JP2020150152A - 光電変換装置、機器及び移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】浮遊拡散部に結合される寄生容量を減らして出力信号に重畳するノイズを低減しうる光電変換装置を提供する。【解決手段】半導体基板に設けられ、光電変換部と、浮遊拡散部と、光電変換部から浮遊拡散部に電荷を転送する転送トランジスタと、を有する光電変換装置であって、比誘電率が5.0未満の絶縁材料により構成され、少なくとも前記転送トランジスタのゲート電極の前記浮遊拡散部の側の側面を覆うように設けられた第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜の上に設けられた第2の絶縁膜と、を有し、光電変換装置は、少なくとも、ゲート電極の側面を含む面と半導体基板の表面との交線からの距離が、当該表面からのゲート電極の高さに相当する距離以下である範囲に、比誘電率が5.0以上の絶縁材料を含まない。【選択図】図4
Description
本発明は、光電変換装置に関する。
光電変換装置は、例えばデジタルスチルカメラやビデオカムコーダー等の2次元画像入力装置における撮像装置として広く用いられている。2次元画像入力装置の性能向上の要求に伴い、撮像装置にも画質の向上が求められており、出力信号のS/N(Signal/Noise)比を上げるための検討がなされている。撮像装置のS/N比を上げるための一手法として、浮遊拡散部の寄生容量を低減して光電変換効率を上げ、出力信号に重畳するランダムノイズを減らす方法がある。ここで、浮遊拡散部の寄生容量としては、拡散層のpn接合容量、浮遊拡散部に接続される配線との間の層間容量、転送ゲート電極との間の容量などが挙げられる。
特許文献1には、転送トランジスタのチャネル領域とドレイン領域との間のpn接合で発生するホットキャリアに起因するノイズを低減する技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の光電変換装置においては、画素領域上の全面に反射防止膜として機能する窒化シリコン膜を設けている。窒化シリコンは層間絶縁膜などに広く用いられている酸化シリコンと比較して比誘電率が高いため、この窒化シリコン膜を介して転送ゲート電極と浮遊拡散部との間に形成される寄生容量が増加し、ひいてはランダムノイズを増大する原因となっていた。
本発明の目的は、浮遊拡散部に結合される寄生容量を減らして出力信号に重畳するノイズを低減しうる光電変換装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、半導体基板に設けられ、光電変換部と、浮遊拡散部と、前記光電変換部から前記浮遊拡散部に電荷を転送する転送トランジスタと、を有する光電変換装置であって、比誘電率が5.0未満の絶縁材料により構成され、少なくとも前記転送トランジスタのゲート電極の前記浮遊拡散部の側の側面を覆うように設けられた第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上に設けられた第2の絶縁膜と、を有し、前記光電変換装置は、少なくとも、前記ゲート電極の前記側面を含む面と前記半導体基板の表面との交線からの距離が、前記表面からの前記ゲート電極の高さに相当する距離以下である範囲に、比誘電率が5.0以上の絶縁材料を含まない光電変換装置が提供される。
本発明によれば、浮遊拡散部に結合される寄生容量を減らし出力信号に重畳するノイズを低減することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による光電変換装置及びその製造方法について、図1乃至図8を用いて説明する。図1は、本実施形態による光電変換装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態による光電変換装置の画素の構成例を示す回路図である。図3は、本実施形態による光電変換装置における各ブロックの配置例を示す概略図である。図4は、本実施形態による光電変換装置の画素の構造を示す概略断面図である。図5は、浮遊拡散部に結合される寄生容量を説明する図である。図6は、絶縁膜の比誘電率を規定する範囲の設定例を示す図である。図7及び図8は、本実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図である。
本発明の第1実施形態による光電変換装置及びその製造方法について、図1乃至図8を用いて説明する。図1は、本実施形態による光電変換装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態による光電変換装置の画素の構成例を示す回路図である。図3は、本実施形態による光電変換装置における各ブロックの配置例を示す概略図である。図4は、本実施形態による光電変換装置の画素の構造を示す概略断面図である。図5は、浮遊拡散部に結合される寄生容量を説明する図である。図6は、絶縁膜の比誘電率を規定する範囲の設定例を示す図である。図7及び図8は、本実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図である。
本実施形態による光電変換装置100は、図1に示すように、画素領域10と、垂直走査回路20と、読み出し回路30と、水平走査回路40と、出力回路50と、制御回路60と、を有する。
画素領域10には、複数の行及び複数の列に渡ってマトリクス状に配された複数の画素12が設けられている。各々の画素12は、フォトダイオード等の光電変換素子からなる光電変換部を含み、入射光の光量に応じた画素信号を出力する。画素領域10に配される画素アレイの行数及び列数は、特に限定されるものではない。また、画素領域10には、入射光の光量に応じた画素信号を出力する有効画素のほか、光電変換部が遮光されたオプティカルブラック画素や、信号を出力しないダミー画素などが配置されていてもよい。
画素領域10の画素アレイの各行には、第1の方向(図1において横方向)に延在して、制御線14が配されている。制御線14の各々は、第1の方向に並ぶ画素12にそれぞれ接続され、これら画素12に共通の信号線をなしている。制御線14の延在する第1の方向は、行方向或いは水平方向と呼ぶことがある。制御線14は、垂直走査回路20に接続されている。
