JP2020157402A - ロボット制御装置、ロボットの制御方法、およびロボットシステム - Google Patents

ロボット制御装置、ロボットの制御方法、およびロボットシステム Download PDF

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Abstract

【課題】新たな動作を行わせる場合に、その動作についてロボットの振動の測定を行って、振動低減処理の設定をし直す煩雑さを低減する。【解決手段】この制御装置は、ロボットの可動部を移動させる動作を行うための第1制御信号から、あらかじめ定められた周波数の成分を低減して第2制御信号を生成することができる第2制御信号生成部と、前記ロボットの制御点の位置の範囲と周波数との組み合わせの情報を含む参照情報を記憶している記憶部と、を備え、前記第2制御信号生成部は、前記動作における前記ロボットの制御点の位置に基づいて、前記参照情報を参照して、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する。【選択図】図4

Description

本開示は、ロボットにおいて振動を低減する技術に関する。
従来、ロボットの技術分野において、エンドエフェクターに保持されたワークピースの振動を低減するための、以下のような技術が存在する。特許文献1の技術においては、あらかじめ、エンドエフェクターでワークピースを保持した状態におけるロボットが共振する振動数を特定する。そして、ロボットのサーボモーターを駆動制御する電流制御部に与えられるトルク制御信号(時間の関数として把握できる)に、帯域阻止フィルターを適用し、その振動数の成分をトルク制御信号から除去する。その結果、その振動数の成分を含まないトルク制御信号が電流制御部に与えられる。そのトルク制御信号に基づいて電流制御部によって駆動制御されたサーボモーターは、エンドエフェクターに保持されたワークピースをその振動数で共振させてしまうことがない。
特開2001−293638号公報
ロボットにおける共振周波数は、ロボットの制御点の位置によって異なる。このため、ある動作について、ロボットの振動の測定を行って共振周波数を特定し、トルク制御信号に帯域阻止フィルターを適用して振動を低減することができても、別の動作をロボットに実行させる場合には、そのままの設定では、十分な振動の低減を行うことができない。このため、新たな動作を行わせる場合には、その動作についてロボットの振動の測定を行って、帯域阻止フィルターの設定をし直し、トルク制御信号に帯域阻止フィルターを適用し直す必要がある。ロボットに新たな動作を教示するたびにこのような処理を行うことは、ユーザーに取って煩雑である。
本開示の一形態によれば、ロボットを制御するための制御装置が提供される。この制御装置は、ロボットの可動部を移動させる動作を行うための第1制御信号から、あらかじめ定められた周波数の成分を低減して第2制御信号を生成することができる第2制御信号生成部と、前記ロボットの制御点の位置の範囲と周波数との組み合わせの情報を含む参照情報を記憶している記憶部と、を備え、前記第2制御信号生成部は、前記動作における前記ロボットの制御点の位置に基づいて、前記参照情報を参照して、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する。
本実施形態のロボットシステムを示す説明図である。 ロボット制御装置300の構成要素と、ロボット100が備えるサーボモーター410、位置センサー420および力覚センサー190と、の関係を示すブロック図である。 本実施形態のロボットシステム1の運用の流れを示すフローチャートである。 振動低減処理において低減される周波数と対応づけられている、ロボット100の制御点TCPの位置の範囲を示す説明図である。 参照情報306が格納している情報を示す表である。 図3のステップS100において、第1制御信号CS1から除去される周波数が指定される際の教示装置600の表示を示す図である。 動作においてアーム110が先端170において支持する物体の質量に応じた共振周波数の変化を示すグラフである。 ロボット100の姿勢A01を示す図である。 ロボット100の姿勢A02を示す図である。 ロボット100の姿勢A03を示す図である。 ロボット100の姿勢A04を示す図である。 ロボット100の姿勢A05を示す図である。 複数のプロセッサーによってロボットの制御装置が構成される一例を示す概念図である。 複数のプロセッサーによってロボットの制御装置が構成される他の例を示す概念図である。
A.第1実施形態:
A1.ロボットシステムの構成:
図1は、本実施形態のロボットシステムを示す説明図である。本実施形態のロボットシステムは、ロボット100と、エンドエフェクター200と、ロボット制御装置300と、教示装置600と、を備える。
ロボット100は、6個の回転関節X11〜X16を備えたアーム110を有する6軸ロボットである。アーム110は、基台180に支持されている。関節X11,X14,X16は、ねじり関節である。関節X12,X13,X15は、曲げ関節である。ロボット100は、6個の関節X11〜X16をそれぞれサーボモーターで回転させることにより、アーム110の先端170に取りつけられたエンドエフェクター200を、3次元空間中の指定された位置に指定された姿勢で配することができる。エンドエフェクター200が取りつけられるアーム110の先端170は、アーム110の両端のうち、基台180と接続されている端とは逆の端である。
3次元空間におけるエンドエフェクター200の位置を代表する地点を、TCP(Tool Center Point)とも呼ぶ。本実施形態においては、制御点としてのTCPは、ロボット100のアーム110の先端170にある。
図1において、基台180の位置を基準として、ロボット100が設置された空間を規定する座標系をロボット座標系を示す。ロボット座標系は、水平面上において互いに直交するX軸およびY軸と、鉛直上向きを正方向とするZ軸とによって規定される三次元直交座標系である。本明細書において、単に「X軸」と表記した場合、ロボット座標系におけるX軸を表す。単に「Y軸」と表記した場合、ロボット座標系におけるY軸を表す。単に「Z軸」と表記した場合、ロボット座標系におけるZ軸を表す。ロボット座標系における任意の位置は、X軸方向の位置と、Y軸方向の位置と、Z軸方向の位置とにより特定できる。
ロボット100のアーム110の先端170は、フランジ状すなわち円板状の形状で構成されている。ロボット100は、アーム110の先端170に力覚センサー190を備えている。エンドエフェクター200は、力覚センサー190を介して、ロボット100のアーム110の先端170に取りつけられている。力覚センサー190は、エンドエフェクター200に作用するX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力と、X軸、Y軸、Z軸まわりのトルクを測定することができる。力覚センサー190の出力は、ロボット制御装置300に送信され、ロボット100の制御に使用される。
エンドエフェクター200は、アーム110の先端に取りつけられている。エンドエフェクター200は、ロボット制御装置300に制御されて、ワークピースW01をつかむことができ、また、つかんでいるワークピースW01を離すことができる。その結果、たとえば、ロボット100とエンドエフェクター200とは、ロボット制御装置300に制御されて、ワークピースW01をつかんで移動させることができる。ワークピースW01は、具体的には、ロボット100が作業を行う対象物である。
ロボット制御装置300は、ロボット100に接続されており、ロボット100の動作を制御する。より具体的には、ロボット制御装置300は、ロボット100の関節X11〜X16を動かすサーボモーター410を駆動する。ロボット制御装置300は、プロセッサーであるCPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read-Only Memory)303を備える。ロボット制御装置300には、ロボット100を制御するための制御プログラムがインストールされている。ロボット制御装置300においては、ハードウェア資源としてのCPU301、RAM302、ROM303と、制御プログラムとが協働する。具体的には、CPU301が、ROM303に記憶されたコンピュータープログラムをRAM302にロードして実行することによって、様々な機能を実現する。
教示装置600は、ロボット制御装置300に目標位置Stと目標力fStとを教示するための装置である。目標力fStは、成分として、直線的に作用する力と、トルクと、を含みうる。教示装置600は、いわゆる「ティーチングペンダント」である。ロボット100に作業を実行させる際には、あらかじめ、教示装置600によるロボットの動作の教示が行われる。ロボット制御装置300は、教示の結果をデータとしてRAM302に格納する。ロボット制御装置300は、ロボット100に作業を実行させる段階において、RAM302に格納された教示結果を表すデータに基づいて、ロボット100を制御する。
教示装置600は、プロセッサーであるCPU601、RAM602、ROM603を備える。教示装置600には、ロボット制御装置300に目標位置Stと目標力fStとを教示するための制御プログラムがインストールされている。教示装置600においては、ハードウェア資源としてのCPU601、RAM602、ROM603と、制御プログラムとが協働する。具体的には、CPU601が、ROM603に記憶されたコンピュータープログラムをRAM602にロードして実行することによって、様々な機能を実現する。
教示装置600は、さらに、入力装置604と、出力装置605を備える。入力装置604は、ユーザーからの指示を受け付ける。入力装置604は、例えば、キーボード604a、操作レバー604b、タッチパネル604c等である。出力装置605は、ユーザーに、ロボット100の動作設定のためのユーザーインターフェイスや警告を含む各種の情報を出力する。出力装置605は、例えば、液晶ディスプレイやスピーカー等である。本実施形態においては、出力装置605としての液晶ディスプレイの上に、入力装置604としてのタッチパネル604cが設けられている。
図2は、ロボット制御装置300の構成要素と、ロボット100が備えるサーボモーター410、位置センサー420および力覚センサー190と、の関係を示すブロック図である。ロボット制御装置300は、その機能部として、制御信号生成部310と、位置制御部320と、速度制御部330と、フィルター処理部340と、トルク制御部350と、サーボアンプ360と、フィルター設定部345と、力制御部390と、を備える。制御信号生成部310と、位置制御部320と、速度制御部330と、フィルター処理部340と、フィルター設定部345と、トルク制御部350と、力制御部390とは、CPU301によって実現される。
