JP7421014B1 - 加工シミュレーション装置及び加工シミュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

データ収集と専門知識とを必要とすることなく、工作機械の伝達関数を得ることができる加工シミュレーション装置を提供する。加工シミュレーション装置が、工作機械の伝達特性を生成する伝達特性生成部と、伝達特性を用いて工作機械の挙動を模擬するシミュレーション実行部と、を備え、伝達特性生成部は、モータ情報と工作機械のモータ制御系の制御パラメータとを取得する制御情報取得部と、モータ情報に基づいてモータ特性を計算するモータ特性計算部と、制御パラメータに基づいてモータ制御系の制御特性を計算する制御特性計算部と、モータ特性と制御特性とに基づいて、所定の要件を満たす伝達特性を計算する伝達特性計算部とを含む。

Description

本開示は、加工シミュレーション装置及び加工シミュレーション方法に関わり、特に、工作機械の伝達特性を示す伝達関数を用いて、工作機械の挙動をシミュレーションする加工シミュレーション装置及び加工シミュレーション方法に関する。
工作機械の伝達特性を示す伝達関数を用いて、工作機械の挙動をシミュレーションするための技術が、特許文献1から特許文献4に記載されている。
特許文献1には、指令経路に誤差が含まれていても、加工面に傷を生じることなく短時間に加工を行うことのできる数値制御方法が記載されている。
具体的には、特許文献1には、数値制御方法が、加工プログラムに指令された指令経路および指令送り速度により工作機械の速度制御を行った場合の加工具の軌跡を指令位置から加工位置までの伝達特性に基づいて予測し、予測された軌跡上における加工具の位置の時間的変化を表す特徴量とその許容値に基づいて許容送り速度を求めることが記載されている。特徴量は、予測された軌跡上における加工具の加速度、または加速度の法線成分等を用いる。
特許文献2には、共振によるびびりの発生を防ぎ、面精度等の向上を実現する加工シミュレーション装置が記載されている。
具体的には、特許文献2には、加工シミュレーション装置が、グラフィックデータ上の加工シミュレーションを加工に先立って実行し、加工シミュレーション手段で加工情報に基づいて断続切削による強制振動の周波数及び/又は負荷変動の周波数をシミュレートし、そこから得られる周波数に基づいて、数値制御指令作成手段で数値制御指令を作成することが記載されている。加工シミュレーション装置によって、主軸回転速度を実加工に適合した条件で実加工や加工プログラム作成に反映できるため、断続切除による強制振動の周波数及び/又は負荷変動の周波数もしくはそれらの整数倍の高調波周波数と、機械、工具、治具、あるいは工作物等の持つ固有振動周波数が近い値になることが無くなり、共振によるびびりの発生を防ぐことができることも記載されている。
特許文献3には、短時間で補正データが求められる加工方法が記載されている。
具体的には、特許文献3には、非真円形工作物を加工する場合における加工方法において、非真円形工作物のプロフィルデータを工作物主軸と工具送り軸の各データに分け、それぞれのデータをフーリエ変換し、各周波数における利得と位相を算出する第1ステップと、輪郭形状加工主軸装置の伝達関数と、工具送り軸装置の伝達関数から、各周波数における利得と位相を算出する第2ステップと、工作物主軸および工具送り軸には、第1ステップから求められた各周波数における利得と位相に、第2ステップから求められた各周波数の利得と位相を加算する第3ステップと、第3ステップにより求められた非真円形工作物の工作物主軸および工具送り軸の各周波数データの逆フーリエ変換を行う第4ステップと、第4ステップより得られた非真円形工作物の工作物主軸および工具送り軸用加工データである補正データを作成する第5ステップと、補正データに基づいて非真円形工作物の加工を行うことが記載されている。
特許文献4には、時間の増加を抑制しつつ、高い精度で加工シミュレーションを行うことが可能な工作機械の加工シミュレーション装置が記載されている。
具体的には、特許文献4には、加工シミュレーション装置が、加工プログラムに基づいて工具を用いて加工対象物の加工を行う工作機械の加工シミュレーションを行う加工シミュレーション装置であって、位置指令と工作機械の伝達特性とに基づいて、加工プログラムに基づいて動作するときの工作機械の動きのシミュレーションを行うことにより、工具の位置を推定する機械シミュレーション部と、工具の情報と、推定された工具の位置とに基づいて、加工対象物の加工シミュレーションを行う加工シミュレーション部とを備えることが記載されている。
特開2001-051708号公報 国際公開第2002/003155号 特開2002-278609号公報 特開2019-152936号公報
加工シミュレーションを行うために、工作機械の伝達関数を得ようとすると、工作機械の試運転を伴うデータ収集作業と、収集したデータを分析して伝達特性を計算するための専門知識とが求められる。
よって、工作機械の試運転を伴うデータ収集と伝達特性を計算するための専門知識とを必要とすることなく、工作機械の伝達関数を得ることが望まれる。
本開示の代表的な第1の態様は、工作機械の伝達特性を生成する伝達特性生成部と、前記伝達特性を用いて前記工作機械の挙動を模擬するシミュレーション実行部と、を備え、
前記伝達特性生成部は、記憶部から、前記工作機械のモータ情報と前記工作機械のモータ制御系の制御パラメータとを含む制御情報を取得する制御情報取得部と、
