JP2018180665A - プラント制御調整装置 - Google Patents
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Abstract
Description
PIDコントローラ及びプラントからなるシングルループのシステムに接続されるプラント制御調整装置であって、
前記PIDコントローラから出力される操作量MV、及び、前記プラントの計測値PV1に基づき、前記プラントの伝達関数G1(s)を求める同定部と、
前記同定部から入力した前記伝達関数G1(s)に基づき、前記PIDコントローラの各PID制御パラメータを調整する最適化部とを備え、
前記最適化部は、
前記操作量MVに対する制約条件に基づき上限Tcmaxを定め、前記伝達関数G1(s)のステップ応答に基づき下限Tcminを定め、該上限Tcmaxと該下限Tcminとの範囲内で決定された時定数Trefから、前記プラントの規範モデルとなる理想プラントP(s)を作成し、該理想プラントP(s)のステップ応答として、前記計測値PV1の目標応答PV1tを生成する条件設定部と、
前記目標応答PV1tに基づき、前記PIDコントローラの前記各PID制御パラメータを調整するパラメータ最適化部とを備える
ことを特徴とする。
上記第1の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、
前記伝達関数G1(s)から求めた逆伝達関数G1 -1(s)、及び、前記目標応答PV1tに基づき、前記操作量MVの目標操作量MVtを求め、該目標操作量MVtが前記PIDコントローラの制約条件を満たすか否かを判断し、
前記制約条件を満たさないと判断した場合は、前記時定数Trefを増加させ、増加させた該時定数Trefに基づき再度前記理想プラントP(s)を作成し、再度生成した前記理想プラントP(s)に基づき、前記目標応答PV1t及び前記目標操作量MVtを再度生成し、
前記生成を繰り返し、前記制約条件を満たすようになった前記目標操作量MVtを、前記目標操作量MVtのピーク値の下限と見做し、このときの前記時定数Trefを、前記上限Tcmaxとする
ことを特徴とする。
上記第1又は2の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記伝達関数G1(s)のステップ応答を求め、該応答が定常ゲインの略定常値の割合に初めて到達した時間に基づき、前記下限Tcminを定める
ことを特徴とする。
上記第2又は3の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記時定数Trefの前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲を任意の範囲に正規化し、
前記条件設定部によって正規化された前記時定数Trefが作業者によって入力される条件入力部と、
前記目標応答PV1t及び前記目標操作量MVtの変化を前記作業者に対して表示する出力表示部とをさらに備える
ことを特徴とする。
上記第3の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記時定数Trefを、前記定常ゲインに基づき前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲において決定する
ことを特徴とする。
上記第5の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記目標操作量MVtの動作点を段階的にゾーニングし、ゾーニングした領域ごとに異なる前記時定数Trefを用いて前記目標応答PV1tを決定する
ことを特徴とする。
上記第6の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記各領域間に所定のヒステリシス特性を持たせる
ことを特徴とする。
上記第6又は7の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件入力部は、前記領域の区切りの位置を前記作業者により入力可能である
ことを特徴とする。
第1PIDコントローラ、第2PIDコントローラ、第2プラント、第1プラントの順にカスケード接続されたシステムに接続されるプラント制御調整装置であって、
前記第1プラントの第1計測値PV1及び前記第2プラントの第2計測値PV2に基づき、前記第1プラントの第1伝達関数G1(s)を求め、前記第2PIDコントローラから出力される操作量MV2及び前記第2計測値PV2に基づき、前記第2プラントの第2伝達関数G2(s)を求める同定部と、
前記同定部から入力した前記第1伝達関数G1(s)及び前記第2伝達関数G2(s)に基づき、前記第1PIDコントローラ及び前記第2PIDコントローラの各PID制御パラメータを調整する最適化部とを備え、
前記最適化部は、
前記操作量MV2に対する制約条件に基づき上限Tcmaxを定め、前記第2伝達関数G2(s)のステップ応答に基づき下限Tcminを定め、該上限Tcmaxと該下限Tcminとの範囲内で決定された時定数Trefから、規範モデルとなる理想プラントP(s)を作成し、該理想プラントP(s)のステップ応答として、前記第1計測値PV1の第1目標応答PV1tを生成し、該理想プラントP(s)のステップ応答に対し、前記第1伝達関数G1(s)から求めた第1逆伝達関数G1 -1(s)より逆算して、前記第2計測値PV2の第2目標応答PV2tを生成する条件設定部と、