画素領域10の画素アレイの各列には、第1の方向と交差する第2の方向(図1において縦方向)に延在して、出力線16が配されている。出力線16の各々は、第2の方向に並ぶ画素12にそれぞれ接続され、これら画素12に共通の信号線をなしている。出力線16の延在する第2の方向は、列方向或いは垂直方向と呼ぶことがある。出力線16は、読み出し回路30に接続されている。
垂直走査回路20は、画素12から信号を読み出す際に画素12内の読み出し回路を駆動するための制御信号を、画素アレイの各行に設けられた制御線14を介して画素12に供給する制御回路部である。垂直走査回路20は、シフトレジスタやアドレスデコーダを用いて構成することができる。行単位で画素12から読み出された信号は、画素アレイの各列に設けられた出力線16を介して読み出し回路30に入力される。
読み出し回路30は、各列の画素12から出力線16を介して読み出された信号に対して所定の信号処理、例えば、増幅処理やA/D変換処理等の信号処理を実施する回路部である。読み出し回路30は、信号保持部、列アンプ、相関二重サンプリング(CDS)回路、加算回路、A/D変換回路、列メモリ等を含み得る。
水平走査回路40は、読み出し回路30において処理された信号を列毎に順次、出力回路50に転送するための制御信号を、読み出し回路30に供給する回路部である。水平走査回路40は、シフトレジスタやアドレスデコーダを用いて構成することができる。出力回路50は、バッファアンプや差動増幅器などから構成され、水平走査回路40によって選択された列の信号を増幅して出力するための回路部である。
制御回路60は、垂直走査回路20、読み出し回路30及び水平走査回路40に、それらの動作やタイミングを制御する制御信号を供給するための回路部である。垂直走査回路20、読み出し回路30及び水平走査回路40に供給する制御信号の一部又は総ては、光電変換装置100の外部から供給してもよい。
画素12の各々は、例えば図2に示すように、光電変換部PDと、転送トランジスタM1と、リセットトランジスタM2と、増幅トランジスタM3と、選択トランジスタM4とにより構成されうる。
光電変換部PDは、例えばフォトダイオードであり、アノードが接地ノードに接続され、カソードが転送トランジスタM1のソースに接続されている。転送トランジスタM1のドレインは、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM3のゲートに接続されている。転送トランジスタM1のドレイン、リセットトランジスタM2のソース及び増幅トランジスタM3のゲートの接続ノードは、いわゆる浮遊拡散(フローティングディフュージョン)部FDである。浮遊拡散部FDは、容量成分(浮遊拡散容量)を含み、電荷保持部としての機能を備える。
リセットトランジスタM2のドレイン及び増幅トランジスタM3のドレインは、電圧Vddが供給される電源ノードに接続されている。増幅トランジスタM3のソースは、選択トランジスタM4のドレインに接続されている。選択トランジスタM4のソースは、出力線16に接続されている。出力線16は、電流源18に接続されている。
図2に示す画素構成の場合、画素領域10に配された各行の制御線14は、転送ゲート信号線TXと、リセット信号線RESと、選択信号線SELと、を含む。転送ゲート信号線TXは、対応する行に属する画素12の転送トランジスタM1のゲートに接続される。リセット信号線RESは、対応する行に属する画素12のリセットトランジスタM2のゲートに接続される。選択信号線SELは、対応する行に属する画素12の選択トランジスタM4のゲートに接続される。
光電変換部PDは、入射光をその光量に応じた量の電荷に変換(光電変換)するとともに、生じた電荷を蓄積する。転送トランジスタM1は、オンになることにより光電変換部PDが保持する電荷を浮遊拡散部FDに転送する。浮遊拡散部FDは、その容量による電荷電圧変換によって、光電変換部PDから転送された電荷の量に応じた電圧となる。増幅トランジスタM3は、ドレインに電圧Vddが供給され、ソースに選択トランジスタM4を介して電流源18からバイアス電流が供給される構成となっており、ゲートを入力ノードとする増幅部(ソースフォロワ回路)を構成する。これにより増幅トランジスタM3は、浮遊拡散部FDの電圧に基づく信号を、選択トランジスタM4を介して出力線16に出力する。リセットトランジスタM2は、オンになることにより浮遊拡散部FDを電圧Vddに応じた電圧にリセットする。
本実施形態による光電変換装置100は、例えば図3に示すように、図1に示す各ブロックを2つの基板110,150に作り分け、これら基板110,150を接合することより構成することが可能である。基板110と基板150とは、例えばバンプ電極や貫通電極等の導電部材を介して互いに電気的に接続されうる。
図3は、図1に示す各ブロックのうち、画素領域10を上側の基板110に配し、垂直走査回路20、読み出し回路30、水平走査回路40、出力回路50及び制御回路60を下側の基板150に配した場合の構成例である。垂直走査回路20、読み出し回路30、水平走査回路40、出力回路50及び制御回路60は、画素領域10からの信号の読み出しを制御するための周辺回路を構成している。
図3に示す構成例では、基板150にある垂直走査回路20からの制御信号が基板110へと送られ、基板110にある画素領域10の画素12を駆動する。画素領域10からの出力信号は、基板150へと送られ、基板150にある読み出し回路30にて処理される。その後、同じく基板150にある水平走査回路40にてアドレス指定された列のデジタル信号が、基板150にある出力回路50にて信号処理され、光電変換装置100の外部へと出力される。
なお、基板110には、必ずしも画素領域10のみを配置する必要はない。例えば、基板110に、垂直走査回路20、読み出し回路30、水平走査回路40、出力回路50及び制御回路60のうちのいずれか1つ以上を配置してもよいし、これら構成要素の一部分を配置するようにしてもよい。前者としては、例えば、基板110に、画素領域10と垂直走査回路20とを配置する例が挙げられる。後者の例としては、例えば、基板110に、画素領域10と読み出し回路30の一部とを配置する例が挙げられる。また、基板150には、図1に示す各ブロック以外の他の回路、例えば、出力回路50から出力される信号に対して所定の信号処理を行う信号処理回路等を配置してもよい。
図4は、光電変換装置100の基板110の構造を示す断面図である。図4には、基板110に設けられた画素12の構成要素のうち、光電変換部PD、転送トランジスタM1及び増幅トランジスタM3を示している。
