JP5672835B2 - パッド印刷用転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、パッド印刷に用いる転写シートに関する。
従来、被印刷物上の曲面等に印刷模様を直接形成する方法としてパッド印刷法が知られている。一般にパッド印刷法においては、原版である凹版にインキを塗布し、ブレード等を用いて凸部のインキを除去し、凹部内に残されたインキを軟質のパッドを押し付けることでパッド上に転写し、さらに、このパッドを被印刷物上の表面に押し付けることにより、パッド上に転写されているインキを被印刷物の表面に接触させる印刷を行う。
これに対し、特許文献1には、凸版印刷原版を用いることで印刷精度を改善したパッド印刷法が開示されている。
しかしながら、これらのパッド印刷法により多色印刷模様を形成する場合には、異なる色のインキ毎に、前記印刷工程を繰り返す必要があるため、作業工程が増えて繁雑になり、生産性に劣るという問題がある。また、色ズレなく高品質の多色印刷を行うためには、各色の印刷工程において印刷位置を正確に合わせる必要があり、印刷精度が不安定であるという問題がある。
特開平2−239972号公報
そこで、本発明は、被印刷物上に、少ない工程で多色印刷を施すことができ、かつ、印刷精度が安定したパッド印刷を可能とするパッド印刷用転写シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、パッド印刷用転写シートより印刷層をパッド上に転写し、このパッドを被印刷物に押し付けてパッド印刷を行うことで、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、
1.水不溶性基材フィルム上に少なくとも印刷層を積層してなるパッド印刷用転写シートであって、活性剤を用いて該印刷層の少なくとも一部を軟化させた後、パッド印刷によって被印刷物上に、軟化した印刷層を転写可能なパッド印刷用転写シート、
2.前記印刷層が、ビヒクルとしてセルロース系樹脂を含有するインキより形成されてなる上記1に記載のパッド印刷用転写シート、及び
3.前記水不溶性基材フィルムが、ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂から選択される1種以上を用いて形成されてなる上記1又は2に記載のパッド印刷用転写シート、
を提供するものである。
本発明のパッド印刷用転写シートによれば、被印刷物上に、少ない工程で多色印刷を施すことができ、かつ、印刷精度が安定したパッド印刷が可能となる。
本発明のパッド印刷用転写シートの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明のパッド印刷用転写シートの印刷層上に活性剤を塗布し、該印刷層の少なくとも一部を軟化させる工程を示す模式図である。 本発明のパッド印刷用転写シートの軟化した印刷層上にパッドを押し当てて、軟化した印刷層を写しとる工程を示す模式図である。 本発明のパッド印刷用転写シートより、軟化した印刷層を写しとったパッドを被印刷物上に押し当てて、これに加飾を施す工程を示す模式図である。
本発明のパッド印刷用転写シートは、水不溶性基材フィルム上に少なくとも印刷層を積層してなり、活性剤を用いて印刷層の少なくとも一部を、溶解乃至膨潤させ、軟化させた後、パッド印刷によって被印刷物上に、軟化した印刷層を転写することで、被印刷物の加飾を行うことができる。
図1は、本発明のパッド印刷用転写シートの構成の一例を示す概略断面図である。パッド印刷用転写シート10は、水不溶性基材フィルム1上に、グラビア印刷等により、複数の絵柄層からなる印刷層2が設けられている。
<水不溶性基材フィルム>
水不溶性基材フィルム1としては、通常印刷シートとして使用されるものであって、水不溶性のものであれば特に制限はなく、一般には、プラスチックフィルムを好適に用いることができる。プラスチックとしては、各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル等のアクリル樹脂;ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂;三酢酸セルロース樹脂;セロファン;ポリスチレン;ポリカーボネート樹脂;ポリアリレート樹脂等が挙げられる。
これらのうち、コスト、機械的強度等の観点から、ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂が好ましく用いられ、延伸ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートが、ハンドリング性やコストの観点から特に好ましい。
水不溶性基材フィルム1の厚さは特に限定されないが、10〜400μmの範囲が好適である。10μm以上であると、膜の均一性が良好で、かつ生産安定性が高い。一方、400μm以下であると、膜の剛性が高くなりすぎず、かつ印刷適性に優れる。以上の観点から、水不溶性基材フィルム1の厚さは、20〜200μmの範囲がより好ましい。
