JP2020149971A - 電気化学セル - Google Patents

電気化学セル Download PDF

Info

Publication number
JP2020149971A
JP2020149971A JP2020037732A JP2020037732A JP2020149971A JP 2020149971 A JP2020149971 A JP 2020149971A JP 2020037732 A JP2020037732 A JP 2020037732A JP 2020037732 A JP2020037732 A JP 2020037732A JP 2020149971 A JP2020149971 A JP 2020149971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy member
electrode layer
thickness
base material
extending portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020037732A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6752387B1 (ja
Inventor
中村 俊之
Toshiyuki Nakamura
俊之 中村
裕己 田中
Yuki Tanaka
裕己 田中
誠 大森
Makoto Omori
誠 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP6752387B1 publication Critical patent/JP6752387B1/ja
Publication of JP2020149971A publication Critical patent/JP2020149971A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】合金部材の強度をより向上可能な電気化学セルを提供する。【解決手段】セル1は、合金部材4と、合金部材4の表面4S上に配置される素子部10とを備える。素子部10は、合金部材4によって支持される第1電極層5と、電解質層7と、第2電極層9とを有する。合金部材4は、クロムを含有する合金材料によって構成される基材41と、基材41の少なくとも一部を覆う酸化クロム膜42とを有する。酸化クロム膜42は、基材の第1主面Sa上に形成される第1部分42aを含む。第1部分42aは、表面4Sの平面視において、素子部10の外周の少なくとも一部に沿って延びる延在部a1と、延在部a1の内側に配置される内側部a2とを含む。延在部a1の厚みTHa1は、内側部a2の厚みTHa2より厚い。【選択図】図3

