JP2014049320A - 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼結による多孔質金属基板の多孔性や強度の劣化が少なく、しかも十分な焼結状態の燃料極を備えた多孔質金属基板支持型の固体酸化物形燃料電池と、その製造方法を提供する。
【解決手段】多孔質金属基板2の上に、燃料極3、電解質4及び空気極5をこの順に備えた固体酸化物形燃料電池における金属基板2と燃料極3とを共焼結するに際して、多孔質金属基板2の全表面あるいは表面の一部に酸化防止材Cによる被覆を施した上で燃料極3を積層し、この状態の基板2と燃料極3とを大気中で共焼結する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質金属基板支持タイプの固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)に係わり、特に、比較的低温度の大気中において、基板と燃料極との共焼成を行うことができる燃料電池と、その製造方法に関するものである。
固体酸化物形燃料電池は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)やスカンジア安定化ジルコニア(SSZ)など、酸素イオン伝導性を有する固体酸化物から成る電解質を用い、その両側にガス透過性を備えた電極を配置した構造を備え、一般に、600℃を超える高温で作動する燃料電池である。
固体酸化物形燃料電池の積層構造としては、アノード支持型や電解質支持型のものが知られているが、これらタイプの燃料電池においては、支持基板がセラミックス材料から成るものであるため、薄型となった場合は基板強度や柔軟性の確保が困難となる。
また、基板強度、柔軟性の観点のみならず、セルをスタッキングする際の簡便性をも考慮すると、上記のような電極支持型や電解質支持型に較べて、多孔質金属製の支持基板を用いた金属支持型セルが望ましいことになる。
このような金属支持型の固体酸化物形燃料電池の製造において、多孔質金属支持基板と燃料極とを共焼結するに際して、大気中で焼結すると、基板金属が酸化され、基板の多孔性や強度が損なわれる。一方、Arのような不活性ガス中で焼結した場合でも、基板の多孔性の低下が避け難いばかりでなく、燃料極の焼結が十分な状態とならなくなる。
また、金属基板と燃料極との共焼結を還元性雰囲気中で行うことも行われており、例えば、特許文献1には、H還元雰囲気中1050℃で焼結することが記載されている。
特開2004−207088号公報
しかしながら、還元性雰囲気中の焼結では、金属基板の酸化が防止されるが、上記温度では燃料極を十分な焼結状態とすることは難しく、焼結状態をさらに改善するには、焼結温度をさらに高温にする必要があるという問題がある。しかし、さらなる高温での焼結では、多孔質金属から成る基板の変形や組織変化が生じやすくなる。
本発明は、多孔質金属基板支持型の固体酸化物形燃料電池における上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、焼結による金属基板の多孔性や強度の劣化が少なく、しかも十分な焼結状態の燃料極を備えた固体酸化物形燃料電池と、その製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、多孔質金属基板の表面を耐酸化性材料で、予めコーティングしておくことによって上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の固体酸化物形燃料電池は、多孔質金属基板上に、燃料極、電解質及び空気極をこの順に積層して成る金属支持型の固体酸化物形燃料電池であって、上記多孔質金属基板の表面の少なくとも一部が酸化防止材により被覆されていることを特徴としている。
また、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法においては、上記酸化防止材の材質に応じて、多孔質金属基板の全表面を酸化防止材で被覆した後、あるいは表面の一部をマスキングした状態の多孔質金属基板を酸化防止材で被覆して、基板表面の一部を露出させた後、燃料極を積層して、大気中で共焼結するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、多孔質金属基板の表面の少なくとも一部が酸化防止材で被覆されたものとしたため、大気中の焼結によっても基板の酸化が抑えられ、基板の多孔性や強度を損なうことなく、燃料極の焼結状態を良好なものとすることができる。
