JP2020150415A - 弾性波デバイスおよびその製造方法、ウエハ、フィルタ並びにマルチプレクサ - Google Patents

弾性波デバイスおよびその製造方法、ウエハ、フィルタ並びにマルチプレクサ Download PDF

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Abstract

【課題】適切にチップ化すること。【解決手段】支持基板と、前記支持基板上に設けられた圧電基板と、前記圧電基板上に設けられた一対の櫛型電極と、前記支持基板と前記圧電基板との間に設けられ、前記支持基板の屈折率よりも低い屈折率を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層と前記支持基板との間に設けられ、前記支持基板との間の第1面の表面粗さは前記第1絶縁層との間の第2面の表面粗さより大きく、前記第1絶縁層より屈折率の高い第2絶縁層と、を備える弾性波デバイス。【選択図】図1

Description

本発明は、弾性波デバイスおよびその製造方法、ウエハ、フィルタ並びにマルチプレクサに関し、例えば櫛型電極を有する弾性波デバイスおよびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサに関する。
スマートフォン等の通信機器に用いられる弾性波共振器として、弾性表面波共振器が知られている。弾性表面波共振器を形成する圧電基板を支持基板に接合することが知られている。支持基板の上面を粗面とすることが知られている(例えば特許文献1および2)。
特開2015−115870号公報 米国特許第10020796号明細書
特許文献1および2のように、支持基板の上面を粗面化することで、スプリアス等が抑制される。しかしながら、弾性波デバイスをチップ化が難しくなることがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、適切にチップ化することを目的とする。
本発明は、支持基板と、前記支持基板上に設けられた圧電基板と、前記圧電基板上に設けられた一対の櫛型電極と、前記支持基板と前記圧電基板との間に設けられ、前記支持基板の屈折率よりも低い屈折率を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層と前記支持基板との間に設けられ、前記支持基板との間の第1面の表面粗さは前記第1絶縁層との間の第2面の表面粗さより大きく、前記第1絶縁層より屈折率の高い第2絶縁層と、を備える弾性波デバイスである。
上記構成において、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の弾性定数の温度係数の符号は前記圧電基板の弾性定数の温度係数の符号と反対である構成とすることができる。
上記構成において、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の音速は、前記支持基板の音速より遅い構成とすることができる。
上記構成において、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との主成分は同じであり、前記第2絶縁層は前記第1絶縁層に添加されていない不純物を含む構成とすることができる。
上記構成において、前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の主成分は酸化シリコンであり、前記第2絶縁層の酸化ゲルマニウムまたは酸化ジルコニウムの濃度は前記第2絶縁層の酸化ゲルマニウムまたは酸化ジルコニウムの濃度より高い構成とすることができる。
上記構成において、前記第1面の算術平均粗さは10nm以上であり、前記第2面の算術平均粗さは1nm以下である構成とすることができる。
上記構成において、前記支持基板は多結晶基板または単結晶基板であり、前記支持基板の側面には前記支持基板の構成元素を主成分とする複数の改質領域が平面方向に設けられている構成とすることができる。
本発明は、上記弾性波デバイスを含むフィルタである。
本発明は、上記のフィルタを含むマルチプレクサである。
本発明は、支持基板と、前記支持基板上に設けられた圧電基板と、前記支持基板と前記圧電基板との間に設けられ、前記支持基板の屈折率よりも低い屈折率を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層と前記支持基板との間に設けられ、前記支持基板との間の第1面の表面粗さは前記第1絶縁層との間の第2面の表面粗さより大きく、前記第1絶縁層より屈折率の高い第2絶縁層と、を備えるウエハである。
