JP2019029583A - 光電変換装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属不純物に起因する特性劣化を効果的に抑制しうる光電変換装置の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン基板の第1面の側に、光電変換部を形成する工程と、光電変換素子を形成する工程よりも後に、シリコン基板の第1面とは反対の第2面の側から2MeV以上の加速エネルギーで軽元素をイオン注入する工程と、イオン注入する工程よりも後に、熱処理を行う工程とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、光電変換装置及びその製造方法に関する。
半導体中に混入した金属不純物は、深い準位を形成し、発生再結合電流の原因となることが知られている。例えば、光電変換装置においては、金属不純物が混入することで光電変換素子の暗電流が増加し、ひいては画像に白傷欠陥を生じる原因となる。このような観点から、光電変換装置を含む種々の半導体装置において、ゲッタリング技術を利用して金属不純物を不動化することが行われている。
特許文献1には、配線層を形成した後にシリコン基板の裏面側から不活性元素をイオン注入してシリコン結晶にダメージを与えることにより、重金属のゲッタリングサイトとなるアモルファス層を形成する技術が開示されている。
特開2010−010578号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、光電変換装置において生じるような、金属不純物による暗電流の増加に起因する白傷不良を抑制するに十分なゲッタリング効果を得ることはできなかった。
本発明の目的は、金属不純物に起因する特性劣化を効果的に抑制しうる光電変換装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、シリコン基板の第1面の側に、光電変換部を形成する工程と、前記光電変換部を形成する工程よりも後に、前記シリコン基板の前記第1面とは反対の第2面の側から2MeV以上の加速エネルギーで軽元素をイオン注入する工程と、前記イオン注入する工程よりも後に、熱処理を行う工程とを有する光電変換装置の製造方法が提供される。
また、本発明の他の一観点によれば、シリコン基板の第1面の側に、光電変換部を形成する工程と、前記光電変換部を形成する工程の後、前記シリコン基板の前記第1面とは反対の第2面の側から軽元素をイオン注入し、前記光電変換部から10μm〜500μmの距離を隔てた深さに、前記軽元素の注入領域を形成する工程と、前記注入領域を形成する工程の後、熱処理を行う工程とを有する光電変換装置の製造方法が提供される。
また、本発明の更に他の一観点によれば、第1面と第2面とを有するシリコン基板と、前記第1面の上に配されたトランジスタのゲート電極と、を備える光電変換装置であって、前記第1面と前記第2面との間には光電変換部が設けられており、前記光電変換部と前記第2面との間にはヘリウム及び金属を含有する領域が設けられており、前記領域と前記第2面との間の距離は7μm以上である光電変換装置が提供される。
また、本発明の更に他の一観点によれば、第1面と第2面とを有するシリコン基板と、前記第1面の上に配されたトランジスタのゲート電極と、を備える光電変換装置であって、前記第1面と前記第2面との間には光電変換部が設けられており、前記光電変換部と前記第2面との間には水素及び金属を含有する領域が設けられており、前記領域と前記第2面との間の距離は50μm以上である光電変換装置が提供される。
本発明によれば、金属不純物に起因する光電変換装置の特性劣化を効果的に抑制することができる。
本発明の第1実施形態による光電変換装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置の構造を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第1実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。 本発明の第2実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第3実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。 本発明の第3実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。 本発明の第4実施形態による撮像システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態による撮像システム及び移動体の構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。本発明による光電変換装置は、例えば、1次元又は2次元の画像情報を検出する固体撮像装置、焦点距離測定のための位相差検出装置、光量センサ等として構成されうる。固体撮像装置は、MOSイメージセンサとして構成されてもよいし、CCDイメージセンサとして構成されてもよいし、他の形式のイメージセンサとして構成されてもよい。以下の実施形態では、本発明による光電変換装置をMOSイメージセンサ(固体撮像装置)に適用した例を説明するが、これは本発明がMOSイメージセンサに限定されることを意図したものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による光電変換装置及びその製造方法について、図1乃至図5を用いて説明する。
図1は、本実施形態による光電変換装置の構成例を示すブロック図である。図2は、本実施形態による光電変換装置の構造を示す概略断面図である。図3乃至図5は、本実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図である。
