JP2020157230A - アルカリ金属除去方法及びアルカリ金属除去装置 - Google Patents

アルカリ金属除去方法及びアルカリ金属除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】木質バイオマス灰等のアルカリ金属含有物から当該アルカリ金属を効率的に除去するための、アルカリ金属除去方法及びアルカリ金属除去装置の提供。【解決手段】固形状のアルカリ金属含有物を固形状の塩素含有物と一緒にし、該混合物を加熱することによりアルカリ金属の塩化物を形成させて、前記塩化物を加熱処理物内に固相として固定する加熱処理工程と、前記加熱処理工程で生じた前記加熱処理物に水分を加えてスラリー化し、該スラリー中で前記加熱処理物に含まれる前記塩化物の該アルカリ金属を液相中に溶出させるアルカリ金属溶出工程と、前記アルカリ金属溶出工程を経たスラリーを固液分離してケーキ及びろ液となす固液分離工程を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、木質バイオマス燃焼灰等の、アルカリ金属成分を多く含有するアルカリ金属含有物からアルカリ金属を除去して、これをセメント原料等として有効利用するのに有用な、アルカリ金属除去方法及びアルカリ金属除去装置に関する。
再生可能エネルギー特別措置法の施行などにより、再生可能エネルギーである樹木の幹や枝、切削チップ、おが粉、樹皮、建築廃材等の木質バイオマスを、発電用ボイラ等の代替燃料として使用する技術開発が進められている。
木質バイオマスの燃焼で発生する燃焼灰(以後、「木質バイオマス灰」と称する場合がある。)は、その他の燃料の燃焼で発生する、例えば石炭灰やごみ焼却灰等と比較すると、アルカリ金属、特にカリウムの含有量が多いことが特徴である。
よって、石炭灰やごみ焼却灰等には、セメント原料化やセメント混合材といった有効なリサイクル方法が確立されている一方で、木質バイオマス灰等のアルカリ金属を多く含有する廃棄物については、アルカリ金属成分を忌避成分とするセメント原料等としての使用には不向きであるという側面があった。
木質バイオマス灰のリサイクル活用に関しては、例えば、特許文献1には、木質バイオマス燃料を燃焼するための燃焼炉から排出された燃焼灰を、バグフィルタによって集塵し、所定の分級点で分級してカリウム濃度の高い微粉燃焼灰を分別、回収する、燃焼装置及び燃焼灰処理方法が開示されている。そして、得られた微粉燃焼灰は、肥料の原料等として有効利用することが可能であるとされている。
特開2017−122550号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、木質バイオマス灰の発生量に対して、その方法によって有効利用される処理量には限界があった。また、分級してカリウム濃度の高い微粉燃焼灰を分別、回収した後に残る残渣には往々にしてアルカリ金属が残留する場合があり、セメント原料等とするための効率的な方法とはいい難かった。
よって、本発明の目的は、木質バイオマス灰等のアルカリ金属含有物から当該アルカリ金属を効率的に除去するための、アルカリ金属除去方法及びアルカリ金属除去装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、第1に、
固形状のアルカリ金属含有物を固形状の塩素含有物と一緒にし、該混合物を加熱することによりアルカリ金属の塩化物を形成させて、前記塩化物を加熱処理物内に固相として固定する加熱処理工程と、
前記加熱処理工程で生じた前記加熱処理物に水分を加えてスラリー化し、該スラリー中で前記加熱処理物に含まれる前記塩化物の該アルカリ金属を液相中に溶出させるアルカリ金属溶出工程と、
前記アルカリ金属溶出工程を経たスラリーを固液分離してケーキ及びろ液となす固液分離工程を備えることを特徴とするアルカリ金属含有物からのアルカリ金属除去方法を提供するものである。
上記のアルカリ金属除去方法によれば、アルカリ金属含有物を塩素含有物と一緒にして加熱することにより、アルカリ金属含有物中に種々の態様で含まれているアルカリ金属を水溶性の塩化物に変化させ、その塩化物を一旦加熱処理物内に固相として固定させることができる。そして、その加熱処理物に水分を加えて該塩化物となったアルカリ金属を液相中に溶出させることにより、アルカリ金属含有物からアルカリ金属を効果的に除去することができる。よって、例えば、木質バイオマス灰等のさまざまな形態のアルカリ金属含有物に適用して、これに含まれるアルカリ金属を効果的に除去することができる。また、例えば、循環流動層炉から排出された木質バイオマス灰等に含まれるケイ酸塩ガラス等の、水への溶解度が非常に小さい物質に含有されたアルカリ金属についても、有効に除去することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明は、第2に、
