JP2020153668A - 複合センサ - Google Patents

複合センサ Download PDF

Info

Publication number
JP2020153668A
JP2020153668A JP2019049360A JP2019049360A JP2020153668A JP 2020153668 A JP2020153668 A JP 2020153668A JP 2019049360 A JP2019049360 A JP 2019049360A JP 2019049360 A JP2019049360 A JP 2019049360A JP 2020153668 A JP2020153668 A JP 2020153668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite sensor
thin film
abnormal nernst
film
nernst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019049360A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7205770B2 (ja
Inventor
利晃 藤田
Toshiaki Fujita
利晃 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2019049360A priority Critical patent/JP7205770B2/ja
Publication of JP2020153668A publication Critical patent/JP2020153668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7205770B2 publication Critical patent/JP7205770B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)

Abstract

【課題】 熱流センサ機能だけでなく温度センサ機能も有し、更なる薄型化が可能な複合センサを提供すること。【解決手段】絶縁性の基材2と、記基材に形成された薄膜サーミスタ部3と薄膜サーミスタ部の上及び下の少なくとも一方に対向して形成された一対の対向電極4とを有する温度検知部5と、基材に形成され同一方向に延在していると共に基材の平面方向に互いに平行に並んでいる異常ネルンスト効果が得られる複数の異常ネルンスト材料膜6と、複数の異常ネルンスト材料膜を電気的に直列に接続する接続配線7とを有する熱流検知部8とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、熱流センサ機能と温度センサ機能とを単一デバイス中に有した複合センサに関する。
熱流と温度とを同時に検出可能なセンサとして、従来、例えば非特許文献1及び特許文献1,2には、熱電対を内蔵した薄型の熱流センサが発表されている。この熱流センサは、ポリイミドの基板上に熱流測定用の熱電チップと温度測定用の熱電対とを搭載しており、熱電チップとしては、複数の熱電半導体のP型とN型とを交互に並べることでπ型方式で直列に接続して電圧を測定するものが採用されている。この熱電チップは、熱流に沿った熱電半導体の厚さ方向に温度差が生じて電圧が生じるゼーベック効果を利用しており、温度差方向、すなわち熱流の方向と同方向に電圧が生じるものである。
特開2017−211270号公報 特開2017−211271号公報
"熱流センサ"、[online]、株式会社デンソー、[平成31年2月10日検索]、インターネット(URL:https://energyeye.com)
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、熱流センサを含む複合センサの更なる薄型化が望まれているが、非特許文献1及び特許文献1,2に記載の技術では、熱電チップの厚さを小さくする必要があるが、熱流に沿った熱電半導体の厚さを薄くすると、温度差が小さくなって検出される電圧が小さくなってしまう問題があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、熱流センサ機能だけでなく温度センサ機能も有し、更なる薄型化が可能な複合センサを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る複合センサは、絶縁性の基材と、前記基材に形成された薄膜サーミスタ部と前記薄膜サーミスタ部の上及び下の少なくとも一方に対向して形成された一対の対向電極とを有する温度検知部と、前記基材に形成され同一方向に延在していると共に前記基材の平面方向に互いに平行に並んでいる異常ネルンスト効果が得られる複数の異常ネルンスト材料膜と、複数の前記異常ネルンスト材料膜を電気的に直列に接続する接続配線とを有する熱流検知部とを備えていることを特徴とする。
この複合センサでは、薄膜サーミスタ部を有する温度検知部と、複数の異常ネルンスト材料膜を有する熱流検知部とを備えているので、同一基材で温度と熱流束とを計測可能であると共に、いずれも同じ基材に膜の積層で構成されており、薄型化が可能である。特に、熱流検知部が、熱流の方向に対して直交する方向に電圧が生じる複数の異常ネルンスト材料膜を平面方向に並べて電気的に直列に接続していることで、多くの配線数で異常ネルンスト材料膜を並べることで、厚さを増やさずに電圧を増幅することができる。
第2の発明に係る複合センサは、第1の発明において、前記接続配線が、互いに対向する前記異常ネルンスト材料膜の間にそれぞれ配されて互いに対向する一方の前記異常ネルンスト材料膜の一端側と他方の前記異常ネルンスト材料膜の他端側とを接続していることを特徴とする。
