハウジング本体100の内周面の内径よりも僅かに小さく、発射
体40の発射時に当該内周面に沿ってロッド部42の外周面がガイドされるように構成されている。
上記のように構成される発射体40は、詳しくは後述するが、点火器20の作動時に当該点火器20からのエネルギーを、受圧面411Aを含むピストン部41の上面が受圧することで、発射体40が図1に示す初期位置から発射され、収容空間13に沿って第2端部12側(下方)に向かって高速で移動する。具体的には、図1に示すように、発射体40のピストン部41は、トップホルダ110における大径シリンダ部113の内側に収容されており、大径シリンダ部113の内壁面に沿って軸方向に摺動可能である。本実施形態において、発射体40のピストン部41を概略円柱形状としているが、その形状は特に限定されない。ピストン部41の外形は、大径シリンダ部113の内壁面の形状および大きさに応じて適切な形状および大きさを採用し得る。
[導体片]
次に、導体片50について説明する。図2は、実施形態に係る導体片50の上面図である。導体片50は、遮断装置1の構成要素の一部を構成すると共に、遮断装置1を所定の電気回路に取り付けたときに当該電気回路の一部を形成する導電性の金属体であり、バスバー(bus bar)と呼ばれる場合がある。導体片50は、例えば、銅(Cu)等の金属に
よって形成することができる。但し、導体片50は、銅以外の金属で形成されていても良いし、銅と他の金属との合金で形成されても良い。なお、導体片50に含まれる銅以外の金属としては、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等が例示できる。
図2に示す一態様において、導体片50は全体として細長い平板片として形成されており、両端側の第1接続端部51および第2接続端部52と、これらの中間部分に位置する被切除部53等を含んでいる。導体片50における第1接続端部51および第2接続端部52には、それぞれ接続孔51A,52Aが設けられている。これら接続孔51A,52Aは、電気回路において他の導体(例えば、リードワイヤ)と接続するために使用される。なお、図1においては、導体片50における接続孔51A,52Aの図示を省略している。また、導体片50の被切除部53は、遮断装置1が適用される電気回路に過大電流等の異常が生じた場合に、発射体40のロッド部42によって強制的に且つ物理的に切断され、第1接続端部51および第2接続端部52から切除される部位である。導体片50における被切除部53の両端には、被切除部53が切断されて切除され易いように、切り込み(スリット)54が形成されている。
ここで、導体片50は種々の形態を採用することができ、その形状は特に限定されない。図2に示す例では、第1接続端部51、第2接続端部52および被切除部53の表面が同一面を形成しているが、これには限られない。例えば、導体片50は、第1接続端部51および第2接続端部52に対して被切除部53が直交、或いは、傾斜した姿勢で接続されていても良い。また、導体片50における被切除部53の平面形状についても特に限定されない。勿論、導体片50における第1接続端部51、第2接続端部52の形状も特に限定されない。また、導体片50における切り込み54は適宜、省略することができる。
ここで、実施形態に係るハウジング本体100には、一対の導体片保持孔105A,105Bが形成されている。一対の導体片保持孔105A,105Bは、ハウジング本体100の上下方向(軸方向)に直交する横断面方向に延在している。より詳しくは、一対の導体片保持孔105A,105Bが、ハウジング本体100の空洞部(収容空間13)を挟んで一直線上に延在している。上記のように構成される導体片50は、ハウジング本体100に形成された一対の導体片保持孔105A,105Bに挿通された状態でハウジング本体100に保持されている。図1に示す例では、導体片50の第1接続端部51が導体片保持孔105Aに挿通された状態で保持され、第2接続端部52が導体片保持孔10
5Bに挿通された状態で保持されている。また、この状態において、導体片50の被切除部53はハウジング本体100の空洞部(収容空間13)に位置付けられている。上記のように、ハウジング本体100に装着された導体片50は、被切除部53が収容空間13を横切るようにして、当該収容空間13の延在方向(軸方向)に直交する姿勢に保持される。なお、図2に示す符号L1は、遮断装置1のハウジング本体100に装着された状態における導体片50の上部に位置するロッド部42の外周位置を示す。本実施形態においては、導体片50は、ロッド部42の外周位置L1が被切除部53の両端に位置する切り込み54の位置と概ね重なるように設置される。本実施形態においては、例えば、収容空間13の横断面積は、被切除部53の横断面積に比べて大きいため、被切除部53の側方には隙間が形成されている。
