JP2020153668A - 複合センサ - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、熱流センサを含む複合センサの更なる薄型化が望まれているが、非特許文献1及び特許文献1,2に記載の技術では、熱電チップの厚さを小さくする必要があるが、熱流に沿った熱電半導体の厚さを薄くすると、温度差が小さくなって検出される電圧が小さくなってしまう問題があった。
すなわち、この複合センサでは、接続配線が、互いに対向する異常ネルンスト材料膜の間にそれぞれ配されて互いに対向する一方の異常ネルンスト材料膜の一端側と他方の異常ネルンスト材料膜の他端側とを接続しているので、強磁性体材料等の各異常ネルンスト材料膜で同一方向に向けて生じた電圧を加算して増幅することができる。
すなわち、この複合センサでは、薄膜サーミスタ部が、異常ネルンスト材料膜よりも高い電気抵抗を有し、異常ネルンスト材料膜が、薄膜サーミスタ部の上又は下に形成されているので、平面方向のサイズを小さくすることが可能になると共に、温度検知部と熱流検知部とが積層構造となって同じ部分に形成されることで、より高精度な温度と熱流束とを検知可能になる。また、仮に熱源が微小で、センサと熱源との接触面積が小さかったとしても、温度検知部と熱流検知部とが積層構造となっているので、微小な熱源の温度と熱流束との双方が検知可能となる。
なお、薄膜サーミスタ部が、異常ネルンスト材料膜よりも高抵抗であるため、熱流検知部において薄膜サーミスタ部の導電性の影響を抑制することができる。
すなわち、この複合センサでは、薄膜サーミスタ部が、結晶性Ti−Al−Nであり、異常ネルンスト材料膜が、Fe−Alであるので、互いに構成元素のうちAlが共通していることで、積層において高い接合性を得ることができる。特に、薄膜サーミスタ部が、一般式:TixAlyNz(但し、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物薄膜からなる場合、高いB定数及び高熱伝導度が得られるだけでなく、比較的高い絶縁性を有しているため、積層される異常ネルンスト材料膜の熱流検知のための電圧検出は、薄膜サーミスタ部の導電性の影響を受けない。また、この材料の薄膜サーミスタ部は、柔軟性を有した膜であり、異常ネルンスト材料膜と共に柔軟性を有した基材に形成することで、全体としてフレキシブル性のある複合センサとすることができる。
すなわち、この複合センサでは、基材が、絶縁性フィルムであるので、全体としてフレキシブル性を得ることができ、測定対象物に押し当てた際に柔軟に湾曲して測定対象物と面接触させることが可能であり、設置自由度が向上すると共に柔軟性と高い温度応答性とを兼ね備えることができる。特に、絶縁性フィルムに設ける温度検知部と熱流検知部とがどちらも膜の積層体であるため、高い柔軟性を有することができる。なお、絶縁性フィルムには、絶縁性樹脂フィルム、フレキシブルガラス基板等が使用できる。
すなわち、本発明に係る複合センサによれば、薄膜サーミスタ部を有する温度検知部と、複数の異常ネルンスト材料膜を有する熱流検知部とを備えているので、同一基材で温度と熱流束とを計測可能であると共に、いずれも同じ基材に膜の積層で構成されており、薄型化が可能であり、高い精度で熱流を測定することができる。
したがって、本発明に係る複合センサでは、電子機器内部に搭載した場合など、高い設計自由度を得ることができる。また、本発明に係る複合センサは、熱流検知部を熱流センサ用だけでなく、熱流による発電用,スイッチ用としても適用可能である。
上記第1パターン配線9と上記第2パターン配線10とは、帯状の基材2の端部まで同一方向に延在している。
一対の第1パターン配線9は、基材2の端部にリード線接続用の一対の第1パッド部9aを有し、一対の第2パターン配線10は、基材2の端部にリード線接続用の一対の第2パッド部10aを有している。
なお、第1パッド部9a及び第2パッド部10a以外は、保護膜で覆われていてもよい。
本実施形態では、例えば図1に示すように、基材2の厚さ方向に生じた熱流に対して各異常ネルンスト材料膜6で生じた電圧の方向が同一方向になるように、4つの各異常ネルンスト材料膜6が接続配線7によって直列接続されている。これにより、4つの各異常ネルンスト材料膜6で生じた各電圧の合計が一対の第2パターン配線10間に生じることになる。
なお、直列接続される異常ネルンスト材料膜6の数や長さを増やすことで、得られる電圧も大きくできる。
なお、薄膜サーミスタ部3としては、一般式:MxAyNz(但し、MはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及びCuの少なくとも1種を示すと共に、AはAl又は(Al及びSi)を示す。0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示され、六方晶系のウルツ鉱型の単相である金属窒化物からなる材料が好ましい。本実施形態では、薄膜サーミスタ部3として、一般式:TixAlyNz(但し、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示され、六方晶系のウルツ鉱型の単相である金属窒化物を採用している。
