JP2020153131A - 2ピースブーム式油圧ショベル - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧ショベルの安定度を意識することなく自由に操作できる状態である場合にその旨を通知することで慎重な操作を強いることによるオペレータの心理負担を抑制する。【解決手段】ブームが、旋回体に連結した第1ブーム、第1ブームの先端に連結した第2ブーム、第1ブームに対する第2ブームの角度を変更するポジショニングシリンダ、及び第1ブームに対する第2ブームの角度をブームの折れ角として測定する角度センサを有している2ピースブーム式油圧ショベルにおいて、ブームの折れ角について旋回体の旋回角及び作業機の姿勢によらず設定安定度が確保される最小角度を基準角として予め設定しておき、角度センサの信号を基にブームの折れ角が基準角以上であると判定した場合に設定安定度が確保された状態である旨をオペレータに通知するように構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、第1ブーム及び第2ブームを含んで構成された2ピース仕様のブームを備え、作業用途に応じて第1ブームに対する第2ブームの角度(ブームの折れ角)が変更できる2ピースブーム式油圧ショベルに関する。
油圧ショベルは、一般的に、走行体と、この走行体の上部に旋回可能に搭載された旋回体と、この旋回体の前部に設けられた作業機(いわゆるフロント作業機)とを備えている。作業機は、旋回体に基端が回動可能に連結されたブームと、このブームの先端に回動可能に連結されたアームと、このアームの先端に回動可能に連結されたバケット等のアタッチメントとを含んで構成されている。ブーム、アーム及びアタッチメントはブームシリンダ、アームシリンダ及びアタッチメントシリンダによりそれぞれ回転駆動される。
この油圧ショベルの一種として、第1ブームと第2ブームとに2分割した2ピース仕様のブームを備えた2ピースブーム式油圧ショベルが知られている(特許文献1等参照)。2ピースブーム式油圧ショベルにおいては、作業用途に応じて第1ブームに対する第2ブームの角度つまりブームの折れ角を変更し、作業機の可動範囲(リーチ)を変更することができる。2ピース仕様のブームは、第1ブームが旋回体に、第2ブームが第1ブームの先端にそれぞれ回動可能に連結され、第1ブームと第2ブームに両端が連結されたポジショニングシリンダの伸縮に伴って折れ角が変化する構成である。
特開2011−74745号公報
2ピースブーム式油圧ショベルの場合、ブームの折れ角が減少して作業機のリーチが長くなる程、作業時に走行体で支えるべきモーメント荷重が増加する。2ピース仕様のブームの折れ角によっては、例えば走行体の車幅方向に作業機を伸ばした状態で最大モーメント荷重を掛けると転倒する可能性がある。このことから、2ピースブーム式油圧ショベルにおいては、例えばブームの折れ角を小さくし作業機のリーチを延ばして掘削作業や解体作業等を行う際、オペレータはブームの折れ角に応じて安定度を意識しながら慎重に操作する必要がある。
本発明の目的は、油圧ショベルの安定度を意識することなく旋回体の旋回角及び作業機の作業姿勢が自由に操作できる状態である場合にその旨を通知することで慎重な操作を強いることによるオペレータの心理負担を抑制できる2ピースブーム式油圧ショベルを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、前記旋回体の前部に設けた作業機、前記旋回体に設けた運転室、前記運転室に設置した出力装置、及び前記出力装置に出力を指令するコントローラを備え、前記作業機は、前記旋回体に回動可能に連結したブーム、前記ブームの先端に連結したアーム、前記アームの先端に連結したアタッチメント、前記ブームを回動させるブームシリンダ、前記アームを回動させるアームシリンダ、及び前記アタッチメントを回動させるアタッチメントシリンダを含んで構成されており、前記ブームは、前記旋回体に連結した第1ブーム、前記第1ブームの先端に連結した第2ブーム、前記第1ブームに対する前記第2ブームの角度を変更するポジショニングシリンダ、及び前記第1ブームに対する前記第2ブームの角度を前記ブームの折れ角として測定する角度センサを有する2ピースブーム式油圧ショベルにおいて、前記コントローラは、前記ブームの折れ角について前記旋回体の旋回角及び前記作業機の姿勢によらず油圧ショベルの設定安定度が確保される最小角度を基準角として予め記憶しており、前記角度センサの信号を基に前記ブームの折れ角が前記基準角以上であると判定した場合に前記設定安定度が確保された状態である旨の出力を前記出力装置に指令することを特徴とする。
本発明によれば、旋回角や作業機の姿勢によらず設定安定度が保障される基準角をブームの折れ角について設定し、ブームの折れ角が基準角以上である場合に旋回角や作業機の姿勢によらず設定安定度が保障される旨が出力装置により通知される。これにより、オペレータは旋回角によらず自由に作業機を動かせることを把握した状態で油圧ショベルを運転することができる。そのため、油圧ショベルの安定度を意識した慎重な操作を強いることによるオペレータの心理負担を抑制することができる。オペレータが操作に集中することができるようになり、作業効率も向上し得る。
