JP2020153184A - 既設上部工架け替え方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、現況の交通に与える影響を抑制することを目的とし、活線橋の上部工を撤去する期間も現況の交通を確保することができる既設上部工架け替え方法を提供することにある。【解決手段】本願発明の既設上部工架け替え方法は、既設橋の対象区間で既設上部工を架け替える方法であって、暫定下部工構築工程と新設上部工構築工程、仮設道路開放工程、既設上部工撤去工程、仮設道路閉鎖工程、新設上部工設置工程、既設橋開放工程、暫定構造撤去工程を備えた方法である。このうち仮設道路開放工程では、既設橋における対象区間の交通を閉鎖するとともに、新設上部工を通る仮設道路を形成してこの仮設道路の交通を開放する。【選択図】図6

Description

本願発明は、既設橋の上部工を架け替える技術であり、より具体的には、既設橋に隣接する位置で構築した新設の上部工を横取り工法により設置する方法に関するものである。
高度経済成長期に集中的に整備されてきた建設インフラストラクチャー(以下、「建設インフラ」という。)は、既に相当な老朽化が進んでいることが指摘されている。平成26年には「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言(社会資本整備審議会)」がとりまとめられ、平成24年の笹子トンネルの例を挙げて「近い将来、橋梁の崩落など人命や社会装置に関わる致命的な事態を招くであろう」と警鐘を鳴らし、建設インフラの維持管理の重要性を強く唱えている。
このような背景のもと、国は道路法施行規則の一部を改正する省令を公布し、具体的な建設インフラの点検方法、主な変状の着目箇所、判定事例写真などを示した定期点検要領を策定している。この定期点検要領では、約70万橋に上るといわれる橋長2.0m以上の橋を対象としており、供用開始後2年以内に初回点検、以降5年に1回の頻度で定期点検を行うこととしている。
一方、道路橋を設計する際の基準である「道路橋示方書」は、昭和14年度版が発行されて以来随時見直されてきており、特に兵庫県南部地震の後には大幅な改定が行われている。この結果、従来では十分に耐力のあった橋梁であっても、現在の設計基準に照らせばその耐力が不足している場合も少なくない。
このように、老朽化と強度不足という2つの理由から、現在では橋梁の補強や改修がしばしば行われており、さらに橋桁を含む橋梁上部工の架け替えや、橋台や橋脚といった橋梁下部工の再構築(撤去〜新設)など、大規模な改築工事も実施されあるいは計画されているところである。橋梁の大規模改築を行う場合、既存の橋梁に併設するように、すなわち既存の橋梁とは異なる位置に新橋を設置することもあるが、既存の橋梁と位置を変えることなく改築を行いたいという要望も少なくない。なぜなら、既存とは異なる位置に設置するとなると、新たに用地を取得することが難しいこともあり、また道路橋や鉄道橋などは前後の取り付けの問題が生じるからである。
既存の橋梁と同じ位置で橋梁の改築を行う場合、通常は、既存の橋梁を撤去した後、新たな上部工や下部工を構築することになる。このとき、下部工の配置を変えることはあっても、上部工の配置(つまり線形)を大きく変更することはない。また、既存の下部工の損傷が比較的軽度であれば、撤去することなく補強したうえで、あるいは補強することなくそのまま利用することもできる。一方、新たな上部工を架設するにあたっては、場所打ちコンクリートによってその場で構築したり、クレーン等を使用して上部工(この場合は他所で製作される)を架設したり、送り出し架設工法や横取り工法、縦取り工法といった手法を採用して架設したりしていた。
このうち横取り工法は、ヤードや桟橋上等で製作・組み立てられた上部工を略水平面上で横すべり(スライド)させながら、計画された設置位置(つまり既存の橋梁の上部工の位置)に配置する工法である。より詳しくは、ヤード等で製作・組み立てられた上部工を台船やトレーラ等で現地まで搬送し、さらに計画設置位置に隣接するように配置し、スライドレールなどの移設用の軌道やジャッキ等を使用して上部工を横移動するわけである。橋桁の架け替えにとって横取り工法は有効な手法であり、さらに効果的な工法とすべく技術改良に取り組んでいる者も少なくない。例えば特許文献1では、横取りレールを平行に敷設できないケースであっても、縦方向(橋軸方向)のジャッキを用いることなく、横方向(橋軸直角方向)のジャッキのみを用いて橋桁を横取りする方法について提案している。
特開2018−076695号公報
ところで、道路橋や鉄道橋は大量の交通を確保する機能を果たしており、つまり人の移動や流通産業を支えており、仮に通行させないとすればその経済的損失額は計り知れないものとなるし、救急の患者を搬送できないとすれば社会的な問題にもなりかねない。したがって、供用中の道路橋や鉄道橋(以下、「活線橋」という。)を長期にわたって通行止めとすることは望ましくない。
しかしながら、横取り工法によって上部工を架け替える場合、少なくとも既存の(つまり活線橋の)上部工を撤去する期間、そして新設の上部工を横取りする期間に関しては、活線橋を通行することができず、すなわち長期にわたる活線橋の通行止めを避けることができないこととなる。そこで、暫定的に迂回用の簡易な仮設橋を設置することも考えられる。ところがこの場合は、仮設橋が一般的に単純桁であることから地震など不測の事態まで考慮すると十分に交通の安全性を確保できるとはいえない。また、支間長も小さく橋脚を多く建てる必要があるため、河川阻害率が増えて望ましくない。さらに、暫定橋を構築することはコストの面で現実的ではない。
