JP2020157490A - 水圧転写用活性剤組成物、水圧転写方法及び水圧転写品 - Google Patents

水圧転写用活性剤組成物、水圧転写方法及び水圧転写品 Download PDF

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Abstract

【課題】 可塑剤の必要条件を満足することができ、且つ環境負荷の懸念を回避ずることができると共に、キャリアフィルムの脱膜時に泡を発生することがない可塑剤を含む水圧転写用活性剤組成物を提供すること。【解決手段】水圧転写用の転写フィルムの印刷パターン層に塗布して前記印刷パターン層を活性化するためのものであって樹脂分と溶剤分と可塑剤分とを含むが、前記可塑剤分は、2個以上のカルボキシレート基を有する非芳香族のカルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルであり、前記カルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルの分子量でエステル結合する末端側の脂肪族炭化水素基及び/又はエーテル結合を構成する最末端側の脂肪族炭化水素基の分子量を合計した値を除した値で求められる分子量割合が0.3以上である水圧転写用活性剤組成物を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、水圧転写用転写フィルム上の乾燥している印刷パターン層に塗布してこの印刷パターン層を活性化し、その付着性を回復するための活性剤組成物に関し、更に詳細に述べると、印刷パターン層のインクを溶剤成分によって活性化する溶剤系活性剤組成物、特に、環境負荷低減を目的とする活性剤組成物、この活性剤組成物を用いて水圧転写する方法及びこの方法によって製造された水圧転写品に関するものである。
一般に、溶剤系活性剤組成物は、樹脂分と溶剤分と可塑剤分とを含んでおり、従来技術の活性剤組成物の幾つかの例が特許文献1及び2(特許第3366149号公報及び特許第3385576号公報)に開示されている。これらの従来技術においては、樹脂分は、短油性アルキッド樹脂とセルロースアセトブチレート(CAB)とから成っていて印刷パターン層のインクの基材(被転写物品)への初期密着性を確保するとともにインクの拡散を防止し、溶剤分は、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトールアセテートから成っていて印刷パターン層のインクを溶解して印刷パターンの転写が終了するまでのインクの粘着性を確保し、また可塑剤は、フタル酸ジブチル(DBP)から成っていてインクの樹脂分に可塑性を付与して転写時の印刷パターン層の伸展性を確保する。
上記したように、特許文献1及び2に開示されている活性剤組成物の可塑剤は、フタル酸ジブチル(ジブチルフタレート)から成っているが、この成分は、他の従来技術の活性剤組成物でも同様に用いられている(特許文献4,5参照)。しかし、フタル酸ジブチルは、EU規則のリーチ法(REACH)で定められているように、環境負荷の高懸念物質(SVHC)に指定されており、今後、欧州に限らず、日本を含む他の国でも使用制限される可能性があり、可塑剤としてフタル酸ジブチルの使用を回避することが望まれている。
一方、活性剤組成物用の可塑剤は、(1)樹脂分の可塑化に優れていること、(2)水圧転写時に、インクの活性化された転写フィルムが被転写基材に良好な付き回り性で付着されること、(3)印刷パターン層の基材への密着性が優れていること、及び(4)転写後に可塑剤が水圧転写品の表面からブリード(滲出し)し難いこと、の少なくとも4つの必要条件を有することが要求される。
本出願人は、フタル酸ジブチル以外の成分で上記の4つの条件を満足することができる活性剤活性剤組成物を提案し、これは、特許文献5(特許第5276237号公報)に開示されているように、フタル酸ジブチルに代えて可塑剤として安息香酸エステル系、リン酸エステル系の成分が用いられている。
しかし、安息香酸エステル系、リン酸エステル系の可塑剤は、転写フィルムの水溶性キャリアフィルム(PVAフィルム)を水洗して水圧転写品から取り外す脱膜工程において、脱膜槽内でキャリアフィルムであるPVAが溶解して含有された水洗液が著しく泡立つため、水洗液が脱膜槽からオーバーフローする現象が発生し、水圧転写品を安定的に生産する上で問題があった。この問題を解決するために、脱膜槽内に泡の発生を抑制する消泡剤を添加することが試みられているが、十分な消泡効果を得ることができなかった。