前記加熱処理工程において、前記混合物を650℃〜1000℃の温度に加熱する、該アルカリ金属除去方法を提供するものである。
上記の構成によれば、所定の温度範囲で加熱処理を行うので、形成させたアルカリ金属の塩化物が揮発して気相に散逸してしまうことが防がれて、より確実に固相に固定させて、続くアルカリ金属溶出工程に処することができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第3に、
前記加熱処理工程の前工程として、前記加熱処理工程に供する前記アルカリ金属含有物を粒径5mm以下に粉砕する粉砕工程を更に備える、該アルカリ金属除去方法を提供するものである。
上記の構成によれば、木質バイオマス灰の主灰等の塊状のアルカリ金属含有物についても、効果的にアルカリ金属を除去することができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第4に、
前記加熱処理工程において、前記混合物として加熱される前記アルカリ金属含有物と前記塩素含有物との割合が、単位時間当たりに前記加熱処理工程に供される全アルカリ金属含有物中の全アルカリ金属成分のモル量(A)と、前記単位時間当たりに前記加熱処理工程に供される全塩素含有物中の全塩素のモル量(B)との比(A:B)として、該比が1:1.5〜1:5である、該アルカリ金属除去方法を提供するものである。
上記の構成によれば、アルカリ金属の塩化物の形成のための条件がより至適化されて、その塩化物の形成に利用されない塩素を無駄に使用することがない。
上記目的を達成するため、本発明は、第5に、
前記アルカリ金属含有物が、木質バイオマス燃焼灰の飛灰及び主灰からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものである、該アルカリ金属除去方法を提供するものである。
上記の構成によれば、木質バイオマス灰のセメント原料化などに有用である。
上記目的を達成するため、本発明は、第6に、
前記塩素含有物が、CaClやMgCl等の工業原料、廃プラスチック、及び廃ポリ塩化ビニルからなる群から選ばれた1種又は2種以上を含むものである、該アルカリ金属除去方法を提供するものである。
上記の構成によれば、塩素を含有する廃棄物である、廃プラスチック、廃ポリ塩化ビニル等を有効利用することができる。また、塩素含有物としてCaClやMgCl等の工業原料を用いると、アルカリ金属の塩化物の形成のための条件をより容易に至適化することができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第7に、
固形状のアルカリ金属含有物を供給するためのアルカリ金属含有物供給装置と、
固形状の塩素含有物を供給するための塩素含有物供給装置と、
前記アルカリ金属含有物供給装置から供給される前記アルカリ金属含有物を前記塩素含有物供給装置から供給される前記塩素含有物と一緒にし、該混合物を加熱することによりアルカリ金属の塩化物を形成させて、前記塩化物を加熱処理物内に固相として固定するための加熱処理装置と、
前記加熱処理装置により生じた前記加熱処理物に水分を加えてスラリー化し、該スラリー中で前記加熱処理物に含まれる前記塩化物の該アルカリ金属を液相中に溶出させるためのアルカリ金属溶出槽と、
前記アルカリ金属溶出槽からのスラリーを固液分離してケーキ及びろ液となすための固液分離装置とを備えることを特徴とするアルカリ金属含有物からのアルカリ金属除去装置を提供するものである。
上記のアルカリ金属除去装置によれば、上述したアルカリ金属除去方法を効果的に実施することが可能である。特に、加熱処理装置においては、アルカリ金属含有物中に種々の態様で含まれているアルカリ金属を水溶性の塩化物に変化させ、その塩化物を一旦加熱処理物内に固相として固定させることができる。そして、その加熱処理物を後段の溶出槽及び固液分離装置での水洗処理に供するようにして、アルカリ金属含有物からアルカリ金属を効果的に除去することができる。よって、木質バイオマス灰等のさまざまな形態のアルカリ金属含有物に適用して、それに含まれるアルカリ金属を効果的に除去することができる。また、例えば、循環流動層炉から排出された木質バイオマス灰等に含まれるケイ酸塩ガラス等の、水への溶解度が非常に小さい物質に含有されたアルカリ金属についても、有効に除去することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明は、第8に、
