JP2020151087A - 吸収性物品 - Google Patents

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里穂 吉田
中岡 健次
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【課題】アウターカバーとインナーパッドを有する吸収性物品であって、インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置して用いる際、インナーパッドがアウターカバーに対してずれにくく、またインナーパッドをアウターカバーから簡単に取り外すことができる吸収性物品を提供する。【解決手段】アウターカバー11と、アウターカバー11の肌面側に載置されるインナーパッド21を有する吸収性物品1であって、アウターカバー11は、前後方向yに前腹部と後背部とそれらの間に位置する股部とを有し、前腹部と後背部が着用者の腰回りを覆うように装着され、インナーパッド21はアウターカバー11の股部に載置され、アウターカバー11は肌面側にアウター滑り止め部15が設けられ、インナーパッド21は吸収体24を備え、非肌面側にインナー滑り止め部25が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、アウターカバーとインナーパッドを有する吸収性物品に関するものである。
従来、尿パッドなどの吸収体を備えたインナーパッドを、着用者の股部に当てて装着するためのアウターカバー、いわゆるおむつカバーが知られている。例えば特許文献1には、内側に平板型使い捨ておむつを収納して使用する使い捨ておむつカバーであって、おむつカバーは透液性の表面シートと非透液性の裏面シートの間に吸収部材が装填されており、おむつカバーの左右両側部にはファスニングテープが配設され、胴部相当部および脚部相当部に弾性体が添設されている使い捨ておむつカバーが開示されている。特許文献2には、第1吸収体を肌面側に取り付けたシート状のおむつカバー本体と、自由端部に前後方向に延びる弾性部材が伸長状態で接合された左右の立ち上がりフラップとが設けられた使い捨ておむつカバーであって、おむつカバー本体の肌面側に、前記左右の立ち上がりフラップの基端部が第1吸収体の左右側縁部よりも外方に離間されてそれぞれ取り付けられ、この離間距離が、第1吸収体の上に載置可能な第2吸収体の横幅よりも広く設定されている使い捨ておむつカバーが開示されている。特許文献3には、交換式の吸収性パッドを着脱自在としたパンツ型使い捨ておむつカバーであって、股部に前端部と後端部が固定されたパッド固定シートが設けられ、股部を横断して腰周りの両側部に延びるように湾曲状に弾性部材が配されているパンツ型使い捨ておむつカバーが開示されている。
特開平8−150163号公報 特開2002−272787号公報 特開2007−167534号公報
肌面側にインナーパッドを載置して用いるアウターカバーは、着用者から排泄された尿等をインナーパッドが好適に受けることができるように、アウターカバーの肌面側の適切な位置にインナーパッドがずれることなく配置されることが求められる。これにより、着用者から排泄された尿等を確実に吸収し、尿等の漏れを防止することができる。一方、インナーパッドは、着用者から排泄された尿等の吸収状況に応じて、適宜交換して使用することが想定されているが、インナーパッドの交換作業を容易に行えることが望ましい。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アウターカバーとインナーパッドを有する吸収性物品であって、インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置して用いる際、インナーパッドがアウターカバーに対してずれにくく、またインナーパッドをアウターカバーから簡単に取り外すことができる吸収性物品を提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の吸収性物品とは、前後方向と幅方向を有し、アウターカバーと、アウターカバーの肌面側に載置されるインナーパッドを有する吸収性物品であって、アウターカバーは、前後方向に前腹部と後背部とそれらの間に位置する股部とを有し、前腹部と後背部が着用者の腰回りを覆うように装着され、インナーパッドはアウターカバーの股部に載置され、アウターカバーは肌面側にアウター滑り止め部が設けられ、インナーパッドは吸収体を備え、非肌面側にインナー滑り止め部が設けられているところに特徴を有する。
本発明の吸収性物品は、インナーパッドとアウターカバーの組み合わせにより構成され、インナーパッドの非肌面側とアウターカバーの肌面側にそれぞれ滑り止め部が設けられているため、インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置して用いる際、インナーパッドがアウターカバーに対してずれにくくなり、インナーパッドを所定の位置に安定して載置しやすくなる。一方、インナーパッドを交換する際は、インナーパッドをアウターカバーから簡単に取り外すことができるため、インナーパッドの交換作業が容易になる。
インナー滑り止め部とアウター滑り止め部の一方は、前後方向に延在して設けられ、インナー滑り止め部とアウター滑り止め部の他方は、幅方向に延在して設けられていることが好ましい。このようにインナー滑り止め部とアウター滑り止め部を設けることにより、インナー滑り止め部とアウター滑り止め部が互いに接触しやすくなり、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができる。