また、水不溶性基材フィルム1に用いられる合成樹脂には、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。
水不溶性基材フィルム1は、印刷層2との剥離性の観点から、印刷層2側の面に離型層や剥離層を設けてもよい。
<印刷層>
本発明のパッド印刷用転写シート10は、転写用の印刷層2を有し、該印刷層2を形成するためのインキとしては、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。
インキに含有される顔料としては、例えばチタン白、アンチモン白、鉛白、鉄黒、黄鉛、チタンイエロー、朱、カドミウムレッド、群青、コバルトブルー、パール顔料、アルミペースト等のシルバー顔料などの無機顔料;カーボブラック(墨インキ)、ベンジジンイエロー、イソインドリノンイエロー、ポリアゾレッド、キナクリドンレッド、インダスレンブルー、フタロシアニンブルー等の有機顔料を用いることができる。
また、インキに含有されるビヒクルとしては特に制限はなく、例えば、アマニ油、大豆油、合成乾性油等の各種の油脂類;ロジン、硬化ロジン、ロジンエステル、重合ロジン等の天然樹脂;フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド樹脂、フッ素樹脂等の合成樹脂;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂、エチルセルロース等のセルロース系樹脂;塩化ゴム、環化ゴム等のゴム誘導体;その他カゼイン、デキストリン、ゼイン等を挙げることができる。これらのうち、パッドへの転写性の観点から、セルロース系樹脂を用いることが好ましい。
セルロース系樹脂の重量平均分子量は、10万以上が好ましく、30万〜600万がより好ましく、50万〜200万が最も好ましい。
また、インキには、紫外線吸収剤や光安定剤を添加することが好ましく、被転写体に転写される印刷層の耐候性を高めることができる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機系化合物や、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機質系化合物が挙げられ、また、光安定剤としては、例えばビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤などを挙げることができる。
なお、これら紫外線吸収剤や光安定剤の含有量は、それぞれインキ全量基準で0.5〜10質量%程度である。
インキに含有される溶剤としては、特に制限はなく、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類、酢酸エステル類、エステル類、セロソルブ、ニトロ炭化水素類、ニトリル類、アミン類、その他アセタール類、酸類、フラン類等が挙げられる。これらのうち、環境等を考慮すると、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素は用いないことが好ましく、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、セロソルブ、シクロヘキサノン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコール・モノ・ブチルエーテル、及びプロピレングリコールなどを用いることが、活性剤組成物との溶解性等の観点から好ましい。なお、これらの溶剤は1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
印刷層2を形成する方法としては特に限定されないが、例えばオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷などによって形成することができる。
水不溶性基材フィルム1の一方の面に、グラビア印刷などにより印刷層2が形成される。多色の印刷層2を形成する場合には、絵柄層を2層以上設けることで印刷層2を形成することができる。この重ね刷りにおいては、例えばカラー写真などを印刷する場合、絵柄層を3〜7層設けることが一般的である。4色刷りでは、例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)が一般に用いられる。従来のパッド印刷においては、多色刷りをする場合には色の数に応じて、原版からパッドへの印刷層の転写工程、パッドの移動工程、及びパッドから被印刷物上への印刷層の転写工程を繰り返す必要があるところ、印刷層が複数の絵柄層からなる本発明のパッド印刷用転写シートを用いる場合、色の数が多い場合であっても、上記一連の工程を繰り返す必要が無いため、印刷工程が大幅に短縮でき、また、色ズレが生じないため、実用上極めて有用である。