以下の表1にAl,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Siの各イオン種における有効イオン半径を示す(参照論文 R.D.Shannon, Acta Crystallogr., Sect.A, 32, 751(1976))。
なお、基材2として、柔軟性が要求されていない場合、ガラス基板、アルミナなどの絶縁性セラミックス基板などを採用しても構わない。熱流検知部の異常ネルンスト材料には、基板と垂直方向に熱流を通すことで高い電圧が得られるので、より薄い絶縁性基板が望ましい。
対向電極4及び第1パターン配線9は、例えばCr膜の単層や、Cr膜とAu膜との積層金属膜等の種々の金属膜が採用可能である。
上記第2パターン配線10は、起電力が小さいAu膜が好ましいが、Cr膜とAu膜との積層金属膜等も採用可能である。
第1パターン配線9と第2パターン配線10とが同じ電極材料から構成されれば、電極材料の成膜工程とパターニング工程とを同一とすることができ、プロセスが簡略化できる。
また、上記異常ネルンスト材料膜形成工程では、例えばFe−Al合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタを行って異常ネルンスト材料膜6を成膜する。
また、仮に熱源が微小で、センサと熱源の接触面積が小さい場合でも、温度検知部5と熱流検知部8とが積層構造となっているので、温度検知部5の面積を小さくすることができ、微小な熱源の温度と熱流束との双方が検知可能となる。
熱源と点接触となった場合は、熱流検知部8と点接触させることで、熱流が薄膜サーミスタ部3に直ちに伝わり、薄膜サーミスタ部3で熱源の温度検知が可能となる。
すなわち、基材2が、絶縁性フィルムであれば、全体としてフレキシブル性を得ることができ、測定対象物に押し当てた際に柔軟に湾曲して測定対象物と面接触させることが可能であり、設置自由度が向上すると共に柔軟性と高い温度応答性とを兼ね備えることができる。
例えば、上記各実施形態では、基材に絶縁性樹脂フィルムを採用しているが、フレキシブルガラス基板を採用しても構わない。基材が、フレキシブルガラス基板であれば、上記実施形態と同様に、全体としてフレキシブル性を得ることができる。なお、フレキシブルガラス基板は、化学強化、表面強化等のガラスを強化する処理がされた湾曲耐性のある超薄板の強化ガラス基板(例えば、市販されている日本電気硝子株式会社製のG-Leaf(登録商標))等が採用可能であり、従来のフロート製法等で製造されたソーダガラス基板や、石英基板、パイレックス(登録商標)基板(コーニング製ホウケイ酸ガラスの商標、(PYREX(登録商標))よりも柔軟性のあるガラス基板である。
基板に柔軟性をもたせるには、湾曲耐性が求められる。評価方法は、基板を、2枚の柔軟性有する薄い樹脂フィルムではさみ、直径200mmの円筒状の物体にまきつけ(2枚で挟む理由は基板を均一に曲げるため)、次に基板を元の平らな状態に戻す曲げ試験を実施する。湾曲耐性のある基板は、曲げ試験後、割れない、クラックが生じない基板である。中でも、円筒状の物体の直径がより小さい条件でも割れない基板が、湾曲耐性の高い基板であり、フレキシブル基板として良適である。
Claims (5)
- 絶縁性の基材と、
前記基材に形成された薄膜サーミスタ部と前記薄膜サーミスタ部の上及び下の少なくとも一方に対向して形成された一対の対向電極とを有する温度検知部と、
前記基材に形成され同一方向に延在していると共に前記基材の平面方向に互いに平行に並んでいる異常ネルンスト効果が得られる複数の異常ネルンスト材料膜と、複数の前記異常ネルンスト材料膜を電気的に直列に接続する接続配線とを有する熱流検知部とを備えていることを特徴とする複合センサ。 - 請求項1に記載の複合センサにおいて、
前記接続配線が、互いに対向する前記異常ネルンスト材料膜の間にそれぞれ配されて互いに対向する一方の前記異常ネルンスト材料膜の一端側と他方の前記異常ネルンスト材料膜の他端側とを接続していることを特徴とする複合センサ。 - 請求項1又は2に記載の複合センサにおいて、
前記薄膜サーミスタ部が、前記異常ネルンスト材料膜よりも高い電気抵抗を有し、
前記異常ネルンスト材料膜が、前記薄膜サーミスタ部の上又は下に形成されていることを特徴とする複合センサ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の複合センサにおいて、
前記薄膜サーミスタ部が、結晶性Ti−Al−Nであり、
前記異常ネルンスト材料膜が、Fe−Alであることを特徴とする複合センサ。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の複合センサにおいて、
前記基材が、絶縁性フィルムであることを特徴とする複合センサ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022224879A1 (ja) * | 2021-04-19 | 2022-10-27 | 国立大学法人東京大学 | センサ素子及びセンサ装置 |
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