インナー滑り止め部は前後方向に延在して設けられ、アウター滑り止め部は幅方向に延在して設けられていることが好ましい。インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置して装着した場合、インナーパッドは着用者の股間部で幅方向よりも前後方向により湾曲しやすくなる。この際、インナー滑り止め部を前後方向に延在するように設けると、インナーパッドの前後方向の湾曲に対抗して、インナー滑り止め部は前後方向の平面状態を保とうと作用する。一方、アウター滑り止め部は幅方向に延在して設けられるため、アウターカバーを装着した際、アウターカバーは着用者の股間部の形状に合わせて前後方向に湾曲形成しやすくなる。そのため、インナー滑り止め部がアウターカバーの肌面側に強く接触しやすくなり、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができる。
アウター滑り止め部は前腹部と後背部にそれぞれ設けられ、インナー滑り止め部の前後方向の長さは、前腹部のアウター滑り止め部と後背部のアウター滑り止め部の離間距離よりも長いことが好ましい。これにより、インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置した際、インナー滑り止め部を前腹部のアウター滑り止め部と後背部のアウター滑り止め部の両方に接触させることができ、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができる。また、インナーパッドの前後方向の長さがより長く形成されることにより、インナーパッドによる吸収性能を高めることができる。
インナー滑り止め部は、インナーパッドの吸収体と重なって設けられていることが好ましい。インナー滑り止め部をインナーパッドの吸収体と重なる位置に配置することにより、インナー滑り止め部がアウターカバーの肌面側に強く接触しやすくなり、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができる。
アウターカバーは吸収体を備えることが好ましい。アウターカバーが吸収体を有していれば、インナーパッドから尿等が溢れても、溢れた尿等をアウターカバーの吸収体によって好適に吸収することができる。
アウターカバーが吸収体を有する場合、アウター滑り止め部は、アウターカバーの吸収体と重なって設けられることが好ましい。アウター滑り止め部をアウターカバーの吸収体と重なる位置に配置することにより、アウター滑り止め部がインナーパッドの非肌面側に強く接触しやすくなり、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができる。
アウターカバーの吸収体は、アウターカバーの幅方向の中央部に、前後方向に延びる開口または凹部が設けられ、アウター滑り止め部は、当該開口または凹部と重ならずに設けられていることが好ましい。このようにアウターカバーの吸収体が形成されることにより、吸収体の開口または凹部が形成された部分でアウターカバーが凹んで形成され、インナーパッドをアウターカバーの所定の位置に安定して載置しやすくなる。この場合、アウター滑り止め部を、吸収体の開口または凹部と重ならずに設けることにより、アウター滑り止め部がインナーパッドの非肌面側に強く接触しやすくなり、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができる。
アウター滑り止め部は、白色以外に着色されていることが好ましい。これにより、アウター滑り止め部を目安としてインナーパッドをアウターカバーの肌面側の適切な位置にセットしやすくなる。
アウターカバーの肌面側には、幅方向の両側に前後方向に延びる防漏フラップが設けられないことが好ましい。アウターカバーに防漏フラップが設けられなければ、アウターカバーの肌面側にインナーパッドを載置した際に、着用者の股間部での嵩張りを抑えることができる。なお、本発明の吸収性物品は、アウターカバーに防漏フラップが設けられなくても、インナー滑り止め部とアウター滑り止め部によって、インナーパッドを所定の位置に維持することが容易になる。
本発明の吸収性物品は、インナーパッドとアウターカバーの組み合わせにより構成され、インナーパッドの非肌面側とアウターカバーの肌面側にそれぞれ滑り止め部が設けられている。そのため、インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置して用いる際、インナーパッドがアウターカバーに対してずれにくくなり、インナーパッドを安定して載置しやすくなる。一方、インナーパッドを交換する際は、インナーパッドをアウターカバーから簡単に取り外すことができるため、インナーパッドの交換作業が容易になる。
本発明の吸収性物品の一例を表し、吸収性物品を肌面側から見た一部切欠き平面図を表す。 図1に示した吸収性物品のアウターカバーを肌面側から見た平面図を表す。 図1に示した吸収性物品のインナーパッドを肌面側から見た平面図を表す。 図1に示した吸収性物品のインナーパッドを非肌面側から見た平面図を表す。 図1に示した吸収性物品のV−V断面図を表す。
本発明の吸収性物品は、アウターカバーと、アウターカバーの肌面側に載置されるインナーパッドを有するものである。吸収性物品を着用の際、アウターカバーは着用者の腰回りを覆うように装着され、インナーパッドはアウターカバーの股部の肌面側に載置して用いられる。インナーパッドはアウターカバーから取り外し可能に設けられ、インナーパッドは着用者から排泄された尿等の吸収状況に応じて、適宜交換することができる。本発明の吸収性物品は、このようにインナーパッドとアウターカバーの組み合わせにより構成されており、インナーパッドの非肌面側とアウターカバーの肌面側にそれぞれ滑り止め部が設けられている。このようにインナーパッドとアウターカバーが構成されることにより、インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置して用いる際、インナーパッドがアウターカバーに対してずれにくくなり、インナーパッドを所定の位置に安定して載置しやすくなり、一方、インナーパッドを交換する際は、インナーパッドをアウターカバーから簡単に取り外すことができる。