(a)本発明の固体酸化物形燃料電池の第1の実施形態を示す概略断面図である。(b)本発明の固体酸化物形燃料電池の第2の実施形態を示す概略断面図である。(c)本発明の固体酸化物形燃料電池の第3の実施形態を示す概略断面図である。 (a)本発明の実施例1による燃料極と多孔質金属基板との共焼結の要領を説明する概略断面図である。(b)本発明の実施例1における多孔質金属基板のマスキング要領を説明する概略図である。 本発明の実施例2による燃料極と多孔質金属基板との共焼結の要領を説明する概略断面図である。 本発明の実施例3による燃料極と多孔質金属基板との共焼結体を示す概略断面図である。 (a)本発明の実施例4による燃料極と多孔質金属基板との共焼結の要領を説明する概略断面図である。(b)本発明の実施例4における多孔質金属基板のマスキング要領を説明する概略図である。
以下に、本発明の固体酸化物形燃料電池について、その製造方法と共に、さらに具体的かつ詳細に説明する。
本発明の固体酸化物形燃料電池は、多孔質金属基板上に、燃料極、電解質及び空気極をこの順に積層して成る金属支持型の燃料電池であって、上記したように、多孔質金属基板の表面の少なくとも一部が酸化防止材により被覆されている。
本発明において、酸化防止材としての基本機能は、焼結温度において酸素を通さないことであって、例えば、固体酸化物形燃料電池に用いられる電解質材料や燃料極材料が用いられる。
図1(a)は、本発明の固体酸化物形燃料電池の一実施形態を示す断面図である。
図に示す固体酸化物形燃料電池1は、例えばパンチングメタルのような多孔質金属基板2の上に、燃料極3、電解質4及び空気極5をこの順に積層した構造を有し、上記質金属基板2の表裏両面の一部を除く表面に電解質材料から成る酸化防止材Cが被覆されている。
電解質材料は、電子伝導性を有さないことから、上記多孔質金属基板2を集電体として利用しようとする場合には、当該金属基板2の表裏両面、すなわち燃料極3や図外のセパレータと当接する面の一部を被覆されない状態に残し、電気的な接触が可能な部分を形成しておくことが望ましい。
このように酸化防止材Cによる被覆を金属基板2の一部のみに施すためには、樹脂材料などによって、金属基板2の所望部位にマスキングを施した状態で酸化防止材Cの被覆処理を行えばよいが、全面を被覆した後、不要部位の被覆を焼失させて除去し所望部位に被覆してもよい。
このような酸化防止材Cとして適用可能な電解質材料としては、種々の材料を挙げることができるが、例えば、LaZrなどのパイロクロール型酸化物を用いることができる。
このパイロクロール型酸化物は、Aの一般式(A:希土類元素、B:Zr又はその一部をTiに置き換えたもの)で表される複合酸化物であって、酸素バリア性に優れ、フェライト系ステンレス鋼及び燃料極に近い熱膨張係数を有する。したがって、当該酸化物は、熱膨張・収縮に起因する割れや剥離が生じにくい点において、酸化防止材として望ましい。
さらに、YSZ、SSZなどのジルコニア系固溶体、CeO(セリア)や、SDC(サマリウムドープトセリア)、GDC(ガドリウムドープトセリア)、YDC(イットリアドープトセリア)などのセリア系固溶体、LSGM(ランタンガレート)、酸化ビスマス系固溶体などを挙げることができる。
図1(b)は、本発明の固体酸化物形燃料電池の他の実施形態を示す断面図であって、図に示す固体酸化物形燃料電池1は、多孔質金属基板2の開口部壁をも含む全面に、燃料極材料から成る酸化防止材Cが被覆されていること以外は、図1(a)に示した燃料電池と基本的に同様の構造を備えている。
すなわち、酸化防止材Cとしての燃料極材料は、電子伝導性を備えていることから、金属基板2の全面を被覆した場合にも、当該金属基板2を集電体として利用することができる。
このような酸化防止材Cとして適用可能な燃料極材料としては、例えばSrTiO系固溶体に代表される複合酸化物を挙げることができる。
また、サーメット材料、例えば、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Pt(白金)などの金属と、上記したYSZ、SSZ、SDC、GDCなどの電解質材料との混合物を用いることができる。
図1(c)は、本発明の固体酸化物形燃料電池のさらなる実施形態を例示するものであって、図に示す固体酸化物形燃料電池1は、多孔質金属基板2の全面を上記のような燃料極材料から成る酸化防止材Cの微粒子で被覆したものであって、これ以外は、図1(b)に示した燃料電池と基本的に同様の構造を備えている。このように、多孔質金属基板2に施す被覆層は、膜状のものであっても、微粒子の集合体であっても支障はない。