制御信号生成部310は、エンドエフェクター200が位置すべき目標位置Stを表す位置制御信号を生成し、位置制御部320に出力する。制御信号生成部310は、力制御を実施すべき指示をユーザーから受けている場合には、目標力fSt、すなわち、エンドエフェクター200が発生させるべき力およびその力の方向、ならびにトルクおよびそのトルクの向きを表す力制御信号を生成し、力制御部390に出力する。制御信号生成部310は、ロボット100が実行中の動作を表すコマンドを、フィルター設定部345に出力する。
力制御部390は、目標力fSt、すなわち、エンドエフェクター200が発生させるべき力およびその力の方向、ならびにトルクおよびそのトルクの向きを表す力制御信号を、制御信号生成部310から受信する。力制御部390は、エンドエフェクター200に作用しているX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力と、U軸、V軸、W軸まわりのトルクとを、力覚センサー190から受信する。エンドエフェクター200に作用しているX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の力と、U軸、V軸、W軸まわりのトルクとを、図2において、まとめてfSと表記する。U軸方向は、X軸方向を中心軸とする回転方向である。V軸方向は、Y軸方向を中心軸とする回転方向である。W軸方向は、Z軸方向を中心軸とする回転方向である。力制御部390は、ロボット100の位置センサー420から、各サーボモーター410の回転位置を受信する。そして、力制御部390は、それらのパラメーターに基づいて、位置の補正量ΔSを決定し、補正量ΔSを表す信号を位置制御部320に出力する。
位置制御部320は、制御信号生成部310から、目標位置Stを表す位置制御信号を受信する。位置制御部320は、力制御部390から、位置の補正量ΔSをあらわす信号を受信する。位置制御部320は、位置フィードバックとして、ロボット100の位置センサー420から、各サーボモーター410の回転位置を受信する。位置制御部320は、それらの情報に基づいて、ロボット100の各サーボモーター410の速度制御信号を生成し、速度制御部330とフィルター設定部345に、出力する。
なお、位置制御部320は、力制御を実施すべき指示を制御信号生成部310から受けていない場合には、速度制御信号の生成に際して、力制御部390から受信した情報は考慮しない。
速度制御部330は、位置制御部320から速度制御信号を受信する。また、速度制御部330は、速度フィードバックとして、ロボット100の位置センサー420から、各サーボモーター410の回転速度を受信する。速度制御部330は、その速度制御信号と、各サーボモーター410の回転速度と、に基づいて、トルク制御信号を生成し、フィルター処理部340に出力する。
フィルター設定部345は、制御信号生成部310から実行中の動作を表すコマンドを受信する。フィルター設定部345は、受信したコマンドに応じて、参照情報を参照し、トルク制御信号から除去すべき1以上の周波数成分を指示する制御信号を生成し、フィルター処理部340に出力する。フィルター設定部345は、トルク制御信号から除去すべき周波数成分は存在しない旨の制御信号を、フィルター処理部340に出力することもできる。
フィルター処理部340は、速度制御部330から、トルク制御信号を受信する。また、フィルター処理部340は、フィルター設定部345から、除去すべき1以上の周波数成分の制御信号を受信する。フィルター処理部340は、速度制御部330が出力したトルク制御信号に対して、帯域除去フィルターを使用して、トルク制御信号に応じた1以上の周波数成分を除去する処理を行って、新たなトルク制御信号を生成し、出力する。より具体的には、フィルター処理部340により、特定の周波数成分が−30dB、低減される。
フィルター処理部340は、その特定の周波数を含むあらかじめ定められた幅の周波数範囲の成分を、制御信号から低減して、新たな制御信号を生成する。具体的には、その特定の周波数±Δfの範囲の周波数成分が、低減される。本実施形態においてΔfは1Hzである。
速度制御部330が出力したトルク制御信号も、フィルター処理部340が生成する新たなトルク制御信号も、いずれもアーム110およびエンドエフェクター200を移動させる動作を行うための制御信号である。速度制御部330が出力したトルク制御信号を、「第1制御信号CS1」と呼ぶ。フィルター処理部340が生成する新たなトルク制御信号を、「第2制御信号CS2」と呼ぶ。
フィルター処理部340において除去される周波数成分は、実行中の動作を表すコマンドに応じてあらかじめ定められた周波数の成分である。実行中の動作を表すコマンドに応じてあらかじめ定められた周波数は、たとえば、(i)その動作の終了時点のロボット100の姿勢におけるロボット100の振動の振動数、(ii)その動作の開始時点のロボット100の姿勢におけるロボット100の振動の振動数、(iii)その動作のうち速度が変更される地点に制御点があるときのロボット100の姿勢におけるロボット100の振動の振動数である。
本明細書において、トルク制御信号などの制御信号において所定の周波数成分を低減することにより、その周波数による制御対象物の共振を低減する処理を、「振動低減処理」と呼ぶ。また、制御信号において所定の周波数成分を低減することにより、その周波数による制御対象物の共振を低減する機能を、「振動低減機能」と呼ぶ。
フィルター処理部340は、フィルター設定部345から、除去すべき周波数は存在しない旨の制御信号を受信した場合には、速度制御部330から受信したトルク制御信号を、そのまま出力する。このような処理を行うことにより、速度制御部330から受信したトルク制御信号に基づいて、本来の制御信号に忠実にロボットを駆動することができる。
トルク制御部350は、フィルター処理部340から、トルク制御信号を受信する。また、トルク制御部350は、サーボアンプ360から、各サーボモーター410に供給する電流の電流量を表すフィードバック信号を受信する。トルク制御部350は、そのトルク制御信号と、各サーボモーター410の電流フィードバック信号と、に基づいて、ロボット100を駆動する駆動信号DSを生成する。より具体的には、トルク制御部350は、トルク制御信号と、各サーボモーター410の電流フィードバック信号と、に基づいて、各サーボモーター410に供給する電流量を決定し、サーボアンプ360を介して、各サーボモーター410を駆動する。
A2.振動低減機能の設定:
図3は、本実施形態のロボットシステム1の運用の流れを示すフローチャートである。本実施形態のロボットシステム1の運用においては、まずステップS100において、ロボットが製造される。その際、ロボット100の制御点TCPの位置の範囲と、振動低減処理において低減すべき周波数と、の1以上の組み合わせの情報を含む参照情報306が生成される。参照情報306は、RAM302に格納される(図1参照)。すなわち、参照情報306は、ステップS200のロボット100の運用に先だって、準備される。
ステップS200において、ロボット100の運用が行われ、製品の製造に使用される。より具体的には、ロボット100に作業を実行させるための動作が決定される。この処理は、教示装置600を介してユーザーからの指示を受けて、ロボット制御装置300が実行する。
そして、ロボット制御装置300の制御信号生成部310(図2参照)が、各動作における目標位置を表す位置制御信号を生成する。ロボット制御装置300のフィルター設定部345が、各各動作におけるロボット100の制御点TCPの位置の情報に基づいて、参照情報306を参照して、第1制御信号CS1から低減すべき周波数の成分を決定する。周波数の成分の決定については、以下で、さらに説明する。
その後、ロボット制御装置300のフィルター処理部340が、速度制御部330から受け取った第1制御信号CS1に対して、周波数成分を除去する処理を行って、第2制御信号CS2を生成する(図2参照)。ロボット制御装置300のトルク制御部350は、フィルター処理部340から第2制御信号CS2を受け取って、第2制御信号CS2に基づいて、各サーボモーター410を駆動して、アーム110を移動させる。図3の処理によって、最終的にロボット100が制御される。このため、図3の処理は、広い意味で、ロボット100の制御方法として把握することもできる。
図4は、振動低減処理において低減される周波数と対応づけられている、ロボット100の制御点TCPの位置の範囲を示す説明図である。図4においては、ロボット100の関節X12の回転軸が、ロボット座標系のY軸と平行になる姿勢でロボットが描かれている。関節X12は、ロボット100において基台180に最も近い曲げ関節である。図4において、ロボット100の関節X12は、ロボット座標系の原点Oに対して、X軸の負の方向にDxだけオフセットしており、Z軸の正の方向にDzだけオフセットしている。以下の説明では、関節X12の回転軸の位置であって、ロボット座標系のXZ平面と交わる点を、基準点O2と呼ぶ。なお、図4において、X軸方向の寸法とZ軸方向の寸法とは、1:1の比で描かれているわけではない。
ロボット100に対して、基準点O2を基準として、3個の位置の範囲Ar0,Ar1,Ar2が定められている。振動低減処理において低減される周波数を決定する際に参照される参照情報306(図1参照)は、図4に示すロボットの制御点TCPの位置の範囲Ar0,Ar1,Ar2と周波数との組み合わせの情報を含む。
参照情報306は、以下の処理によって生成される(図3のS100参照)。まず、基準点O2に対して様々な位置に制御点TCPが配されて、そのときのロボット100の共振周波数が測定される。なお、測定は、アーム110の先端170に取りつけられた6軸の加速度センサーを使用して行われる。より具体的には、加速度センサーは、力覚センサー190の先に取りつけられる。それらの測定結果を、基準点O2に対する制御点TCPの各位置に、共振周波数f11〜f15,f21〜f29,f31〜f33として示す。なお、共振周波数f11〜f15,f21〜f29,f31〜f33は、その順に高い値を有する(f11<f37)。なお、大きさの順に並べたときに隣り合う共振周波数は、互いに等しい測定値を有する場合もある。
図4より、おおまかには、基準点O2よりも下方で基台180を含む範囲において、共振周波数が高く(f31〜f33参照)、基準点O2から遠い位置の範囲において、共振周波数が低く(f11〜f15参照)、基準点O2に近い位置の範囲において、共振周波数が中程度である(f21〜f29参照)ことがわかる。このため、本実施形態の参照情報306においては、共振周波数は3個のグループに分けられ、それぞれ共振周波数が測定された各点が含まれる位置の範囲Ar0,Ar1,Ar2が対応づけられる。