前記第1目標応答PV1t及び前記第2目標応答PV2tに基づき、前記第1PIDコントローラ及び前記第2PIDコントローラの前記各PID制御パラメータを調整するパラメータ最適化部とを備える
ことを特徴とする。
上記第9の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、
前記第2伝達関数G2(s)から求めた第2逆伝達関数G2 -1(s)、及び、前記第2目標応答PV2tに基づき、前記操作量MV2の目標操作量MVtを求め、該目標操作量MVtが前記第2PIDコントローラの制約条件を満たすか否かを判断し、
前記制約条件を満たさないと判断した場合は、前記時定数Trefを増加させ、増加させた該時定数Trefに基づき再度前記理想プラントP(s)を作成し、再度生成した前記理想プラントP(s)に基づき、前記第2目標応答PV2t及び前記目標操作量MVtを再度生成し、
前記生成を繰り返し、前記制約条件を満たすようになった前記目標操作量MVtを、前記目標操作量MVtのピーク値の下限と見做し、このときの前記時定数Trefを、前記上限Tcmaxとする
ことを特徴とする。
上記第9又は10の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記第2伝達関数G2(s)のステップ応答を求め、該応答が定常ゲインの略定常値の割合に初めて到達した時間に基づき、前記下限Tcminを定める
ことを特徴とする。
上記第10又は11の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記時定数Trefの前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲を任意の範囲に正規化し、
前記条件設定部によって正規化された前記時定数Trefが作業者によって入力される条件入力部と、
前記第1目標応答PV1t、前記第2目標応答PV2t及び前記目標操作量MVtの変化を前記作業者に対して表示する出力表示部とをさらに備える
ことを特徴とする。
上記第11の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記時定数Trefを、前記定常ゲインに基づき前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲において決定する
ことを特徴とする。
上記第13の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記目標操作量MVtの動作点を段階的にゾーニングし、ゾーニングした領域ごとに異なる前記時定数Trefを用いて前記目標応答PV2tを決定する
ことを特徴とする。
上記第14の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記各領域間に所定のヒステリシス特性を持たせる
ことを特徴とする。
上記第14又は15の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件入力部は、前記領域の区切りの位置を前記作業者により入力可能である
ことを特徴とする。
第1PIDコントローラ及び第1プラントからなるシングルループの第1システム、及び、第2PIDコントローラ、第3PIDコントローラ、第2プラント、第3プラントの順にカスケード接続された第2システムのいずれにも接続可能なプラント制御調整装置であって、
各前記プラントの計測値及び各前記PIDコントローラの操作量の数に基づき、接続先が、前記第1システムか前記第2システムかを判断するカスケード判定部と、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、前記第1PIDコントローラから出力される第1操作量、及び、前記第1プラントの第1計測値に基づき、前記第1プラントの第1伝達関数を求め、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、前記第2プラントの第2計測値及び前記第3プラントの第3計測値に基づき、前記第2プラントの第2伝達関数を求め、前記第3PIDコントローラから出力される第2操作量及び前記第3計測値に基づき、前記第3プラントの第3伝達関数を求める同定部と、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、前記同定部から入力した前記第1伝達関数に基づき、前記第1PIDコントローラの各PID制御パラメータを調整し、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、前記同定部から入力した前記第2伝達関数及び前記第3伝達関数に基づき、前記第2PIDコントローラ及び前記第3PIDコントローラの各PID制御パラメータを調整する最適化部とを備え、