[クーラント材]
次に、ハウジング10における収容空間13に配置されるクーラント材60について説明する。ここで、図1に示すように、遮断装置1(点火器20)の作動前において、ハウジング本体100における一対の導体片保持孔105A,105Bに保持された状態の導体片50の被切除部53は、ハウジング10の収容空間13を横切るように横架されている。以下、ハウジング10における収容空間13のうち、導体片50の被切除部53を挟んで発射体40が配置されている方の領域(空間)を「発射体初期配置領域R1」と呼び、発射体40とは反対側に位置する領域(空間)を「消弧領域R2」と呼ぶ。なお、上記のように、収容空間13を横切るように配置された被切除部53の側方に隙間が形成されているため、発射体初期配置領域R1および消弧領域R2は被切除部53によって完全に隔離されているのではなく、双方は連通している。勿論、被切除部53の形状および大きさ次第では、発射体初期配置領域R1および消弧領域R2が被切除部53によって完全に隔離されていても良い。
収容空間13の消弧領域R2は、遮断装置1(点火器20)の作動時に発射される発射体40のロッド部42によって切除された被切除部53を受けるための領域(空間)である。この消弧領域R2には、消弧材としてのクーラント材60が配置されている。クーラント材60は、発射体40が導体片50の被切除部53を切除した際に生じたアークおよび被切除部53の熱エネルギーを奪い、冷却することによって電流遮断時におけるアーク発生の抑制、或いは、発生したアークを消弧(消滅)させるための冷却材である。
遮断装置1における消弧領域R2は、発射体40によって導体片50における第1接続端部51および第2接続端部52から切除された被切除部53を受け入れるための空間であると同時に、発射体40が被切除部53を切除した際に生じたアークを効果的に消弧するための空間としての意義を有する。そして、導体片50から被切除部53を切除する際に生じたアークを効果的に消弧するために、消弧領域R2に消弧材としてクーラント材60が配置されている。
実施形態の一態様として、クーラント材60は、固形状である。また、実施形態の一態様として、クーラント材60が保形体によって形成されている。ここでいう保形体とは、例えば、外力が加わっていないときは一定の形状を保ち、外力が加わったときには変形が起こり得るとしても一体性を保持可能(バラバラにならない)な材料である。例えば、繊維体を所望の形状に成形したものが保形体として例示できる。本実施形態においては、クーラント材60を保形体である金属繊維によって形成している。ここで、クーラント材60を形成する金属繊維としては、スチールウールおよび銅ウールの少なくとも何れか一方を含む態様が挙げられる。但し、クーラント材60における上記態様は一例であり、これらに限定されるものではない。
クーラント材60は、例えば、概略円盤形状に成形されており、ボトム容器120の底
部に配置されている。本実施形態において、クーラント材60は、必須の構成要素ではなく、省略されてもよい。
[衝撃吸収部材]
次に、衝撃吸収部材70について説明する。衝撃吸収部材70は、ハウジング10における収容空間13内に配置される。本実施形態の衝撃吸収部材70は、消弧領域R2に配置され、点火器20が作動した際、発射体40によって切除された導体片50の被切除部53が衝突した場合の衝撃を吸収する可撓性を有する部材である。衝撃吸収部材70は、例えば、天然ゴム等の樹脂や、シリコーン等を含む合成樹脂によって形成される。衝撃吸収部材70は、例えば、ゴムのように弾性を有することによって被切除部衝突時の衝撃を吸収するものでもよいし、気泡緩衝材やスポンジのように気泡を含む構造によって被切除部衝突時の衝撃を吸収するものでもよい。
また、衝撃吸収部材70は、発射体40が導体片50の被切除部53を切除することで生じたアークおよび被切除部53の熱によって変性し、この変性によって熱エネルギーを消費させることでアークの消弧(消滅)に寄与してもよい。このように本実施形態の衝撃吸収部材70は、クーラント材60と同様に消弧材として機能する。なお、衝撃吸収部材70の変性は、主にアークの熱によって行われるが、この他、被切除部53が切除される際に生じる熱や点火薬の燃焼熱などの熱の影響も受け、これら点火薬の点火から消弧完了までに受ける熱を遮断装置1又は点火器20の作動に伴う熱と称する。
本実施形態の衝撃吸収部材70は、シリコーンを含む合成樹脂で形成される。なお、衝撃吸収部材70は、シリコーンに限らず、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ニトリルゴムなど、他の樹脂を用いたものであってもよい。また、衝撃吸収部材70は、少なくとも一部が熱によって変性するものであればよく、ガラスやセラミックのフィラー等を含む複合素材から構成されるものでもよい。