前記モータ情報に基づいてモータ特性を計算するモータ特性計算部と、
前記制御パラメータに基づいて前記モータ制御系の制御特性を計算する制御特性計算部と、
前記モータ特性と前記制御特性とに基づいて、所定の要件を満たす前記伝達特性を計算する伝達特性計算部とを含み、
前記所定の要件が、位置制御の応答周波数、速度制御の応答周波数、前記工作機械の固有振動数、及び前記工作機械における駆動部と被駆動部との共振周波数のうちの少なくとも1つを含む、加工シミュレーション装置である。
本開示の代表的な第2の態様は、コンピュータが、
工作機械のモータ情報に基づいてモータ特性を計算する処理と、
前記工作機械のモータ制御系の制御パラメータに基づいて前記モータ制御系の制御特性を計算する処理と、
前記モータ特性と前記制御特性とに基づいて、所定の要件を満たす伝達特性を計算する処理と、
前記伝達特性を用いて前記工作機械の挙動を模擬する処理と、
を実行し、
前記所定の要件が、位置制御の応答周波数、速度制御の応答周波数、前記工作機械の固有振動数、前記工作機械における駆動部と被駆動部との共振周波数のうちの少なくとも1つを含む、加工シミュレーション方法である。
本発明の一実施形態の工作機械の加工シミュレーションシステムの構成例を示す構成図である。 工作機械の駆動部と被駆動部を剛体モデルで示す図である。 工作機械の駆動部と被駆動部を二慣性系モデルで示す図である。 モータ制御系と、駆動部及び被駆動部とが、位置制御ループを構成する場合の、位置制御ループの構成を示すブロック図である。 簡易化された位置制御ループの構成を示すブロック図である。 モータ制御系と、駆動部及び被駆動部とが、速度制御ループを構成する場合の、速度制御ループの構成を示すブロック図である。 伝達関数の周波数応答ゲインを模式的に示す特性図である。 速度PI制御の周波数応答ゲインの一例を示す特性図である。 速度P制御の周波数応答ゲインの一例を示す特性図である。 パーソナルコンピュータの表示装置の表示画面にユーザインタフェースが表示された例を示す図である。 加工シミュレーション装置の動作を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の工作機械の加工シミュレーションシステムの構成例を示す構成図である。
図1に示すように、工作機械の加工シミュレーションシステム10は、工作機械の制御装置100、及び加工シミュレーション装置200を備えている。
工作機械の制御装置100は、加工プログラムに基づいて工作機械の送り軸の移動、主軸の回転等を制御する。制御装置100は、工作機械の駆動部となるモータと被駆動部、及びモータを制御するモータ制御系を有する。制御装置100は、工作機械のモータ情報と、モータ制御系の制御パラメータとを記憶部101に保存している。モータ情報及び制御パラメータについては後述する。工作機械のモータ情報及び制御パラメータは、制御装置100とは別に設けられた記憶部に保存されてもよい。記憶部は加工シミュレーション装置200内に設けられてもよい。記憶部が制御装置100とは別に設けられる場合は、加工シミュレーションシステム10は工作機械の制御装置100を含まなくともよい。
加工シミュレーション装置200は、伝達特性生成部210とシミュレーション実行部220とを備えている。伝達特性生成部210は、工作機械の制御装置100の記憶部101から取得した、モータ情報と制御パラメータとを用いて工作機械の伝達関数を計算する。シミュレーション実行部220は、計算された伝達関数を用いて、加工プログラムに基づいた工作機械の制御装置100の制御と、駆動部であるモータと被駆動部の挙動と、駆動部と被駆動部の位置情報に基づいた制御装置100のフィードバック制御(例えば、後述する図4のような位置制御ループ)とを模擬し、各軸の位置情報をシミュレーション結果として出力する。
伝達特性生成部210は、制御情報取得部211、モータ特性計算部212、制御特性計算部213及び伝達特性計算部214を備えている。
以下、伝達特性生成部210の各構成について説明する。
(制御情報取得部211)
制御情報取得部211は、工作機械の制御装置100の記憶部101から、モータ情報と制御パラメータとを含む制御情報を取得する。モータ情報は、例えば、モータによるモータ慣性(モータイナーシャともいう)、イナーシャ比及びばね定数のうちの少なくとも1つである。イナーシャ比は、負荷慣性/モータ慣性を示す。負荷慣性は負荷イナーシャともいう。モータ慣性は、減速機及びボールねじのイナーシャを含む場合もある。制御パラメータは、例えば、制御装置100のモータ制御系に含まれる位置制御部の位置制御比例ゲインK、並びに速度ループゲインK、速度制御部の速度制御積分ゲインK及び速度制御部の速度制御比例ゲインKのうちの少なくとも1つである。
記憶部101は、モータ慣性を仕様書又はモータ特性データベースの一部として記憶していてもよい。その場合、制御情報取得部211は、記憶部101からモータの型式等のモータの特定が可能な情報を取得し、仕様書又はモータ特性データベースを参照することでモータ慣性を取得する。
(モータ特性計算部212)
モータ特性計算部212は、モータ情報に基づいてモータ特性を計算する。
工作機械の駆動部となるモータと被駆動部との機械モデルを、図2に示す剛体系モデルで表すと、モータ情報が、モータ慣性J、イナーシャ比Rであるとすると、モータ特性Mは数式1(以下の数1)の伝達関数で示される。sはラプラス変換の変数である。
Figure 0007421014000001