特許第3366149号公報 特許第3385576号公報 特開2008-247007号公報 特開2010−83048号公報 特許第5276237号公報
本発明が解決すべき第1の課題は、可塑剤の必要条件を満足することができ、且つ環境負荷の懸念を回避することができると共に、キャリアフィルムの脱膜時の泡の発生を抑制することができる可塑剤を含む水圧転写用活性剤組成物を提供することにある。
本発明が解決すべき第2の課題は、可塑剤の必要条件を満足することができ、且つ環境負荷の懸念を回避することができると共に、キャリアフィルムの脱膜時の泡の発生を抑制することができる可塑剤を含む水圧転写用活性剤組成物を用いて物品上に印刷パターン層を水圧転写する方法を提供することにある。
本発明が解決すべき第3の課題は、可塑剤の必要条件を満足することができ、且つ環境負荷の懸念を回避することができると共に、キャリアフィルムの脱膜時の泡の発生を抑制することができる可塑剤を含む水圧転写用活性剤組成物を用いて水圧転写された印刷パターン層によって得られた装飾層を有する水圧転写品を提供することにある。
本発明の第1の課題を解決する手段は、水圧転写用の転写フィルムの印刷パターン層に塗布して前記印刷パターン層を活性化するためのものであって樹脂分と溶剤分と可塑剤分とを含む水圧転写用活性剤組成物において、前記可塑剤分は、2個以上のカルボキシレート基を有する非芳香族のカルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルであり、前記カルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルの分子量でエステル結合する末端側の脂肪族炭化水素基及び/又はエーテル結合を構成する最末端側の脂肪族炭化水素基の分子量を合計した値を除した値で求められる分子量割合が0.3以上であることを特徴とする水圧転写用活性剤組成物を提供することにある。
本発明の第1の課題解決手段において、前記可塑剤成分は、主可塑性成分と単独成分又は複数成分の副可塑剤成分とから成っていてもよく、前記副可塑剤成分は、前記主可塑剤成分よりも前記分子量割合が小さいことが望ましい。
この場合、前記主可塑剤成分の分子量割合と前記副可塑剤成分の分子量割合との差が0.05〜0.25であるのが好ましい。
本発明の第1の課題解決手段において、活性剤組成物全体に対する前記可塑剤成分の重量割合が13〜25%であるのが好ましい。
可塑剤が主可塑剤成分と副可塑剤成分とから成っている場合において、前記可塑剤全体に占める前記主可塑剤成分の重量割合が65〜80%であるのが好ましい。
本発明の第1の課題解決手段において、前記カルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルを構成するカルボン酸は、マレイン酸、コハク酸から選択することができる。
本発明の第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段による活性剤組成物を用いて水圧転写用転写フィルムの印刷パターン層を物品上に水圧転写する方法を提供することにある。
本発明の第3の課題解決手段は、第2の課題解決手段によって水圧転写用転写フィルムの印刷パターン層を水圧転写して得られた装飾層を有する水圧転写品を提供することにある。
本発明によれば、活性剤組成物の可塑剤は、2個以上のカルボキシル基を有するカルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルから成っているので、EU規則のリーチ法(REACH)における環境負荷の高懸念物質(SVHC)であるフタル酸ジブチルの使用を回避することができる。
また、カルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルの分子量でエステル結合する末端側の脂肪族炭化水素基及び/又はエーテル結合を構成する最末端側の脂肪族炭化水素基の分子量を合計した値を除した値で求められる分子量割合が0.3以上であると、脱膜工程でキャリアフィルムの溶解に伴う泡の発生を抑制することができるので、脱膜槽内に消泡剤を添加する必要がなく、脱膜工程の安定稼働を実現することができるが、この泡の発生抑制作用については実施例と共に詳細に述べる。