吸収性物品は、前後方向と幅方向とを有する。前後方向とは、吸収性物品を着用者が着用した際に、着用者の股間の前後方向に延びる方向を意味する。幅方向とは、吸収性物品と同一面上にあり前後方向と直交する方向を意味し、吸収性物品を着用した際の着用者の左右方向に相当する。また、前後方向と幅方向から形成される面に対して垂直方向を厚み方向とする。さらに、吸収性物品を着用者が着用した際に、着用者の肌に向かう側を肌面側とし、その反対側を非肌面側とする。
アウターカバーは、前後方向に前腹部と後背部とそれらの間に位置する股部とを有し、前腹部と後背部が着用者の腰回りを覆うように装着される。前腹部は、アウターカバーを装着した際に着用者の腹側に当てる部分に相当し、後背部は、アウターカバーを装着した際に着用者の背側に当てる部分に相当する。股部は、前腹部と後背部との間に位置し、着用者の股間に当てる部分、すなわち大腿部に挟まれる部分となる。アウターカバーは、前腹部と後背部とで着用者の腰回りを覆うように装着され、装着の際にパンツ形状を有する。パンツ形状とは、1つのウェスト開口部と2つの脚開口部を有する形状を意味する。ウェスト開口部は着用者の胴を通すための開口であり、脚開口部は着用者の脚を通すための開口である。
アウターカバーは、着用前からパンツ形状に形成されていてもよく、着用の際にパンツ形状に形成可能なものであってもよい。後者の場合、アウターカバーとしては、後背部の幅方向の両側に止着部材が設けられ、当該止着部材を前腹部に止着することによってパンツ形状に形成するものや、後背部の幅方向の両側部が帯状に形成され、当該帯状の両側部を着用者の腰回りで互いに接続し、ここに前腹部を止着することによってパンツ形状に形成するものなどが挙げられる。
アウターカバーを構成する材料は特に限定されない。アウターカバーを構成する材料としては、不織布、織布、編布、プラスチックフィルム、およびこれらの積層体等を使用できる。アウターカバーの構成材料として不織布、織布、編布等の布材料を用いる場合、布材料を構成する繊維としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン等の合成繊維、パルプ、綿、絹等の天然繊維を用いればよい。アウターカバーの構成材料としてプラスチックフィルムを用いる場合は、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン等の合成樹脂を用いればよい。アウターカバーは、液透過性であっても、液不透過性であってもよい。
アウターカバーは吸収体を備えるものであってもよい。アウターカバーが吸収体を有していれば、インナーパッドから尿等が溢れても、溢れた尿等をアウターカバーによって好適に吸収することができる。この場合、アウターカバーは、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に吸収体が配された構成を有することが好ましい。液透過性のトップシートの幅方向の両側には、液不透過性のサイドシートが設けられ、吸収体の一部がサイトシートとバックシートの間に配されてもよい。アウターカバーに配される吸収体は、少なくともアウターカバーの股部にあればよく、アウターカバーの前腹部および/または後背部にも延在していてもよい。
インナーパッドは、アウターカバーの股部に載置され、アウターカバーの前腹部および/または後背部にも延びるように載置されてもよい。インナーパッドの形状としては、略長方形、長円形、砂時計形、ひょうたん形等が示される。インナーパッドは、アウターカバーよりも幅方向の長さが短く形成されることが好ましく、アウターカバーよりも前後方向の長さが短く形成されることが好ましい。
インナーパッドには吸収体が備えられている。インナーパッドは、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートの間に吸収体が配された構成を有することが好ましい。液透過性のトップシートの幅方向の両側には、液不透過性のサイドシートが設けられ、吸収体の一部がサイトシートとバックシートの間に配されてもよい。
インナーパッドとアウターカバーにおいて、トップシートは吸収体の肌面側に配されるシート部材となる。トップシートとしては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や;ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシートとして、織布、編布、有孔プラスチックフィルム等を用いてもよい。
インナーパッドとアウターカバーにおいて、バックシートは吸収体の非肌面側に配されるシート部材となる。バックシートとしては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。また、バックシートとして、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。
インナーパッドとアウターカバーにおいてトップシートの幅方向の両側にサイドシートが設けられる場合、サイドシートとしては、バックシートに使用可能なシート部材を用いることができる。
トップシートやバックシートやサイドシートとして不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることが好ましい。
インナーパッドとアウターカバーに配される吸収体は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いることができ、当該成形体は紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布シート等の被覆シートで覆われていてもよい。吸収性材料としては、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。従って、吸収体は親水性繊維(特にパルプ繊維)と吸水性樹脂を含むことが好ましい。この場合、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
