JP2020152804A - 樹脂組成物及び樹脂硬化物並びにこれらを用いた製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性、制振性及び生産性に優れた樹脂組成物及び樹脂硬化物並びにこれらを用いた製品を提供する。【解決手段】メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂又は他の有機化合物と架橋構造を形成可能な第一の官能基を有する有機化合物と、を含む樹脂組成物であって、有機化合物は、可逆的に解離及び結合をする共有結合を形成可能な第二の官能基をその化学構造の末端部に有し、又は可逆的に解離及び結合をする共有結合をその化学構造の内部に有し、エポキシ樹脂は、マイクロドメインを形成可能な化学構造を有する。そして、この樹脂組成物を硬化して樹脂硬化物を得る。【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂組成物及び樹脂硬化物並びにこれらを用いた製品に関する。
マトリックス樹脂と強化繊維とを混合することにより作製する繊維含有樹脂硬化物は、硬度、強度、制振性等に優れていることから、自動車、鉄道、航空機、建築部材等の多くの分野に用いられている。特に、マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を用い、強化繊維としてガラス繊維又は炭素繊維を用いた繊維含有樹脂硬化物は、強度及び耐熱性に優れていることから、利用が広がっている。繊維含有樹脂硬化物は、繊維強化プラスチック(Fiber−Reinforced Plastics:FRP)とも呼ばれている。
熱硬化性樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等があるが、マトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂が広く用いられている。
特許文献1には、軽量性及び制振性の観点から、エポキシ樹脂、硬化剤、および該エポキシ樹脂に可溶なウレタン系エラストマーを含んでなり、その樹脂硬化物の理論架橋点間分子量が所定の範囲内であるエポキシ樹脂組成物を硬化して得られた樹脂硬化物と強化繊維を含んでなる繊維強化複合材料が開示されている。
この熱硬化性樹脂と繊維を複合化した成形体を得る方法としては、トランスファーモールディング、注型、オートクレーブを用いる方法、真空バッグによる方法、圧縮成形法などが知られている。いずれも、繊維に硬化前の樹脂ワニスを含浸もしくは混合させた後に加熱硬化する、もしくは、繊維と樹脂の複合材をいったん半硬化状態(プリプレグ)にして、所望の形に成形した後、加熱硬化する方法である。この熱硬化性樹脂と繊維を複合化した繊維強化樹脂には、生産性の向上が求められている。
例えば、特許文献2には、従来のエポキシ樹脂組成物と比較して、低温でも短時間で硬化が完了するエポキシ樹脂組成物が開示されている。
特許文献3には、架橋でき、かつ、ポリマー構造物を形成し得る、屈曲鎖部で連結された2個のメソゲンを持つ液晶ツインエポキシモノマー、及びこのモノマーと架橋剤との混合物を硬化させて得られる新規なスメクチック状網目構造を有するポリマーが開示されている。
特許文献4には、メソゲンを有するエポキシ樹脂モノマとエポキシ樹脂用硬化剤を含む熱硬化性エポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物であって、結晶相又は液晶相よりなる異方性構造を有する、熱伝導率が高い熱硬化性樹脂硬化物が開示されている。
制振材は、振動のエネルギーを熱に変換し減衰させるため、耐熱性が求められる。また、耐熱性が低い制振材は、発熱体の近傍で用いることができないなど、使用環境に制約がある。
特許文献1に記載の複合材料は、ガラス転移温度が低いエラストマーを20〜400重量部も含むため、耐熱性に関して改善の余地がある。
また、熱硬化性樹脂の硬化は、発熱反応である。
このため、特許文献2に記載のエポキシ樹脂組成物のように短時間で硬化が完了する場合、硬化中の温度制御が難しく、温度ムラにより硬化後の変形が発生しやすい。また、高温度の状態で低粘度化した樹脂の流動により、繊維の乱れやムラも発生するおそれがある。
本発明は、耐熱性、制振性及び生産性に優れた樹脂組成物及び樹脂硬化物並びにこれらを用いた製品を提供することを目的とする。
本発明の樹脂組成物は、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂又は他の有機化合物と架橋構造を形成可能な第一の官能基を有する有機化合物と、を含み、有機化合物は、可逆的に解離及び結合をする共有結合を形成可能な第二の官能基をその化学構造の末端部に有し、又は可逆的に解離及び結合をする共有結合をその化学構造の内部に有し、エポキシ樹脂は、マイクロドメインを形成可能な化学構造を有する。そして、この樹脂組成物を硬化して樹脂硬化物を得る。