本発明の活性剤組成物を用いて物品上に転写フィルムの印刷パターン層を水圧転写する方法の概略図である。 図1の方法の各工程を模式的に示す図面である。 図2の方法によって得られた装飾層を有する物品の拡大断面図である。
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図1は、本発明の水圧転写用活性剤組成物が用いられる水圧転写方法を概略的に示し、この水圧転写方法は、印刷パターン層40が施された水溶性フィルム(キャリアフィルム)30から成る転写フィルム20を印刷パターン層40が上面となるようにして転写槽内の水50上に供給して浮かばせ、水圧転写すべき物品10をこの転写フィルム20を介して水50の中に押し込んで水圧転写する方法である。
水溶性フィルム30は、水を吸収して湿潤し軟化する。例えば、ポリビニールアルコール(PVA)を主成分とする水溶性材料から成っている。この水溶性フィルム30は、水圧転写時に、転写槽内の水50に触れて軟化し加飾されるべき物品に付き回って、水圧転写を行うことができるようにする。印刷パターン層40は、一般的な水圧転写の場合には、水溶性フィルム30の上にグラビア印刷やフレキソ印刷の如き適宜の印刷手段によって予め施されており、転写フィルムをロール巻き等の状態で保管するために、水圧転写前には、完全に付着性が失われた乾燥固化の状態にある。なお、この印刷パターン層40は、厳密な意味での模様の他に無地(無模様)の印刷層も含む。
この水圧転写方法の具体的な工程が図2に示されており、この方法は、物品10に水圧転写する前に(図2A参照)、転写フィルム20の印刷パターン層40に溶剤系の活性剤組成物60を塗布し(図2B参照)、この活性剤組成物中の溶剤分により印刷パターン層40の付着性を回復(再現)する。このように活性剤組成物60によって付着性が回復された印刷パターン層40を有する転写フィルム20を物品10に水圧転写する(図2C、図2D参照)。その後、図2Eに示すように、シャワー70等によって、物品10を水洗して、物品10に転写された印刷パターン層40(装飾層42)の上面を覆っている水溶性フィルム(膨潤溶解フィルム層)を除去し、更に、図2Fに示すように、熱風80によって表面を乾燥して、物品10の表面に印刷パターン層40を転写して装飾層42を形成するが(図3参照)、この装飾層42を保護するために、更に必要に応じて、透明なトップコートを施して加飾物品12を完成する。トップコートとしては、例えば、透明又は半透明の熱硬化性塗料や紫外線硬化性塗料が用いられる。
本発明に用いられる活性剤組成物60は、樹脂分と溶剤分と可塑剤分とを必須成分として含む溶剤系の組成物であり、この組成物は、更に、必要に応じて、微粒子シリカのような粒子や公知の他の添加剤を含んでいてもよい。
樹脂分は、印刷パターン層40のインクの基材(被転写物品)への初期密着性を確保するとともにインクの拡散を防止するためのものであり、 例えば、(1)アマニ油、大豆油、合成乾性油の如き各種の油脂類、(2)ロジン、硬化ロジン、ロジンエステル、重合ロジンの如き天然樹脂、(3)フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド樹脂、フッ素樹脂の如き合成樹脂、(4)ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂、エチルセルロースの如き繊維素誘導体、(5)塩化ゴム、環化ゴムの如きゴム誘導体、(6)カゼイン、デキストリン、ゼインの如き他の樹脂成分(特許文献4参照)のいずれか1つ又は複数の組み合わせとすることができる。このうち、短油性アルキッド樹脂が好ましく、これにセルロースアセトブチレート(CAB)を組み合わせることが一層好ましく、その理由は、特許文献1(同文献の段落番号0025参照)に記載されている通りである。
溶剤分は、印刷パターン層40のインクを溶解して印刷パターン層の転写が終了するまでのインクの粘着性を確保するものであり、従来の溶剤系活性剤組成物に使用されている適宜の溶剤成分とすることができるが、可塑剤に関連して後に述べる4つの必要要件のうち、転写時の転写フィルムの物品への付き回り及び物品表面との密着性の向上を補足するために、疎水性溶剤であるのが好ましい。疎水性溶剤は、転写フィルムの物品への付き回りと密着性を向上するほかに、水跡不良を低減する付加的な効果があるので、好ましい溶剤である。疎水性溶剤としては、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ブチルエーテル)、非芳香族炭化水素類(例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン)、環状ケトン類等の公知の溶剤を用いることができる。具体的には、少なくとも酢酸エステル系溶剤が好ましいが、酢酸エステル系溶剤と環状ケトン系溶剤とから成っているのが一層好ましい。この場合、前記酢酸エステル系溶剤に対する環状ケトン系溶剤の望ましい配合比(重量比)は、0.06乃至1である。なお、従来から用いられているブチルセロソルブのような親水性溶剤と疎水性溶剤との混合物を使用してもよい。