吸収体は、シート状吸収体であってもよい。シート状吸収体としては、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように形成されたものが挙げられる。このように形成されたシート状吸収体は、不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができる。
シート状吸収体は、吸収性材料として吸水性繊維を用いてもよい。この場合もまた、シート状吸収体は嵩張らず薄型に形成することができる。吸水性繊維としては、プロトン化または塩形成したカルボキシル基を含有する繊維が挙げられる。例えば、アクリル繊維を加水分解して、アクリル繊維に含まれるニトリル基をカルボキシル基に変換することにより、吸水性繊維を得ることができる。このとき、吸水性繊維に含まれるカルボキシル基は、アルカリ金属塩またはアンモニア塩を形成していることが好ましい。また吸水性繊維は、親水性繊維をアクリル酸に浸漬し、繊維表面でアクリル酸を析出させることにより製造することができる。
シート状吸収体はアウターカバーの吸収体として用いられることが好ましく、これにより、アウターカバーにインナーパッドを重ねて用いても、吸収性物品の厚み方向の嵩張りを抑えることができる。もちろん、インナーパッドの吸収体にもシート状吸収体を用いてもよく、これにより吸収性物品の嵩張りをさらに抑えることができる。
同様の観点から、アウターカバーの吸収体(特に吸収体を構成する吸収性材料の成形体)は、アウターカバーの幅方向の中央部に、前後方向に延びる開口または凹部が設けられることも好ましい。アウターカバーの吸収体の開口または凹部は、アウターカバーの幅方向の中心線を含む位置に、前後方向に長い形状で形成されればよい。この場合のアウターカバーの吸収体は、シート状吸収体に限定されず、親水性繊維を含むものであってもよい。アウターカバーの吸収体にこのように開口または凹部が設けられることにより、アウターカバーにインナーパッドを重ねて用いた際に、吸収性物品の嵩張りを抑えることができる。また、アウターカバーが吸収体の開口または凹部が形成された部分で凹んで形成されることにより、インナーパッドをアウターカバーの所定の位置に安定して載置しやすくなる。
開口は、吸収体を厚み方向に貫通して設けられる。凹部は、例えば、吸収体の部分的に圧縮されることにより形成されたり、吸収体の目付が部分的に減らされることにより形成される。この場合、吸収体の圧縮された部分や、目付が減らされた部分が、凹部として形成される。なお、吸収体の凹部は、吸収体の目付が部分的に減らされることにより形成されることが好ましく、これにより吸収体を凹部で窪んだ形状に形成しやすくなる。この場合、凹部は、目付けが、凹部以外の部分よりも60質量%以下(より好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下である)となるように形成されることが好ましい。凹部は、吸収体の肌面側に形成されることが好ましい。
アウターカバーの吸収体の開口または凹部の幅方向の長さは、アウターカバーの吸収体の最も幅狭な部分の幅方向の長さの5%以上であることが好ましく、8%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましく、また50%以下が好ましく、35%以下がより好ましく、25%以下がさらに好ましい。なお、吸収体の最も幅狭な部分とは、吸収体を前後方向に前方部と後方部とこれらの間の中間部とに3分割した場合に、中間部において幅方向に最も狭く形成された部分を意味する。吸収体が略長方形である場合は、吸収体は前後方向の全てが最も幅狭な部分となる。開口または凹部は、前後方向の長さが、アウターカバーの吸収体の前後方向の長さの20%以上であることが好ましく、25%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましく、また75%以下が好ましく、70%以下がより好ましく、65%以下がさらに好ましい。なお、ここで説明した長さは、吸収性物品に弾性部材が設けられる場合は、当該弾性部材を完全に伸張させた状態(すなわち、弾性部材を除去した状態あるいは弾性部材を細かく切断して弾性部材の収縮力が発現しない状態)で測定した長さを意味する。
吸収体の形状(平面形状)は特に限定されない。吸収体の形状は、用途に応じて適宜決定すればよく、例えば、略長方形、砂時計形、ひょうたん形、羽子板形等が挙げられる。
インナーパッドおよび/またはアウターカバーは、肌面側に防漏フラップを備えるものであってもよい。防漏フラップは、インナーパッドまたはアウターカバーの幅方向の両側に前後方向に延びるように設けられ、これにより尿等の横漏れを防止することができる。防漏フラップには前後方向に延びる弾性部材が設けられることが好ましく、当該弾性部材の収縮力によって防漏フラップの起立を促すことができる。
吸収性物品は、インナーパッドの非肌面側と、アウターカバーの肌面側に、それぞれ滑り止め部が設けられる。本発明では、インナーパッドの非肌面側に設ける滑り止め部を「インナー滑り止め部」と称し、アウターカバーの肌面側に設ける滑り止め部を「アウター滑り止め部」と称する。このようにインナー滑り止め部とアウター滑り止め部を設けることにより、アウターカバーの肌面側にインナーパッドを載置して用いる際、インナーパッドがアウターカバーに対してずれにくくなり、インナーパッドを所定の位置に安定して載置しやすくなる。一方、インナーパッドを交換する際は、インナーパッドをアウターカバーから簡単に取り外すことができるため、インナーパッドの交換作業が容易になる。
