JP2020158392A - フルオロフェノール誘導体の製造方法及び新規なフルオロ化合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、効率的かつ高収率なフルオロフェノール誘導体の製造方法の提供である。【解決手段】前記課題は、本発明の式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物を反応させる、式(3)で表される化合物、式(4)で表される化合物、又は式(5)で表される化合物の製造方法によって解決することができる。【選択図】なし
Description
本発明は、フルオロフェノール誘導体の製造方法及び新規なフルオロ化合物に関する。
クレゾールやキシレノールなどのフェノール誘導体のオルト位又はパラ位にフッ素原子を有するフルオロフェノール誘導体の製造方法として、フェノール誘導体とフッ素ガスを反応させる方法が開示されている(特許文献1)。しかし、この方法で得られるフルオロフェノール誘導体の収率は、取り扱いの難しいフッ素ガスを使用するにも関わらず、オルト位又はパラ位にフッ素原子が導入された、2,3−ジメチル−4−フルオロフェノール及び2,3−ジメチル−6−フルオロフェノールを合計しても31.1%に過ぎない(特許文献1の実施例9を参照)。
本発明の目的は、効率的かつ高収率なフルオロフェノール誘導体の製造方法の提供である。
本発明者は、フェノール誘導体のオルト位又はパラ位にフッ素原子を有するフルオロフェノール誘導体の製造方法について、鋭意研究した結果、後述する特定のフルオロ化合物(式(1)で表される化合物)と特定のα−フルオロビニルケトンとを反応させれば、効率的かつ高収率に、かかるフルオロフェノール誘導体を得られること、特にパラ位にフッ素原子を有するフルオロフェノール誘導体が得られること、を見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]下式(1)で表される化合物及び下式(2)で表される化合物を反応させる、下式(3)で表される化合物、下式(4)で表される化合物、又は下式(5)で表される化合物の製造方法。
[式中、R1及びR3は、それぞれ独立して同一又は異なり、アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基であり、R2は、式−C(O)ORA、−C(O)ONRBRC、−CN又は−C(O)RDであり、前記RA、RB、RC及びRDは、それぞれ独立して同一又は異なり、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である。]、
[2]塩基存在下に反応させる[1]に記載の製造方法、
[3]前記塩基が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウムからなる群から選択される塩基である、[2]に記載の製造方法、
[4]極性溶媒中で反応させる[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法、
[5]前記極性溶媒が非プロトン性極性溶媒である、[4]に記載の製造方法、
[6]式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物を反応させる、式(3)で表される化合物の、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法、
[7]下式(6)で表される化合物。
[式中、R11及びR31は、それぞれ独立して同一又は異なり、炭素数1〜6アルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシメチル基、又は炭素数1〜6のチオアルキル基である。]、及び
[8]下式(7)で表される化合物。
[式中、R11及びR31は、それぞれ独立して同一又は異なり、炭素数1〜6アルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシメチル基、又は炭素数1〜6のチオアルキル基であり、R21は、式−C(O)ORA1、−C(O)ONRB1RC1、−CN又は−C(O)RD1であり、RA1、RB1、RC1及びRD1は、それぞれ独立して同一又は異なり、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のハロアルキル基である。]
に関する。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]下式(1)で表される化合物及び下式(2)で表される化合物を反応させる、下式(3)で表される化合物、下式(4)で表される化合物、又は下式(5)で表される化合物の製造方法。
[2]塩基存在下に反応させる[1]に記載の製造方法、
[3]前記塩基が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウムからなる群から選択される塩基である、[2]に記載の製造方法、
[4]極性溶媒中で反応させる[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法、
[5]前記極性溶媒が非プロトン性極性溶媒である、[4]に記載の製造方法、
[6]式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物を反応させる、式(3)で表される化合物の、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法、
