JP2020149178A - 制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御対象の信頼性や安定性を確保しつつ、運転効率や生産効率を向上する。【解決手段】制御対象の所望の出力値を演算する演算部4と、前記所望の出力値と前記制御対象の出力値との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を演算するゲイン値調整部2と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、及び、前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部6とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、制御装置に関し、特に、制御装置のパラメータを調節する装置に関する。
本技術の背景技術として、特開2015−76024(特許文献1)がある。この文献には、「プラントの設定値を変更したときの設定値、操作変数、制御変数を計測し、計測した信号をフィッティングして規範モデルのベース関数を定義し、ベース関数に制御応答を調整する調整パラメータを導入して規範モデルとする。設定値変更時の制御変数と操作変数の応答、または、外乱信号印加時の制御変数の応答を推定し、これらの応答データから制御特性を表す指標を抽出する。この指標を基に定義した評価関数を用いて調整パラメータの最適値を求めることにより、要求される制御特性に応じた規範モデルを決定し、制御ゲインの最適化を図る。」が記載されている(要約参照)。
特開2015−76024号公報
しかしながら、前述した先行技術(特許文献1)では、規範モデル(参照モデル)のパラメータを再調整するための運転条件を用意し、事前の知見に基づいてパラメータ調整するものであり、通常運転時に事前の知見なしにパラメータを再調整するものではない。また、PID制御器におけるPIDゲインが実現可能な範囲を考慮した再調整方法でもない。
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、前記所望の出力値と前記制御対象の出力値との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を演算するゲイン値調整部と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、及び、前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備えることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、制御対象の信頼性や安定性を確保しつつ、運転効率や生産効率を向上できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
実施例1〜8における制御装置の全体の構成を示す図である。 実施例1〜8における制御装置のシステム構成図である。 実施例1、4における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例1、2、4、5におけるPID制御器ゲイン値調整部の処理を示す図である。 実施例1、4におけるパラメータ変更判定部の処理を示す図である。 実施例1〜3、5〜8におけるパラメータ変更部の処理を示す図である。 実施例1〜3、5における所望の出力値演算部の処理を示す図である。 実施例2における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例2におけるパラメータ変更判定部の処理を示す図である。 実施例3における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例3におけるPID制御器ゲイン値調整部の処理を示す図である。 実施例3におけるパラメータ変更判定部の処理を示す図である。 実施例4におけるパラメータ変更部の処理を示す図である。 実施例4における所望の出力値演算部の処理を示す図である。 実施例5における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例5におけるパラメータ変更判定部の処理を示す図である。 実施例6における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例6におけるPID制御器ゲイン値調整部の処理を示す図である。 実施例6におけるパラメータ変更判定部の処理を示す図である。 実施例6における所望の出力値演算部の処理を示す図である。 実施例7における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例7におけるPID制御器ゲイン値調整部の処理を示す図である。 実施例7におけるパラメータ変更判定部の処理を示す図である。 実施例7における所望の出力値演算部の処理を示す図である。 実施例8における制御装置と制御対象を示す図である。 実施例8におけるPID制御器ゲイン値調整部の処理を示す図である。 実施例8におけるパラメータ変更判定部の処理を示す図である。 実施例8における所望の出力値演算部の処理を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
[実施例1]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、前記所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を演算するゲイン値調整部と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備える制御装置について示す。
特に、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及び前記アンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように(小さくなるように)、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記パラメータ変更部は、前記演算部の応答性が遅くなるように、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記演算部は伝達関数で表され、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の時定数を変更する。
また、前記制御装置は、プラントを制御する装置である。
図1は、実施例1の制御装置1の全体の構成を示す図である。
制御装置1において、PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定、PID制御器ゲイン値調整部2が新たに演算したゲイン値が所定範囲にあるか否かの判定、前記ゲイン値が所定値に達したか否かの判定、及び制御対象への入力値が所定範囲にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3が変更を許可したとき、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータ値)を演算する。所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力の所望のプロフィールを演算する。PID制御器5は、制御対象を制御するための操作量を演算する。
図2は、制御装置1のシステム構成図である。
制御装置1は、ハードウェアとして、記憶装置11、CPU12、ROM13、RAM14、データバス15、入力回路16、入出力ポート17及び出力回路18を有する。入力回路16は、外部から入力された信号を処理する。外部から入力される信号は、例えば、制御装置1に設置又は接続されているセンサからの信号などである。外部から入力される信号は、入力回路16を経て、入力信号となり入出力ポート17へ送られる。入出力ポート17に送られた各入力情報は、データバス15を経て、RAM14又は記憶装置11に格納される。ROM13及び記憶装置11の少なくとも一方は、後述する処理を実行するためのプログラムを格納しており、該プログラムはCPU12で実行される。その際、RAM14及び記憶装置11の少なくとも一方に格納された値を、適宜、使用して演算を行う。演算結果のうち外部へ送り出す情報(値)は、データバス15を経て入出力ポート17に送られ、出力信号として出力回路18に送られる。出力回路18は、出力信号を外部に出力する。外部へ出力される出力信号は、制御対象を所望の動きをさせるためのアクチュエータ駆動信号などである。
なお、CPU12がプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、FPGA(Field Programable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェア)で実行してもよい。
図3は、制御装置1と、制御装置1に制御されるプラント7とを示す図である。
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定、及びアンダーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。PID制御器5は、プラント7の温度を制御するための操作量(例えば、蒸気温度を調節するための目標バルブ開度)を演算する。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図4)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図4に示すように、プラント温度Tdegのプロフィールと所望のプラント温度De_Tdegのプロフィールとの差が最も小さくなるように、調整後PIDゲイン暫定値を決める。得られたPID制御器5のPゲイン値、Iゲイン値、Dゲイン値の暫定値をそれぞれKp_new,Ki_new,Kd_newとする。
