JP2006277652A - サーボゲイン算出方法、サーボゲイン算出プログラム及びサーボゲイン算出装置 - Google Patents

サーボゲイン算出方法、サーボゲイン算出プログラム及びサーボゲイン算出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高度な専門知識を有していなくとも比較的容易にサーボゲインを算出することができるサーボゲイン算出方法、サーボゲイン算出プログラム及びサーボゲイン算出装置を提供する。
【解決手段】 フィードバック制御系の伝達関数に対応する理想的な特性を持つ伝達関数を用いてフィードバック制御系のサーボゲインを算出するに当たり、フィードバック制御系の伝達関数と理想的な特性を持つ伝達関数とを等置させ、ラプラス演算子の係数に関する連立方程式を得て、この連立方程式から、正の実数解が得られる係数の条件式を算出する一方、フィードバック制御系の各種定数を決定し、決定された各種係数を正の実数解が得られる係数の条件式に代入してフィードバック制御系のサーボゲインを算出する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、フィードバック制御系のサーボゲイン算出方法、サーボゲイン算出プログラム及びサーボゲイン算出装置に関する。
現在、NC工作機械やロボットなどのサーボ系のゲイン調整は試行錯誤により行われているため、経験に基づく高度な技術と多大な時間が必要とされている。このような問題を解決するために、多くの方法が提案されている。その中で、本発明と関連が深いと思われる従来例を以下に列挙する。
<第1の従来例>
NC工作機械の形状創成を支配する、送り駆動系の制御系をチューニングするに当たり、まず、サーボ系のゲイン余裕及び位相余裕が経験的に定められた範囲内となるように速度ループ及び位置ループの制御ゲインを決定し、その後、目標値に対する追従誤差がゼロになるようにフィードフォワードゲインを計算によって求める(下記の非特許文献1参照)。
<第2の従来例>
外乱抑制特性に優れた積分−比例微分型の補償器の制御ゲインを、従来から用いられている比例−積分型補償器と同じ感覚で調整しようとして、従来型補償器での速度ループゲインと呼ばれるパラメータと同様の意味を持つパラメータαを定義し、このパラメータαを指定すると、制御ゲインを四則演算により計算することができる(下記の特許文献1参照)。
<第3の従来例>
制御ゲインの調整時にオーバシュートを生じさせずに安全に調整することを目的として、スライディングモード制御を適用し、ゲイン自動調整時には自動的にスライディングモード制御へ移行し、スライディングモード制御時の可変ゲインの切替回数を求め、この切替回数に基づいて調整部の値を自動的に調整する(下記の特許文献2参照)。
<第4の従来例>
設計アルゴリズムが提案されている複雑な補償器の採用を可能にするために、制御対象のモデルを作成し、このモデルと実際の制御対象とを同じ構造・パラメータを有する補償器で制御し、両方の制御量の特徴量を比較し、その比較結果から推論を行って上記モデルを修正して実機に近いモデルとし、制御系のゲインを決定し直すことを繰り返して、最終的なゲインを決定する(下記の特許文献3参照)。
<第5の従来例>
数値制御工作機械の送り駆動系においては、複数の軸が高精度に同期して運動する必要があり、モデルマッチング法と呼ばれる手法を用いることで、機構部の特性が異なる2つの制御軸の特性を揃えることができる。その際、モータとテーブルとから構成される送り駆動機構を1つの機械システムと考え、これにモデルマッチング法を用いて設計した制御装置を適用して送り駆動系を構成し、XYテーブルの各軸の性能を一致させると同時に速応化して、送り駆動系の運動精度向上を図る(下記の非特許文献2参照)。
<第6の従来例>
除振台のような固有振動数の低いベース上に搭載されている位置決めサーボ系を調整するに当たり、実際の調整現場で比較的多く用いられている限界感度法に代わって、最初にゲインを投入して閉ループ系を安定化し、かつ定常位置偏差をゼロにしていく調整順序、すなわち初期チューニングの適用を試み、除振台に搭載の精密ステージを暴走させる危険を少なくする(下記の非特許文献3参照)。
<第7の従来例>
同時に2方向の変位を測定することのできるグリッドエンコーダと呼ばれる装置の測定結果に基づき、数値制御工作機械の様々なパラメータを調整するとき、機械本体の100Hz以下の振動を対象とし、速度ループの特性を無視し、位置ループ及びフィードフォワードゲインをチューニングする(下記の非特許文献4参照)。
<第8の従来例>
制御方式を供給するまでに制御対象を何度も動作させることなく、制御対象により近い特性式を用いてゲインチューニングを実施し、制御対象を暴走させることなく最適なゲインチューニングを行うことを可能にするために、制御装置内部にあらかじめ数種類の数学モデルを用意しておき、ユーザが制御対象の構造に合わせてモデルを選択し、その後、制御装置内部で実際に測定される位置や角度などの特徴量とモデルのそれらとを比較してモデルのパラメータを自動的に調整し、そのモデルを使って遺伝的アルゴリズムなどにより制御ゲインを決定し、シミュレーションにより制御性能を確認しながら制御ゲインを決定する(下記の特許文献4参照)。