すなわち、この複合センサでは、接続配線が、互いに対向する異常ネルンスト材料膜の間にそれぞれ配されて互いに対向する一方の異常ネルンスト材料膜の一端側と他方の異常ネルンスト材料膜の他端側とを接続しているので、強磁性体材料等の各異常ネルンスト材料膜で同一方向に向けて生じた電圧を加算して増幅することができる。
第3の発明に係る複合センサは、第1又は第2の発明において、前記薄膜サーミスタ部が、前記異常ネルンスト材料膜よりも高い電気抵抗を有し、前記異常ネルンスト材料膜が、前記薄膜サーミスタ部の上又は下に形成されていることを特徴とする。
すなわち、この複合センサでは、薄膜サーミスタ部が、異常ネルンスト材料膜よりも高い電気抵抗を有し、異常ネルンスト材料膜が、薄膜サーミスタ部の上又は下に形成されているので、平面方向のサイズを小さくすることが可能になると共に、温度検知部と熱流検知部とが積層構造となって同じ部分に形成されることで、より高精度な温度と熱流束とを検知可能になる。また、仮に熱源が微小で、センサと熱源との接触面積が小さかったとしても、温度検知部と熱流検知部とが積層構造となっているので、微小な熱源の温度と熱流束との双方が検知可能となる。
なお、薄膜サーミスタ部が、異常ネルンスト材料膜よりも高抵抗であるため、熱流検知部において薄膜サーミスタ部の導電性の影響を抑制することができる。
第4の発明に係る複合センサは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記薄膜サーミスタ部が、結晶性Ti−Al−Nであり、前記異常ネルンスト材料膜が、Fe−Alであることを特徴とする。
すなわち、この複合センサでは、薄膜サーミスタ部が、結晶性Ti−Al−Nであり、異常ネルンスト材料膜が、Fe−Alであるので、互いに構成元素のうちAlが共通していることで、積層において高い接合性を得ることができる。特に、薄膜サーミスタ部が、一般式:TiAl(但し、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物薄膜からなる場合、高いB定数及び高熱伝導度が得られるだけでなく、比較的高い絶縁性を有しているため、積層される異常ネルンスト材料膜の熱流検知のための電圧検出は、薄膜サーミスタ部の導電性の影響を受けない。また、この材料の薄膜サーミスタ部は、柔軟性を有した膜であり、異常ネルンスト材料膜と共に柔軟性を有した基材に形成することで、全体としてフレキシブル性のある複合センサとすることができる。
第5の発明に係る複合センサは、第1から第4の発明のいずれかにおいて、前記基材が、絶縁性フィルムであることを特徴とする。
すなわち、この複合センサでは、基材が、絶縁性フィルムであるので、全体としてフレキシブル性を得ることができ、測定対象物に押し当てた際に柔軟に湾曲して測定対象物と面接触させることが可能であり、設置自由度が向上すると共に柔軟性と高い温度応答性とを兼ね備えることができる。特に、絶縁性フィルムに設ける温度検知部と熱流検知部とがどちらも膜の積層体であるため、高い柔軟性を有することができる。なお、絶縁性フィルムには、絶縁性樹脂フィルム、フレキシブルガラス基板等が使用できる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る複合センサによれば、薄膜サーミスタ部を有する温度検知部と、複数の異常ネルンスト材料膜を有する熱流検知部とを備えているので、同一基材で温度と熱流束とを計測可能であると共に、いずれも同じ基材に膜の積層で構成されており、薄型化が可能であり、高い精度で熱流を測定することができる。
したがって、本発明に係る複合センサでは、電子機器内部に搭載した場合など、高い設計自由度を得ることができる。また、本発明に係る複合センサは、熱流検知部を熱流センサ用だけでなく、熱流による発電用,スイッチ用としても適用可能である。
本発明に係る複合センサの第1実施形態を示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図1のC−C線断面図である。 本発明に係る複合センサの第2実施形態を示す平面図である。 図5のA’−A’線断面図である。 図5のB’−B’線断面図である。 図5のC’−C’線断面図である。
以下、本発明に係る複合センサにおける第1実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部を認識可能又は認識容易な大きさとするために必要に応じて縮尺を適宜変更している。
本実施形態の複合センサ1は、絶縁性の基材2と、基材2に形成された薄膜サーミスタ部3と薄膜サーミスタ部3の上及び下の少なくとも一方に対向して形成された一対の対向電極4とを有する温度検知部5と、基材2に形成され同一方向に延在していると共に基材2の平面方向に互いに平行に並んでいる異常ネルンスト効果が得られる複数の異常ネルンスト材料膜6と、複数の異常ネルンスト材料膜6を電気的に直列に接続する接続配線7とを有する熱流検知部8とを備えている。
また、本実施形態の複合センサ1は、基材2に形成され一対の対向電極4に接続された一対の第1パターン配線9と、基材2に形成され直列に接続された複数の異常ネルンスト材料膜6の両端部に接続された一対の第2パターン配線10とを備えている。
上記第1パターン配線9と上記第2パターン配線10とは、帯状の基材2の端部まで同一方向に延在している。
一対の第1パターン配線9は、基材2の端部にリード線接続用の一対の第1パッド部9aを有し、一対の第2パターン配線10は、基材2の端部にリード線接続用の一対の第2パッド部10aを有している。