印刷層2を構成する各絵柄層の厚さには特に制限はないが、通常0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μmである。
また、各絵柄層を形成する際のインキの塗布量は、各絵柄層の厚みが上記の範囲内にあれば特に制限はなく、0.5〜1.5g/m2であることが好ましく、0.7〜1.4g/m2であることがより好ましい。
<活性剤>
活性剤は、本発明のパッド印刷用転写シートの印刷層2に塗布することで、適度に印刷層2の少なくとも一部を溶解乃至膨潤して軟化させる(活性化させる)ものであり、パッドや被印刷物に印刷物が転写されるまでその状態を維持させることができるものである。
本発明で用いる活性剤としては、印刷層2の少なくとも一部を溶解乃至膨潤して軟化させるようなものであれば使用できるが、例えばエステル類、アルコール類、ケトン類などの溶剤を使用することができ、特に、フタル酸エステル1〜20質量%、アルコール類60〜90質量%、及びケトン類1〜20質量%を含有するものが好ましく用いられる。
本発明で用いる活性剤は、可塑剤としてフタル酸エステルを含有することが好ましい。可塑剤は、印刷層のインキを軟化させる機能を活性剤に付与するためのものである。
フタル酸エステルとしては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチルなどのフタル酸ジエステルが好ましく挙げられる。これらのうちフタル酸ジメチル及びフタル酸ジブチルがより好ましく、なかでもフタル酸ジメチルが活性状態を安定化させるのとともに、適度に他の溶剤とともに蒸発する点から好ましい。
アルコール類としては、エチルアルコール(沸点78℃)、イソプロピルアルコール(沸点82℃)、tert−ブチルアルコール(沸点84℃)、n−プロピルアルコール(沸点97℃)、2−ブチルアルコール(沸点99℃)などの沸点70〜100℃の低沸点アルコール、イソブチルアルコール(沸点108℃)、n−ブチルアルコール(沸点117℃)などの沸点100超〜130℃の高沸点アルコールなどが挙げられ、これらを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうちイソプロピルアルコール、及びイソブチルアルコールが好ましい。また、低沸点アルコールと高沸点アルコールとを併用することが好ましく、特にイソプロピルアルコールとイソブチルアルコールとの組み合わせが好ましく、また、その配合の質量比は1:7〜1:1が好ましく、1:7〜1:2がより好ましい。
また、ケトン類としては、メチルエチルケトン(沸点80℃)、メチルイソブチルケトン(沸点116℃)、ジブチルケトン(沸点187℃)、及びジイソブチルケトン(沸点168℃)などの沸点200℃以下のものが好ましく挙げられ、なかでもジブチルケトン、及びジイソブチルケトンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明で使用する活性剤には、さらにフタル酸エステルを除くエステル類を添加してもよい。
フタル酸エステルを除くエステル類としては、具体的には、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、メトキシブチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、シュウ酸ジブチルなどが挙げられる。これらのうち酢酸エステルが好ましく、なかでも酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明で用いる活性剤中のアルコール類の含有量は、60〜90質量%であることが好ましく、70〜90質量%がより好ましい。ケトン類の含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%がより好ましい。また、フタル酸エステルの含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、インキの一部の溶解が早すぎるという問題がなく、柄が流れる、あるいは歪むといったことがないことから、2〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。フタル酸エステルを除くエステル類の含有量は、0〜20質量%であることが好ましく、0〜15質量%がより好ましい。
本発明で用いる活性剤には、脂肪族炭化水素、エーテル類を含有させることもできる。
脂肪族炭化水素としては、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、オクタン、イソオクタンなどが挙げられ、これらのうちヘプタンが好ましい。