本発明によれば、耐熱性、制振性及び生産性に優れた樹脂組成物及び樹脂硬化物並びにこれらを用いた製品を提供することができる。
最初に、本明細書に記載する用語について説明する。
「エポキシ樹脂」とは、分子中にエポキシ基を有するエポキシ化合物の集合体であって、硬化していないものをいう。
「樹脂組成物」とは、樹脂のモノマー、ダイマー、トリマー等を含む混合物であって、硬化させていないものをいう。樹脂組成物は、硬化剤及び触媒を含むことが望ましく、フィラ等を含んでもよい。
「樹脂硬化物」とは、樹脂組成物を加熱等により硬化させたものをいう。
「繊維含有樹脂組成物」とは、樹脂のモノマー、ダイマー、トリマー等と、繊維と、を含む混合物であって、硬化させていないものをいう。繊維含有樹脂組成物は、樹脂組成物と同様に、硬化剤及び触媒を含むことが望ましく、フィラ等を含んでもよい。なお、「繊維含有樹脂組成物」は、「樹脂組成物」に含まれる。よって、「樹脂組成物」が上位概念を表している。
「繊維含有樹脂硬化物」とは、繊維含有樹脂組成物を加熱等により硬化させたものをいう。なお、「繊維含有樹脂硬化物」は、「樹脂硬化物」に含まれる。よって、「樹脂硬化物」が上位概念を表している。
「製品」は、樹脂組成物又は樹脂硬化物を用いた物品の総称である。よって、「製品」は、樹脂組成物又は樹脂硬化物を用いた「部品」を備えたものであってもよい。「製品」には、電動機、後述する部品を備えた自動車、鉄道車両等が含まれる。また、「製品」又は「部品」には、樹脂組成物が乾燥した状態で含まれるプリプレグ、樹脂組成物が半硬化した状態で含まれるプリプレグ等も含まれる。すなわち、「製品」は、ここで挙げた具体例に限定されるものではなく、樹脂組成物又は樹脂硬化物を用いたあらゆる物品を含むものとする。
以下、本発明の樹脂組成物及び樹脂硬化物の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<熱硬化性樹脂>
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含むものである。熱硬化性樹脂として望ましいものは、液晶相を有するエポキシ樹脂である。液晶相を有するエポキシ樹脂は、例えば、特許文献3に開示されている液晶ツインエポキシモノマーである。
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含むものである。熱硬化性樹脂として望ましいものは、液晶相を有するエポキシ樹脂である。液晶相を有するエポキシ樹脂は、例えば、特許文献3に開示されている液晶ツインエポキシモノマーである。
液晶ツインエポキシモノマーは、下記一般式(1)で表される。
E−M−S−M−E …一般式(1)
(式中、Eはエポキシ基、Mはメソゲン、Sはスペーサ部を示す。)
図1は、本発明の樹脂硬化物の微視的構造を示す模式図である。
(式中、Eはエポキシ基、Mはメソゲン、Sはスペーサ部を示す。)
図1は、本発明の樹脂硬化物の微視的構造を示す模式図である。
本図に示すように、樹脂硬化物101は、樹脂の分子が規則的に配列した微細な領域であるマイクロドメイン102が不規則に集合した構造を有する。1つのマイクロドメイン102中に記載された線分は、隣り合う分子鎖が略平行に整列している状態を模式的に表したものである。この線分の向きが異なるマイクロドメイン102が集合して、樹脂硬化物101が構成されている。この状態は、偏光顕微鏡により観察可能なものである。すなわち、樹脂硬化物101は、液晶相を有するエポキシ樹脂が硬化したものである。
ここで、マイクロドメインとは、樹脂硬化物中に形成された液晶相に由来する微視的な構造をいう。マイクロドメインの直径は、一般に1μm以上であり、200μmに達する場合もある。マイクロドメインは、液晶の自己組織性により形成される。
液晶相には、様々な形態があるが、本発明においては、マイクロドメインの形成しやすさから、スメクチック相もしくはネマチック相が好ましい。
樹脂硬化物についてまとめると、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を化学的に結合した架橋構造を有し、架橋構造は、可逆的に解離及び結合をする共有結合をその末端部又は内部に有し、当該エポキシ樹脂は、マイクロドメインを形成している。
図2は、樹脂硬化物における振動の減衰を示すグラフである。横軸に時間、縦軸に振幅をとっている。