[7]下式(6)で表される化合物。
[8]下式(7)で表される化合物。
に関する。
本発明のフルオロフェノール誘導体の製造方法によれば、フェノール誘導体のオルト位又はパラ位にフッ素原子を有するフルオロフェノール誘導体を効率的かつ高収率に製造できる。本発明の化合物(6)は、化合物(3)又は化合物(4)に効率的かつ高収率に変換できるため、化合物(3)又は(4)の中間体として有用である。
本明細書において用いる用語について説明する。
本明細書においては、式(1)で表される化合物は、化合物(1)と記すことがある。他の式で表される化合物においても同様である。
本明細書においては、式(1)で表される化合物は、化合物(1)と記すことがある。他の式で表される化合物においても同様である。
アルキル基は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基又はエチル基である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、第三級ペンチル基、ノルマルへキシル基及びイソへキシル基が挙げられる。
シクロアルキル基は、好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキル基である。すなわち3〜8員環のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基の具体例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、及びジシクロペンテニルオキシエチル基が挙げられる。
ハロアルキル基とは、アルキル基の1個以上の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等の1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。好ましくは炭素数1〜6のハロアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のハロアルキル基であり、特に好ましくはハロメチル基又は1−ハロエチル基であり、更に好ましくはモノクロロメチル基、モノブロモメチル基、モノヨードメチル基、1−クロロエチル基、1−ブロモエチル基又は1−ヨードエチル基であり、最も好ましくはモノクロロメチル基、モノブロモメチル基、1−クロロエチル基又は1−ブロモエチル基である。
アリール基は、好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。アリール基の具体例としては、ベンジル基、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、p−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−トリフルオロフェニル基、m−トリフルオロフェニル基、o−トリフルオロフェニル基、1−ナフチル基、及び2−ナフチル基等が挙げられる。
ヘテロアリール基は、好ましくは核原子数5〜10のヘテロアリール基である。ヘテロアリール基は、複素芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いたものである。複素芳香族炭化水素としては、芳香族炭化水素環を構成する炭素原子のうち、1つ以上の炭素原子が酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子で置換されたものを意味する。また、本明細書において、核原子数とは、炭素環や複素環の環を構成する原子の総数を意味する。ヘテロアリール基の具体例としては、ピリジル基、チオフェニル基、ビピリジル基、フェニルピリジニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、イミダゾリル基、ジベンゾフラニル基、イソキノリル基、ジベンゾホスホニル基等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル基は、好ましくは水酸基の結合した直鎖状又は分子鎖状のアルキル基を意味し、好ましくは炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基である。具体的なヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基が挙げられ、好ましくはヒドロキシメチル基又は1−ヒドロキシエチル基である。
チオアルキル基は、SH基が1個結合した直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を意味し、好ましくは炭素数1〜6のチオアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のチオアルキル基である。具体的なチオアルキル基としては、チオメチル基、1−チオエチル基、2−チオエチル基、3−チオ(n−プロピル基)が挙げられ、好ましくはチオメチル基、又は1−チオエチル基である。
前記ヒドロキシアルキル基の水酸基、又はチオアルキル基のチオール基は、保護基によって保護されてもよい。「保護基」とは反応性のある水酸基又はチオール基を一時的に保護するための基である。保護基としては、水酸基の保護基又はチオール基の保護基として用いられる公知の保護基を限定することなく、使用できる。具体的には、テトラヒドロピラニル基(THP)、トリエチルシリル基(TES)、又はt−ブチルジメチルシリル基(TBS)などが挙げられる。本明細書において、保護基によって保護されたヒドロキシアルキル基の保護体又はチオアルキル基の保護体は、ヒドロキシアルキル基又はチオアルキル基と化学的に等価と見なす。