Description

本発明は、電気化学セルに関する。
従来、合金部材と、合金部材上に配置される素子部とを備える電気化学セルが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の合金部材は、Cr(クロム)を含有する合金材料によって構成される基材と、基材の表面を覆う酸化クロム膜とを有する。
国際公開第2018/181926号
酸化クロム膜は、基材からCrが揮発することを抑制する機能だけでなく、合金部材の強度を向上させる機能も有している。
本発明は、合金部材の強度をより向上可能な電気化学セルを提供することを目的とする。
本発明に係る電気化学セルは、合金部材と、合金部材の表面上に配置される素子部とを備える。素子部は、合金部材によって支持される第1電極層と、第2電極層と、第1電極層と第2電極層との間に配置される電解質層とを有する。合金部材は、クロムを含有する合金材料によって構成される基材と、基材の少なくとも一部を覆う酸化クロム膜とを有する。酸化クロム膜は、基材の第1主面上に形成される第1部分を含む。第1部分は、合金部材の表面の平面視において、素子部の外周の少なくとも一部に沿って延びる延在部と、延在部の内側に配置される内側部とを含む。延在部の厚みは、内側部の厚みより厚い。
本発明によれば、合金部材の強度をより向上可能な電気化学セルを提供することができる。
実施形態に係る燃料電池セルの構成を示す断面図 図1の領域Xaの拡大図 実施形態に係る合金部材の平面図 他の実施形態に係る燃料電池セルの構成を示す断面図 図4の部分拡大図 他の実施形態に係る合金部材の平面図
(燃料電池セル1の構成)
燃料電池セル1は、本発明に係る「電気化学セル」の一例である。「電気化学セル」とは、燃料電池セルのほか、水蒸気から水素と酸素を生成するための電解セルをも含む概念である。以下の説明では、燃料電池セルを「セル」と略称する。
図1は、実施形態に係るセル1の構成を示す断面図である。セル1は、流路部材3、合金部材4、第1電極層5、中間層6、電解質層7、反応防止層8、及び第2電極層9を有する。本実施形態において、第1電極層5、中間層6、電解質層7、反応防止層8、及び第2電極層9は、合金部材4の表面4S上に配置される「素子部10」を構成する。
[流路部材3]
流路部材3は、U字状に形成される。流路部材3は、合金部材4の裏面4Tに接合される。流路部材3と合金部材4との間には、流路3Sが形成される。流路3Sは、図示しないマニホールドに繋がる。本実施形態では、マニホールドから流路3Sに燃料ガス(例えば、水素ガス)が供給される。
流路部材3は、例えば、合金材料によって構成することができる。流路部材3は、合金部材4と同様の構成を有していてもよい。
[合金部材4]
合金部材4は、第1電極層5、中間層6、電解質層7、反応防止層8、及び第2電極層9を支持する支持体である。本実施形態において、合金部材4は、板状に形成されているが、これに限られない。合金部材4は、例えば、筒状、或いは、箱状など他の形状であってもよい。
合金部材4のうち第1電極層5に接合される領域には、複数の貫通孔4pが形成されている。流路3Sを流れる燃料ガスは、各貫通孔4pを介して、第1電極層5に供給される。各貫通孔4pは、機械加工(例えば、パンチング加工)、レーザ加工、或いは、化学加工(例えば、エッチング加工)などによって形成することができる。或いは、合金部材4は、ガス透過性を有する多孔質金属によって構成されていてもよい。この場合、多孔質金属に形成された孔が貫通孔4pとして機能するため、貫通孔4pを形成するための加工を施す必要がない。
合金部材4は、板状に形成される。合金部材4は、平板状であってもよいし、曲板状であってもよい。合金部材4は、セル1の強度を保つことができればよく、その厚みは特に制限されないが、例えば0.1mm〜2.0mmとすることができる。合金部材4の詳細な構成については後述する。
[第1電極層5]
第1電極層5は、合金部材4によって支持される。第1電極層5は、電解質層7の合金部材4側に配置される。第1電極層5は、合金部材4の表面4S上に設けられる。第1電極層5は、合金部材4のうち複数の貫通孔4pが設けられた領域を覆うように設けられる。図1において、第1電極層5は、合金部材4の表面上に配置されており、各貫通孔4pに入り込んでいないが、第1電極層5の少なくとも一部は、各貫通孔4pに入り込んでいてもよい。
第1電極層5は、多孔質であることが好ましい。第1電極層5の気孔率は特に制限されないが、例えば20%〜70%とすることができる。第1電極層5の厚みは特に制限されないが、例えば1μm〜100μmとすることができる。
本実施形態において、第1電極層5には燃料ガス(例えば、水素ガス)が供給され、第1電極層5は、アノード(燃料極)として機能する。第1電極層5は、NiO−GDC(ガドリニウムドープセリア)、Ni−GDC、NiO−YSZ(イットリア安定化ジルコニア))、Ni−YSZ、CuO−CeO、Cu−CeOなどの複合材料によって構成することができる。