本発明は、支持基板と、前記支持基板上に設けられた圧電基板と、前記支持基板と前記圧電基板との間に設けられ、前記支持基板の屈折率よりも低い屈折率を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層と前記支持基板との間に設けられ、前記支持基板との間の第1面の表面粗さは前記第1絶縁層との間の第2面の表面粗さより大きく、前記第1絶縁層より屈折率の高い第2絶縁層と、を備える複合基板に前記圧電基板側からレーザ光を照射し前記支持基板内に改質領域を形成する工程と、前記改質領域に沿って前記複合基板を割断する工程と、を含む弾性波デバイスの製造方法である。
本発明によれば、適切にチップ化することができる。
図1(a)は、実施例1における弾性波共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。 図2(a)から図2(d)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その1)である。 図3(a)から図3(c)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その2)である。 図4(a)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図(その3)であり、図4(b)は、実施例1における複合基板の側面図である。 図5は、比較例におけるサンプルAからBのアドミッタンスを示す図である。 図6は、比較例における課題を説明する図である。 図7(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図、図7(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。
以下、図面を参照し本発明の実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1における弾性波共振器の平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。電極指の配列方向をX方向、電極指の延伸方向をY方向、支持基板および圧電基板の積層方向をZ方向とする。X方向、Y方向およびZ方向は、圧電基板の結晶方位のX軸方向およびY軸方向とは必ずしも対応しない。圧電基板が回転YカットX伝搬基板の場合、X方向は結晶方位のX軸方向となる。
図1(a)および図1(b)に示すように、支持基板10上に絶縁層17が設けられている。絶縁層17上に絶縁層11が設けられている。絶縁層11上に圧電基板12が設けられている。支持基板10と絶縁層17との間の界面50は粗面である。絶縁層17と11との界面51、絶縁層11と圧電基板12との界面52および圧電基板12の上面53は平坦面である。界面50の算術平均表面粗さRaは界面51、52および上面53の算術表面粗さより大きい。
圧電基板12上に弾性波共振器20が設けられている。弾性波共振器20はIDT22および反射器24を有する。反射器24はIDT(Inter Digital Transducer)22のX方向の両側に設けられている。IDT22および反射器24は、圧電基板12上の金属膜14により形成される。
IDT22は、対向する一対の櫛型電極18を備える。櫛型電極18は、複数の電極指15と、複数の電極指15が接続されたバスバー16と、を備える。一対の櫛型電極18の電極指15が交差する領域が交差領域25である。交差領域25の長さが開口長である。一対の櫛型電極18は、交差領域25の少なくとも一部において電極指15がほぼ互い違いとなるように、対向して設けられている。交差領域25において複数の電極指15が励振する弾性波は、主にX方向に伝搬する。一対の櫛型電極18のうち一方の櫛型電極の電極指15のピッチがほぼ弾性波の波長λとなる。弾性波の波長λはほぼ電極指15の2本分のピッチとなる。反射器24は、IDT22の電極指15が励振した弾性波(弾性表面波)を反射する。これにより弾性波はIDT22の交差領域25内に閉じ込められる。
圧電基板12は、単結晶タンタル酸リチウム(LiTaO)基板、単結晶ニオブ酸リチウム(LiNbO)基板または単結晶水晶基板であり、例えば回転YカットX伝搬タンタル酸リチウム基板または回転YカットX伝搬ニオブ酸リチウム基板である。絶縁層11は、例えば酸化シリコン(SiO)を主成分とする。絶縁層11は、酸化シリコンを主成分とし、弗素等の不純物を含んでいてもよい。絶縁層11の弾性定数の温度係数の符号は圧電基板12の弾性定数の温度係数の符号の反対である。これにより、弾性波共振器の周波数温度係数を小さくできる。