はじめに、本実施形態による光電変換装置の構造について、図1及び図2を用いて説明する。
本実施形態による光電変換装置100は、図1に示すように、画素領域10と、垂直走査回路20と、列読み出し回路30と、水平走査回路40と、制御回路50と、出力回路60とを有している。
画素領域10には、複数行及び複数列に渡ってマトリクス状に配された複数の画素12が設けられている。それぞれの画素12は、光電変換を行う光電変換部と、光電変換部で生成された電荷に基づく信号を読み出すための読み出し回路部とを備える。読み出し回路部は、例えば、電荷を転送する転送トランジスタ、電荷電圧変換部をリセットするリセットトランジスタ、電荷電圧変換部の電位に応じた信号を出力する増幅トランジスタ、増幅トランジスタを選択する選択トランジスタを含む。また、読み出し回路部は、光電変換部からの電荷を保持する電荷保持部を含み得る。光電変換部以外の回路部分、例えば電荷保持部は遮光部材によって入射光が遮られる。また、画素領域10には、分光感度特性を制御するためのカラーフィルタ、集光のためのマイクロレンズが光電変換部上に設けられており、各光電変換部間には混色を防ぐための遮光部材が形成され得る。さらに、画素領域10には、有効な画素以外に、光電変換部が遮光されたオプティカルブラック画素、光電変換部を有さないダミー画素などのように画像を出力しない画素が含まれ得る。
画素領域10の画素アレイの各行には、行方向(図1において横方向)に延在して、制御信号線14が配されている。制御信号線14は、行方向に並ぶ画素12にそれぞれ接続され、これら画素12に共通の信号線をなしている。また、画素領域10の画素アレイの各列には、列方向(図1において縦方向)に延在して、垂直出力線16が配されている。垂直出力線16は、列方向に並ぶ画素12にそれぞれ接続され、これら画素12に共通の信号線をなしている。
各行の制御信号線14は、垂直走査回路20に接続されている。垂直走査回路20は、画素12から画素信号を読み出す際に画素12の読み出し回路部を駆動するための制御信号を、制御信号線14を介して画素12に供給する回路部である。各列の垂直出力線16の一端は、列読み出し回路30に接続されている。画素12から読み出された画素信号は、垂直出力線16を介して列読み出し回路30に入力される。列読み出し回路30は、画素12から読み出された画素信号に対して所定の信号処理、例えば増幅処理やAD変換処理等の信号処理を実施する回路部である。列読み出し回路30は、差動増幅回路、サンプル・ホールド回路、AD変換回路等を含み得る。
水平走査回路40は、列読み出し回路30において処理された画素信号を列毎に順次、出力回路60に転送するための制御信号を、列読み出し回路30に供給する回路部である。制御回路50は、垂直走査回路20、列読み出し回路30及び水平走査回路40の動作やそのタイミングを制御する制御信号を供給するための回路部である。出力回路60は、バッファアンプ、差動増幅器などから構成され、列読み出し回路30から読み出された画素信号を固体撮像装置の外部の信号処理部に出力するための回路部である。
なお、本明細書では、垂直走査回路20、列読み出し回路30、水平走査回路40、制御回路50、出力回路60を、周辺回路領域と呼ぶこともある。また、周辺回路領域を構成するトランジスタを、周辺トランジスタと呼ぶものとする。
図2は、本実施形態による光電変換装置の部分断面図である。図2には、画素領域10の画素12を構成する素子のうち光電変換部としてのフォトダイオードPDと転送トランジスタM1とを、周辺回路領域70を構成する素子のうち1つの周辺トランジスタM2を、それぞれ示している。
シリコン基板110には、活性領域を画定する素子分離領域116が設けられている。図2には、素子分離領域116により画定された活性領域として、フォトダイオードPD及び転送トランジスタM1が設けられた活性領域と、周辺トランジスタM2が設けられた活性領域とを示している。
画素領域10のシリコン基板110内には、ウェルを構成する第1導電型(例えばP型)の半導体領域118が設けられている。半導体領域118の表面部には、第2導電型(例えばN型)の半導体領域122,132が互いに離間して設けられている。半導体領域122は、フォトダイオードPDの電荷蓄積領域としての機能を備える。半導体領域118は、光電変換部の深さを規定する。半導体領域132は、フローティングディフュージョン領域である。半導体領域122と半導体領域132との間のシリコン基板110上には、転送トランジスタM1のゲート電極128が設けられている。半導体領域122,132は、転送トランジスタM1のソース及びドレインでもある。
周辺回路領域70のシリコン基板110内には、ウェルを構成する第1導電型の半導体領域120が設けられている。半導体領域120の表面部には、第2導電型の半導体領域144,146が互いに離間して設けられている。半導体領域144と半導体領域146との間のシリコン基板110上には、周辺トランジスタM2のゲート電極130が設けられている。ゲート電極130及び半導体領域144,146の表面部には、金属シリサイド領域150が設けられている。
フォトダイオードPD、転送トランジスタM1、周辺トランジスタM2等が設けられたシリコン基板110の上には、例えば酸化シリコン膜よりなる層間絶縁膜152が設けられている。層間絶縁膜152内には、金属シリサイド領域150に接続されたコンタクトプラグ156が配されている。
コンタクトプラグ156が配された層間絶縁膜152上には、コンタクトプラグ156に接続された配線層158が設けられている。配線層158が配された層間絶縁膜152上には、パッシベーション膜160が設けられている。