本発明の一実施形態に係る2ピースブーム式油圧ショベルの側面図 本発明の一実施形態に係る2ピースブーム式油圧ショベルに備えられた運転室の内部の平面図 本発明の一実施形態に係る2ピースブーム式油圧ショベルに搭載された油圧システムの要部を抜き出して表す油圧回路図 本発明の一実施形態に係る2ピースブーム式油圧ショベルの周囲の領域の区分の説明図 安定度の面で作業が許容される油圧ショベルの姿勢を例示した図 安定度の面で作業を中止すべき油圧ショベルの姿勢を例示した図 本発明の一実施形態に係る2ピースブーム式油圧ショベルに備えられたコントローラのブロック図 本発明の一実施形態に係る2ピースブーム式油圧ショベルに備えられた出力装置の表示画面に一定の安定度が保障された状態である旨の通知Aを表示出力させた状態を例示した図 本発明の一実施形態に係る2ピースブーム式油圧ショベルに備えられた出力装置の表示画面に安定度が設定安定度を下回り得る状況である旨の通知Bを表示出力させた状態を例示した図 本発明の一実施形態に係る2ピースブーム式油圧ショベルに備えられた出力装置の表示画面に安定度が設定安定度を下回っている状況である旨の通知Cを表示出力させた状態を例示した図 本発明の一実施形態に係る2ピースブーム式油圧ショベルに備えられたコントローラによる出力装置の出力制御の手順を表すフローチャート
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
−2ピースブーム式油圧ショベル−
本実施形態が対象とする2ピースブーム式油圧ショベルは、ブームがL字型の一体構造に形成された通常の油圧ショベル(本実施形態では適宜「モノブーム仕様機」と記載する)と異なり、ブームが第1ブームと第2ブームを含んで構成されている。第1ブームに対する第2ブームの角度(ブームの折れ角)を変更することで作業範囲(作業機のリーチ)が調整でき、モノブーム仕様機よりも広範な作業用途に対応できる点が2ピースブーム式油圧ショベルの利点である。2ピースブーム式油圧ショベルによれば、モノブーム仕様機と同様の作業用途に加え、リーチを長く設定することでモノブーム仕様機ではアタッチメントが届かない高所の解体作業等にも適応できる。またリーチを短くすることで、例えば車体近くのガラ集めや掘削等の作業の効率化にも柔軟に適応できる。
なお、高所解体作業機として、ブームとアームの間に中間アームが介在し、ブームに対して中間アームが回動し、更に中間アームに対してアームが回動する構成のものが存在する。本発明が対象とする2ピースブーム式油圧ショベルは、この種の高所解体作業機とは異なる。高所解体作業機ではモノブーム仕様機と同様の用途は想定されておらず、モノブーム仕様機に比べてブームやアームがそもそも長く、その上で中間アームを追加した構成であり、ブームやアームと同様に中間アームも高所解体作業中に適宜駆動される。それに対し、2ピースブーム式油圧ショベルは言わばモノブーム仕様機の汎用性を強化したものであり、2ピース仕様のブームはモノブーム仕様機のブームと同程度に折れ角を設定することでモノブーム仕様機のブームと同程度の長さになる。またブームの折れ角は作業範囲の調整のためにあくまで作業前に設定され、作業中に第2ブームが回動することがないようにポジショニングシリンダの動作が回路的にインターロックされている(後述)。
図1は本発明の一実施形態に係る2ピースブーム式油圧ショベルの側面図である。以降、特に断り書きのない場合、運転席に座った作業者の正面方向(図1中の左方向)を旋回体の前方とする。図1に示した2ピースブーム式油圧ショベルは、作業用のアタッチメント22としてフォークグラップルを装着した形態を例示している。しかし、アタッチメント22としては、バケット、解体現場で用いる小割用の破砕機、或いは岩盤やコンクリート等の掘削や破砕に用いられるブレーカ等といった他の作業具も適宜装着可能である。以下の説明において、特に断りなく「油圧ショベル」と略記した場合には、2ピースブーム式油圧ショベルを指すこととする。
図1に示した油圧ショベルは、車体10及び作業機(フロント作業機)20を含んで構成されている。車体10は、走行体11及び旋回体12を含んで構成されている。走行体11は油圧ショベルの支持構造体をなすものであり、左右の履帯を備えたクローラ式である。左右の履帯は左右個別の走行モータ(不図示)により駆動される。左右の走行モータは油圧モータである。旋回体12は、走行体11上に旋回輪13を介して設けられており、旋回輪13を旋回モータ(不図示)で駆動することによって鉛直に延びる旋回中心線Oを中心にして走行体11に対して旋回する。旋回モータも油圧モータである。旋回体12は運転室14を備えており、運転室14内には、オペレータが座る運転席31(図2)や、左右の操作レバー32,33(図2)、レバーペダル34,35(図2)等のオペレータが操作する操作装置が配置されている。
作業機20は、作業腕21とアタッチメント22を含んで構成されている。本実施形態における作業腕21は、ブーム23、アーム24、ブームシリンダ25、アームシリンダ26、及びアタッチメントシリンダ27を含む多関節型の作業装置である。ブーム23は左右に延びるフートピン(不図示)を介して旋回体12のベースフレーム(旋回フレーム15)の前部に主に上下方向に回動可能に(前後に延びる鉛直な動作平面内で回動可能に)連結されている。アーム24は左右に延びるピン24pを介してブーム23(後述する第2ブーム23b)の先端に主に前後に回動可能に(上記動作平面内で回動可能に)連結されている。アタッチメント22は左右に延びるピン22pを介してアーム24の先端に回動可能に(上記動作平面内で回動可能に)連結されている。
ブームシリンダ25はブーム23を回動駆動する油圧アクチュエータ、アームシリンダ26はアーム24を回動駆動する油圧アクチュエータ、アタッチメントシリンダ27はアタッチメント22を回動駆動する油圧アクチュエータである。ブームシリンダ25は旋回フレーム15及びブーム23(本例では後述する第1ブーム23a)に、アームシリンダ26はブーム23(本例では後述する第2ブーム23b)及びアーム24に、それぞれ両端が回動可能に連結されている。アタッチメントシリンダ27は、基端がアーム24の基部側に連結される一方で、先端がリンク28を介してアーム24の先端部とアタッチメント22とに連結されている。