第1電極層5の形成方法は特に制限されず、焼成法、スプレーコーティング法(溶射法、エアロゾルデポジション法、エアロゾルガスデポジッション法、パウダージェットデポジッション法、パーティクルジェットデポジション法、コールドスプレー法など)、PVD法(スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法など)、CVD法などにより形成することができる。
[中間層6]
中間層6は、第1電極層5上に配置される。中間層6は、第1電極層5と電解質層7との間に介挿される。中間層6の厚みは特に制限されないが、例えば1μm〜100μmとすることができる。
中間層6は、酸化物イオン(酸素イオン)伝導性を有することが好ましい。中間層6は、電子伝導性を有することがより好ましい。中間層6は、YSZ、GDC、SSZ(スカンジウム安定化ジルコニア)、SDC(サマリウムドープセリア)などによって構成することができる。中間層6の形成方法は特に制限されず、焼成法、スプレーコーティング法、PVD法、CVD法などにより形成することができる。
[電解質層7]
電解質層7は、第1電極層5と第2電極層9との間に配置される。本実施形態では、セル1が中間層6及び反応防止層8を有しているため、電解質層7は、中間層6と反応防止層8との間に介挿されている。
本実施形態において、電解質層7は、第1電極層5全体を覆うように形成されており、電解質層7の外縁は、合金部材4に接合されている。これにより、第1電極層5に供給される燃料ガスと第2電極層9に供給される酸化剤ガスとの混合を抑制できるため、合金部材4と電解質層7との間を別途封止する必要がない。
電解質層7は、酸化物イオン伝導性を有する。電解質層7は、酸化剤ガスと燃料ガスとの混合を抑制できる程度のガスバリア性を有する。電解質層7は、複層構造であってもよいが、少なくとも1つの層が緻密層であることが好ましい。緻密層の気孔率は、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、2%以下が更に好ましい。電解質層7の厚みは特に制限されないが、例えば1μm〜10μmとすることができる。
電解質層7は、YSZ、GDC、SSZ、SDC、LSGMなどによって構成することができる。電解質層7の形成方法は特に制限されず、焼成法、スプレーコーティング法、PVD法、CVD法などにより形成することができる。
[反応防止層8]
反応防止層8は、電解質層7上に配置される。反応防止層8は、電解質層7と第2電極層9との間に介挿される。反応防止層8の厚みは特に制限されないが、例えば1μm〜100μmとすることができる。反応防止層8は、第2電極層9の構成材料と電解質層7の構成材料とが反応して高抵抗層が形成されることを抑制する。
反応防止層8は、GDC、SDCなどのセリア系材料によって構成することができる。反応防止層8の形成方法は特に制限されず、焼成法、スプレーコーティング法、PVD法、CVD法などにより形成することができる。
[第2電極層9]
第2電極層9は、電解質層7を基準として、第1電極層5の反対側に配置される。本実施形態では、セル1が反応防止層8を有しているため、第2電極層9は、反応防止層8上に配置される。
第2電極層9は、多孔質であることが好ましい。第2電極層9の気孔率は特に制限されないが、例えば20%〜70%とすることができる。第2電極層9の厚みは特に制限されないが、例えば1μm〜100μmとすることができる。
本実施形態において、第2電極層9には酸化剤ガス(例えば、空気)が供給され、第2電極層9は、カソード(空気極)として機能する。第2電極層9は、LSCF、LSF、LSC、LNF、LSMなどによって構成することができる。特に、第2電極層9は、La、Sr、Sm、Mn、CoおよびFeからなる群から選ばれる2種類以上の元素を含有するペロブスカイト型酸化物を含んでいることが好ましい。
第2電極層9の形成方法は特に制限されず、焼成法、スプレーコーティング法、PVD法、CVD法などにより形成することができる。第2電極層9の形成方法は特に制限されず、焼成法、スプレーコーティング法、PVD法、CVD法などにより形成することができる。
[セル1の動作]
まず、流路3Sから各貫通孔4pを介して第1電極層5に燃料ガスを供給し、かつ、第2電極層9に酸化剤ガスを供給しながら、セル1を作動温度(例えば、600℃〜850℃)まで加熱する。すると、第2電極層9においてO(酸素)がe(電子)と反応してO2−(酸素イオン)が生成される。生成されたO2−は、電解質層7を通って第1電極層5に移動する。第1電極層5に移動したO2−は、燃料ガスに含まれるH(水素)と反応して、HO(水)とeとが生成される。このような反応によって、第1電極層5と第2電極層9との間に起電力が発生する。
(合金部材4の詳細な構成)
図2は、図1に示した領域Xaを拡大して示す断面図である。図3は、合金部材4の表面4Sの平面図である。
図2に示すように、合金部材4は、基材41及び酸化クロム膜42を有する。
基材41は、Cr(クロム)を含有する合金材料によって構成される。このような金属材料としては、Fe−Cr系合金鋼(ステンレス鋼など)やNi−Cr系合金鋼などを用いることができる。基材41におけるCrの含有率は特に制限されないが、4〜30質量%とすることができる。