シリコン基板110のデバイス形成領域よりも深い部分には、ゲッタリング領域162が設けられている。なお、ここで言うデバイス形成領域とは、光電変換装置の構成要素、例えばフォトダイオードやトランジスタ等の半導体素子や配線層等が配された部分を意味する。一例では、シリコン基板110の最も深い場所に配された不純物領域、例えばウェルを構成する半導体領域118の底部よりも浅い部分がデバイス形成領域に該当する。
ゲッタリング領域162は、結晶欠陥を含み、金属不純物を捕獲して不動化する役割を有している。光電変換装置の動作時に空乏層がシリコン基板110の深さ方向に伸びてゲッタリング領域162に重なると、結晶欠陥を介したリーク電流が発生し、光電変換装置の特性劣化や消費電力の増加を引き起こす虞がある。したがって、ゲッタリング領域162は、少なくとも、光電変換装置の動作時に空乏層が達する深さよりも深い場所に配置する。一方、ゲッタリング領域162の配置場所をデバイス形成領域から離しすぎると、デバイス形成領域に混入した金属不純物のゲッタリング効果が不十分となり、金属不純物に起因する特性劣化、例えば白傷不良の抑制が困難となる。このような観点から、ゲッタリング領域162は、デバイス形成領域からの距離が10μm〜500μm程度、より好ましくは10μm〜300μm程度に設定することが望ましい。
次に、本実施形態による光電変換装置の製造方法について、図3乃至図5を用いて説明する。ここでは、光電変換装置の構成要素のうち、主に、フォトダイオードPD、転送トランジスタM1及び周辺トランジスタM2に関連する部分に着目して製造方法を説明し、他の部分の説明は省略する。なお、光電変換装置の製造には、公知の半導体製造プロセスを用いることができる。ここでは説明を省略するが、後述する各工程の間に、必要に応じてその他の工程、例えば熱処理工程や洗浄処理工程等を行ってもよい。
まず、第1面112と、第1面112とは反対の第2面114とを有するシリコン基板110の第1面112の側に、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法を用いて素子分離領域116を形成する。これにより、画素領域10及び周辺回路領域70に、素子分離領域116により活性領域を画定する。
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入を用いて、画素領域10に、ウェルを構成する半導体領域118と、フォトダイオードPDの電荷蓄積領域となる半導体領域122とを形成する。また、周辺回路領域70に、ウェルを構成する半導体領域120を形成する。光電変換部を構成するフォトダイオードPDは、第1面112と第2面114との間に設けられる。
次いで、例えば熱酸化法やCVD法等を用いて、画素領域10のシリコン基板110の表面にゲート絶縁膜124を形成し、周辺回路領域70のシリコン基板110の表面にゲート絶縁膜126を形成する。
次いで、例えばCVD法により多結晶シリコン膜等の導電膜を堆積した後、フォトリソグラフィ及びドライエッチングを用いてこの導電膜をパターニングし、転送トランジスタM1のゲート電極128と、周辺トランジスタM2のゲート電極130とを形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入を用いて、画素領域10に、転送トランジスタM1のドレイン領域となる半導体領域132を形成する。また、周辺回路領域70に、周辺トランジスタM2のソース/ドレインのLDD領域又はエクステンション領域となる半導体領域134,136を形成する(図3(a))。
次いで、例えばCVD法により絶縁膜138を堆積した後、フォトリソグラフィ及び異方性エッチングを用いて、周辺回路領域70の絶縁膜138を選択的にエッチバックし、ゲート電極130の側壁部分にサイドウォール絶縁膜140を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びイオン注入を用いて、周辺回路領域70に、ゲート電極130及びサイドウォール絶縁膜140をマスクとしてイオン注入を行う。これにより、半導体領域134,136と一体となって周辺トランジスタM2のソース/ドレイン領域を構成する半導体領域144,146を形成する。
このようにして、シリコン基板110に、フォトダイオードPD、転送トランジスタM1、周辺トランジスタM2等を形成する(図3(b))。
次いで、例えばCVD法等によりシリサイドブロック膜としての絶縁膜148を堆積した後、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより絶縁膜148をパターニングし、周辺回路領域70の絶縁膜148を選択的に除去する。
次いで、いわゆるサリサイドプロセスにより、周辺トランジスタM2のソース/ドレイン領域(半導体領域144,146)の表面部及びゲート電極130の表面部に、金属シリサイド領域150を形成する(図3(c))。金属シリサイド領域150を構成する金属としては、例えばコバルトやニッケル等が用いられる。
次いで、フォトダイオードPD、転送トランジスタM1、周辺トランジスタM2等が設けられたシリコン基板110の上に、例えばCVD法等により酸化シリコン膜等の絶縁膜を堆積した後、CMP法等によりその表面を平坦化し、層間絶縁膜152を形成する。
次いで、フォトリソグラフィ及びドライエッチングを用いて、層間絶縁膜152に、半導体領域132、ゲート電極128、金属シリサイド領域150等に達するコンタクトホール154を形成する。なお、ここでは図面の簡略化のため、半導体領域144の上に設けられた金属シリサイド領域150に達するコンタクトホール154のみを示している。
次いで、コンタクトホール154が設けられた層間絶縁膜152の上に、例えばスパッタ法によりTiN等のバリアメタルを、例えばCVD法によりタングステンを、順次堆積後、CMP法により層間絶縁膜152の上のタングステン及びバリアメタルを除去する。これにより、コンタクトホール154に埋め込まれたコンタクトプラグ156を形成する(図4(a))。