工作機械の駆動部となるモータと被駆動部の機械モデルを、図3に示す二慣性系モデルで表すと、モータ情報が、モータ慣性J、固有振動数ω、共振周波数ωであるとすると、モータ特性Mは数式2(以下の数2)の伝達関数で示される。
Figure 0007421014000002
数式2における、固有振動数ω、共振周波数ωは、モータ慣性J、イナーシャ比R、モータ慣性と負荷慣性間のばね要素のばね定数Kを用いて、数式3(以下の数3)によって求められる。
Figure 0007421014000003
二慣性系モデルの固有振動数ωは、駆動部を固定したときの、被駆動部の自由振動の固有振動数であり、反共振周波数と呼ぶことがある。二慣性系モデルの共振周波数ωは、駆動部と被駆動部が逆相で振動する周波数である。
モータ慣性と負荷慣性をばね要素で結合した伝達関数については、例えば“NC工作機械の送り軸のための2慣性系モデルによる低周波振動抑制制御の研究”,岩下平輔等,精密工学会誌、Vol.82,No.8,2016に記載されている。
(制御特性計算部213)
制御特性計算部213は、制御パラメータに基づいてモータ制御系の制御特性を計算する。
制御装置100に含まれる、モータ制御系と、駆動部及び被駆動部とが、位置制御ループを構成する場合、位置制御ループは図4のブロック図で示される。図4に示すように、位置制御ループは、位置制御部111、速度制御部112、駆動部と被駆動部からなる機械モデル部113及び積分器114で表すことができる。位置制御ループは、図4に示すように、内部に速度制御ループを持つ2重ループで構成されることが多い。図4において、y’は位置指令、yは位置実績、rは速度指令、uは操作量、wは速度実績を示す。操作量uは、例えばトルク指令であるが、サーボモータではトルク定数Kを介して、トルク=K×電流となる関係が成立するので、操作量uを電流としてもよい。
位置制御ループの応答周波数は、内部にある速度制御ループの応答周波数よりも低くせざるを得ないため、位置制御ループは、簡単のために図4に示すブロック図の構成で速度指令rから速度実績wまでの閉ループ伝達関数を1とみなして、図5に示すブロック図の構成として扱うことができる。
位置制御ループが図5に示すブロック図の構成である場合、位置制御ループは位置制御部111と積分器114とから構成され、モータ制御系は位置制御部111が該当する。モータ制御系となる位置制御部111の制御特性Cは、C=Kで示され、制御パラメータは位置制御比例ゲインKとなる。
制御装置100に含まれる、モータ制御系と、駆動部及び被駆動部とが、速度制御ループを構成する場合、速度制御ループは図6のブロック図で示される。速度制御ループは、速度制御部112、及び駆動部と被駆動部からなる機械モデル部113で表すことができる。モータ制御系は速度制御部112が該当する。
モータ制御系となる速度制御部112の制御特性Cは、速度PI制御の場合、数式4(以下の数4)で示される。数式4において、Kは速度ループゲイン、Kは速度制御積分ゲイン、Kは速度制御比例ゲインである。制御パラメータは、速度ループゲインK、速度制御積分ゲインK及び速度制御比例ゲインKとなる。
Figure 0007421014000004
速度P制御の場合、速度制御部の制御特性Cは数式4において、K=0、K=1とすることで求められ、C=Kとなる。制御パラメータは速度ループゲインKとなる。
(伝達特性計算部214)
伝達特性計算部214は、所定の要件を満たすように、モータ特性計算部212で計算されたモータ特性と、制御特性計算部213で計算された制御特性との少なくとも1つを変更して、工作機械の伝達特性を計算する。所定の要件は、位置制御の応答周波数、速度制御の応答周波数、工作機械の固有振動数、及び工作機械における駆動部と被駆動部との共振周波数のうちの少なくとも1つである。所定の要件については後述する。所定の要件の値は、ユーザが与えても、伝達特性計算部214が、制御装置100の記憶部101、制御装置100外に設けた記憶部又は加工シミュレーション装置内に設けた記憶部から得るようにしてもよい。
まず、工作機械の伝達特性について説明する。
閉ループの伝達関数Gは、開ループの伝達関数Gを用いて、G=G/(1+G)で示される。
伝達特性計算部214は、以下のように、位置制御ループの閉ループ伝達関数GPC(s)、速度制御ループの閉ループ伝達関数GVC(s)を求める。
位置制御ループの閉ループ伝達関数GPC(s)は、図5に示す、位置制御ループの開ループ伝達関数GPO(s)がGPO(s)=K/sなので、数式5(以下の数5)で示される。
Figure 0007421014000005
速度制御ループの閉ループ伝達関数GVC(s)は、速度PI制御の場合、開ループ伝達関数GVO(s)が数式6(以下の数6)で示されるので、数式7(以下の数7)で示される。数式6及び数式7において、Mはモータ特性を示し、機械モデルを剛体系モデルで示すとM=Mとなり、機械モデルを二慣性系モデルで示すとM=Mとなる。
Figure 0007421014000006
Figure 0007421014000007
速度制御ループの閉ループ伝達関数GVC(s)は、速度P制御の場合、数式7において、K=0、K=1とすることで求められ、数式8(以下の数8)で示される。
Figure 0007421014000008
次に、所定の要件について説明する。
(所定の要件が位置制御の応答周波数の場合)