プラント温度Tdegのプロフィールと所望のプラント温度De_Tdegのプロフィールとの差を評価する評価関数としては、例えば、J2=||Tdeg−De_Tdeg||であるL2ノルム、又は、J1=|Tdeg−De_Tdeg|であるL1ノルムなどがある。J1やJ2を最小化するPIDゲイン値は、例えば、IFT(Iterative Feedback Tuning)、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)などのデータ駆動制御で決定すればよく、PIDゲイン値の決定は、最適化問題に帰着する。最適化のための解法は、ニュートン法、ガウス=ニュートン法などの様々な方法があり、多くの参考文献があるので、ここでは詳述しない。
なお、本調整処理は、オフライン、オンラインのどちらで実行してもよい。
<パラメータ変更判定部(図5)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定、及びアンダーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図5に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力する。一方、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
Tdegのオーバーシュート量がK_Tdeg_O1以上、又は、
Tdegのアンダーシュート量がK_Tdeg_U1以上
<パラメータ変更部(図6)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータ値)を演算する。具体的には、図6に示す処理を実行する。
・fp_ref=1の場合、所望の出力値演算部パラメータb1を下記のように(パラメータb1が大きくなるように)補正して、制御対象の出力の推定値の応答特性を低下する。
b1=b1+k1_b1
・fp_ref=0の場合、所望の出力値演算部パラメータb1は、現在の値を維持する。
<所望の出力値演算部(図7)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(プラント7の温度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図7に示す処理を実行する。
制御目標である目標プラント温度Tg_Tdegに対して、例えば伝達関数などを用いて、所望のプラント温度De_Tdegのプロフィールを演算する。制御目標は、例えばステップ信号、ランプ信号などがある。
また、伝達関数のパラメータの一つであるb1は、可変とし、パラメータ変更部6で演算された値を用いるとよい。パラメータb1は、伝達関数の分母多項式の係数の一つであり、b1の値が大きいほど、当該伝達関数の応答性が遅い性質がある。
なお、パラメータ変更判定部3で、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合は、直ちにfp_ref=1とせず、PID制御器ゲイン値調整部2によりPIDゲイン値を再調整して、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、fp_ref=1としてもよい。
本実施例によれば、PID制御器5のゲイン値を調整する制御装置1は、制御対象(プラント7)の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値演算部4によって演算された所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するパラメータ変更部6とからなる。また、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及び前記アンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように(小さくなるように)、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、パラメータ変更部6は、所望の出力値演算部4の応答性が遅くなるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、所望の出力値演算部4は伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の時定数を変更する。また、前記制御装置1は、プラント7を制御する装置である。
前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが発生しているとき(所定範囲にない場合)は、所望の出力値演算部4の出力値が、理論的に実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。すなわち、PID制御器5によるゲイン値の補正では実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。この場合、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑制するために、前記制御対象の所望の出力値(プロフィール)を理論的に実現可能な値に補正する必要がある。所望の出力値演算部4が伝達関数で表される場合、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性が遅くなる。従って、オーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが相当程度小さくなるまで当該伝達関数の応答性を遅らせるべく、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値を大きくする。つまり、PIDゲインには安全上や仕様上などの理由から限界値が設定されていることがあり、PIDゲイン値が該限界値を超えない範囲で所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、PIDゲインが実現可能な範囲を考慮して、所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整できる。
これにより、事前の知見なしに、通常運転時に所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整することによって、前記制御対象の出力のオーバーシュート及びアンダーシュートを抑制できる。その結果、稼働環境下で、プラント7の理論的限界を考慮しつつ、PID制御ゲインを安定的に調整でき、プラント7の信頼性や安定性を確保しつつ、運転効率や生産効率を向上できる。
[実施例2]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、前記所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を演算するゲイン値調整部と、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、又は当該新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備える制御装置について示す。
特に、前記パラメータ変更部は、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、前記ゲイン値が所定範囲内となるように、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記パラメータ変更部は、前記演算部の応答性が遅くなるように、パラメータ値を変更する。
また、前記演算部は伝達関数で表され、前記パラメータ変更部は、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、又は当該新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、前記伝達関数の時定数を変更する。
また、前記制御装置は、プラントを制御する装置である。
図1は、実施例2の制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、実施例2の制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。
図8は、制御装置1と、制御装置1に制御されるプラント7とを示す図である。
パラメータ変更判定部3は、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にあるか否かの判定、及び当該新たに演算されたゲイン値が所定値に達したか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。それ以外は、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図4)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図4に示す実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図9)>
パラメータ変更判定部3は、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にあるか否かの判定、及び当該新たに演算されたゲイン値が所定値に達したか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図9に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力する。一方、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a) 新たに演算されたゲイン値が所定値に達したか否かを判定する場合
Kp_new ≧ K_Kp_new_H、又は
Ki_new ≧ K_Ki_new_H、又は
Kd_new ≧ K_Kd_new_H
条件a) 新たに演算されたゲイン値が所定範囲にあるか否かを判定する場合
K_Kp_new_L ≧ Kp_new、又は
Kp_new ≧ K_Kp_new_H、又は
K_Ki_new_L ≧ Ki_new、又は
Ki_new ≧ K_Ki_new_H、又は
K_Kd_new_L ≧ Kd_new、又は
Kd_new ≧ K_Kd_new_H
<パラメータ変更部(図6)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータ値)を演算する。具体的には、図6に示す実施例1と同じであるので、詳述しない。
