JP2020157226A - 水処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品製造工程排水などのリン成分含有被処理水を濾過処理する水処理方法及び装置において、スライムによる濾過手段の閉塞を抑制することができる水処理方法及び装置を提供する。【解決手段】濾過装置で被処理水を濾過処理する水処理方法及び装置において、OH型以外のアニオン交換樹脂によって被処理水中のリン成分を吸着除去した後、該濾過装置で濾過処理することを特徴とする水処理方法及び装置。前記アニオン交換樹脂はCl型アニオン交換樹脂であることが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は水処理方法に係り、特にリン成分を含む被処理水を処理する方法及び装置に関する。
給水中の不純物/イオン分を除去する分離膜/逆浸透膜においては、膜表面に給水中の微生物が繁殖することによって、膜の濾過抵抗を上昇させ、ひいては膜を閉塞させる。このため、膜の表面を定期的に洗浄し、給水に殺菌剤が添加されている。しかしながら膜の洗浄を行うとその間は装置の停止が余儀なくされ、処理水を精製することができないため可能な限り洗浄頻度は下げたい。更に物理的な洗浄のみでは膜表面に繁殖した微生物を除去することが困難である。
また、半導体装置、液晶表示装置、位相シフトマスクなどの電子部品の製造工程では、選択的にシリコン窒化膜を除去するウェットエッチングが行われている。例えば、半導体装置においては、ウェーハ上に素子分離酸化膜(シリコン酸化膜;SiO2膜)を形成させる際のハードマスクとして窒化膜(シリコン窒化膜;Si3N4)が用いられているが、このような窒化膜の除去には、加熱したリン酸溶液を用いた熱リン酸法をはじめとするウェットエッチングが一般的に採用されている(特許文献1)。また、半導体素子の微細化に伴いウェット洗浄において水よりも表面張力の低いイソプロパノールといった有機溶媒が多用されている。このように半導体/電子部品工場においてはウェットプロセスで有機物やリンといった菌体の基質になり得る溶液が使用されており、その排液のバイオポテンシャルは場合によっては工水と比較して非常に高くなる。このような高純度有機溶媒・無機りん酸を含む排水を逆浸透膜やストレーナーといった排水処理膜で処理するとスライムが発生し膜閉塞が起きる。
こうしたスライム対策のためには、一般に高濃度の殺菌剤が必要になる。従来、スライム剥離剤またはスライム洗浄剤としては、ヒドラジンや次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素水等が広く使用されている。
あるいは水酸化ナトリウムの添加によってpHを上げることでスライムの発生を回避する技術も存在する(特許文献2)。
また、逆浸透膜でのスライムによる障害を防止するために、逆浸透膜処理に先立ち、リンを吸着除去することが提案されている(特許文献3)。特許文献3では、リン吸着剤として、含水亜鉄酸塩、金属複合酸化物、ハイドロタルサイトが記載されている。
なお、強塩基性アニオン交換樹脂で処理した後に逆浸透膜処理する純水あるいは超純水製造方法は公知であるが(例えば特許文献4)、その目的は高度にイオン性不純物を除去することあり、逆浸透膜でのスライム障害を抑制するために用いるものではない。また、イオン性不純物の除去を目的とするため、用いるアニオン交換樹脂はOH型のものが用いられている。
膜濾過装置のスライム対策のために用いる高濃度の殺菌剤の内、ヒドラジンは毒性がある。次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素などの無機酸化剤は、高濃度で使用すると、配管や熱交換器の金属材質の腐食を引き起こし易い。また、その他の比較的安全で腐食性の低い薬品についても、処理水を回収/下水放流/河川放流するいずれの場合においても無害化処理が必要になる。
特許文献2のように、スライム対策のために被処理水のpHを上げる場合は、放流時に中和処理が必要になる上、カルシウム等の無機スケール対策が必要になる。
特許文献3に記載の方法では、反応時間や処理水リン酸濃度、コストの観点から装置コストに対して十分な効果が得られない。
本発明は、被処理水を濾過処理する水処理方法及び装置において、スライムによる濾過手段の閉塞を抑制することができる水処理方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の水処理方法は、濾過装置で被処理水を濾過処理する水処理方法において、OH型以外のアニオン交換樹脂によって被処理水中のリン成分を吸着除去した後、該濾過装置で濾過処理することを特徴とする。
本発明の水処理装置は、被処理水中のリン成分を吸着除去する吸着手段と、該吸着手段からの水を濾過処理する濾過手段とを有する水処理装置において、該吸着手段は、OH型以外のアニオン交換樹脂を有することを特徴とする。
本発明の一態様では、前記アニオン交換樹脂はCl型アニオン交換樹脂である。
本発明の水処理方法及び装置によると、被処理水からリン成分を吸着除去した後、濾過処理するので、スライムによる濾過手段の閉塞が抑制される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の水処理方法及び装置が処理対象とする被処理水としては、半導体装置、液晶表示装置、位相シフトマスクなどの電子部品の製造工程からの排水の他、食品工場排水、飲料工場排水等のバイオポテンシャルの高い排水が例示されるが、これらに限定されない。
なお、半導体装置、液晶表示装置、位相シフトマスクなどの電子部品の製造工程からの排水は、通常、無機リンを0.01〜100mg/L程度含有すると共に、さらにイソプロパノール等の有機溶媒を含んでおり、TOC濃度は0.1〜1000mg/L程度であり、pH5〜10程度であることが多い。
本発明では、被処理水をまずOH型以外のアニオン交換樹脂と接触させてリン成分を吸着除去する。好適には、被処理水をOH型以外のアニオン交換樹脂を充填したアニオン交換樹脂塔にSV5〜200hr−1特に80〜120hr−1程度で通水する。