本願発明の課題は、従来技術が抱える問題を解決することであり、すなわち、現況の交通に与える影響を抑制することを目的とし、活線橋の上部工を撤去する期間も現況の交通を確保することができる既設上部工架け替え方法を提供することにある。
本願発明は、架け替え用の上部工を既設橋に隣接して構築し、既設上部工を撤去する期間は架け替え用の上部工を通行させる、という点に着目してなされたものであり、従来にはない発想に基づいて行われた発明である。
本願発明の既設上部工架け替え方法は、既設橋の対象区間で既設上部工を架け替える方法であって、暫定下部工構築工程と新設上部工構築工程、仮設道路開放工程、既設上部工撤去工程、仮設道路閉鎖工程、新設上部工設置工程、既設橋開放工程(既設橋位置での新設橋開放工程)、暫定構造撤去工程を備えた方法である。暫定下部工構築工程では、既設橋の交通を開放しながら、対象区間に対応する区間に、暫定的に利用する暫定下部工を既設橋の橋軸方向に沿って構築する。新設上部工構築工程では、既設橋の交通を開放しながら、暫定下部工の上に移設可能な新設上部工を構築する。仮設道路開放工程では、新設上部工を通る仮設道路を形成して、この仮設道路の交通を開放するとともに、既設橋における対象区間の交通を閉鎖する。既設上部工撤去工程では、対象区間における既設上部工を撤去する。仮設道路閉鎖工程では、既設橋における対象区間の交通を閉鎖した状態で、仮設道路の交通を閉鎖する。新設上部工設置工程では、新設上部工をスライド移動することによって、既設橋の上部工を撤去した位置であって既設橋の下部工の上に、新設上部工を設置する。既設橋開放工程では、既設橋における対象区間の交通を再び開放する。そして暫定構造撤去工程では、既設橋の交通を開放しながら、暫定下部工を撤去する。なお、スライド移動は、基本的には水平面内で行うが、多少の勾配があってもよい。また、スライド方向は、基本的には橋軸直角方向であるが、若干斜めになってもよいし、斜めに移動した後に橋軸直角方向に移動するなど、複数のスライド移動を組みあわせてもよい。
本願発明の既設上部工架け替え方法は、迂回橋構築工程を備えた方法とすることもできる。迂回橋構築工程では、既設橋の交通を開放しながら、対象区間に対応する区間であって既設橋の側方(ただし、暫定下部工や新設上部工の反対側)に、暫定的に迂回路として利用する迂回橋を既設橋の橋軸方向に沿って構築する。この場合、仮設道路開放工程では、既設橋における対象区間の交通を閉鎖するとともに、迂回橋を通る仮設道路を形成してこの仮設道路の交通を開放する。
本願発明の既設上部工架け替え方法は、仮設構台構築工程をさらに備えた方法とすることもできる。仮設構台構築工程では、既設橋の交通を開放しながら、対象区間に対応する区間であって既設橋と暫定下部工との間に挟まれる位置に、作業用の仮設構台を構築する。この場合、新設上部工構築工程では、仮設構台を利用しながら新設上部工を構築し、新設上部工設置工程では、仮設構台上を経由して新設上部工をスライド移動し、暫定構造撤去工程では、仮設構台も撤去する。また仮設構台は、門型の暫定下部工の下方に構築することもできる。この場合、暫定下部工構築工程では、門型の暫定下部工を構築し、暫定構造撤去工程では、仮設構台を撤去する。
本願発明の既設上部工架け替え方法は、既設橋の端部にあたる新設上部工に対しては回転を伴ったスライド移動を行う方法とすることもできる。この場合、暫定下部工構築工程では、既設橋の端部に対応する区間に関しては既設橋の橋軸方向に対して傾斜して(あるいは直角方向に)暫定下部工を構築し、新設上部工構築工程では、既設橋の端部に対応する区間に関しては既設橋の橋軸方向に対して傾斜するように(あるいは直角方向となるように)新設上部工を構築し、そして新設上部工設置工程では、既設橋の端部に対応する区間における新設上部工に対して、回転を伴うスライド移動を行い既設橋の下部工の上に新設上部工を設置する。
本願発明の既設上部工架け替え方法は、既設下部工改良工程をさらに備えた方法とすることもできる。既設下部工改良工程では、既設上部工撤去工程の後に、対象区間における既設橋の下部工を補強し、あるいは下部工を再構築する。この場合、新設上部工構築工程では、補強された既設橋の下部工(あるいは再構築された下部工)の上に、新設上部工を設置する。
本願発明の既設上部工架け替え方法には、次のような効果がある。
(1)老朽化した既設橋梁や、強度不足である既設橋梁を、本来の構造上健全な橋梁に代えることができ、その結果、安全な交通を提供することができる。
(2)既設の上部工を撤去する期間も現況の交通を確保することができることから、従来に比して現況交通に与える影響を軽減することができる。
(3)新設の上部工は、架け替え後の完成形における上部工として利用できるうえ、既設の上部工を撤去する期間における迂回路としても利用でき、すなわちコスト面において効率的に新設の上部工を利用することができる。
(4)従来用いられている仮設橋は支間長が短くしかも単純桁であるため一般的に高い河川阻害率、低強度かつ高コストとなるが、本願発明ではこのような従来仮設橋を使わずに済むことから仮設橋が有する問題を解消することができる。特に、新設の上部工として連続桁構造を採用するとより地震や水害に対して安全性が高まる。
(5)既設橋の片側のみをヤードとして利用して架け替えを行うこともできる。