垣野義昭ほか:NC工作機械における送り駆動系のトータルチューニングに関する研究(第2報)、精密工学会誌、Vol.61,No.2,(1995) 山崎敬則ほか:モデルマッチング法を用いた数値制御工作機械送り駆動系の多軸制御、精密工学会誌、Vol.65,No.5,(1999) 涌井伸二:ステージ位置制御系のPID調整に関する一考察、精密工学会誌、Vol.65,No.5,(1999) 鈴木康彦ほか:工作機械の輪郭精度向上をめざしたCNCパラメータチューニングに関する研究、精密工学会誌、Vol.69,No.8,(2003) 特開平8−6603号公報 特開平8−194542号公報 特許第2758246号公報 特開2004−94336号公報
しかしながら、上述した第1、第6及び第7の従来例においては、調整の手順は決められているが、調整には周波数特性や極配置などを理解している必要があり、高度な専門知識を有していない者には調整が難しいという問題があり、第2の従来例においては、経験的に1つのパラメータを決定すればほかのパラメータも決まるが、最初の1つのパラメータの決定には高度な専門知識が要求されるという問題があった。また、第5の従来例においては、制御装置の内部で複雑な微分方程式を解く必要があり、市販されている制御装置では実現が困難であるため、この理論にしたがって送り駆動系を構成するには高度な専門知識が必要になるという問題があった。
一方、第3、第4及び第8の従来例においては、特定のアクチュエータに対応するようにサーボ系の上位制御装置が構成されているため、汎用のモータが混在するシステムには適用しにくいものになっていた。
本発明は、上述した従来例の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、操作者が高度な専門知識を有していなくとも比較的容易にサーボゲインを算出することができるサーボゲイン算出方法、サーボゲイン算出プログラム及びサーボゲイン算出装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、汎用のモータが混在するシステムにも適用することが可能なサーボゲイン算出方法、サーボゲイン算出プログラム及びサーボゲイン算出装置を提供することにある。
本発明は、フィードバック制御系の伝達関数に対応する理想的な特性を持つ伝達関数を用いて前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出するサーボゲイン算出方法において、
前記フィードバック制御系の伝達関数と前記理想的な特性を持つ伝達関数とを等置させ、ラプラス演算子の係数に関する連立方程式を得るステップと、
前記連立方程式から、正の実数解が得られる係数の条件式を算出するステップと、
前記フィードバック制御系の各種定数を決定するステップと、
決定された前記各種係数を正の実数解が得られる前記係数の条件式に代入して前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出するステップとを、
備えたことを特徴とする。
本発明のフィードバック制御系は、速度フィードバックループを備え、前記速度フィードバックループの伝達関数は速度ループ比例ゲイン及び速度ループ積分ゲインを含み、サーボゲインとして前記速度ループ比例ゲイン及び前記速度ループ積分ゲインを算出することを特徴とする。
本発明のフィードバック制御系は、さらに、位置フィードバックループを備え、前記位置フィードバックループの伝達関数は位置ループ比例ゲインを含み、算出された前記速度ループ比例ゲイン及び前記速度ループ積分ゲインに基づいて前記速度フィードバックループの周波数特性の折点周波数を検出し、検出された折点周波数に基づいて前記位置ループ比例ゲインを算出することを特徴とする。
本発明は、コンピュータに、フィードバック制御系の伝達関数と前記フィードバック制御系の伝達関数に対応する理想的な特性を持つ伝達関数とを記憶させて前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出するサーボゲイン算出プログラムにおいて、
前記フィードバック制御系の伝達関数と前記理想的な特性を持つ伝達関数とを等置させ、ラプラス演算子の係数に関する連立方程式を得るステップと、
前記連立方程式から、正の実数解が得られる係数の条件式を算出するステップと、
前記フィードバック制御系の各種定数を決定するステップと、
決定された前記各種係数を正の実数解が得られる前記係数の条件式に代入して前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出するステップとを、
順次実行することを特徴とする。
本発明は、フィードバック制御系の伝達関数に対応する理想的な特性を持つ伝達関数を用いて前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出するサーボゲイン算出装置において、
前記フィードバック制御系の伝達関数を記憶させた第1の伝達関数記憶手段と、
前記理想的な特性を持つ伝達関数を記憶させた第2の伝達関数記憶手段と、
前記第1の伝達関数記憶手段に記憶させた伝達関数と前記第2の記憶手段に記憶させた伝達関数とを等置させ、ラプラス演算子の係数に関する連立方程式を作成する方程式作成手段と、
前記方程式作成手段で作成された前記連立方程式から、正の実数解が得られる係数の条件式を算出する第1の演算手段と、
前記フィードバック制御系の各種定数を決定する定数決定手段と、