非低減範囲Ar0は、基準点O2を頂点とし、基準点O2からZ軸の負方向に伸びる基準線LSを中心線とし、ロボット座標系のXY平面を底面とする円錐形を有する。円錐の母線が基準線LSとなす角をθthとする。非低減範囲Ar0には、基台180が含まれる。
第1範囲Ar1は、基準点O2を中心とする、あらかじめ定められた大きさの半径Rthの球状の空間から、非低減範囲Ar0を除いた空間である。なお、図4において、X軸方向の寸法とZ軸方向の寸法とは、1:1の比で描かれていないため、第1範囲Ar1の外縁の形状は、図4において、円ではなく楕円となっている。
第2範囲Ar2は、第1範囲Ar1を囲む空間である。第2範囲Ar2の外縁を規定する曲面は、アーム110の先端170の制御点TCPがとりうる位置の外縁である。第2範囲Ar2は、そのように定められる外縁で囲まれた空間から、非低減範囲Ar0および第1範囲Ar1を除いた空間である。
第1範囲Ar1に対して、第1範囲Ar1に対応づけられた共振周波数f11〜f15の最大値と最小値の中間の値[(f15−f11)/2]が、低減すべき周波数F11として割り当てられる。第2範囲Ar2に対応づけられた共振周波数f21〜f29の最大値と最小値の中間の値[(f29−f21)/2]が、低減すべき周波数F21として割り当てられる。非低減範囲Ar0に対しては、低減すべき周波数は、割り当てられない。
共振周波数f11〜f15,f21〜f29の周波数の範囲は、それぞれグループにおける最大値と最小値の中間の値同士の間隔が(Δf×2)より大きくなるように、グループ分けされる。(Δf×2)は、フィルター処理部340(図2参照)が周波数成分を低減する際の処理対象の周波数成分の幅である。このようにして定められる共振周波数f11〜f15のグループに対応づけられる位置の範囲Ar1と、共振周波数f21〜f29のグループに対応づけられる位置の範囲Ar2とは、振動低減処理において低減される周波数の範囲が互いに重複しない。言い替えれば、低減すべき周波数と対応づけられる位置の範囲の区分は、振動低減処理において低減される周波数の範囲が互いに重複しないように、設定される。
参照情報306(図1参照)は、そのようにして定められる第1範囲Ar1と周波数F11との組み合わせの情報、および第2範囲Ar2と周波数F21との組み合わせの情報を、含む。参照情報306は、非低減範囲Ar0の情報も含む。非低減範囲Ar0は、周波数と対応づけられていない。
図5は、参照情報306が格納している制御点の位置の範囲と周波数との組み合わせの情報を示す表である。非低減範囲Ar0は、実質的には、制御点TCPと基準点O2とを結ぶ線分と基準線LSとがなす角θが、θthよりも小さい範囲、として規定することができる。そのような位置の範囲に対しては、低減すべき周波数は対応づけられない(図5の下段参照)。
第1範囲Ar1は、実質的には、制御点TCPと基準点O2との距離Rtcpが、Rthよりも小さい範囲であって、制御点TCPと基準点O2とを結ぶ線分と基準線LSとがなす角θが、θth以上である範囲、として規定することができる。そのような位置の範囲に対しては、低減すべき周波数として、F11が対応づけられる(図5の左上部照)。
第2範囲Ar2は、実質的には、制御点TCPと基準点O2との距離Rtcpが、Rth以上の範囲であって、制御点TCPと基準点O2とを結ぶ線分と基準線LSとがなす角θが、θth以上である範囲、として規定することができる。そのような位置の範囲に対しては、低減すべき周波数として、F21が対応づけられる(図5の右上部照)。
本実施形態において、制御点TCPは、ロボット100のアーム110の先端170の位置にある。このため、エンドエフェクター200の情報を必要とせず、ロボット100の設計情報に基づいて参照情報306を生成して(図3のS100参照)、その参照情報306に基づいて有効にロボット100の振動を低減することができる(図3のS200参照)。
ロボット100を製造する段階(図3のS100参照)で参照情報306を生成しない態様においては、ロボット100の運用の段階(図3のS200参照)において、どの程度、有効な振動低減処理が実行されるか、特定することができない。このため、運用の段階における振動の発生を予防し、発生した振動の早期の収束を図るために、ロボット100のアーム110の移動速度の上限および加速度の上限、ならびにアーム110が支持する対象物の質量の大きさに応じて設定される加速度の制限を、低く設定する必要がある。また、アーム110のフィードバック制御において行われるPID制御の比例要素、積分要素、微分要素の各係数についても、振動が収束しやすいように、安定性が高い設定をしなければならなかった。これらの制限は、振動が最も発生しやすいアーム110の姿勢において、十分に振動を抑制できるように、行われる必要がある。その結果、ロボット100の運用段階において、ロボット100のアーム110の動きは遅くなり、動作のサイクルタイムが長くなっていた。
しかし、本実施形態においては、ロボットを製造する段階(図3のS100参照)で、ロボット100の製造者が参照情報306を生成できる。このため、ロボットの運用の段階(図3のS200参照)において、参照情報306を使用した有効な振動低減処理が実行されることが期待できる。よって、ロボット100の製造者は、ロボットを製造する段階(図3のS100参照)において、ロボット100のアーム110の移動速度の上限および加速度の上限、ならびにアーム110が支持する対象物の質量に応じた加速度の制限を、上記の比較例に比べて高く設定することができる。また、PID制御の比例要素、積分要素、微分要素の各係数についても、より応答性を重視した設定をすることができる。その結果、ロボット100の運用の段階において、アーム110に高速な移動を行わせることができ、その結果、動作のサイクルタイムを短くすることができる。
図6は、図3のステップS200において、各動作に対して振動低減処理の内容が指定される際の教示装置600の表示を示す図である。図6の表示は、振動低減機能の設定装置として機能する教示装置600を使用して振動低減機能の設定が行われる際に、出力装置605としてのディスプレイに表示される。
図6の表中の左端の列は、動作を区別するための番号である。図6の表中の中央の2列は、振動低減処理において低減される対象周波数を表すパラメーターParam1,Param2を示す。本実施形態においては、各番号に対応する動作に対して、最大2個の対象振動数が設定される。すなわち、第1制御信号CS1から、最大二つの周波数成分が除去される(図2の340参照)。
図6の表中の右端の欄は、「種類」の欄である。「種類」の欄は、振動の低減の態様を指定する入力インターフェイスである。「種類」の欄においては、「通常」、「両方」、「境界切替え」、および「変速点切替え」の4個の選択肢の中から一つが選択される。「種類」の欄による指定の内容については、後に説明する。「種類」の欄の指定に応じて、振動の低減の態様が決定され、一つまたは二つの対象振動数を表すパラメーターParam1,Param2として、F11,F21が指定される。F11,F21は、参照情報306(図1および図5参照)において、制御点の位置と対応づけられて、格納されている。
たとえば、他の設定画面において、図6の表中の番号1に対して、動作Op10が割り当てられたものとする。動作Op10は、第1範囲Ar1内の位置P11から、第2範囲Ar2内の位置P12に、制御点が移動する動作である(図4の中段右部参照)。動作Op10において、第1範囲Ar1と第2範囲Ar2の境界に位置する制御点TCPの位置を、位置P13として示す。動作Op10においては、制御点TCPは、位置P13の前後を一定の速度で移動する。
「種類」の欄が「通常」に設定されている場合には、フィルター設定部345(図2参照)は、振動低減処理において低減すべき周波数として、動作の終点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数を、決定する。その結果、図6の表中の番号1に対応づけられた動作Op10については、フィルター処理部340(図2参照)は、動作Op10を指示する第1制御信号CS1から、参照情報306において第2範囲Ar2と対応づけられている周波数F21の成分を低減して、第2制御信号CS2を生成する(図6の番号1欄のParam2参照)。図6の「種類」の欄は、デフォルトでは、「通常」に設定される。
このような処理を行うことにより、第1制御信号CS1で指示される動作Op10が終了した後の残留振動を、効果的に低減できる、第2制御信号CS2を生成することができる。
他の設定画面において、図6の表中の番号2に対して、動作Op10が割り当てられたものとする。なお、実際には、図6の各番号には異なる動作が対応づけられる。しかし、ここでは、技術の理解を容易にするため、図6の表中の番号2に対しても、動作Op10が割り当てられたものとする。以降で説明する番号3についても同様である。
「種類」の欄が「両方」に設定されている場合には、フィルター設定部345(図2参照)は、振動低減処理において低減すべき周波数として、動作の終点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数と、動作の始点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数とを、決定する。その結果、図6の表中の番号2に対応づけられた動作Op10については、フィルター処理部340(図2参照)は、動作Op10を指示する第1制御信号CS1から、参照情報306において第2範囲Ar2と対応づけられている周波数F21の成分と、第1範囲Ar1と対応づけられている周波数F11の成分と、を低減して、第2制御信号CS2を生成する(図6の番号2欄のParam1,Param2参照)。
このような処理を行うことにより、制御点TCPが第2範囲Ar2を移動しているとき、および動作終了後の制御点TCPの振動を、抑制できることに加え、制御点TCPが第1範囲Ar1を移動しているときの制御点TCPの振動を、効果的に低減できる、第2制御信号CS2を生成することができる(図4のOp11参照)。
他の設定画面において、図6の表中の番号3に対して、動作Op10が割り当てられたものとする。
「種類」の欄が「境界切替え」に設定されている場合には、フィルター設定部345(図2参照)は、振動低減処理において低減すべき周波数として、動作の終点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数と、動作の始点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数とを、決定する。そして、制御点TCPが第1範囲Ar1内を移動する第1部分動作Op11を指示する部分については、低減すべき周波数は、動作の始点P11が属する第1範囲Ar1に対応づけられた周波数F11とされる。制御点TCPが第2範囲Ar2内を移動する第2部分動作Op12を指示する部分については、低減すべき周波数は、動作の終点P12が属する第2範囲Ar2に対応づけられた周波数F21とされる。