既設のトラス橋を示す側面図。 既設橋の右側に、新設上部工と暫定下部工が構築された状況を示す断面図。 (a)は既設橋の右側に仮設構台が構築され、さらにその右側に新設上部工と暫定下部工が構築された状況を示す断面図、(b)は既設橋の右側に新設上部工と暫定下部工が構築され、暫定下部工の下方に仮設構台が構築された状況を示す断面図。 既設橋の左側に迂回橋が構築され、既設橋の右側に新設上部工と暫定下部工が構築された状況を示す断面図。 第1の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すフロー図。 第1の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すステップ図。 対象区間が既設橋の全長に亘るケースで設定される対応区間を示す平面図。 対象区間が既設橋の一部であるケースで設定される対応区間を示す平面図。 対象区間に構築された新設上部工を示す平面図。 新設上部工と一般部(既設橋に接続する道路)を結ぶ連絡区間と、新設上部工とによって形成された仮設道路を示す平面図。 回転スライド工法によって端部対応区間の新設上部工を既設下部工の上に設置する各工程を示すステップ図。 既設橋の一方側のスペースのみを使用した回転スライド工法の各工程を示すステップ図。 第2の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すフロー図。 第2の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すステップ図。 第2実施の変形形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すステップ図。 第3の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すフロー図。 第3の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すステップ図。
1.全体概要
本願発明の既設上部工架け替え方法の実施形態の一例を、図に基づいて説明する。本願発明の既設上部工架け替え方法は、例えば図1に示す既設のトラス橋ETの上部工の架け替えを行う方法である。ここで上部工とは、車両を支持する「床版」やその床版を支持する「橋桁」を含む構造物のことであり、例えば図1の場合は床版や橋桁のほかトラス構造などを含む構造物を指し、橋台や橋脚といった下部工に支持されるものである。
既設上部工を架け替える場合、既設橋の全長(橋軸方向)に亘って架け替えることもあるし、既設橋のうち部分的(橋軸方向)に架け替えることもある。本願発明の既設上部工架け替え方法も、既設橋の全長あるいは一部など架け替えを行う区間(以下、「対象区間」という。)を設定し、この対象区間に対して上部工の架け替えを行う。そして本願発明の既設上部工架け替え方法は、既設橋に隣接する領域であって対象区間に対応する区間(以下、「対応区間」という。)に、暫定的に利用する下部工(以下、「暫定下部工」という。)と、新設(つまり架け替え用)の上部工(以下、「新設上部工」という。)を構築することを一つの特徴としている。
対応区間において暫定下部工と新設上部工を構築すると、現況交通(つまり、既設橋の交通)を新設上部工に切り替え、すなわち既設橋での交通を閉鎖するとともに新設上部工の交通を開放する。通常、上部工を架け替えるためには既設橋の上部工(以下、「既設上部工」という。)を撤去することになるが、従来、その撤去作業中は交通を安定的に確保することが難しかった。一方、本願発明によれば、既設上部工の撤去作業中も新設上部工で交通を確保することができ、その結果、現況の交通に与える影響を抑制することができるわけである。
本願発明の既設上部工架け替え方法は、図2に示すように新設上部工100と暫定下部工200を構築する形態(以下、「第1の実施形態」という。)と、図3に示すように新設上部工100と暫定下部工200、仮設構台300を構築する形態(以下、「第2の実施形態」という。)、そして図4に示すように新設上部工100と暫定下部工200、迂回橋400を構築する形態(以下、「第3の実施形態」という。)に大別することができる。なお図2では、既設上部工EAと既設橋の下部工(以下、「既設下部工EB」という。)からなる既設橋の右側に、新設上部工100と暫定下部工200が構築された状況を示している。同様に図3(a)では、既設橋(既設上部工EAと既設下部工EB)の右側に仮設構台300が構築され、さらにその右側に新設上部工100と暫定下部工200が構築された状況を示し、図3(b)では、既設橋の右側に新設上部工100と暫定下部工200が構築され、暫定下部工200の下方に仮設構台が構築された状況を示し、図4では、既設橋の左側に迂回橋400が構築され、既設橋の右側に新設上部工100と暫定下部工200が構築された状況を示している。以下、それぞれ実施形態ごとに順に説明していく。なお便宜上ここでは、既設の道路橋のケースで説明するが、本願発明の既設上部工架け替え方法は、道路橋に限らず鉄道橋や人道橋など種々の交通を確保する既設橋に対して好適に実施することができ、また、図1に示すようなトラス橋ETに限らず種々の構造形式の既設橋を対象として実施することができる。さらに、鋼材を主体とする既設橋のほか、鉄筋コンクリートやプレストレストコンクリート構造の既設橋を対象として実施することもできる。なお、既設橋が図1に示すようなトラス構造で、新設橋をアーチ橋とするなど既設橋と新設橋の構造そのものを変更してもよい。もちろん、既設橋がコンクリート構造で、新設橋を鋼構造に変更してもよいし、その逆でもよい。
2.第1の実施形態
図5は、第1の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すフロー図であり、図6は、第1の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すステップ図である。以下、図5と図6を参照しながら、既設上部工架け替え方法の第1の実施形態について詳しく説明する。