なお、第1パッド部9a及び第2パッド部10a以外は、保護膜で覆われていてもよい。
上記接続配線7は、互いに対向する異常ネルンスト材料膜6の間にそれぞれ配されて互いに対向する一方の異常ネルンスト材料膜6の一端側と他方の異常ネルンスト材料膜6の他端側とを接続している。
本実施形態では、例えば図1に示すように、基材2の厚さ方向に生じた熱流に対して各異常ネルンスト材料膜6で生じた電圧の方向が同一方向になるように、4つの各異常ネルンスト材料膜6が接続配線7によって直列接続されている。これにより、4つの各異常ネルンスト材料膜6で生じた各電圧の合計が一対の第2パターン配線10間に生じることになる。
複数の異常ネルンスト材料膜6は、厚さ方向の熱流に対して発生する電圧方向に対して互いに平行に配列された帯状又は線状に形成されている。
なお、直列接続される異常ネルンスト材料膜6の数や長さを増やすことで、得られる電圧も大きくできる。
上記薄膜サーミスタ部3は、異常ネルンスト材料膜6よりも高い電気抵抗を有し、異常ネルンスト材料膜6が、薄膜サーミスタ部3の上又は下に形成されている。なお、本実施形態では、異常ネルンスト材料膜6が、薄膜サーミスタ部3の上に形成されて積層されているが、異常ネルンスト材料膜6を、薄膜サーミスタ部3の下に形成して逆に積層しても構わない。
また、本実施形態では、薄膜サーミスタ部3が結晶性Ti−Al−Nであり、異常ネルンスト材料膜6がFe−Alである。
なお、薄膜サーミスタ部3としては、一般式:M(但し、MはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及びCuの少なくとも1種を示すと共に、AはAl又は(Al及びSi)を示す。0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示され、六方晶系のウルツ鉱型の単相である金属窒化物からなる材料が好ましい。本実施形態では、薄膜サーミスタ部3として、一般式:TiAl(但し、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示され、六方晶系のウルツ鉱型の単相である金属窒化物を採用している。
ウルツ鉱型の結晶構造は、六方晶系の空間群P6mc(No.186)であり、MとAとは同じ原子サイトに属し(MはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及びCuの少なくとも1種を示すと共に、AはAl又は(Al及びSi)を示す。)、いわゆる固溶状態にある。ウルツ鉱型は、(M,A)N四面体の頂点連結構造をとり、(M,A)サイトの最近接サイトがN(窒素)であり、(M,A)は窒素4配位をとる。
なお、Ti以外に、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)が同様に上記結晶構造においてTiと同じ原子サイトに存在することができ、Mの元素となり得る。有効イオン半径は、原子間の距離を把握することによく使われる物性値であり、特によく知られているShannonのイオン半径の文献値を用いると、論理的にもウルツ鉱型のM(但し、MはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及びCuの少なくとも1種を示すと共に、AはAl又は(Al及びSi)を示す。)が得られると推測できる。
以下の表1にAl,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Siの各イオン種における有効イオン半径を示す(参照論文 R.D.Shannon, Acta Crystallogr., Sect.A, 32, 751(1976))。
なお、Ti−Al−Nは、ウルツ鉱型の結晶構造をもつ窒化物絶縁体であるAl−NのAlサイトをTiで部分置換することにより、キャリアドーピングし、電気伝導が増加することで、サーミスタ特性が得られるものであるが、V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及びCuは、Tiと同じ3d遷移金属元素に属することから、ウルツ鉱型のM(但し、MはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及びCuの少なくとも1種を示すと共に、AはAl又は(Al及びSi)を示す。)において、サーミスタ特性が得ることが可能である。
Figure 2020153668
上記異常ネルンスト材料膜6は、上記Fe−Alの他に、Fe−Pt,Co−Pt等の材料や、CoMnGa,CoMnAl,CoMnSi等のホイスラー系合金材料等の自発磁化が大きい強磁性体材料や、MnSn等の反強磁性材料などが採用可能である。
上記基材2は、帯状又は長方形状のポリイミドの絶縁性樹脂フィルムであり、PET:ポリエチレンテレフタレート,PEN:ポリエチレンナフタレート等でも作製できるが、柔軟性と耐熱性とが要求される用途としては、耐熱性に優れたポリイミドフィルムが望ましい。
なお、基材2として、柔軟性が要求されていない場合、ガラス基板、アルミナなどの絶縁性セラミックス基板などを採用しても構わない。熱流検知部の異常ネルンスト材料には、基板と垂直方向に熱流を通すことで高い電圧が得られるので、より薄い絶縁性基板が望ましい。
一対の上記対向電極4は、互いに対向状態とされていると共に、複数の櫛部を有した櫛形パターンとされている。
対向電極4及び第1パターン配線9は、例えばCr膜の単層や、Cr膜とAu膜との積層金属膜等の種々の金属膜が採用可能である。
上記第2パターン配線10は、起電力が小さいAu膜が好ましいが、Cr膜とAu膜との積層金属膜等も採用可能である。