前記最適化部は、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、前記第1PIDコントローラの前記第1操作量に対する制約条件に基づき第1上限を定め、前記第1伝達関数のステップ応答に基づき第1下限を定め、該第1上限と該第1下限との範囲内で決定された第1時定数から、前記第1プラントの規範モデルとなる第1理想プラントを作成し、該第1理想プラントのステップ応答として、前記第1計測値の第1目標応答を生成し、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、前記第2操作量に対する制約条件に基づき第2上限を定め、前記第3伝達関数のステップ応答に基づき第2下限を定め、該第1上限と該第2下限との範囲内で決定された第2時定数から、規範モデルとなる第2理想プラントP(s)を作成し、該第2理想プラントのステップ応答として、前記第2計測値の第2目標応答を生成し、該理想プラントP(s)のステップ応答に対し、前記第2伝達関数から求めた第2逆伝達関数より逆算して、前記第3計測値の第3目標応答を生成する条件設定部と、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、前記第1目標応答に基づき、前記第1PIDコントローラの前記各PID制御パラメータを調整し、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、前記第2目標応答及び前記第3目標応答に基づき、前記第2PIDコントローラ及び前記第3PIDコントローラの前記各PID制御パラメータを調整するパラメータ最適化部とを備える
ことを特徴とする。
上記第17の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、
前記第1伝達関数から求めた第1逆伝達関数、及び、前記第1目標応答に基づき、前記第1操作量の第1目標操作量を求め、該第1目標操作量が前記第1PIDコントローラの制約条件を満たすか否かを判断し、
前記制約条件を満たさないと判断した場合は、前記第1時定数を増加させ、増加させた該第1時定数に基づき再度前記第1理想プラントを作成し、再度生成した前記第1理想プラントに基づき、前記第1目標応答及び前記第1目標操作量を再度生成し、
前記生成を繰り返し、前記制約条件を満たすようになった前記第1目標操作量を、前記第1目標操作量のピーク値の下限と見做し、このときの前記第1時定数を、前記第1上限とし、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、
前記第3伝達関数から求めた第3逆伝達関数、及び、前記第3目標応答に基づき、前記第2操作量の第2目標操作量を求め、該第2目標操作量が前記第3PIDコントローラの制約条件を満たすか否かを判断し、
前記制約条件を満たさないと判断した場合は、前記第2時定数を増加させ、増加させた該第2時定数に基づき再度前記第2理想プラントを作成し、再度生成した前記第2理想プラントに基づき、前記第3目標応答及び前記第2目標操作量を再度生成し、
前記生成を繰り返し、前記制約条件を満たすようになった前記第2目標操作量を、前記第2目標操作量のピーク値の下限と見做し、このときの前記第2時定数を、前記第2上限とする
ことを特徴とする。
上記第17又は18の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、
前記第1伝達関数のステップ応答を求め、該応答が第1定常ゲインの略定常値の割合に初めて到達した時間に基づき、前記第1下限を定め、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、
前記第3伝達関数のステップ応答を求め、該応答が第2定常ゲインの略定常値の割合に初めて到達した時間に基づき、前記第2下限を定める
ことを特徴とする。
上記第18又は19の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記時定数Trefの前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲を任意の範囲に正規化し、
前記条件設定部によって正規化された前記時定数Trefが作業者によって入力される条件入力部と、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、前記第1目標応答及び前記第1目標操作量の変化を前記作業者に対して表示し、前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、前記第2目標応答、前記第3目標応答及び前記第2目標操作量の変化を前記作業者に対して表示する出力表示部とをさらに備える
ことを特徴とする。
上記第19の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、
前記第1時定数を、前記第1定常ゲインに基づき前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲において決定し、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、