インナー滑り止め部はインナーパッドの非肌面側に露出して設けられる。インナーパッドがトップシートとバックシートの間に吸収体が配されて構成される場合は、インナー滑り止め部はインナーパッドのバックシートの非肌面側に設けられることが好ましい。アウター滑り止め部はアウターカバーの肌面側に露出して設けられる。アウターカバーがトップシートとバックシートの間に吸収体が配されて構成される場合は、アウター滑り止め部はアウターカバーのトップシートの肌面側に設けられることが好ましい。なお、インナーパッドはアウターカバーに固定されないことが好ましく、従って、インナーパッドの非肌面側、例えばインナーパッドのバックシートには、面ファスナーや粘着部などが設けられないことが好ましい。また、アウターカバーの肌面側(ただし後背部の幅方向の両側に設けられる止着部材を除く)、例えばアウターカバーのトップシートには、面ファスナーや粘着部などが設けられないことが好ましい。
インナー滑り止め部は、インナーパッドの吸収体と重なって設けられることが好ましい。インナー滑り止め部をインナーパッドの吸収体と重なる位置に配置することにより、インナー滑り止め部がアウターカバーの肌面側に強く接触しやすくなり、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができる。
アウター滑り止め部は、インナーパッドを肌面側に載置した際に、インナーパッドと重なる位置に設けられればよく、例えば、アウターカバーの股部の最も幅狭な部分の幅方向の範囲を前後方向に平行移動することにより形成される矩形領域内に、アウター滑り止め部が設けられればよい。アウター滑り止め部は、例えば、アウターカバーの股部に設けられてもよく、アウターカバーの前腹部と後背部に設けられてもよく、アウターカバーの前腹部と股部と後背部に設けられてもよい。
アウターカバーに吸収体が設けられる場合は、アウター滑り止め部はアウターカバーの吸収体と重なって設けられることが好ましい。アウター滑り止め部をアウターカバーの吸収体と重なる位置に配置することにより、アウター滑り止め部がインナーパッドの非肌面側に強く接触しやすくなり、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができる。なお、アウターカバーの吸収体が開口または凹部を有する場合は、アウター滑り止め部は、当該開口または凹部と重ならずに設けられることが好ましい。
インナー滑り止め部は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよいが、複数設けられることが好ましい。インナー滑り止め部は、例えば、前後方向および/または幅方向に複数並んで設けられることが好ましい。このようにインナー滑り止め部を設けることにより、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができ、また、インナーパッドの着用者の股間部へのフィット性を確保しやすくなる。
アウター滑り止め部は、1つのみ設けられてもよく、複数設けられてもよいが、複数設けられることが好ましい。アウター滑り止め部は、例えば、前後方向および/または幅方向に複数並んで設けられることが好ましい。このようにアウター滑り止め部を設けることにより、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができ、また、アウターカバーの着用者の股間部へのフィット性を確保しやすくなる。
インナー滑り止め部とアウター滑り止め部の一方は、前後方向に延在して設けられ、インナー滑り止め部とアウター滑り止め部の他方は、幅方向に延在して設けられることが好ましい。すなわち、インナー滑り止め部とアウター滑り止め部の一方は、前後方向に長い形状で設けられ、インナー滑り止め部とアウター滑り止め部の他方は、幅方向に長い形状で設けられることが好ましい。このようにインナー滑り止め部とアウター滑り止め部を設けることにより、インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置して用いた際、インナー滑り止め部がアウター滑り止め部と接触しやすくなり、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができる。
上記のようにインナー滑り止め部とアウター滑り止め部が設けられる場合、インナー滑り止め部とアウター滑り止め部は、前後方向に長い形状で幅方向に複数並んで設けられるか、幅方向に長い形状で前後方向に複数並んで設けられることが好ましい。前後方向に長い形状のインナー滑り止め部またはアウター滑り止め部は、幅方向の長さが1mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましく、5mm以上がさらに好ましく、また30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましく、20mm以下がさらに好ましい。幅方向に長い形状のインナー滑り止め部またはアウター滑り止め部は、前後方向の長さが1mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましく、5mm以上がさらに好ましく、また30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましく、20mm以下がさらに好ましい。これにより、滑り止め部によるズレ止め効果を高めつつ、インナーパッドまたはアウターカバーの着用者の股間部へのフィット性を高めることができる。前後方向に長い形状のインナー滑り止め部またはアウター滑り止め部は、前後方向の長さが20mm以上が好ましく、25mm以上がより好ましく、30mm以上がさらに好ましい。幅方向に長い形状のインナー滑り止め部またはアウター滑り止め部は、幅方向の長さが20mm以上が好ましく、25mm以上がより好ましく、30mm以上がさらに好ましい。