なお、このような微粒子による被覆は、燃料極材料のみに限定される訳ではなく、多孔質金属基板2の表裏両面の一部を残して被覆するようにすれば、電解質材料を用いることもできることは言うまでもない。
このような酸化防止材による被覆処理には、スラリー塗布や印刷法などの湿式法を適用することができるが、PVD(物理気相蒸着)法、すなわち溶射法、PLD(パルスレーザー堆積)法、AD(エアロゾルデポジション)法、スパッタ法、EB(電子蒸着)法などを適用することが望ましい。
本発明の固体酸化物形燃料電池において、上記多孔質金属基板2としては、NiやCrを含有する耐食鋼や耐食合金、ステンレス鋼などから成り、多数の孔や空隙を備えた金属、例えば、パンチングメタル、金属メッシュ(金網)、エキスパンドメタル、エッチングメタル、金属不織布、発泡金属、などを使用することができる。
燃料極3としては、上記したような材料、例えば、SrTiO系複合酸化物や、Ni−YSZ、Ni−SDCに代表されるサーメットを用いることができる。
また、電解質4としても、上記した材料、例えば、YSZ、SSZ、SDC、GDC、YDC、LSGMなどが用いられる。
そして、空気極5としては、例えばLSCF(La1−xSrCo1−yFe)、SSC(SmSr1−xCoO)、LSM(La1−xSrMnO)などのようなぺロブスカイト系材料が用いられる。
なお、空気極5の成分によっては、電解質4の反応を防止するのために、これらの間に中間層を設けることができる。例えば、電解質4としてYSZを、空気極としてLSCFを用いる場合、LaとZrは反応して絶縁層を作ってしまうために、例えばSDC、YDC、GDCのようなドープ型セリア系の材料を中間層として用いる。
本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法において、上記酸化防止材Cとして電解質材料を用い、多孔質金属基板2の表面の一部に電解質材料を被覆するに際しては、まず、多孔質金属基板2の表面に部分的にマスキングを施す。
次いで、マスキングを施した状態の金属基板2に、電解質材料から成る酸化防止材による被覆を行った後、マスキング材料の分解焼失温度以上に加熱する。
この加熱によって、マスキング材料が焼き飛ばされ、多孔質金属基板2の表面に、電解質材料による被覆がなされていないエリアが形成され、多孔質基板2の金属面が露出される。したがって、この状態の多孔質金属基材2の表面に燃料極3を積層すれば、当該燃料極3と金属基材2とが電気的に接触することになり、金属基材2が集電機能を発揮することになる。
そして、焼結後の燃料極3の上に、電解質4、さらにその上に空気極5が積層されて、固体酸化物形燃料電池1となる。
また、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法において、上記酸化防止材Cとして燃料極材料を用いる場合には、燃料極材料が電子伝導性を有することから、マスキングを施す必要はない。すなわち、多孔質金属基板2の全表面に酸化防止材Cを被覆した状態で、燃料極を積層して、これらを大気中で共焼結することによって、基材2の酸化が防止されて多孔性や強度の劣化が抑えられると共に、燃料極3の焼結状態が向上する。そして、金属基材2が集電体として機能することになる。
以下、本発明を実施例に基づいて、具体的に説明するが、本発明はこのような実施例によって何ら限定されないことは言うまでもない。なお、本明細書において、「%」は、特記しない限り質量百分率を意味するものとする。
〔実施例1〕
多孔質金属基板として、フェライト系ステンレス鋼(SUS430)から成り、200μm径の微細孔を備えた厚さ200μmのエッチングメタルに、予めニッケルコーティングを施したものを使用した。
先ず、上記多孔質金属基板の表面の一部に、アクリル樹脂によるマスキングを施し、この状態で、酸化防止材として、CeOから成るコーティング層をPLD法により形成した。
上記酸化防止材によるコーティング層を形成した後、450℃の大気中で1時間加熱することによって、マスキング樹脂を焼失させ、マスキングされた基材金属面の一部を露出させると共に、基材表面の残る部分と、側面全エリア(微細孔内面を含む)に酸化防止材を残存させた。