衝撃吸収部材70は、シート状に形成され、クーラント材60の内部に配置される。特に本実施形態では、収容空間13の延在方向においてクーラント材60の中央に衝撃吸収部材70が配置される。このため衝撃吸収部材70は、発射体40によって切除された被切除部53がクーラント材60を介して衝突する。このとき衝撃吸収部材70が衝撃を吸収することで、被切除部53が消弧領域R2内で跳ね回るのを抑え、クーラント材60によって被切除部53を効果的に冷却できるようにしている。
<動作>
次に、遮断装置1を作動させて電気回路を遮断する際の動作内容について説明する。上記のように、図1は、遮断装置1の作動前の状態(以下、「作動前初期状態」ともいう)を示している。この作動前初期状態において、遮断装置1における発射体40は、ピストン部41が収容空間13における第1端部11側(上端側)に位置付けられると共にロッド部42の下端に形成された切除面421が、導体片50における被切除部53の上面に位置付けられた初期位置にセットされている。
更に、実施形態に係る遮断装置1は、遮断する電気回路が接続された装置(車両、発電設備、蓄電設備など)の異常状態を検知する異常検知センサー(図示せず)、および、点火器20の作動を制御する制御部(図示せず)を更に備えている。異常検知センサーは、導体片50を流れる電流の他に、電圧や導体片50の温度に基づいて異常状態を検知することができても良い。また、異常検知センサーは、例えば衝撃センサー、温度センサー、加速度センサー、振動センサーなどであって、車両等の装置における衝撃、温度、加速度、振動に基づいて事故や火災などの異常状態を検知してもよい。遮断装置1の制御部は、例えば所定の制御プログラムを実行することで所定の機能を発揮できるコンピュータであ
る。制御部による所定の機能は、対応するハードウェアで実現することもできる。そして、遮断装置1が適用される電気回路の一部を形成する導体片50に過大な電流が流れると、その異常電流が異常検知センサーによって検出される。検出された異常電流に関する異常情報は、異常検知センサーから制御部に引き渡される。例えば、制御部は、異常検知センサーによって検出された電流値に基づいて、点火器20の導電ピンに接続された外部電源(図示せず)から通電を受け、点火器20を作動させる。ここで、異常電流とは、所定の電気回路の保護のために設定された所定の閾値を超える電流値であっても良い。なお、上述した異常検知センサーおよび制御部は、遮断装置1の構成要素に含まれていなくても良く、例えば遮断装置1とは別の装置に含まれていても良い。また、上記異常検知センサーや制御部は、遮断装置1に必須の構成ではない。
例えば、電気回路の異常電流を検知する異常検知センサーによって電気回路の異常電流が検知されると、遮断装置1の制御部は点火器20を作動させる。すなわち、外部電源(図示せず)から点火器20の導電ピンに作動電流が供給される結果、点火部21内の点火薬が着火、燃焼し、燃焼ガスが生成される。そして、点火部21内の圧力上昇に起因して開裂面21Aが開裂し、点火部21内から点火薬の燃焼ガスが収容空間13へと放出される。
ここで、点火器20の点火部21はピストン部41における窪み部411に受け入れられており、点火部21の開裂面21Aは、発射体40における窪み部411の受圧面411Aに対向して配置されている。そのため、点火部21からの燃焼ガスは窪み部411に放出されると共に、燃焼ガスの圧力(燃焼エネルギー)が受圧面411Aを含むピストン部41の上面に伝えられる。その結果、発射体40は、収容空間13の延在方向(軸方向)に沿って収容空間13を下方に移動する。
図3は、実施形態に係る遮断装置1の作動状況を説明する図である。図3の上段には遮断装置1の作動途中の状況を示し、図3の下段には遮断装置1の作動が完了した状況を示す。上記のように、点火器20の作動によって、点火薬の燃焼ガスの圧力(燃焼エネルギー)を受けた発射体40は勢いよく下方に押し下げられ、その結果、ロッド部42の下端側に形成された切除面421によって導体片50における第1接続端部51および第2接続端部52と被切除部53との間の各境界部を剪断によって押し切る。その結果、導体片50から被切除部53が切除される。なお、発射体40は、点火器20の作動時に収容空間13の延在方向(軸方向)に沿って円滑に移動することができる限りにおいて、発射体40の形状、寸法を自由に決定することができ、例えば発射体40におけるピストン部41の外径はトップホルダ110における大径シリンダ部113の内径と等しい寸法に設定されていても良い。