インナー滑り止め部は前後方向に延在して設けられ、アウター滑り止め部は幅方向に延在して設けられることが好ましい。インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置して装着した場合、インナーパッドは着用者の股間部で幅方向よりも前後方向により湾曲しやすくなる。この際、インナー滑り止め部を前後方向に延在するように設けると、インナーパッドの前後方向の湾曲に対抗して、インナー滑り止め部は前後方向の平面状態を保とうとする。一方、アウター滑り止め部は幅方向に延在して設けられるため、アウターカバーを装着した際、アウターカバーは着用者の股間部の形状に合わせて前後方向に湾曲形成しやすくなる。そのため、インナー滑り止め部がアウターカバーの肌面側に強く接触しやすくなり、インナーパッドのズレ止め効果を高めることができる。
上記のようにインナー滑り止め部とアウター滑り止め部が設けられる場合、インナー滑り止め部の前後方向の長さは、アウター滑り止め部の幅方向の長さよりも長いことが好ましい。例えば、インナー滑り止め部の前後方向の長さは、アウター滑り止め部の幅方向の長さの2倍以上が好ましく、3倍以上がより好ましく、また20倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下がさらに好ましい。
インナー滑り止め部が前後方向に延在して設けられる場合、インナー滑り止め部の前後方向の長さは、インナーパッドの前後方向の長さの30%以上であることが好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。インナー滑り止め部は、前後方向に延在し、幅方向に複数設けられることが好ましく、幅方向の一方側と他方側にそれぞれ設けられることが好ましい。
アウター滑り止め部は、幅方向に延在し、前後方向に複数設けられることが好ましく、アウターカバーの股部の最も幅狭な部分よりも前側と後側にそれぞれ設けられることがより好ましい。アウターカバーの股部の最も幅狭な部分が前後方向に所定の長さで形成される場合は、アウター滑り止め部は、股部の最も幅狭な部分の前後方向の中心よりも前側と後側にそれぞれ設けられることが好ましい。この場合、前側のアウター滑り止め部と後側のアウター滑り止め部は、前後方向に50mm以上離間して設けられることが好ましく、75mm以上がより好ましく、100mm以上がさらに好ましい。また、前側のアウター滑り止め部を複数設け、後側のアウター滑り止め部を複数設けることも好ましい。
前側のアウター滑り止め部は前腹部に設けられ、後側のアウター滑り止め部は後背部に設けられることが好ましい。このようにアウター滑り止め部を設けることにより、前後方向に長いインナーパッドを安定してアウターカバーの肌面側に載置することができ、インナーパッドによる吸収性能を高めることができる。
アウター滑り止め部が前後方向に複数設けられる場合、インナー滑り止め部の前後方向の長さは、前側のアウター滑り止め部と後側のアウター滑り止め部の離間距離よりも長いことが好ましい。アウター滑り止め部が前腹部と後背部にそれぞれ設けられる場合は、インナー滑り止め部の前後方向の長さは、前腹部のアウター滑り止め部と後背部のアウター滑り止め部の離間距離よりも長いことが好ましい。これにより、インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置した際、インナー滑り止め部を前側のアウター滑り止め部と後側のアウター滑り止め部の両方に接触させることができ、インナーパッドのズレ止め効果をより高めることができる。
インナー滑り止め部とアウター滑り止め部は、樹脂層から構成することができる。樹脂層は弾性(詳細には、人が手で扱う程度の力で発揮される弾性)を有することが好ましく、エラストマー樹脂から構成されることが好ましい。エラストマー樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、スチレン系樹脂(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等)、アクリル樹脂、α−オレフィン樹脂、ブタジエン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、天然ゴム等が挙げられる。
樹脂層は、実質的に非着性であることが好ましく、例えば粘着付与成分の含有率が5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。接着剤には、接着性や粘着性を発揮させるために、粘着付与成分が通常10質量%以上含まれているが、滑り止め部の樹脂層にはそのような粘着付与成分が多く含まれないことが好ましい。粘着付与成分としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、C5系またはC9系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂等が挙げられる。
インナー滑り止め部は、インナーパッドの非肌面側で盛り上がって形成されていることが好ましく、例えばインナーパッドのバックシートの非肌面側の表面から盛り上がって形成されていることが好ましい。アウター滑り止め部は、アウターカバーの肌面側で盛り上がって形成されていることが好ましく、例えばアウターカバーのトップシートの肌面側の表面から盛り上がって形成されていることが好ましい。滑り止め部の盛り上がりの高さは、例えば0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、0.3mm以上がさらに好ましく、また3.0mm以下が好ましく、2.0mm以下がより好ましく、1.0mm以下がさらに好ましい。
インナー滑り止め部とアウター滑り止め部は、デュロメーター硬さAが90以下であることが好ましく、80以下がより好ましく、70以下がさらに好ましく、また20以上が好ましく、25以上がより好ましく、30以上がさらに好ましい。これにより、滑り止め部による位置固定効果やズレ止め効果が好適に発揮されやすくなる。デュロメーター硬さAはJIS K 6253−3(2012)に準拠して測定する。