<所望の出力値演算部(図7)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(プラント7の温度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図7に示す実施例1と同じであるので、詳述しない。
本実施例によれば、PID制御器5のゲイン値を調整する制御装置1は、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値演算部4によって演算された所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、前記PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、又は、当該新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するパラメータ変更部6とからなる。また、パラメータ変更部6は、前記PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、前記ゲイン値が所定範囲内となるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、パラメータ変更部6は、前記制御対象の所望の出力値演算部4の応答性が遅くなるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、所望の出力値演算部4は伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、前記PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、又は当該新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、前記伝達関数の時定数を変更する。また、前記制御装置は、プラント7を制御する装置である。
前記PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、又は当該新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、所望の出力値演算部4の出力値が、制御システムの仕様上、現実に実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。すなわち、PID制御器5によるゲイン値の補正では実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。この場合、前記ゲイン値を適正化するために、制御対象の所望の出力値(プロフィール)を現実に実現可能な値に補正する必要がある。所望の出力値演算部4が伝達関数で表される場合、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性が遅くなる。従って、ゲイン値が適正化される(例えば所定範囲内になる)まで、当該伝達関数の応答性を遅らせるべく、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値を大きくする。
これにより、事前の知見なしに、通常運転時に所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整することによって、ゲイン値を適正化できる。その結果、稼働環境下で、プラント7の理論的限界を考慮しつつ、PID制御ゲインを安定的に調整でき、プラント7の信頼性や安定性を確保しつつ、運転効率や生産効率を向上できる。
[実施例3]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、前記所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を調整するゲイン値調整部と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備える制御装置について示す。
特に、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記所望の出力値と前記制御対象の出力値との差が小さくなるように、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記パラメータ変更部は、前記演算部の応答性が遅くなるように、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記演算部は伝達関数で表され、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の時定数を変更する。
また、前記制御装置は、プラントを制御する装置である。
図1は、実施例3の制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、実施例3の制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。
図10は、制御装置1と、制御装置1に制御されるプラント7とを示す図である。
パラメータ変更判定部3は、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にあるか否かの判定、当該新たに演算されたゲイン値が所定値に達したか否かの判定、及び評価指数(所望の出力値と制御対象の出力値との差に相当する値)が所定値以下となっているか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。それ以外は、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図11)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図11に示すように、プラント温度Tdegのプロフィールと所望のプラント温度De_Tdegのプロフィールとの差が最も小さくなるように、調整後PIDゲイン暫定値を決める。得られたPID制御器5のPゲイン値、Iゲイン値、Dゲイン値の暫定値をそれぞれKp_new,Ki_new,Kd_newとする。
プラント温度Tdegのプロフィールと所望のプラント温度De_Tdegのプロフィールとの差を評価する評価関数としては、例えば、J2=||Tdeg−De_Tdeg||であるL2ノルム、又は、J1=|Tdeg−De_Tdeg|であるL1ノルムなどがある。J1やJ2を最小化するPIDゲイン値は、例えば、IFT(Iterative Feedback Tuning)、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)などのデータ駆動制御で決定すればよく、PIDゲイン値の決定は、最適化問題に帰着する。最適化のための解法は、ニュートン法、ガウス=ニュートン法などの様々な方法があり、多くの参考文献があるので、ここでは詳述しない。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、評価関数の値(J1、J2などの評価指数)を出力する。
なお、本調整処理は、オフライン、オンラインのどちらで実行してもよい。
<パラメータ変更判定部(図12)>
パラメータ変更判定部3は、PID制御器ゲイン値調整部2によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にあるか否かの判定、及び当該新たに演算されたゲイン値が所定値に達したか否かの判定をの少なくとも一つ実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図12に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力する。一方、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a) 新たに演算されたゲイン値が所定値に達したか否かを判定する場合
・fp_ref(前回値)= 0 の場合、
Kp_new ≧ K_Kp_new_H、又は
Ki_new ≧ K_Ki_new_H、又は
Kd_new ≧ K_Kd_new_H
・fp_ref(前回値)= 1 の場合、
J2 ≧ K_J2_H (又は、J1 ≧K_J1_H)
条件a) 新たに演算されたゲイン値が所定範囲にあるか否かを判定する場合
・fp_ref(前回値)= 0 の場合、
K_Kp_new_L ≧ Kp_new、又は
Kp_new ≧ K_Kp_new_H、又は
K_Ki_new_L ≧ Ki_new、又は
Ki_new ≧ K_Ki_new_H、又は
K_Kd_new_L ≧ Kd_new、又は
Kd_new ≧ K_Kd_new_H
・fp_ref(前回値)= 1 の場合、
J2 ≧ K_J2_H (又は、J1 ≧ K_J1_H)
<パラメータ変更部(図6)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータ値)を演算する。具体的には、図6に示す実施例1と同じであるので、詳述しない。
<所望の出力値演算部(図7)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(プラント7の温度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図7に示す実施例1と同じであるので、詳述しない。
本実施例によれば、PID制御器5のゲイン値を調整する制御装置1は、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値演算部4によって演算された所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するパラメータ変更部6とからなる。また、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記所望の出力値と前記制御対象の出力値との差が小さくなるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、パラメータ変更部6は、前記演算部の応答性が遅くなるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、前記演算部は伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の時定数を変更する。また、前記制御装置は、プラント7を制御する装置である。