前記加熱処理装置に供される前記アルカリ金属含有物を粒径5mm以下に粉砕するための粉砕装置を更に備える、該アルカリ金属除去装置を提供するものである。
上記の構成によれば、上述したアルカリ金属除去方法を効果的に実施することが可能である。特に、粉砕装置を備えたことにより、加熱処理装置でなされるアルカリ金属の水溶性の塩化物への変化を、例えば、木質バイオマス灰の主灰等の塊状のアルカリ金属含有物についても、より効果的に行うことができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第9に、
前記加熱処理装置は、前記アルカリ金属含有物を前記塩素含有物と一緒にした該混合物を収容して650℃〜1000℃の温度に加熱するための加熱炉を有する、該アルカリ金属除去装置を提供するものである。
上記の構成によれば、前記加熱処理装置は、前記アルカリ金属含有物を前記塩素含有物と一緒にした該混合物を収容して650℃〜1000℃の温度に加熱するための加熱炉を有するので、形成させたアルカリ金属の塩化物が揮発して気相に散逸してしまうことを防ぎ、より確実に固相に固定させて、続くアルカリ金属溶出のためのアルカリ金属溶出槽に供することができる。
上記目的を達成するため、本発明は、第10に、
前記固液分離装置からの前記ケーキを、セメント製造設備に搬送するための搬送装置を備える、該アルカリ金属除去装置を提供するものである。
上記の構成によれば、木質バイオマス灰等からアルカリ金属を除去して、セメント原料として有効利用するのに、より便宜である。
以上のように、本発明によれば、木質バイオマス灰等のアルカリ金属含有物から当該アルカリ金属を効率的に除去するための、アルカリ金属除去方法及びアルカリ金属除去装置を提供することができる。
本発明に係るアルカリ金属除去方法の一の実施形態を表わすフロー図である。 本発明に係るアルカリ金属除去装置の実施形態を表わす全体構成図である。
本発明が適用されるアルカリ金属の除去対象物としては、アルカリ金属成分を高濃度に含有する非可燃性のアルカリ金属含有物であればよく、特に制限はないが、例えば木質バイオマス灰の飛灰や主灰等が挙げられる。通常、それら木質バイオマス灰は、アルカリ金属(Na,K)を塩化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩ガラスとして含有し、RO換算(RO=NaO+0.658×KO)で、木質バイオマス灰の飛灰では3質量%〜50質量%程度、木質バイオマス灰の主灰では3質量%〜20質量%程度を含んでいる。
本発明によれば、上記のようなアルカリ金属含有物中に含まれるアルカリ金属成分の濃度を、上記RO換算で2.5質量%以下、より典型的には2.0質量%以下にまで低減することができる。そして、これを例えばセメント原料として有効利用することができる。アルカリ金属含有物中のアルカリ金属の濃度は、周知の方法で測定することができ、例えば、JIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠した方法などが好ましく例示される。
以下、本発明についてより具体的に図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、これら図面とともに説明する態様に限定されるものではない。
図1には、本発明に係るアルカリ金属除去方法の一実施形態を表わすフロー図を示す。
この実施形態に示されるアルカリ金属除去方法は、必要に応じてアルカリ金属含有物を粉砕して粒径5mm以下の粉末にする粉砕工程と、得られた粉末のアルカリ金属含有物を塩素含有物と一緒に加熱する加熱処理工程と、加熱処理物に含まれるアルカリ金属を液相中に溶出させるアルカリ金属溶出工程とを備えるものである。
粉砕工程においては、受け入れたアルカリ金属含有物の全てを、後段の加熱処理工程及びアルカリ金属溶出工程において効率的に処理できる大きさまで粉砕する。具体的には、粉砕工程における粉砕後のアルカリ金属含有物の粒径は、好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下、特に好ましくは3mm以下である。粉砕後のアルカリ金属含有物の粒径の下限値に特に制限はないが、後段の加熱処理工程において、燃焼排ガスによってアルカリ金属含有物が加熱処理装置の加熱炉の外に排出されないようにする観点からは、1μm以上である。なお、本発明において粒径とは、対象物が通過する篩い目の大きさを指す。
前記粉砕工程においては、受け入れた全てのアルカリ金属含有物を、前記の大きさにまで粉砕するために、篩いなどを用いた分級処理で得られる粗粒分を、当該粉砕工程に返送して再度粉砕する、閉回路粉砕システムを構築してもよい。