エーテル類としては、ブチルセロソルブ、イソアミルセロソルブなどが挙げられ、このうちブチルセロソルブが好ましい。
また、本発明で用いる活性剤には、例えば下記の樹脂を溶剤に対して1〜20質量%程度添加することができる。この樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル重合体;ポリスチレンやポリスチレン誘導体等のスチレン系重合体;ポリ酢酸ビニル等のビニルエステル重合体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸又はフマル酸等の不飽和カルボン酸類のエステル誘導体の重合体;同ニトリル誘導体又は同酸アミド誘導体の重合体;上記の不飽和カルボン酸類の酸アミド誘導体のN−メチロール誘導体及び同N−アルキルメチロールエーテル誘導体、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、2−ヒドロキシエチル−(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−(メタ)アクリレート、エチレングリコール−モノ(メタ)アクリレート等の単量体の、単独又は共重合体等からなる熱可塑性樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;フェノール系樹脂;メラミン系樹脂;尿素樹脂;エポキシ系樹脂;フタル酸ジアリル系樹脂;ケイ素樹脂;ポリウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂又はそれらの変性樹脂若しくは初期縮合物、或いは、天然樹脂、ロジン及びその誘導体、ニトロセルロース等のセルロース誘導体、天然又は合成ゴム、石油樹脂、セルロースアセテートブチレート(CAB)、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
[パッド印刷方法]
本発明のパッド印刷用転写シートを用いることで、被印刷物上に、印刷物を転写することができる。
以下、本発明のパッド印刷法により加飾成形品を製造する方法について説明する。
加飾成形品は、本発明のパッド印刷用転写シートを用い、(A)パッド印刷用転写シートの印刷層上に活性剤を塗布し、該印刷層の少なくとも一部を軟化させる工程、(B)軟化した印刷層上にパッドを押し当てて、軟化した印刷層を写しとる工程、及び(C)軟化した印刷層を写しとったパッドを被印刷物上に押し当てて、これに加飾を施す工程により製造することができる。
また、上記工程(A)〜(C)に加えて、さらに(D)転写された印刷層上に、保護膜を形成する工程を追加してもよい。
<工程(A)>
工程(A)は、図2に示すように、本発明のパッド印刷用転写シートの印刷層2上に活性剤3を塗布し、必要に応じてスムージングロールで該活性剤の塗布面を均一にし、印刷層2の少なくとも一部を溶解乃至膨潤して活性化させ、軟化した印刷層4とする工程である。
本工程においては、パッド印刷用転写シートを印刷層2側が上を向くように供給して、活性剤3を塗布することが好ましい。
活性剤3の塗布は、スプレーコート法やミヤバーコート法等により好ましく行われる。活性剤3の塗布量は、通常1〜50g/m2であり、好ましくは3〜30g/m2であり、さらに好ましくは10〜20g/m2である。
また、印刷層2上に活性剤3を塗布した後、該活性剤3が印刷層2にしみ込み、インキを軟化させる前に、塗布面に対してスムージングロールをあてて、該活性剤3の表面を均一にすることが好ましい。スムージングロールを採用することで、塗布した活性剤3の塗布面が均一なものとなり、被印刷物に優れた意匠性(透明感)や、意匠再現性を付与することができる。本発明において、印刷層2上に塗布した活性剤3が印刷層2にしみ込み、インキを再溶解させて軟化した印刷層4を形成するまでの時間は、通常5秒〜3分程度である。
スムージングロールは、鏡面状又は溝状の版を表面に有するロールであり、パッド印刷用転写シート10の進行方向に対して順回転又は反回転させながら、鏡面状又は溝状の版を活性剤3の塗布面にあてることで、該塗布面を均一にするものである。スムージングロールの表面に溝状の版を有する場合、溝の深さは水不溶性基材フィルム1の材質や、活性剤3の塗布量や塗布面の状態などにより適宜設定することができるが、通常10〜300μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、溝は一本であっても複数本あってもよい。スムージングロールは、活性剤3の塗装面を均一にする観点から、活性剤3の塗装面に対して水平にあてることが好ましく、パッド印刷用転写シート10の幅方向に揺動していることが好ましい。揺動させる速度は、通常1〜20mm/秒程度であり、1〜10mm/秒が好ましく、2〜7mm/秒がより好ましい。また、上記のスムージングロールの内径、回転数などは、水不溶性基材フィルム1の材質や、活性剤3の塗布量や塗布面の状態などにより適宜設定すればよい。