第1パターン配線9と第2パターン配線10とが同じ電極材料から構成されれば、電極材料の成膜工程とパターニング工程とを同一とすることができ、プロセスが簡略化できる。
本実施形態の複合センサ1の製造方法は、まず基材2上に薄膜サーミスタ部3を成膜し、さらにパターニングする薄膜サーミスタ部形成工程と、薄膜サーミスタ部3上に異常ネルンスト材料膜6を成膜し、さらにパターニングする異常ネルンスト材料膜形成工程と、対向電極4,第1パターン配線及び第2パターン配線10を成膜し、さらにパターニングする電極形成工程とを有している。
上記薄膜サーミスタ部形成工程では、例えば基材2上にTi−Al合金スパッタリングターゲットを用いて窒素含有雰囲気中で反応性スパッタを行って薄膜サーミスタ部3を成膜する。
また、上記異常ネルンスト材料膜形成工程では、例えばFe−Al合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタを行って異常ネルンスト材料膜6を成膜する。
このように本実施形態の複合センサ1では、薄膜サーミスタ部3を有する温度検知部5と、複数の異常ネルンスト材料膜6を有する熱流検知部8とを備えているので、同一の基材2で温度と熱流束とを計測可能であると共に、いずれも同じ基材2に膜の積層で構成されており、薄型化が可能である。特に、熱流検知部8が、熱流の方向に対して直交する方向に電圧が生じる複数の異常ネルンスト材料膜6を平面方向に並べて電気的に直列に接続していることで、多くの配線数で異常ネルンスト材料膜6を並べることで、厚さを増やさずに電圧を増幅することができる。
また、薄膜サーミスタ部3が、異常ネルンスト材料膜6よりも高い電気抵抗を有し、異常ネルンスト材料膜6が、薄膜サーミスタ部3の上又は下に形成されているので、平面方向のサイズを小さくすることが可能になると共に、温度検知部5と熱流検知部8とが積層構造となって同じ部分に形成されることで、より高精度な温度と熱流束とを検知可能になる。
また、仮に熱源が微小で、センサと熱源の接触面積が小さい場合でも、温度検知部5と熱流検知部8とが積層構造となっているので、温度検知部5の面積を小さくすることができ、微小な熱源の温度と熱流束との双方が検知可能となる。
熱源と点接触となった場合は、熱流検知部8と点接触させることで、熱流が薄膜サーミスタ部3に直ちに伝わり、薄膜サーミスタ部3で熱源の温度検知が可能となる。
また、薄膜サーミスタ部3が、結晶性Ti−Al−Nであり、異常ネルンスト材料膜6が、Fe−Alであるので、互いに構成元素のうちAlが共通していることで、積層において高い接合性を得ることができる。特に、薄膜サーミスタ部3が、一般式:TiAl(但し、0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなる場合、高いB定数及び高熱伝導度が得られるだけでなく、比較的高い絶縁性を有しているため、積層される異常ネルンスト材料膜6が、薄膜サーミスタ部3の導電性の影響を受け難い。
また、この材料の薄膜サーミスタ部3は、柔軟性を有した膜であり、異常ネルンスト材料膜6と共に柔軟性を有した基材2に形成することで、全体としてフレキシブル性のある複合センサとすることができる。
すなわち、基材2が、絶縁性フィルムであれば、全体としてフレキシブル性を得ることができ、測定対象物に押し当てた際に柔軟に湾曲して測定対象物と面接触させることが可能であり、設置自由度が向上すると共に柔軟性と高い温度応答性とを兼ね備えることができる。
次に、本発明に係る複合センサの第2実施形態について、図5から図8を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、異常ネルンスト材料膜6が薄膜サーミスタ部3上に積層されて温度検知部5上に熱流検知部8が設けられているのに対し、第2実施形態の複合センサ21では、図5から図8に示すように、異常ネルンスト材料膜6が薄膜サーミスタ部3に近接して基材2上に形成され温度検知部5と熱流検知部8とが隣接配置されている点である。
このように第2実施形態では、異常ネルンスト材料膜6が薄膜サーミスタ部3に近接して基材2上に形成されているので、第1実施形態と同様に、温度検知部25と熱流検知部28とを同一基材2に膜で構成することができ、薄型化が可能である。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、基材に絶縁性樹脂フィルムを採用しているが、フレキシブルガラス基板を採用しても構わない。基材が、フレキシブルガラス基板であれば、上記実施形態と同様に、全体としてフレキシブル性を得ることができる。なお、フレキシブルガラス基板は、化学強化、表面強化等のガラスを強化する処理がされた湾曲耐性のある超薄板の強化ガラス基板(例えば、市販されている日本電気硝子株式会社製のG-Leaf(登録商標))等が採用可能であり、従来のフロート製法等で製造されたソーダガラス基板や、石英基板、パイレックス(登録商標)基板(コーニング製ホウケイ酸ガラスの商標、(PYREX(登録商標))よりも柔軟性のあるガラス基板である。
基板に柔軟性をもたせるには、湾曲耐性が求められる。評価方法は、基板を、2枚の柔軟性有する薄い樹脂フィルムではさみ、直径200mmの円筒状の物体にまきつけ(2枚で挟む理由は基板を均一に曲げるため)、次に基板を元の平らな状態に戻す曲げ試験を実施する。湾曲耐性のある基板は、曲げ試験後、割れない、クラックが生じない基板である。中でも、円筒状の物体の直径がより小さい条件でも割れない基板が、湾曲耐性の高い基板であり、フレキシブル基板として良適である。
1,21…複合センサ、2…基材、3…薄膜サーミスタ部、4…対向電極、5,25…温度検知部、6…異常ネルンスト材料膜、7…接続配線、8,28…熱流検知部