一方、木質バイオマス灰の飛灰等、有姿において前記の好ましい粒径を満足するアルカリ金属含有物については、粉砕工程を省略できる。
加熱処理工程においては、アルカリ金属含有物を塩素含有物と一緒に加熱することで、アルカリ金属含有物中のアルカリ金属と塩素含有物中の塩素とを反応させて、アルカリ金属の塩化物を形成させる。この際、生成した塩化物は、アルカリ金属含有物の加熱後の残渣(本発明における「加熱処理物」を構成する。)とともに固相に固定される。
アルカリ金属含有物と一緒に加熱される塩素含有物としては、塩素を0.8質量%以上含有するものであって、多量のアルカリ金属を含有しないものであれば特に限定されず、CaClやMgCl等の工業原料の他に、廃プラスチック、廃ポリ塩化ビニル等の廃棄物を有効に利用することができる。特に、その塩素含有物中の塩素含量としては、1.2質量%以上含有するものであることが好ましく、2質量%以上含有するものであることがより好ましい。塩素含有物中の塩素の濃度は、周知の方法で測定することができ、例えば、JIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠した方法などが好ましく例示される。
塩素含有物の加熱後の残渣(本発明のおける「加熱処理物」の一部を構成する。)は、上記したアルカリ金属含有物の加熱後の残渣と共に次工程のアルカリ金属溶出工程に送られる。
前記加熱処理工程においては、アルカリ金属含有物中のアルカリ金属と塩素含有物中の塩素との反応を効率的に行う観点から、塩素含有物は、サイズが小さく、アルカリ金属含有物に隣り合って存在するのが好ましい。具体的には、塩素含有物の大きさは、前記アルカリ金属含有物の大きさと同程度であればよく、粒径は、好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下、特に好ましくは3mm以下である。また、アルカリ金属含有物と塩素含有物が隣り合った状態で加熱されるためには、アルカリ金属含有物粉末と塩素含有物粉末を十分に混合した後に加熱することが好ましく、あるいは、アルカリ金属含有物粉末と塩素含有物粉末を混合する効果を有する加熱処理方法、具体的には、例えば、ロータリーキルン等を採用することが好ましい。
前記加熱処理工程における加熱温度は、アルカリ金属含有物中のアルカリ金属と塩素含有物中の塩素によるアルカリ金属の塩化物の生成反応を効率的に行う観点から、650℃〜1000℃が好ましく、700℃〜950℃がより好ましく、750℃〜950℃が特に好ましい。ここで、加熱温度が650℃未満であるとアルカリ金属含有物や塩素含有物の熱分解が不十分となって、アルカリ金属の塩化物が生成しないか、生成効率が低くなる場合がある。また、加熱温度が1000℃を超えると、塩素含有物からの塩素の揮発と散逸が過剰になり、塩素含有物の使用量が多くなってしまう。
前記加熱処理工程における加熱時間は、加熱温度に応じて10分間〜2時間の範囲内で設定すればよい。この加熱時間は、アルカリ金属含有物と塩素含有物を熱分解して、アルカリ金属含有物中のアルカリ金属と塩素含有物中の塩素とを十分に反応させる観点からは、加熱温度が高い場合には短く、加熱温度が低い場合には長くする必要がある。具体的には、加熱温度が650℃の場合は1時間以上2時間以下、加熱温度が1000℃の場合は10分間以上1時間以下である。
加熱処理工程の加熱処理装置内の雰囲気は、特に制限されず、酸化雰囲気でも還元雰囲気でもよい。
なお、アルカリ金属及び塩素は、加熱処理の際には共に揮発しやすい成分であることから、前記加熱処理工程で発生する排ガスにはアルカリ金属と塩素が含まれる場合がある。よって、例えば、加熱処理装置の排気系の煙道中で、温度がアルカリ金属の塩化物の凝固点を下回る箇所において、当該塩化物の析出が生じる場合がある。かかる塩化物は、回収して肥料等に用いることも可能である。
前記アルカリ金属溶出工程は、加熱処理工程で水に易溶性の塩化物となったアルカリ金属成分を水に溶解することで、アルカリ金属成分の含有量が低減されたケーキを生成する工程である。
アルカリ金属溶出工程で用いられる溶媒及びケーキ洗浄水としては、工水(真水)が好ましい。塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)共に水への溶解度は非常に高く、また水温を変えても溶解度は大きく変わらないことから、溶出槽で溶媒として用いる水は、常温の水を、加熱処理工程から供給された加熱処理物の質量の3倍量以上、好ましくは4倍量以上、より好ましくは5倍量以上の量を用いればよい。