基材41は、Ti(チタン)やAl(アルミニウム)を含有していてもよい。基材41におけるTiの含有率は特に制限されないが、0.01〜1.0at.%とすることができる。基材41におけるAlの含有率は特に制限されないが、0.01〜0.4at.%とすることができる。基材41は、TiをTiO(チタニア)として含有していてもよいし、AlをAl(アルミナ)として含有していてもよい。
基材41は、第1主面Sa、第2主面Sb、外周面Sc、及び各貫通孔4pの内周面Sdを有する。第1主面Sa、第2主面Sb、外周面Sc、及び内周面Sdは、基材41の表面である。第1主面Sa、第2主面Sb、及び外周面Scは、基材41の外表面であり、内周面Sdは、基材41の内表面である。
基材41の第1主面Saは、合金部材4の表面4S側に設けられる。基材41の第2主面Sbは、合金部材4の裏面4T側に設けられる。基材41の第2主面Sbは、基材41の第1主面Saの反対側に設けられる。外周面Scは、第1主面Sa及び第2主面Sbそれぞれの外縁に連なる。外周面Scは、環状に形成される。各内周面Sdは、第1主面Sa及び第2主面Sbそれぞれに連なる。各内周面Sdは、筒状に形成される。
酸化クロム膜42は、基材41の表面上に形成される。酸化クロム膜42は、基材41の少なくとも一部を覆う。酸化クロム膜42は、基材41の少なくとも一部を覆っていればよいが、基材41全体を覆っていてもよい。
酸化クロム膜42は、酸化クロムを主成分として含有する。本実施形態において、組成物Xが物質Yを「主成分として含む」とは、組成物X全体のうち、物質Yが70重量%以上を占めることを意味する。
酸化クロム膜42は、基材41からCrが揮発することを抑制する機能と、合金部材4の強度を確保する機能とを有する。
本実施形態において、酸化クロム膜42は、第1部分42a、第2部分42b、第3部分42c、及び複数の第4部分42dを有する。第1部分42aは、基材41の第1主面Sa上に形成される。第2部分42bは、基材41の第2主面Sb上に形成される。第3部分42cは、基材41の外周面Sc上に形成される。各第4部分42dは、基材41の各内周面Sd上に形成される。第1乃至第4部分42a〜42dは、互いに一体的に連なっていてもよい。
酸化クロム膜42の第1部分42aは、延在部a1と、内側部a2とを含む。
図3に示すように、延在部a1は、合金部材4の表面4Sの平面視において、素子部10の外周の少なくとも一部に沿って延びる。本実施形態において、延在部a1は連続した環状に形成されているが、断続的に形成されていてもよい。例えば、延在部a1は、コの字状に形成されていてもよいし、破線状に形成されていてもよい。
図3に示すように、内側部a2は、表面4Sの平面視において、延在部a1の内側に配置される。内側部a2は、延在部a1と一体的に形成されていてもよい。延在部a1が素子部10の外周に沿って断続的に配置される場合、内側部a2の一部は、延在部a1の間に突出していてもよい。
図2に示すように、延在部a1の厚みTHa1は、内側部a2の厚みTHa2より厚い。これにより、合金部材4の強度をより向上させることができるとともに、Crの揮発をより抑制することができる。この効果は、上述のとおり、延在部a1を連続した環状に形成することによってより向上する。また、内側部a2の厚みTHa2を薄くすることができるため、素子部10(特に、第1電極層5)と合金部材4との電気的接続性を向上させることができる。
延在部a1の厚みTHa1は、FE−SEM(電界放出形走査電子顕微鏡)を用いて、合金部材4の表面4Sに垂直な断面を観察した場合において、酸化クロム膜42の第1部分42aのうち表面4Sの外縁から素子部10までの部分の最大厚みを測定することによって得られる。
延在部a1の厚みTHa1は特に制限されないが、0.2μm以上10μm以下が好ましい。これにより、合金部材4のうち外周部分の強度を確保できるため、合金部材4が変形することによって合金部材4と素子部10との間に剥離が生じることを抑制できる。延在部a1の厚みTHa1は、0.2μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましく、0.4μm以上が特に好ましい。
内側部a2の厚みTHa2は、FE−SEMを用いて、合金部材4の表面4Sに垂直な断面を観察した場合において、酸化クロム膜42の第1部分42aのうち第1電極層と接触する部分の最大厚みを測定することによって得られる。
内側部a2の厚みTHa2は特に制限されないが、0.1μm以上7μm以下が好ましい。これにより、合金部材4のうち素子部10と接する部分の可撓性を確保できるため、熱応力によって合金部材4と素子部10との間に剥離が生じることを抑制できる。内側部a2の厚みTHa2は、7μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が特に好ましい。
ここで、延在部a1の厚みTHa1に対する内側部a2の厚みTHa2の比(THa2/THa1)は、0.1以上0.93以下であることが好ましい。これにより、合金部材4の可撓性と強度とのバランスを良好にすることができるため、合金部材4と素子部10との間に剥離が生じることを効率的に抑制できる。