前記定数決定手段で決定された各種定数を前記第1の演算手段で算出された前記係数の条件式に代入して前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出する第1のサーボゲイン演算手段とを、
備えたことを特徴とする。
本発明のサーボゲイン算出装置のフィードバック制御系は、速度フィードバックループを備え、前記速度フィードバックループの伝達関数は速度ループ比例ゲイン及び速度ループ積分ゲインを含み、サーボゲインとして前記速度ループ比例ゲイン及び前記速度ループ積分ゲインを算出することを特徴とするーボゲイン算出装置。
本発明のサーボゲイン算出装置のフィードバック制御系は、さらに、伝達関数が位置ループ比例ゲインを含む位置フィードバックループを備え、算出された前記速度ループ比例ゲイン及び前記速度ループ積分ゲインに基づいて前記速度フィードバックループの周波数特性の折点周波数を検出し、検出された折点周波数に基づいて前記位置ループ比例ゲインを算出する第2のサーボゲイン演算手段を備えたことを特徴とする。
本発明は上記のように構成したことにより、試行錯誤や繰り返し計算を行わずに代数計算によりサーボゲインを求めることができるため、操作者が高度な専門知識を有していなくとも比較的容易にサーボゲインを算出することができ、さらに、フィードバック制御系の各種定数を決定して係数の条件式に代入しているため、汎用のモータが混在するシステムにも適用することが可能となる。
以下、本発明を図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施の形態に係る駆動機構10の概略構成を示す斜視図である。図1において、平面形状が長方形をなす基板11の表面の両側部には、リニアボールベアリング用のガイドレール12、12が互いに平行に装着され、長手方向の一端部にはモータ固定台13が装着されている。モータ固定台13の外側端面にサーボモータ14が装着され、このサーボモータ14の出力軸が、ガイドレール12、12の中間部に突出している。サーボモータ14の出力軸の延長上には、1対の軸支持台15、15が離隔して装着されている。これらの軸支持台15、15にはボールねじのナット17と係合するねじ軸16の端部がそれぞれ、ラジアル軸受を介して、支承されている。そして、ねじ軸16のモータ固定台13側の端部がサーボモータ14の出力軸に結合されている。また、ガイドレール12、12の長手方向の一部に重なるように作業テーブル18が搭載されている。この作業テーブル18の図面に示す裏側の両側部には不図示のリニアボールベアリングが装着され、さらに、中央部にはナット17が装着されている。以下、この駆動機構10を含むサーボ系のブロック線図、サーボゲインの算出方法、サーボゲインの実際の算出例について説明することとする。
(1)サーボ系のブロック線図
図1に示した駆動機構10は、サーボモータ14の回転をねじ軸16及びナット17によって作業テーブル18の直進運動に変換するもので、一般的なNC工作機械のサーボ系の一部として使用される。このようなサーボ系においては、駆動機構10の固有振動数がサーボ系の固有振動数と比較して十分に大きいため、図2に示すような力学モデルで表現することができ、さらに、この力学モデルは下記の(1)式に示す運動方程式で表現することができる。
Figure 2006277652
ここで、θはサーボモータの回転角度[rad]、xはテーブルの変位[m]、lはボールねじのリード[m]、Tはサーボモータのトルク[Nm]、cはモータ軸での粘性摩擦係数(以下、粘性係数と略記する)[Nm/(rad/s)]、fはモータ軸換算での摩擦トルク[Nm]である。また、Jはモータ軸換算での駆動機構の総慣性モーメント[kgm]であり、サーボモータ及びボールねじの慣性モーメントJ[kgm]とテーブル及びボールねじの質量M[kg]から下記の(2)式により計算される。
Figure 2006277652
(1)式に制御系を付加したサーボ系全体は図3及び図4に示すようなブロック線図で表すことができる。ほとんどの制御系は速度フィードバックループと位置フィードバックループの2重の制御ループを備えている。図3は位置フィードバックループを比例制御、速度フィードバックループを比例−積分制御としたサーボ系であり、現在最もよく使用されている形態である。図4は速度フィードバックループを積分−比例制御としたものであり、比例−積分制御との違いはわずかしかなく簡単に実現できるが、ゲイン調整の方法が確立されていないために、あまり普及していないのが現状である。しかし、制御系の特性としては積分−比例制御系のほうが優れている点が多いといわれている。本発明は、どちらの制御系を採用した場合でも適用可能なサーボゲイン算出方法を提供するものである。
図3のブロック線図中のDAはD−A変換器のゲイン、Trgはトルク指令調整ゲイン、Tはトルク指令フィルタ時定数[s]、Tはトルク制御遅れの時定数[s]であり、Kppは位置ループ比例ゲイン、Kvpは速度ループ比例ゲイン、Kviは速度ループ積分ゲインである。このうち、3つの制御ゲインKpp、Kvp、Kviが調整対象となる。なお、rは位置指令[m]である。
(2)サーボゲインの算出