また、固液分離装置でケーキ洗浄水として用いる水も、常温の水を、加熱処理工程から供給された加熱処理物の質量の3倍量以上、好ましくは4倍量以上、より好ましくは5倍量以上の量を用いればよい。
アルカリ金属溶出工程で得られるケーキは、アルカリ金属成分の含有量が十分に低減されているので、セメント原料等に有効に利用することができる。
また、上記のとおり、加熱処理の際にはアルカリ金属及び塩素は共に揮発しやすく、その程度は塩素ほうが大きい傾向がある。このことから、加熱処理工程で処理されるアルカリ金属含有物と塩素含有物の割合は、単位時間中に加熱処理工程に供せられる全アルカリ金属含有物中の全アルカリ金属成分のモル量(A)と、単位時間中に加熱処理工程に供せられる全塩素含有物中の全塩素のモル量(B)との比が、好ましくはA:Bが1:1.5〜1:5、より好ましくはA:Bが1:2〜1:5である。前記比A:Bが1:1.5よりも小さい場合、塩素量が少ないために加熱処理工程で処理されたアルカリ金属成分の全てが塩素と反応できない場合があり、前記比A:Bが1:5よりも大きい場合、揮発、散逸する塩素量が多くなり、塩素含有物の無駄が生じると共に、塩素による設備の腐食の進行が早まる場合がある。
図2には、本発明に係るアルカリ金属除去装置の実施形態を表わす全体構成図を示す。図2において、実線の矢印はアルカリ金属含有物等の固体の流れ、破線の矢印はガスの流れ、点線の矢印は信号の流れをそれぞれ示している。この実施形態に係るアルカリ金属除去装置1には、塊状のアルカリ金属含有物を粉砕する粉砕装置2が備わる。粉砕装置2で5mm以下に粉砕されたアルカリ金属含有物は、ホッパ31からアルカリ金属含有物BA1として加熱処理装置3に供給される。一方、粉砕工程を必要としないアルカリ金属含有物の場合には、粉砕装置2を経ずに直接にアルカリ金属含有物BA1として加熱処理装置3に供給するようにしてもよい。ホッパ32からは、所定の大きさの塩素含有物CL1も加熱処理装置3に供給され、加熱処理装置3内でアルカリ金属含有物と塩素含有物が撹拌混合されながら加熱される。この加熱処理によって、アルカリ金属含有物中のアルカリ金属が塩化物を形成したうえ、それが固相に固定された加熱処理物BA2となって、加熱処理装置3から排出される。加熱処理物BA2は、アルカリ金属溶出槽4で水W1と混合され、撹拌翼43aを備えた撹拌装置43で撹拌されてスラリーS1となる。スラリーS1は、固液分離装置5に送られて、固液分離及びケーキ洗浄されて、アルカリ金属成分の含有量が低減されたケーキC1と、アルカリ金属を含有する排液W2となる。
ホッパ21は、受入れた木質バイオマス灰の主灰等の塊状のアルカリ金属含有物を収容する。なお、ホッパ21には、受入れた塊状のアルカリ金属含有物の貯槽が付設されていてもよく、また、塊状のアルカリ金属含有物を乾燥するための置場や乾燥設備が付設されていてもよい。これらの乾燥設備等は、受入れた塊状のアルカリ金属含有物の状態に応じて適宜に使用するようにしてもよい。
ホッパ21は、塊状のアルカリ金属含有物を定量的に排出できるものであれば特に限定されず、ロスインウエイト方式のホッパや、定量フィーダ又はロータリフィーダが付設されたホッパ等が好適に使用できる。
粉砕装置2において、塊状のアルカリ金属含有物は粉砕されて、アルカリ金属含有物粉末BA1になる。粉砕装置2では、粒径が5mm以下となるように、塊状のアルカリ金属含有物を粉砕することが望ましく、その設備仕様は塊状のアルカリ金属含有物の性状に応じて適宜設定すればよい。よって、例えば、粉砕装置2は、複数の装置の組み合わせであってもよい。
粉砕装置2としては、ジョークラッシャ、ジャイレトリクラッシャ、コーンクラッシャ、インパクトクラッシャ、ロールクラッシャ及びエアロフォールミル等が好適に使用できる。なお、これら粉砕装置を複数組合せて粉砕装置2とする場合、各粉砕機の間に分級機を併設して閉回路粉砕システムを構築することによって、粒度の揃ったアルカリ金属含有物粉末BA1を効率的に得ることができる。
図2の実施形態では、分級装置22を用いて、所定の分級点よりも大きいとされたアルカリ金属含有物の粉砕物が上記した粉砕装置2に返送される、閉回路粉砕システムを採用している。この閉回路粉砕システムを採用することによって、粉砕装置2による過粉砕、すなわちアルカリ金属含有物の過剰な小粒化を抑制しながら、粉砕装置2に供給されるアルカリ金属含有物の全量を最終的にアルカリ金属含有物粉末BA1とすることができる。
閉回路粉砕システムを構築する際の分級装置22としては、所定の分級点でアルカリ金属含有物の粉砕物を分級できるものであれば特に限定されず、篩い(面内運動篩い、振動篩い)、重力式分級機、慣性力式分級機、サイクロン等の遠心式分級機が好適に使用できる。なかでも、設備の簡便性と操作、調整の容易性から篩いが好ましい。