なお、図2に示すように、本実施形態に係る延在部a1の一部は、基材41と素子部10との間に介挿されているが、これに限られない。表面4Sに平行な面方向における延在部a1の幅は適宜変更可能であり、延在部a1は、素子部10から露出していてもよいし、基材41と中間層6との間に介挿されていてもよい。ただし、本実施形態のように、延在部a1を基材41と素子部10との間に介挿させることによって、合金部材4の強度を更に向上させることができる。
また、図2に示すように、本実施形態に係る内側部a2は、素子部10のうち第1電極層5、中間層6及び電解質層7に接続されているが、これらのうち少なくとも第1電極層5の一部に接続されていればよい。例えば、内側部a2が第1電極層5のみに接続されている場合、延在部a1が中間層6及び電解質層7に接続される。
第2部分42bの厚みTHbは、延在部a1の厚みTHa1より薄くてもよいが、延在部a1の厚みTHa1より薄いことが好ましい。これにより、合金部材4に適度な強度を付与して、合金部材4の応力緩和機能を向上させることができる。具体的には、まず、第2部分42bを設けることによって、合金部材4が過度に変形しやすくなることを抑えることができる。従って、合金部材4の貫通孔4pが閉塞したり、或いは、セル1に接続される他の部材(例えば、図示しないセパレーターや集電部材など)とセル1との接合箇所に剥離などが生じたりすることを抑制できる。また、第2部分42bの厚みTHbを延在部a1の厚みTHa1より薄くすることによって、合金部材4全体が過度に硬くなることを抑えて変形性を確保できる。従って、昇降温時に素子部10の内部に熱応力が発生することを抑制できるため、素子部10に剥離やクラックが生じることを抑制できる。第2部分42bの厚みTHbは特に制限されないが、例えば、0.1μm以上7μm以下とすることができる。第2部分42bの厚みTHbは、7μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が特に好ましい。
第3部分42cの厚みTHcは、延在部a1の厚みTHa1より厚くてもよいが、延在部a1の厚みTHa1より薄いことが好ましい。これにより、合金部材4に適度な強度を付与して、合金部材4の応力緩和機能を向上させることができる。第3部分42cの厚みTHcは特に制限されないが、例えば、0.1μm以上7μm以下とすることができる。第3部分42cの厚みTHcは、7μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が特に好ましい。
第4部分42dの厚みTHdは、延在部a1の厚みTHa1より厚くてもよいが、延在部a1の厚みTHa1より薄いことが好ましい。これにより、合金部材4に適度な強度を付与して、合金部材4の応力緩和機能を向上させることができる。第4部分42dの厚みTHdは特に制限されないが、例えば、0.1μm以上7μm以下とすることができる。第4部分42dの厚みTHdは、7μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が特に好ましい。
(合金部材4の作製方法)
合金部材4を作製するには、クロムめっき法、酸化クロムペースト塗布などの各種方法を用いることができる。
例えば、クロムめっき法を用いた合金部材4の作製方法は、以下の通りである。
まず、基材41の表面のうち延在部a1を形成する領域以外の領域(すなわち、第1主面Saのうち内側部a2を形成する領域、第2主面Sb、外周面Sc、及び内周面Sd)をマスキングする。
次に、基材41の表面のうち延在部a1を形成する領域にクロムめっき処理を行うことによって、延在部a1を形成する領域にクロムめっき膜を形成する。
次に、基材41の表面に施したマスキングを除去する。
次に、基材41の表面全体にクロムめっき処理を行うことによって、基材41の表面のうち延在部a1を形成する領域以外の領域にクロムめっき膜を形成するとともに、延在部a1を形成する領域に形成したクロムめっき膜を厚膜化する。
次に、クロムめっき膜が形成された基材41を大気雰囲気で熱処理(例えば、550℃〜850℃、3時間〜100時間)することによって、酸化クロム膜42によって被覆された基材41が完成する。
(他の実施形態)
本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形又は変更が可能である。
上記実施形態において、合金部材4は、基材41及び酸化クロム膜42を有することとしたが、酸化クロム膜42上に形成された被覆膜を有していてもよい。被覆膜を構成する材料としては、セラミックス材料及び金属材料などを用いることができる。セラミックス材料としては、例えば、LaおよびSrを含有するペロブスカイト形複合酸化物、Mn,Co,Ni,Fe,Cu等の遷移金属から構成されるスピネル型複合酸化物、ガラス材料などを用いることができる。金属材料としては、Ni、Co、Fe、Cuなどを用いることができる。なお、合金部材4の表面のうち流路部材3及び第1電極層5それぞれが接続されない領域には導電性が必要とされないため、当該領域は、絶縁性材料で構成される被覆膜によって被覆されていてもよい。
上記実施形態において、素子部10は、中間層6及び反応防止層8を含むこととしたが、少なくとも中間層6及び反応防止層8の一方を含んでいなくてよい。