絶縁層17の屈折率は絶縁層11の屈折率より大きい。絶縁層17は、酸化シリコンを主成分とし、酸化ゲルマニウム(GeO)または酸化ジルコニウム(ZrO)を含む。Siに対するGeまたはZrの重量濃度は例えば10ppm以上かつ10000ppm以下であり、例えば100ppm以上かつ1000ppm以下である。これにより、酸化シリコン膜の屈折率を大きくできる。
支持基板10は、圧電基板12のX方向の線膨張係数より小さな線膨張係数を有する。これにより、弾性波共振器の周波数温度係数を小さくできる。支持基板10は、例えばサファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、シリコン基板または炭化シリコン基板である。サファイア基板はr面、c面またはa面を上面とする単結晶酸化アルミニウム(Al)基板である。アルミナ基板は多結晶酸化アルミニウム(Al)基板である。スピネル基板は単結晶または多結晶スピネル(MgAl)基板である。シリコン基板は単結晶または多結晶シリコン(Si)基板である。炭化シリコン基板は単結晶または多結晶炭化シリコン(SiC)基板である。
金属膜14は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)またはモリブデン(Mo)を主成分とする膜であり、例えばアルミニウム膜、銅膜またはモリブデン膜である。電極指15と圧電基板12との間にチタン(Ti)膜またはクロム(Cr)膜等の密着膜が設けられていてもよい。密着膜は電極指15より薄い。電極指15を覆うように絶縁膜が設けられていてもよい。絶縁膜は保護膜または温度補償層として機能する。
支持基板10の厚さは例えば50μmから500μmである。絶縁層17の厚さは例えば0.5μmから5.0μmである。絶縁層11の厚さは、例えば0.5μmから10μmであり、例えば弾性波の波長λ以下である。圧電基板12の厚さは例えば0.5μmから20μmであり、例えば弾性波の波長λ以下である。弾性波の波長λは例えば1μmから6μmである。2本の電極指15を1対としたときの対数は例えば20対から300対である。IDT22のデュティ比は、電極指15の太さ/電極指15のピッチであり、例えば30%から80%である。IDT22の開口長は例えば10λから50λである。
[実施例1の製造方法]
図2(a)から図4(a)は、実施例1に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。図2(a)に示すように、表面が粗面である支持基板10を準備する。図2(b)に示すように、支持基板10上に絶縁層17を例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法または真空蒸着法を用い形成する。支持基板10と絶縁層17との界面50は粗面となる。絶縁層17の上面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用い平坦化する。
図2(c)に示すように、絶縁層17上に絶縁層11を例えばCVD法、スパッタリング法または真空蒸着法を用い形成する。絶縁層17と11との界面51は平坦面となる。図2(d)に示すように、接合層13は例えば酸化アルミニウム層、窒化アルミニウム層、ダイヤモンドライクカーボン層、炭化シリコン層、窒化シリコン層またはシリコン層である。接合層13の厚さは例えば1nmから100nmである。接合層13を介さず絶縁層11と圧電基板12とを接合してもよい。接合には例えば表面活性化法を用いる。絶縁層11と圧電基板12との間の界面52は平坦面となる。絶縁層11および圧電基板12に比べ接合層13は十分に薄い。
図3(a)に示すように、圧電基板12の上面を例えばCMP法を用い平坦化する。これにより、支持基板10、絶縁層17、11および圧電基板12を有する複合基板62(ウエハ)が形成される。圧電基板12の上面に金属膜14からなる弾性波共振器20を形成する。図3(b)に示すように、切断領域にレーザ光33を圧電基板12の上方から照射する。これにより、支持基板10内に改質領域34を形成する。改質領域34は例えば支持基板10が溶融しアモルファスおよび/または多結晶となった領域である。改質領域34は支持基板10の構成元素からなる。レーザ光33は例えばNd:YAGレーザの第2高調波であり、レーザ光33の波長は例えば532nmであり、例えば500nmから600nmである。レーザ光は可視光、紫外線または赤外線でもよい。レーザ光33のパワーは例えば0.01Wである。図3(c)に示すように、支持基板10の下面(図3(c)では上面)をダイシングフィルム35を貼り付ける。ダイシングフィルム35を介しブレーク刃を支持基板10に押し付ける。