なお、当然ながら、篩い網を内蔵している粉砕機も、粉砕装置2として好適に使用できる。
ホッパ32は、受入れた塩素含有物をCL1収容する。なお、ホッパ32には塩素化合物の貯槽が付設されていてもよく、さらに、かかる貯槽の上流側に、受け入れた塩素化合物から粗大物を除去するための分級設備や、粗大物を所定の粒度にするための粉砕分級設備が付設されていてもよい。これらの分級設備や粉砕分級設備は、受入れた塩素化合物の状態に応じて適宜に使用するようにしてもよい。
ホッパ31及び32には、排出量調整バルブ31a及び32aが付設されて、それぞれのホッパから排出されて加熱処理装置3に供給されるアルカリ金属含有物BA1及び塩素含有物をCL1の供給量を、調整することが可能になっている。これら排出量調整バルブ31a及び32aを適切に制御することで、加熱処理装置3に供給されるアルカリ金属量と塩素量の割合を適切に管理することが可能になる。
ホッパ31から加熱処理装置3へのアルカリ金属含有物BA1の供給流路には、アルカリ量分析装置34が配置されている。また、ホッパ32から加熱処理装置3への塩素含有物CL1の供給流路には、塩素量分析装置35が配置されている。さらに、アルカリ量分析装置34及び塩素量分析装置35の分析結果は、制御装置6に送信され、加熱処理装置3に供給されるアルカリ金属量と塩素量の割合及び被加熱処理物の全供給量が適切になるように、ホッパ31の排出量調整バルブ31a及び/又はホッパ32の排出量調整バルブ32aを制御するための制御信号を、排出量調整バルブ31a及び/又は排出量調整バルブ32aに送信するようになっている。
このように、加熱処理装置3に供給されるアルカリ金属量と塩素量は、常時「監視」及び「制御」されるようにしてもよい。これによって、加熱処理装置で生じるアルカリ金属塩化物の生成反応を効率的に生じさせることができる。
アルカリ量分析装置34及び塩素量分析装置35には、汎用のオンライン分析装置が使用可能であるが、測定の迅速性や安定性の観点から、蛍光X線分析装置が好ましい。
加熱処理装置3において、アルカリ金属含有物BA1と塩素含有物CL1は一緒に加熱されて、アルカリ金属塩化物を含有する加熱処理物BA2になる。アルカリ金属塩化物の生成反応を効率的に生じさせるために、アルカリ金属含有物BA1と塩素含有物CL1は十分に混合された状態で加熱されることが望ましく、そのため、図2に示す実施形態では、加熱処理装置3として外熱式ロータリーキルンを用いている。ロータリーキルンであれば、被加熱処理物が移動する内筒部の回転運動によって、被加熱処理物であるアルカリ金属含有物BA1と塩素含有物CL1の混合、撹拌を物理的に行いながら加熱処理を行うことが可能である。
加熱処理装置3は、アルカリ金属含有物BA1と塩素含有物CL1を所定温度で加熱できるものであれば特に限定されず、例えば、650℃〜1000℃の温度で加熱できるものであればよい。固定炉、ストーカ炉、ロータリーキルン炉、流動床炉、竪型炉、多段炉等の各種加熱炉が使用できる。なかでも、上記の物理的撹拌が行えるという観点からは、ロータリーキルン炉が好ましく、さらに、揮発したアルカリ金属や塩素を当該加熱処理装置内に滞留させておくことが可能であるという観点からは、外熱式ロータリーキルン炉がより好ましい。
図2に示す実施形態においては、加熱処理装置3からは、揮発した塩素及びアルカリ金属の一部が、加熱処理装置の排気系を通じて排ガスA1とともに排出され、その煙道内でアルカリ金属塩化物CL2として析出させるようにしている。かかるアルカリ金属塩化物CL2は、例えば、バグフィルタ33で回収してカリウム肥料、地盤改良材用途や、アルカリ又は塩素の源材料として活用することが可能である。
加熱処理物BA2は、アルカリ金属溶出槽4に送られる。アルカリ金属溶出槽4では、加熱処理物BA2と水W1を混合してスラリーS1を生成し、そのスラリーS1中で、加熱処理物BA2からアルカリ金属を液相に溶出させる処理が行われる。
アルカリ金属溶出槽4には、加熱処理物BA2の供給ホッパ41と水W1の供給装置42が付設され、また、その内部には、加熱処理物BA2と水W1の混合、並びに、その混合によって生成されたスラリーS1を攪拌するためのスラリー攪拌装置43が付設されている。スラリー攪拌装置43としては、例えば、一般的な、スクリュー型のもの等を用いればよく、図2に示す実施形態では、撹拌翼43aを備えている。
アルカリ金属溶出槽4における、加熱処理物BA2と水W1の混合割合は、質量比BA2:W1が、1:3以上が好ましく、1:4以上がさらに好ましく、1:5以上が特に好ましい。この混合割合の上限は特に限定されないが、質量比BA2:W1が1:10以上では使用する水量が過剰である。