上記実施形態において、第1電極層5はアノードとして機能し、第2電極層9はカソードとして機能することとしたが、第1電極層5がカソードとして機能し、第2電極層9がアノードとして機能してもよい。この場合、第1電極層5と第2電極層9の構成材料を入れ替えるとともに、第1電極層5の外表面に燃料ガスを流すとともに、流路3Sに酸化剤ガスを流せばよい。
上記実施形態において、酸化クロム膜42は、第1部分42a、第2部分42b、第3部分42c、及び複数の第4部分42dを有することとしたが、少なくとも第1部分42aを有していればよく、第2部分42b、第3部分42c、及び複数の第4部分42dのうち少なくとも1つを有していなくてもよい。
上記実施形態において、燃料電池セル1は、第2電極層9に供給される酸化剤ガスを流すために特定の流路を備えないこととしたが、図4に示すように、酸化剤ガスが流れる流路20Sを形成する流路部材20を備えていてもよい。流路部材20は、ガラス材などの接合材21を介して、合金部材4の表面4Sに接合される。この場合、図5に示すように、合金部材4が有する酸化クロム膜42の第1部分42aのうち延在部a1は、接合材21が接合される接合領域a3において薄くなっていることが好ましい。これによって接合界面の接合強度を向上させることができる。接合領域a3の厚みTHa3は特に制限されないが、例えば、0.1μm以上7μm以下とすることができる。なお、このように延在部a1が部分的に薄膜化されている場合であっても、図6に示すように、延在部a1は、素子部10の外周に沿って延びることに変わりはない。また、延在部a1が部分的に薄膜化されている場合であっても、延在部a1の厚みTHa1は、表面4Sの外縁から素子部10までの部分の最大厚みである。
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、延在部a1の厚みTHa1に対する内側部a2の厚みTHa2の比(THa2/THa1)が、合金部材4と素子部10との剥離に与える影響について検証する。
(実施例1〜13及び比較例1〜3)
以下のように、実施例1〜13及び比較例1〜3に係る燃料電池セル1を作製した。
まず、厚さ0.5mmのステンレス鋼製の基材41を準備して、基材41の表面のうち延在部a1を形成する領域以外をマスキングした。
次に、基材41の表面のうち延在部a1を形成する領域にクロムめっき処理を施すことによってクロムめっき膜を形成した。この際、クロムめっき処理時間を調整することによって、表1に示すように、延在部a1の厚みTHa1を調整した。
次に、基材41の表面に施したマスキングを除去した後、基材41の表面全体にクロムめっき処理を行うことによって、延在部a1を形成する領域以外にクロムめっき膜を形成するとともに、延在部a1を形成する領域に形成したクロムめっき膜を厚膜化した。この際、クロムめっき処理時間を調整することによって、表1に示すように、延在部a1の厚みTHa1及び内側部a2の厚みTHa2を調整した。
次に、クロムめっき膜が形成された基材41を大気雰囲気で熱処理(550℃、1時間)することによって合金部材4を完成させた。
次に、図1に示した構成を有する燃料電池セル1を準備し、導電性接合材としてのNiペーストを用いて、合金部材4の内側部a2に燃料電池セル1を接合し、窒素雰囲気において800℃で1時間焼成することにより焼結させた。以上により、実施例1〜13及び比較例1〜3に係る燃料電池セル1が完成した。
(熱サイクル試験)
実施例1〜13及び比較例1〜3に係る燃料電池セル1を加熱炉に入れ、室温〜550℃まで昇温速度200℃/hで昇温させる工程と、550℃〜室温まで降温速度200℃/hで降温させる工程とを50回繰り返した。
次に、超音波探傷器(日立パワーソリューションズ社製、型式FineSAT FS100III)を用いて燃料電池セル1の検査超音波探傷試験を実施し、合金部材4と素子部10との間における剥離の有無を確認した。確認結果を表1に示す。具体的には、Cスキャン法により合金部材4と素子部10の界面近傍の深さ位置の反射エコーを画像化した。次に、Cスキャン画像の輝度の明るい領域について、合金部材4の厚み方向に沿った断面をFE−SEMで観察して剥離の有無を確認した。表1では、合金部材4と素子部10との間に剥離が確認されなかったものを〇と評価し、合金部材4と素子部10との間に剥離が確認されたものを×と評価した。
次に、合金部材4の厚み方向に沿った断面をFE−SEMで観察し、延在部a1の厚みTHa1と内側部a2の厚みTHa2とを測定した。
Figure 2020149971
表1に示すように、延在部a1の厚みTHa1に対する内側部a2の厚みTHa2の比(THa2/THa1)を0.1以上0.93以下とした実施例1〜13では、合金部材4と素子部10との間に剥離が生じることを抑制できた。このような結果が得られたのは、合金部材4の可撓性と強度とのバランスを良好にすることができたためである。
1 セル
3 流路部材
4 合金部材
4S 表面
4T 裏面
4p 貫通孔
41 基材
Sa 第1主面
Sb 第2主面
Sc 外周面
Sd 内周面
42 酸化クロム膜
42a 第1部分
a1 延在部
a2 内側部
42b 第2部分
42c 第3部分
42d 第4部分
5 第1電極層
6 中間層
7 電解質層
8 反応防止層
9 第2電極層