図6(a)は架け替えが行われる前の状態を示しており、既設下部工EBに支持された既設上部工EAを一般車両等が通行している。その状態から、図6(b)に示すように暫定下部工200を構築する(Step101)。暫定下部工200は、杭を用いたパイルベント基礎などを採用することもできる。なお、暫定下部工200の構築を行っている最中は、引き続き既設上部工EAによって交通が確保されている。既述したとおり暫定下部工200は対応区間に構築され、より詳しくは、図7に示すように対応区間であって既設橋の橋軸方向に沿うように構築される。この対応区間は、既設橋の側方で、しかも対象区間に対向(対応)する領域に設定される区間であり、したがって対象区間が既設橋の全長に亘る場合は図7に示すように対応区間が設定され、対象区間が既設橋の一部である場合は図8に示すように対応区間が設定される。
所定位置に暫定下部工200が構築されると、図6(c)に示すように新設上部工100を構築する(Step102)。当然ながら新設上部工100は暫定下部工200の上に構築され、したがって新設上部工100は図9に示すように対応区間であって既設橋の橋軸方向に沿うように配置される。後述するように新設上部工100は、横取り工法によって既設下部工EB上に設置される、そのため新設上部工100は、後でスライド移動しやすいように暫定下部工200上に載置するとよい。なお、新設上部工100の構築を行っている最中は、引き続き既設上部工EAによって交通が確保されている。
暫定下部工200上に新設上部工100が構築されると、新設上部工100上を通る仮設道路を形成する。より詳しくは、図10に示すように新設上部工100と一般部(既設橋に接続する道路)を結ぶ連絡区間500を設け、この連絡区間500と新設上部工100によって仮設道路を形成する。なお、図8に示すように対象区間が既設橋の一部である場合は、新設上部工100と既設橋(対象区間に接続する区間)を結ぶ連絡区間500を設け、この連絡区間500と新設上部工100によって仮設道路を形成する。このとき、新設上部工100に本舗装が設けられている場合はそのまま本舗装を利用することができ(本舗装を養生するため仮舗装等を敷設してもよい)、舗装が設けられていない場合は仮舗装を敷設するとよい。
仮設道路が形成されると、仮設道路の交通を開放する(Step103)とともに、既設橋における対象区間の交通を閉鎖する(Step104)。仮設道路の開放工程(Step103)と対象区間の閉鎖工程(Step104)はどちらを先行して行ってもよいし、並行して行ってもよい。ただし、図8に示すように対象区間が既設橋の一部である場合など、仮設道路を形成する作業が対象区間の交通に影響を与えるケースでは、対象区間の交通を閉鎖したうえで仮設道路を形成し、対象区間の交通を閉鎖したまま仮設道路の交通を開放するとよい。
仮設道路の交通を開放すると、図6(d)に示すように対象区間における既設上部工EAを撤去する(Step105)。既設上部工EAを撤去するにあたっては、従来用いられている種々の手法を採用して行うことができる。例えば。トラベラークレーンで部材ごとに撤去する手法や、台船を利用して撤去する手法、爆破によって撤去する手法、他方側に仮設橋脚を設置して横取り工法を行う手法、あるいは架設桁を用いて引き込む手法など様々な手法を採用することができる。また、既設下部工EBにも変状等が認められる場合は、対象区間における既設下部工EBを補強するか、あるいは対象区間における既設下部工EBを撤去したうえで新たな下部工を構築する(Step106)。なお、新たな下部工を構築する(つまり再構築する)場合、既設下部工EBと同じ位置に構築してもよいし、異なる位置に構築してもよい。また新たな下部工は、既設下部工EBの数よりも少なく(あるいは多く)再構築することもできる。さらに、既設下部工EBを撤去することなく新たな下部工を増設してもよい。なお、既設下部工EBが健全であれば、既設下部工EBの補強や再構築といった既設下部工の改良工程(Step106)は省略することができる。ただしその場合も、適切に新設上部工100を設置し、支持できる構造としておく必要がある。
既設下部工の改良を行うと(あるいは既設上部工EAを撤去すると)、既設橋の対象区間の交通を閉鎖した状態のまま仮設道路の交通を閉鎖する(Step107)。そして、既設橋、仮設道路ともに交通を閉鎖した状態で、横取り工法によって新設上部工100を対象区間(すなわち既設上部工EAを撤去した区間)における既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)の上に設置(移設)する(Step108)。以下、横取り工法による新設上部工100の設置について、より詳しく説明する。まず、暫定下部工200上で新設上部工100をジャッキアップし、図6(e)に示すように暫定下部工200と既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)に移設軌道RLを架け渡す。そして水平ジャッキ等を利用して移設軌道RL上でスライドさせながら、新設上部工100を既設下部工EBの上まで移動する。新設上部工100が所定位置に配置されると、新設上部工100をジャッキアップして移設軌道RLを取り除き、ジャッキダウンすることで新設上部工100を既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)上に設置する。なお移設軌道RLは、十分剛性のあるH型の鋼材が利用され、水平に配置されるとともにその上を滑りやすいようにステンレス製の板や摩擦係数の小さなテフロン(登録商標)版などを敷設するとよい。