ブーム23は折れ角が変更可能な2ピース仕様であり、第1ブーム23a、第2ブーム23b、及びポジショニングシリンダ29を含んで構成されている。第1ブーム23aは左右に延びるフートピン(不図示)を介して旋回体12の旋回フレーム15の前部に基端部が連結されており、フートピンを支点にして上下に(上記動作平面内で)回動可能に構成されている。第2ブーム23bは左右に延びる連結ピン23pを介して第1ブーム23aの先端に回動可能に連結されており、連結ピン23pを支点にして上下に(上記動作平面内で)回動可能に構成されている。ポジショニングシリンダ29は、作業前に第1ブーム23aに対する第2ブーム23bの角度を変更するブーム長さ設定用の油圧アクチュエータであり、ブーム23の腹側(図1では前側)に配置されている。このポジショニングシリンダ29の基端は、第1ブーム23aにおける腹側に突出したブラケット部23Baにピン23Paを介して回動可能に連結されている。ポジショニングシリンダ29の先端は、第2ブーム23bにおける腹側に突出したブラケット部23Bbにピン23Pbを介して回動可能に連結されている。
−センサ−
第1ブーム23aの基部には、旋回体12に対する第1ブーム23aの角度を測定する角度センサS1(図7)が設けられている。
第2ブーム23bの基部には、第1ブーム23aに対する第2ブーム23bの角度をブーム23の折れ角θ(図1)として測定する角度センサS2が設けられている。折れ角θは、第1ブーム23aと第2ブーム23bとがなす角であり、具体的には上記フートピン及び連結ピン23pの中心線を通る平面と連結ピン23p及びピン24pの中心線を通る平面との挟角である。この折れ角θが大きくなる程、ブーム23の曲がり度合いが増してフートピン(第1ブーム23aの基端)とピン24p(第2ブーム23bの先端)との間の距離、ひいては作業機20のリーチが縮まる。
アーム24の基部には、第2ブーム23bに対するアーム24の角度を測定する角度センサS3が設けられている。
また旋回フレーム15における旋回輪13の付近には、走行体11に対する旋回体12の旋回角αを測定する旋回角センサとして角度センサS4(図7)が取り付けられている。
角度センサS1,S2,S3,S4に用いるセンサには、センサ単体を指す狭義のセンサに限らず、センサ自体とこのセンサに2つの対象物の相対角度を伝達する機構とを組み合わせた広義のセンサが適用可能である。本実施形態では、例えば2つの対象物の相対角度に応じた電圧を信号として出力するポテンショメータを例示することができるが、機構との組み合わせで各種距離計等も適用可能である。また2つの対象物の相対角度が設定の角度又は設定の角度範囲にあることが検知できれば、リミットスイッチや近接センサ等も採用可能である。
−運転室−
図2は運転室の内部の平面図である。運転室14は前述したように旋回フレーム15(図1)の上部における前側の領域に支持され、作業機20に対して左右方向の一方側(本例では左側)に位置している。但し、運転室14を作業機20の右側に配置した構成としても良い。
運転室14の内部には、運転席31、操作レバー32,33、レバーペダル34,35、アタッチメントペダル36、ポジショニングペダル37、ゲートロックレバー38、出力装置39、コントローラ40等が配置されている。
左右の操作レバー32,33は、オペレータが座る運転席31のそれぞれ左右に配置されている。左側の操作レバー32は、アームシリンダ26と旋回モータ(不図示)を駆動するための操作入力装置である。例えば操作レバー32を左手で握って左に倒すとアームダンプ、右に倒すとアームクラウド、前に倒すと右旋回、後に倒すと左旋回の動作が指令される。右側の操作レバー33は、ブームシリンダ25とアタッチメントシリンダ27を駆動するための操作入力装置である。例えば操作レバー33を右手で握って左に倒すとアタッチメントクラウド、右に倒すとアタッチメントダンプ、前に倒すとブーム下げ、後に倒すとブーム上げの動作が指令される。
左右のレバーペダル34,35は、運転席31の前方に左右に並べて配置されており、手でも足でも操作し易いように共にレバー部とペダル部を備えている。左側のレバーペダル34は、左側のクローラの走行モータ(不図示)を駆動するための操作入力装置である。例えばレバーペダル34を前に倒すと左側のクローラの前進、後に倒すと後進の動作が指令される。右側のレバーペダル35は、右側のクローラの走行モータ(不図示)を駆動するための操作入力装置である。例えばレバーペダル35を前に倒すと右側のクローラの前進、後に倒すと後進の動作が指令される。
アタッチメントペダル36はオプションの油圧アクチュエータ、本例ではアタッチメント22に搭載された油圧アクチュエータ(フォークグラップルを開閉するシリンダ)を駆動するための操作入力装置である。例えばアタッチメントペダル36に右足を乗せ、このアタッチメントペダル36を前後の一方側に倒すとフォークグラップルの開動作、他方側に倒すと閉動作が指令される。このアタッチメントペダル36は運転席31の前側でレバーペダル34,35の右側に並べて設けられている。
ポジショニングペダル37は、ポジショニングシリンダ29を駆動してブーム23の有効長さの設定を変更するための操作入力装置である。例えばポジショニングペダル37に左足を乗せ、このポジショニングペダル37を前後の一方側前に倒すとブーム23の折れ角θの増大(作業範囲の縮小)、他方側に倒すと折れ角θの減少(作業範囲の拡大)が指令される。このポジショニングペダル37は運転席31の前側でレバーペダル34,35の左側に並べて配置されている。左右の操作レバー32,33や左右のレバーペダル34,35が手で操作可動であるのに対し、ポジショニングペダル37はアタッチメントペダル36と同様に足でしか操作できないように構成されている。