活性剤3は、パッド印刷用転写シート10における転写用の印刷層2の少なくとも一部を溶解乃至膨潤させて軟化させる機能を有するものであり、そのためにはある程度の時間を要する。一方、被印刷物の被印刷面に印刷層を転写させる工程が完了するまでに揮発してしまうことがないようにすることが肝要である。従って、多種多様な使用状況において最適な条件で被印刷物に印刷層を転写するためには、活性剤3の組成及び塗布量、スムージングロールの使用条件を適宜調整することが重要である。
<工程(B)>
工程(B)は、図3に示すように、軟化した印刷層4上にパッド5を押し当てて、軟化した印刷層4を写しとる工程である。
パッド5としては、その表面に一時的に軟化した印刷層4を保持しうる柔軟で弾性のある部材であれば特に限定されないが、シリコーンゴム製、ウレタンゴム製、ゼラチン製、ニトリルゴム製など、従来よりパッド印刷で用いられているものが仕様でき、通常は内部に中空部を有する。
工程(B)では、従来のパッド印刷法において凹版原版上に塗布されたインキをパッド上に写しとるところ、この凹版原版に代えて、上記工程(A)で得られた水不溶性基材フィルム1上に軟化した印刷層4を有するパッド印刷用転写シート10を用いる。
本工程では、パッド印刷用転写シート10を、軟化した印刷層4側を上にして支持体(図示せず)上に固定した状態でパッド5を押し当てることが好ましく、より具体的には、水不溶性基材フィルム側を両面テープ等で貼付したり、真空吸引したりして支持体に固定すると、水不溶性基材フィルム1と軟化した印刷層4との界面における剥離を促すことができる。
<工程(C)>
工程(C)は、図4に示すように、軟化した印刷層4を写しとったパッド5を被印刷物6上に押し当てて、これに加飾を施す工程である。
工程(C)は、従来のパッド印刷法と同様にして行うことができる。
<工程(D)>
工程(D)は、転写された印刷層上に、必要に応じて保護膜を形成する工程である。
当該工程(D)においては、前記工程(C)にて被印刷物の被転写面に転写された印刷層に対し、表面強度向上、表面保護、表面艶調整などのために必要に応じ塗装を施し、透明保護膜を形成する。この透明保護膜としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂など、具体的にはウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ケイ素系樹脂などが用いられる。塗装方法としては、スプレー塗装、静電塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、など公知の方法を用いることができる。
上記方法により得られる加飾成形品は、特に高い意匠性が要求される自動車内装材、建材、家具類、電気製品のハウジングなどとして好適に用いられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた加飾成形品について、以下に示す基準で評価した。
(評価方法)
(1)転写状態
活性化された絵柄を被印刷物に転写した後の絵柄の転写状態を目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。
○ ;均一に絵柄が転写されている。
△ ;一部の絵柄が印刷されていない。
× ;絵柄がほとんど転写されていない。
(2)初期密着性
被印刷物に絵柄が転写された初期状態において、シャワーにより水圧をかけた際の絵柄の状態を目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。
○ ;水圧に対して絵柄のくずれがなく、転写された状態を維持している。
△ ;若干柄がくずれる部分が存在する。
× ;絵柄がくずれ意匠性が損なわれる。
(3)ピンホール
転写時、溶剤揮発等によるピンホールが認められ、絵柄が転写されず水不溶性基材が見える状態であるか否かについて目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。
○ ;ピンホールなし。
△ ;ピンホールが若干見られたが実用上は問題ない程度である。
× ;絵柄全体にピンホールが発生した。
(4)柄割れ
被印刷物に絵柄を転写した後、活性剤による印刷層の溶解の度合いの違いにより、柄に亀裂や細かく割れたような状態(柄割れ)について評価した。評価基準は以下のとおりである。
○ ;柄割れがない。
△ ;一部に柄の割れがある。
× ;全体的に細かい柄の割れ、亀裂があり意匠再現性がない。
(5)柄流れ
被印刷物に絵柄を転写した後、活性剤による印刷層の溶解の度合いの違いにより、柄が基材からずれたり曲がった状態(柄流れ)について評価した。評価基準は以下のとおりである。
○ ;柄流れがない。
△ ;一部に柄のゆがみがある。
× ;全体的に柄流れが生じ、意匠再現性がない。