次いで、コンタクトプラグ156が配された層間絶縁膜152の上に、金属を含む配線層158を形成する。なお、ここでは図面の簡略化のため1層の配線層158のみを示しているが、典型的には複数の配線層が絶縁膜を介して積層されてなる多層配線層が設けられる。
次いで、配線層158が設けられた層間絶縁膜152の上に、例えばCVD法等により窒化シリコン膜等の絶縁膜を堆積し、パッシベーション膜160を形成する(図4(b))。
次いで、シリコン基板110の第2面114の側から、ヘリウムイオン(He)をイオン注入し、シリコン基板110の第2面114と光電変換部との間の所定の深さにヘリウム含有領域を形成する。このヘリウム含有領域は、後工程で金属不純物のゲッタリングに利用するものであり、以後の説明ではゲッタリング領域162と呼ぶものとする(図5(a))。
ヘリウム含有領域が第2面114のごく近傍にのみに配されていると、ヘリウムが第2面114から外方へ拡散して、ヘリウム含有領域のヘリウム濃度が減少してしまう可能性がある。これを抑制するために、外方への拡散を抑制できる程度に第2面114から離れた位置までヘリウム含有領域(ゲッタリング領域162)を形成することが好ましい。典型的なヘリウムイオンのイオン注入条件は、加速エネルギーが2MeV以上であり、ドーズ量が1×1013atoms/cm〜1×1016atoms/cm程度である。加速エネルギーは、イオン注入ダメージや注入したヘリウムイオンが光電変換装置の特性に影響しない深さであって、できるだけ光電変換部に近い深さにゲッタリング領域162が形成されるように、シリコン基板110の厚さ等に応じて適宜設定する。また、ドーズ量は、ゲッタリングサイトとして作用する結晶欠陥がシリコン基板110内に導入されるように、加速エネルギーをも考慮しつつ適宜設定する。
例えば、加速エネルギーを23MeV程度に設定することで、第2面114から300μm程度の深さにゲッタリング領域162を形成することができる。例えば、300mm径のシリコン基板ではその厚さは775μm程度であるので、シリコン基板110の第1面112から475μm程度の深さにゲッタリング領域162を形成できることになる。ゲッタリング領域162は、光電変換部に混入しうる金属不純物を効果的に捕獲する観点から、光電変換部からの距離が500μm以下となる深さ、より好ましくは光電変換部からの距離が300μm以下となる深さに形成することが望ましい。
ゲッタリング領域162は、金属シリサイド領域150や配線層158の形成の際にシリコン基板110に取り込まれた金属不純物を捕獲するためのものである。そのため、ゲッタリング領域162は、金属シリサイド領域150や配線層158を形成するまでに、ヘリウムイオン注入によって導入した結晶欠陥が回復されるような高温の熱処理に曝されることのないタイミングで形成する。
結晶欠陥が回復されるような高温の熱処理が行われる工程としては、素子分離工程やゲート絶縁膜の形成工程など熱酸化処理を含む工程、イオン注入により導入した不純物の活性化熱処理工程、サリサイドプロセスにおけるシリサイド化熱処理工程等が挙げられる。したがって、ゲッタリング領域162は、少なくとも、金属シリサイド領域150を形成する工程よりも後に行うことが望ましい。この際、ヘリウムイオンのイオン注入を第2面114側から行うことで、シリコン基板110に既に形成されている素子にイオン注入ダメージを与えることなく、ゲッタリング領域162を形成することができる。
なお、ゲッタリング領域162はシリコン基板110内の深い場所に形成するため、ゲッタリング領域162の形成には、同じ加速エネルギーでもより深くに入りやすい軽元素を用いることが望ましい。本実施形態ではゲッタリング領域162の形成に用いるイオン種としてヘリウムイオンを用いているが、他の軽元素イオン、例えば水素イオンを用いてもよい。ただし、シリコン基板110へ結晶欠陥を導入する観点からは、水素イオンよりも質量の大きいヘリウムイオンの方が好ましい。
ゲッタリング領域162の第2面114からの深さは、ゲッタリング領域162に含有される軽元素の加速エネルギーに対して指数関数的に増加する。軽元素が水素イオンであれば、2MeVの加速エネルギーで、第2面114からの深さ(射影飛程Rp)は約50μmである。また、6MeVの加速エネルギーで、第2面114からの深さは約300μmである。また、10MeVの加速エネルギーで、第2面114からの深さは約700μmである。軽元素がヘリウムイオンであれば、2MeVの加速エネルギーで、第2面114からの深さは約7μmである。また、23MeVの加速エネルギーで、第2面114からの深さは約300μmである。また、40MeVの加速エネルギーで、第2面114からの深さは約700μmである。軽元素が水素イオンであってもヘリウムであっても、2MeV以上の加速エネルギーで注入すれば、第2面114側からの軽元素の外方拡散を十分に抑制できる。この場合、軽元素がヘリウムイオンであれば第2面からのゲッタリング領域162の深さは7μm以上となり、軽元素が水素イオンであれば第2面からのゲッタリング領域162の深さは50μm以上となる。軽元素が水素イオンであってもヘリウムイオンであっても、1MeV未満の加速エネルギーで注入すれば、第2面114側からの軽元素の外方拡散による軽元素の損失が顕著で、十分なゲッタリング効果が得られなくなってしまう。あるいは、1MeV未満の加速エネルギーでは、第2面114側からの軽元素の外方拡散を抑制するために、軽元素の注入後の熱処理温度の上限が著しく制限される。また、1MeV未満の加速エネルギーでは、ゲッタリング領域162を光電変換部に近接させるのが困難になる。