Claims (5)

  1. 絶縁性の基材と、
    前記基材に形成された薄膜サーミスタ部と前記薄膜サーミスタ部の上及び下の少なくとも一方に対向して形成された一対の対向電極とを有する温度検知部と、
    前記基材に形成され同一方向に延在していると共に前記基材の平面方向に互いに平行に並んでいる異常ネルンスト効果が得られる複数の異常ネルンスト材料膜と、複数の前記異常ネルンスト材料膜を電気的に直列に接続する接続配線とを有する熱流検知部とを備えていることを特徴とする複合センサ。
  2. 請求項1に記載の複合センサにおいて、
    前記接続配線が、互いに対向する前記異常ネルンスト材料膜の間にそれぞれ配されて互いに対向する一方の前記異常ネルンスト材料膜の一端側と他方の前記異常ネルンスト材料膜の他端側とを接続していることを特徴とする複合センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の複合センサにおいて、
    前記薄膜サーミスタ部が、前記異常ネルンスト材料膜よりも高い電気抵抗を有し、
    前記異常ネルンスト材料膜が、前記薄膜サーミスタ部の上又は下に形成されていることを特徴とする複合センサ。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の複合センサにおいて、
    前記薄膜サーミスタ部が、結晶性Ti−Al−Nであり、
    前記異常ネルンスト材料膜が、Fe−Alであることを特徴とする複合センサ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の複合センサにおいて、
    前記基材が、絶縁性フィルムであることを特徴とする複合センサ。
JP2019049360A 2019-03-18 2019-03-18 複合センサ Active JP7205770B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019049360A JP7205770B2 (ja) 2019-03-18 2019-03-18 複合センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019049360A JP7205770B2 (ja) 2019-03-18 2019-03-18 複合センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020153668A true JP2020153668A (ja) 2020-09-24
JP7205770B2 JP7205770B2 (ja) 2023-01-17