アルカリ金属溶出槽4におけるスラリーS1の撹拌時間は、10分以上が好ましく、15分以上がより好ましく、20分以上が特に好ましい。通常、アルカリ金属塩化物は水に非常に溶けやすいので、スラリーS1の撹拌に特段の条件は必要でない。
アルカリ金属溶出槽4で液相中にアルカリ金属を溶出したスラリーS1は、固液分離装置5に送られる。固液分離装置5へのスラリーS1の搬送には、スラリー用渦巻きポンプ、ピストンポンプ、及び、モーノポンプ等の通常のスラリー液用輸送装置(不図示)を用いればよい。
固液分離装置5としては、フィルタープレス、加圧葉状ろ過装置、スクリュープレス、ベルトプレス等の通常のろ過装置等を用いればよく、図2に示す実施形態では、フィルタープレスを用いている。
固液分離装置5は、搬送されたスラリーS1を、アルカリ金属を溶出させた加熱処理物BA2からなるケーキC1(固相)と、加熱処理物BA2から溶出したアルカリ金属を含む排水W2(液相)とに分離する。
ここで、排水W2はアルカリ金属と塩素を多量に含んでおり、ケーキC1には、排水W2の一部が含まれている。そのため、ケーキC1を、例えばセメント原料に使用する場合、かかるアルカリ金属及び塩素をケーキC1から除去するのが望ましい。ケーキC1からのアルカリ金属及び塩素の除去は、工水(真水)をケーキC1に通流させるケーキ洗浄を行えばよく、ケーキ洗浄に用いる水量は、当該ケーキC1に対して、質量比で3倍以上、好ましくは4倍以上、より好ましくは5倍以上である。
脱水ケーキC1を運搬する場合、運搬先が本アルカリ金属除去装置に隣接している場合には、例えば、ベルトコンベア、スクリューコンベア、パイプコンベア等の一般的なケーキ輸送装置を用いればよく、遠隔の場合には、重機やダンプトラック等の車両を用いればよい。
以下、本発明についてさらに詳細に説明するために具体的な試験例を示すが、本発明はこれら試験例の態様に限定されるものではない。
アルカリ金属含有物BA1として、バイオマス発電プラント(循環流動層ボイラ)の排ガス集塵機(バグフィルタ)で捕集された、木質バイオマス灰の飛灰を用いた。表1には、アルカリ金属については酸分解試料のICP発光分光分析法による分析で、その他の化学成分にはペレット試料の蛍光X線分析法による分析で得られた、アルカリ金属含有物BA1の化学組成を示す。なお、表1のROは、本組成物中の全アルカリ金属成分量として「RO=NaO+0.658×KO」の値を示す。
また、表1に示すアルカリ金属含有物BA1のレーザー回折・散乱法に基づく粒度分布を測定したところ、D10値が4.4μm、D50値が20μm、D90値が64μmであった。なお、例えば、D10値とは、体積基準の粒度分布において累積10%での粒径を意味する。
上記のアルカリ金属含有物BA1に、そのアルカリ金属含有物BA1中のアルカリ金属成分の含有量(mol)に対して所定倍率のモル数を有する塩素含有物(CaCl試薬粉末)を混合した後、恒温電気炉に30分間静置して加熱試料BA2とした。その後、加熱試料BA2の4倍量の水で30分間撹拌した後、得られたスラリーS1を吸引ろ過後、前記スラリーS1作成時と同量の水で洗浄、ろ過して、ケーキC1を作成した。そうして得られたケーキC1について、アルカリ金属成分の含有量を、酸分解試料のICP発光分光分析法による分析で求めた。
表2には、加熱処理条件として設定した各水準の加熱温度と塩素化合物混合量を示し、さらに各水準で得られたケーキC1のアルカリ金属成分の含有量を示す。なお、表2中のROは、表1と同じである。
表2から分かるとおり、加熱温度が500℃の試験例1−1〜3では、ケーキC1の全アルカリ金属成分量(RO)の値は、最も除去された試験例1−3であっても3.0質量%と高い値を示した。それに対して、加熱温度が高く、塩素化合物と共に加熱された試験例2−2、2−3、3−2、3−3では、2.5質量%以下までに全アルカリ金属成分量(RO)が除去された。一方、加熱温度が高くても、塩素化合物と共に加熱されなかった試験例2−1、3−1では、全アルカリ金属成分量(RO)の値はほとんど除去することができなかった。
次に、アルカリ金属含有物BA1の大きさがアルカリ金属除去にどのように影響を与えるかを評価した。具体的には、表1のアルカリ金属含有物BA1を用い、プレス機で圧密後に所定の大きさの立方体に切り出したアルカリ金属含有物BA1−2について、アルカリ金属含有物BA1のアルカリ金属成分の含有量(mol)の2倍量となる塩素含有物(CaCl試薬粉末)を、前記アルカリ金属含有物BA1−2の上面に載せたものを、800℃の恒温電気炉で60分間加熱して、加熱試料BA2−2を得た。その後の処理は上記試験と同様にして、ケーキC1−2のアルカリ金属成分の含有量を求めた。結果を表3に示す。なお、表3中のROは、表1、表2と同じである。