そして、発射体40は、図3の下段に示すように、ハウジング本体100の上面101にピストン部41の下端面が当接(衝突)するまで、所定のストロークだけ収容空間13の延在方向(軸方向)に沿って下方に移動する。そして、この状態において、発射体40におけるロッド部42によって導体片50から切除された被切除部53は、クーラント材60及び衝撃吸収部材70が配置されている消弧領域R2内に受け入れられる。その結果、導体片50の両端に位置する第1接続端部51および第2接続端部52は電気的に不通状態となり、遮断装置1が適用される所定の電気回路が強制的に遮断される。
実施形態における遮断装置1は、消弧領域R2にクーラント材60が配置されている。そのため、消弧領域R2に受け入れた切除後の被切除部53をクーラント材60によって急速に冷やすことができる。これにより、発射体40によって所定の電気回路の一部を構成する導体片50から被切除部53を切除した際、導体片50の被切除部53における切断面にたとえアークが発生したとしても、発生したアークを迅速且つ効果的に消弧するこ
とができる。
更に、遮断装置1は、消弧領域R2のクーラント材60の内部に衝撃吸収部材70を配置した。これにより、ロッド部42が導体片50から被切除部53を切除し、被切除部53がボトム容器120の底壁部123側に押し出されて、クーラント材60に衝突した際の衝撃を衝撃吸収部材70が吸収する。このため、被切除部53が消弧領域R2内で跳ね回ることが抑えられ、延いてはアークによって蒸発した導体の拡散が抑えられ、作動後の絶縁抵抗値の低下を抑制できる。また、衝撃吸収部材70は、点火器20の作動に伴う熱によって変性し、この変性によってアークの熱を消費させることにより、アークを迅速且つ効果的に消弧することができる。衝撃吸収部材70は、ハウジング10や発射体40など他の樹脂材と比べて、熱によって分解や揮発といった変性をし易い材料によって構成されており、この変性によってアークの熱を効果的に消費させることができる。また、本実施形態の衝撃吸収部材70は、熱分解によって生じるシリカ等の成分が高い抵抗値を示し、この成分が飛散することで切断後の絶縁性を高めることに寄与する。
以上のように、本実施形態における遮断装置1によれば、衝撃吸収部材70によって被切除部53が衝突した場合の衝撃を吸収し、被切除部53が消弧領域R2内で跳ね回ることを抑えて、作動後の絶縁抵抗値の低下を抑制できる。また、本実施形態における遮断装置1によれば、衝撃吸収部材70によって点火器20の作動に伴う熱を冷却し、切除された導体片50の蒸散を抑制し、作動後の絶縁抵抗値の低下を抑制できる。更に、遮断装置1によれば、電気回路の遮断時に大きな火花や火炎が生じたり、大きな衝撃音が発生することを好適に抑制できる。また、これらに起因して遮断装置1のハウジング10等が破損することも抑制できる。
<変形例1>
実施形態に係る遮断装置1は、種々の変形例を採用することができる。例えば、収容空間13の消弧領域R2に配置されるクーラント材60の形状、位置、範囲等は適宜変更することができる。例えば、図4は、変形例1に係る遮断装置1Aの内部構造を説明する図である。本変形例1の遮断装置1Aは、図1に示した遮断装置1の構成と比べ、衝撃吸収部材70Aをハウジング10の底壁部123とクーラント材60との間に配置されている構成が異なっている。なお、その他の構成は、同じであるため、同一の要素に同符号を付すなどして再度の説明は省略する。
図4に示すように、本変形例1において、衝撃吸収部材70Aは、ボトム容器120の底壁部123上に配置され、収容空間13の延在方向において、底壁部123とクーラント材60との間に位置している。このように衝撃吸収部材70Aが底壁部123とクーラント材60との間に配置された構成においても、前述の実施形態と同様に、衝撃吸収部材70Aが被切除部衝突時の衝撃を吸収して被切除部53が消弧領域R2内で跳ね回ることを抑えると共に、衝撃吸収部材70Aが点火器20の作動に伴う熱によって変性することで当該熱を消費することにより、作動後の絶縁抵抗値の低下を抑制できる。
<変形例2>
図5は、変形例2に係る遮断装置1Bの内部構造を説明する図、図6は図5のB-B線に沿う遮断装置1Bの断面図である。本変形例2の遮断装置1Bは、図1に示した遮断装置1の構成と比べ、衝撃吸収部材70Bをハウジング10の側壁部122に沿って配置した構成が異なっている。なお、その他の構成は、同じであるため、同一の要素に同符号を付すなどして再度の説明は省略する。
図6に示すように、本変形例2において、衝撃吸収部材70Bは、リング状に形成され、消弧領域R2を画す側壁部122の内周面に沿って配置されている。点火器20が作動
し、発射体40により、被切除部53が切除されてボトム容器120の側壁部122側へ移動した場合に、衝撃吸収部材70Bが被切除部衝突時の衝撃を吸収する。