Family

ID=72558601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019049360A Active JP7205770B2 (ja) 2019-03-18 2019-03-18 複合センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7205770B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022224879A1 (ja) * 2021-04-19 2022-10-27 国立大学法人東京大学 センサ素子及びセンサ装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015034760A (ja) * 2013-08-09 2015-02-19 三菱マテリアル株式会社 温度センサ
JP2017084854A (ja) * 2015-10-23 2017-05-18 国立大学法人 東京大学 熱電変換デバイス
JP2018078147A (ja) * 2016-11-07 2018-05-17 Tdk株式会社 磁気熱電素子および発電方法
WO2018180800A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 日本電気株式会社 温度拡散係数計測装置、それを用いた深部体温計、深部体温計測装置、および深部体温計測方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015034760A (ja) * 2013-08-09 2015-02-19 三菱マテリアル株式会社 温度センサ
JP2017084854A (ja) * 2015-10-23 2017-05-18 国立大学法人 東京大学 熱電変換デバイス
JP2018078147A (ja) * 2016-11-07 2018-05-17 Tdk株式会社 磁気熱電素子および発電方法
WO2018180800A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 日本電気株式会社 温度拡散係数計測装置、それを用いた深部体温計、深部体温計測装置、および深部体温計測方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022224879A1 (ja) * 2021-04-19 2022-10-27 国立大学法人東京大学 センサ素子及びセンサ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7205770B2 (ja) 2023-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8198976B2 (en) Flexible thin metal film thermal sensing system
US20060251928A1 (en) Multilayer force sensor and method for determining a force
JPH04501759A (ja) 物質サンプルの熱特性測定装置
US11249116B2 (en) Magnetic sensor and current sensor
KR101640328B1 (ko) 반도체 장치 및 그 제조 방법
Herin et al. Measurements on the thermoelectric properties of thin layers of two metals in electrical contact. Application for designing new heat-flow sensors
JP2020153668A (ja) 複合センサ
Tanaka et al. Roll‐to‐Roll Printing of Anomalous Nernst Thermopile for Direct Sensing of Perpendicular Heat Flux
US5502381A (en) Stress sensor using magnetostriction thin film
JPS6162803A (ja) 電気抵抗伸長測定条片
WO2021166950A1 (ja) 熱流スイッチング素子
JP2021136436A (ja) 熱流スイッチング素子
WO2023054416A1 (ja) 熱電変換素子及びセンサ
US11366028B2 (en) Stress sensor
JP2008157892A (ja) 電流検出器、電流検出用具及び電流検出方法
JPH01148928A (ja) 応力センサ
JP3969002B2 (ja) 磁気センサ
JP2020016484A (ja) 温度センサ
WO2023054415A1 (ja) 熱電変換素子及び熱電変換素子の製造方法
JPH0760120B2 (ja) 光パワーセンサ
JP2023141388A (ja) 異常ネルンスト効果を利用した熱流センサおよびその製造方法
KR20240070551A (ko) 열전 변환 소자 및 센서
JP2019066286A (ja) 熱流束計
JPH0346333Y2 (ja)
WO2024071419A1 (ja) 熱電変換素子及びセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220720

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7205770

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150