ゲートロックレバー38は、寝かせた倒伏姿勢でオペレータの降車を妨げるように運転席31の乗降側(本実施形態では左側)に設置されたレバー状のゲートである。このゲートロックレバー38を引き上げて運転席31に対する乗降部を開放しなければ、オペレータが降車できないようになっている。ゲートロックレバー38は解体機械の操作系のインターロックの操作部材を兼ねており、運転席31の乗降部が開放された状態では油圧ショベルが動作せず、着席してゲートロックレバー38を押し下げないと油圧ショベルが運転できないように構成されている。
出力装置39は、コントローラ40の指令により情報を出力する装置である。本実施形態では出力装置39として表示出力装置(モニタ)を採用した場合を例示的に図示しており、運転室14の内部において運転席31の右前方に出力装置39が配置してある。出力装置39には、例えばポジショニングペダル37や左右の操作レバー32,33の操作に連動して後述する安定度に関する情報が表示出力される。出力装置39としては、モニタに代えて又はモニタに加えて、ランプ等のその他の表示出力装置、スピーカやブザー等の音声出力装置を採用することもできる。
コントローラ40は車載コンピュータであり、本実施形態では運転室14の内部において運転席31の後ろ側に設置されている。コントローラ40は、例えば角度センサS1〜S4の信号を基に後述する安定度についての演算を実行し、出力装置39にその出力を指令する機能を備えている。
−油圧システム−
モノブーム仕様機や前述した高所解体作業機と異なり、2ピースブーム式の油圧ショベルでは、作業中に第2ブーム23bが回動しないように油圧回路が構成されている(後述)。第2ブーム23bを駆動するポジショニングシリンダ29はあくまで作業機20のリーチ調整用であり、他の油圧アクチュエータとの複合動作が回路的に不能な構成としてある(油圧的にインターロックされている)。つまり、ポジショニングシリンダ29は、ブームシリンダ25、アームシリンダ26、アタッチメントシリンダ27、旋回モータ、及び左右の走行モータとの複合操作が物理的に禁止されている。操作系についても、ポジショニングシリンダ29の操作はポジショニングペダル37(図2)に割り当てられ、作業機20の操作に用いられる左右の操作レバー32,33でポジショニングシリンダ29は操作できないようになっている。
図3は油圧ショベルに搭載された油圧システムの要部を抜き出して表す油圧回路図である。図3に示した油圧回路は、走行体11、旋回体12及び作業機20を駆動する部分の回路であり、代表的な構成要素として、油圧ポンプP1,P2、パイロットポンプP3、方向切換弁V1〜V10等を抜き出して同図に示してある。油圧ポンプP1,P2は油圧アクチュエータを駆動する圧油を吐出する例えば可変容量型のポンプであり、旋回体12に搭載された原動機(内燃機関又は電動機)により駆動される。パイロットポンプP3は方向切換弁V1〜V10を駆動するパイロット圧の元圧を出力する固定容量型のポンプ(ギヤポンプ等)である。
方向切換弁V1〜V10は、対応する油圧アクチュエータを制御するコントロールバルブである。これら方向切換弁V1〜V10は、パイロットポンプP3の吐出圧を元圧として対応する操作装置で生成されたパイロット圧により駆動され、対応する油圧アクチュエータに対する圧油の供給方向(又は供給方向及び流量)を制御する。
例えば方向切換弁V10は第2ブーム23bを駆動するポジショニングシリンダ29を制御するコントロールバルブである。この方向切換弁V10のスプールの両側に設けられた受圧室には、それぞれ減圧弁Vs1,Vs2を介してパイロットポンプP3が接続している。減圧弁Vs1,Vs2はポジショニングペダル37(図2)で操作される。ポジショニングペダル37を一方側に倒して減圧弁Vs1を開けば、パイロットポンプP3の吐出圧を元圧として減圧弁Vs1で生成されたパイロット圧が方向切換弁V10の図3における左側の受圧室に入力される。これにより方向切換弁V10のスプールが同図中で右側に移動して左側の切換位置に切り換わり、油圧ポンプP2の吐出油がポジショニングシリンダ29のロッドポートに供給される。そして、ポジショニングシリンダ29が収縮しブーム23の折れ角θが増加する。反対にポジショニングペダル37を他方側に倒して減圧弁Vs2を開けば、方向切換弁V10の右側の受圧室にパイロット圧が入力され、方向切換弁V10のスプールが左側に移動してポジショニングシリンダ29のボトムポートに圧油が供給される。これによりポジショニングシリンダ29が伸長しブーム23の折れ角θが減少する。ポジショニングペダル37を中立に戻せば方向切換弁V10へのパイロット圧の入力が停止され、方向切換弁V10のスプールが中立位置(中央の切換位置)に復帰する。これによりポジショニングシリンダ29が油圧ポンプP1,P2やタンクTから回路的に切り離され、保持圧によりポジショニングシリンダ29のストロークが固定される。
その他、方向切換弁V1は左側のクローラを駆動する走行モータを制御するコントロールバルブであり、レバーペダル34(図2)の操作に応じて駆動されて左の走行モータに対する圧油の流れを制御する。方向切換弁V2は右側のクローラを駆動する走行モータを制御するコントロールバルブであり、レバーペダル35(図2)の操作に応じて駆動されて右の走行モータに対する圧油の流れを制御する。方向切換弁V3,V4はブームシリンダ25を制御するコントロールバルブであり、操作レバー33(図2)の操作に応じて駆動されてブームシリンダ25に対する圧油の流れを制御する。方向切換弁V5,V6はアームシリンダ26を制御するコントロールバルブであり、操作レバー32(図2)の操作に応じて駆動されてアームシリンダ26に対する圧油の流れを制御する。方向切換弁V7はアタッチメントシリンダ27を制御するコントロールバルブであり、操作レバー33(図2)の操作に応じて駆動されてアタッチメントシリンダ27に対する圧油の流れを制御する。方向切換弁V8は旋回モータを制御するコントロールバルブであり、操作レバー32(図2)の操作に応じて駆動されて旋回モータに対する圧油の流れを制御する。方向切換弁V9はアタッチメント22であるフォークグラップルを開閉駆動する開閉用油圧シリンダ(不図示)を制御するコントロールバルブであり、アタッチメントペダル36(図2)の操作に応じて駆動されて開閉用油圧シリンダに対する圧油の流れを制御する。方向切換弁V1〜V9に対するパイロット圧の入力系統や圧油の供給系統は繁雑防止のために図示省略してあるが、方向切換弁V10と同様の構成である。