本図に示すように、樹脂硬化物を制振材として用いた場合、一般に、樹脂硬化物の定点における振動は、時間的に減衰し、ある時刻における振動のピークAn(極大値)に比べ、次のピークAn+1は、低くなる。振動の減衰比であるAn/An+1は、損失係数が大きいほど大きくなる。この損失係数は、樹脂硬化物の損失弾性率と貯蔵弾性率との比(tanδ)に依存している。tanδが大きいほど、減衰比が大きい。
一般に、樹脂硬化物の制振性を向上する手段としては、次の2つが考えられる。
(1)本図の最初のピークを下げるために繊維を混合する。これにより、入力の振動の周波数と固有振動数との差を大きくすることができる。
(2)樹脂硬化物の内部のマイクロドメインにより減衰率を高くする。
本発明の樹脂硬化物においては、液晶相に由来するマイクロドメインの境界部分で応力が分散されるため、マイクロドメインを形成しない通常の樹脂硬化物に比べて、tanδが大きくなる傾向があり、結果的に減衰比が大きくなる。このようにマイクロドメインの有無により減衰比が大きくなる現象については、従来、指摘されていなかったものである。
本発明の樹脂組成物は、液晶相を有するエポキシ樹脂と、所定のモノマー等の有機化合物と、を含むものである。ここで、当該所定のモノマーは、硬化時に動的共有結合を形成するモノマー、及び、モノマー骨格として動的共有結合を含む構造を有しかつ架橋構造を形成可能なモノマーの一方又は両方を含むものである。また、当該所定のモノマーは、硬化時に動的共有結合を形成可能なモノマー、又は他のモノマーと架橋構造を形成可能なモノマーであってもよい。まとめると、当該所定のモノマーは、動的共有結合をあらかじめ有するもの、動的共有結合を形成可能であるもの、若しくは架橋構造を形成可能なもの、又はこれらの複数種類のモノマーの混合物である。
言い換えると、当該有機化合物は、モノマー、ダイマー、トリマー等であって、エポキシ樹脂又は他の有機化合物と架橋構造を形成可能な第一の官能基を有する。ここで、「他の有機化合物」は、当該有機化合物と同種のものであってもよく、異なる化学構造を有するものであってもよい。
さらに、当該有機化合物は、可逆的に解離及び結合をする共有結合を形成可能な第二の官能基をその化学構造の末端部に有し、又は可逆的に解離及び結合をする共有結合をその化学構造の内部に有する。ここで、「可逆的に解離及び結合をする共有結合」とは、「動的共有結合」と同義である。
また、当該有機化合物の第一の官能基は、エポキシ樹脂又は他の有機化合物と可逆的に解離及び結合をする共有結合を形成可能であってもよい。
このほか、本発明の樹脂組成物は、硬化剤及び触媒を含むことが望ましい。このような混合物である樹脂組成物を繊維に含浸し、若しくは繊維と混合し、加熱等により硬化することにより、樹脂硬化物を得ることができる。なお、触媒は、必要に応じて添加してもよいし、無添加でもよい。
硬化時間および硬化温度は、用途に応じて、適宜調整する。硬化後に得られた繊維含有樹脂硬化物は、内部に動的共有結合、結合の組み換えを促進する触媒を有し、適宜交換反応が生じる。この動的共有結合部位の結合組み換え反応によって、熱硬化性樹脂であっても、硬化後に再成形が可能となり、成形性及び生産性が向上する。
また、樹脂硬化物を購入した者が加熱して変形することができるため、樹脂の用途を広げることができる。
次の反応式(1)は、動的共有結合の一つであるエステル交換反応の一例を表したものである。なお、反応式(1)は、ポリマー又は上記の所定のモノマーのエステル交換反応に関係する化学構造の一部を表したものである。式中、R、R1、R2はそれぞれ、任意の化学構造を表している。
本発明において用いる熱硬化性樹脂としては、エステル結合、イミン結合、四級アンモニウム塩結合、オキサゾリン結合、スピロオルトエステル結合、ほう酸エステル結合、ジスルフィルド結合等を有する樹脂が挙げられる。機械的強度の観点から、硬化時にエステル結合を形成するモノマー、あるいはモノマー骨格としてエステル結合を含む構造であることが望ましい。硬化時にエステル結合を形成するモノマーとしては、多官能のエポキシ基を有するエポキシ化合物が好ましい。
硬化剤としては、カルボン酸無水物又は多価カルボン酸が好ましい。さらに、エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型樹脂、ノボラック型樹脂、脂環式樹脂又はグリシジルアミン樹脂が好ましい。
エポキシ化合物の例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテルフェノール、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、レゾシノールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフロロアセトンジグリシジルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