化合物(1)、(3)、(4)、及び(5)におけるR1は、アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である。
化合物(2)、(3)、(4)、及び(5)におけるR3は、アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である。また、R1及びR3は、それぞれ独立して同一でもよく、異なっていてもよい。なお、化合物(2)は、α−フルオロビニルケトンである。
化合物(1)及び(5)におけるR2は、式−C(O)ORA、−C(O)ONRBRC、−CN又は−C(O)RDであり、前記RA、RB、RC及びRDは、それぞれ独立して同一又は異なり、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である。
前記化合物(1)〜(5)において、好ましくはR1及びR3は同一で、炭素数1〜6アルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシメチル基、又は炭素数1〜6のチオアルキル基であり、R2は、式−C(O)ORA1、−C(O)ONRB1RC1、−CN又は−C(O)RD1であり、RA1、RB1、RC1及びRD1は、それぞれ独立して同一又は異なり、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のハロアルキル基である。また、更に好ましくはR1及びR3は同一で、メチル基、ヒドロキシメチル基、チオメチル基、エチル基、1−ヒドロキシエチル基、又はチオエチル基であり、R2は、式−C(O)ORA11であり、RA11は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のハロアルキル基である。
化合物(2)、(3)、(4)、及び(5)におけるR3は、アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である。また、R1及びR3は、それぞれ独立して同一でもよく、異なっていてもよい。なお、化合物(2)は、α−フルオロビニルケトンである。
化合物(1)及び(5)におけるR2は、式−C(O)ORA、−C(O)ONRBRC、−CN又は−C(O)RDであり、前記RA、RB、RC及びRDは、それぞれ独立して同一又は異なり、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基である。
前記化合物(1)〜(5)において、好ましくはR1及びR3は同一で、炭素数1〜6アルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシメチル基、又は炭素数1〜6のチオアルキル基であり、R2は、式−C(O)ORA1、−C(O)ONRB1RC1、−CN又は−C(O)RD1であり、RA1、RB1、RC1及びRD1は、それぞれ独立して同一又は異なり、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のハロアルキル基である。また、更に好ましくはR1及びR3は同一で、メチル基、ヒドロキシメチル基、チオメチル基、エチル基、1−ヒドロキシエチル基、又はチオエチル基であり、R2は、式−C(O)ORA11であり、RA11は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のハロアルキル基である。
反応に供する化合物(1)のモル数と化合物(2)のモル数との比(化合物(1)/化合物(2))は、限定されるものではないが、経済性の観点から、0.3〜3.0が好ましく、0.5〜2.0がより好ましく、0.8〜1.2が更に好ましい。
本発明の製造方法は、塩基存在下で反応させる。塩基は限定されるものではないが、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、若しくはN−メチルモルホリン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、若しくは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、若しくは炭酸水素セシウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、若しくは炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩、リチウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、塩化マグネシウムジイソプロピルアミド等の金属アミド、メチルリチウム、若しくはn−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬、臭化メチルマグネシウム、若しくは塩化tert−ブチルマグネシウム等のグリニャール試薬、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、若しくはカリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、若しくは水素化カルシウム等の金属水素化物、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、若しくは酢酸カリウム等の酢酸金属塩が挙げられるが、最も好ましくはアルカリ金属炭酸塩である。アルカリ金属炭酸塩として、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸セシウムであり、最も好ましくは炭酸ナトリウム、又は炭酸カリウムである。