加速エネルギーの上限は、第2面114から注入した軽元素がシリコン基板110を突き抜けないように設定すればよい。一般的なシリコン基板110の厚さは700〜800μmである。そのため、第2面114からの深さが700μm以下となるように軽元素が水素イオンであれば加速エネルギーを10MeV以下とし、軽元素がヘリウムイオンであれば加速エネルギーを40MeV以下とすればよい。あるいは、300μm以下に薄化したシリコン基板110を用いるのであれば、第2面114からの深さが300μm以下となるように、軽元素の加速エネルギーを設定する。例えば、軽元素が水素イオンであれば加速エネルギーを6MeV以下とし、軽元素がヘリウムイオンであれば加速エネルギーを23MeV以下とすればよい。シリコン基板110の第2面114上に加速された軽元素を減速させる緩衝膜を配置することで、シリコン基板110への射影飛程Rpがシリコン基板110の厚さを超えるような加速エネルギーでのイオン注入も可能となる。その場合であっても軽元素の加速エネルギーは50MeV以下であることが望ましい。軽元素の加速エネルギーが50MeVを超えると意図しないダメージが光電変換部に生じる可能性があるからである。
ヘリウムイオンのイオン注入に用いるイオン注入装置は、特に限定されるものではないが、数十MeVオーダーの加速に適した円形加速器、例えばサイクロトロンを備えたイオン注入装置が望ましい。イオン注入に必要な所望の加速エネルギーを得られる場合には、円形加速器のみならず、線形加速方式等の他の加速方式の加速器を備えたイオン注入装置を適用することもできる。
このようにしてゲッタリング領域162を形成した後、熱処理を行い、シリコン基板110内に混入している金属不純物164を拡散させ、ゲッタリング領域162で捕獲して不動化する(図5(b))。熱処理の後は、光電変換部と第2面114との間に、ゲッタリングのためにイオン注入した軽元素(ヘリウムや水素)と不動化した金属不純物とを含有する領域が設けられることになる。これにより、暗電流の原因となる金属不純物を光電変換部から除去し、白傷不良が発生するのを抑制することができる。この熱処理は、配線層158を劣化しない温度、例えば350℃〜450℃の範囲で行うことが望ましい。
なお、通常の半導体プロセスでは、シリコン基板110と絶縁膜との界面における界面準位密度の低減及び安定化を目的として、配線層の形成の後にフォーミングガス雰囲気中での熱処理(「水素シンタリング」とも呼ばれる)が行われている。この水素シンタリングも350℃〜450℃程度の温度で行われるため、水素シンタリングによって上述の金属不純物のゲッタリングを目的とした熱処理を兼用することもできる。
その後、必要に応じて、パッシベーション膜160の上にカラーフィルタやマイクロレンズ等を形成し、本実施形態による光電変換装置を完成する。
このように、本実施形態によれば、光電変換部に混入する金属不純物のゲッタリング効果を高め、金属不純物による暗電流の増加に起因する白傷不良を抑制することができる。これにより、良質の画像を取得しうる光電変換装置を実現することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による光電変換装置の製造方法について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図である。第1実施形態による光電変換装置と同様の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
まず、図3(a)乃至図3(c)に示す第1実施形態による光電変換装置の製造方法と同様にして、シリコン基板110に、フォトダイオードPD、転送トランジスタM1、周辺トランジスタM2、金属シリサイド領域150等を形成する。
次いで、シリコン基板110の第2面114の側から、ヘリウムイオンをイオン注入し、シリコン基板110の所定の深さにゲッタリング領域162を形成する(図6(a))。ゲッタリング領域162の形成条件は、第1実施形態の場合と同様である。
次いで、熱処理を行い、シリコン基板110内に混入している金属不純物164を拡散させ、ゲッタリング領域162で捕獲して不動化する(図6(b))。これにより、暗電流の原因となる金属不純物を光電変換部から除去し、白傷不良が発生するのを抑制することができる。
この後、図4(a)乃至図4(b)に示す第1実施形態による光電変換装置の製造方法と同様にして、層間絶縁膜152、コンタクトプラグ156、配線層158、パッシベーション膜160等を形成する。
このように、本実施形態による光電変換装置の製造方法では、金属シリサイド領域150を形成する工程の後、配線層158を形成する工程よりも前に、ゲッタリング領域162の形成及びゲッタリングのための熱処理を行っている。
このように構成することで、金属シリサイド領域150を構成するコバルトやニッケル等の拡散の速い金属不純物が混入した直後に、これら金属不純物をゲッタリング領域162で捕獲することが容易となる。
また、ゲッタリングのための熱処理の温度は、配線層158による制限を受けることなく、フォトダイオードPDやトランジスタM1,M2等の特性に影響を与えない範囲で、高温化することが可能となる。熱処理の温度は、例えば、第1実施形態の場合よりも高い450℃〜700℃程度に設定することが可能であり、より短時間且つ効果的に金属不純物のゲッタリングが可能となる。450℃〜700℃程度の熱処理であれば、ヘリウムイオン注入により導入された結晶欠陥は完全には回復しないため、後工程の熱処理(例えば水素シンタリング)の際に配線層158を構成する金属不純物のゲッタリングも可能である。