前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが発生しているとき(所定範囲にない場合)は、所望の出力値演算部4の出力値が、理論的に実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。すなわち、PID制御器5によるゲイン値の補正では実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。この場合、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑制するために、前記制御対象の所望の出力値(プロフィール)を理論的に実現可能な値に補正する必要がある。所望の出力値演算部4が伝達関数で表される場合、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性が遅くなる。従って、前記所望の出力値と前記制御対象の出力値との差が相当程度小さくなるまで、当該伝達関数の応答性を遅らせるべく、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値を大きくする。
これにより、事前の知見なしに、通常運転時に所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整することによって、前記制御対象の出力のオーバーシュート及びアンダーシュートを抑制できる。その結果、稼働環境下で、プラント7の理論的限界を考慮しつつ、PID制御ゲインを安定的に調整でき、プラント7の信頼性や安定性を確保しつつ、運転効率や生産効率を向上できる。
[実施例4]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、前記所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を調整するゲイン値調整部と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備える制御装置について示す。
また、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように(小さくなるように)、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記パラメータ変更部は、前記演算部の応答性が遅くなるように、前記演算部のパラメータ値を変更する。
特に、前記演算部は伝達関数で表され、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の次数を変更する。
また、前記制御装置は、プラントを制御する装置である。
図1は、実施例4の制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、実施例4の制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図3は、実施例4の制御装置1と、制御装置1に制御されるプラント7を示しているが、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図4)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図4に示す実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図5)>
パラメータ変更判定部3は、PID制御器ゲイン値調整部2において、新たに演算されたゲイン値が所定範囲にあるか否かの判定、及び当該新たに演算されたゲイン値が所定値に達したか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図5に示す実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更部(図13)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータ値)を演算する。具体的には、図13に示す処理を実行する。
・fp_ref=1の場合、所望の出力値演算部パラメータn(伝達関数の分母次数)を
下記のように(伝達関数の分母次数nが大きくなるように)補正して、制御対象の出力の推定値の応答特性を低下する。
n=n+1
・fp_ref=0の場合、所望の出力値演算部パラメータn(伝達関数の分母次数)は、現在の値を維持する。
<所望の出力値演算部(図14)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(プラント7の温度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図14に示す処理を実行する。
制御目標である目標プラント温度Tg_Tdegに対して、例えば伝達関数などを用いて、所望のプラント温度De_Tdegのプロフィールを演算する。制御目標は、例えばステップ信号、ランプ信号などがある。
また、伝達関数のパラメータの一つである伝達関数の分母次数nは、可変とし、パラメータ変更部6で演算された値を用いるとよい。パラメータnは、伝達関数の分母多項式の次数の一つであり、nの値が大きいほど、一般的に当該伝達関数の応答性が遅い性質がある。
なお、パラメータ変更判定部3で、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合は、直ちにfp_ref=1とせず、PID制御器ゲイン値調整部2によりPIDゲイン値を再調整して、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、fp_ref=1としてもよい。
本実施例によれば、PID制御器5のゲイン値を調整する制御装置1は、制御対象の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値演算部4によって演算された所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するパラメータ変更部6とからなる。また、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及びアンダーシュート量が所定範囲内となるように(小さくなるように)、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、パラメータ変更部6は、所望の出力値演算部4の応答性が遅くなるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、所望の出力値演算部4は伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の次数を変更する。また、前記制御装置は、プラント7を制御する装置である。
前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが発生しているとき(所定範囲にない場合)、所望の出力値演算部4の出力値が理論的に実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。すなわち、PID制御器5のゲイン値の補正では実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。この場合、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑制するために、前記制御対象の所望の出力値(プロフィール)を理論的に実現可能な値に補正する必要がある。制御対象の所望の出力値演算部4が伝達関数で表される場合、当該伝達関数の分母多項式における次数相当の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性が遅くなる。従って、オーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが相当程度小さくなるまで当該伝達関数の応答性を遅らせるべく、当該伝達関数の分母多項式における次数相当の値を大きくする。
これにより、事前の知見なしに、通常運転時に所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整することによって、前記制御対象の出力のオーバーシュート及びアンダーシュートを抑制できる。その結果、稼働環境下で、プラント7の理論的限界を考慮しつつ、PID制御ゲインを安定的に調整でき、プラント7の信頼性や安定性を確保しつつ、運転効率や生産効率を向上できる。
[実施例5]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、前記所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を調整するゲイン値調整部と、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、又は前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備える制御装置について示す。
特に、前記パラメータ変更部は、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、又は前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、前記制御対象への入力値が所定範囲内となるように、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記パラメータ変更部は、前記演算部の応答性が遅くなるように、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記演算部は伝達関数で表され、前記パラメータ変更部は、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、又は前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、前記伝達関数の時定数を変更する。