前記第2時定数を、前記第2定常ゲインに基づき前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲において決定する
ことを特徴とする。
上記第21の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、
前記第1目標操作量の動作点を段階的にゾーニングし、ゾーニングした領域ごとに異なる前記第1時定数を用いて前記第1目標応答を決定する
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、
前記第2目標操作量の動作点を段階的にゾーニングし、ゾーニングした領域ごとに異なる前記第2時定数を用いて前記第3目標応答を決定する
ことを特徴とする。
上記第22の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件設定部は、前記各領域間に所定のヒステリシス特性を持たせる
ことを特徴とする。
上記第22又は23の発明に係るプラント制御調整装置において、
前記条件入力部は、前記領域の区切りの位置を前記作業者により入力可能である
ことを特徴とする。
まず、本実施例に係るプラント制御調整装置の構成について説明する。
図1は、シングルループ接続のPIDコントローラ1及びその制御対象であるプラント2により構成されたフィードバック制御系のシステムに、本実施例に係るプラント制御調整装置(プラント制御調整装置10)が設けられた状態を示すブロック図である。
同定部15において、記憶部14に保存された計測値PV1o及び操作量MVの実データから、図3の白抜き矢印で示すようにプラント2の同定を行い、同定プラントモデル(伝達関数)G1(s)を作成する。
条件設定部17において、図3の「理想プラント生成」に示すように、同定プラントモデルの伝達関数G1(s)及びPIDコントローラ1をひっくるめた規範モデルとしての理想プラントP(s)を作成する。
まず、最小時定数Tcminの計算及び記録を行う。すなわち、条件設定部17において、第1同定プラントの伝達関数G1(s)の単位ステップ応答を求め、この応答が、図4のグラフ(縦軸がG1(s)/s、横軸が時間tを表している)に示すように、定常ゲインKst(プラント2の出力)の例えば99%(一般的には90%以上)など略定常値と見做すことのできる割合に、初めて到達した時間に、ある係数Kをかけたものを、最小時定数Tcminとする(すなわち、図4中のTcmin/Kが、定常ゲインKstの99%に到達した時間となる)。
当該ステップでは、時定数Trefを生成し、生成した時定数Trefに基づき上記(1)式から理想プラントP(s)を作成する。最初の理想プラントP(s)は、時定数Tref=最小時定数Tcminとする。
条件設定部17において、図3の「目標応答生成」に示すように、理想プラントP(s)に単位ステップを入力して目標応答PV1tを生成する。理想プラントP(s)の単位ステップ応答の式である下記(2)式を目標応答PV1tとする。なお、本実施例では、デジタル制御であるため、(1)(2)式は最終的に離散系に変換して演算が行われる。以後の連続系の式も全て離散系へと変換されるものとする(他の実施例も同様)。
上記ステップS3と並行して、条件設定部17では、図3の「理想プラント生成」に示すように、プラント2の伝達関数G1(s)からプラント2の逆伝達特性を持つ逆伝達関数G1 -1(s)を作成する。例えばプラント2が、下記(3)式のように、むだ時間LでN=1の1次遅れ系の伝達関数G1(s)によって表されるとすれば、逆伝達関数G1 -1(s)は、逆数として表されるため下記(4)式のようになる。
条件設定部17において、図3の「理想プラント生成」に示すように、目標操作量MVtを求める。すなわち、上記ステップS4で生成した逆伝達関数G1 -1(s)により、プラント2の出力側データである(上記ステップS3で生成した)目標応答PV1tからプラント2の入力U1を逆算すると、下記(5)式のようになる。ただし、プラント2の入力側に戻ってくることで、むだ時間が打ち消されて元に戻るので、実際には目標応答PV1tを求める時点から全てのむだ時間要素を省いて計算してもよい。
条件設定部17において、図3の「理想プラント生成」に示すように、目標応答PV1tを再設定する。目標操作量MVtは目標応答PV1tの調整目的で用い、必要があれば改めて目標応答PV1tを再設定する。この点について以下で説明する。
条件設定部17において、図3の「理想プラント生成」に示すように、上記ステップS5で生成した目標操作量MVt(の時系列データ)が制約条件を満たすか否かを判断する。
条件設定部17において、上記ステップS6‐1で操作量MVが制約条件を満たさないと判断した場合は、時定数Trefを増加させる。その後、増加させた時定数Trefに基づき再度理想プラントP(s)を作成し、この再度生成した理想プラントP(s)を基にステップS3,S5で説明した処理を再度行い、目標応答PV1t及び目標操作量MVtを再度生成する。
ステップS6‐1,S6‐2の説明の如くの生成を繰り返し、制約条件を満たすようになった操作量MVを、目標操作量MVtのピーク値の下限と見做し、このときの時定数Trefを、最大時定数(時定数の上限)Tcmaxとして記憶部14に記録する。