このように、本実施形態によれば、光電変換部に混入する金属不純物のゲッタリング効果を高め、金属不純物による暗電流の増加に起因する白傷不良を抑制することができる。これにより、良質の画像を取得しうる光電変換装置を実現することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による光電変換装置の製造方法について、図7及び図8を用いて説明する。図7及び図8は、本実施形態による光電変換装置の製造方法を示す工程断面図である。第1実施形態による光電変換装置と同様の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
まず、第1実施形態による光電変換装置の製造方法と同様にして、シリコン基板110に、フォトダイオードPD、転送トランジスタM1、周辺トランジスタM2、配線層158、パッシベーション膜160等を形成する(図7(a))。
次いで、シリコン基板110の第2面114側から、ウェーハ研磨装置やウェットエッチング装置を用いて、シリコン基板110の厚さを薄くする(図7(b))。例えば、厚さ775μmのシリコン基板110を、100μm〜500μm程度の厚さまで薄くする。
次いで、研磨を行ったシリコン基板110の第2面114側から、ヘリウムイオンをイオン注入し、シリコン基板110の所定の深さにゲッタリング領域162を形成する(図8(a))。ゲッタリング領域162の形成条件は、第1実施形態と同様の条件を適用可能である。
次いで、熱処理を行い、シリコン基板110内に混入している金属不純物164を拡散させ、ゲッタリング領域162で捕獲して不動化する(図8(b))。これにより、暗電流の原因となる金属不純物を光電変換部から除去し、白傷不良が発生するのを抑制することができる。ゲッタリングのための熱処理は、第1実施形態の場合と同様、水素シンタリングを兼用するようにしてもよい。
このように、本実施形態による光電変換装置の製造方法では、ゲッタリング領域162を形成する工程の前に、シリコン基板110のバックグラインド処理やウェットエッチング処理を行い、シリコン基板110を薄膜化している。これにより、本実施形態では、ゲッタリング領域162の形成時における第2面側の表面からデバイス形成領域までの距離が、第1実施形態の場合よりも近くなっている。
したがって、第1実施形態の場合と同じ加速エネルギーを用いてヘリウムイオン注入を行っても、シリコン基板110のより深い位置に、すなわち、よりデバイス形成領域の近くにゲッタリング領域162を形成することができる。例えば、シリコン基板110を400μm程度に薄くした場合、加速エネルギーを23MeV程度に設定することで、デバイス形成領域から100μm程度の距離にゲッタリング領域162を容易に形成することができる。
これにより、配線層158を劣化しない350℃〜450℃程度の温度でも金属不純物をより効果的に捕獲することができ、白傷不良の発生を更に抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、光電変換部に混入する金属不純物のゲッタリング効果を高め、金属不純物による暗電流の増加に起因する白傷不良を抑制することができる。これにより、良質の画像を取得しうる光電変換装置を実現することができる。
[第4実施形態]
本発明の第5実施形態による撮像システムについて、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態による撮像システムの概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の撮像システム200は、上記第1乃至第3実施形態のいずれかに記載の光電変換装置100の構成を適用した撮像装置222を含む。撮像システム200の具体例としては、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダー、監視カメラ等が挙げられる。図9に、上述の各実施形態のいずれかの撮像装置222を適用したデジタルスチルカメラの構成例を示す。
図9に例示した撮像システム200は、撮像装置222、被写体の光学像を撮像装置222に結像させるレンズ202、レンズ202を通過する光量を可変にするための絞り204、レンズ202の保護のためのバリア206を有する。レンズ202及び絞り204は、撮像装置222に光を集光する光学系である。
撮像システム200は、また、撮像装置222から出力される出力信号の処理を行う信号処理部208を有する。信号処理部208は、必要に応じて入力信号に対して各種の補正、圧縮を行って出力する信号処理の動作を行う。例えば、信号処理部208は、入力信号に対して、RGBの画素出力信号をY,Cb,Cr色空間へ変換する変換処理や、ガンマ補正などの所定の画像処理を施す。
撮像システム200は、更に、画像データを一時的に記憶するためのメモリ部210、外部コンピュータ等と通信するための外部インターフェース部(外部I/F部)212を有する。更に撮像システム200は、撮像データの記録又は読み出しを行うための半導体メモリ等の記録媒体214、記録媒体214に記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部(記録媒体制御I/F部)216を有する。なお、記録媒体214は、撮像システム200に内蔵されていてもよく、着脱可能であってもよい。
更に撮像システム200は、各種演算を行うとともにデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御・演算部218、撮像装置222と信号処理部208に各種タイミング信号を出力するタイミング発生部220を有する。ここで、タイミング信号などは外部から入力されてもよく、撮像システム200は、少なくとも撮像装置222と、撮像装置222から出力された出力信号を処理する信号処理部208とを有すればよい。全体制御・演算部218及びタイミング発生部220は、撮像装置222の制御機能の一部又は全部を実施するように構成してもよい。