次に、この状態の金属基板上に、NiOとYSZを7:3の質量比で含有し、エチルセルロース(バインダ)と酢酸ブチル(有機溶媒)を含む燃料極ペースト(NiO−YSZ:エチルセルロース:酢酸ブチル=85:5:10)を塗布した。
そして、図2(a)に示すように、燃料極ペーストを塗布した多孔質金属基板2を多孔質セラミックス基体10の上に載置し、さらにその上に3YSZ(3モルイットリア安定化ジルコニア)から成る緻密セッタ11を重ねた状態で、1100℃の大気中、2時間の焼結処理を実施した。
このようにして得られた燃料極3は、十分に焼結されており、多孔質金属基板2から剥離することもなかった。
なお、上記樹脂材料による基板2のマスキングに際しては、スクリーン印刷により、図2(b)に示すように、金属基板2の微細孔2aの間に、マスキング層Mをライン状に形成するようにした。
〔比較例1〕
上記実施例1に使用したものと同じ多孔質金属基板を用いて、酸化防止材によるコーティングを施すことなく、同様の燃料極ペーストを塗布したのち、上記同様に多孔質セラミックス基体10と緻密セッタ11の間に挟持し、10%の水素を含有する還元性雰囲気中において、1100℃、2時間の焼結処理を施した。
このようにして得られた燃料極は、焼結不足の状態であって、破壊しやすく、金属基板からの剥離が生じる結果となった。
〔実施例2〕
多孔質金属基板として、ニッケルから成り、200μm径の微細孔を有する厚さ200μmのエッチングメタルを使用し、当該基板の微細孔の内面を含む全面に、酸化防止材として、Sr0.8La0.2TiO(AサイトのSrの20%をLaで置き代えたSrTiO系固溶体)から成るコーティング層をスパッタ法により形成した。
次に、上記コーティングを施した金属基板上に、NiOとYSZを7:3の質量比で含有し、エチルセルロースと酢酸ブチルを上記実施例1と同様の比率で含む燃料極ペーストを塗布した。
そして、図3に示すように、燃料極ペーストを塗布した多孔質金属基板2を多孔質セラミックス基体10と緻密セッタ11の間に挟持した状態で、1100℃の大気中で2時間の焼結処理を施した。
このようにして得られた燃料極3は、上記実施例1と同様に、十分な焼結状態となっており、多孔質金属基板2からの剥離も認められなかった。
〔実施例3〕
多孔質金属基板として、空隙径が約100μm、厚さ200μmのCr含有耐熱鋼から成る圧延金網を使用した。
上記圧延金網基板をNiO−GDCスラリー(固形分:20%、粘度:30Pa・s)中に浸漬して、5mm/秒の速度で引き上げたのち、120℃のオーブン内で5分乾燥することによって、当該基板の空気に触れる面に、酸化防止材としてNiO−GDC微粒子の付着層を形成した。なお、NiOとGDCの質量比率は70:30とし、上記微粒子を基板に緻密に付着させるため、上記浸漬−乾燥操作を10回繰り返した。
次に、NiO−GDC微粒子の付着層を備えた上記基板上に、NiOとYSZを含有し、さらにエチルセルロースと酢酸ブチルを含む上記実施例と同様の燃料極ペーストを塗布した。
そして、燃料極ペーストを塗布した金網基板を上記各実施例と同様に、多孔質セラミックス基体10と緻密セッタ11の間に挟持した状態で、1100℃の大気中、2時間の焼結処理を実施し、図4に示すような圧延金網基板2と燃料極3の共焼結体を得た。
このようにして得られた燃料極3は、上記実施例1や2と同様に、十分な焼結状態が得られており、多孔質金属基板2からの剥離も確認できなかった。
〔実施例4〕
多孔質金属基板として、50μm径の微細孔を備えた厚さ100μmのニッケルから成るエッチングメタルを使用し、当該多孔質金属基板の表面の一部に、実施例1と同様の樹脂材料によるマスキングを施した。そして、この状態の金属基板の表面に、酸化防止材として、酸化ビスマス(Bi)から成るコーティング層をEB法によって形成した。
なお、上記樹脂材料による基板2のマスキングに際しては、スクリーン印刷により、図5(b)に示すように、金属基板2の微細孔2aの間に、マスキング層Mを形成した。
上記酸化防止材によるコーティング層を形成した後、同様に450℃の大気中で1時間加熱することによって、マスキング樹脂を焼失させて、基材の金属面の一部を露出させ、この状態の金属基板上に、NiOとYSZを含む上記実施例と同様の燃料極ペーストを塗布した。
そして、図5(a)に示すように、燃料極ペーストを塗布した多孔質金属基板2を多孔質セラミックス基体10と緻密セッタ11の間に挟持した状態で、1100℃の大気中、2時間の焼結処理を実施した。
このようにして得られた燃料極3は、十分に焼結されており、多孔質金属基板2からの剥離も認められなかった。
〔実施例5〕