また、前記制御装置は、プラントを制御する装置である。
図1は、実施例5の制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、実施例5の制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。
図15は、制御装置1と、制御装置1に制御されるプラント7とを示す図である。
パラメータ変更判定部3は、PID制御器5の出力(制御対象への入力)である操作量が所定範囲にあるか否かの判定、及び前記ゲイン値が所定値に達したか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。それ以外は、実施例1と同じであるので、詳述しない。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図4)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図4に示す実施例1と同じであるので、詳述しない。
<パラメータ変更判定部(図16)>
パラメータ変更判定部3は、PID制御器5の出力(制御対象への入力)である操作量が所定範囲にあるか否かの判定、及び前記ゲイン値が所定値に達したか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図16に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力する。一方、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
Tg_VO≧K_Tg_VO_H
なお、PID制御器5の出力であるTg_VO(目標バルブ開度)ではなく、PID制御器5で演算されるP分、I分、D分のそれぞれに対して、所定範囲にあるか否かで判定してもよい。また、制御対象への入力は、PID制御器5の出力である目標バルブ開度だけでなく、目標燃料流量、実バルブ開度、燃料流量などの制御対象への入力情報でもよい。
<パラメータ変更部(図6)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータ値)を演算する。具体的には、図6に示す実施例1と同じであるので、詳述しない。
<所望の出力値演算部(図7)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(プラント7の温度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図7に示す実施例1と同じであるので、詳述しない。
本実施例によれば、PID制御器5のゲイン値を調整する制御装置1は、制御対象(プラント7)の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値演算部4によって演算された所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、又は前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するパラメータ変更部6とからなる。また、パラメータ変更部6は、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、又は前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、前記制御対象への入力値が所定範囲内となるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、パラメータ変更部6は、所望の出力値演算部4の応答性が遅くなるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、所望の出力値演算部4は伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、又は前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、前記伝達関数の時定数を変更する。また、前記制御装置1は、プラント7を制御する装置である。
前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、又は前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、所望の出力値演算部4の出力値が、制御システムの仕様上、現実に実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。すなわち、操作量などの制御対象への入力値が実現不可能な出力値(プロフィール)となっている可能性がある。この場合、制御対象への入力値を適正化するために、前記制御対象の所望の出力値(プロフィール)を現実に実現可能な値に補正する必要がある。所望の出力値演算部4が伝達関数で表される場合、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性が遅くなる。従って、ゲイン値を適正化される(例えば所定範囲内になる)まで、当該伝達関数の応答性を遅らせるべく、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値を大きくする。つまり、制御対象への入力値には安全上や仕様上などの理由から限界値が設定されていることがあり、入力値が該限界値を超えない範囲で所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、稼働環境下で制御対象の安全性や仕様上の制約を考慮して、所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整できる。
これにより、事前の知見なしに、通常運転時に所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整することによって、操作量などの制御対象への入力値を適正化できる。その結果、稼働環境下で、プラント7の理論的限界を考慮しつつ、PID制御ゲインを安定的に調整でき、プラント7の信頼性や安定性を確保しつつ、運転効率や生産効率を向上できる。
[実施例6]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、前記所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を調整するゲイン値調整部と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備える制御装置について示す。
また、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及び前記アンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように(小さくなるように)、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記パラメータ変更部は、前記演算部の応答性が遅くなるように、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記演算部は伝達関数で表され、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の時定数を変更する
特に、前記制御装置は、自動運転車を制御する装置である。
図1は、実施例6の制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、実施例6の制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので詳述しない。
図17は、制御装置1と、制御装置1に制御される自動運転車8とを示す図である。
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定、及びアンダーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。PID制御器5は、自動運転車8の運動を制御するための操作量(例えば、目標速度、目標回転角速度)を演算する。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図18)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図18に示すように、速度VSPのプロフィールと所望の速度De_VSPのプロフィールとの差が最も小さくなるように、調整後PIDゲイン暫定値を決める。得られたPID制御器5のPゲイン値、Iゲイン値、Dゲイン値の暫定値をそれぞれKp_new,Ki_new_tmp,Kd_newとする。
速度VSPのプロフィールと所望の速度De_VSPのプロフィールとの差を評価する評価関数としては、例えば、J2=||VSP−De_VSP||であるL2ノルム、又は、J1=|VSP−De_VSP|であるL1ノルムなどがある。J1やJ2を最小化するPIDゲイン値は、例えば、IFT(Iterative Feedback Tuning)、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)などのデータ駆動制御で決定すればよく、PIDゲイン値の決定は、最適化問題に帰着する。最適化のための解法は、ニュートン法、ガウス=ニュートン法などの様々な方法があり、多くの参考文献があるので、ここでは詳述しない。
なお、本最適化処理は、オフライン、オンラインのどちらで実行してもよい。
<パラメータ変更判定部(図19)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量の判定、及びアンダーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図19に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力する。一方、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
VSPのオーバーシュート量がK_VSP_O1以上、又は、
VSPのアンダーシュート量がK_VSP_U1以上