撮像装置222は、画像用信号を信号処理部208に出力する。信号処理部208は、撮像装置222から出力される画像用信号に対して所定の信号処理を実施し、画像データを出力する。また、信号処理部208は、画像用信号を用いて、画像を生成する。信号処理部208で生成された画像は、例えば記録媒体214に記録される。また、信号処理部208で生成された画像は、液晶ディスプレイなどからなるモニターに動画或いは静止画として映し出される。記録媒体214に記憶された画像は、プリンタなどによってハードコピーすることができる。
上述した各実施形態の光電変換装置を用いて撮像システムを構成することにより、より良質の画像が取得可能な撮像システムを実現することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態による撮像システム及び移動体について、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態による撮像システム及び移動体の構成を示す図である。
図10(a)は、車載カメラに関する撮像システム300の一例を示したものである。撮像システム300は、撮像装置310を有する。撮像装置310は、上記第1乃至第3実施形態のいずれかに記載の光電変換装置100の構成を適用した撮像装置である。撮像システム300は、撮像装置310により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う画像処理部312と、撮像装置310により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う視差取得部314を有する。また、撮像システム300は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する距離取得部316と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する衝突判定部318と、を有する。ここで、視差取得部314や距離取得部316は、対象物までの距離情報を取得する距離情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部318はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。距離情報取得手段は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
撮像システム300は、車両情報取得装置320と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU330が接続されている。すなわち、制御ECU330は、距離情報に基づいて移動体を制御する移動体制御手段の一例である。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、ドライバーへ警報を発する警報装置340とも接続されている。例えば、衝突判定部318の判定結果として衝突可能性が高い場合、制御ECU330はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置340は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を撮像システム300で撮像する。図10(b)に、車両前方(撮像範囲350)を撮像する場合の撮像システム300を示した。車両情報取得装置320は、撮像システム300を動作させ撮像を実行させるように指示を送る。上述の各実施形態の光電変換装置100を撮像装置310として用いることにより、本実施形態の撮像システム300は、測距の精度をより向上させることができる。
以上の説明では、他の車両と衝突しないように制御する例を述べたが、他の車両に追従して自動運転する制御、車線からはみ出さないように自動運転する制御等にも適用可能である。更に、撮像システムは、自車両等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(移動装置)に適用することができる。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例や、他の実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。
例えば、第2実施形態において、パッシベーション膜160の形成の後、水素シンタリングよりも前に、第1実施形態の場合と同様に、ゲッタリング領域162を形成するためのイオン注入を再び行うようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、金属シリサイド領域150を有するトランジスタとして周辺トランジスタM2を例示したが、画素領域10に配されるトランジスタに金属シリサイド領域を設けてもよい。
また、上記第2実施形態では、ゲッタリング領域162の形成及びゲッタリングのための熱処理を、金属シリサイド領域150の形成後、層間絶縁膜152の形成前に行ったが、層間絶縁膜152の形成後、コンタクトプラグ156の形成前に行ってもよい。
また、上記第1乃至第3実施形態では、ゲッタリング領域162を形成するための軽元素としてヘリウム及び水素を例示したが、ゲッタリング領域162を形成するための軽元素は、必ずしもこれらに限定されるものではない。イオン注入装置が許す加速エネルギーの範囲でシリコン基板110の第2面114の側から所望の深さにゲッタリング領域162を形成することが可能であれば、ヘリウムよりも質量の大きい他の軽元素、例えば、炭素、窒素、酸素、ネオン等を用いてもよい。