ここで、方向切換弁V1,V9,V5,V3,V8は、油圧ポンプP1からタンクTに繋がるポンプラインL1上に、上流側からこの順で直列に接続されている。従って、左走行操作、フォークグラップルの開閉操作、アーム24の回動操作、ブーム23の回動操作、旋回操作の順で操作が優先される。また、方向切換弁V2,V7,V6,V4,V10は、油圧ポンプP2からタンクTに繋がるポンプラインL2上に、上流側からこの順で直列に接続されている。従って、右走行操作、アタッチメント22の回動操作、アーム24の回動操作、ブーム23の回動操作、ブーム23の折れ角θの設定操作の順で操作が優先される。そのため、右走行操作、アタッチメント22の回動操作、アーム24の回動操作、ブーム23の回動操作の少なくとも1つがされていればポジショニングシリンダ29には圧油は供給されないようになっている。なお、油圧ポンプP1から吐出された圧油は方向切換弁V8を通過するとタンクTに導かれ、ポジショニングシリンダ29には供給されない。なお、方向切換弁V10を最下流に配置する限りにおいては、方向切換弁V2,V7,V6,V4の順序は必要に応じて変更可能である。方向切換弁V10をポンプラインL1上に配置する場合においても、方向切換弁V1,V9,V5,V3,V8の順序に関わらず、方向切換弁V10を最下流に配置する。
加えて、ポンプラインL2には、カットオフ弁Vcが方向切換弁V10と並列に接続されている。カットオフ弁Vcはノーマルオープン型の遮断弁であり、カットオフ弁Vcの受圧室にはシャトル弁Vsを介して減圧弁Vs1,Vs2の出力ポートが接続している。ポジショニングペダル37が操作されるとシャトル弁Vsを介してカットオフ弁Vcの受圧室にパイロット圧が導かれる。これによりカットオフ弁Vcが閉じ、方向切換弁V2,V7,V6,V4のセンターバイパス通路を通過した圧油が方向切換弁V10を介してポジショニングシリンダ29に供給され、ブーム23の折れ角θが変更される。反対に、ポジショニングペダル37が操作されていない状態ではカットオフ弁Vcが開放される。そのため、作業機20の動作や旋回、走行の操作がされていなくても、油圧ポンプP1,P2から吐出された圧油はタンクTに戻り、ポジショニングシリンダ29に圧油が供給されることはない。
以上のように、作業機20を用いた作業や旋回及び走行と、ブーム23の折れ角θの設定とは、同時に実行できない回路構成となっている。なお、ポンプラインL1,L2には、方向切換弁V1,V2よりも上流側の位置にリリーフ弁Vrが設けられており、ポンプラインL1,L2の圧力の最大値がリリーフ弁Vrのリリーフ圧により規定されている。リリーフ圧はポンプラインL1,L2の保護を始めとして種々の観点で設定される。本実施形態においては、作業機20により車体に作用するモーメント荷重が許容値を超える場合(ブームシリンダ25のボトム側油室の圧力が一定値を超える場合)にも、リリーフ弁Vrが開いてブーム23が下降するようにリリーフ圧が設定されている。
−作業範囲−
図4は油圧ショベルの周囲の領域の区分の説明図である。本実施形態では、走行体11を基準にして、油圧ショベルの旋回中心周りの水平領域を、上方から見て旋回体12の旋回中心線Oで交わる2本の直線X,Yで4つの領域に区分している。直線Xは走行体11の左前の角と右後の角(つまり左クローラの左前の角と右クローラの右後の角)を通る直線であり、直線Yは走行体11の右前の角と左後の角(つまり右クローラの右前の角と左クローラの左後の角)を通る直線である。直線X,Yで区分される4つの領域のうち、走行体11の前方(図中上側)の領域を前領域、後方(図中下側)の領域を後領域、左方(図中左側)の領域を左領域、右方(図中右側)の領域を右領域と定義する。
図5は安定度の面で作業が許容される姿勢を例示した図、図6は作業を中止すべき姿勢を例示した図である。油圧ショベルが装着可能なアタッチメント22の重量(装着可能アタッチメント重量)は、機体の安定度と作業機20を支持するブームシリンダ25、リリーフ弁Vrによるリリーフ圧のバランスにより決まる。装着可能アタッチメント重量を超えるアタッチメント22を装着すると、安定度が最も低下する姿勢(作業機20が最大リーチで走行体11の真横、つまり左領域又は右領域の中央に伸びた姿勢)では重量バランス的に走行体11の接地面が一部浮き上がり得る。本実施形態の場合、折れ角θを最小にして作業機20を水平に最大限伸ばした状態が作業機20を最大リーチまで伸ばした状態である。但し、安定度が最も低下する姿勢に移行する過程で作業機20によるモーメント荷重が過大となると、ブームシリンダ25のボトム圧の上昇によりリリーフ弁Vrが作動した時点で油圧ショベルは停止する。
−安定度−
この種の油圧ショベルの安定度の基準については、車両系建設機械構造規格(昭和四十七年労働省告示第百五十号)で規定されている。一般に最大リーチ時の安定度が1.33を下回る重量バランスの車両系建設機械は、安定度が1.5を下回る際に警告を発して作業を中止すべき旨をオペレータに知らせる手段を講じる必要がある。