第1導電型(例えばn型)のシリコン基板112の表面部には、ウェルを構成する第2導電型(例えばp型)の半導体領域114が設けられている。半導体領域114の表面部には、活性領域118,120を画定する素子分離領域116が設けられている。素子分離領域116は、STI(Shallow Trench Isolation)法やLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)法などにより形成された誘電体材料からなる構造体により構成される。
例えば、活性領域118には、画素12の構成要素のうち、光電変換部PDと、転送トランジスタM1と、が設けられる。また、活性領域120には、画素12の構成要素のうち、リセットトランジスタM2と、増幅トランジスタM3と、選択トランジスタM4と、が設けられる。図4には、活性領域120に配されるトランジスタのうち、増幅トランジスタM3のみを示している。
光電変換部PDは、シリコン基板112の表面に接して設けられた第2導電型の半導体領域122と、半導体領域122の下部に設けられた第1導電型の半導体領域124と、を含む埋め込みフォトダイオードである。半導体領域124は、半導体領域122との間にpn接合を形成している。半導体領域124は、光電変換部PDで生じた信号電荷(電子)を蓄積するための電荷蓄積層としての役割を有する。半導体領域122は、表面リーク電流を抑制する表面保護層としての役割を有する。浮遊拡散部FDの一部を構成する第1導電型の半導体領域126は、活性領域118の表面部に半導体領域124から離間して設けられている。
半導体領域124と半導体領域126との間のシリコン基板112の上には、酸化シリコン(SiO)や酸窒化シリコン(SiON)等よりなるゲート絶縁膜132を介して、多結晶シリコン等の導電性材料よりなるゲート電極134が設けられている。これにより、半導体領域124をソース、半導体領域126をドレイン、ゲート電極134をゲートとする転送トランジスタM1が構成されている。
活性領域120の表面部には、第1導電型の半導体領域128と第1導電型の半導体領域130とが、互いに離間して設けられている。
半導体領域128と半導体領域130との間のシリコン基板112の上には、SiOやSiON等よりなるゲート絶縁膜132を介して、多結晶シリコン等の導電性材料よりなるゲート電極136が設けられている。これにより、半導体領域128をソース、半導体領域130をドレイン、ゲート電極136をゲートとする増幅トランジスタM3が構成されている。
光電変換部PD、転送トランジスタM1、増幅トランジスタM3等が設けられたシリコン基板112の上には、絶縁膜138と、絶縁膜140と、が設けられている。絶縁膜138は、ゲート電極134,136によってシリコン基板112の表面上に形成される凹凸に沿うように形成されている。絶縁膜138の膜厚は、ゲート電極134,136の高さに相当する厚さよりも薄い。絶縁膜138は、ナノクラスタリングシリカ等のポーラス絶縁材料や酸炭化シリコン(SiOC)などの低誘電率材料、酸化シリコンなどにより構成されうる。絶縁膜138は、酸化シリコン膜と低誘電率膜との積層膜によって構成してもよい。絶縁膜140は、シリコン基板112の表面上の上記凹凸を埋めるに十分な膜厚で形成されており、表面が平坦化されている。別の言い方をすると、絶縁膜140は、少なくとも一部においてゲート電極134,136の上面よりもシリコン基板112に近い場所に位置している。絶縁膜140は、酸化シリコンにより構成されうる。絶縁膜138の誘電率は、絶縁膜140の誘電率よりも小さいことが望ましい。
なお、図4にはシリコン基板112と絶縁膜138との間にゲート絶縁膜132が延在している状態を示しているが、ゲート絶縁膜132は、少なくともゲート電極134,136とシリコン基板112との間に設けられていればよい。すなわち、ゲート電極134,136が設けられた領域を除く領域において、絶縁膜138は、その下部において、ゲート絶縁膜132とは別の膜やシリコン基板112に直に接していてもよい。
絶縁膜140,138及びゲート絶縁膜132には、これらを貫き半導体領域126,128,130に電気的に接続されたコンタクトプラグ142が設けられている。コンタクトプラグ142は、例えば窒化チタン等のバリアメタルとタングステンとにより構成されうる。
絶縁膜140の上には、絶縁膜144が設けられている。絶縁膜144の中には、コンタクトプラグ142を介して転送トランジスタM1、増幅トランジスタM3等に電気的に接続された配線層146が設けられている。配線層146は、例えばアルミニウムや銅により構成されうる。
なお、本実施形態の光電変換装置は、裏面照射型の光電変換装置である。すなわち、光電変換部PDは、シリコン基板112の画素12が設けられた側の面(図4において上側)と対向する面(図4において下側)から入射した光を受光する。したがって、シリコン基板112の画素12が設けられた面側に反射防止膜は不要である。
図5は、浮遊拡散部FDを構成する半導体領域126の近傍の拡大断面図である。半導体領域126に結合される代表的な寄生容量としては、図5に示すように、半導体領域114との間のpn接合容量Cdiff、配線146との間の層間容量Cint、ゲート電極134との間の容量Cfが挙げられる。
浮遊拡散部FDの寄生容量は、ランダムノイズを低減してS/N比を向上する観点から低減することが望ましい。一方で、典型的な表面照射型の撮像装置においては、光電変換部上に配置する反射防止膜としてSiN膜やSiON膜が用いられており、容量Cfや層間容量Cintの増加を避けられなかった。すなわち、SiOの比誘電率3.8程度に対して、SiNの比誘電率は7.0程度、SiONの比誘電率は5.0〜7.0程度であり、比較的誘電率の高いこれら絶縁材料により絶縁膜138を構成することで、容量Cfや層間容量Cintが増加してしまう。
この点、本実施形態の光電変換装置においては、SiNやSiONよりも誘電率の低い絶縁材料、具体的には、SiOCやポーラス絶縁材料等の低誘電率材料やSiOにより絶縁膜138を構成している。したがって、絶縁膜138をSiNやSiONにより構成する場合と比較して容量Cfや層間容量Cintを低減することができ、FD容量低減によるS/N比の向上が可能となる。容量Cfを低減する観点からは、絶縁膜138は、少なくとも転送トランジスタM1のゲート電極134の浮遊拡散部FDの側の側面を覆っていればよい。