また、第4及び第5実施形態に示した撮像システムは、本発明の光電変換装置を適用しうる撮像システム例を示したものであり、本発明の撮像装置を適用可能な撮像システムは図9及び図10に示した構成に限定されるものではない。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
M1…転送トランジスタ
M2…周辺トランジスタ
PD…フォトダイオード
100…光電変換装置
110…シリコン基板
150…金属シリサイド領域
158…配線層
162…ゲッタリング領域

Claims (17)

  1. シリコン基板の第1面の側に、光電変換部を形成する工程と、
    前記光電変換部を形成する工程よりも後に、前記シリコン基板の前記第1面とは反対の第2面の側から2MeV以上の加速エネルギーで軽元素をイオン注入する工程と、
    前記イオン注入する工程よりも後に、熱処理を行う工程と
    を有することを特徴とする光電変換装置の製造方法。
  2. 前記イオン注入する工程よりも前に、前記シリコン基板の前記第1面の側に、金属シリサイド領域を含むトランジスタを形成する工程を更に有する
    ことを特徴とする請求項1記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記トランジスタを形成する工程よりも後に、金属を含む配線層を形成する工程を更に有し、
    前記イオン注入する工程及び前記熱処理を行う工程は、前記配線層を形成する工程よりも前に行う
    ことを特徴とする請求項2記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記熱処理を行う工程は、450℃〜700℃の温度で実施する
    ことを特徴とする請求項3記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記トランジスタを形成する工程よりも後に、金属を含む配線層を形成する工程を更に有し、
    前記イオン注入する工程は、前記配線層を形成する工程よりも後に行う
    ことを特徴とする請求項2記載の光電変換装置の製造方法。
  6. 前記配線層を形成する工程よりも後、前記イオン注入する工程よりも前に、前記シリコン基板を前記第2面の側から薄膜化する工程を更に有する
    ことを特徴とする請求項5記載の光電変換装置の製造方法。
  7. 前記シリコン基板を薄膜化する工程では、前記シリコン基板を100μm〜500μmの厚さにする
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光電変換装置の製造方法。
  8. 前記熱処理を行う工程は、水素を含む雰囲気中で実施する
    ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の光電変換装置の製造方法。
  9. 前記熱処理を行う工程は、350℃〜450℃の温度で実施する
    ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の光電変換装置の製造方法。
  10. 前記イオン注入する工程では、前記軽元素を、1×1013atoms/cm〜1×1013atoms/cmのドーズ量でイオン注入する
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光電変換装置の製造方法。
  11. 前記軽元素のイオン注入は、円形加速器を備えたイオン注入装置により実施する
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光電変換装置の製造方法。
  12. 前記イオン注入する工程では、前記軽元素を含有する領域が前記第2面と前記光電変換部との間に形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光電変換装置の製造方法。
  13. 前記軽元素はヘリウムであり、前記加速エネルギーは40MeV以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光電変換装置の製造方法。
  14. 前記軽元素は水素であり、前記加速エネルギーは10MeV以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光電変換装置の製造方法。
  15. 第1面と第2面とを有するシリコン基板と、
    前記第1面の上に配されたトランジスタのゲート電極と、
    を備える光電変換装置であって、
    前記第1面と前記第2面との間には光電変換部が設けられており、
    前記光電変換部と前記第2面との間にはヘリウム及び金属を含有する領域が設けられており、
    前記領域と前記第2面との間の距離は7μm以上である
    ことを特徴とする光電変換装置。
  16. 第1面と第2面とを有するシリコン基板と、
    前記第1面の上に配されたトランジスタのゲート電極と、
    を備える光電変換装置であって、
    前記第1面と前記第2面との間には光電変換部が設けられており、
    前記光電変換部と前記第2面との間には水素及び金属を含有する領域が設けられており、
    前記領域と前記第2面との間の距離は50μm以上である
    ことを特徴とする光電変換装置。
  17. 前記金属はコバルト又はニッケルである
    ことを特徴とする請求項15又は16記載の光電変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021187151A1 (ja) * 2020-03-19 2021-09-23 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 撮像素子、半導体チップ

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