本実施形態の油圧ショベルにおいて図5及び図6に示すように旋回中心線Oから真横(左右方向)に所定距離の位置に境界面Bsを設定し、境界面Bsを超えて走行体11の側方に作業機20を伸ばすと安定度が1.5を下回ると仮定する。この場合、図5のように境界面Bsよりも車体10側の領域に作業機20の全体が納まった状態(安定度が1.5以上の状態)であれば作業は許容され、オペレータに警告を発する必要はない。反対に、図6のように作業機20の一部が境界面Bsを超える状態(安定度が1.5を下回る状態)では、作業不可である旨をオペレータに警告する必要がある。
しかし、一般にオペレータは警告が発せられて初めて安定度が1.5を下回ったことを知ることとなり、警告が発せられていない状況下で安定度にどの程度の余裕があるのかを知る術がないのが実情である。そのため、安定度に関してオペレータが特に意識していない場合には、不意に警告が発せられて対応に遅れが生じたりすることがある。また、オペレータによっては、実際には安定度に十分な余裕があるにも関わらず、安定度を過度に意識して必要以上に操作が慎重になって作業効率を著しくし落としてしまう場合もある。
この点に着眼したところ、本願発明者等は、2ピースブーム仕様の油圧ショベルにおいてはブームの折れ角が一定以上であれば作業機の姿勢(第1ブーム、アームの角度)や旋回角によらず一定の安定度が常時確保されることを知見した。また、本実施形態の油圧ショベルでは、旋回角αが一定範囲にある場合には、ブーム23の折れ角θも作業機20の姿勢(第1ブーム、アームの角度)も関係なく一定の安定度が常時確保されるように重量バランスが設計されている。具体的には、アタッチメント22で何も把持していない条件では、作業機20が前領域又は後領域(図4)にありさえすれば無条件で一定の安定度が確保されるように油圧ショベルは設計されている。
−コントローラ−
図7はコントローラのブロック図である。前述した通り、コントローラ40は車載コンピュータであり、例えば角度センサS1〜S4の信号を基に機体の安定度について演算を実行し出力装置39にその出力を指令する機能を備えている。コントローラ40には、入力インターフェース41、ROM(例えばEPROM)42、RAM43、CPU44、タイマ45、及び出力インターフェース46が備わっている。
入力インターフェース41には、角度センサS1〜S4等が接続されている。これら角度センサS1〜S4等からの入力信号が入力インターフェース41でデジタル信号に変換される。ROM42には必要な演算式やプログラムが格納されている。CPU44はROM42からロードしたプログラムに従って角度センサS1〜S4等の信号を基に所定の処理を実行する。RAM43は演算途中の数値等を一時的に記憶する。出力インターフェースはCPU44で演算した結果をCPU44の指令に応じて出力装置39に出力しオペレータに報知する。
ROM42に格納されたプログラムに従ってCPU44により実行される特徴的な機能を次に例示する。
・ブームの折れ角θに基づく安定度の判定
最も特徴的な機能は、作業機20の姿勢(第1ブーム23a及びアーム24の角度)や旋回角αに関係なく油圧ショベルの設定安定度Ss(例えば1.5)が確保される状態(警告が発せられる心配がない状況)である場合にその旨をオペレータに通知する機能である。本実施形態においては、ブーム23の折れ角θについて上記設定安定度Ssが確保される最小角度が基準角θ1として予めROM42に記憶させてある。コントローラ40は、角度センサS2の信号を基にブーム23の折れ角θが基準角θ1以上であるかを判定し、θ≧θ1と判定した場合に一定の安定度が確保された状態である旨(作業制限がない旨)の出力を出力装置39に指令する。図8は出力装置39の表示画面39aに一定の安定度が保障された状態である旨の通知Aを表示出力させた状態を例示した図である。同図に例示した通知Aはメッセージウィンドウであるが、単にメッセージを表示するだけでなく、ウィンドウ自体を安全色(例えば緑色)にしてオペレータが直感的に状況を把握できるようにすることが望ましい。
・旋回角αに基づく安定度の判定
また、旋回体12の旋回角αについてブーム23の折れ角θ及び作業機20の姿勢(第1ブーム23a及びアーム24の角度)によらず油圧ショベルの設定安定度Ssが確保される設定旋回角範囲を予め予めROM42に記憶させてある。コントローラ40は、角度センサS4の信号を基に旋回角αが設定旋回角範囲内の値であるかを判定し、設定旋回角範囲内の値であると判定した場合に一定の安定度が確保された状態である旨の出力(ここでは上記の通知Aとする)を出力装置39に指令する。本実施形態においては、作業機20が前領域にある場合(α1≦α≦α2とする)及び作業機20が後領域にある場合(α3≦α≦α3とする)の旋回角αの範囲を、設定旋回角範囲とする。
・通知の出力
他の機能は、油圧ショベルの安定度が設定安定度Ssを下回り得る状況をオペレータに通知する機能である。コントローラ40は、ブーム23の折れ角θが基準角θ1より小さく、かつ旋回角αが設定旋回角範囲外の値であると判定した場合に油圧ショベルの安定度が設定安定度Ssを下回り得る状況であると判断し、注意喚起を促す旨の出力(図9又は図10)を出力装置39に指令する。
図9は出力装置39の表示画面39aに油圧ショベルの安定度が設定安定度Ssを下回り得る状況である旨の通知Bを表示出力させた状態を例示した図である。通知Aと同じく通知Bもメッセージウィンドウであるが、単にメッセージを表示するだけでなく、ウィンドウ自体を注意色(例えば黄色)にしてオペレータが直感的に状況を把握できるようにすることが望ましい。