このように衝撃吸収部材70Bがハウジング10の側壁部122に沿って配置された構成においても、前述の実施形態と同様に、衝撃吸収部材70Bが被切除部衝突時の衝撃を吸収して被切除部53が消弧領域R2内で跳ね回ることを抑えると共に、衝撃吸収部材70Bが点火器20の作動に伴う熱によって変性することで当該熱を消費することにより、作動後の絶縁抵抗値の低下を抑制できる。
なお、図6の遮断装置1Bでは、リング状の衝撃吸収部材70Bが配置されたが、これに代えて円弧状の衝撃吸収部材70Cが配置されても良い。図7は、円弧状の衝撃吸収部材70Cがボトム容器120における側壁部122の内周面に沿って配置された例を示す図である。また、円弧状の衝撃吸収部材70Cは、図7のように平面視した場合、側壁部122の内周面において、導体片50の第1接続端部51および第2接続端部52が配された側に設けられている。
このように円弧状の衝撃吸収部材70Cがハウジング10の側壁部122に沿って配置された構成においても、図6の衝撃吸収部材70Bが配置された場合と同様に、作動後の絶縁抵抗値の低下を抑制できる。更に、本変形例2は、前述の実施形態や変形例1と組み合わせ、消弧領域R2内に、底壁部123側の衝撃吸収部材70又は衝撃吸収部材70Aと、側壁部122の衝撃吸収部材70B又は衝撃吸収部材70Cとを備えた構成としてもよい。
<変形例3>
図8は、変形例3に係る遮断装置1Cの内部構造を説明する図である。本変形例3の遮断装置1Cは、図4に示した遮断装置1Aの構成と比べ、クーラント材60Cをボトム容器120の内面にそってカップ状に形成すると共に、側壁部122に沿って衝撃吸収部材70Cを配置した構成が異なっている。なお、その他の構成は、同じであるため、同一の要素に同符号を付すなどして再度の説明は省略する。
衝撃吸収部材70Cは、平面視において図7と同様に円弧状であってもよいし、図6と同様にリング状であってもよい。
このように本変形例3の遮断装置1Cは、側壁部122に沿う衝撃吸収部材70Cとクーラント材60Cとを組み合わせて配置することにより、切除された被切除部53の熱を効果的に冷却でき、作動後の絶縁抵抗値の低下を更に抑制できる。なお、底壁部123側に配置された衝撃吸収部材70Aは、図5のように省略されてもよい。
以上、本開示に係る電気回路遮断装置の実施形態について説明したが、本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
1: 遮断装置
10: ハウジング
100: ハウジング本体
110: トップホルダ
111: フランジ部
112: 小径シリンダ部
112A: 開口部
113: 大径シリンダ部
114: 接続部
120: ボトム容器
121: フランジ部
122: 側壁部
123: 底壁部
13: 収容空間
1A,1B,1C: 遮断装置
20: 点火器
21: 点火部
40: 発射体
41: ピストン部
42: ロッド部
50: 導体片
53: 被切除部
60,60C: クーラント材
70,70A,70B,70C: 衝撃吸収部材

Claims (6)

  1. ハウジングに設けられた点火器と、
    前記ハウジング内に形成されると共に一方向に延在する収容空間に配置された発射体であって、前記点火器から受けるエネルギーにより前記収容空間に沿って発射される発射体と、
    前記ハウジングに設けられると共に電気回路の一部を形成する導体片であって、その一部に前記点火器から受けるエネルギーによって移動する前記発射体によって切除される被切除部を有し、当該被切除部が前記収容空間を横切るように配置された導体片と、
    前記収容空間のうち、前記点火器の作動前において前記被切除部を挟んで前記発射体とは反対側に位置し、前記発射体によって切除された前記被切除部を受けるための消弧領域に配置され、前記点火器の作動に伴う熱によって変性する樹脂材料で形成され、可撓性を有して、切除された前記被切除部が衝突した場合の衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、
    を備える、電気回路遮断装置。
  2. 前記収容空間内に配置されたクーラント材を更に備える請求項1に記載の電気回路遮断装置。
  3. 前記衝撃吸収部材が、前記クーラント材の内部に配置されている請求項2に記載の電気回路遮断装置。
  4. 前記衝撃吸収部材が、前記消弧領域を画す前記ハウジングと前記クーラント材との間に配置されている請求項2に記載の電気回路遮断装置。
  5. 前記衝撃吸収部材が、前記ハウジングの内壁面に沿ってリング状又は円弧状に配置されている請求項1~4の何れか1項に記載の電気回路遮断装置。
  6. 前記衝撃吸収部材が、シリコーンを含む合成樹脂である請求項1~5の何れか1項に記載の電気回路遮断装置。
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