図7に示すように対象区間が既設橋の全長に亘る場合など、既設橋の端部(一方あるいは両方)が対象区間に含まれる場合、当該端部に対応する区間(以下、「端部対応区間」という。)については、図11に示すように回転を伴うスライド移動を行う工法(以下、「回転スライド工法」という。)によって新設上部工100(以下、端部対応区間の新設上部工100のことを特に「端部新設上部工100E」という。)を既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)の上に設置(移設)することもできる。以下、回転スライド工法による端部新設上部工100Eの設置について、図11を参照しながらより詳しく説明する。
まず図11(a)に示すように、端部対応区間においては、既設橋の橋軸方向に対して傾斜する方向に暫定下部工200を構築し(Step101)、図11(b)に示すように、同じく既設橋の橋軸方向に対して傾斜する方向に配置されるように端部新設上部工100Eを構築する(Step102)。あるいは、既設橋の橋軸方向に対して略直角(直角含む)方向に暫定下部工200を構築し(Step101)、同じく既設橋の橋軸方向に対して略直角(直角含む)方向に配置されるように端部新設上部工100Eを構築する(Step102)こともできる。そして、仮設道路の交通を開放する(Step103)とともに既設橋の交通を閉鎖したうえで(Step104)、既設上部工EAを撤去し(Step105)、必要に応じて既設下部工EBの補強等を行う(Step106)。仮設道路の開放工程(Step103)と対象区間の閉鎖工程(Step104)はどちらを先行して行ってもよいし、並行して行ってもよい。既設上部工EAを撤去するにあたっては、例えば既設橋の一方側(暫定下部工200とは反対側で、図11では上側)から既設上部工EAを搬出するなど、従来用いられている種々の手法を採用して行うことができる。既設下部工の改良を行うと(あるいは既設上部工EAを撤去すると)、仮設道路の交通を閉鎖し(Step107)、必要に応じて図11(c)に示すように端部新設上部工100Eを一般部側にスライド移動させたうえで、図11(d)に示すように端部新設上部工100Eを回転(図では右端を中心とする時計回り回転)することで既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)の上に設置する(Step108)。なお、回転スライド移動するときは、移設軌道RL上が敷設される。
「回転スライド工法」は、図11に示す手順のほか図12に示す手順でも行うことができる。図12は、既設橋の一方側のスペースのみを使用した回転スライド工法の各工程を示すステップ図である。このケースでは、まず図12(a)に示すように2基1組の第1暫定下部工200aと、同じく2基1組の第2暫定下部工200bを、それぞれ構築する(Step101)。そして図12(b)に示すように、一方の第1暫定下部工200a(図では左側)と一方の第2暫定下部工200b(図では右側)に移設軌道RLを架け渡したうえで、既設橋の橋軸方向に対して略直角(直角含む)方向に配置されるように、より詳しくは一方の第1暫定下部工200a(図では右側)と一方の第2暫定下部工200b(図では右側)で支持されるように端部新設上部工100Eを構築する(Step102)。既設橋の交通を閉鎖したうえで(Step104)、図12(c)に示すように既設上部工EAを第1暫定下部工200aや第2暫定下部工200bの方にスライド移動して搬出し、図12(d)に示すように既設上部工EAを回転(図では左端を中心とする時計回り)して一方の第1暫定下部工200a(図では左側)と一方の第2暫定下部工200b(図では左側)で支持し、その後、図12(e)に示すように既設上部工EAを場外(ヤード外)に搬送する(Step105)。必要に応じて既設下部工EBの補強等を行い(Step106)、さらに図12(e)に示すように他方の第1暫定下部工200a(図では右側)と他方の第2暫定下部工200b(図では左側)で支持されるように移設軌道RLを架け替えると、図12(f)に示すように端部新設上部工100Eを回転(図では右端を中心とする時計回り)して2基の第2暫定下部工200bで支持し、その後、図12(g)に示すように端部新設上部工100Eをスライド移動することで既設下部工EBの上に設置する(Step108)。端部新設上部工100Eが所定位置に設置されると、図12(h)に示すように第1暫定下部工200aと第2暫定下部工200b、移設軌道RLを撤去する。
横取り工法によって一般部(端部以外の部分)の新設上部工100を所定位置に設置し、回転スライド工法によって端部新設上部工100Eを所定位置に設置すると、舗装工など必要な施工を行った後、新設上部工100を利用した交通を開放する(Step109)。なお、仮設道路として使用しているときの新設上部工100の舗装の状態が良好であれば、新設上部工100を所定位置に設置した後に改めて舗装工を行う必要はない。そして新設上部工100の交通を開放した状態で、暫定下部工200を撤去する(暫定構造撤去工程:Step110)。暫定下部工200を撤去するにあたっては、従来用いられている種々の手法を採用して行うことができる。
3.第2の実施形態
図13は、第2の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すフロー図であり、図14は、第2の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すステップ図である。以下、図13と図14を参照しながら、既設上部工架け替え方法の第2の実施形態について詳しく説明する。なお、ここまで説明した第1の実施形態の内容と重複する説明はできるだけ避け、基本的には第2の実施形態に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.第1の実施形態」で説明したものと同様である。