好ましい疎水性溶剤は、従来の溶剤系活性剤で慣用されている酢酸エステル系溶剤、特にブチルカルビトールアセテート(BCA)であるが、物品の基材のSP値(溶解度パラメーター)に近い溶解度(SP値)を有する疎水性溶剤を更に組み合わせることが一層好ましい。ブチルカルビトールアセテート(BCA)に組み合わせるのが好ましい疎水性溶剤は、一般的には、環状ケトンであるが、物品の基材がABS樹脂やポリカーボネート(PC)である場合には、シクロヘキサノンやシクロペンタノンが好ましい。また、ブチルカルビトールアセテートに比較的相溶性が小さいセルロースアセトブチレートが活性剤の樹脂分に含まれている場合には、環状ケトンは、セルロースアセトブチレートを溶解し易いシクロヘキサノンやシクロペンタノンであるのが好ましい。
樹脂分と溶剤分の好ましい配合割合は、樹脂分と溶剤分の合計に対して樹脂分が4〜15重量%であり(換言すると、樹脂分と溶剤分との重量比が1:24〜1:6であり)、その理由は、樹脂成分が4重量%未満であると、転写層(印刷パターン層)と基材との密着性が乏しくなったり、インクの保持性の低下や柄崩れの如き不具合が生じ易くなったりし、また15重量%を越えると、活性剤の塗工性やインク溶解性が低下して良好なインク活性化を行なうことが困難となることである。
可塑剤分は、インクの樹脂分に可塑性を付与して転写時の印刷パターン層の伸展性を確保するためのものであるが、本発明に用いられる可塑剤は、リーチ法において環境負荷で高懸念物質とされている従来技術で使用されているフタル酸ジブチル(DBP)の使用を回避し、且つ下記の7つの条件を満足するかやや満足することができるようにするために、2個以上のカルボキシレート基を有する非芳香族のカルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルであり、前記カルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルの分子量(MW)でエステル結合する末端側の脂肪族炭化水素基及び/又はエーテル結合を構成する最末端側の脂肪族炭化水素基の分子量を合計した値(SMW)を除した値で求められる分子量割合(ΣSMW/MW)が0.3以上である成分から成っている。特に、分子量割合(ΣSMW/MW)が0.45以上であると、脱膜泡の抑制効果と水転時の伸展性、水圧転写品の表面性状が一層有効となる。
(1)水圧転写品の装飾層の透明性を害さないこと(透明性)。
(2)水圧転写槽内で転写フィルムが膨潤する際に印刷層のインクずれを起こさないこと(インクずれ)。
(3)水圧転写品の装飾層のガラス曇度が低く、透明性が高いこと(ガラス曇度)。
(4)転写フィルムのキャリアフィルムを水圧転写品から取り除く際に泡の発生を起こさないこと(脱膜泡)。
(5)水圧転写槽内で転写フィルムの伸展性を妨げないこと(伸展性)。
(6)水圧転写品の表面にべたつきが少ないこと(表面性状)。
(7)装飾層が揮発油によって浸食されないこと(耐揮発油性)。
本発明において使用することができる2個以上のカルボキシレート基を有する非芳香族のカルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルは、マレイン酸系、コハク酸系の酸無水物を除くカルボン酸誘導体であり、その例として具体的には、ビス(2−エチルヘキシル)マレエート(略表記DOM)、ジエチルサクシネート(略表記DESU)、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)(製品名D931)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス(2−エチルヘキシル)(略表記DOTH)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2−エチルヘキシル(製品名E−PS)、ジブチルマレエート(略表記DBM),アセチルクエン酸トリブチル(略表記ATBC)がある。以下の記載でそれぞれの本発明に用いられる具体的な可塑剤成分は、略表記又は製品名で表現する。