塩基の添加量は、化合物(1)と化合物(2)との反応が進行する限りにおいて、限定されるものではないが、好ましくは化合物(1)の1モルに対して、好ましくは1.0〜5.0モルであり、より好ましくは1.0〜3.0モルである。
塩基の添加量は、化合物(1)と化合物(2)との反応が進行する限りにおいて、限定されるものではないが、好ましくは化合物(1)の1モルに対して、好ましくは1.0〜5.0モルであり、より好ましくは1.0〜3.0モルである。
反応温度は、限定されるものではないが、例えば−30〜180℃であり、好ましくは20〜150℃であり、より好ましくは60〜130℃である。
反応圧力は、常圧、加圧、及び減圧のいずれであってもよく、常圧又は加圧が好ましい。
本発明の製造方法においては、溶媒の存在下に反応するのが好ましい。溶媒としては、アルコール系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、含イオウ化合物からなる含イオウ溶媒等が挙げられる。溶媒は、単独であっても、2種以上の混合溶媒であってもよい。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等が挙げられる。芳香族系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ピリジン等が挙げられる。脂肪族炭化水素系溶媒としては、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ニトリル系溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。含イオウ溶媒としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。
すなわち、溶媒としては、極性溶媒及び非極性溶媒のいずれも用いることができるが、好ましくは極性溶媒である。極性溶媒としては、プロトン性溶媒又は非プロトン性溶媒を用いることができるが、好ましくは非プロトン性溶媒である。プロトン性溶媒としては、前記アルコール系溶媒が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、前記エーテル系溶媒、アミド系溶媒、含イオウ溶媒又はニトリル系溶媒が挙げられる。溶媒量は、化合物(1)に対して、0.1〜1000倍体積量用いるのが好ましく、1倍〜100倍体積量用いるのが特に好ましい。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等が挙げられる。芳香族系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ピリジン等が挙げられる。脂肪族炭化水素系溶媒としては、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ニトリル系溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。含イオウ溶媒としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。
すなわち、溶媒としては、極性溶媒及び非極性溶媒のいずれも用いることができるが、好ましくは極性溶媒である。極性溶媒としては、プロトン性溶媒又は非プロトン性溶媒を用いることができるが、好ましくは非プロトン性溶媒である。プロトン性溶媒としては、前記アルコール系溶媒が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、前記エーテル系溶媒、アミド系溶媒、含イオウ溶媒又はニトリル系溶媒が挙げられる。溶媒量は、化合物(1)に対して、0.1〜1000倍体積量用いるのが好ましく、1倍〜100倍体積量用いるのが特に好ましい。
本発明の製造方法における反応機構は、必ずしも明確ではないが、次の様に考えられる。すなわち、下記反応式に示すように、化合物(1)及び化合物(2)の反応により化合物(8)が生成し、化合物(8)の脱水反応により化合物(9)が生成し、更に式−R2基が脱離して化合物(6a)が生成して、化合物(6a)の脱フッ化水素反応により目的物である化合物(3)及び化合物(4)が生成する。なお、式−R2基の脱離は、式−R2基がカルボキシ基である場合には脱炭酸反応により、式−C(O)ORA1、−C(O)ONRB1RC1または−CNである場合には、加水分解反応と脱炭酸反応とにより進行すると考えられる。一方、化合物(9)から脱フッ化水素反応により、化合物(5)が、合成される。
本発明の製造方法は、化合物(3)、化合物(4)、及び/又は化合物(5)を製造する方法であり、3つの化合物を同時に製造する方法であってもよく、2つの化合物を同時に製造する方法であってもよく、1つの化合物を製造する方法であってもよいが、好ましくは化合物(3)及び/又は化合物(4)を製造する方法であり、特に好ましくは化合物(3)を製造する方法である。