サーボ系には、目標値追従特性と外乱抑制特性とが求められる。図1に示す駆動機構10を持つサーボ系においては、摩擦力が最も大きな外乱要素となる。本発明では、まず外乱抑制特性に着目して速度ループ比例ゲインKvpと速度ループ積分ゲインKviとを算出する。また、特に工作機械においては、目標位置より行き過ぎるオーバシュートが生じると材料を削り過ぎてしまうため、位置フィードバックループにはオーバシュートが生じない特性が求められる。本発明は、外乱抑制特性に対して設計した速度フィードバックループの特性から、オーバシュートを生じさせない位置ループ比例ゲインを求める方法をも提供するものである。
(2−1)速度ループ比例ゲイン及び速度ループ積分ゲイン
そこで、まず、速度ループ比例ゲインKvp及び速度ループ積分ゲインKviの算出方法について説明する。速度フィードバックループの設計には、部分的モデルマッチング法と呼ばれる方法を用いる(北森俊行:制御対象の部分的知識に基づく制御系の設計方法、計測自動制御学会論文集、第15巻、第4号、(1979)pp549-555)。この部分的モデルマッチング法は、ある理想的な特性を持つ伝達関数と、調整対象の伝達関数とが一致するようにサーボゲインを決定する方法である。本発明はこの方法を応用している。
そこで、速度フィードバックループにおいて、外乱(摩擦力)からサーボモータの回転速度までの伝達関数を考えると、図3に示す比例−積分制御系も、図4に示す積分−比例制御系も、共に下記の(3)式のようになる。
Figure 2006277652
(3)式の伝達関数を分母系列で表現すると下記の(4)式のように書くことができる。
Figure 2006277652
(4)式の特性多項式を望ましい特性を持つ伝達関数(参照モデル)と等置することで、2つのサーボゲインを計算する。ここで、参照モデルを下記の(5)式に示す。
Figure 2006277652
求めたいサーボゲインが速度ループ比例ゲインKvpと速度ループ積分ゲインKviである場合、ラプラス演算子sの3乗の項まで使えば計算できる。(4)式におけるhからhまでは下記の(6)式のとおりである。
Figure 2006277652
したがって、(4)式と(5)式とを等置すると下記の(7)式の連立方程式が得られる。
Figure 2006277652
(7)式の連立方程式をσについて整理すると、σについて次の3次方程式が得られる。
Figure 2006277652
3次方程式の解の公式からσを求める。また、σは正の実数でなければならないので下記の(9)式が得られる。
Figure 2006277652
(9)式により計算されるσと(3)式及び(7)式から、求めたいサーボゲインKvpとKviは下記の(10)式により計算される。
Figure 2006277652
以上のような手順により、速度フィードバックループの特性を参照モデルと一致させるための速度フィードバックループのサーボゲインを求めることができる。
(2−2)位置ループ比例ゲイン
次に、位置フィードバックループの比例ゲインKppを求める手順について説明する。位置フィードバックループの位置ループ比例ゲインKppは、速度フィードバックループの特性に基づいてオーバシュートを生じさせないように決定する。速度ループの速度指令からモータ回転速度までの伝達関数を分母系列で表現すると下記の(11)式のように書くことができる。
Figure 2006277652
ここで、速度指令からモータ回転速度までの伝達関数は比例−積分制御系と積分−比例制御系とで異なり、分母系列表現での各係数h′(i=1〜3)は、比例−積分制御の場合には下記の(12)式となる。
Figure 2006277652
また、積分−比例制御の場合には下記の(13)式となる。
Figure 2006277652
なお、a〜aは(3)式と全く同じである。速度ループのサーボゲインを算出する際には、ラプラス演算子sの3乗までの項を使って計算したので、目標値に対する特性を考える際にも、ラプラス演算子sの4乗の項は無視することとする。
位置ループ比例ゲインは、速度ループの周波数特性に基づいて算出する。速度ループを3次遅れ系として考えると、速度指令からモータ回転速度までの周波数特性は図5のようになる。この図5において、ωは折点周波数[rad/s]であり、速度ループが応答可能な周波数を表している。また、3次遅れ系の場合、折点周波数より周波数が高い範囲では、周波数が10倍になるごとに60[dB]ずつ小さくなる。このことを利用して、折点周波数は、(11)式の伝達関数から次のようにして計算することができる。
速度ループの応答周波数よりも十分に大きい任意の周波数をω′とすると、周波数ω′におけるゲイン[dB]は下記の(14)式となる。
Figure 2006277652
(14)式とゲインの傾きが−60[dB/decade]であることから折点周波数ωは下記の(15)式により計算することができる。
Figure 2006277652
この折点周波数ωは、2次遅れ系における固有振動数と同等の意味を持っている。そこで、速度ループの特性を下記の(16)式に示すような固有振動数ωの2次遅れ系と考え、位置ループ比例ゲインを計算する。
Figure 2006277652
速度ループの特性を(16)式の伝達関数で表現した場合のサーボ系全体のブロック線図を図6に示す。図6において、Vは速度指令[rad/s]である。このブロック線図より、目標値rからテーブル変位xまでの伝達関数を導くと下記の(17)式が得られる。
Figure 2006277652
サーボ系においては、オーバシュートが生じずに、かつ、速やかに目標値に到達することが求められる。オーバシュートが生じずに最も速い応答を示すのは、(17)式の分母が3重根を持つ場合であり、そのような場合の位置ループ比例ゲインは下記の(18)式により計算することができる。