この可塑剤成分は、2個以上のカルボキシレート基を有する非芳香族のカルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルを2種類以上選択して主可塑剤成分と単独成分又は複数成分の副可塑剤成分とで構成することができる。主可塑性成分は、水圧転写時の印刷パターンのインクの可塑化やフィルム伸展性等の活性剤としての基本作用(上記要件(1)(2)(5))と、脱膜泡の発生を抑制する作用に寄与し、副可塑性成分は、脱膜時の泡発生の抑制作用の増強や耐揮発油性、表面性状の調整に寄与する。
上記に掲げた具体的な可塑剤成分中、DOMとD931は、主可塑剤成分に好適であり、E−PS,DBM,ATBCは、副可塑剤成分に好適である。
主可塑剤成分と副可塑剤成分との可塑剤成分全体に対する分子量割合は、副可塑剤成分が主可塑剤成分よりも小さいことが望ましく、この場合、主可塑剤成分の分子量割合と前記副可塑剤成分の分子量割合との差が0.05〜0.25であるのが好ましいが、0.10〜0.20がより好ましく、0.13〜0.17が特に好ましい。この差が、0.05未満であると、ガラス曇度が高い上に伸展性、表面性状に乏しく、水圧転写時に活性剤の塗布むらが発生しやすくなる場合があり、また逆に0.25を越えると、脱膜泡の発生抑制効果が低く、伸展性が乏しくなる場合がある。
本発明において、活性剤組成物全体に対する可塑剤成分の重量割合は、13〜25%であるのが好ましいが、15〜22%であるのがより好ましい。重量割合が13%未満であると、脱膜泡の抑制、伸展性に乏しい上に、印刷層の製品への密着性が低くなる場合があり、逆に25%を越えると、表面性状、耐揮発油性が低い上に、水圧転写時にインクが過度に可塑化されインクのひずみが発生し易くなる場合がある。
可塑剤が主可塑剤成分と副可塑剤成分とから成っている場合において、可塑剤全体に占める主可塑剤成分の重量割合が65〜80%が好ましいが、68〜76%であるのがより好ましい。この重量割合が65%未満であると、活性剤の基本作用が低下する場合があり、80%を超えると、主可塑剤成分と副可塑剤成分との種類の組合せによっては、表面性状及び耐揮発油性に乏しくなる場合がある。
可塑剤の好ましい配合量は、水圧転写用活性剤組成物全体に対する重量割合で13〜25%であることが好ましい。可塑剤の配合割合が13%未満であると、脱膜泡の抑制効果や活性化された時の転写フィルムの伸展性が低下し、物品表面に形成された装飾層の密着性が低下する場合がある。また、可塑剤の配合割合が25%を超えると、物品表面に形成された装飾層の耐揮発油性や表面性状が低下したり、印刷パターンのインクが過度に可塑化されることによって水圧転写時の柄歪みが生じやすくなったりする場合がある。
活性剤組成物の必須成分に更に添加される微粒子シリカは、活性化されたインクにごみ等が付着するのを防止するためにインクを増粘してインク表面の見掛け乾燥化を図ると共に、インクにチクソ性を付与してインクズレを防止しつつインクに伸展性を維持する機能を有する。 微粒子シリカは、従来の活性剤に用いられている公知の親水性微粒子シリカを用いることができ、このような親水性微粒子シリカとしては、例えば、日本アエロジル社のAEROSIL(登録商標)R9200がある。
本発明の活性剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、体質顔料、レベリング剤、艶消し剤の如き公知の添加物を添加してもよい。
(実施例1乃至20及び比較例1乃至8)
以下に、本発明の具体的な実施例1乃至20(表1乃至4)を比較例1乃至8(表5及び6)と比較しながら説明する。いずれの実施例及び比較例とも、活性剤組成物が異なることを除いて図2の工程によって水圧転写を行った。また、いずれの実施例及び比較例とも、水圧転写面(装飾層)の表面に25±5μmのウレタン系紫外線硬化型透明トップコート(藤倉化成社製 PG2455A−N7クリヤ)を別途の工程で施した。
Figure 2020157490
Figure 2020157490
Figure 2020157490
Figure 2020157490
Figure 2020157490
Figure 2020157490