伝達関数がsの有理関数であれば、指令aが周波数ωの正弦波であるとき、制御量bも周波数ωの正弦波になる。このとき指令aと制御量bの振幅比を周波数ωにおける周波数応答ゲインと呼ぶ。閉ループの伝達関数G(s)の周波数応答ゲインは、sをjωに置き換えて、数式9(以下の数9)によって計算できる。単位はデシベル(dB)である。
Figure 0007421014000009
一般に、閉ループ伝達関数の周波数応答ゲインは、開ループ伝達関数の周波数応答ゲインが0dB以上のとき、0dB近傍を示す。閉ループ伝達関数の周波数応答ゲインが0dB近傍(振幅比1)であるということは、制御量bが指令aに追従することを意味する。
そこで、閉ループ伝達関数の周波数応答ゲインが、0dBから-3dB(振幅比1/√2)あたりと交わる、又は極大となる周波数を制御の応答周波数という。
また、開ループ伝達関数の周波数応答ゲインが、0dBと交わる周波数を制御の応答周波数という。
数式5の伝達関数GPC(s)のsをjωに置き換えると、数式10(以下の数10)が求められ、20log|G(jω)|=-3dBとなるω=Kが位置制御の応答周波数となる。
Figure 0007421014000010
(所定の要件が速度制御の応答周波数の場合)
制御特性Cが速度P制御で、モータ特性Mが二慣性系モデルのときの速度制御ループの開ループの伝達関数は、数式11(以下の数11)で示される。
Figure 0007421014000011
数式11の伝達関数の周波数応答ゲインは、図7のゲイン線図で模式的に示される。図7において、横軸は周波数の対数スケールである。
周波数応答ゲインが0dBと交わる箇所が応答周波数であり、周波数応答ゲインの極小値をとる箇所が固有振動数であり、周波数応答ゲインの極大値をとる箇所が共振周波数である。
図7に示すように、周波数の値は、一般に、共振周波数>固有振動数>速度制御の応答周波数となる。この関係は速度PI制御の場合についても同様である。周波数ωが、速度制御の応答周波数以下の場合には、共振周波数ω>固有振動数ω>周波数ω(ω>ω>ω)となり、ω >ω >ωとなるので、数式2のsを無視して考えてよい。数式2はsを無視すると、数式1と等しくなる。つまり、速度制御の応答周波数を考える場合、モータ特性Mとして剛体系モデルを示す数式1を用いることができる。
<速度PI制御の場合>
制御特性Cとして、速度PI制御の場合を考え、モータ特性Mとして剛体系モデルを用いると、数式7は、数式12(以下の数12)のように示される。
Figure 0007421014000012
数式12のsをjωに置き換えると、数式12は、数式13(以下の数13)のように示される。
Figure 0007421014000013
周波数応答ゲインは、数式13を用いて、数式14(以下の数14)のように示される。
Figure 0007421014000014
数式14において、分母の絶対値と分子の絶対値が等しくなる数式15(以下の数15)の値までは、周波数応答ゲインが0dB以上なので、数式15の値ωを速度PI制御の応答周波数とする。
Figure 0007421014000015

図8は、速度PI制御の周波数応答ゲインの一例を示す特性図である。
<速度P制御の場合>
制御特性Cとして速度P制御の場合を考え、モータ特性Mとして剛体系モデルを用いると、周波数応答ゲインは、数式14において、K=0、K=1として、数式16(以下の数16)のように示される。
Figure 0007421014000016
数式16において、20log|G(jω)|=-3dBとなる数式17(以下の数17)の値ωを速度P制御の応答周波数とする。
Figure 0007421014000017
図9は、速度P制御の周波数応答ゲインの一例を示す特性図である。
(所定の要件が工作機械の固有振動数又は共振周波数の場合)
前述したように、工作機械の駆動部であるモータと被駆動部を、図3に示す二慣性系モデルで表すと、モータ情報が、モータ慣性J、固有振動数ω、共振周波数ωであるとすると、モータ特性Mは数式2で示される。数式2における、固有振動数ω、共振周波数ωは、モータ慣性J、イナーシャ比R、モータ慣性と負荷慣性間のばね要素のばね定数Kを用いて、数式3で示される。これらの固有振動数ω、共振周波数ωが、工作機械の固有振動数、共振周波数となる。
以下、伝達特性計算部214が所定の要件を満たす工作機械の伝達特性を計算する方法について説明する。
加工シミュレーション装置200に含まれる伝達特性生成部210はパーソナルコンピュータのアプリケーションソフトとして、図10に示すユーザインタフェースを有する。
図10は、パーソナルコンピュータの表示装置の表示画面にユーザインタフェースが表示された例を示す図である。
図10に示すように、表示画面には、制御情報取得部211が取得した制御情報から読み取られた値、例えば、位置制御比例ゲインK、速度ループゲインK、速度制御積分ゲインK、速度制御比例ゲインK等の制御パラメータ、及びモータ慣性J、イナーシャ比R、ばね定数K等のモータ情報が表示される。具体的には、図10に示すように、位置制御比例ゲインKは30、速度ループゲインKは1、速度制御積分ゲインKは1089、速度制御比例ゲインKは10.164、モータ慣性Jは0.022[kgm]、イナーシャ比Rは1.2、ばね定数Kは6878[Nm]が表示画面に表示される。これらの制御パラメータ及びモータ情報は、ユーザが入力する所定の要件に基づいて変更される。
画面左側には工作機械の複数の軸からモデルを生成したい対象の軸を選択する領域が表示される。