Claims (6)

  1. 合金部材と、
    前記合金部材の表面上に配置される素子部と、
    を備え、
    前記素子部は、
    前記合金部材によって支持される第1電極層と、
    第2電極層と、
    前記第1電極層と第2電極層との間に配置される電解質層と、
    を有し、
    前記合金部材は、
    クロムを含有する合金材料によって構成される基材と、
    前記基材の少なくとも一部を覆う酸化クロム膜と、
    を有し、
    前記酸化クロム膜は、前記基材の第1主面上に形成される第1部分を含み、
    前記第1部分は、前記合金部材の表面の平面視において、前記素子部の外周の少なくとも一部に沿って延びる延在部と、前記延在部の内側に配置される内側部とを含み、
    前記延在部の厚みは、前記内側部の厚みより厚い、
    電気化学セル。
  2. 前記延在部は、前記合金部材の表面の平面視において、環状に形成される、
    請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記延在部の一部は、前記基材と前記素子部との間に配置される、
    請求項1又は2に記載の電気化学セル。
  4. 前記合金部材は、前記酸化クロム膜の表面の少なくとも一部を覆う被覆膜を有する、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の電気化学セル。
  5. 前記酸化クロム膜は、前記基材の第2主面上に形成される第2部分を含み、
    前記第2部分の厚みは、前記延在部の厚みより薄い、
    請求項1乃4のいずれかに記載の電気化学セル。
  6. 前記延在部の厚みに対する前記内側部の厚みの比は、0.1以上0.93以下である、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の電気化学セル。
JP2020037732A 2019-03-07 2020-03-05 電気化学セル Active JP6752387B1 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019041697 2019-03-07
JP2019041697 2019-03-07