実施例及び比較例に使用した転写フィルム、活性剤、被転写体は、下記の通りであった。
(1)転写フィルム
出願人がライセンス先に供給している、「クリエイションライトオーク2C」と称する水圧転写フィルムを用いた。なお、この転写フィルムは、PVAフィルムの被転写面側に、顔料と合成樹脂との混合系からなる溶剤系インクを用いてグラビア印刷によって木目柄の印刷パターン層(溶剤成分は揮発除去された状態)が施されて形成されている。
(2)活性剤と塗工条件
本発明の実施例及び比較例に使用した活性剤は、表7の可塑剤、表8の樹脂成分、溶剤成分、微粒子シリカを用いて各実施例及び比較例毎に、表1〜6に示す組成で調合された。活性剤は、(1)の転写フィルムに12μmの厚みにグラビアロール塗工法で塗工された。
(3)被転写体
被転写体である物品としては、100mm×200mm×3mmのABS樹脂製の平板(ユーエムジー・エービーエス株式会社製 TM20)と100mm×200mm×3mmのPC/ABS樹脂製の平板(テクノポリマー社製 CK50)との両方を用いて、これらの平板によって変化する品質を評価結果に用いた。
Figure 2020157490
Figure 2020157490
表1〜6中の「評価」の結果における各評価方法は以下の通りである。評価方法において「◎」(最適)「○」(適合)「△」(やや適合)は、実用上好ましいか支障がないが、「×」(不適合)は、実用不可能であることを示す。
(透明性)
実施例及び比較例に用いられた活性剤及びこれらの活性剤を用いて得られた湿潤された転写フィルムの印刷模様層の透明性、鮮鋭性を目視で確認した。活性剤自体及び印刷模様層自体のいずれも透明で鮮鋭性がある場合を「○」とし、活性剤組成物自体、溶剤の揮発が早く転写フィルム上で半乾燥して被膜化した活性剤組成物の白濁及び転写フィルムの印刷模様層の鮮鋭性の阻害によって透明性、鮮鋭性が劣る場合を「×」とした。
(インクずれ)
活性剤組成物が塗布された面を上にして転写フィルムを水槽内の水面に浮かばせ、転写フィルムのキャリアフィルム(ベースフィルム)が水
を吸収して膨潤すると同時に印刷模様層活性剤組成物によって膨潤した際に、印刷模様層が歪んで流れたり崩れたりする状態の有無を目視で確認した。印刷模様層が膨潤後に均一に拡大され曲りや歪みがないか否かを目視で確認した。印刷模様層が膨潤後に均一に拡大されて印刷模様層の何処にも曲りや歪みがない場合を「○」とし、印刷模様層の何処にも曲りや歪みがないが、印刷模様層が均一に拡大されていない場合を「△」とし、印刷模様層の何処かに曲りや歪みがあり、印刷模様層が均一に拡大されていない場合を「×」とした。
(ガラス曇度)
ISO−6452準拠のガラス曇り(フォギング)試験装置内に試験片をビーカーに入れ専用ガラス板で蓋をした状態で配置し、加熱温度100℃で20時間内部を加熱したときの試験片の揮発成分の付着による専用ガラス板の曇り(フォギング)状態を評価した。試験片は、実施例及び比較例の活性剤組成物を用いてABS基材の被転写体に水圧転写を施した後、印刷模様層のトップコート加工を施して形成され。この試験片は、実施例及び比較例に用いられた寸法と異なって100mm×50mm×0.012mmであった。加熱温度100℃、加熱時間20時間で処理が行われた。この専用ガラス板の曇り状態(ガラス曇度)は、JIS-K7105規定の積分球式光線透過率測定装置(スガ試験器株式会社製直読ヘイズコンピュータ)を用いて測定したヘイズ値(曇りの度合い)で評価した。ヘイズ値が5%以下の場合を「○」とし、ヘイズ値が10%以下の場合を「△」とし、ヘイズ値が10%を越える場合を「×」とした。
(脱膜泡)
脱膜水槽に700Kgの水を溜め、濃度が2000ppmとなるように1.4kgのポリビニールアルコール(PVA)を溶解し、更に評価すべき活性剤組成物を400g混入した。その後、水を循環シャワーしながら脱膜洗浄を開始し、脱膜洗浄中の脱膜水槽内の泡の高さ上昇率(上昇速度)HR[cm/min]を経時的に計測した。HRが0.3cm/min以下の場合には「◎」とし、HRが0.5cm/min以下で0.3cm/min未満の場合には「○」とし、HRが1.0cm/min以下で0.5cm/minの場合には「△」とし、HRが1.0cm/minを越える場合には「×」とした。
(伸展性)