インナー滑り止め部とアウター滑り止め部は、剥離接着強さが0.1N未満であることが好ましく、0.05N未満がより好ましく、0.03N未満がさらに好ましい。滑り止め部の剥離接着強さは、次の方法に従って測定する。JIS K 6854−2(1999)「接着剤−剥離接着強さ試験方法(180度剥離)」に準じて、剥離力の積分平均荷重を測定し、10回の試験の平均値を剥離接着強さとして用いる。ただし、剥離速度(つかみ移動速度)は300mm/分で行う。測定に用いる試験片は、滑り止め部が設けられた部分(滑り止め部は複数設けられていてもよい)を100mm×10mmの大きさで切り出し、切り出した試験片を150mm×25mmの大きさの基材に貼り付け、これに基材と同じ大きさのカナキン3号綿布を重ね合わせて調製する。なお、切り出した試験片は、滑り止め部と反対側の面を基材に貼り付け、滑り止め部が設けられた面にカナキン3号綿布を重ね合わせる。カナキン3号綿布は、JIS L 0803「染色堅ろう度試験」に用いられるものを使用する。滑り止め部が設けられた部分の大きさが100mm×10mmの大きさに満たない場合は、複数を繋ぎ合わせて100mm×10mmの大きさに形成する。切り出した試験片とカナキン3号綿布は、ローラー(テスター産業株式会社製、SA−1003−B、荷重2kgf、幅45mm、直径95mm)を3往復させることにより貼り合わせる。
インナー滑り止め部および/またはアウター滑り止め部は、白色以外に着色されていてもよい。これによりインナー滑り止め部とアウター滑り止め部の視認性が高まり、インナーパッドをアウターカバーの肌面側に載置する際、インナー滑り止め部とアウター滑り止め部とが接触するようにインナーパッドをアウターカバーの肌面側にセットしやすくなる。特に、アウター滑り止め部が白色以外に着色されることが好ましく、これにより、アウター滑り止め部を目安としてインナーパッドをアウターカバーの肌面側の適切な位置にセットしやすくなる。
吸収性物品は、アウターカバーの肌面側に防漏フラップが設けられないことも好ましい。防漏フラップは通常、幅方向の両側に前後方向に延びるように設けられるが、アウターカバーに防漏フラップが設けられなければ、アウターカバーの肌面側にインナーパッドを載置した際に、吸収性物品の着用者の股間部での嵩張りを抑えることができる。なお、アウターカバーの防漏フラップは、アウターカバーの肌面側にインナーパッドを載置した際に、インナーパッドの位置ズレを抑えるように機能することもできるが、本発明の吸収性物品は上記に説明したようにインナー滑り止め部とアウター滑り止め部が設けられるため、アウターカバーに防漏フラップが設けられなくても、インナーパッドを所定の位置に維持させることが容易になる。
次に、本発明の吸収性物品の構成例について、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
図1〜図5には、本発明の吸収性物品の一例として、いわゆるテープタイプのアウターカバーの肌面側にインナーパッドが載置された吸収性物品の構成例を示した。図1は、アウターカバーの肌面側にインナーパッドが載置された吸収性物品を肌面側から見た平面図を表し、図2は、図1に示した吸収性物品のアウターカバーを肌面側から見た平面図を表し、図3は、図1に示した吸収性物品のインナーパッドを肌面側から見た平面図を表し、図4は、図1に示した吸収性物品のインナーパッドを非肌面側から見た平面図を表し、図5は、図1に示した吸収性物品のV−V断面図を表す。図1〜図5では、矢印xが幅方向、矢印yが前後方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。
吸収性物品1は、アウターカバー11と、アウターカバー11の肌面側に載置されるインナーパッド21を有する。インナーパッド21は、アウターカバー11に対して非接合状態で、アウターカバー11の肌面側に載置して用いられる。
アウターカバー11は、前後方向yに前腹部Pと後背部Qとそれらの間に位置する股部Rとを有する。吸収性物品1を着用する際、アウターカバー11は前腹部Pと後背部Qが着用者の腰回りを覆うように装着される。図面に示したアウターカバー11は、後背部Qの幅方向xの両側に止着部材17が設けられ、前腹部Pの非肌面側に止着対応部18が設けられている。止着部材17は基材シートに留め具(例えば、フック・ループ・ファスナーや粘着剤)が設けられて構成される。アウターカバー11は、着用者の股間に当てて、止着部材17の留め具を止着対応部18に接合することで、パンツ形状に形成して装着することができる。
アウターカバー11は、液透過性のトップシート12と液不透過性のバックシート13との間に吸収体14が配されて構成されている。アウターカバー11の吸収体14は、着用者から排泄された尿等がインナーパッド21から溢れた場合など、尿等が外部に漏れることを防ぐように機能する。
インナーパッド21は、アウターカバー11の股部Rに少なくとも載置され、図面では、アウターカバー11の股部Rから前腹部Pと後背部Qに延在して設けられている。インナーパッド21は、液透過性のトップシート22と液不透過性のバックシート23との間に吸収体24が配されて構成され、トップシート22の幅方向xの両側に前後方向yに延びる防漏フラップ26が設けられる。防漏フラップ26には前後方向yに延びるフラップ弾性部材27が設けられており、吸収性物品1の使用時には、フラップ弾性部材27の収縮力により防漏フラップ26の立ち上がりが促進される。
インナーパッド21は、着用者から排泄された尿等を受け、吸収体24で吸収する。インナーパッド21の防漏フラップ26は、着用者から排泄され、インナーパッド21で受けた尿等の横漏れを防ぐように機能する。