ユーザは、図示しない入力フォームにて所定の要件を設定する。例えば、図10には、入力フォームでの設定結果である「速度制御の応答周波数:目標50Hz」が表示され、グラフの破線が50Hzを示している。
ユーザが、図10に示される反映ボタンを押すことで、伝達特性計算部214は所定の要件に応じて制御特性あるいはモータ特性を変更し、生成した伝達特性をシミュレーション実行部220に与える。所定の要件に応じて制御特性あるいはモータ特性を変更する動作の詳細については後述する。
表示画面上には、制御情報から読み取られた結果から得られる開ループ伝達関数の周波数応答が表示される。ユーザが反映ボタンを押し、伝達特性計算部214が所定の要件に応じて制御特性あるいはモータ特性を変更し、伝達関数を生成したときには、生成した伝達特性に基づき周波数応答を書き換える。周波数応答を書き換えず、生成した伝達特性に基づく周波数応答を重ね描きしてもよい。さらに周波数応答は、フィードバックを考慮した伝達関数G(s)に基づくものであってもよい。
また、伝達特性計算部214が制御特性あるいはモータ特性を変更したり、周波数応答の表示を変化させるタイミングは、反映ボタンを押したときでなくともよく、例えばユーザが入力フォームにて所定の要件を変更したタイミングでもよい。
図10において示した数値は、小数点以下を適当な桁数で四捨五入して表示している場合があるが、桁数に特別な意味はなく、桁数は特に限定されない。
また、図10では回転モータを想定してモータ慣性の単位をイナーシャ[kgm]としているが、リニアモータを用いる場合は慣性の単位を質量[kg]としてもよい。ばね定数もねじりばねを想定して単位[Nm]としているが、伸縮ばねを用いる場合は単位[N/m]としてもよい。
数式3に示す固有振動数ωと共振周波数ω、数式10に示す周波数ω、数式15に示す周波数ω、及び数式16に示す周波数ω等は、角周波数[rad/s]である。一方、図10の画面表示および所定の要件として例示する周波数の単位はHzとしているが、これらの単位はrad/sであってもよい。
所定の要件を満たす工作機械の伝達特性を計算するために、伝達特性計算部214が所定の要件に応じて制御特性又はモータ特性を変更する動作例について、以下に説明する。
(1)所定の要件となる「位置制御の応答周波数」を満足するよう位置制御比例ゲインKを変更する例
ユーザが、位置制御の応答周波数として10Hzを指定したとすると、周波数10Hzは角周波数で示すと、10×2π(rad/s)=62.832(rad/s)となる。数式10を用いて説明したように、位置制御比例ゲインKが位置制御の応答周波数に等しいため、位置制御比例ゲインKは、K=10×2π=62.832となるように設定される。
所定の要件となる「位置制御の応答周波数」を満足するように、制御特性Cとなる位置制御比例ゲインKが図10に示す30から62.832に変更される。
(2)所定の要件「速度制御の応答周波数」を満足するよう速度ループゲインKを変更する例(速度PI制御の場合)
数式15の左辺をfc[Hz]に変更して、数式18(以下の数18)とする。
Figure 0007421014000018
数式18において、モータ慣性Jは変更しないこととする。一般にPI制御では速度制御積分ゲインKと速度制御比例ゲインKをバランスして調整するが、ここでは速度制御積分ゲインKを変更しないこととする。残る、速度ループゲインKとイナーシャ比Rのどちらを変更するかは、ユーザが、図10に図示しない詳細設定項目によって、いずれか一方だけを変更するようにしてもよいし、詳細設定項目によって、いずれかを優先的に許容範囲内で変更し、許容範囲内では所定の要件が満足できない場合にもう一方を変更してもよい。
本例では所定の要件となる速度制御の応答周波数50Hzを速度ループゲインKのみ変更することで満足させる例を以下に説明する。数式18を速度ループゲインKについて解き、数式19(以下の数19)で速度ループゲインKを求める。
Figure 0007421014000019

このようにして、所定の要件となる「速度制御の応答周波数」を満足するように、制御特性Cの速度ループゲインKが1から2.191に変更されて制御特性Cが変更される。
(3)所定の要件「速度制御の応答周波数」を満足するよう速度ループゲインKを変更する例(速度P制御の場合)
数式17の左辺をfc[Hz]に変更して、数式20(以下の数20)とする。
Figure 0007421014000020
数式20において、モータ慣性Jは変更しないこととする。本例において、まず所定の要件となる「速度制御の応答周波数」50Hzを、イナーシャ比Rを変更することで満足させる場合を検討する。数式20をイナーシャ比Rについて解き、数式21(以下の数21)でイナーシャ比Rを求める。
Figure 0007421014000021
イナーシャ比Rは負荷慣性なしで0を取ることができるが、負数を取ることができない。よって、R=0として、数式20をKについて解くと、速度ループゲインKは、数式22(以下の数22)のようになる。
Figure 0007421014000022
このようにして、所定の要件となる「速度制御の応答周波数」を満足するように、モータ特性Mのイナーシャ比Rが1.2から0へ、制御特性Cの速度ループゲインKが1から6.912に変更されて、モータ特性M及び制御特性Cが変更される。
(4)所定の要件「工作機械の固有振動数」を満足するようばね定数Kを変更する例
数式3に示した固有振動数ωを、ばね定数Kについて解いて、数式23(以下の数23)を得る。
Figure 0007421014000023