図10は出力装置39の表示画面39aに油圧ショベルの安定度が設定安定度Ssを下回っている状況である旨の通知Cを表示出力させた状態を例示した図である。通知Aと同じく通知Cもメッセージウィンドウであるが、単にメッセージを表示するだけでなく、ウィンドウ自体を警告色(例えば赤色)にしてオペレータが直感的に状況を把握できるようにすることが望ましい。本実施形態では、通知Cに加えて転倒注意を知らせるアイコンDを表示画面39aに表示した例を示している。
・余裕率の出力
更なる機能は、油圧ショベルの安定度が設定安定度Ssを下回り得る状況下で、角度センサS1〜S4の信号に基づいて安定度Sを算出し、設定安定度Ssに対する安定度Sの余裕がどの程度あるのかを示す指標の出力を出力装置39に指令しオペレータに通知する機能である。本実施形態では、角度センサS1〜S4の信号に基づいてリアルタイムで算出される安定度S、及び上記の設定安定度Ssから、設定安定度Ssに対してどの程度の余裕があるかを表す指標として余裕率R[%}を次式で算出する。
R=S/Ss×100
コントローラ40は、注意喚起を促す旨の通知A又は通知Bの出力を出力装置39に指令すると同時に、算出した安定度Sが設定安定度Ss以下であるか設定安定度Ssより高いかの出力を出力装置39に指令する。本実施形態では、安定度Sが設定安定度Ss以下(R≦100%)である場合に通知Cに余裕率がNGである旨を表示する場合を例示している(図10)。また、油圧ショベルの安定度が設定安定度Ssを下回り得る状況下ながら、安定度Sが設定安定度Ssより高い(R>100%)場合には、通知Bに余裕率の具体的数値を表示する場合を例示している(図9)。
−動作−
図11はコントローラによる出力装置の出力制御の手順を表すフローチャートである。運転室14においてキースイッチ(不図示)が操作されて電源が投入されると、コントローラ40は、ROM42に格納されたプログラムをCPU44にロードして図11の手順を開始する。同図の手順を開始すると、コントローラ40はまず入力インターフェース41を介して角度センサS1〜S4の信号を入力し、例えばRAM43に記憶する(ステップS11)。続いて、コントローラ40は角度センサS2の信号を基に演算したブーム23の折れ角θが基準角θ1以上であるかを判定する(ステップS12)。折れ角θが基準角θ1以上で設定安定度Ssを下回る心配がなく、油圧ショベルの安定度を気にすることなく作業機20や旋回体12を駆動できる状態である場合、前述した通知Aを表示画面39aに表示出力するように出力装置39に指令する(ステップS16)。
折れ角θが基準角θ1より小さく設定安定度Ssを下回る可能性がある場合、コントローラ40は角度センサS4の信号を基に演算した旋回角αが前述した設定旋回角範囲の値であるか(作業機20が前領域又は後領域にあるか)を判定する(ステップS13)。旋回角αが設定旋回角範囲内の値であり、設定安定度Ssが確保されていて自由に作業機20を駆動できる状況である場合、コントローラ40は通知A(図8)を表示画面39aに表示出力するように出力装置39に指令する(ステップS16)。
旋回角αが設定旋回角範囲から外れていて(作業機20が左領域又は右領域にあり)作業機20等の操作に注意を要する場合、コントローラ40は角度センサS1−S4の信号に基づいて現在の余裕率Rを算出する(ステップS14)。余裕率Rが100%を超えていれば(安定度が設定安定度Ssを超えていれば)、コントローラ40は通知B(図9)を表示画面39aに表示出力するように出力装置39に指令する(ステップS17)。反対に余裕率Rが100%以下であれば(安定度が設定安定度Ss以下であれば)、コントローラ40は通知C(図10)を表示画面39aに表示出力するように出力装置39に指令する(ステップS18)。ステップS18では、コントローラ40は通知Cと併せて警告音の出力を出力装置39に指令する。
通知A,B,Cのいずれかの表示出力を出力装置39に指令したら、コントローラ40はキースイッチがオフ操作されたかを判定する(ステップS19)。コントローラ40は、キーオン状態が継続していればステップS11に手順を戻して以上の処理を繰り返し、キースイッチがオフ操作されたら図11の手順を終了する。同図の手順が繰り返し実行されることで、油圧ショベルの運転又はブーム23の折れ角θの変更に伴って角度センサS1〜S4の信号の変化に応じて出力装置39による出力内容が随時変化する。
−効果−
(1)本実施形態によれば、旋回角αや作業機20の姿勢によらず油圧ショベルの設定安定度Ssが保障される基準角θ1を設定し、折れ角θが基準角θ1以上である場合に旋回角αや作業機20の姿勢によらず油圧ショベルの設定安定度Ssが保障される旨が出力装置39により通知される。この通知(本実施形態では表示)は、折れ角θの設定段階で折れ角θが基準角θ1以上になった時点から行われる。これにより、オペレータは旋回角αによらず自由に作業機20を動かせることを把握した状態で油圧ショベルを運転することができる。このように油圧ショベルの安定度を意識することなく旋回体12や作業機20を自由に操作できる状態である場合にその旨を通知することで、慎重な操作を強いることによるオペレータの心理負担を抑制することができる。オペレータが操作に集中することができるようになり、作業効率も向上し得る。
(2)また、旋回角αが設定旋回角範囲内の値である場合、具体的には作業機20が前領域又は後領域にある場合には、折れ角θによらず設定安定度Ssが確保される。旋回角αが設定旋回角範囲内の値である場合その旨を通知することで、上記同様、オペレータの心理負担を抑制することができる。
(3)また、基準角θ1を設定し折れ角θを基準角θ1と比較することで、操作が制約されない状態である場合に加え、油圧ショベルの安定度が設定安定度Ssを下回り得る状態であることも判別できる。従って、安定度が設定安定度Ssを下回り得る場合にはその旨を通知することで、作業用途に応じてブーム23の折れ角θを小さく設定した際には、適時にオペレータに注意喚起することができる。