その結果、図6の表中の番号3に対応づけられた動作Op10については、フィルター処理部340(図2参照)は、動作Op10を指示する第1制御信号CS1から、第2制御信号CS2を生成する際に、以下の処理を行う。すなわち、フィルター処理部340は、第1制御信号CS1のうち、制御点TCPが第1範囲Ar1内を移動する第1部分動作Op11を指示する部分について、参照情報306において第1範囲Ar1と対応づけられている周波数F11の成分を低減する。そして、フィルター処理部340は、第1制御信号CS1のうち、制御点TCPが第2範囲Ar2内を移動する第2部分動作Op12を指示する部分について、参照情報306において第2範囲Ar2と対応づけられている周波数F21の成分を低減する。
このような処理を行うことにより、第1範囲Ar1と対応づけられている周波数F11の成分と第2範囲Ar2と対応づけられている周波数F21の成分との両方を、一貫して低減する態様(図6の表中の番号2欄参照)と比べて、以下のような効果が得られる。すなわち、位置ずれを少なくしつつ、第1制御信号CS1が指示する動作のうちの第1部分動作Op11について、振動を効果的に低減することができ、第2部分動作Op12についても、振動を効果的に低減することができる。
他の設定画面において、図6の表中の番号4に対して、動作Op20が割り当てられたものとする。動作Op20は、第1範囲Ar1内の位置P21から第2範囲Ar2内の位置P22に制御点TCPが移動する動作である(図4の上段右部参照)。ただし、動作Op20においては、第2範囲Ar2内のあらかじめ定められた変更点P23において、制御点TCPは速度を変えて移動する。なお、本明細書のフィルター設定部345およびフィルター処理部340の説明において、「速度」は、大きさと向きを含む概念である。すなわち、大きさが同じで向きが変わる変更も、速度の変更に含まれる。
「種類」の欄が「変更点切替え」に設定されている場合には、フィルター設定部345(図2参照)は、振動低減処理において低減すべき周波数として、動作の終点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数と、動作の始点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数とを、決定する。そして、制御点TCPが変更点に達する前の部分については、低減すべき周波数は、動作の始点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数とされる。制御点TCPが変更点に達した後の部分については、低減すべき周波数は、動作の終点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数とされる。
その結果、図6の表中の番号4に対応づけられた動作Op20については、フィルター処理部340(図2参照)は、動作Op20を指示する第1制御信号CS1から、第2制御信号CS2を生成する際に、以下の処理を行う。すなわち、フィルター処理部340は、第1制御信号CS1のうち、制御点TCPが変更点P23に達する前の動作である第1部分動作Op21を指示する部分について、参照情報306において第1範囲Ar1と対応づけられている周波数F11の成分を低減する。フィルター処理部340は、第1制御信号CS1のうち、制御点TCPが変更点P23に達した後の動作である第2部分動作Op22を指示する部分について、参照情報306において第2範囲Ar2と対応づけられている周波数F21の成分を低減する。
このような処理を行うことにより、第1範囲Ar1と対応づけられている周波数F11の成分と第2範囲Ar2と対応づけられている周波数F21の成分との両方を、一貫して低減する態様(図6の表中の番号2参照)と比べて、以下のような効果が得られる。すなわち、位置ずれを少なくしつつ、第1制御信号CS1が指示する動作のうちの第1部分動作Op21について、振動を効果的に低減することができ、第2部分動作Op22についても、振動を効果的に低減することができる。
他の設定画面において、図6の表中の番号5に対して、動作Op30が割り当てられたものとする。動作Op30は、制御点TCPが非低減範囲Ar0を移動する動作である。より具体的には、動作Op30は、第1範囲Ar1内の位置P31から、非低減範囲Ar0内の位置P32に、制御点TCPが移動する動作である(図4の下段右部参照)。動作Op30において、第1範囲Ar1と非低減範囲Ar0の境界に位置する制御点TCPの位置を、位置P33として示す。
ある番号の動作が、制御点TCPが非低減範囲Ar0を移動する動作Op30である場合は、その番号の行については、「種類」の欄は、設定することができない。そして、制御点TCPが非低減範囲Ar0を移動する動作Op30については、フィルター設定部345(図2参照)は、振動低減処理において低減すべき周波数を決定しない。その結果、図6の表中の番号5に対応づけられた動作Op30については、フィルター処理部340(図2参照)は、動作Op30を指示する第1制御信号CS1から、周波数の成分を低減することなく、第2制御信号CS2を生成する。
このような処理を行うことにより、制御点TCPがどのような位置範囲にある動作についても、第1制御信号CS1から周波数の成分を低減する態様に比べて、制御点TCPが非低減範囲Ar0内を移動する動作における位置精度を向上させることができる。
本実施形態においては、非低減範囲Ar0は、アーム110を支持している基台180を含む範囲である(図4参照)。このため、アーム110が折り畳まれており、アーム110の構造物としての剛性が高く、その結果、比較的、振動しにくいと考えられる動作Op30について、以下の効果が得られる。すなわち、振動による不利益を被ることなく、または少ない不利益で、位置精度を向上させることができる。
本実施形態によれば、新たに教示した動作についてロボット100の共振周波数を測定することなく、参照情報306に基づいて、その動作について、振動を低減できる駆動信号DSを生成してロボット100に出力することができる。このため、ロボット100の制御点TCPの位置の範囲Ar1,Ar2と周波数F11,F21との組み合わせの情報を格納している参照情報306を使用した第2制御信号CS2の生成を行わない制御装置に比べて、複数の動作について振動を低減する際のユーザーの負荷を低減することができる。
本実施形態におけるアーム110を「可動部」とも呼ぶ。フィルター処理部340およびフィルター設定部345を「第2制御信号生成部」とも呼ぶ。
本実施形態におけるステップS100において参照情報306が生成される工程を、「工程(a)」とも呼ぶ(図3参照)。ステップS200において、第1制御信号CS1から低減すべき周波数の成分が決定されrる工程を「工程(b)」とも呼ぶ。ステップS200において、第1制御信号CS1に対して、周波数成分を除去する処理が行われて、第2制御信号CS2が生成される工程を「工程(c)」とも呼ぶ。ステップS200において、第2制御信号CS2に基づいて、アーム110が移動される工程を「工程(d)」とも呼ぶ。
B.第2実施形態:
第2実施形態においては、図3のステップS200における、振動低減処理において低減すべき周波数の決定方法が、第1実施形態とは異なる。具体的には、動作においてアーム110が先端170において支持する物体の質量を考慮して、振動低減処理において低減すべき周波数が補正される。第2実施形態の他の点は、第1実施形態と同じである。
図7は、動作においてアーム110が先端170において支持する物体の質量に応じた共振周波数の変化を示すグラフである。図8〜図12は、ぞれぞれロボット100の姿勢A01〜A05を示す図である。図7において、太い実線は、ロボット100が姿勢A01をとった場合のアーム110が先端170において支持する物の質量に応じた共振周波数の変化を示すグラフである。一点鎖線は、ロボット100が姿勢A02をとった場合のアーム110が先端170において支持する物の質量に応じた共振周波数の変化を示すグラフである。細い実線は、ロボット100が姿勢A03をとった場合のアーム110が先端170において支持する物の質量に応じた共振周波数の変化を示すグラフである。破線は、ロボット100が姿勢A04をとった場合のアーム110が先端170において支持する物の質量に応じた共振周波数の変化を示すグラフである。二点鎖線は、ロボット100が姿勢A05をとった場合のアーム110が先端170において支持する物の質量に応じた共振周波数の変化を示すグラフである。
図7より、いずれの姿勢においても、アーム110が先端170において支持する物の質量が大きいほど、共振周波数がが小さくなっていることが分かる。また、付加の増加分に対する虚心周波数の減少分の割合も、ほぼ一定であることが分かる。なお、図7に示す測定において、アーム110が先端170において支持する物の質量には、エンドエフェクター200の質量と、エンドエフェクター200が保持するワークピースW01の質量とが含まれる。
第2実施形態においては、フィルター設定部345(図2参照)は、アーム110が先端170において支持する物の質量の情報に基づいて、その質量が大きいほど、第1制御信号CS1から低減すべき周波数が小さくなるように、第1制御信号CS1から低減すべき周波数を決定する。より具体的には、フィルター設定部345は、参照情報306(図1および図5参照)を参照して得られた周波数を、支持する物の質量の増加に対して、線形に減少するように、補正する。なお、アーム110が先端170において支持する物の質量の情報は、図3のステップS200において、動作が決定された際に、あらかじめロボット制御装置300に入力されている。
フィルター処理部340は、フィルター設定部345から除去すべき1以上の周波数成分の制御信号を受信し、その周波数成分を除去する処理を行って、新たなトルク制御信号を生成する(図2参照)。その結果、アーム110が先端170において支持する物の質量が大きいほど、第1制御信号CS1から低減すべき周波数の成分が小さくなるように、第1制御信号CS1が補正されて、第2制御信号CS2が生成される。
このような処理を行うことにより、アーム110が先端において支持する物の質量を考慮せずに、第1制御信号CS1から低減すべき周波数の成分を決定する態様に比べて、より高度にロボット100の動作の振動を低減することができる。
C.第3実施形態:
図13は、複数のプロセッサーによってロボットの制御装置が構成される一例を示す概念図である。この例では、ロボット100およびそのロボット制御装置300の他に、パーソナルコンピューター400,400bと、LANなどのネットワーク環境を介して提供されるクラウドサービス500とが描かれている。パーソナルコンピューター400,400bは、それぞれプロセッサーとメモリーとを含んでいる。また、クラウドサービス500においてもプロセッサーとメモリーを利用可能である。プロセッサーは、コンピューター実行可能な命令を実行する。これらの複数のプロセッサーの一部または全部を利用して、ロボット制御装置300および教示装置600を含む制御装置を実現することが可能である。また、各種の情報を記憶する記憶部も、これらの複数のメモリーの一部または全部を利用して、実現することが可能である。
D.第4実施形態:
図14は、複数のプロセッサーによってロボットの制御装置が構成される他の例を示す概念図である。この例では、ロボット100のロボット制御装置300が、ロボット100の中に格納されている点が図13と異なる。この例においても、複数のプロセッサーの一部または全部を利用して、ロボット100の制御装置を実現することが可能である。また、各種の情報を記憶する記憶部も、複数のメモリーの一部または全部を利用して、実現することが可能である。
E.他の実施形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
E1.他の形態1:
(1)上記実施形態においては、関節X12の位置を基準点O2として、位置の範囲Ar0,Ar1,Ar2が定められている(図4参照)。しかし、参照情報において低減すべき周波数と対応づけられる位置の範囲は、他の点を基準として定められることもできる。ただし、参照情報において低減すべき周波数と対応づけられる位置の範囲は、ロボットにおいて可動部としてのアームを支持する基台に最も近い曲げ関節の位置を中心とする範囲であることが好ましい。そのような態様とすることにより、よりアームの先端に近い関節の位置を基準点とする態様に比べて、アームに発生する様々な固有振動数の振動を、有効に低減することができる。
上記実施形態においては、参照情報において低減すべき周波数と対応づけられる位置の範囲は、基台180に最も近い関節X11における角度位置を考慮せずに定められている(図4参照)。しかし、基台180に最も近い関節X11はねじり関節であることから、関節X11における角度位置がアーム110の共振に与える影響は大きくない。このため、ロボットにおいて可動部としてのアームを支持する基台に最も近い曲げ関節の位置を基準として、低減すべき周波数と対応づけられる位置の範囲を定めることで、実質的に、ロボット100のアーム110を低減することができる。
ただし、ロボット100が、架台からつり下げられて運用される場合には、基台に最も近い曲げ関節よりもさらに基台に近いねじり関節における角度位置も考慮して、共振周波数の各測定位置を定め(図4参照)、低減すべき周波数と対応づけられる位置の範囲を定めることが好ましい。なお、ロボットの製造段階(図3のS100参照)においてあらかじめ上記実施形態のように参照情報を生成し、さらに、ロボットを設置した段階(図3のS200参照)で共振周波数を測定して、追加的な参照情報を生成することもできる。
上記実施形態においては、制御点TCPの位置に応じて低減すべき周波数が定められる(図4および図5参照)。そして、関節X13〜X16についてのアーム110の姿勢は、参照情報を参照して行われる低減すべき周波数の決定において、考慮されていない。しかし、制御点TCPの基準点に対する相対位置がアーム110の振動に与える影響は、関節X13〜X16についてのアーム110の姿勢がアーム110の振動に与える影響に比べて、非常に大きい。このため、制御点と基準点の相対位置に基づいて、低減すべき周波数と対応づけられる位置の範囲を定めることで、実質的に、ロボット100のアーム110を低減することができる。
(2)上記実施形態においては、共振周波数の測定は、アーム110の先端170に取りつけられた6軸の加速度センサーを使用して行われる(図4参照)。しかし、共振周波数の測定は、アームに取りつけられた力覚センサーを使用して行われてもよい。
(3)上記実施形態においては、非低減範囲Ar0は、円錐の形状を有する空間である(図4および図5参照)。第1範囲Ar1は、基準点O2を中心とする球状の空間から、非低減範囲Ar0を除いた空間である。第2範囲Ar2は、非低減範囲Ar0および第1範囲Ar1以外の空間である。
しかし、参照情報において、低減すべき周波数と対応づけられる空間は、他の形状を有していてもよい。低減すべき周波数と対応づけられる空間の数は、3以上であってもよい。また、低減すべき周波数と対応づけられる空間は、ロボット座標系のZ軸を基準とする極座標系で定められてもよい。ただし、低減すべき周波数と対応づけられる空間は、ロボットが備える複数の関節のうち、基台に最も近い曲げ関節を基準点として、基準点からの距離に応じて定められることが好ましい。また、低減すべき周波数と対応づけられる空間は、互いに重複しないことが好ましい。
(4)上記実施形態においては、ロボット100の各曲げ関節X12,X13,X15において、回転軸は、一方のみで支持されている(図1参照)。このような態様においては、回転軸が両端で支持されている態様に比べて、関節の剛性が低いため、振動が生じやすい。このため、本開示の技術は、関節の回転軸が一方のみで支持されているロボットにおいて特に有効である。ただし、本開示の技術は、関節の回転軸が両方で支持されているロボットに適用しても、有効な効果が得られる。
(5)上記実施形態においては、ロボット100は、垂直多関節ロボットである(図1参照)。しかし、本開示の技術は、いわゆるスカラロボットに適用することもできる。
(6)上記実施形態においては、振動低減処理において、参照情報306を参照して定められる周波数F11,F21およびそれらの前後の周波数成分のみが低減される態様を説明した(図6参照)。しかし、振動低減処理において、参照情報を参照して定められる周波数およびそれらの前後の周波数成分に加えて、他の周波数成分を低減する態様とすることもできる。低減されるべき他の周波数成分は、たとえば、ロボットのアームにエンドエフェクターを取りつけた後に、共振周波数を測定して、得られた共振周波数に基づいて定めることができる。
参照情報を参照して定められる周波数の低減の処理と、他の方法で定められる周波数の低減の処理とは、異なる動作において実行されてもよいし、同一の動作内で実行されてもよい。また、並行して実行されてもよいし、前後して実行されてもよい。
E2.他の形態2:
上記実施形態においては、制御点TCPは、ロボット100のアーム110の先端170にある(図1参照)。しかし、ロボットの制御点は、たとえば、アームの先端から基台側の位置など、可動部としてのアームの先端からずれた位置に配することもできる。
E3.他の形態3:
上記実施形態においては、F11,F21の周波数±Δfの範囲の周波数成分が、低減される。Δfは1Hzである。しかし、特定の周波数の成分とともに低減されるその前後の周波数の幅は、0.5Hzや2Hzなど、他の値でもよい。また、特定の周波数の成分とともに低減されるその前後の周波数の幅は、特定の周波数の成分ごとに異なっていてもよい。
E4.他の形態4:
上記実施形態においては、「種類」の欄が「通常」に設定されている場合には、フィルター設定部345(図2参照)は、振動低減処理において低減すべき周波数として、動作の終点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数を、決定する(図6の番号1参照)。そして、「種類」の欄は、デフォルトでは、「通常」に設定される。しかし、振動低減処理において低減すべき周波数として、動作の終点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数を、デフォルトとしない態様とすることもできる。そして、振動低減処理において低減すべき周波数として、動作の終点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数を、決定せず、他の周波数を決定する態様とすることもできる。たとえば、振動低減処理において低減すべき周波数として、動作の始点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数のみを、決定してもよい。また、振動低減処理において低減すべき周波数として、速度が変更される変更点が属する位置の範囲に対応づけられた周波数のみを、決定してもよい。
E5.他の形態5:
上記実施形態においては、フィルター処理部340(図2参照)は、動作Op10を指示する第1制御信号CS1から、参照情報306において第2範囲Ar2と対応づけられている周波数F21の成分と、第1範囲Ar1と対応づけられている周波数F11の成分と、を低減して、第2制御信号CS2を生成する(図6の番号2欄のParam1,Param2参照)。
たとえば、ある動作が3以上の位置の範囲内を通る場合には、それらのうちのどの位置の範囲に対応づけられた周波数を、振動低減処理において低減すべきかを、選択できる態様とすることもできる。ただし、振動低減処理において、4以上の周波数成分を低減すると、位置偏差が大きくなるため、好ましくない。
E6.他の形態6:
(1)上記実施形態においては、「種類」の欄が「境界切替え」に設定されている場合には、フィルター処理部340は、第1制御信号CS1のうち、制御点TCPが第1範囲Ar1内を移動する第1部分動作Op11を指示する部分について、参照情報306において第1範囲Ar1と対応づけられている周波数F11の成分を低減する(図4および図6参照)。そして、フィルター処理部340は、第1制御信号CS1のうち、制御点TCPが第2範囲Ar2内を移動する第2部分動作Op12を指示する部分について、参照情報306において第2範囲Ar2と対応づけられている周波数F21の成分を低減する。このような位置の範囲の境界における切換は、ある動作が3以上の位置の範囲内を通る場合についても、実行されることができる。
また、第1範囲Ar1内の位置P31から、非低減範囲Ar0内の位置P32に、制御点TCPが移動する動作Op30については、第1範囲Ar1と対応づけられている周波数F11の成分を低減する処理と、周波数の成分を低減しない処理と、制御点が位置する位置の範囲Ar1,Ar0に応じて切り替えることもできる。
また、低減する周波数を切り替える際には、もとの周波数を低減する割合を低減するとともに、新たな周波数を低減する割合を増加させて、徐々に切換を行うことが好ましい。
(2)上記実施形態においては、「種類」の欄においては、「通常」、「両方」、「境界切替え」、および「変速点切替え」の4個の選択肢の中から一つが選択される(図6参照)。しかし、そのような選択をすることができず、「通常」、「両方」、「境界切替え」、および「変速点切替え」のいずれかに対応する処理のみを行う制御装置として、本開示の技術を適用することもできる。