表3から分かるとおり、試料の大きさが5mm以下の試験例4−1〜3では、ケーキC1−2の全アルカリ金属成分量(RO)は、2.5質量%以下までに除去されていた。一方、試料の大きさが7mm以上の試験例4−4〜5では、3.5質量%以上の全アルカリ金属成分量(RO)が残留していた。
1 アルカリ金属除去装置
2 粉砕装置
3 加熱処理装置
4 アルカリ金属溶出槽
5 固液分離装置
6 制御装置
21、31、32、41 ホッパ
22 分級装置
31a、32a 排出量調整バルブ
33 バグフィルタ
34 アルカリ量分析装置
35 塩素量分析装置
42 水の供給装置
43 撹拌装置
43a 撹拌翼
A1 加熱処理装置排ガス
BA1 アルカリ金属含有物
BA2 加熱処理物
C1 ケーキ
CL1 塩素含有物
CL2 加熱処理装置排ガス煙道から回収された塩素含有物
S1 スラリー
W1 水
W2 排液

Claims (10)

  1. 固形状のアルカリ金属含有物を固形状の塩素含有物と一緒にし、該混合物を加熱することによりアルカリ金属の塩化物を形成させて、前記塩化物を加熱処理物内に固相として固定する加熱処理工程と、
    前記加熱処理工程で生じた前記加熱処理物に水分を加えてスラリー化し、該スラリー中で前記加熱処理物に含まれる前記塩化物の該アルカリ金属を液相中に溶出させるアルカリ金属溶出工程と、
    前記アルカリ金属溶出工程を経たスラリーを固液分離してケーキ及びろ液となす固液分離工程を備えることを特徴とするアルカリ金属含有物からのアルカリ金属除去方法。
  2. 前記加熱処理工程において、前記混合物を650℃〜1000℃の温度に加熱する、請求項1記載のアルカリ金属除去方法。
  3. 前記加熱処理工程の前工程として、前記加熱処理工程に供する前記アルカリ金属含有物を粒径5mm以下に粉砕する粉砕工程を更に備える、請求項1又は2記載のアルカリ金属除去方法。
  4. 前記加熱処理工程において、前記混合物として加熱される前記アルカリ金属含有物と前記塩素含有物との割合が、単位時間当たりに前記加熱処理工程に供される全アルカリ金属含有物中の全アルカリ金属成分のモル量(A)と、前記単位時間当たりに前記加熱処理工程に供される全塩素含有物中の全塩素のモル量(B)との比(A:B)として、該比が1:1.5〜1:5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ金属除去方法。
  5. 前記アルカリ金属含有物が、木質バイオマス燃焼灰の飛灰及び主灰からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルカリ金属除去方法。
  6. 前記塩素含有物が、CaCl及び/又はMgClを含む工業原料、廃プラスチック、及び廃ポリ塩化ビニルからなる群から選ばれた1種又は2種以上を含むものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルカリ金属除去方法。
  7. 固形状のアルカリ金属含有物を供給するためのアルカリ金属含有物供給装置と、
    固形状の塩素含有物を供給するための塩素含有物供給装置と、
    前記アルカリ金属含有物供給装置から供給される前記アルカリ金属含有物を前記塩素含有物供給装置から供給される前記塩素含有物と一緒にし、該混合物を加熱することによりアルカリ金属の塩化物を形成させて、前記塩化物を加熱処理物内に固相として固定するための加熱処理装置と、
    前記加熱処理装置により生じた前記加熱処理物に水分を加えてスラリー化し、該スラリー中で前記加熱処理物に含まれる前記塩化物の該アルカリ金属を液相中に溶出させるためのアルカリ金属溶出槽と、
    前記アルカリ金属溶出槽からのスラリーを固液分離してケーキ及びろ液となすための固液分離装置とを備えることを特徴とするアルカリ金属含有物からのアルカリ金属除去装置。
  8. 前記加熱処理装置に供される前記アルカリ金属含有物を粒径5mm以下に粉砕するための粉砕装置を更に備える、請求項7記載のアルカリ金属除去装置。
  9. 前記加熱処理装置は、前記アルカリ金属含有物を前記塩素含有物と一緒にした該混合物を収容して650℃〜1000℃の温度に加熱するための加熱炉を有する、請求項7又8は記載のアルカリ金属除去装置。
  10. 前記固液分離装置からの前記ケーキを、セメント製造設備に搬送するための搬送装置を更に備える、請求項7〜9に記載のアルカリ金属除去装置。
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