(4)設定安定度Ssに対する現状の安定度Sの程度を余裕率Rとして通知することで、油圧ショベルの安定度が設定安定度Ssを下回り得る状況下でもオペレータは安定度の程度を把握することができる。油圧ショベルの安定度に応じた適切な操作をオペレータに促すことができる。
−変形例−
以上においては、アタッチメント22として廃材のスクラップ処理や運搬等に用いるフォークグラップルを例示したが、他種のアタッチメントを作業腕21に装着した場合にも本発明は適用可能であり、その場合にも同様の効果を奏する。他種のアタッチメントとしては、解体現場で用いる小割用の破砕機、岩盤やコンクリート等の掘削や破砕等に用いるブレーカ、土砂やコンクリートガラ等の掘削や運搬等に用いるバケット等が例示できる。
また、支持構造体としてクローラ式の走行体11を備えた油圧ショベルに本発明を適用した場合を例示したが、ホイール式の走行体を備えた油圧ショベルにも本発明は適用可能である。
図11において、折れ角θの判定(ステップS12)の後に旋回角αの判定(ステップS13)を実行する場合を例に挙げて説明したが、ステップS12,S13の手順は入れ替えても同様の出力を実現することができる。この場合も上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
11…走行体、12…旋回体、14…運転室、20…作業機、39…出力装置、40…コントローラ、22…アタッチメント、23…ブーム、23a…第1ブーム、23b…第2ブーム、24…アーム、25…ブームシリンダ、26…アームシリンダ、27…アタッチメントシリンダ、29…ポジショニングシリンダ、A…通知(設定安定度が確保された状態である旨)、B,C…通知(注意喚起を促す旨)、R…余裕率(設定安定度に対してどの程度の余裕があるのかを示す指標)、S…角度センサ及び旋回角センサの信号に基づいて算出した安定度、S1〜S3…角度センサ、S4…角度センサ(旋回角センサ)、Ss…設定安定度、α…旋回体の旋回角、α1〜α2,α3〜α4…設定旋回角範囲、θ…ブームの折れ角、θ1…基準角

Claims (5)

  1. 走行体、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体、前記旋回体の前部に設けた作業機、前記旋回体に設けた運転室、前記運転室に設置した出力装置、及び前記出力装置に出力を指令するコントローラを備え、前記作業機は、前記旋回体に回動可能に連結したブーム、前記ブームの先端に連結したアーム、前記アームの先端に連結したアタッチメント、前記ブームを回動させるブームシリンダ、前記アームを回動させるアームシリンダ、及び前記アタッチメントを回動させるアタッチメントシリンダを含んで構成されており、前記ブームは、前記旋回体に連結した第1ブーム、前記第1ブームの先端に連結した第2ブーム、前記第1ブームに対する前記第2ブームの角度を変更するポジショニングシリンダ、及び前記第1ブームに対する前記第2ブームの角度を前記ブームの折れ角として測定する角度センサを有する2ピースブーム式油圧ショベルにおいて、
    前記コントローラは、前記ブームの折れ角について前記旋回体の旋回角及び前記作業機の姿勢によらず油圧ショベルの設定安定度が確保される最小角度を基準角として予め記憶しており、前記角度センサの信号を基に前記ブームの折れ角が前記基準角以上であると判定した場合に前記設定安定度が確保された状態である旨の出力を前記出力装置に指令することを特徴とする2ピースブーム式油圧ショベル。
  2. 請求項1に記載の2ピースブーム式油圧ショベルにおいて、
    前記旋回体の旋回角を測定する旋回角センサを備えており、
    前記コントローラは、前記旋回体の旋回角について前記ブームの折れ角及び前記作業機の姿勢によらず前記設定安定度が確保される設定旋回角範囲を予め記憶しており、前記旋回角センサの信号を基に前記旋回角が前記設定旋回角範囲内の値であると判定した場合に前記設定安定度が確保された状態である旨の出力を前記出力装置に指令することを特徴とする2ピースブーム式油圧ショベル。
  3. 請求項2に記載の2ピースブーム式油圧ショベルにおいて、前記コントローラは、前記ブームの折れ角が前記基準角より小さく、かつ前記旋回角が前記設定旋回角範囲外の値であると判定した場合、注意喚起を促す旨の出力を前記出力装置に指令することを特徴とする2ピースブーム式油圧ショベル。
  4. 請求項3に記載の2ピースブーム式油圧ショベルにおいて、前記コントローラは、前記注意喚起を促す旨の出力を前記出力装置に指令すると同時に、前記角度センサ及び前記旋回角センサの信号に基づいて算出した安定度が前記設定安定度に対してどの程度の余裕があるのかを示す指標の出力を前記出力装置に指令することを特徴とする2ピースブーム式油圧ショベル。
  5. 請求項1に記載の2ピースブーム式油圧ショベルにおいて、
    前記ブームシリンダを制御するブーム用方向切換弁と、
    前記アームシリンダを制御するアーム用方向切換弁と、
    前記アタッチメントシリンダを制御するアタッチメント用方向切換弁と、
    前記ポジショニングシリンダを制御するポジショニング用方向切換弁と、
    油圧アクチュエータを駆動する圧油を吐出する油圧ポンプとを備え、
    前記ポジショニング用方向切換弁が、前記油圧ポンプのポンプライン上において、前記ブーム用方向切換弁、前記アーム用方向切換弁、及び前記アタッチメント用方向切換弁の下流側に設けられており、前記ポジショニングシリンダが、前記ブームシリンダ、前記アームシリンダ、及び前記アタッチメントシリンダと複合操作不能に構成されていることを特徴とする2ピースブーム式油圧ショベル。
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