また、ゲート絶縁膜132としては、トンネル電流の増加の抑制やゲート電極134中の不純物のシリコン基板112方向への突き抜けの抑制のために、SiONを用いることがある。しかしながら、SiONは窒素濃度が増加するほどに誘電率が大きくなるため、ゲート絶縁膜132が容量Cfを増加する要因になることもある。
このような観点から、シリコン基板112の表面からゲート電極134の上面までの範囲148内に形成される絶縁膜(ゲート絶縁膜132、絶縁膜138,140)を構成する絶縁材料の比誘電率は、5.0未満であることが望ましい。なお、比誘電率が5.0程度のSiONにおける窒素濃度は、10atm%程度である。
比誘電率5.0以上の絶縁材料を含まないように絶縁膜を構成すべき範囲は、絶縁膜の積層構造や他の構造体との関係に応じて変化する可能性があり必ずしも一様ではないが、例えば図6に示すような幾何学的な関係に基づいてその範囲を定めることができる。以下の第1乃至第4の範囲は、いずれも、ゲート電極134と浮遊拡散部FDとの間の空間的な範囲の少なくとも一部を含む。
第1の範囲は、ゲート電極134の浮遊拡散部FD(半導体領域126)の側の側面を含む面とシリコン基板112の表面との交線からの距離が、ゲート電極134の高さに相当する距離以下である範囲(図6の領域A)である。第2の範囲は、シリコン基板112の表面からゲート電極134の上面の高さまでの範囲であって、ゲート電極134の側面からの距離が、ゲート電極134の高さに相当する距離以下である範囲(図6の領域A+B)である。第3の範囲は、シリコン基板112の表面からゲート電極134の上面の高さまでの範囲であって、平面視において浮遊拡散部FDと重なる領域(図6の領域A+B+C)である。第4の範囲は、シリコン基板112の表面からゲート電極134の上面の高さの2倍までの範囲であって、平面視において浮遊拡散部Fと重なる領域(図6の領域A+B+C+D)である。なお、ここで言う平面視は、シリコン基板112の法線方向から見た投影図に相当する。
絶縁材料の比誘電率を5.0未満に設定する範囲は、少なくとも上記第1の範囲を含むことが好ましく、上記第2の範囲を含むと更に好ましい。また、絶縁材料の比誘電率を5.0未満に設定する範囲は、上記第3の範囲を含むとより好ましく、上記第4の範囲を含むと更に好ましい。光電変換装置は、シリコン基板112の表面から、第1の範囲の外、好ましくは第2の範囲の外、より好ましくは第3の範囲の外、さらに好ましくは第4の範囲の外に、比誘電率が5.0以上の絶縁材料を含んでよい。例えば、第4の範囲の外、つまり、ゲート電極の上面の高さの2倍よりも離れた位置に、比誘電率が5.0以上の絶縁材料を含んでもよい。比誘電率が5.0以上の絶縁材料は例えば窒化シリコンや炭化シリコンである。比誘電率が5.0以上の絶縁材料からなる部材は、例えばエッチングストップ部材や金属の拡散を抑制する部材、パッシベーション部材として用いられうる。
絶縁膜140は、SiOにより構成されうる。絶縁膜140は、ゲート電極134,136等の間のスペースの埋め込み性を向上する観点から、高密度プラズマ化学気相成長法(HDP−CVD法)により形成することが望ましい。HDP−CVD法により堆積したSiO膜は水素透過性が高く、また、膜自体の水素含有量も多いため、ノイズ低減の観点からも光電変換装置にとって有効である。高密度プラズマ化学気相成長法により形成されたSiO膜は、プラズマ中のアルゴンを含有しうるため、絶縁膜138や、熱CVD法や通常のプラズマCVD法によって形成されたSiO膜よりもアルゴン濃度が高くなりうる。
ただし、一般にHDP−CVD法による成膜ではプラズマダメージが生じやすく、ゲート電極134,136の上に直に絶縁膜140を堆積することはゲート絶縁膜132の信頼性を低下する虞があるため好ましくない。ゲート電極134,136と絶縁膜140との間に配された絶縁膜138は、絶縁膜140の堆積時のプラズマダメージを低減するための保護膜としての役割をも有している。すなわち、少なくとも絶縁膜140の堆積時において、ゲート電極134,136の上面及び側面の全体は、絶縁膜138により覆われていることが望ましい。
ここでは転送トランジスタM1及び増幅トランジスタM3について記載しているが、プラズマダメージの影響はリセットトランジスタM2や選択トランジスタM4においても同様であり、これらトランジスタのゲート電極上にも絶縁膜138は形成される。
次に、本実施形態による光電変換装置の製造方法について、図7及び図8を用いて説明する。図7及び図8は、本実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、第1導電型(n型)のシリコン基板112の主表面に、STI法やLOCOS法等により、活性領域118,120を画定する素子分離領域116を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入を用い、活性領域118,120のシリコン基板112内に、ウェルとなる第2導電型(p型)の半導体領域114を形成する。また、光電変換部PDの形成領域に、光電変換部PDの電荷蓄積領域となる第1導電型の半導体領域124を形成する(図7(a))。
次いで、シリコン基板112を熱酸化して酸化シリコン膜を形成した後、窒化処理を行い、シリコン基板112上に、酸窒化シリコン(SiON)よりなるゲート絶縁膜132を形成する(図7(b))。酸化シリコン膜の窒化処理は、熱窒化法でもよいし、プラズマ窒化法でもよい。このような窒化処理により、ゲート絶縁膜132は窒素を含有する酸化シリコンとなりうる。この際、ゲート絶縁膜132中の窒素濃度が10atm%未満になるように、窒化処理条件を適宜設定する。
次いで、ゲート絶縁膜132上に、例えばCVD法により多結晶シリコン膜を堆積後、この多結晶シリコン膜をフォトリソグラフィ及びドライエッチングを用いてパターニングし、多結晶シリコンよりなるゲート電極134,136を形成する。ゲート電極134,136の形成後、ゲート電極134,136の直下を除く領域に設けられたゲート絶縁膜132の少なくとも一部を、ウェットエッチング等により除去してもよい。
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入を用い、活性領域118に、光電変換部PDの表面保護層となる第2導電型の半導体領域122と、浮遊拡散部FDを構成する第1導電型の半導体領域126と、を形成する。また、活性領域120に、増幅トランジスタM3のソース/ドレイン領域となる第1導電型の半導体領域128,130を形成する(図7(c))。