本発明の製造方法によって得られる化合物(3)、化合物(4)、又は化合物(5)は、公知の精製手段によって精製できる。精製手段としては、晶析、蒸留、昇華、種々のクロマトグラフによるカラム分画、再結晶、再沈殿、ろ過、又は活性炭処理等が挙げられる。前記化合物は、前記の精製手段を1つ以上組み合わせることにより、容易に単離及び精製可能である。得られた高純度な化合物は、所望の目的及び用途に供することができる。
本発明の製造方法によって得られる化合物(3)、化合物(4)、又は化合物(5)は、公知の精製手段によって精製できる。精製手段としては、晶析、蒸留、昇華、種々のクロマトグラフによるカラム分画、再結晶、再沈殿、ろ過、又は活性炭処理等が挙げられる。前記化合物は、前記の精製手段を1つ以上組み合わせることにより、容易に単離及び精製可能である。得られた高純度な化合物は、所望の目的及び用途に供することができる。
本発明の製造方法によって得られる化合物(3)、化合物(4)、化合物(5)は、それぞれ、フルオロフェノール誘導体(モノフルオロ化合物)であり、医薬、農薬、又は染料の中間体として有用である。
例えば、国際公開第2016/024434号には、縮合11員環化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌組成物及びその製造方法が開示されている。下記反応式に、本発明の製造方法によって得られる化合物(3)を用いた縮合11員環化合物の合成方法の1つの態様を示す。
下記反応式の化合物(11)が、本明細書における化合物(3)に相当する。化合物(11)を化合物(10)と反応させることにより、殺菌作用を有する縮合11員環化合物(12)を得ることができる。化合物(11)として、本明細書における化合物(4)又は化合物(5)を用いても、同じように縮合11員環化合物を得ることができる。
前記式(10)で表される化合物(10)におけるR41は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、R44は好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、nは0、1、又は2であり、G1は酸素原子又は硫黄原子である。Zは、例えば下記式(13)
で表される基であり、R7及びR8はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。
また、Zは、下記式(14)
で表される基でもよく、R13及びR16はそれぞれ独立してハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のフルオロアルキル基である。
例えば、国際公開第2016/024434号には、縮合11員環化合物を有効成分として含有する農園芸用殺菌組成物及びその製造方法が開示されている。下記反応式に、本発明の製造方法によって得られる化合物(3)を用いた縮合11員環化合物の合成方法の1つの態様を示す。
下記反応式の化合物(11)が、本明細書における化合物(3)に相当する。化合物(11)を化合物(10)と反応させることにより、殺菌作用を有する縮合11員環化合物(12)を得ることができる。化合物(11)として、本明細書における化合物(4)又は化合物(5)を用いても、同じように縮合11員環化合物を得ることができる。
また、Zは、下記式(14)
前記式(11)で表される化合物(11)におけるBは、保護基である。具体的には、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、トリフルオロプロパンスルホニル基、トルエンスルホニル基、ニトロベンゼンスルホニル基、メタンスルホニルアミド基等のスルホン系保護基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等のアシル系保護基、メチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、又は、ジフルオロメチル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基が挙げられる。R42及びR43はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である。
すなわち、前記化合物(11)は、化合物(3)のフェノール性水酸基を、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、トリフルオロプロパンスルホニル基、トルエンスルホニル基、ニトロベンゼンスルホニル基、メタンスルホニルアミド基等のスルホン系保護基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等のアシル系保護基、メチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、又は、ジフルオロメチル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基によって保護された化合物から得られる。
例えば、化合物(3)のR1及びR3がメチル基である場合、前記保護された化合物において、そのR1及びR3を公知の方法によりハロゲン化し、そしてアセトキシ化し、そして塩基の存在下でヒドロキシル化することにより得られる。なお、化合物(3)又は化合物(4)においても、同様にして対応した構造を有する化合物(11)が得られる。