所定の要件が固有振動数45Hzである場合、数式23によって、数式24(以下の数24)で示す、ばね定数Kが得られる。
Figure 0007421014000024
このようにして、所定の要件となる「工作機械の固有振動数」を満足するように、モータ特性のばね定数Kが図10に示す6878[Nm]から2111[Nm]に変更されてモータ特性Mが変更される。
(5)所定の要件「工作機械における駆動部と被駆動部の共振周波数」を満足するようばね定数Kを変更する例
数式3に示した共振周波数ωを、ばね定数Kについて解いて、数式25(以下の数25)を得る。
Figure 0007421014000025
所定の要件が共振周波数80Hzである場合、数式25によって、数式26(以下の数26)で示すばね定数Kが得られる。
Figure 0007421014000026
このようにして、所定の要件となる「工作機械の共振周波数」を満足するように、モータ特性となるばね定数Kが図10に示す6878[Nm]から3032[Nm]に変更されモータ特性Mが変更される。
上記の例(4)、(5)では、ばね定数Kを変更する例について説明したが、イナーシャ比Rを変更してもよい。ばね定数Kとイナーシャ比Rのどちらを変更するかは、ユーザが、図10に図示しない詳細設定項目によって、いずれか一方だけを変更するようにしてもよいし、詳細設定項目によって、いずれかを優先的に許容範囲内で変更し、許容範囲内では所定の要件が満足できない場合にもう一方を変更してもよい。
伝達特性計算部214は、伝達特性が所定の要件を満たすように、モータ慣性、イナーシャ比、ばね定数、位置制御比例ゲイン、速度ループゲイン、速度制御積分ゲイン及び速度制御比例ゲインのうちの少なくとも1つを変更することができる。伝達特性計算部214は、モータ特性として負荷慣性を考慮した剛体系モデルが用いられていない場合(R=0)、伝達特性が所定の要件を満たすように、モータ慣性に負荷慣性を加算した剛体系モデルを用いることができる。また、伝達特性計算部214は、モータ特性として剛体系モデルが用いられた場合、伝達特性が所定の要件を満たすように、モータ慣性と負荷慣性とをばね要素で結合した二慣性系モデルを用いることができる。
以上説明した実施形態において、制御特性及びモータ特性は、より多くの要素を考慮することで、より精度の高いシミュレーション結果を期待することができる。例えば学術文献では最初に二慣性系モデルを導出したときはダンパ(減衰)を考慮している。
しかし、仮にシミュレーション実行部がダンパ又は非線形性を考慮していたとしても、伝達特性計算部で変更する制御特性又はモータ特性を求める計算においてはダンパ又は非線形性は無視してもよい。なぜならば、ダンパ及び非線形は、制御ゲインやイナーシャ比、ばね定数に比べて応答周波数、固有振動数、共振周波数といった周波数特性に対する感度が低いからである。
以上、加工シミュレーション装置200の各構成について説明した。
次に、加工シミュレーション方法について説明する。以下の説明では、加工シミュレーション方法が加工シミュレーション装置200を用いて実行される例について説明するが、加工シミュレーション装置200以外の装置において実行されてもよい。
図11は、加工シミュレーション装置の動作を示すフローチャートである。
ステップS1において、制御情報取得部211は、モータ情報と制御パラメータとを含む制御情報を取得する。モータ情報は、例えば、モータによるモータ慣性、イナーシャ比及びばね定数のうちの少なくとも1つである。制御パラメータは、例えば、制御装置100のモータ制御系に含まれる位置制御部の位置制御比例ゲインK、速度ループゲインK、速度制御部の速度制御積分ゲインK、及び速度制御部の速度制御比例ゲインKの少なくとも1つである。
ステップS2において、モータ特性計算部212は、モータ情報に基づいてモータ特性を計算する。
ステップS3において、制御特性計算部213は、制御パラメータに基づいてモータ制御系の制御特性を計算する。ステップS3は、ステップS2の前に行われてもよく、ステップS2と並行して行われてもよい。
ステップS4において、伝達特性計算部214は、所定の要件が入力されたかどうかを判断し、入力された場合はステップS5に移り、入力されない場合はステップS6に移る。
ステップS5において、伝達特性計算部214は、入力された所定の要件を満たすように、モータ特性計算部212で計算されたモータ特性と、制御特性計算部213で計算された制御特性との少なくとも1つを変更する。
ステップS6において、伝達特性計算部214は、ステップS5でモータ特性と、制御特性との少なくとも1つが変更された場合は、変更されたモータ特性と、制御特性との少なくとも1つに基づいて、工作機械の伝達特性を計算する。伝達特性計算部214は、ステップS4で所定の要件が入力されない場合は、モータ特性計算部212で計算されたモータ特性と、制御特性計算部213で計算された制御特性との少なくとも1つに基づいて、工作機械の伝達特性を計算する。
ステップS7において、シミュレーション実行部220は、計算された伝達関数を用いて、加工プログラムに基づいた工作機械の制御装置100の制御と、駆動部であるモータと被駆動部の挙動と、駆動部と被駆動部の位置情報に基づいた制御装置100のフィードバック制御とを模擬し、各軸の位置情報をシミュレーション結果として出力する。
以上説明した実施形態の加工シミュレーション装置に含まれる構成部は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