Figure 2006277652
以上のような手順により、オーバシュートが生じずに速やかに目標値に追従する位置ループ比例ゲインを計算することができる。
(3)サーボゲインの実際の算出例
図7は上述したサーボゲイン算出方法の具体的な処理手順を示すフローチャートであり、以下、このフローチャートにしたがって説明する。まず、最初のステップ101では駆動機構を表現する力学モデルに制御系を付加した速度フィードバック系を構成して(3)式に示す速度フィードバックループの伝達関数Gfθ(s)及び(11)式に示す位置フィードバックループの伝達関数GVrθ(s)を決定し、ステップ102で伝達関数Gfθ(s)に対応してこれまで望ましいとして提案されていた(5)式に示す伝達関数G(s)を探索する。次に、ステップ103にて伝達関数Gfθ(s)と伝達関数G(s)とを分母系列表現の形で等置させて(7)式に示すようなラプラス演算子の係数に関する連立方程式を作成し、ステップ104では作成された連立方程式から、(9)式に示すように正の実数解が得られる係数の条件式を算出する。次に、ステップ105でフィードバック制御系の各種定数を決定し、ステップ106では正の実数解が得られる係数の条件式に、決定された各種定数を代入して速度フィードバックループのサーボゲインKvp、Kviを算出する。最後のステップ107で速度フィードバックループのサーボゲインKvp、Kviに基づいて位置フィードバックループの比例ゲインKppを算出する。
図8はステップ105の更に詳細な処理手順を示すフローチャートである。ここで、サーボゲインの計算に必要なパラメータは、駆動機構の総慣性モーメントJ[kgm]、モータ軸換算の粘性係数c[Nm/(rad/s)]及びフィルタ時定数T、トルク制御系の遅れT[s]と、D−A変換器のゲインDA、トルク指令調整ゲインTrgの合計6個である。このうち、慣性モーメントJは駆動機構の設計値より正確に計算でき、フィルタ時定数Tとトルク制御系の遅れT、D−A変換器のゲインDA、トルク指令調整ゲインTrgは既知である。しかし、粘性係数cについては同定する必要がある。
そこで、ステップ1051で慣性モーメントJを計算し、ステップ1052でフィルタ時定数T、トルク制御系の遅れT、D−A変換器のゲインDA、トルク指令調整ゲインTrgを調べ、ステップ1053で粘性係数cを同定する。
一般的な汎用サーボ系には、シーケンス入力により一定速度でモータを回転させる機能と、モータのトルクをモニタする機能とが備わっている。粘性係数cはこれらの機能を利用して同定する。すなわち、モータを駆動機構に組み付けた状態である速度ω[rad/s]でモータを回転させ、そのときのモータトルクTm1[Nm]を記録する。次に、速度ωとは異なる速度ω[rad/s]でモータを回転させ、そのときのモータトルクTm2[Nm]を記録する。これら4つの値からモータ軸換算の粘性係数cは下記の(19)式により計算される(涌井伸二:位置決め機構の物理パラメータの一同定方法、精密工学会誌、Vol.60,No2,(1994),pp.211-214.)。
Figure 2006277652
図9はステップ106で速度フィードバックループのサーボゲインを算出する詳細な処理手順を示すフローチャートである。ここでは、ステップ1061にて6つのパラメータJ、T、T、DA、Trg、cと3つのサーボゲインKvp、Kvi、Kppとから、(3)式に示すa、a、a、a、a、b、bを定義する。ステップ1062にて(7)式に示す連立方程式α、ασ、ασ2、ασを求める。次に、ステップ1063で連立方程式をσについて整理し、(8)式に示すσの3次方程式を得る。続いて、ステップ1064でσに関する3次方程式が正の実数解を持つ条件式、すなわち、(9)式に示す条件式を得る。最後のステップ1065では(10)式にしたがって速度制御ループの比例ゲインKvp及び積分ゲインKviを算出する。
図10はステップ107で位置フィードバックループのサーボゲインを算出する詳細な処理手順を示すフローチャートである。この場合、ステップ1071で、速度フィードバックループが比例−積分制御の場合には(12)式に示すh′、h′、h′を、速度フィードバックループが積分−比例制御の場合には(13)式に示すh′、h′、h′をそれぞれ求める。そして、ステップ1072では、上記のh′、h′、h′と、速度フィードバックループの応答周波数よりも十分に高い周波数(10000rad/s程度)の角周波数ω′を用いて(15)式の演算を行って折点周波数ωを求める。最後のステップ1073で(18)式に従って位置フィードバックループの比例ゲインKppを算出する。
以上のような処理手順によるサーボゲイン算出方法によれば、試行錯誤や繰り返し計算を行わずに代数計算によりサーボゲインを求めることができ、さらに、フィードバック制御系の各種定数を決定して係数の条件式に代入しているため、汎用のモータが混在するシステムにも適用することができる。
なお、上述したサーボゲイン算出方法を実施するプログラムを、CD−ROMなどの記録媒体に静的に記録して、コンピュータにセットアップして必要なデータを順次入力してサーボゲインを算出することが可能であり、さらに、有線回線又は無線回線にて接続されたネットワークを介して上記プログラムを動的に伝送してコンピュータにセットアップすることによって、容易にサーボゲインを求めることができる。