すなわち、前記化合物(11)は、化合物(3)のフェノール性水酸基を、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、トリフルオロプロパンスルホニル基、トルエンスルホニル基、ニトロベンゼンスルホニル基、メタンスルホニルアミド基等のスルホン系保護基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等のアシル系保護基、メチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、又は、ジフルオロメチル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基によって保護された化合物から得られる。
例えば、化合物(3)のR1及びR3がメチル基である場合、前記保護された化合物において、そのR1及びR3を公知の方法によりハロゲン化し、そしてアセトキシ化し、そして塩基の存在下でヒドロキシル化することにより得られる。なお、化合物(3)又は化合物(4)においても、同様にして対応した構造を有する化合物(11)が得られる。
また、R1及びR3がヒドロキシメチル基、又は1−ヒドロキシエチル基である場合の化合物(3)、化合物(4)及び化合物(5)は、そのままフェノール性水酸基を上述した保護基で保護することにより、化合物(11)として使用できる。
また、R1及びR3がハロメチル基又は1−ハロエチル基である場合の化合物(3)、化合物(4)及び化合物(5)は、そのフェノール性水酸基を上述した保護基で保護した後に、そのR1及びR3を公知の方法により加水分解してヒドロキシメチル基、又は1−ヒドロキシエチル基を誘導することにより、化合物(11)として使用できる。
また、R1及びR3がチオメチル基、又は1−チオエチル基の場合は、そのまま化合物(11)に代えて、同様の反応を行うことができる。この場合、得られる縮合11員環化合物は、2個の酸素原子が硫黄原子に置き換わった化合物であるが、得られる化合物も殺菌作用を有する。
また、R1及びR3がハロメチル基又は1−ハロエチル基である場合の化合物(3)、化合物(4)及び化合物(5)は、そのフェノール性水酸基を上述した保護基で保護した後に、そのR1及びR3を公知の方法により加水分解してヒドロキシメチル基、又は1−ヒドロキシエチル基を誘導することにより、化合物(11)として使用できる。
また、R1及びR3がチオメチル基、又は1−チオエチル基の場合は、そのまま化合物(11)に代えて、同様の反応を行うことができる。この場合、得られる縮合11員環化合物は、2個の酸素原子が硫黄原子に置き換わった化合物であるが、得られる化合物も殺菌作用を有する。
前記化合物(11)と反応させる化合物(10)は、特に限定されるものではないが、より具体的な化合物としては、下記式(15)〜(29)の化合物を挙げられる。
これらの化合物(15)〜(29)と化合物(3)、(4)、又は(5)とを反応させることにより、殺菌作用を有する縮合11員環化合物を得ることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1》
4−フルオロ−2,3−ジメチルフェノールの合成を下記のスキームで示す。
ジメチルホルムアミド(DMF)3mLに炭酸カリウム4.2mmolを加えて80℃に加熱した後、化合物(1a)(メチル2−フルオロ−3−オキソペンタノエート)1.7mmol及び化合物(2a)(3−フルオロ−3−ブテン−2−オン)1.7mmolをDMF1.5mLに溶解させた液をゆっくり加えた。80℃で3時間撹拌した後、室温まで冷却してろ過で塩を取り除いた。ろ液を分析した結果、化合物(3a)(4−フルオロ−2,3−ジメチルフェノール)が収率76%で得られた。また、化合物(4a)(6−フルオロ−2,3−ジメチルフェノール)が収率10%で得られた。また、下記化合物(5a)(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−3,4−ジメチル安息香酸メチル)や下記化合物(5b)(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−3,4−ジメチル安息香酸)の生成も確認できた。
それぞれの化合物の同定データを以下に示す。
4−フルオロ−2,3−ジメチルフェノール:化合物(3a)
1H NMR(CDCl3) δ=6.74(t, 1H), 6.56(m, 1H), 4.52(s, 1H), 2.18(s, 3H), 2.17(s, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-126.3(s, 1F)
6−フルオロ−2,3−ジメチルフェノール:化合物(4a)
1H NMR(CDCl3) δ=6.81(t, 1H), 6.62(m, 1H), 5.09(d, 1H), 2.22(s, 3H), 2.18(s, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-144.7(m, 1F)
5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3,4-ジメチル安息香酸メチル:化合物(5a)
1H NMR(CDCl3) δ=10.83(s, 1H), 7.33(d, 1H), 3.93(s, 3H), 2.22(d, 3H), 2.20(s, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-127.5(d, 1F)
5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3,4-ジメチル安息香酸:化合物(5b)