硬化剤であるカルボン酸無水物又は多価カルボン酸の例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3−ドデセニル無水コハク酸、オクテニルコハク酸無水物、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ポリアゼライン酸無水物、エチレングリコール ビスアンヒドロトリメリテート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、多価脂肪酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エステル交換反応触媒としては、混合物中で均一に分散するものであることが好ましい。例えば、エステル交換反応を促進する触媒として、酢酸亜鉛(II)、亜鉛(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛(II)、アセチルアセトン鉄(III)、アセチルアセトンコバルト(II)、アルミニウムイソプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、メトキシド(トリフェニルホスフィン)銅(I)錯体、エトキシド(トリフェニルホスフィン)銅(I)錯体、プロポキシド(トリフェニルホスフィン)銅(I)錯体、イソプロポキシド(トリフェニルホスフィン)銅(I)錯体、メトキシドビス(トリフェニルホスフィン)銅(II)錯体、エトキシドビス(トリフェニルホスフィン)銅(II)錯体、プロポキシドビス(トリフェニルホスフィン)銅(II)錯体、イソプロポキシドビス(トリフェニルホスフィン)銅(II)錯体、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、二酢酸すず(II)、ジ(2−エチルヘキサン酸)すず(II)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、トリアザビシクロデセン、トリフェニルホスフィン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、可逆的に解離、結合する共有結合を有するモノマーは、ヒドロキシル基、エステル結合基及びビニル基を有するビニルモノマであってもよい。この場合において、樹脂組成物には、重合開始触媒及びエステル交換反応触媒のうち少なくとも1つが含まれていることが望ましい。
ビニルモノマとして用いることができるものの具体例としては、2−ヒドロキシメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ジビニルエチレングリコール、モノメチルフマレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、エチル2−(ヒドロキシメチル)アクリレート、グリセロールジメタクリレート、アリルアクリレート、メチルクロトネート、メチルメタクリレート、メチル3,3−ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリラート、エチレングリコールジメタクリラート、トリエチレングリコールジメタクリラート、ジメチルフマレート、フマル酸、1,4−ブタンジオールジメタクリラート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート、1,3−ブタンジオールジメタクリラート、テトラエチレングリコールジメタクリラート、テトラエチレングリコールジアクリラート、ビニルクロトネート、クロトン酸無水物、マレイン酸ジアリル、ネオペンチルグリコールジアクリラート、ネオペンチルグリコールジメタクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、トリメチロールプロパントリメタクリラート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