活性剤組成物が塗布された転写フィルム(幅510mm)が水圧転写槽の水面上に浮かべ、この転写フィルムのベースフィルムが水で膨潤すると同時に、印刷模様層も活性剤組成物によって膨潤し、それによって転写フィルムが一体的にある一定の拡大率に至るまで均一に伸長拡大する際に、転写位置(フィルム着水位置から3200mmの位置)における水圧転写槽のガイドチェーン(幅650mm)と膨潤したフィルム端部との間の距離Dを測定した。Dが0cm(フィルムがガイドチェーンに到達)である場合には「◎」とし、Dが5cm未満の場合には「○」とし、Dが5cm以上で8cm未満の場合には「△」とし、Dが8cm以上の場合には「×」とした。
(表面性状)
200mm×100mmの大きさの10枚のABS平板に実施例及び比較例の活性剤組成物を用いて水圧転写して印刷模様層を水圧転写し、脱膜工程によって、シャワーや熱風等で残存するベースフィルムやインク、活性剤組成物に含まれる溶剤分を揮発した後に平板に付着した異物個数を目視で観察して評価した。表面べたつきが強いものは、異物が多く、ベタつきの無いものは、異物が少ないか異物が確認されなかった。異物が確認されなかった平板が1枚もない場合には「◎」とし、異物が確認された平板が3枚以内である場合には「○」とし、異物がついた平板が4−5枚である場合には「△」とし、「異物がついた平板が6枚以上である場合には「×」とした。
(耐揮発油性)
ポリエチレン円筒(内径3cm)を水圧転写品のサンプル上に固定し、その円筒内に1号揮発油(nーヘキサン:n―ヘプタン=1:1)を5ml滴下してサンプル表面に接触させた状態で、20±2℃の温度で24時間放置した後、サンプルを水洗して風乾し、円筒の色差及び揮発油が接触していたサンプルの部分の塗面の状態(変色、シワ、割れ等)を目視で確認するとともに、揮発油が接触していないかった部分との色差ΔEで評価した。サンプルの塗面に問題がなく、且つ色差ΔEが1.5以下である場合には「○」とし、サンプルの塗面に問題がなく、且つ色差ΔEが1.5より大きい場合には「△」とし、色差ΔEの値に拘らず、サンプルの塗面に問題がある場合には「×」とした。
(評価結果)
実施例と比較例との評価は、表1乃至6の「評価」の欄に記載された通りであるが、これらの評価結果から次のことが分かる。
(1)可塑剤が2個以上のカルボキシレート基を有する非芳香族のカルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルであり、前記カルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルの分子量(MW)でエステル結合する末端側の脂肪族炭化水素基及び/又はエーテル結合を構成する最末端側の脂肪族炭化水素基の分子量を合計した値(SMW)を除した値で求められる分子量割合(ΣSMW/MW)が0.3以上である成分から成っている本発明の実施例1〜20は、この成分から外れている比較例1〜6と対比して分かるように、本発明の目的である環境規制に適合し、且つ先に述べた可塑剤の評価の対象である7つの条件、即ち、透明性、インクずれ、ガラス曇度、脱膜泡、伸展性、表面性状、耐揮発油性の全てにおいて好適であるか、使用に支障がないことが分かる。
(2)実施例中、可塑剤成分が副可塑剤成分を含まない実施例1〜3によれば、可塑剤の分子量割合が大きいほど脱膜泡の抑制効果が大きいことが分かる。可塑剤成分が副可塑剤成分を含まないため、伸展性、表面性状及び耐揮発油性にやや劣るが、使用には支障がなかった。
(3)実施例中、実施例1〜3と、可塑剤成分が副可塑剤成分を含む実施例5、7、8、10〜15、18、19との比較から、副可塑剤成分が含まれることによって、表面性状と耐揮発油性が向上することが分かった。
(4)実施例5、7、8、10〜15、18、19の実施例群(A)と実施例4、6、9の実施例群(B)とを比較すると、主可塑剤成分と副可塑剤成分との分子量割合の差が0.05〜0.25の範囲である実施例群(A)が表面性状と耐揮発油性の向上の観点から望ましいことが分かる。一方、主可塑剤成分と副可塑剤成分との分子量割合の差が0.33と上限値を越えている実施例4、6は、同じく使用に支障がないが、伸展性及び表面性状が低いことが分かる。また、実施例9によれば、分子量割合の差がそれぞれ0.02と下限値未満であるため、使用に支障はないがガラス曇度に劣り、更に、実施例9によれば、使用に支障はないが伸展性と表面性状が低下する傾向が見られた。