E7.他の形態7:
(1)上記実施形態においては、「種類」の欄が「変更点切替え」に設定されている場合には、フィルター処理部340は、第1制御信号CS1のうち、制御点TCPが変更点P23に達する前の動作である第1部分動作Op21を指示する部分について、参照情報306において第1範囲Ar1と対応づけられている周波数F11の成分を低減する。フィルター処理部340は、第1制御信号CS1のうち、制御点TCPが変更点P23に達した後の動作である第2部分動作Op22を指示する部分について、参照情報306において第2範囲Ar2と対応づけられている周波数F21の成分を低減する。変更点P23は、第2範囲Ar2内にある。
しかし、変更点P23は、第2範囲Ar2内ではなく、第1範囲Ar1内にある場合にも、上記の処理を行うこともできる。
(2)上記実施形態においては、制御点の速度が変更される変更点は動作Op20において一点P23である(図4参照)。しかし、複数の変更点が、一つの動作中に含まれていてもよい。変更点が含まれる動作においては、変更点以降の動作についての振動低減処理において、変更点が属する位置の範囲が対応づけられている周波数が低減されてもよいし、動作の終点が属する位置の範囲が対応づけられている周波数が低減されてもよい。
E8.他の形態8:
上記実施形態において、動作Op30は、第1範囲Ar1内の位置P31から、非低減範囲Ar0内の位置P32に、制御点TCPが移動する動作である(図4の下段右部参照)。このように、参照情報を使用した振動低減処理を行わない動作は、動作Op30のように、動作の一部において、非低減範囲を通過する動作であってもよい。また、参照情報を使用した振動低減処理を行わない動作は、非低減範囲内のみを制御点が移動する動作としてもよい。
E9.他の形態9:
上記実施形態においては、非低減範囲Ar0には、基台180が含まれる(図4参照)。しかし、周波数と対応づけられていないロボットの制御点の位置の範囲である非低減範囲は、基台の一部を含まない範囲とすることもでき、基台の全部を含まない範囲とすることもできる。また、非低減範囲を有さない参照情報を作成することもできる。
E10.他の形態10:
第2実施形態においては、フィルター設定部345は、参照情報306(図1および図5参照)を参照して得られた周波数を、支持する物の質量の増加に対して、線形に減少するように、補正する(図7参照)。しかし、参照情報を参照して得られた周波数は、たとえば、上に凸または下に凸の2次曲線的に補正されるなど、他の方法で補正されることもできる。
また、考慮される質量は、エンドエフェクター200が保持するワークピースW01の質量以外に、アーム110に取りつけられるセンサーや、工具や、モニターの質量を含むことができる。それらの質量を含めて、参照情報を参照して得られた周波数を補正する場合には、たとえば、それらの物体が取りつけられている位置に応じて、それらの質量にかける係数を変えて、重み付け和に基づいて、周波数を補正することが好ましい。
F.さらに他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態(aspect)によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、ロボットを制御するための制御装置が提供される。この制御装置は、ロボットの可動部を移動させる動作を行うための第1制御信号から、あらかじめ定められた周波数の成分を低減して第2制御信号を生成することができる第2制御信号生成部と、前記ロボットの制御点の位置の範囲と周波数との組み合わせの情報を含む参照情報を記憶している記憶部と、を備え、前記第2制御信号生成部は、前記動作における前記ロボットの制御点の位置に基づいて、前記参照情報を参照して、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する。
このような態様とすれば、新たに教示した動作についてロボットの共振周波数を測定することなく、その動作について、振動を低減できる駆動信号を生成してロボットに出力することができる。このため、ロボットの制御点の位置の範囲と周波数成分との組み合わせの情報を含む参照情報を使用した第2制御信号の生成を行わない制御装置に比べて、複数の動作について振動を低減する際のユーザーの負荷を低減することができる。
(2)上記形態の制御装置において、前記制御点は、前記可動部の両端のうち、前記可動部を支持する基台と接続されている端とは逆の端にある、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、ロボットの設計情報に基づいて参照情報を生成して、その参照情報に基づいて有効にロボットの振動を低減することができる。
(3)上記形態の制御装置において、前記第2制御信号生成部は、前記決定した周波数を含むあらかじめ定められた幅の周波数の範囲の成分を、前記第1制御信号から低減して、前記第2制御信号を生成し、前記参照情報は、前記ロボットの制御点の位置の範囲と周波数との2以上の組み合わせの情報を含み、前記参照情報において、任意の二つの前記位置の範囲は、それぞれ対応づけられた前記周波数を含む前記周波数の範囲が互いに重複しないように設定されている、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、第2制御信号生成部が低減する周波数の範囲が重複する態様に比べて、共振周波数となり得る周波数の範囲について、より少ない数の位置の範囲の区分で、効率的に振動を低減できるように、参照情報を生成することができる。
(4)上記形態の制御装置において、前記参照情報は、周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、前記第2制御信号生成部は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減して、前記第2制御信号を生成する、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、第1制御信号で指示される動作が終了した後の残留振動を、効果的に低減できる、第2制御信号を生成することができる。
(5)上記形態の制御装置において、前記第2制御信号生成部は、前記第1制御信号から、さらに、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減して、前記第2制御信号を生成する、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、さらに、制御点が第1範囲を移動しているときの制御点の振動を、効果的に低減できる、第2制御信号を生成することができる。
(6)上記形態の制御装置において、前記参照情報は、周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、前記第2制御信号生成部は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記第2制御信号を生成する際に、前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記第1範囲内を移動する第1部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減し、前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記第2範囲内を移動する第2部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減する、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、第1範囲と対応づけられている周波数の成分と第2範囲と対応づけられている周波数の成分との両方を、一貫して低減する態様に比べて、位置ずれを少なくしつつ、第1制御信号が指示する動作のうちの第1部分動作について、振動を効果的に低減することができ、第2部分動作についても、振動を効果的に低減することができる。
(7)上記形態の制御装置において、前記参照情報は、周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、前記第2制御信号生成部は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作であって、前記第2範囲内のあらかじめ定められた変更点において前記制御点の速度を変えて移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記第2制御信号を生成する際に、前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記変更点に達する前の動作である第1部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減し、前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記変更点に達した後の動作である第2部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減する、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、第1範囲と対応づけられている周波数の成分と第2範囲と対応づけられている周波数の成分との両方を、一貫して低減する態様に比べて、位置ずれを少なくしつつ、第1制御信号が指示する動作のうちの第1部分動作について、振動を効果的に低減することができ、第2部分動作についても、振動を効果的に低減することができる。
(8)上記形態の制御装置において、前記参照情報は、さらに、周波数と対応づけられていない前記ロボットの制御点の位置の範囲である非低減範囲の情報を含み、前記第2制御信号生成部は、前記制御点が前記非低減範囲を移動する動作を指示する前記第1制御信号から、周波数の成分を低減することなく、前記第2制御信号を生成することができる、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、制御点がどのような位置範囲にある動作についても、第1制御信号から周波数の成分を低減する態様に比べて、制御点が非低減範囲内を移動する動作における位置精度を向上させることができる。
(9)上記形態の制御装置において、前記非低減範囲は、前記可動部を支持する基台の少なくとも一部を含む範囲である、態様とすることもできる。