次いで、必要に応じて窒素雰囲気中で800℃〜1100℃の熱処理を行い、イオン注入によってシリコン基板112内に導入された結晶欠陥の回復処理を行う。
次いで、例えば減圧CVD法やプラズマCVD法により、酸炭化シリコン(SiOC)やポーラス絶縁材料などの低誘電率材料や酸化シリコンよりなる絶縁膜138を形成する(図7(d))。絶縁膜138の成膜には、ゲート絶縁膜132の信頼性低下を抑制する観点から、プラズマダメージの少ない成膜方法を適用することが望ましい。
次いで、例えばHDP−CVD法により、酸化シリコンよりなる絶縁膜140を形成する(図7(e))。前述のように、絶縁膜140は、ゲート電極134,136等の間のスペースの埋め込み性の向上や水素含有量の観点から、HDP−CVD法により形成することが望ましい。絶縁膜140は、必要に応じてCMP法等により平坦化してもよい。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、絶縁膜140,138及びゲート絶縁膜132を貫きシリコン基板112に達するコンタクトホールを形成する。次いで、例えばCVD法等により窒化チタン(TiN)等のバリアメタル膜とタングステン(W)膜とを形成後、CMP法等により絶縁膜140上のこれら導電膜を除去することにより、コンタクトホールに埋め込まれたコンタクトプラグ142を形成する。
次いで、コンタクトプラグ142が設けられた絶縁膜140の上に、公知の多層配線プロセスを用いて、絶縁膜144の中に設けられた配線層146を形成する。配線層146は、絶縁膜144を介して所定の総数が積層され、コンタクトプラグ142を介して転送トランジスタM1、増幅トランジスタM3等に電気的に接続される。絶縁膜144は、例えば酸化シリコンと酸炭化シリコンとの積層膜により構成されうる。また、配線層146は、例えばアルミニウムや銅により構成されうる。
このようにして、シリコン基板112に画素領域10が設けられた基板110を形成する(図8(a))。
また、基板110とは別に、公知の半導体装置の製造プロセスを用いて、垂直走査回路20、読み出し回路30、水平走査回路40、出力回路50及び制御回路60等が設けられた基板150を形成する。ここでは一例として、図8に示すように、ゲート電極154及びソース/ドレイン領域156,158を含むトランジスタが設けられたシリコン基板152の上に、その中に配線層162が配された絶縁膜160が設けられてなる基板150を想定する。
次いで、このように形成した基板110と基板150とを、公知の基板貼り合わせ技術を用い、絶縁膜144と絶縁膜160とが向き合うように貼り合わせる。これにより、基板110と基板150との間の物理的・電気的な接合を行う。
次いで、基板150の上に貼り合わせた基板110をシリコン基板112の側から研磨し、光電変換部PDへの光の入射に好適な厚さまで基板110を薄化する(図8(b))。基板110の薄化処理には、CMP法等の公知の基板薄化技術を適用することができる。
次いで、薄化処理を行った基板110の表面上に、絶縁膜170,172,174を形成する(図8(c))。絶縁膜170は、例えば酸化アルミニウムなどの負の固定電荷を有する絶縁材料により構成することが望ましい。絶縁膜172は、例えば酸化シリコン等の絶縁材料により構成されうる。絶縁膜174は、レンズ形状に成形して光電変換部PDへ光を集光する構造とする。絶縁膜174は、例えば窒化シリコン等により構成されうる。
この後、必要に応じて、カラーフィルタやマイクロレンズ等を形成し、本実施形態による光電変換装置を完成する。
このように、本実施形態によれば、浮遊拡散部に結合される寄生容量を減らし、出力信号に重畳するノイズを低減することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による光電変換装置及びその製造方法について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、本実施形態による光電変換装置の画素の構造を示す概略断面図である。図10は、本実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図である。第1実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
本発明の第2実施形態による光電変換装置及びその製造方法について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、本実施形態による光電変換装置の画素の構造を示す概略断面図である。図10は、本実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図である。第1実施形態による光電変換装置と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
はじめに、本実施形態による光電変換装置の構造について、図9を用いて説明する。
本実施形態による光電変換装置100は、絶縁膜138の配置が異なるほかは第1実施形態による光電変換装置と同様である。すなわち、本実施形態による光電変換装置において、絶縁膜138は、図9に示すように、ゲート電極134,136を選択的に覆うように設けられている。別の言い方をすると、絶縁膜140は、ゲート絶縁膜132と直に接する部分を有する。或いは、ゲート電極134,136の直下を除く領域のゲート絶縁膜132を除去する場合にあっては、絶縁膜140は、シリコン基板112と直に接する部分を有する。
本実施形態による光電変換装置100は、絶縁膜138の配置が異なるほかは第1実施形態による光電変換装置と同様である。すなわち、本実施形態による光電変換装置において、絶縁膜138は、図9に示すように、ゲート電極134,136を選択的に覆うように設けられている。別の言い方をすると、絶縁膜140は、ゲート絶縁膜132と直に接する部分を有する。或いは、ゲート電極134,136の直下を除く領域のゲート絶縁膜132を除去する場合にあっては、絶縁膜140は、シリコン基板112と直に接する部分を有する。
第1実施形態において説明したように、浮遊拡散部FDの寄生容量を低減する観点から絶縁膜138をSiOCやポーラス絶縁材料などの低誘電率材料や酸化シリコンにより構成した場合、絶縁膜138が水素拡散抑制膜として作用する懸念がある。すなわち、シリコン基板112上の広い領域に渡って絶縁膜138を配置すると、絶縁膜140や更に上層に形成されるパッシベーション膜からの水素の供給が絶縁膜138によって阻害され、水素による界面準位の低減効果を十分に得られなくなる虞がある。