(5)実施例13によれば、活性剤組成物全体に対する可塑剤成分の配合(重量)割合が好ましい範囲の下限値である13%未満である10%であるので、使用に支障はないが脱膜泡がやや発生し、実施例14、15によれば、可塑剤の配合割合の好ましい範囲13〜25%内であるので、可塑剤に必要な全ての条件を具備していることが分かる。しかし、実施例16によれば、可塑剤の配合割合は好ましい範囲の上限値を越えている30%であり、使用に支障はないが表面性状及び耐揮発油性に劣ることが分かる。
(6)実施例4、5、17によれば、可塑剤成分中の主可塑剤成分の配合(重量)割合は、好ましい範囲の下限値より低い50%(実施例4,5)、63%(実施例17)であると、使用に支障はないが、脱膜泡が僅かに発生することが判明した。一方、実施例18、19によれば、主可塑剤成分の配合割合が好ましい範囲65〜80%の範囲内にあって脱膜泡の発生がほとんどなく、使用に好適であることが分かった。
(6)比較例中、比較例3乃至6は、フタル酸系の可塑剤成分を使用しているので、環境規制に適合しないし、また比較例1、2、7、8は、フタル酸系成分以外の可塑剤成分を使用しているので、環境規制には適合しているが、上記の7つの条件のいずれか1つ又は複数の条件を満足することができないので、本発明の対象外であることが分かる。
(7)実施例1乃至20を見渡すと、可塑剤成分が主可塑剤成分と副可塑剤成分とから成っており、可塑剤組成物全体に対する可塑剤成分の配合(重量)割合、主可塑剤成分と副可塑剤成分の分子量割合の差、可塑剤成分中の主可塑剤成分の配合(重量)割合が好ましい範囲にある実施例7,8、14,15、18及び19が好適な例であり、特に、実施例7,8が最も好適な例であることが分かる。
本発明の水圧転写用活性剤組成物は、可塑剤成分がフタル酸系の成分を含んでいないので、将来的には使用が禁止されるような規制から外れ、また脱膜泡の発生がないか少なく、可塑剤に必要な他の条件を満足しているので、水圧転写用に好適な活性剤を提供することができ、高い産業上の利用性を有する。
10 物品
20 転写フィルム
30 水溶性フィルム(キャリアフィルム)
40 印刷パターン層
50 水
60 溶剤系の活性剤組成物
70 シャワー
80 熱風

Claims (8)

  1. 水圧転写用の転写フィルムの印刷パターン層に塗布して前記印刷パターン層を活性化するためのものであって樹脂分と溶剤分と可塑剤分とを含む水圧転写用活性剤組成物において、前記可塑剤分は、2個以上のカルボキシレート基を有する非芳香族のカルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルであり、前記カルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルの分子量でエステル結合する末端側の脂肪族炭化水素基及び/又はエーテル結合を構成する最末端側の脂肪族炭化水素基の分子量を合計した値を除した値で求められる分子量割合が0.3以上であることを特徴とする水圧転写用活性剤組成物。
  2. 請求項1に記載の水圧転写用活性剤組成物であって、前記可塑剤成分は、主可塑性成分と単独成分又は複数成分の副可塑剤成分とから成っていてもよく、前記副可塑剤成分は、前記主可塑剤成分よりも前記分子量割合が小さい水圧転写用活性剤組成物。
  3. 請求項1に記載の水圧転写用活性剤組成物であって、前記主可塑剤成分の分子量割合と前記副可塑剤成分の分子量割合との差が0.05〜0.25である水圧転写用活性剤組成物。
  4. 請求項1に記載の水圧転写用活性剤組成物であって、活性剤組成物全体に対する前記可塑剤成分の重量割合が13〜25%である水圧転写用活性剤組成物。
  5. 請求項1に記載の水圧転写用活性剤組成物であって、可塑剤が主可塑剤成分と副可塑剤成分とから成っている場合において、前記可塑剤全体に占める前記主可塑剤成分の重量割合が65〜80%である水圧転写用活性剤組成物。
  6. 請求項1に記載の水圧転写用活性剤組成物であって、前記カルボン酸エステル又はカルボン酸エーテルエステルを構成するカルボン酸は、マレイン酸、コハク酸から選択される水圧転写用活性剤組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の活性剤組成物を用いて水圧転写用転写フィルムの印刷パターン層を物品上に水圧転写する方法。
  8. 請求項7に記載の方法によって水圧転写用転写フィルムの印刷パターン層を水圧転写して得られた装飾層を有する水圧転写品。
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