図11は上述したサーボゲイン算出方法を実施するサーボゲイン算出装置の構成を示すブロック図である。このサーボゲイン算出装置30は図1に示す駆動機構10を駆動対象として構成され、図3に示すフィードバック制御系の速度フィードバックループの伝達関数Gfθ(s)を記憶させた第1の伝達関数記憶手段31と、この伝達関数Gfθ(s)に対応する理想的な特性を持つ伝達関数G(s)を記憶させた第2の伝達関数記憶手段32と、第1の伝達関数記憶手段31に記憶させた伝達関数Gfθ(s)と第2の伝達関数記憶手段32に記憶させた伝達関数G(s)とを等置させ、ラプラス演算子の係数に関する連立方程式を作成する方程式作成手段33と、方程式作成手段33で作成された連立方程式から、正の実数解が得られる係数の条件式を算出する条件式演算手段34と、フィードバック制御系の各種定数を決定する定数決定手段35と、定数決定手段35で決定された各種定数を条件式演算手段34で演算された係数の条件式に代入して速度フィードバックループのサーボゲインを算出する第1のサーボゲイン演算手段36と、この第1のサーボゲイン演算手段36で算出されたフィードバックゲインに基づいて速度フィードバックループの周波数特性の折点周波数ωを検出し、検出された折点周波数ωに基づいて位置フィードバックループのフィードバックゲインを算出する第2のサーボゲイン演算手段37とを備えている。
上記のように構成されたサーボゲイン算出装置の動作について以下に説明する。第1の伝達関数記憶手段31には(3)式に示す速度フィードバックループの伝達関数Gfθ(s)が記憶され、第2の伝達関数記憶手段32には伝達関数Gfθ(s)に対応してこれまで望ましいとして提案されていた(5)式に示す伝達関数G(s)が記憶されている。方程式作成手段33は第1の伝達関数記憶手段31の伝達関数Gfθ(s)と第2の伝達関数記憶手段32の伝達関数GVrθ(s)とを分母系列表現の形で等置させて(7)式に示すようなラプラス演算子の係数に関する連立方程式を作成する。条件式演算手段34は方程式作成手段33で作成された連立方程式から、(9)式に示すように正の実数解が得られる係数の条件式を算出する。一方、定数決定手段35はフィードバック制御系の定数を決定する。そこで第1のサーボゲイン演算手段36は正の実数解が得られる係数の条件式に、定数決定手段35で決定された各種定数を代入して速度フィードバックのサーボゲインKvp、Kviを算出する。第2のサーボゲイン演算手段37は速度フィードバックループのサーボゲインKvp、Kviに基づいて位置フィードバックループの比例ゲインKppを算出する。このようにして、図11に示したサーボゲイン算出装置よれば、図7から図10のフローチャートに示したサーボゲイン算出方法を実施することができる。
この結果、試行錯誤や繰り返し計算を行わずに代数計算によりサーボゲインを求めることができ、さらに、フィードバック制御系の各種定数を決定して係数の条件式に代入しているため、汎用のモータが混在するシステムにも適用することができるサーボゲイン算出装置が提供される。
<第2の実施の形態>
図12は本発明の第2の実施の形態に係る駆動機構の概略構成を示す斜視図である。この駆動機構は前述した駆動機構10が、作業テーブルとしてもう一つの駆動機構20上に搭載されたもので、駆動機構10が作業テーブル18をX軸方向に駆動するX軸用の駆動機構であるとすれば、駆動機構20は駆動機構10をY軸方向に駆動するY軸用の駆動機構になっており、これらがXYテーブルを構成している。なお、駆動機構20の詳細については、基本的に駆動機構10と同様に構成されているのでそれらの詳しい説明を省略する。
図13は図12に示すXYテーブルに適用するX軸用のサーボゲイン算出装置30と、駆動機構20のサーボゲインを算出するY軸用のサーボゲイン算出装置40の構成を示したブロック図である。図13中、サーボゲイン算出装置30は図11に示したものと同一に構成され、サーボゲイン算出装置40もサーボゲイン算出装置30と同様に構成されているためその詳細な構成を省略して示している。このような構成により、X軸とY軸とを同時に動かして、それぞれのサーボゲインを算出することができる。
なお、第2の実施の形態ではX軸用の駆動機構10とY軸用の駆動機構20に対応させてサーボゲイン算出装置30及びサーボゲイン算出装置40を設けたが、3軸以上の多軸駆動機構に対しても、それぞれサーボゲイン算出装置30と同様なサーボゲイン算出装置を設けることによって、多軸の駆動機構の各軸ごとのサーボゲインを同時に算出することができる。
以下、図12に示すXYテーブルをパソコンで駆動するとともに、本実施の形態に係るサーボゲイン算出装置を適用した場合の具体的なサーボゲインのチューニングについて説明する。
ここでは、速度フィードバックループを積分−比例制御系及び比例−積分系とした場合についてサーボゲインを計算し、位置指令をステップ状に変化させた場合のステップ応答と、X軸とY軸を同時に動かして、円弧補間運動を行った場合の軌跡誤差とを調べた。また、比較のために、従来から一般的に用いられている比例−積分制御系のサーボゲインを試行錯誤により調整した場合と比較した。
ステップ応答では目標値追従特性が評価でき、円弧補間運動では各軸の運動方向が反転する、特に摩擦力の影響で生じる突起状の軌跡誤差(象限突起)の大きさを見ることで、外乱抑制特性を評価することができる。試行錯誤による調整では、象限突起の大きさができるだけ小さくなるように調整を行った。本実施の形態により計算されたサーボゲインと、試行錯誤により調整したサーボゲインとを下記の表1に示す。