一方、絶縁膜138は、絶縁膜140の形成時にゲート電極134,136を介して流入する電荷の影響によってゲート絶縁膜132がダメージを受けるのを抑制する役割を有するものである。すなわち、絶縁膜138は、少なくともゲート電極134,136を覆っていればよい。
このような観点から、本実施形態においては、ゲート電極134,136を選択的に覆うように絶縁膜138を形成し、絶縁膜140やパッシベーション膜からの水素の供給が絶縁膜138によって阻害されるのを抑制している。光電変換装置をこのように構成することで、絶縁膜138によって水素の供給が阻害されるのを抑制しつつ、第1実施形態と同様の浮遊拡散部FDの寄生容量を低減する効果及び絶縁膜140の形成時のプラズマダメージを低減する効果を得ることができる。
なお、本実施形態においてはゲート電極134,136を選択的に覆うように絶縁膜138を形成しているが、絶縁膜138に開口部を設け、この開口部を介して水素の供給を促進するようにしてもよい。絶縁膜138は、少なくともゲート電極134,136を覆っていればよく、開口部を設ける場所や開口部の面積は、水素供給の効果に応じて適宜設定することができる。
次に、本実施形態による光電変換装置の製造方法について、図10を用いて説明する。
まず、第1実施形態による光電変換装置の製造方法と同様にして、シリコン基板112に、素子分離領域116、半導体領域124,122,126,128,130、ゲート絶縁膜132、ゲート電極134,136、絶縁膜138を形成する(図10(a))。
まず、第1実施形態による光電変換装置の製造方法と同様にして、シリコン基板112に、素子分離領域116、半導体領域124,122,126,128,130、ゲート絶縁膜132、ゲート電極134,136、絶縁膜138を形成する(図10(a))。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングを用いて、ゲート電極134,136を選択的に覆うように絶縁膜138をパターニングする。或いは、ゲート電極134,136を露出しないように絶縁膜138に開口部を形成する(図10(b))。
次いで、第1実施形態による光電変換装置の製造方法と同様にして、絶縁膜140、コンタクトプラグ142、絶縁膜144、配線層146等を形成し、基板110を形成する(図10(c))。
この後、第1実施形態による光電変換装置の製造方法と同様にして、基板110と基板150とを接合した後、所定のバックエンドプロセスを経て、本実施形態の光電変換装置を完成する。
このように、本実施形態によれば、浮遊拡散部に結合される寄生容量を減らし、出力信号に重畳するノイズを低減することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による撮像システムについて、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態による撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
本発明の第3実施形態による撮像システムについて、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態による撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
上記第1及び第2実施形態で述べた光電変換装置100は、種々の撮像システムに適用可能である。適用可能な撮像システムの例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダ、監視カメラ、複写機、ファックス、携帯電話、車載カメラ、観測衛星などが挙げられる。また、レンズなどの光学系と撮像装置とを備えるカメラモジュールも、撮像システムに含まれる。図11には、これらのうちの一例として、デジタルスチルカメラのブロック図を例示している。
図11に例示した撮像システム200は、撮像装置201、被写体の光学像を撮像装置201に結像させるレンズ202、レンズ202を通過する光量を可変にするための絞り204、レンズ202の保護のためのバリア206を有する。レンズ202及び絞り204は、撮像装置201に光を集光する光学系である。撮像装置201は、第1及び第2実施形態のいずれかで説明した光電変換装置100であって、レンズ202により結像された光学像を画像データに変換する。
撮像システム200は、また、撮像装置201より出力される出力信号の処理を行う信号処理部208を有する。信号処理部208は、撮像装置201が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換を行う。また、信号処理部208はその他、必要に応じて各種の補正、圧縮を行って画像データを出力する動作を行う。信号処理部208の一部であるAD変換部は、撮像装置201が設けられた半導体基板に形成されていてもよいし、撮像装置201とは別の半導体基板に形成されていてもよい。また、撮像装置201と信号処理部208とが同一の半導体基板に形成されていてもよい。
撮像システム200は、更に、画像データを一時的に記憶するためのメモリ部210、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)212を有する。更に撮像システム200は、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体214、記録媒体214に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)216を有する。なお、記録媒体214は、撮像システム200に内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。
更に撮像システム200は、各種演算とデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部218、撮像装置201と信号処理部208に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部220を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、撮像システム200は少なくとも撮像装置201と、撮像装置201から出力された出力信号を処理する信号処理部208とを有すればよい。