このような態様においては、制御点が可動部を支持している基台の近傍にあり、可動部が折り畳まれている姿勢をとる動作の第1制御信号については、周波数の成分が低減されることなく、第2制御信号が生成される。このため、可動部が折り畳まれており、振動しにくいと考えられる動作について、振動による不利益を被ることなく、または少ない不利益で、位置精度を向上させることができる。
(10)上記形態の制御装置において、前記第2制御信号生成部は、前記可動部が支持する物の質量の情報に基づいて、前記質量が大きいほど、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分が小さくなるように、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する、態様とすることもできる。
このような態様とすれば、可動部が支持する物の質量を考慮せずに、第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する態様に比べて、より高度にロボットの動作の振動を低減することができる。
(11)本開示の他の形態によれば、ロボットを制御する制御方法が提供される。この制御方法は、(a)ロボットの制御点の位置の範囲と周波数との組み合わせの情報を含む参照情報を準備する工程と、(b)動作における前記ロボットの制御点の位置に基づいて、前記参照情報を参照して、前記ロボットの可動部を移動させる動作を行うための第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する工程と、(c)前記第1制御信号から、前記決定された周波数の成分を低減して第2制御信号を生成する工程と、(d)前記第2制御信号に基づいて、前記ロボットを駆動する駆動信号を生成する工程と、を含む。
(12)上記形態の制御方法において、前記制御点は、前記可動部の両端のうち、前記可動部を支持する基台と接続されている端とは逆の端にある、態様とすることもできる。
(13)上記形態の制御方法において、前記工程(c)は、前記決定された周波数を含むあらかじめ定められた幅の周波数の範囲の成分を、前記第1制御信号から低減して、前記第2制御信号を生成する工程であり、前記工程(a)は、前記ロボットの制御点の位置の範囲と周波数との2以上の組み合わせの情報を含み、任意の二つの前記位置の範囲は、それぞれ対応づけられた前記周波数を含む前記周波数の範囲が互いに重複しないように設定されている、前記参照情報を準備する工程である、態様とすることもできる。
(14)上記形態の制御方法において、前記参照情報は、周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、前記工程(c)は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減して、前記第2制御信号を生成する工程である、態様とすることもできる。
(15)上記形態の制御方法において、前記工程(c)は、前記第1制御信号から、さらに、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減して、前記第2制御信号を生成する工程である、態様とすることもできる。
(16)上記形態の制御方法において、前記参照情報は、周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、前記工程(c)は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記第2制御信号を生成する際に、前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記第1範囲内を移動する第1部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減し、前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記第2範囲内を移動する第2部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減する工程である、態様とすることもできる。
(17)上記形態の制御方法において、前記参照情報は、周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、前記工程(c)は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作であって、前記第2範囲内のあらかじめ定められた変更点において前記制御点の速度を変えて移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記第2制御信号を生成する際に、前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記変更点に達する前の動作である第1部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減し、前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記変更点に達した後の動作である第2部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減する工程である、態様とすることもできる。
(18)上記形態の制御方法において、前記参照情報は、さらに、周波数と対応づけられていない前記ロボットの制御点の位置の範囲である非低減範囲の情報を含み、前記工程(c)は、前記制御点が前記非低減範囲を移動する動作を指示する前記第1制御信号から、周波数の成分を低減することなく、前記第2制御信号を生成する工程を含む、態様とすることもできる。
(19)上記形態の制御方法において、前記非低減範囲は、前記可動部を支持する基台の少なくとも一部を含む範囲である、態様とすることもできる。
(20)上記形態の制御方法において、前記工程(b)は、前記可動部が支持する物の質量の情報に基づいて、前記質量が大きいほど、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分が小さくなるように、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する工程である、態様とすることもできる。
(21)本開示の他の形態によれば、ロボットシステムが提供される。このロボットシステムは、上記の制御装置と、前記制御装置によって制御されるロボットと、を備える。
本開示は、ロボット制御装置、ロボットの制御方法、およびロボットシステム以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ロボットの制御方法を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
上述した本開示の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本開示の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本開示の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本開示の独立した一形態とすることも可能である。
1…ロボットシステム、100…ロボット、110…アーム、170…先端、180…基台、190…力覚センサー、200…エンドエフェクター、300…ロボット制御装置、301…CPU、302…RAM、303…ROM、306…参照情報、310…制御信号生成部、320…位置制御部、330…速度制御部、340…フィルター処理部、345…フィルター設定部、350…トルク制御部、360…サーボアンプ、390…力制御部、400,400b…パーソナルコンピューター、410…サーボモーター、420…位置センサー、500…クラウドサービス、600…教示装置、601…CPU、602…RAM、603…ROM、604…入力装置、604a…キーボード、604b…操作レバー、604c…タッチパネル、605…出力装置、A01〜A05…ロボットの姿勢、Ar0…非低減範囲、Ar1…第1範囲、Ar2…第2範囲、CS1…第1制御信号、CS2…第2制御信号、DS…駆動信号、Dx…基準点の原点に対するX軸方向のオフセット、Dz…基準点の原点に対するZ軸方向のオフセット、F11…周波数、F21…周波数、LS…基準線、O…原点、O2…基準点、Op10…動作、Op11…第1部分動作、Op12…第2部分動作、Op20…動作、Op21…第1部分動作、Op22…第2部分動作、Op30…動作、Op31…第1部分動作、Op32…第2部分動作、P11…位置(始点)、P12…位置(終点)、P13…境界上の位置、P21…位置(始点)、P22…位置(終点)、P23…変更点、P31…位置(始点)、P32…位置(終点)、P33…境界上の位置、Param1,Param2…低減される対象周波数を表すパラメーター、Rtcp…制御点TCPと基準点O2との距離、Rth…第1範囲Ar1の外縁を規定する半径、Rmax…制御点が位置しうる範囲の外縁を規定する半径、St…目標位置、W01…ワークピース、X11〜X16…関節、f11〜f15,f21〜f29,f31〜f33…共振周波数、fS…エンドエフェクター200に作用している力およびトルク、fSt…目標力、θ…制御点TCPと基準点O2とを結ぶ線分と基準線LSとがなす角、θth…非低減範囲Ar0の円錐の母線が基準線LSとなす角、ΔS…補正量

Claims (21)

  1. ロボットを制御するための制御装置であって、
    ロボットの可動部を移動させる動作を行うための第1制御信号から、あらかじめ定められた周波数の成分を低減して第2制御信号を生成することができる第2制御信号生成部と、
    前記ロボットの制御点の位置の範囲と周波数との組み合わせの情報を含む参照情報を記憶している記憶部と、を備え、
    前記第2制御信号生成部は、前記動作における前記ロボットの制御点の位置に基づいて、前記参照情報を参照して、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する、制御装置。
  2. 請求項1記載の制御装置であって、
    前記制御点は、前記可動部の両端のうち、前記可動部を支持する基台と接続されている端とは逆の端にある、制御装置。
  3. 請求項1または2記載の制御装置であって、
    前記第2制御信号生成部は、前記決定した周波数を含むあらかじめ定められた幅の周波数の範囲の成分を、前記第1制御信号から低減して、前記第2制御信号を生成し、
    前記参照情報は、前記ロボットの制御点の位置の範囲と周波数との2以上の組み合わせの情報を含み、