Figure 2006277652
ここでのサーボゲインの計算においては、参照モデルの係数αを以下のように決めた。
[α,α,α,α]=[1,1,0.375,0.0625] (20)
なお、参照モデルの係数αは、別の特性を持つ参照モデル(重政隆、高木康夫ほか:制御系設計のための実用的な汎用参照モデル、計測自動制御学会論文集、第19巻、第7号,(1983)pp.592-594)の係数を使用することも可能である。
表1に示すサーボゲインを使ってステップ応答と円弧補間運動の実験を行った結果を図14及び図15に示す。このうち、図14は目標値を200μmとした場合のステップ応答である。図14(a)、(b)によると、本発明により算出されたサーボゲインを用いると、X軸Y軸共にオーバシュートのない応答を示している。さらに、X軸とY軸がほぼ同じ応答をしていることが分かる。このことは、2軸同期制御を行う際に重要となる。また速度フィードバックループを積分−比例制御とした場合と比例−積分制御とした場合とを比較すると、積分−比例制御とした場合のほうが速やかに目標値に達している。
図14(c)に示すように速度フィードバックループを比例−積分制御とし、サーボゲインを試行錯誤により調整した場合には、質量の大きいY軸でオーバシュートが生じてしまっている。また、X軸とY軸とでは応答特性が大きく異なってしまっている。しかし、試行錯誤により2つの軸の応答特性を一致させることは非常に困難である。
図15は半径25mm、送り速度3000mm/minの円弧補間運動を行ったときの円弧軌跡である。その結果は、半径方向の誤差を1000倍に拡大して示してある。各軸の運動方向が反転するときには、軸受けや直動案内などで生じる摩擦力の方向も急激に変化することにより、突起状の軌跡誤差(象限突起)が生じる。この象限突起の大きさが小さいほど、外乱抑制が優れている。図15によれば、本発明により計算したサーボゲインを使った場合には、象限突起が小さくなるように試行錯誤でサーボゲインを調整した場合とほぼ同等の外乱特性を示していることが分かる。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、繰り返し計算を行わずに代数計算のみでサーボゲインを計算することができ、これによって一般的な卓上計算機によって計算することができる。また、繰り返し計算を行わないので、パソコン上では非常に高速にサーボゲインの計算ができるため、制御対象の特性の変化に合わせて、リアルタイムにサーボゲインを変えていくことが可能となる。さらに、サーボゲインを調整すれば、質量などが異なる複数の軸の特性を一致させることができるため、多軸同期制御運動を行う際に有利となる。
なお、試行錯誤でサーボゲインを調整し、高速高精度な運動を実現しようとする場合には、高度な専門知識を有する者であっても通常は1週間から1ヶ月程度の時間を費やすのが普通であるが、本発明によれば1日程度で調整することができるため、これを実施する効果は極めて大きい。
以上のように本発明によれば、操作者が高度な専門知識を有していなくとも比較的容易にサーボゲインを算出することができ、さらに、汎用のモータが混在するシステムにも適用することが可能であることから、数値制御工作機械はもちろんのこと、これ以外の工作機械にも広く応用することができる。また、図2に示した力学モデルを、例えば温度制御系や水位制御系などに置き換えれば、2重の制御ループを持つすべての制御系に応用できると考えられる。例えば、タンクのジャケットの温度を制御して更にタンクの温度を制御する場合や、弁の開度を制御してタンクの水位を制御するような場合や、あるいは、風量を制御して部屋の温度を制御する場合などである。
本発明の第1の実施の形態に係る駆動機構の概略構成を示す斜視図である。 図1に示した駆動機構を表現する力学モデルである。 図1に示した駆動機構に制御系を付加したサーボ系全体の構成を示すブロック線図である。 図1に示した駆動機構に他の制御系を付加したサーボ系全体の構成を示すブロック線図である。 図3に示したサーボ系の速度指令からモータ回転速度までの周波数特性を示した図である。 図3に示したサーボ系を、速度フィードバックループの特性を固有振動数の2次遅れ系の伝達関数で表現した場合のサーボ系全体のブロック線図である。 本発明の第1の実施の形態に係るサーボゲイン算出方法の具体的な処理手順を示すフローチャートである。 図7に示したフローチャートの詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図7に示したフローチャートの詳細な処理手順を示すフローチャートである。 図7に示したフローチャートの詳細な処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係るサーボゲイン算出装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る駆動機構の概略構成を示す斜視図である。 図12に示す駆動機構の軸ごとのサーボゲイン算出装置の構成を示したブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に、特定のサーボゲイン使って実験を行った結果のステップ応答を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に、特定のサーボゲイン使って実験を行った結果の円弧補間運動を示す図である。