<パラメータ変更部(図6)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータ値)を演算する。具体的には、図6に示す実施例1と同じであるので詳述しない。
<所望の出力値演算部(図20)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(自動運転車8の速度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図20に示す処理を実行する。
制御目標である目標速度Tg_VSPに対して、例えば伝達関数などを用いて、所望の速度De_VSPのプロフィールを演算する。制御目標は、例えばステップ信号、ランプ信号などがある。
また、伝達関数のパラメータの一つであるb1は、可変とし、パラメータ変更部6で演算された値を用いるとよい。パラメータb1は、伝達関数の分母多項式の係数の一つであり、b1の値が大きいほど、当該伝達関数の応答性が遅い性質がある。
なお、パラメータ変更判定部3で、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合は、直ちにfp_ref=1とせず、PID制御器ゲイン値調整部2によりPIDゲイン値を再調整して、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、fp_ref=1してもよい。
本実施例によれば、PID制御器5のゲイン値を調整する制御装置1は、制御対象(自動運転車8)の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値演算部4によって演算された所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するパラメータ変更部6とからなる。また、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及び前記アンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように(小さくなるように)、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、パラメータ変更部6は、所望の出力値演算部4の応答性が遅くなるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、所望の出力値演算部4は伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の時定数を変更する。また、前記制御装置は、自動運転車8を制御する装置である。
前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが発生しているとき(所定範囲にない場合)は、所望の出力値演算部4の出力値が、理論的に実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。すなわち、PID制御器5によるゲイン値の補正では実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。この場合、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑制するために、前記制御対象の所望の出力値(プロフィール)を理論的に実現可能な値に補正する必要がある。所望の出力値演算部4が伝達関数で表される場合、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性が遅くなる。従って、オーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが相当程度小さくなるまで当該伝達関数の応答性を遅らせるべく、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値を大きくする。
これにより、事前の知見なしに、通常運転時に所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整することによって、前記制御対象の出力のオーバーシュート及びアンダーシュートを抑制できる。その結果、稼働環境下で、自動運転車8の運動の理論的限界を考慮しつつ、PID制御ゲインを安定的に調整でき、自動運転車8の信頼性や安定性を確保しつつ、運転性やエネルギー効率を向上できる。
[実施例7]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、前記所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を調整するゲイン値調整部と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備える制御装置について示す。
また、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように(小さくなるように)、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記パラメータ変更部は、前記演算部の応答性が遅くなるように、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記演算部は伝達関数で表され、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の時定数を変更する
特に、前記制御装置は、ロボットを制御する装置である。
図1は、実施例7の制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、実施例7の制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので詳述しない。
図21は、制御装置1と、制御装置1に制御されるロボット9とを示す図である。
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定、及びアンダーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。PID制御器5は、ロボット9の運動を制御するための操作量(例えば、角度、速度、トルク)を演算する。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図22)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図22に示すように、位置POSのプロフィールと所望の位置De_POSのプロフィールとの差が最も小さくなるように、調整後PIDゲイン暫定値を決める。得られたPID制御器5のPゲイン値、Iゲイン値、Dゲイン値の暫定値をそれぞれKp_new,Ki_new,Kd_newとする。
位置POSのプロフィールと所望の位置De_POSのプロフィールとの差を評価する評価関数としては、例えば、J2=||POS−De_POS||であるL2ノルム、又は、J1=|POS−De_POS|であるL1ノルムなどがある。J1やJ2を最小化するPIDゲイン値は、例えば、IFT(Iterative Feedback Tuning)、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)などのデータ駆動制御で決定すればよく、PIDゲイン値の決定は、最適化問題に帰着する。最適化のための解法は、ニュートン法、ガウス=ニュートン法などの様々な方法があり、多くの参考文献があるので、ここでは詳述しない。
なお、本最適化処理は、オフライン、オンラインのどちらで実行してもよい。
<パラメータ変更判定部(図23)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量の判定、及びアンダーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図23に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力する。一方、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
POSのオーバーシュート量がK_POS_O1以上、又は、
POSのアンダーシュート量がK_POS_U1以上
<パラメータ変更部(図6)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータ値)を演算する。具体的には、図6に示す実施例1と同じであるので詳述しない。
<所望の出力値演算部(図24)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(ロボット9の位置)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図24に示す処理を実行する。
制御目標である目標位置Tg_POSに対して、例えば伝達関数などを用いて、所望の位置De_POSを演算する。制御目標は、例えばステップ信号、ランプ信号などがある。
また、伝達関数のパラメータの一つであるb1は、可変とし、パラメータ変更部6で演算された値を用いるとよい。パラメータb1は、伝達関数の分母多項式の係数の一つであり、b1の値が大きいほど、当該伝達関数の応答性が遅い性質がある。
なお、パラメータ変更判定部3で、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合は、直ちにfp_ref=1とせず、PID制御器ゲイン値調整部2によりPIDゲイン値を再調整して、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、fp_ref=1としてもよい。
本実施例によれば、PID制御器5のゲイン値を調整する制御装置1は、制御対象(ロボット9)の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値演算部4