図4(a)に示すように、支持基板10は改質領域34において割断され、支持基板10が個片化(チップ化)される。これにより、実施例1の弾性波デバイスが形成される。図4(b)は、実施例1における複合基板の側面図である。図4(b)に示すように、図3(b)において、レーザ光33をパルス光とし、一定の速度で走査した場合、支持基板10の側面には平面方向に配列する複数の改質領域34が露出する。改質領域34の大きさD1は例えば1μmから10μmであり、改質領域34の平面方向の間隔D2は例えば改質領域34の大きさの1.5倍から5倍程度である。
[比較例]
比較例を用い絶縁層17を設ける理由を説明する。絶縁層17を設けず、支持基板10と絶縁層11との界面の表面粗さが異なる弾性波共振器を作製した。作製条件は以下である。
支持基板10:サファイア基板
絶縁層11:厚さが0.4λの酸化シリコン膜
圧電基板12:厚さが0.4λの42°回転Yカットタンタル酸リチウム基板
各サンプルの支持基板10と絶縁層11との間の界面50aの算術平均粗さRaは以下である。
サンプルA:約100nm
サンプルB:約10nm
サンプルC:1nm以下(ほぼ鏡面)
図5は、比較例におけるサンプルAからCのアドミッタンスを示す図である。図5に示すように、共振周波数frおよび反共振周波数faより高い周波数帯域にスプリアス59が生成される。スプリアス59は、IDT22が主モードの弾性波を励振するときに同時に励振されたバルク波が支持基板10と絶縁層11との界面で反射することで生成される。サンプルCでは大きなスプリアス59が観察される。サンプルBではスプリアス59が少し小さくなる。サンプルAではスプリアス59はかなり小さくなる。このように、支持基板10と絶縁膜との間に粗面を設けることで、バルク波は粗面で散乱され、バルク波に起因するスプリアスを抑制できる。
図6は、比較例における課題を説明する図であり、比較例に係る弾性波デバイスの製造方法を示す断面図である。図6に示すように、レーザ光33を圧電基板12側から支持基板10内に照射するときにレーザ光33界面50aの粗面において散乱される。これにより、支持基板10内に改質領域34が形成されにくくなる。レーザ光の波長は数100nmであり、界面50aのRaがスプリアスの抑制に効果がある10nm以上ではレーザ光33が散乱されやすくなる。
レーザ光33を支持基板10の下面から照射することも考えられる。しかし、圧電基板12、絶縁層11および支持基板10は透明なため、圧電基板12上に弾性波共振器を形成するプロセスにおいて、ウエハを認識できるように下面を梨地面(粗面)とする。このため、レーザ光33を支持基板10の下面から照射するためには、支持基板10の下面を鏡面とすることになる。圧電基板12に弾性波共振器を形成した後に、支持基板10の下面を研磨しようとすると支持基板10の厚さのばらつきが大きくなる。これにより、改質領域34の深さがばらついてしまう。よって、レーザ光33は圧電基板12側から支持基板10に照射することが好ましい。
実施例1によれば、支持基板10および絶縁層17(第2絶縁層)の屈折率は絶縁層11の屈折率より大きい。支持基板10と絶縁層17との間の界面50(第1面)の表面粗さを絶縁層11(第1絶縁層)と17との間の界面51(第2面)の表面粗さより大きくする。このように、界面50を粗面とすることにより、図5のように、バルク波に起因するスプリアスを抑制できる。界面51を平坦面とし、絶縁層17の屈折率を絶縁層11の屈折率より大きくする。これにより、図3(b)のように、複合基板62に圧電基板12側からレーザ光33を照射し支持基板10内に改質領域34を形成するときに、レーザ光33は界面50において散乱されにくくなる。図3(c)のように、改質領域34に沿って複合基板62を割断することで、適切にチップ化することができる。
例えば、支持基板10をサファイアとすると屈折率は1.768である。絶縁層11を酸化シリコンとすると屈折率は1.457である。絶縁層17を酸化イリジウムまたは酸化ゲルマニウムを添加した酸化シリコンとすると、屈折率を1.7程度とすることができる。
支持基板10の屈折率と絶縁層11の屈折率との差が0.1または0.2以上の場合、図6のように絶縁層11と支持基板10との界面50aでレーザ光33が散乱されやすい。そこで、絶縁層17を設けることが好ましい。絶縁層17の屈折率は支持基板10の屈折率より小さいことが好ましい。絶縁層17と11との屈折率の差は絶縁層17と支持基板10との屈折率の差以上であることが好ましい。絶縁層17と11との屈折率の差は絶縁層17と支持基板10との屈折率の差の2倍以上であることが好ましい。これにより、レーザ光33は界面50より界面51で反射されやすくなるため、粗面での散乱を抑制できる。なお、屈折率はレーザ光33の波長等の可視光における屈折率であることが好ましい。