まず、図14(a)に示すように、既設上部工EAと既設下部工EBからなる既設橋の側方に仮設構台300を構築する(Step211)。仮設構台300は、対応区間に構築され、より詳しくは、既設橋と暫定下部工200との間に挟まれる位置であって既設橋の橋軸方向に沿うように構築される。なお、仮設構台300の構築を行っている最中は、引き続き既設上部工EAによって交通が確保されている。
所定位置に仮設構台300が構築されると、図14(b)に示すように暫定下部工200を構築し(Step201)、図14(c)に示すように新設上部工100を構築する(Step202)。このとき、仮設構台300を利用したうえで、暫定下部工200を構築し、新設上部工100を構築するとよい。なお、暫定下部工200と新設上部工100の構築を行っている最中は、引き続き既設上部工EAによって交通が確保されている。
暫定下部工200上に新設上部工100が構築されると、新設上部工100上を通る仮設道路を形成し、仮設道路の交通を開放する(Step203)とともに、既設橋における対象区間の交通を閉鎖する(Step204)。仮設道路の開放工程(Step203)と対象区間の閉鎖工程(Step204)はどちらを先行して行ってもよいし、並行して行ってもよい。仮設道路の交通を開放すると、図14(d)に示すように対象区間における既設上部工EAを撤去し(Step205)、必要に応じて対象区間における既設下部工EBの補強や再構築を行う(Step206)。
既設下部工の改良を行うと(あるいは既設上部工EAを撤去すると)、既設橋の対象区間の交通を閉鎖した状態のまま仮設道路の交通を閉鎖する(Step207)。そして、既設橋、仮設道路ともに交通を閉鎖した状態で、横取り工法によって新設上部工100を対象区間における既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)の上に設置する(Step208)。このとき、図14(e)に示すように、暫定下部工200と仮設構台300、既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)に移設軌道RLを架け渡したうえで、水平ジャッキ等を利用して移設軌道RL上でスライドさせながら、仮設構台300を経由して、新設上部工100を既設下部工EBの上まで移動する。また既設橋の端部が対象区間に含まれる場合は、回転スライド工法によって端部新設上部工100Eを既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)の上に設置する(Step208)。
新設上部工100を所定位置に設置すると、舗装工など必要な施工を行った後、新設上部工100を利用した交通を開放する(Step209)。なお、仮設道路として使用しているときの新設上部工100の舗装の状態が良好であれば、新設上部工100を所定位置に設置した後に改めて舗装工を行う必要はない。そして新設上部工100の交通を開放した状態で、図14(f)に示すように、暫定下部工200と仮設構台300を撤去する(暫定構造撤去工程:Step210)。暫定下部工200や仮設構台300を撤去するにあたっては、従来用いられている種々の手法を採用して行うことができる。
図3(b)に示すように、暫定下部工200が門型の構造であれば、仮設構台300は暫定下部工200の下方(門形状の中)に構築することもできる。便宜上ここでは、門型の暫定下部工200の下方に仮設構台300を構築する実施形態のことを、「第2実施の変形形態」ということとする。図15は、第2実施の変形形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すステップ図である。以下、この図を参照しながら、既設上部工架け替え方法の第2実施の変形形態について詳しく説明する。
まず、図15(a)に示すように、既設上部工EAと既設下部工EBからなる既設橋の側方に仮設構台300を構築する(図13のStep211)。仮設構台300は、対応区間に構築され、より詳しくは、暫定下部工200の下方となる位置(つまり平面的には同じ位置)であって、既設橋の橋軸方向に沿うように構築される。なお、仮設構台300の構築を行っている最中は、引き続き既設上部工EAによって交通が確保されている。
所定位置に仮設構台300が構築されると、図15(b)に示すように暫定下部工200を構築する(図13のStep201)。ただしここで構築される暫定下部工200は、仮設構台300を下方に収容できるように、例えば杭と頂版からなる門型の形状とされる。仮設構台300の構築工程(図13のStep211)は、図13に示すように、暫定下部工200の構築工程(図13のStep201)よりも先に行うことができる。この場合、仮設構台300を利用したうえで、暫定下部工200を構築するとよい。あるいは、暫定下部工200の構築工程を先行して行うこともできるし、仮設構台300の構築工程と暫定下部工200の構築工程を並行して行ってもよい。
暫定下部工200が構築されると、図15(c)に示すように新設上部工100を構築する(図13のStep202)。なお、暫定下部工200と新設上部工100の構築を行っている最中は、引き続き既設上部工EAによって交通が確保されている。
暫定下部工200上に新設上部工100が構築されると、新設上部工100上を通る仮設道路を形成し、仮設道路の交通を開放する(図13のStep203)とともに、既設橋における対象区間の交通を閉鎖する(図13のStep204)。仮設道路の開放工程(図13のStep203)と対象区間の閉鎖工程(図13のStep204)はどちらを先行して行ってもよいし、並行して行ってもよい。仮設道路の交通を開放すると、図15(d)に示すように対象区間における既設上部工EAを撤去し(図13のStep205)、必要に応じて対象区間における既設下部工EBの補強や再構築を行う(図13のStep206)。