OH型以外のアニオン交換樹脂としては、Cl型、SO4 2−型、NO3 −型などのアニオン交換樹脂を用いることができるが、イオン交換効率が高い点から、Cl型が特に好ましい。なお、Cl型アニオン交換樹脂は、0.1〜10重量%程度の濃度のNaCl等の中性塩水溶液によって再生することができ、塩酸による再生を不要とすることができる。アニオン交換樹脂としては、弱塩基性アニオン交換樹脂よりも強塩基性アニオン交換樹脂の方が、リン除去率が高い点で好ましい。
このOH型以外のアニオン交換樹脂を充填したアニオン交換樹脂塔に被処理水を通水することにより、無機リン濃度が0.01〜1mg/L又はそれ以下のリン除去処理水が得られる。
このリン除去処理水を濾過手段に通水して濾過処理する。濾過手段としては、MF、UF、RO等の膜濾過装置のほか、保安フィルタやストレーナなども用いることができる。
図1は、本発明の水処理装置の一例を示すものであり、上述のOH型以外のアニオン交換樹脂を充填したアニオン交換樹脂塔1と、その流出水が供給される濾過装置2とが設置されている。アニオン交換樹脂塔1と濾過装置2との間にポンプやタンク等が設置されてもよい。また、上記以外の機器が設置されてもよい。
この水処理装置によると、被処理水をまずOH型以外のアニオン交換樹脂と接触させてリン成分を吸着除去した後、濾過処理するので、濾過装置2におけるスライムによる閉塞が抑制される。この水処理装置は、濾過装置2の前段にアニオン交換樹脂塔1を設置するのみでバイオポテンシャル及びスライム閉塞の大幅な低減を実現するものであり、装置構成が簡易である。また、給水pHを極端に変動させることもないため、従来課題であったスライム対策処理後の中和や薬品の無害化といった後処理も不要となる。更には、OH型以外のアニオン交換樹脂を用いるため、塩酸等を用いることなく再生可能であり、濾過装置の薬傷リスク等を抑えることができる。
[比較例1]
エタノール100mg/L、塩化アンモニウム8mg/L、リン酸水素二ナトリウム5mg/Lを含む排水を1L/minで側溝に流し、側溝の末端に配置した濁質除去用ストレーナの様子を観察したところ、排水開始3日後にストレーナに白濁したバイオフィルムの付着が確認され、排水開始5日後でストレーナ全体にバイオフィルムが付着し、側溝の水位上昇が始まった。
エタノール100mg/L、塩化アンモニウム8mg/L、リン酸水素二ナトリウム5mg/Lを含む排水を1L/minで側溝に流し、側溝の末端に配置した濁質除去用ストレーナの様子を観察したところ、排水開始3日後にストレーナに白濁したバイオフィルムの付着が確認され、排水開始5日後でストレーナ全体にバイオフィルムが付着し、側溝の水位上昇が始まった。
[実施例1]
比較例1で用いたものと同一の排水を、三菱ケミカル社製Cl型アニオン交換樹脂SA−10ALを10L充填したカラムに通水した後、上記側溝に流すようにしたところ、排水開始後10日間が経過してもストレーナへのバイオフィルムの付着は確認されなかった。
比較例1で用いたものと同一の排水を、三菱ケミカル社製Cl型アニオン交換樹脂SA−10ALを10L充填したカラムに通水した後、上記側溝に流すようにしたところ、排水開始後10日間が経過してもストレーナへのバイオフィルムの付着は確認されなかった。
比較例1及び実施例1においてストレーナ濾過水のリン濃度とpH、導電率を確認した結果を表1に示す。
[考察]
実施例1において排水のpHがやや下がっているが、これはリンを含む水中の弱アニオン類が塩化物イオンと置換された結果と考えられる。同じく導電率上昇についても、排水中のアニオンが酸乖離定数の高い塩化物イオンにほぼ置き換わり、モル当量導電性が他のイオンと比較して数倍高いプロトンが水中に増えたことを示唆している。
実施例1において排水のpHがやや下がっているが、これはリンを含む水中の弱アニオン類が塩化物イオンと置換された結果と考えられる。同じく導電率上昇についても、排水中のアニオンが酸乖離定数の高い塩化物イオンにほぼ置き換わり、モル当量導電性が他のイオンと比較して数倍高いプロトンが水中に増えたことを示唆している。
これらの結果から、pHの値は実施例においても極端な酸性になることなく中性域を保ちほぼ変動しないままで、バイオフィルム形成における必須元素であるリンが除去されていることが示された。
1 アニオン交換樹脂塔
2 濾過装置
2 濾過装置
Claims (4)
- 濾過装置で被処理水を濾過処理する水処理方法において、OH型以外のアニオン交換樹脂によって被処理水中のリン成分を吸着除去した後、該濾過装置で濾過処理することを特徴とする水処理方法。
- 前記アニオン交換樹脂はCl型アニオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
- 被処理水中のリン成分を吸着除去する吸着手段と、
該吸着手段からの水を濾過処理する濾過手段と
を有する水処理装置において、
該吸着手段は、OH型以外のアニオン交換樹脂を有することを特徴とする水処理装置。 - 前記アニオン交換樹脂はCl型アニオン交換樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の水処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019058877A JP2020157226A (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | 水処理方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019058877A JP2020157226A (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | 水処理方法及び装置 |
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JP2019058877A Pending JP2020157226A (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | 水処理方法及び装置 |
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2019
- 2019-03-26 JP JP2019058877A patent/JP2020157226A/ja active Pending
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