絶縁層11および17の弾性定数の温度係数の符号は前記圧電基板の弾性定数の温度係数の符号と反対である。これにより、弾性波共振器の周波数温度係数を小さくできる。
絶縁層11および17の音響インピーダンスが支持基板の音響インピーダンスより小さい(すなわち絶縁層11および17の音速は支持基板10の音速より遅い)。これにより、バルク波は絶縁層11と17の界面51で反射されにくく、絶縁層17と支持基板10との界面で反射される。よって、バルク波が散乱されスプリアスを抑制できる。
例えば、支持基板10をサファイアとすると音響インピーダンスは44.4×10kg/m・sである。絶縁層11を酸化シリコンとすると音響インピーダンスは15.7×10kg/m・sである。絶縁層17を酸化イリジウムまたは酸化ゲルマニウムを添加した酸化シリコンとすると、音響インピーダンスを15×10kg/m・s程度とすることができる。
支持基板10の音響インピーダンスは絶縁層11および17の音響インピーダンスの1.5倍以上が好ましく、2倍以上がより好ましい。絶縁層17と支持基板10との音響インピーダンスの差は絶縁層17と11との音響インピーダンスの差以上であることが好ましい。絶縁層17と支持基板10との音響インピーダンスの差は絶縁層17と11との音響インピーダンスの差の2倍以上であることが好ましい。これにより、バルク波は平坦面である界面51より粗面である界面50で反射されやすくなるため、スプリアスを抑制できる。
絶縁層11と17の主成分は同じであり、絶縁層17は絶縁層11に添加されていない不純物を含む。これにより、絶縁層11と17の音響インピーダンスをほぼ同じとし、絶縁層17の屈折率を大きくできる。例えば、絶縁層11および17の主成分を酸化シリコンとし、絶縁層17の酸化ゲルマニウムまたは酸化ジルコニウムの濃度を絶縁層11の酸化ゲルマニウムまたは酸化ジルコニウムの濃度より高くする。これにより、絶縁層11と17の音響インピーダンスをほぼ同じとし、絶縁層17の屈折率を大きくできる。
レーザダイシング法を用いて切断した弾性波デバイスでは、支持基板10の側面には支持基板10の構成元素を主成分とする複数の改質領域34が平面方向に設けられる。改質領域34は、レーザ光により溶融しその後固体となった溶融痕であり、支持基板10の結晶構造と異なる結晶構造を有するアモルファスおよび/または多結晶である。また、圧電基板12、絶縁層11および支持基板10はレーザ光33に対し透光性を有する。
スプリアスを抑制するため、界面51の算術平均粗さRaは10nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。レーザ光33の散乱を抑制するため、界面51および52の算術平均粗さは1nm以下が好ましく、0.5nm以下がより好ましい。
IDT22がSH(Shear Horizontal)を励振するとき、バルク波が生成されやすい。圧電基板12が36°以上かつ48°以下回転Yカットタンタル酸リチウム基板のとき、SH波が励振される。よって、このとき、界面50を粗面とすることが好ましい。圧電基板12の厚さが弾性波の波長λ以下のとき、すなわち電極指15のピッチの平均値に2倍以下のとき、損失が抑制される。また、支持基板10の上面から圧電基板12の上面までの距離が電極指15のピッチの平均値に4倍以下のとき、損失が抑制される。
弾性波が支持基板10に漏れないように、支持基板10の音響インピーダンスは圧電基板12の音響インピーダンスより高い(すなわち支持基板10の音速は圧電基板12の音速より速い)ことが好ましい。また、絶縁層11および17内に弾性波が伝搬するため絶縁層11および17の音響インピーダンスは圧電基板12および支持基板10の音響インピーダンスより低い(すなわち絶縁層11および17の音速は圧電基板12および支持基板10の音速より遅い)ことが好ましい。
図7(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図である。図7(a)に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の直列共振器S1からS3が直列に接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の並列共振器P1およびP2が並列に接続されている。1または複数の直列共振器S1からS3および1または複数の並列共振器P1およびP2の少なくとも1つに実施例1の弾性波共振器を用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数等は適宜設定できる。フィルタは、多重モード型フィルタでもよい。