撮像装置201は、撮像信号を信号処理部208に出力する。信号処理部208は、撮像装置201から出力される撮像信号に対して所定の信号処理を実施し、画像データを出力する。信号処理部208は、撮像信号を用いて、画像を生成する。
このように、本実施形態によれば、第1又は第2実施形態による光電変換装置100を適用した撮像システムを実現することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による撮像システム及び移動体について、図12を用いて説明する。図12は、本実施形態による撮像システム及び移動体の構成を示す図である。
本発明の第4実施形態による撮像システム及び移動体について、図12を用いて説明する。図12は、本実施形態による撮像システム及び移動体の構成を示す図である。
図12(a)は、車載カメラに関する撮像システムの一例を示したものである。撮像システム300は、撮像装置310を有する。撮像装置310は、上記第1及び第2実施形態のいずれかに記載の光電変換装置100である。撮像システム300は、撮像装置310により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う画像処理部312と、撮像システム300により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う視差取得部314を有する。また、撮像システム300は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する距離取得部316と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する衝突判定部318と、を有する。ここで、視差取得部314や距離取得部316は、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部318はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。距離情報取得手段は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated circuit)等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
撮像システム300は車両情報取得装置320と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU330が接続されている。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、ドライバーへ警報を発する警報装置340とも接続されている。例えば、衝突判定部318の判定結果として衝突可能性が高い場合、制御ECU330はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置340は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を撮像システム300で撮像する。図12(b)に、車両前方(撮像範囲350)を撮像する場合の撮像システムを示した。車両情報取得装置320が、撮像システム300ないしは撮像装置310に指示を送る。このような構成により、測距の精度をより向上させることができる。
また、本実施形態では、他の車両と衝突しないように制御する例を説明したが、他の車両に追従して自動運転する制御や、車線からはみ出さないように自動運転する制御などにも適用可能である。更に、撮像システムは、自車両等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機或いは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。ここで言う機器の範疇には、電子機器、撮像機器、表示機器、医療機器、輸送機器(移動体)などが含まれる。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
また、上記第1実施形態では、画素領域と周辺回路領域とが別基板に配置された積層型の光電変換装置を示したが、本発明の適用例は積層型の光電変換装置に限定されるものではない。例えば、本発明を画素領域と周辺回路領域とが同一基板上に形成された光電変換装置に適用した場合においても、上記実施形態に説明した効果と同様の効果を実現することができる。光電変換装置は、表面照射型であってもよいし、裏面照射型であってもよい。
表面照射型の光電変換装置を構成する場合、光電変換部PD上にはSiN等よりなる反射防止膜を配置することが好ましい。この際、反射防止膜によってゲート電極134と半導体領域226との間の容量Cfを増加しないように、光電変換部PD側にだけ反射防止膜を配置すればよい。
この反射防止膜は、絶縁膜140の堆積時のプラズマダメージを低減するための保護膜として用いることも可能である。すなわち、ゲート電極134の上面及び側面の全体を、絶縁膜138と反射防止膜とにより覆うように構成することができる。この場合、絶縁膜138は、少なくともゲート電極134の浮遊拡散部FDの側の側面を覆っていればよい。
また、上記実施形態では、光電変換部PDが出力する信号電荷が電子の場合を例にして説明したが、光電変換部PDが出力する信号電荷は正孔(ホール)であってもよい。この場合、上述の第1導電型はp型となり、第2導電型はn型となる。
また、上記第3及び第4実施形態に示した撮像システムは、本発明の光電変換装置を適用しうる撮像システム例を示したものであり、本発明の光電変換装置を適用可能な撮像システムは図11及び図12に示した構成に限定されるものではない。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
PD…光電変換部
M1…転送トランジスタ
M3…増幅トランジスタ
10…画素領域
110,150…基板
112,152…シリコン基板
114,122…第2導電型(p型)の半導体領域
124,126,128,130…第1導電型(n型)の半導体領域
132…ゲート絶縁膜
134,136…ゲート電極
138,140,144,160…絶縁膜
142…コンタクトプラグ
146,162…配線層
M1…転送トランジスタ