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6752387B1 JP6752387B1 (ja) 2020-09-09
JP2020149971A true JP2020149971A (ja) 2020-09-17

Family

ID=72333521

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020037732A Active JP6752387B1 (ja) 2019-03-07 2020-03-05 電気化学セル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6752387B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023171276A1 (ja) * 2022-03-08 2023-09-14 日本碍子株式会社 電気化学セル

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016051699A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 日本特殊陶業株式会社 インタコネクタ付燃料電池単セル及びその製造方法、燃料電池スタック
JP2016066616A (ja) * 2014-09-19 2016-04-28 大阪瓦斯株式会社 電気化学素子、固体酸化物形燃料電池セル、およびこれらの製造方法
JP2016195029A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 大阪瓦斯株式会社 電気化学素子、それを備えた電気化学モジュール、電気化学装置およびエネルギーシステム
JP2018037299A (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 アイシン精機株式会社 インターコネクタおよびその製造方法
WO2018181922A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 大阪瓦斯株式会社 電気化学素子、電気化学モジュール、電気化学装置、エネルギーシステム、固体酸化物形燃料電池、および電気化学素子の製造方法
WO2018181926A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 大阪瓦斯株式会社 合金部材の製造方法、合金部材、電気化学素子、電気化学モジュール、電気化学装置、エネルギーシステム、および固体酸化物形燃料電池

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016051699A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 日本特殊陶業株式会社 インタコネクタ付燃料電池単セル及びその製造方法、燃料電池スタック
JP2016066616A (ja) * 2014-09-19 2016-04-28 大阪瓦斯株式会社 電気化学素子、固体酸化物形燃料電池セル、およびこれらの製造方法
JP2016195029A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 大阪瓦斯株式会社 電気化学素子、それを備えた電気化学モジュール、電気化学装置およびエネルギーシステム
JP2018037299A (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 アイシン精機株式会社 インターコネクタおよびその製造方法
WO2018181922A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 大阪瓦斯株式会社 電気化学素子、電気化学モジュール、電気化学装置、エネルギーシステム、固体酸化物形燃料電池、および電気化学素子の製造方法
WO2018181926A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 大阪瓦斯株式会社 合金部材の製造方法、合金部材、電気化学素子、電気化学モジュール、電気化学装置、エネルギーシステム、および固体酸化物形燃料電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023171276A1 (ja) * 2022-03-08 2023-09-14 日本碍子株式会社 電気化学セル

Also Published As

Publication number Publication date
JP6752387B1 (ja) 2020-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5540108B2 (ja) 高温燃料電池のためのアノードならびにその製造
JP5044628B2 (ja) コーティング体
JP6602773B2 (ja) 電気化学素子、固体酸化物形燃料電池セル、およびこれらの製造方法
JP6343728B1 (ja) 合金部材、セルスタック及びセルスタック装置
EP2250295B1 (en) Cu-based cermet for high-temperature fuel cell
JP3997874B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用単セル及びその製造方法
JP2010062145A (ja) インターコネクト用バリア皮膜、関連装置及び形成方法
WO2002035628A1 (en) Fuel cells
TW201011967A (en) Metal-supported, segmented-in-series high temperature electrochemical device
JP2004319286A (ja) 固体酸化物形燃料電池の作製方法
JP2016066616A (ja) 電気化学素子、固体酸化物形燃料電池セル、およびこれらの製造方法
JP2014049320A (ja) 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法
JPH1092446A (ja) 固体電解質型燃料電池
JP6752387B1 (ja) 電気化学セル
JP6752386B1 (ja) 電気化学セル
JP2013511799A (ja) 燃料電池用のアッセンブリー及びそれの製造法
JP4779064B1 (ja) 燃料電池セル
JP2007200568A (ja) 固体電解質型燃料電池及びその製造方法
WO2018174168A1 (ja) 電気化学素子の製造方法および電気化学素子
JP6761497B2 (ja) セルスタック及び電気化学セル
JP3894103B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池用集電体材料
WO2024101163A1 (ja) 電気化学セル
WO2023188936A1 (ja) 電気化学セル
JP7394190B1 (ja) 電気化学セル
WO2023171276A1 (ja) 電気化学セル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200331

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200331

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200721

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6752387

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150