多孔質金属基板として、空隙径が約100μm、厚さ200μmのエキスパンドメタル(日立金属製ZMG232)を使用し、当該金属基板の表面の一部に、上記実施例1と同様のマスキング(図2(b)参照)を施した。
次いで、マスキングを施した状態の金属基板をBiスラリー(固形分:20%、粘度:30Pa・s)中に浸漬して、引き上げ、120℃のオーブン内で10分乾燥することによって、当該基板の表面に、酸化防止材として、Bi微粒子の付着層を形成した。
次に、上記酸化防止材微粒子の付着層を備えた基材を450℃の大気中で1時間、同様に加熱することによって、マスキング樹脂を焼失させ、基材の金属面の一部を露出させたのち、この金属基板上に、NiOとYSZを含む上記実施例と同様の燃料極ペーストを塗布した。
そして、燃料極ペーストを塗布した状態の多孔質金属基板を多孔質セラミックス基体10と緻密セッタ11の間に挟持した状態で、上記各実施例と同様に、1100℃の大気中、2時間の焼結処理を実施した。
このようにして得られた燃料極3は、十分な状態に焼結されており、多孔質金属基板2から剥離することもなかった。
〔実施例6〕
多孔質金属基板として、フェライト系ステンレス鋼(SUS430)から成り、200μm径の微細孔を備えた厚さ200μmの上記実施例1と同じエッチングメタルに、予めニッケルコーティングを施したものを使用し、その表面の一部に、実施例1と同様のマスキングを施した。
次に、マスキングを施した状態の金属基板の表面に、酸化防止材であるLaZrから成るコーティング層を溶射法によって形成した。
上記酸化防止材によるコーティング層を形成した金属基板を450℃の大気中で1時間、同様に加熱することによって、マスキング樹脂を焼失させ、基材の金属面の一部を露出させた状態の金属基板上に、NiOとYSZを含む上記実施例と同様の燃料極ペーストを塗布した。
そして、燃料極ペーストを塗布した多孔質金属基板2を同様に、多孔質セラミックス基体10と緻密セッタ11の間に挟持し、この状態で、1100℃の大気中、2時間の焼結処理を施した。
このようにして得られた燃料極3は、良好な状態に焼結されており、多孔質金属基板2からの剥離も認められなかった。
以上のように、多孔質金属基板上に、直接積層した状態で、還元性雰囲気中で金属基板と共焼結することによって得られた比較例1による燃料極は、粒子間の結合状態が不完全で破壊され易く、基板からの剥離が観察される結果となった。
これに対して、酸化防止材の電子伝導性に応じて、多孔質金属基板の全面あるいはその一部に、上記酸化防止材によるコーティングを施した上で、燃料極を積層し、大気中で共焼結するようにした上記実施例1〜6においては、燃料極の焼結状態が良好なものとなり、基板からの剥離が防止できることが確認された。
1 固体酸化物形燃料電池
2 多孔質金属基板
3 燃料極
4 電解質
5 空気極
C 酸化防止材
M マスキング層

Claims (5)

  1. 多孔質金属基板上に、燃料極、電解質及び空気極をこの順に積層して成る金属支持型固体酸化物形燃料電池において、
    上記多孔質金属基板の表面の少なくとも一部が酸化防止材により被覆されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 上記酸化防止材が電解質材料であって、多孔質金属基板の表面の一部が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 上記酸化防止材が燃料極材料であって、多孔質金属基板の表面の全面が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池を製造するに際し、多孔質金属基板表面の一部をマスキングした状態で上記酸化防止材による被覆を行い、基板のマスキング部を露出させた後、燃料極を積層して、大気中で共焼結することを特徴とする固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  5. 請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池を製造するに際し、多孔質金属基板表面の全面を上記酸化防止材で被覆した後、燃料極を積層して、大気中で共焼結することを特徴とする固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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