符号の説明
10、20 駆動機構
11 基板
12 ガイドレール
13 モータ固定台
14 サーボモータ
15 軸支持台
16 ねじ軸
17 ナット
18 作業テーブル
30、40 サーボゲイン算出装置
31 第1の伝達関数記憶手段
32 第2の伝達関数記憶手段
33 方程式作成手段
34 条件式演算手段
35 定数決定手段
36 第1のサーボゲイン演算手段
37 第2のサーボゲイン演算手段

Claims (7)

  1. フィードバック制御系の伝達関数に対応する理想的な特性を持つ伝達関数を用いて前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出するサーボゲイン算出方法において、
    前記フィードバック制御系の伝達関数と前記理想的な特性を持つ伝達関数とを等置させ、ラプラス演算子の係数に関する連立方程式を得るステップと、
    前記連立方程式から、正の実数解が得られる係数の条件式を算出するステップと、
    前記フィードバック制御系の各種定数を決定するステップと、
    決定された前記各種係数を正の実数解が得られる前記係数の条件式に代入して前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出するステップとを、
    備えたことを特徴とするサーボゲイン算出方法。
  2. 前記フィードバック制御系は、速度フィードバックループを備え、前記速度フィードバックループの伝達関数は速度ループ比例ゲイン及び速度ループ積分ゲインを含み、サーボゲインとして前記速度ループ比例ゲイン及び前記速度ループ積分ゲインを算出することを特徴とする請求項1に記載のサーボゲイン算出方法。
  3. 前記フィードバック制御系は、さらに、位置フィードバックループを備え、前記位置フィードバックループの伝達関数は位置ループ比例ゲインを含み、算出された前記速度ループ比例ゲイン及び前記速度ループ積分ゲインに基づいて前記速度フィードバックループの周波数特性の折点周波数を検出し、検出された折点周波数に基づいて前記位置ループ比例ゲインを算出することを特徴とする請求項2に記載のサーボゲイン算出方法。
  4. コンピュータに、フィードバック制御系の伝達関数と前記フィードバック制御系の伝達関数に対応する理想的な特性を持つ伝達関数とを記憶させて前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出するサーボゲイン算出プログラムにおいて、
    前記フィードバック制御系の伝達関数と前記理想的な特性を持つ伝達関数とを等置させ、ラプラス演算子の係数に関する連立方程式を得るステップと、
    前記連立方程式から、正の実数解が得られる係数の条件式を算出するステップと、
    前記フィードバック制御系の各種定数を決定するステップと、
    決定された前記各種係数を正の実数解が得られる前記係数の条件式に代入して前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出するステップとを、
    順次実行することを特徴とするサーボゲイン算出プログラム。
  5. フィードバック制御系の伝達関数に対応する理想的な特性を持つ伝達関数を用いて前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出するサーボゲイン算出装置において、
    前記フィードバック制御系の伝達関数を記憶させた第1の伝達関数記憶手段と、
    前記理想的な特性を持つ伝達関数を記憶させた第2の伝達関数記憶手段と、
    前記第1の伝達関数記憶手段に記憶させた伝達関数と前記第2の記憶手段に記憶させた伝達関数とを等置させ、ラプラス演算子の係数に関する連立方程式を作成する方程式作成手段と、
    前記方程式作成手段で作成された前記連立方程式から、正の実数解が得られる係数の条件式を算出する第1の演算手段と、
    前記フィードバック制御系の各種定数を決定する定数決定手段と、
    前記定数決定手段で決定された各種定数を前記第1の演算手段で算出された前記係数の条件式に代入して前記フィードバック制御系のサーボゲインを算出する第1のサーボゲイン演算手段とを、
    備えたことを特徴とするサーボゲイン算出装置。
  6. 前記フィードバック制御系は、速度フィードバックループを備え、前記速度フィードバックループの伝達関数は速度ループ比例ゲイン及び速度ループ積分ゲインを含み、サーボゲインとして前記速度ループ比例ゲイン及び前記速度ループ積分ゲインを算出することを特徴とする請求項5に記載のサーボゲイン算出装置。
  7. 前記フィードバック制御系は、さらに、伝達関数が位置ループ比例ゲインを含む位置フィードバックループを備え、算出された前記速度ループ比例ゲイン及び前記速度ループ積分ゲインに基づいて前記速度フィードバックループの周波数特性の折点周波数を検出し、検出された折点周波数に基づいて前記位置ループ比例ゲインを算出する第2のサーボゲイン演算手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載のサーボゲイン算出装置。
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