[実施例2の変形例1]
図7(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。図7(b)に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例2のフィルタとすることができる。
マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 支持基板
11、17 絶縁層
12 圧電基板
13 接合層
15 電極指
18 櫛型電極
20 弾性波共振器
22 IDT
33 レーザ光
50−52 界面

Claims (11)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板上に設けられた圧電基板と、
    前記圧電基板上に設けられた一対の櫛型電極と、
    前記支持基板と前記圧電基板との間に設けられ、前記支持基板の屈折率よりも低い屈折率を有する第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層と前記支持基板との間に設けられ、前記支持基板との間の第1面の表面粗さは前記第1絶縁層との間の第2面の表面粗さより大きく、前記第1絶縁層より屈折率の高い第2絶縁層と、
    を備える弾性波デバイス。
  2. 前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の弾性定数の温度係数の符号は前記圧電基板の弾性定数の温度係数の符号と反対である請求項1に記載の弾性波デバイス。
  3. 前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の音速は、前記支持基板の音速より遅い請求項2に記載の弾性波デバイス。
  4. 前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との主成分は同じであり、前記第2絶縁層は前記第1絶縁層に添加されていない不純物を含む請求項1から3のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
  5. 前記第1絶縁層および前記第2絶縁層の主成分は酸化シリコンであり、前記第2絶縁層の酸化ゲルマニウムまたは酸化ジルコニウムの濃度は前記第2絶縁層の酸化ゲルマニウムまたは酸化ジルコニウムの濃度より高い請求項1から3のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
  6. 前記第1面の算術平均粗さは10nm以上であり、前記第2面の算術平均粗さは1nm以下である請求項1から5のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
  7. 前記支持基板は多結晶基板または単結晶基板であり、
    前記支持基板の側面には前記支持基板の構成元素を主成分とする複数の改質領域が平面方向に設けられている請求項1から6のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の弾性波デバイスを含むフィルタ。
  9. 請求項8に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
  10. 支持基板と、
    前記支持基板上に設けられた圧電基板と、
    前記支持基板と前記圧電基板との間に設けられ、前記支持基板の屈折率よりも低い屈折率を有する第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層と前記支持基板との間に設けられ、前記支持基板との間の第1面の表面粗さは前記第1絶縁層との間の第2面の表面粗さより大きく、前記第1絶縁層より屈折率の高い第2絶縁層と、
    を備えるウエハ。
  11. 支持基板と、前記支持基板上に設けられた圧電基板と、前記支持基板と前記圧電基板との間に設けられ、前記支持基板の屈折率よりも低い屈折率を有する第1絶縁層と、前記第1絶縁層と前記支持基板との間に設けられ、前記支持基板との間の第1面の表面粗さは前記第1絶縁層との間の第2面の表面粗さより大きく、前記第1絶縁層より屈折率の高い第2絶縁層と、を備える複合基板に前記圧電基板側からレーザ光を照射し前記支持基板内に改質領域を形成する工程と、
    前記改質領域に沿って前記複合基板を割断する工程と、
    を含む弾性波デバイスの製造方法。
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