によって演算された所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するパラメータ変更部6とからなる。また、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及び前記アンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及び前記アンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように(小さくなるように)、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、パラメータ変更部6は、所望の出力値演算部4の応答性が遅くなるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、所望の出力値演算部4は伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の時定数を変更する。また、前記制御装置は、ロボット9を制御する装置である。
前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが発生しているとき(所定範囲にない場合)は、所望の出力値演算部4の出力値が、理論的に実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。すなわち、PID制御器5によるゲイン値の補正では実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。この場合、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑制するために、前記制御対象の所望の出力値(プロフィール)を理論的に実現可能な値に補正する必要がある。所望の出力値演算部4が伝達関数で表される場合、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性が遅くなる。従って、オーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが相当程度小さくなるまで当該伝達関数の応答性を遅らせるべく、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値を大きくする。
これにより、事前の知見なしに、通常運転時に所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整することによって、前記制御対象の出力のオーバーシュート及びアンダーシュートを抑制できる。その結果、稼働環境下で、ロボット9の動作の理論的限界を考慮しつつ、PID制御ゲインを安定的に調整でき、ロボット9の信頼性や安定性を確保しつつ、作業性やエネルギー効率を向上できる。
[実施例8]
本実施例においては、制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、前記所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を調整するゲイン値調整部と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備える制御装置について示す。
また、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように(小さくなるように)、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記パラメータ変更部は、前記演算部の応答性が遅くなるように、前記演算部のパラメータ値を変更する。
また、前記演算部は伝達関数で表され、前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の時定数を変更する
特に、前記制御装置は、ドローンなどの飛行体を制御する装置である。
図1は、実施例8の制御装置1の全体の構成を示しており、実施例1と同じであるので、詳述しない。図2は、実施例8の制御装置1のシステム構成を示しており、実施例1と同じであるので詳述しない。
図25は、制御装置1と、制御装置1に制御されるドローン10とを示す図である。
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定、及びアンダーシュート量が所定範囲にあるか否かの判定の少なくとも一つを実行し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。PID制御器5は、ドローン10の運動を制御するための操作量(例えば、各ロータの回転速度)を演算する。
以下、各処理の詳細を説明する。
<PID制御器ゲイン値調整部(図26)>
PID制御器ゲイン値調整部2は、PID制御器5のゲイン値を調整する。具体的には、図26に示すように、飛行速度FSPのプロフィールと所望の飛行速度De_FSPのプロフィールとの差が最も小さくなるように、調整後PIDゲイン暫定値を決める。得られたPID制御器5のPゲイン値、Iゲイン値、Dゲイン値の暫定値をそれぞれKp_new,Ki_new,Kd_newとする。
位置POSのプロフィールと所望の位置De_POSのプロフィールとの差を評価する評価関数としては、例えば、J2=||FSP−De_FSP||であるL2ノルム、又は、J1=|FSP−De_FSP|であるL1ノルムなどがある。J1やJ2を最小化するPIDゲイン値は、例えば、IFT(Iterative Feedback Tuning)、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)などのデータ駆動制御で決定すればよく、PIDゲイン値の決定は、最適化問題に帰着する。最適化のための解法は、ニュートン法、ガウス=ニュートン法などの様々な方法があり、多くの参考文献があるので、ここでは詳述しない。
なお、本最適化処理は、オフライン、オンラインのどちらで実行してもよい。
<パラメータ変更判定部(図27)>
パラメータ変更判定部3は、制御対象からの出力のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にあるか否かを判定し、判定結果に応じて、所望の出力値演算部4のパラメータの変更を許可する。具体的には、図27に示す処理を実行する。
・下記の条件a)が成立する場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=1を出力する。一方、条件a)が成立しない場合、パラメータ変更許可フラグfp_ref=0を出力する。
条件a)
FSPのオーバーシュート量がK_FSP_O1以上、又は、
FSPのアンダーシュート量がK_FSP_U1以上
<パラメータ変更部(図6)>
パラメータ変更部6は、パラメータ変更判定部3で変更が許可された場合、所望の出力値演算部4の変更パラメータ(パラメータ値)を演算する。具体的には、図6に示す実施例1と同じであるので詳述しない。
<所望の出力値演算部(図28)>
所望の出力値演算部4は、制御目標に基づいて、制御対象の出力(ドローン10の飛行速度)の所望のプロフィールを演算する。具体的には、図28に示す処理を実行する。
制御目標である目標飛行速度Tg_FSPに対して、例えば伝達関数などを用いて、所望の位置De_FSPを演算する。制御目標は、例えばステップ信号、ランプ信号などがある。
また、伝達関数のパラメータの一つであるb1は、可変とし、パラメータ変更部6で演算された値を用いるとよい。パラメータb1は、伝達関数の分母多項式の係数の一つであり、b1の値が大きいほど、当該伝達関数の応答性が遅い性質がある。
なお、パラメータ変更判定部3で、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合は、直ちにfp_ref=1とせず、PID制御器ゲイン値調整部2によりPIDゲイン値を再調整して、再調整されたPIDゲイン値を用いて制御したとき、制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、fp_ref=1としてもよい。
本実施例によれば、PID制御器5のゲイン値を調整する制御装置1は、制御対象(ロボット9)の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、所望の出力値演算部4
によって演算された所望の出力値(時系列信号など)と前記制御対象の出力値(時系列信号など)との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を調整するPID制御器ゲイン値調整部2と、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、所定の出力値演算部4のパラメータ値を変更するパラメータ変更部6とからなる。また、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及び前記アンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及び前記アンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように(小さくなるように)、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、パラメータ変更部6は、所望の出力値演算部4の応答性が遅くなるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更する。また、所望の出力値演算部4は伝達関数で表され、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記伝達関数の時定数を変更する。また、前記制御装置は、ドローン10などの飛行体を制御する装置である。
前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが発生しているとき(所定範囲にない場合)は、所望の出力値演算部4の出力値が、理論的に実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。すなわち、PID制御器5によるゲイン値の補正では実現できない出力値(プロフィール)となっている可能性がある。この場合、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑制するために、前記制御対象の所望の出力値(プロフィール)を理論的に実現可能な値に補正する必要がある。所望の出力値演算部4が伝達関数で表される場合、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値が大きくなるほど、当該伝達関数の応答性が遅くなる。従って、オーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが相当程度小さくなるまで当該伝達関数の応答性を遅らせるべく、当該伝達関数の分母多項式における時定数相当の値を大きくする。