加工シミュレーション装置に含まれる構成部をソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現する実現するために、加工シミュレーション装置は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備える。プロセッサは実行部として機能する。加工シミュレーション装置は、並列に動作する複数のプロセッサを備えていてもよい。また、加工シミュレーション装置は、アプリケーションソフトウェア又はOS(Operating System)等の各種のプログラムを格納したHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置、及びプロセッサが図1、図6を用いて説明した、加工シミュレーション装置の機能及び動作を実行するために必要なプログラム及びプログラム上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM(Random Access Memory)といった主記憶装置も備える。加工シミュレーション装置は、主記憶装置を複数備えていてもよい。
そして、加工シミュレーション装置は、プロセッサが補助記憶装置からアプリケーションソフトウェア又はOSを読み込み、読み込んだアプリケーションソフトウェア又はOSを主記憶装置に展開させながら、これらのアプリケーションソフトウェア又はOSに基づいた演算処理を行なう。また、この演算結果に基づいて、加工シミュレーション装置が備える各種のハードウェアを制御する。これにより、本実施形態の機能ブロックは実現される。
加工シミュレーション装置に含まれる構成部は、電子回路等を含むハードウェアにより実現することができる。加工シミュレーション装置をハードウェアで構成する場合、加工シミュレーション装置に含まれる各構成部の機能の一部又は全部を、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ゲートアレイ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)等の集積回路(IC)で構成することができる。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。
以上説明した実施形態の加工シミュレーション装置及び加工シミュレーション方法の効果は、工作機械の試運転を伴うデータ収集と伝達特性を計算するための専門知識とを必要とすることなく、工作機械の伝達関数が得られることである。
以上、本開示について説明したが、本開示は上述した個々の実施形態及び変形例に限定されるものではない。これらの実施形態及び変形例は本開示の要旨を逸脱しない範囲で、又は特許請求の範囲に記載された内容とその均等物から導き出される本開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、置き替え、変更、部分的削除等が可能である。
また、これらの実施形態及び変形例は、組み合わせて実施することもできる。例えば、上述した実施形態において、各動作の順序や各処理の順序は、一例として示したものであり、これらに限定されるものではない。
上記実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
工作機械の伝達特性を生成する伝達特性生成部(210)と、前記伝達特性を用いて前記工作機械の挙動を模擬するシミュレーション実行部(220)と、を備え、
前記伝達特性生成部は、記憶部から、前記工作機械のモータ情報と前記工作機械のモータ制御系の制御パラメータとを含む制御情報を取得する制御情報取得部(211)と、
前記モータ情報に基づいてモータ特性を計算するモータ特性計算部(212)と、
前記制御パラメータに基づいて前記モータ制御系の制御特性を計算する制御特性計算部(213)と、
前記モータ特性と前記制御特性とに基づいて、所定の要件を満たす前記伝達特性を計算する伝達特性計算部(214)とを含み、
前記所定の要件が、位置制御の応答周波数、速度制御の応答周波数、前記工作機械の固有振動数、前記工作機械における駆動部と被駆動部との共振周波数のうちの少なくとも1つを含む、加工シミュレーション装置(200)。
(付記2)
前記モータ情報は、モータによるモータ慣性、イナーシャ比及びばね定数のうちの少なくとも1つを含み、
前記制御パラメータは、位置制御比例ゲイン、速度ループゲイン、速度制御積分ゲイン及び速度制御比例ゲインのうちの少なくとも1つを含む、付記1に記載の加工シミュレーション装置。
(付記3)
前記モータ特性計算部(212)は、前記モータ慣性及び前記イナーシャ比を含む剛体系モデル、又は前記モータ慣性、前記イナーシャ比及び前記ばね定数を含む二慣性系モデルを用いて前記モータ特性を計算する、付記2に記載の加工シミュレーション装置。
(付記4)
前記制御特性計算部(213)は、前記位置制御比例ゲインを用いて前記制御特性を計算する、付記2に記載の加工シミュレーション装置。
(付記5)
前記制御特性計算部(213)は、前記速度ループゲイン、又は前記速度ループゲインと前記速度制御積分ゲインと前記速度制御比例ゲイン、を用いて前記制御特性を計算する、付記2に記載の加工シミュレーション装置。
(付記6)
前記モータ特性は、モータ慣性、イナーシャ比及びばね定数のうちの少なくとも1つを含み、
前記制御特性は、位置制御比例ゲイン、速度ループゲイン、速度制御積分ゲイン及び速度制御比例ゲインのうちの少なくとも1つを含み、