重合開始触媒としては、過酸化物系化合物、アゾ系化合物等が考えられる。具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等のアゾ化合物、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート等のパーオキシエステル類、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等のペルオキシカーボネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エステル交換反応触媒としては、混合物中で均一に分散し、エステル交換反応を促進するものであることが好ましい。例えば、酢酸亜鉛(II)、亜鉛(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛(II)、アセチルアセトン鉄(III)、アセチルアセトンコバルト(II)、アセチルアセトンコバルト(III)、アルミニウムイソプロポキシド、チタニウムイソプロポキシド、メトキシド(トリフェニルホスフィン)銅(I)錯体、エトキシド(トリフェニルホスフィン)銅(I)錯体、プロポキシド(トリフェニルホスフィン)銅(I)錯体、イソプロポキシド(トリフェニルホスフィン)銅(I)錯体、メトキシドビス(トリフェニルホスフィン)銅(II)錯体、エトキシドビス(トリフェニルホスフィン)銅(II)錯体、プロポキシドビス(トリフェニルホスフィン)銅(II)錯体、イソプロポキシドビス(トリフェニルホスフィン)銅(II)錯体、トリス(2,4−ペンタンジオナト)コバルト(III)、ナフテン酸コバルト(II)、ステアリン酸コバルト(II)、二酢酸すず(II)、ジ(2−エチルヘキサン酸)すず(II)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、トリアザビシクロデセン、トリフェニルホスフィン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、可逆的に解離、結合する共有結合を有する樹脂組成は、可逆的に解離、結合する共有結合を有する架橋成分を導入した熱可塑性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
可逆的に解離、結合する共有結合を有する架橋成分としては、アルコキシアミン骨格、ジアリールビベンゾフラン骨格又はジオキサボラン骨格を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<繊維>
本発明における繊維は、無機繊維及び有機繊維が使用できる。例えば、無機繊維として、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、チラノ繊維(登録商標)、炭化ケイ素繊維、金属繊維などが挙げられる。有機繊維としては、高強度ポリエチレン繊維、ポリアセタール繊維、脂肪族又は芳香族ポリアミド繊維、ポリアクリレート繊維、フッ素繊維、ボロン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アラミド繊維、PBO繊維(ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール:ザイロン(登録商標))などが挙げられる。また、ラミーやセルロースなどの植物由来の繊維(植物繊維)などが挙げられる。なお、セルロースは、セルロースナノファイバも含む。
本発明における繊維は、無機繊維及び有機繊維が使用できる。例えば、無機繊維として、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、チラノ繊維(登録商標)、炭化ケイ素繊維、金属繊維などが挙げられる。有機繊維としては、高強度ポリエチレン繊維、ポリアセタール繊維、脂肪族又は芳香族ポリアミド繊維、ポリアクリレート繊維、フッ素繊維、ボロン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アラミド繊維、PBO繊維(ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール:ザイロン(登録商標))などが挙げられる。また、ラミーやセルロースなどの植物由来の繊維(植物繊維)などが挙げられる。なお、セルロースは、セルロースナノファイバも含む。
これらの繊維は、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの繊維のうち、機械的強度などの点から無機繊維、特に炭素繊維が好ましい。炭素繊維は、その原料により、合成高分子由来の炭素繊維(ポリアクリロニトリル系、ポリビニルアルコール系、レーヨン系炭素繊維などと鉱物由来の炭素繊維(ピッチ系炭素繊維など)とに分類できる。これらのうち、機械的強度の観点から合成高分子由来の炭素繊維が好ましい。
これらの繊維は、連続繊維、長繊維、短繊維、チョップドなどの形状で、一方向材、平織り、不職布などの形状で用いられる。また、樹脂中に直接添加して用いられることもあるが、本発明の実施形態は、これらの繊維形状、繊維状態に限定されるものではない。
本発明の繊維含有樹脂組成物は、例えば、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の移動体や、風力発電機用ブレード、ファンブレード、さらに、ユニットバス、浄化槽、プリント基板、遊具、スキー板等、各種分野で使用される部品や製品本体に使用することができる。