(6)付きまわり性
被印刷物の曲面部分において、曲面に沿って絵柄が転写されているかを目視にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
○ ;柄の切れ目がなく、曲面に沿って転写されている。
△ ;柄の伸びが若干不均一であるが、実用上は問題ない程度である。
× ;柄割れがあり、意匠性を損なうものである。
(7)ユズ肌、表面凹凸性
被印刷物に転写し、乾燥した後の表面の平滑性を目視及び触感により評価した。評価基準は以下のとおりである。
○ ;鏡面となり、滑らかな面となっている。
△ ;一部マット状になり若干の凹凸が存在するが、実用上は問題ない程度である。
× ;全面に凹凸がありざらつく。
(8)外観
被印刷物に転写し、乾燥し、透明保護層を設けた後の被印刷物に対して、意匠性を柄と伸びを考慮して目視にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
○ ;意匠性が良好である。
△ ;意匠性に一部不具合がある。
× ;全体的に意匠性が損なわれている。
製造例1(活性剤の調製)
フタル酸ジメチル5質量部、イソプロピルアルコール30質量部、イソブタノール55質量部及びジイソブチルケトン10質量部を混合して活性剤1を調製した。
製造例2(活性剤の調製)
ブチルカルビトールアセテート60質量部、ブチルセロソルブ20質量部、フタル酸ジブチル10質量部及びキシレン10質量部を混合して活性剤2を調製した。
実施例1
(1)パッド印刷用転写シートの作製
厚さ18μmの延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、電動式グラビア印刷機にて、グラビアインキ〔DICグラフィックス株式会社製、「GTカラー」、ビヒクル:セルロース系樹脂(重量平均分子量:100万)〕を用いて、塗布量0.75g/m2で多色の重ね刷りにより第1絵柄層〜第4絵柄層からなる厚さ2μmの印刷層(木目模様)を設けることによりパッド印刷用転写シートを作製した。
なお、インキの塗布量は、インキの塗布前後の質量を測定し、その差とした。
(2)加飾成形品の作製
鏡面板上に、両面テープを介して上記(1)で得たパッド印刷用転写シートを、印刷層が上を向くように固定し、製造例1で調製した活性剤1をミヤバーコート法により塗布量4g/m2で塗工した。常温下で1分間放置した後、パッド印刷用転写シートの軟化した印刷層側にパッドを10秒間押し当てることで印刷層をパッド上に転写した。次に、パッド上に転写した印刷層を被印刷物であるABS樹脂製成形体に10秒間押し当てて、印刷層を被印刷物上に転写した。
次に、得られた被転写体を乾燥して、印刷層が転写された加飾成形品を得た。
次いで、加飾成形品の印刷層の表面に、透明保護層として厚さ10μmのアクリル系樹脂層を形成した。
なお、活性剤の塗布量は、別に200×400mmの紙を用意して、各例と同じ条件で活性剤を塗布した際の、塗布前の紙の質量と、塗布後10秒以内の質量とを測定し、その質量の差とした。
上記方法にて評価した結果を第1表に示す。
実施例2〜4
第1表に示す活性剤とインキを使用した以外は、実施例1と同様にしてパッド印刷用転写シートを作成し、それを用いて加飾成形品を得た。
上記方法にて評価した結果を第1表に示す。

Figure 0005672835
インキ1:(DICグラフィックス株式会社製、「GTカラー」、ビヒクル:セルロース系樹脂、重量平均分子量:100万)
インキ2:(DICグラフィックス株式会社製、「KLCF」、ビヒクル:セルロース系樹脂、重量平均分子量:500万)
インキ3:(DICグラフィックス株式会社製、「MA」、ビヒクル:セルロース系樹脂、重量平均分子量:500万)
本発明のパッド印刷用転写シートによれば、被印刷物上に、少ない工程で多色印刷を施すことができ、かつ、印刷精度が安定したパッド印刷が可能となる。本発明のパッド印刷用転写シートを用いて製造された加飾成形品は、自動車内装材、建材、家具類、電気製品のハウジング等として好適に利用することができる。
1:水不溶性基材フィルム
2:印刷層
3:活性剤
4:軟化した印刷層
5:パッド
6:被印刷物
10:パッド印刷用転写シート

Claims (2)

  1. 水不溶性基材フィルム上に少なくとも印刷層を積層してなるパッド印刷用転写シートであって、該印刷層がビヒクルとしてセルロース系樹脂を含有するインキより形成されてなり、活性剤を用いて該印刷層の少なくとも一部を軟化させた後、パッド印刷によって被印刷物上に、軟化した印刷層を転写可能なパッド印刷用転写シート。
  2. 前記水不溶性基材フィルムが、ポリオレフィン樹脂及びポリエステル樹脂から選択される1種以上を用いて形成されてなる請求項1に記載のパッド印刷用転写シート。
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