    前記参照情報において、任意の二つの前記位置の範囲は、それぞれ対応づけられた前記周波数を含む前記周波数の範囲が互いに重複しないように設定されている、制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記参照情報は、
    周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、
    周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、
    前記第2制御信号生成部は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減して、前記第2制御信号を生成する、制御装置。
  5. 請求項4記載の制御装置であって、
    前記第2制御信号生成部は、前記第1制御信号から、さらに、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減して、前記第2制御信号を生成する、制御装置。
  6. 請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記参照情報は、
    周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、
    周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、
    前記第2制御信号生成部は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記第2制御信号を生成する際に、
    前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記第1範囲内を移動する第1部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減し、
    前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記第2範囲内を移動する第2部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減する、制御装置。
  7. 請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記参照情報は、
    周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、
    周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、
    前記第2制御信号生成部は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作であって、前記第2範囲内のあらかじめ定められた変更点において前記制御点の速度を変えて移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記第2制御信号を生成する際に、
    前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記変更点に達する前の動作である第1部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減し、
    前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記変更点に達した後の動作である第2部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減する、制御装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記参照情報は、さらに、周波数と対応づけられていない前記ロボットの制御点の位置の範囲である非低減範囲の情報を含み、
    前記第2制御信号生成部は、前記制御点が前記非低減範囲を移動する動作を指示する前記第1制御信号から、周波数の成分を低減することなく、前記第2制御信号を生成することができる、制御装置。
  9. 請求項8記載の制御装置であって、
    前記非低減範囲は、前記可動部を支持する基台の少なくとも一部を含む範囲である、制御装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の制御装置であって、
    前記第2制御信号生成部は、前記可動部が支持する物の質量の情報に基づいて、前記質量が大きいほど、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分が小さくなるように、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する、制御装置。
  11. ロボットを制御する制御方法であって、
    (a)ロボットの制御点の位置の範囲と周波数との組み合わせの情報を含む参照情報を準備する工程と、
    (b)動作における前記ロボットの制御点の位置に基づいて、前記参照情報を参照して、前記ロボットの可動部を移動させる動作を行うための第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する工程と、
    (c)前記第1制御信号から、前記決定された周波数の成分を低減して第2制御信号を生成する工程と、
    (d)前記第2制御信号に基づいて、前記ロボットを駆動する駆動信号を生成する工程と、
    を含む、制御方法。
  12. 請求項11記載の制御方法であって、
    前記制御点は、前記可動部の両端のうち、前記可動部を支持する基台と接続されている端とは逆の端にある、制御方法。
  13. 請求項11または12記載の制御方法であって、
    前記工程(c)は、前記決定された周波数を含むあらかじめ定められた幅の周波数の範囲の成分を、前記第1制御信号から低減して、前記第2制御信号を生成する工程であり、
    前記工程(a)は、前記ロボットの制御点の位置の範囲と周波数との2以上の組み合わせの情報を含み、任意の二つの前記位置の範囲は、それぞれ対応づけられた前記周波数を含む前記周波数の範囲が互いに重複しないように設定されている、前記参照情報を準備する工程である、制御方法。
  14. 請求項11から13のいずれか1項に記載の制御方法であって、
    前記参照情報は、
    周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、
    周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、
    前記工程(c)は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減して、前記第2制御信号を生成する工程である、制御方法。
  15. 請求項14記載の制御方法であって、
    前記工程(c)は、前記第1制御信号から、さらに、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減して、前記第2制御信号を生成する工程である、制御方法。
  16. 請求項11から13のいずれか1項に記載の制御方法であって、
    前記参照情報は、
    周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、
    周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、
    前記工程(c)は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記第2制御信号を生成する際に、
    前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記第1範囲内を移動する第1部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減し、
    前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記第2範囲内を移動する第2部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減する工程である、制御方法。
  17. 請求項11から13のいずれか1項に記載の制御方法であって、
    前記参照情報は、
    周波数と対応づけられた位置の範囲である第1範囲と、
    周波数と対応づけられた位置の範囲であって前記第1範囲とは異なる第2範囲と、の情報を含み、
    前記工程(c)は、前記第1範囲内の位置から前記第2範囲内の位置に前記制御点が移動する動作であって、前記第2範囲内のあらかじめ定められた変更点において前記制御点の速度を変えて移動する動作を指示する前記第1制御信号から、前記第2制御信号を生成する際に、
    前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記変更点に達する前の動作である第1部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第1範囲と対応づけられている周波数の成分を低減し、
    前記第1制御信号のうち、前記制御点が前記変更点に達した後の動作である第2部分動作を指示する部分について、前記参照情報において前記第2範囲と対応づけられている周波数の成分を低減する工程である、制御方法。
  18. 請求項11から17のいずれか1項に記載の制御方法であって、
    前記参照情報は、さらに、周波数と対応づけられていない前記ロボットの制御点の位置の範囲である非低減範囲の情報を含み、
    前記工程(c)は、前記制御点が前記非低減範囲を移動する動作を指示する前記第1制御信号から、周波数の成分を低減することなく、前記第2制御信号を生成する工程を含む、制御方法。
  19. 請求項18記載の制御方法であって、
    前記非低減範囲は、前記可動部を支持する基台の少なくとも一部を含む範囲である、制御方法。
  20. 請求項11から19のいずれか1項に記載の制御方法であって、
    前記工程(b)は、前記可動部が支持する物の質量の情報に基づいて、前記質量が大きいほど、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分が小さくなるように、前記第1制御信号から低減すべき周波数の成分を決定する工程である、制御方法。
  21. 請求項1から10のいずれか1項に記載の制御装置と、
    前記制御装置によって制御されるロボットと、
    を備えるロボットシステム。
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