<フィラ>
本発明における繊維含有樹脂組成物は、フィラを含有してもよい。フィラは、樹脂の様々な特性、例えば、粘度、熱膨張率、吸水率、硬度、熱伝導率等を調整するために添加される。具体的には、タルク、マイカ、金属粉、炭素粉、無機セラミックが挙げられる。なかでも、酸化アルミ、窒化アルミ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素などが好ましい。
本発明における繊維含有樹脂組成物は、フィラを含有してもよい。フィラは、樹脂の様々な特性、例えば、粘度、熱膨張率、吸水率、硬度、熱伝導率等を調整するために添加される。具体的には、タルク、マイカ、金属粉、炭素粉、無機セラミックが挙げられる。なかでも、酸化アルミ、窒化アルミ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素などが好ましい。
次に、実施例を示しながら本発明を更に具体的に説明する。
繊維含有樹脂組成物は、以下の手順で作製した。
まず、液晶相を有するエポキシ樹脂として、特許文献3の合成例3に記載のツイン8a(4−(2−プロペニルオキシ)安息香酸−1,8−オクタンジイルビス(オキシ−4,1−フェニレン)エステル)を合成した。このツイン8aは、ネマチック相を有する。
このツイン8aと、ツイン8aのエポキシ当量に対して1/2当量の酸無水物(HN−2200、日立化成(株)製)と、ツイン8aの20mol%の亜鉛(II)アセチルアセトナート(東京化成工業(株)製)とをクロロホルム中で混合し、溶解させた。この混合液を東レ(株)製の炭素繊維クロスCO6343(1枚)に含浸させ、繊維含有樹脂組成物とした。これを100℃で2時間程度加熱し、溶剤を揮発させ除去した。
次に、樹脂を含浸した炭素繊維クロスを160℃で4時間加熱し硬化させ、繊維含有樹脂硬化物を作製した。
繊維を含まない状態で硬化させた樹脂硬化物を偏光顕微鏡で観察したところ、ネマチック相由来と思われるマイクロドメインが観察された。
繊維含有樹脂組成物は、以下の手順で作製した。
まず、液晶相を有するエポキシ樹脂として、特許文献4に記載のTw8(4−(オキシラニルメトキシ)ベンゾイックアシッド−4,4’−〔1,8−オクタンジイルビス(オキシ)〕ビスフェノールエステル)を用いた。このTw8は、スメクチック相を有する。
このTw8と、Tw8のエポキシ当量に対して1/2当量の酸無水物(HN−2200、日立化成(株)製)と、Tw8の20mol%の亜鉛(II)アセチルアセトナート(東京化成工業(株)製)とをクロロホルム中で混合し、溶解させた。この混合液に東レ(株)製の炭素繊維ミルドファイバMLD−300を樹脂分と同量加え混合し、繊維含有樹脂組成物とした。この繊維含有樹脂組成物をテフロン(登録商標)のシート上に展開し、100℃で2時間程度加熱し、溶剤を揮発させ除去した。さらに、200℃で2時間加熱し硬化させ、繊維含有樹脂硬化物を作製した。
繊維を含まない状態で硬化させた樹脂硬化物を偏光顕微鏡で観察したところ、スメクチック相由来と思われるマイクロドメインが観察された。
(比較例1)
比較例1となる繊維含有樹脂組成物は、以下の手順で作製した。
比較例1となる繊維含有樹脂組成物は、以下の手順で作製した。
酸無水物(HN−2200、日立化成(株)製)89.6質量部に対して、硬化促進剤である2E4MZ−CN(四国化成製)0.3質量部を添加し、攪拌して混合する。この混合液にエポキシ樹脂であるjER828(三菱ケミカル製)100質量部を加え、攪拌して混合し、樹脂原料液を得た。jER828は、いかなる温度においても液晶相を発現しない。また、この混合比では、エポキシ樹脂と硬化剤とが当量比で混合されている。得られた原料液を東レ(株)製の炭素繊維クロスCO6343(1枚)に含浸させ、繊維含有樹脂組成物とした。
この繊維含有樹脂組成物を160℃で2時間加熱硬化させ、繊維含有樹脂硬化物を作製した。繊維を含まない状態で硬化させた樹脂硬化物を偏光顕微鏡で観察したところ、液晶相由来の光学異方性は全く観察されなかった。
(比較例2)
比較例2となる繊維含有樹脂組成物は、以下の手順で作製した。
比較例2となる繊維含有樹脂組成物は、以下の手順で作製した。
エポキシ樹脂であるjER828(三菱ケミカル製)100質量部に対して、エステル交換反応触媒である亜鉛(II)アセチルアセトナート(東京化成工業(株)製)を14.2質量部加え、溶解させる。これに、硬化剤としてHN−2200(日立化成(株)製)を44.8質量部加え、攪拌して混合した。jER828は、いかなる温度においても液晶相を発現しない。また、この混合比では、エポキシ樹脂に対して硬化剤である酸無水物は1/2当量となっている。得られた原料液を東レ(株)製の炭素繊維クロスCO6343(1枚)に含浸させ、繊維含有樹脂組成物とした。