アウターカバー11は、肌面側にアウター滑り止め部15が設けられ、インナーパッド21は、非肌面側にインナー滑り止め部25が設けられている。これにより、吸収性物品1は、アウターカバー11の肌面側にインナーパッド21を載置して用いる際、インナーパッド21がアウターカバー11に対してずれにくくなり、インナーパッド21を所定の位置に安定して載置させることができる。一方、インナーパッド21を交換する際は、インナーパッド21をアウターカバー11から簡単に取り外すことができるため、インナーパッド21の交換作業が容易になる。
インナー滑り止め部25は、インナーパッド21の吸収体24と重なって設けられることが好ましい。また、アウター滑り止め部15は、アウターカバー11の吸収体14と重なって設けられることが好ましい。これによりインナー滑り止め部25とアウター滑り止め部15が互いに強く接触しやすくなり、インナーパッド21のズレ止め効果を高めることができる。
インナー滑り止め部25は前後方向yに延在して設けられ、アウター滑り止め部15は幅方向xに延在して設けられることが好ましい。このようにインナー滑り止め部25とアウター滑り止め部15が設けられることにより、インナー滑り止め部25とアウター滑り止め部15が互いに接触しやすくなり、インナーパッド21のズレ止め効果を高めることができる。特に、吸収性物品1を装着した際に、アウターカバー11は着用者の股間部の形状に合わせて前後方向yに湾曲形成しやすくなるのに対し、インナーパッド21は、インナー滑り止め部25が前後方向yに延在して設けられることにより、前後方向yに対して平面状態を保とうとするため、インナー滑り止め部25がアウターカバー11の肌面側に強く接触しやすくなり、インナーパッド21のズレ止め効果を高めることができる。
アウターカバー11の吸収体14は、アウターカバー11の幅方向xの中央部に、前後方向yに延びる開口16が設けられることが好ましい。アウターカバー11の吸収体14にこのように開口16が設けられることにより、アウターカバー11にインナーパッド21を重ねて用いた際に、アウターカバー11が吸収体14の開口16部分で凹んで形成され、インナーパッド21をアウターカバー11の所定の位置に安定して載置しやすくなる。なお、アウター滑り止め部15は、開口16と重ならずに設けられることが好ましく、これによりアウター滑り止め部15がインナーパッド21に強く接触しやすくなり、インナーパッド21のズレ止め効果を高めることができる。
アウターカバー11の幅方向xの両端部には、前後方向yに延びる脚部弾性部材19が設けられることが好ましい。脚部弾性部材19により着用者の脚回りにギャザーが形成され、アウターカバー11の脚回りのフィット性を高めることができる。
アウターカバー11は、前後方向yの端部に幅方向xに延びるウェスト弾性部材20が設けられることが好ましい。ウェスト弾性部材20により着用者の腰回りに沿ったウェストギャザーが形成され、腹部側や背中側からの尿等の漏れが防止される。
1:吸収性物品
11:アウターカバー
12,22:トップシート
13,23:バックシート
14,24:吸収体
15:アウター滑り止め部
16:開口
17:止着部材
18:止着対応部
19:脚部弾性部材
20:ウェスト弾性部材
21:インナーパッド
25:インナー滑り止め部
26:防漏フラップ
27:フラップ弾性部材

Claims (10)

  1. 前後方向と幅方向を有し、アウターカバーと、前記アウターカバーの肌面側に載置されるインナーパッドを有する吸収性物品であって、
    前記アウターカバーは、前後方向に前腹部と後背部とそれらの間に位置する股部とを有し、前腹部と後背部が着用者の腰回りを覆うように装着され、
    前記インナーパッドは、前記アウターカバーの股部に載置され、
    前記アウターカバーは、肌面側にアウター滑り止め部が設けられ、
    前記インナーパッドは、吸収体を備え、非肌面側にインナー滑り止め部が設けられていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記インナー滑り止め部と前記アウター滑り止め部の一方は、前後方向に延在して設けられ、前記インナー滑り止め部と前記アウター滑り止め部の他方は、幅方向に延在して設けられている請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記インナー滑り止め部は前後方向に延在して設けられ、前記アウター滑り止め部は幅方向に延在して設けられている請求項1に記載の吸収性物品。
  4. 前記アウター滑り止め部は前腹部と後背部にそれぞれ設けられ、
    前記インナー滑り止め部の前後方向の長さは、前腹部の前記アウター滑り止め部と後背部の前記アウター滑り止め部の離間距離よりも長い請求項3に記載の吸収性物品。
  5. 前記インナー滑り止め部は、前記インナーパッドの吸収体と重なって設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記アウターカバーは吸収体を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記アウター滑り止め部は、前記アウターカバーの吸収体と重なって設けられている請求項6に記載の吸収性物品。
  8. 前記アウターカバーの吸収体は、前記アウターカバーの幅方向の中央部に、前後方向に延びる開口または凹部が設けられ、
    前記アウター滑り止め部は、前記開口または凹部と重ならずに設けられている請求項6または7に記載の吸収性物品。
  9. 前記アウター滑り止め部は、白色以外に着色されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  10. 前記アウターカバーの肌面側には、幅方向の両側に前後方向に延びる防漏フラップが設けられない請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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