前記伝達特性計算部(214)は、前記伝達特性が前記所定の要件を満たすように、前記モータ慣性、前記イナーシャ比、前記ばね定数、前記位置制御比例ゲイン、前記速度ループゲイン、前記速度制御積分ゲイン及び前記速度制御比例ゲインのうちの少なくとも1つを変更する、付記1に記載の加工シミュレーション装置。
(付記7)
前記伝達特性計算部(214)は、前記伝達特性が前記所定の要件を満たすように、モータ慣性に負荷慣性を加算する、又はモータ慣性と負荷慣性とをばね要素で結合する、付記1に記載の加工シミュレーション装置。
(付記8)
コンピュータが、
工作機械のモータ情報に基づいてモータ特性を計算する処理と、
前記工作機械のモータ制御系の制御パラメータに基づいて前記モータ制御系の制御特性を計算する処理と、
前記モータ特性と前記制御特性とに基づいて、所定の要件を満たす伝達特性を計算する処理と、
前記伝達特性を用いて前記工作機械の挙動を模擬する処理と、
を実行し、
前記所定の要件が、位置制御の応答周波数、速度制御の応答周波数、前記工作機械の固有振動数、前記工作機械における駆動部と被駆動部との共振周波数のうちの少なくとも1つを含む、加工シミュレーション方法。
10 加工シミュレーションシステム
100 工作機械の制御装置
101 記憶部
200 加工シミュレーション装置
210 伝達特性生成部
211 制御情報取得部
212 モータ特性計算部
213 制御特性計算部
214 伝達特性計算部
220 シミュレーション実行部

Claims (8)

  1. 工作機械の伝達特性を示す伝達関数を生成する伝達特性生成部と、前記伝達関数を用いて前記工作機械の挙動を模擬するシミュレーション実行部と、を備え、
    前記伝達特性生成部は、記憶部から、前記工作機械のモータ情報と前記工作機械のモータ制御系の制御パラメータとを含む制御情報を取得する制御情報取得部と、
    前記モータ情報に基づいてモータ特性を計算するモータ特性計算部と、
    前記制御パラメータに基づいて前記モータ制御系の制御特性を計算する制御特性計算部と、
    前記モータ特性と前記制御特性との少なくとも1つに基づいて、所定の要件を満たす前記伝達関数を計算する伝達特性計算部とを含み、
    前記伝達特性計算部により計算される前記伝達関数は、前記モータ特性と前記制御特性との少なくとも1つを含み、
    前記所定の要件が、位置制御の応答周波数、速度制御の応答周波数、前記工作機械の固有振動数、及び前記工作機械における駆動部と被駆動部との共振周波数のうちの少なくとも1つを含み、ユーザによって与えられる、加工シミュレーション装置。
  2. 前記モータ情報は、モータによるモータ慣性、イナーシャ比及びばね定数のうちの少なくとも1つを含み、
    前記制御パラメータは、位置制御比例ゲイン、速度ループゲイン、速度制御積分ゲイン及び速度制御比例ゲインのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の加工シミュレーション装置。
  3. 前記モータ特性計算部は、前記モータ慣性及び前記イナーシャ比を含む剛体系モデル、又は前記モータ慣性、前記イナーシャ比及び前記ばね定数を含む二慣性系モデルを用いて前記モータ特性を計算する、請求項2に記載の加工シミュレーション装置。
  4. 前記制御特性計算部は、前記位置制御比例ゲインを用いて前記制御特性を計算する、請求項2に記載の加工シミュレーション装置。
  5. 前記制御特性計算部は、前記速度ループゲイン、又は前記速度ループゲインと前記速度制御積分ゲインと前記速度制御比例ゲイン、を用いて前記制御特性を計算する、請求項2に記載の加工シミュレーション装置。
  6. 前記モータ特性は、モータ慣性、イナーシャ比及びばね定数のうちの少なくとも1つを含み、
    前記制御特性は、位置制御比例ゲイン、速度ループゲイン、速度制御積分ゲイン及び速度制御比例ゲインのうちの少なくとも1つを含み、
    前記伝達特性計算部は、前記伝達関数が前記所定の要件を満たすように、前記モータ慣性、前記イナーシャ比、前記ばね定数、前記位置制御比例ゲイン、前記速度ループゲイン、前記速度制御積分ゲイン及び前記速度制御比例ゲインのうちの少なくとも1つを変更する、請求項1に記載の加工シミュレーション装置。
  7. 前記伝達特性計算部は、前記伝達関数が前記所定の要件を満たすように、モータ慣性に負荷慣性を加算する、又はモータ慣性と負荷慣性とをばね要素で結合する、請求項1に記載の加工シミュレーション装置。
  8. コンピュータが、
    工作機械のモータ情報に基づいてモータ特性を計算する処理と、
    前記工作機械のモータ制御系の制御パラメータに基づいて前記モータ制御系の制御特性を計算する処理と、
    前記モータ特性と前記制御特性との少なくとも1つに基づいて、所定の要件を満たす前記工作機械の伝達特性を示す伝達関数を計算する処理と、
    前記伝達関数を用いて前記工作機械の挙動を模擬する処理と、
    を実行し、
    前記伝達関数は、前記モータ特性と前記制御特性との少なくとも1つを含み、
    前記所定の要件が、位置制御の応答周波数、速度制御の応答周波数、前記工作機械の固有振動数、及び前記工作機械における駆動部と被駆動部との共振周波数のうちの少なくとも1つを含み、ユーザによって与えられる、加工シミュレーション方法。
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