1H NMR(CDCl3) δ=11.04(s, 1H), 7.40(d, 1H), 2.23(d, 3H), 2.20(s, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-127.8(d, 1F)
4−フルオロ−2,3−ジメチルフェノールの合成を下記のスキームで示す。
4−フルオロ−2,3−ジメチルフェノール:化合物(3a)
1H NMR(CDCl3) δ=6.74(t, 1H), 6.56(m, 1H), 4.52(s, 1H), 2.18(s, 3H), 2.17(s, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-126.3(s, 1F)
6−フルオロ−2,3−ジメチルフェノール:化合物(4a)
1H NMR(CDCl3) δ=6.81(t, 1H), 6.62(m, 1H), 5.09(d, 1H), 2.22(s, 3H), 2.18(s, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-144.7(m, 1F)
5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3,4-ジメチル安息香酸メチル:化合物(5a)
1H NMR(CDCl3) δ=10.83(s, 1H), 7.33(d, 1H), 3.93(s, 3H), 2.22(d, 3H), 2.20(s, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-127.5(d, 1F)
5-フルオロ-2-ヒドロキシ-3,4-ジメチル安息香酸:化合物(5b)
1H NMR(CDCl3) δ=11.04(s, 1H), 7.40(d, 1H), 2.23(d, 3H), 2.20(s, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-127.8(d, 1F)
《実施例2》
溶媒としてDMFに代えてアセトニトリル(MeCN)を用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(3a)が収率2%で得られ、化合物(4a)が収率1%で得られた。また、化合物(6a)(4,6−ジフルオロ−2,3−ジメチル−2−シクロヘキセノン)がジアステレオマーの混合物として収率80%で得られた。
化合物(6a)の同定データを以下に示す。
4,6-ジフルオロ-2,3-ジメチル-2-シクロヘキセノン:化合物(6a)
ジアステレオマー1
1H NMR(CDCl3) δ=5.20(m, 2H), 2.74(m, 1H), 2.45(m, 1H), 2.04(s, 3H), 1.86(d, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-179.1(m, 1F), -197.1(m, 1F)
ジアステレオマー2
1H NMR(CDCl3) δ=5.25(m, 1H), 4.82(m, 1H), 2.98(m, 1H), 2.31(m, 1H) 2.03(s, 3H), 1.87(s, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-176.1(m, 1F), -190.9(m, 1F)
溶媒としてDMFに代えてアセトニトリル(MeCN)を用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(3a)が収率2%で得られ、化合物(4a)が収率1%で得られた。また、化合物(6a)(4,6−ジフルオロ−2,3−ジメチル−2−シクロヘキセノン)がジアステレオマーの混合物として収率80%で得られた。
化合物(6a)の同定データを以下に示す。
4,6-ジフルオロ-2,3-ジメチル-2-シクロヘキセノン:化合物(6a)
ジアステレオマー1
1H NMR(CDCl3) δ=5.20(m, 2H), 2.74(m, 1H), 2.45(m, 1H), 2.04(s, 3H), 1.86(d, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-179.1(m, 1F), -197.1(m, 1F)
ジアステレオマー2
1H NMR(CDCl3) δ=5.25(m, 1H), 4.82(m, 1H), 2.98(m, 1H), 2.31(m, 1H) 2.03(s, 3H), 1.87(s, 3H)
19F NMR(CDCl3) δ=-176.1(m, 1F), -190.9(m, 1F)
《参考例1》
本参考例では、前記実施例2で得られた化合物(6a)を脱HF反応し、化合物(3a)及び化合物(4a)を得た。
化合物(6a)(6.2mmol)のDMF溶液に炭酸カリウム6.8mmolを加えて110℃で2h加熱した。反応液を分析した結果、化合物(3a)が収率72%で得られ、化合物(4a)が収率12%で得られた。
本参考例では、前記実施例2で得られた化合物(6a)を脱HF反応し、化合物(3a)及び化合物(4a)を得た。
化合物(6a)(6.2mmol)のDMF溶液に炭酸カリウム6.8mmolを加えて110℃で2h加熱した。反応液を分析した結果、化合物(3a)が収率72%で得られ、化合物(4a)が収率12%で得られた。
《実施例3》
塩基として炭酸カリウムに代えて炭酸セシウムを用いたこと、及び溶媒としてDMFに代えてMeCNを用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(3a)が収率66%で得られ、化合物(4a)が収率24%で得られた。