これにより、事前の知見なしに、通常運転時に所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整することによって、前記制御対象の出力のオーバーシュート及びアンダーシュートを抑制できる。その結果、稼働環境下で、ドローン10の飛行運動の理論的限界を考慮しつつ、PID制御ゲインを安定的に調整でき、ドローン10の信頼性や安定性を確保しつつ、運動性やエネルギー効率を向上できる。
以上に説明したように、本発明の実施例によると、PID制御器5のゲイン値を調整する制御装置1は、制御対象(プラント7、自動運転車8、ロボット9、ドローン10など)の所望の出力値を演算する所望の出力値演算部4と、前記所望の出力値と前記制御対象の出力値との差が小さくなるように、PID制御器5のゲイン値を演算するPID制御器ゲイン値調整部2と、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するパラメータ変更部6とを備え、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、及び、前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するので、事前の知見なしに、通常運転時に所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整できる。
また、パラメータ変更部6は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及び前記アンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するので、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑制し、事前の知見なしに、通常運転時に所望の出力値演算部4のパラメータ値を再調整できる。
また、パラメータ変更部6は、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、前記ゲイン値が所定範囲内となるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するので、PIDゲインが実現可能な範囲を考慮して、所望の出力値演算部4のパラメータ値を設定できる。特に、PIDゲインには安全上や仕様上などの理由で限界値が設定されていることがあり、PIDゲイン値が該限界値を超えない範囲で所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更し、稼働環境下で制御対象の安全性や仕様上の制約を考慮して、PID制御ゲインを安定して調整できる。
また、パラメータ変更部6は、所望の出力値演算部4の出力値と前記制御対象の出力値との差が小さくなるように、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するので、制御対象を所望の条件で運転できる。
また、パラメータ変更部6は、所望の出力値演算部4の応答性が遅くなるように、前記演算部のパラメータ値を変更するので、前記制御対象の出力の計測値又は推定値のオーバーシュートやアンダーシュートを抑制できる。
また、所望の出力値演算部4は、伝達関数で表されるので、制御対象に出力されるべき所望の出力値を簡単に演算できる。また、伝達関数のパラメータ値によって、所望の出力値演算部4のパラメータ値を容易に変更できる。
また、パラメータ変更部6は、所望の出力値演算部4のパラメータ値として、前記伝達関数の時定数を変更するので、制御対象の特性が立ち上がるまでの時間によってシステムの特性を制御できる。
また、パラメータ変更部6は、所望の出力値演算部4のパラメータ値として、前記伝達関数の次数を変更するので、制御対象の動作の複雑さを制御することによってシステムの特性を制御できる。
また、PID制御器ゲイン値調整部2は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、PIDゲイン値を再調整し、パラメータ変更部6は、前記再調整されたPIDゲイン値を用いて制御したとき、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、所望の出力値演算部4のパラメータ値を変更するので、前記制御対象の出力の計測値又は推定値のオーバーシュートやアンダーシュートを抑制できる。
また、パラメータ変更部6は、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、前記制御対象への入力値が所定範囲内となるように、所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更するので、制御対象への入力が実現可能な範囲を考慮して、所望の出力値演算部4のパラメータ値を設定できる。特に、制御対象への入力値には安全上や仕様上などの理由で限界値が設定されていることがあり、入力値が該限界値を超えない範囲で所望の出力値演算部4のパラメータの値を変更し、稼働環境下で制御対象の安全性や仕様上の制約を考慮して、PID制御ゲインを安定して調整できる。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1 制御装置
2 PID制御器ゲイン値調整部
3 パラメータ変更判定部
4 所望の出力値演算部
5 PID制御器
6 パラメータ変更部
7 発電プラント
8 自動運転車
9 ロボット
10 ドローン
11 制御装置の記憶装置
12 制御装置のCPU
13 制御装置のROM
14 制御装置のRAM
15 制御装置のデータバス
16 制御装置の入力回路
17 制御装置の入出力ポート
18 制御装置の出力回路

Claims (11)

  1. 制御対象の所望の出力値を演算する演算部と、
    前記所望の出力値と前記制御対象の出力値との差が小さくなるように、PID制御器のゲイン値を演算するゲイン値調整部と、
    前記演算部のパラメータ値を変更するパラメータ変更部とを備え、
    前記パラメータ変更部は、
    前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、
    前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定値に達した場合、
    前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、及び、
    前記制御対象への入力値が所定値に達した場合、の少なくとも一つが成立すると、前記演算部のパラメータ値を変更することを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記パラメータ変更部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記オーバーシュート量及び前記アンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲内となるように、前記演算部のパラメータ値を変更することを特徴とする制御装置。
  3. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記パラメータ変更部は、前記ゲイン値調整部によって新たに演算されたゲイン値が所定範囲にない場合、前記ゲイン値が所定範囲内となるように、前記演算部のパラメータ値を変更することを特徴とする制御装置。
  4. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記パラメータ変更部は、前記所望の出力値と前記制御対象の出力値との差が小さくなるように、前記演算部のパラメータ値を変更することを特徴とする制御装置。
  5. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記パラメータ変更部は、前記演算部の応答性が遅くなるように、前記演算部のパラメータ値を変更することを特徴とする制御装置。
  6. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記演算部は、伝達関数で表されることを特徴とする制御装置。
  7. 請求項6に記載の制御装置であって、
    前記パラメータ変更部は、前記演算部のパラメータ値として、前記伝達関数の時定数を変更することを特徴とする制御装置。
  8. 請求項6に記載の制御装置であって、
    前記パラメータ変更部は、前記演算部のパラメータ値として、前記伝達関数の次数を変更することを特徴とする制御装置。
  9. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記ゲイン値調整部は、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、PIDゲイン値を再調整し、
    前記パラメータ変更部は、前記再調整されたPIDゲイン値を用いて制御したとき、前記制御対象の出力の計測値及び推定値のオーバーシュート量及びアンダーシュート量の少なくとも一つが所定範囲にない場合、前記演算部のパラメータ値を変更することを特徴とする制御装置。
  10. 請求項1に記載の制御装置であって、
    前記パラメータ変更部は、前記制御対象への入力値が所定範囲にない場合、前記制御対象への入力値が所定範囲内となるように、前記演算部のパラメータの値を変更することを特徴とする制御装置。
  11. 請求項1に記載の制御装置であって、
    少なくとも、プラントの温度を制御する装置、自動運転車を制御する装置、ロボットを制御する装置、及び飛行体を制御する装置のいずれかであることを特徴とする制御装置。
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