既設下部工の改良を行うと(あるいは既設上部工EAを撤去すると)、既設橋の対象区間の交通を閉鎖した状態のまま仮設道路の交通を閉鎖する(図13のStep207)。そして、既設橋、仮設道路ともに交通を閉鎖した状態で、横取り工法によって新設上部工100を対象区間における既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)の上に設置する(図13のStep208)。このとき、図15(e)に示すように、暫定下部工200と既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)に移設軌道RLを架け渡したうえで、水平ジャッキ等を利用して移設軌道RL上でスライドさせながら、新設上部工100を既設下部工EBの上まで移動する。また既設橋の端部が対象区間に含まれる場合は、回転スライド工法によって端部新設上部工100Eを既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)の上に設置する(図13のStep208)。
新設上部工100を所定位置に設置すると、舗装工など必要な施工を行った後、新設上部工100を利用した交通を開放する(図13のStep209)。なお、仮設道路として使用しているときの新設上部工100の舗装の状態が良好であれば、新設上部工100を所定位置に設置した後に改めて舗装工を行う必要はない。そして新設上部工100の交通を開放した状態で、図15(f)に示すように、暫定下部工200と仮設構台300を撤去する(暫定構造撤去工程:図13のStep210)。暫定下部工200や仮設構台300を撤去するにあたっては、従来用いられている種々の手法を採用して行うことができる。
4.第3の実施形態
図15は、第3の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すフロー図であり、図16は、第3の実施形態における既設上部工架け替え方法の主な工程を示すステップ図である。以下、図15と図16を参照しながら、既設上部工架け替え方法の第3の実施形態について詳しく説明する。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態において迂回橋を併用する形態とすることもできるし、第2の実施形態において迂回橋を併用する形態とすることもできる。そのため、ここまで説明した第1の実施形態と第2の実施形態の内容と重複する説明はできるだけ避け、基本的には第3の実施形態に特有の内容のみ説明することとする。すなわち、ここに記載されていない内容は、「2.第1の実施形態」や「3.第2の実施形態」で説明したものと同様である。
まず、図16(a)に示すように、既設上部工EAと既設下部工EBからなる既設橋の側方(図では左側)に迂回橋400を構築する(Step312)。迂回橋400は、既設橋の橋軸方向に沿うように構築され、より詳しくは、対応区間と同じ区間であって、図16(b)に示すように暫定下部工200とは既設橋を挟んで反対側に構築される。また迂回橋400は、暫定的に(架け替えを行っている期間に)一般車両等を通行させる橋梁であり、相当の構造をもって構築される。なお、迂回橋400の構築を行っている最中は、引き続き既設上部工EAによって交通が確保されている。
迂回橋400が構築されると、第1の実施形態で説明した仮設道路と同様の要領で迂回橋400上を通る仮設道路を形成し、この仮設道路の交通を開放する(Step303)ともに、既設橋における対象区間の交通を閉鎖する(Step304)。仮設道路の開放工程(Step303)と対象区間の閉鎖工程(Step304)はどちらを先行して行ってもよいし、並行して行ってもよい。一方、既設橋のうち迂回橋400とは異なる側方(図では右側)では、図16(b)に示すように暫定下部工200を構築し(Step301)、図16(c)に示すように新設上部工100を構築する(Step302)。なお、暫定下部工200の構築工程と新設上部工100の構築工程は、迂回橋400の構築工程と並行して行うこともできるし、迂回橋400の構築工程の後続工程として行うこともできる。
迂回橋400上を通る仮設道路の交通を開放すると、図16(d)に示すように対象区間における既設上部工EAを撤去し(Step305)、必要に応じて対象区間における既設下部工EBの補強や再構築を行う(Step306)。
既設下部工の改良を行うと(あるいは既設上部工EAを撤去すると)、横取り工法によって新設上部工100を対象区間における既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)の上に設置する(Step308)。また既設橋の端部が対象区間に含まれる場合は、回転スライド工法によって端部新設上部工100Eを既設下部工EB(あるいは補強や再構築された下部工)の上に設置する(Step308)。なお、既設上部工EAを撤去する工程(Step305)から、新設上部工100を設置する(Step308)までの一連の工程を行っている最中は、迂回橋400上を通る仮設道路によって交通が確保されている。
新設上部工100を所定位置に設置すると、舗装工など必要な施工を行った後、新設上部工100を利用した交通を開放する(Step309)とともに、迂回橋400上を通る仮設道路による交通を閉鎖する(Step307)。そして新設上部工100の交通を開放した状態で、図17(f)に示すように、暫定下部工200を撤去し(暫定構造撤去工程:Step310)、迂回橋400を撤去する(Step313)。