この繊維含有樹脂組成物を160℃で2時間加熱硬化させ、繊維含有樹脂硬化物を作製した。繊維を含まない状態で硬化させた樹脂硬化物を偏光顕微鏡で観察したところ、液晶相由来の光学異方性は全く観察されなかった。
(応力緩和の測定)
動的共有結合及びマイクロドメインによる応力緩和を測定するため、実施例1及び2並びに比較例1及び2で作製した樹脂硬化物であって繊維を含まないものについて、TMA(熱機械分析)を行った。
動的共有結合及びマイクロドメインによる応力緩和を測定するため、実施例1及び2並びに比較例1及び2で作製した樹脂硬化物であって繊維を含まないものについて、TMA(熱機械分析)を行った。
TMAで伸びを5%に固定し、180℃で加熱し、応力変化を測定した。
その結果、実施例1及び2の樹脂硬化物では、時間と共に、応力が減少し、40分経過時点で応力が約50%減少した。これに対して、比較例1の樹脂硬化物では、応力が全く低下しなかった。一方、比較例2では、40分後に応力が約35%低下した。これは、動的共有結合が組み換わることで応力を緩和していることに加え、液晶相由来のマイクロドメインによっても応力緩和が促進されたためである。加熱によって応力緩和が起こることは、硬化後であっても加熱成形ができることを示している。
(振動減衰特性の測定)
JIS G0602:1993に準拠し、実施例1及び比較例1で作製した繊維含有樹脂硬化物の振動減衰特性を測定した。測定は、片端固定の打撃加振法を用いた。測定の結果、実施例1及び実施例2の繊維含有樹脂硬化物の損失係数は、それぞれ0.5、0.55であるのに対して、比較例1及び比較例2の繊維含有樹脂硬化物では、それぞれ0.2、0.3と低い値であった。
JIS G0602:1993に準拠し、実施例1及び比較例1で作製した繊維含有樹脂硬化物の振動減衰特性を測定した。測定は、片端固定の打撃加振法を用いた。測定の結果、実施例1及び実施例2の繊維含有樹脂硬化物の損失係数は、それぞれ0.5、0.55であるのに対して、比較例1及び比較例2の繊維含有樹脂硬化物では、それぞれ0.2、0.3と低い値であった。
実施例1及び2の大きな損失係数は、液晶由来のマイクロドメインと、樹脂組成比による損失弾性率とに起因している。
このように、本発明の繊維含有樹脂硬化物は、制振性及び生産性に優れているため、振動やそれに伴う音を発する製品、例えば、自動車、鉄道車両等の構造部材、内装部材等、モータ等の電動機の固定子、回転子等に適用することが可能である。
図3は、本発明の樹脂硬化物を用いた電動機の断面を示したものである。
本図において、電動機300(モータ等)は、ティース12及びバックヨーク13からなるコア17(鉄心)と、コイル14と、回転子16と、を備えている。回転子16の表面には、磁石11a、11bが配置されている。ティース12及びバックヨーク13は、それぞれ別々に作製し、これらを結合することにより、コア17を作製してもよい。
コイル14は、ティース12及びバックヨーク13で囲まれた空間に配置されている。コイル14の周囲は、樹脂硬化物18でモールドされている。樹脂硬化物18は、本発明に係るものであり、樹脂組成物を注入して硬化させることにより作製する。
図4は、本発明の樹脂硬化物を含む樹脂成形体の部品を備えた自動車を示す外観図である。
本図において、自動車400は、フード40、ルーフ41、バンパー42、ドア43及びシート44を有している。これらの部品は、剛性部材で全て又は一部が形成されている。よって、剛性部材が本発明の適用対象である。これらの部品の全て又は一部に本発明の樹脂硬化物を適用する。
樹脂成形体は、繊維により強度を高めたFRPを用いることが望ましい。ここで、FRPを構成する繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、アラミド繊維等が好適である。樹脂成形体には、必要に応じて顔料などの添加物を加えてもよい。
図5は、本発明の樹脂硬化物を含む樹脂成形体の部品を備えた列車を模式的に示したものである。
本図において、列車500は、鉄道車両50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50hの8両編成で構成されている。本発明の樹脂硬化物を含むFRPは、鉄道車両50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50hの台枠、台車カバー、窓枠、内装部品等に好適である。