塩基として炭酸カリウムに代えて炭酸セシウムを用いたこと、及び溶媒としてDMFに代えてMeCNを用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(3a)が収率66%で得られ、化合物(4a)が収率24%で得られた。
《実施例4》
塩基として炭酸カリウムに代えて炭酸ナトリウムを用いたこと、及び反応温度を80℃に代えて140℃としたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(3a)が収率71%で得られ、化合物(4a)が収率13%で得られた。
塩基として炭酸カリウムに代えて炭酸ナトリウムを用いたこと、及び反応温度を80℃に代えて140℃としたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(3a)が収率71%で得られ、化合物(4a)が収率13%で得られた。
《実施例5》
溶媒としてDMFに代えてプロパンニトリル(EtCN)を用いたこと、及び反応温度を80℃に代えて100℃としたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(3a)が収率56%で得られ、化合物(4a)が収率25%で得られた。
溶媒としてDMFに代えてプロパンニトリル(EtCN)を用いたこと、及び反応温度を80℃に代えて100℃としたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(3a)が収率56%で得られ、化合物(4a)が収率25%で得られた。
《実施例6》
溶媒としてDMFに代えてエタノール(EtOH)を用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(4a)が収率42%で得られた。
溶媒としてDMFに代えてエタノール(EtOH)を用いたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(4a)が収率42%で得られた。
《実施例7》
溶媒としてDMFに代えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと、及び反応温度を80℃に代えて120℃としたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(3a)が収率21%で得られ、化合物(4a)が収率54%で得られた。
溶媒としてDMFに代えてシクロペンチルメチルエーテル(CPME)を用いたこと、及び反応温度を80℃に代えて120℃としたこと以外は、実施例1の操作を繰り返した。化合物(3a)が収率21%で得られ、化合物(4a)が収率54%で得られた。
本発明の製造方法によって得られるフルオロフェノール誘導体は、医薬、農薬、又は染料の中間体として有用である。
Claims (8)
- 下式(1)で表される化合物及び下式(2)で表される化合物を反応させる、下式(3)で表される化合物、下式(4)で表される化合物、又は下式(5)で表される化合物の製造方法。
- 塩基存在下に反応させる請求項1に記載の製造方法。
- 前記塩基が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウムからなる群から選択される塩基である、請求項2に記載の製造方法。
- 極性溶媒中で反応させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記極性溶媒が非プロトン性極性溶媒である、請求項4に記載の製造方法。
- 式(1)で表される化合物及び式(2)で表される化合物を反応させる、式(3)で表される化合物の、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017143245A JP2020158392A (ja) | 2017-07-25 | 2017-07-25 | フルオロフェノール誘導体の製造方法及び新規なフルオロ化合物 |
PCT/JP2018/026758 WO2019021889A1 (ja) | 2017-07-25 | 2018-07-17 | フルオロフェノール誘導体の製造方法及び新規なフルオロ化合物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Family Applications (1)
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JP5417597B2 (ja) * | 2006-10-25 | 2014-02-19 | 国立大学法人 千葉大学 | ベンゼン誘導体の製造方法及びそれに有用なシクロヘキセン誘導体の製造方法 |
KR102349237B1 (ko) * | 2014-04-23 | 2022-01-07 | 다케다 야쿠힌 고교 가부시키가이샤 | 알츠하이머 병의 치료를 위한 콜린작동성 무스카린 m1 수용체 양성 알로스테릭 조절인자 활성을 갖는 이소인돌린-1-온 유도체 |
-
2017
- 2017-07-25 JP JP2017143245A patent/JP2020158392A/ja active Pending
-
2018
- 2018-07-17 WO PCT/JP2018/026758 patent/WO2019021889A1/ja active Application Filing
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