本願発明の既設上部工架け替え方法は、自動車専用道路や一般自動車道など様々な種類の道路橋のほか、鉄道橋にも利用することができる。本願発明によれば、現況交通に与える影響を軽減できることから活線橋の改築を行う動機付けとなり、ひいては建設インフラの質の向上につながることを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
100 新設上部工
100E 端部新設上部工
200 暫定下部工
200a 第1暫定下部工
200b 第2暫定下部工
300 仮設構台
400 迂回橋
500 連絡区間
EA 既設上部工
EB 既設下部工
ET 既設のトラス橋
RL 移設軌道

Claims (6)

  1. 既設橋の一部又は全部を対象区間とし、該対象区間における既設上部工を架け替える方法において、
    前記既設橋の交通を開放しながら、前記対象区間に対応する区間に、暫定的に利用する暫定下部工を該既設橋の橋軸方向に沿って構築する暫定下部工構築工程と、
    前記既設橋の交通を開放しながら、前記暫定下部工の上に、移設可能な新設上部工を構築する新設上部工構築工程と、
    前記新設上部工を通る仮設道路を形成し、該仮設道路の交通を開放するとともに、前記既設橋における前記対象区間の交通を閉鎖する仮設道路開放工程と、
    前記対象区間における前記既設上部工を撤去する既設上部工撤去工程と、
    前記既設橋における前記対象区間の交通を閉鎖した状態で、前記仮設道路の交通を閉鎖する仮設道路閉鎖工程と、
    前記新設上部工をスライド移動することによって、前記既設橋の上部工を撤去した位置であって該既設橋の下部工の上に、該新設上部工を設置する新設上部工設置工程と、
    前記既設橋における前記対象区間の交通を再び開放する既設橋開放工程と、
    前記既設橋の交通を開放しながら、前記暫定下部工を撤去する暫定構造撤去工程と、
    を備えたことを特徴とする既設上部工架け替え方法。
  2. 既設橋の一部又は全部を対象区間とし、該対象区間における既設上部工を架け替える方法において、
    前記既設橋の交通を開放しながら、前記対象区間に対応する区間であって前記既設橋の一方側に、暫定的に利用する暫定下部工を該既設橋の橋軸方向に沿って構築する暫定下部工構築工程と、
    前記既設橋の交通を開放しながら、前記暫定下部工の上に、移設可能な新設上部工を構築する新設上部工構築工程と、
    前記既設橋の交通を開放しながら、前記対象区間に対応する区間であって前記既設橋の他方側に、暫定的に迂回路として利用する迂回橋を該既設橋の橋軸方向に沿って構築する迂回橋構築工程と、
    前記迂回橋を通る仮設道路を形成して該仮設道路の交通を開放するとともに、前記既設橋における前記対象区間の交通を閉鎖する仮設道路開放工程と、
    前記対象区間における前記既設上部工を撤去する既設上部工撤去工程と、
    前記新設上部工をスライド移動することによって、前記既設橋の上部工を撤去した位置であって該既設橋の下部工の上に、該新設上部工を設置する新設上部工設置工程と、
    前記仮設道路の交通を閉鎖するとともに、前記既設橋における前記対象区間の交通を再び開放する既設橋開放工程と、
    前記既設橋の交通を開放しながら、前記暫定下部工と前記迂回橋を撤去する暫定構造撤去工程と、
    を備えたことを特徴とする既設上部工架け替え方法。
  3. 前記既設橋の交通を開放しながら、前記対象区間に対応する区間であって該既設橋と前記暫定下部工との間に挟まれる位置に、作業用の仮設構台を構築する仮設構台構築工程を、さらに備え、
    前記新設上部工構築工程では、前記仮設構台を利用しながら前記新設上部工を構築し、
    前記新設上部工設置工程では、前記仮設構台上を経由して前記新設上部工をスライド移動し、
    前記暫定構造撤去工程では、前記仮設構台を撤去する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の既設上部工架け替え方法。
  4. 前記既設橋の交通を開放しながら、前記対象区間に対応する区間であって前記暫定下部工の下方に、作業用の仮設構台を構築する仮設構台構築工程を、さらに備え、
    前記暫定下部工構築工程では、門型の前記暫定下部工を構築し、
    前記暫定構造撤去工程では、前記仮設構台を撤去する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の既設上部工架け替え方法。
  5. 前記対象区間には、前記既設橋の一方、又は両方の端部が含まれ、
    前記暫定下部工構築工程では、前記既設橋の端部に対応する区間は、該既設橋の橋軸方向に対して傾斜して又は直角方向に、前記暫定下部工を構築し、
    前記新設上部工構築工程では、前記既設橋の端部に対応する区間は、前記既設橋の橋軸方向に対して傾斜するように又は直角方向となるように、前記新設上部工を構築し、
    前記新設上部工設置工程では、前記既設橋の端部に対応する区間における前記新設上部工に対して、回転を伴うスライド移動を行うことによって、前記既設橋の下部工の上に該新設上部工を設置する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の既設上部工架け替え方法。
  6. 前記既設上部工撤去工程の後に、前記対象区間における前記既設橋の下部工を補強し、又は再構築する既設下部工改良工程を、さらに備え、
    前記新設上部工構築工程では、補強された前記既設橋の下部工、又は再構築された前記既設橋の下部工の上に、前記新設上部工を設置する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の既設上部工架け替え方法。
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