11a、11b:磁石、12:ティース、13:バックヨーク、14:コイル、16:回転子、17:コア、18、101:樹脂硬化物、40:フード、41:ルーフ、42:バンパー、43:ドア、44:シート、50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50h:鉄道車両、102:マイクロドメイン、300:電動機、400:自動車、500:列車。
Claims (20)
- メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂と、
前記エポキシ樹脂又は他の有機化合物と架橋構造を形成可能な第一の官能基を有する有機化合物と、を含み、
前記有機化合物は、可逆的に解離及び結合をする共有結合を形成可能な第二の官能基をその化学構造の末端部に有し、又は可逆的に解離及び結合をする共有結合をその化学構造の内部に有し、
前記エポキシ樹脂は、マイクロドメインを形成可能な化学構造を有する、樹脂組成物。 - 前記有機化合物の前記第一の官能基は、前記エポキシ樹脂又は前記他の有機化合物と可逆的に解離及び結合をする共有結合を形成可能である、請求項1記載の樹脂組成物。
- 前記マイクロドメインは、スメクチック相又はネマチック相である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記共有結合の少なくとも一部は、エステル結合である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 繊維を更に含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記繊維は、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維又は植物繊維である、請求項5記載の樹脂組成物。
- フィラを更に含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂は、下記一般式(1)で表される、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
E−M−S−M−E …(1)
(式中、Eはエポキシ基、Mはメソゲン、Sはスペーサ部を示す。) - 前記有機化合物は、硬化剤である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記硬化剤は、カルボン酸無水物又は多価カルボン酸である、請求項9記載の樹脂組成物。
- 樹脂組成物を硬化したものであって、
前記樹脂組成物は、
メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂と、
前記エポキシ樹脂又は他の有機化合物と架橋構造を形成可能な第一の官能基を有する有機化合物と、を含み、
前記有機化合物は、可逆的に解離及び結合をする共有結合を形成可能な第二の官能基をその化学構造の末端部に有し、又は可逆的に解離及び結合をする共有結合をその化学構造の内部に有し、
前記エポキシ樹脂は、マイクロドメインを形成可能な化学構造を有する、樹脂硬化物。 - 前記有機化合物の前記第一の官能基は、前記エポキシ樹脂又は前記他の有機化合物と可逆的に解離及び結合をする共有結合を形成可能である、請求項11記載の樹脂硬化物。
- メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を化学的に結合した架橋構造を有し、
前記架橋構造は、可逆的に解離及び結合をする共有結合をその末端部又は内部に有し、
前記エポキシ樹脂は、マイクロドメインを形成している、樹脂硬化物。 - 前記マイクロドメインは、スメクチック相又はネマチック相である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の樹脂硬化物。
- 前記共有結合の少なくとも一部は、エステル結合である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の樹脂硬化物。
- 繊維を更に含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の樹脂硬化物。
- 前記繊維は、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維又は植物繊維である、請求項16記載の樹脂硬化物。
- フィラを更に含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載の樹脂硬化物。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を用いて作製した、製品。
- 請求項11〜13のいずれか一項に記載の樹脂硬化物を含む、製品。
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