M3…増幅トランジスタ
10…画素領域
110,150…基板
112,152…シリコン基板
114,122…第2導電型(p型)の半導体領域
124,126,128,130…第1導電型(n型)の半導体領域
132…ゲート絶縁膜
134,136…ゲート電極
138,140,144,160…絶縁膜
142…コンタクトプラグ
146,162…配線層
Claims (20)
- 半導体基板に設けられ、光電変換部と、浮遊拡散部と、前記光電変換部から前記浮遊拡散部に電荷を転送する転送トランジスタと、を有する光電変換装置であって、
比誘電率が5.0未満の絶縁材料により構成され、少なくとも前記転送トランジスタのゲート電極の前記浮遊拡散部の側の側面を覆うように設けられた第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上に設けられた第2の絶縁膜と、
を有し、
前記光電変換装置は、少なくとも、前記ゲート電極の前記側面を含む面と前記半導体基板の表面との交線からの距離が、前記表面からの前記ゲート電極の高さに相当する距離以下である範囲に、比誘電率が5.0以上の絶縁材料を含まない
ことを特徴とする光電変換装置。 - 前記光電変換装置は、少なくとも、前記表面から前記ゲート電極の上面の高さまでの範囲であって、前記ゲート電極の前記側面からの距離が、前記表面からの前記ゲート電極の前記高さに相当する距離以下である範囲に、比誘電率が5.0以上の絶縁材料を含まない
ことを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。 - 前記光電変換装置は、少なくとも、前記表面から前記ゲート電極の上面の高さまでの範囲であって、平面視において前記浮遊拡散部と重なる領域に、比誘電率が5.0以上の絶縁材料を含まない
ことを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。 - 前記光電変換装置は、少なくとも、前記表面から前記ゲート電極の上面の高さの2倍までの範囲であって、平面視において前記浮遊拡散部と重なる領域に、比誘電率が5.0以上の絶縁材料を含まない
ことを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。 - 前記第1の絶縁膜を構成する絶縁材料は、窒素濃度が10atm%未満である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記第1の絶縁膜を構成する絶縁材料は、酸化シリコン、酸炭化シリコン及びポーラス絶縁材料のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記第1の絶縁膜の誘電率は、前記第2の絶縁膜の誘電率よりも小さい
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記第2の絶縁膜は、酸化シリコンにより構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記第2の絶縁膜のアルゴン濃度が、前記第1の絶縁膜のアルゴン濃度よりも高い
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記第1の絶縁膜の膜厚は、前記ゲート電極の高さに相当する厚さよりも薄い
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記第2の絶縁膜は、少なくとも一部において前記ゲート電極の上面よりも前記半導体基板に近い場所に位置している
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記第1の絶縁膜は、前記ゲート電極が設けられた領域を除く領域に開口部を有し、
前記開口部の中に前記第2の絶縁膜が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜を貫通し前記半導体基板に接続されたコンタクトプラグを更に有する
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記浮遊拡散部と前記第1の絶縁膜との間に、前記転送トランジスタのゲート絶縁膜が延在しており、
前記ゲート絶縁膜は、窒素を含有する絶縁材料により構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記半導体基板の第1面の側に、前記光電変換部と、前記浮遊拡散部と、前記転送トランジスタと、を含む画素が設けられており、
前記半導体基板の前記第1面と対向する第2面の側から入射した光が前記光電変換部に入射するように構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記半導体基板に積層された第2の半導体基板を更に有し、
前記半導体基板に、複数の画素を含む画素領域が設けられており、
前記第2の半導体基板に、前記画素領域からの信号の読み出しを制御するための周辺回路の少なくとも一部が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 少なくとも前記光電変換部を覆うように設けられ、前記半導体基板の前記表面における入射光の反射を抑制する第3の絶縁膜を更に有する
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 前記光電変換装置は、前記表面から前記ゲート電極の上面の高さの2倍よりも離れた位置に、比誘電率が5.0以上の絶縁材料を含む
ことを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の光電変換装置。 - 請求項1乃至16のいずれか1項に記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置から出力される信号を処理する信号処理装置と
を有することを特徴とする機器。 - 移動体であって、
請求項1乃至16のいずれか1項に記載の光電変換装置と、
前記光電変換装置からの信号に基づく視差画像から、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段と、
前記距離情報に基づいて前記移動体を制御する制御手段と
を有することを特徴とする移動体。
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