パラメータ最適化部18において、図3の「仮想の構成(シミュレーションモデル)」に示すように、最適化されたPIDコントローラ1のパラメータ(制御モデル)C1(s)、及び、同定プラントモデルの伝達関数G1(s)を用いて、上記「現実の構成」に対応したシミュレーションモデルを構築し、このシミュレーションモデルに対して単位ステップ入力を行い、単位ステップ応答(図3中のプラント出力)PV1を求める。
パラメータ最適化部18において、図3の「パラメータ探索(最適化)」に示すように、上記ステップS7で求めた単位ステップ応答PV1(の時系列データ)と、上記ステップS3で求めた目標応答PV1t(の時系列データ)との残差平方和を演算し、これを最適化の評価関数とする。
パラメータ最適化部18において、図3の「パラメータ探索(最適化)」に示すように、上記ステップS8で求めた最適化の評価関数に基づき、制御モデルC1(s)のPIDパラメータを変更する。
以上がプラント制御調整装置10による主な処理の説明である。
実施例1では、対象とするフィードバック制御系が単一のコントローラ(PIDコントローラ1)のみの構成であったが、本実施例は、2つのコントローラ(第1PIDコントローラ3及び第2PIDコントローラ4)がカスケード接続された場合を想定したものである。
図6は、カスケード接続された第1PIDコントローラ3と第2PIDコントローラ4、及び、その制御対象である第2プラント6と第1プラント5(接続順に記載)により構成されたフィードバック制御系のシステムに、本実施例に係るプラント制御調整装置(プラント制御調整装置20)が設けられた状態を示すブロック図である。
同定部25において、記憶部24に保存された計測値PV1及び計測値PV2の実データから、図8の白抜き矢印で示すように、第1プラント5の同定を行い第1同定プラントモデル(伝達関数)G1(s)を作成し、それと並行して、記憶部24に保存された計測値PV2及び操作量MV2の実データから、図8の白抜き矢印で示すように、第2プラント6の同定を行い第2同定プラントモデル(伝達関数)G2(s)を作成する。
本実施例では、条件設定部27において、第1プラント5と第2プラント6の2つをかけあわせたプラント伝達関数G1(s)G2(s)を基に、プラントの規範モデルとなる理想プラントP(s)を作成する(図8の「理想プラント生成」)。下記(7)式のように、次数Nには第1プラント5と第2プラント6の次数N1,N2の和を用い、むだ時間Lも同様にL1,L2の和を用いる。
まず、最小時定数Tcminの計算及び記録を行う。最小の時定数Tcminを算出する際には、第1プラント5と第2プラント6の時定数を比較し、時定数が小さい、つまり高速な応答のみを採用する。ここではマイナーループ側を高速とした場合を想定し、第2同定プラントの伝達関数G2(s)の単位ステップ応答(の時系列データ)を採用する。
当該ステップでは、時定数Trefを生成し、生成した時定数Trefに基づき理想プラントP(s)を作成する。なお、ここで言う理想プラントP(s)は、第1プラント5と第2プラント6の合計の次数と、同合計のむだ時間、片方のプラント(この場合はマイナーループである第2プラント6)の最小時定数を用いて、「存在しないが出力だけみれば理想形」というプラントを仮定したものである。最初の理想プラントP(s)(上記(7)式)は、時定数Tref=最小時定数Tcminとして求める。
条件設定部27において、図8の「目標応答生成」に示すように、理想プラントP(s)に単位ステップを入力して計測値PV1の目標となる第1目標応答PV1tを生成する。理想プラントP(s)の単位ステップ応答の式である下記(8)式を第1目標応答PV1tとする。
上記ステップS3Aと並行して、条件設定部27において、図8の「目標応答生成」に示すように、第1プラント5の伝達関数G1(s)から第1プラント5の逆伝達特性を持つ逆伝達関数G1 -1(s)を、第2プラント6の伝達関数G2(s)から第2プラント6の逆伝達特性を持つ逆伝達関数G2 -1(s)を、それぞれ生成する。
さらに、条件設定部27において、図8の「目標応答生成部」に示すように、第1目標応答PV1t及び逆伝達関数G1 -1(s)から、第2目標応答PV2tを求める。
条件設定部27において、図8の「理想プラント生成」に示すように、目標操作量MVtを求める。まず、実施例1と同様にして第1プラント5の入力U1を求める。仮に第1プラント5の伝達関数G1(s)が実施例1の(3)式で表されるならば、第1プラント5の入力U1は下記(9)式のようになる。すなわち、理想プラントP(s)のステップ応答に対し、伝達関数G1(s)から求めた(実施例1の(4)式で表される)第1逆伝達関数G1 -1(s)より逆算して、第1プラント5の入力U1を求める。なお、実施例1と異なり、むだ時間が残っているのは、第1プラント5と第2プラント6のうち第1プラント5の分だけしか逆算で遡っていないからである。
条件設定部27において、目標応答PV1t,PV2tを再設定する。上述のごとく目標操作量MVtは目標応答PV1t,PV2tの調整目的で用い、必要があれば改めて目標応答PV1t,PV2tを再設定する。すなわち、実施例1同様、目標操作量MVtは、パラメータ探索の評価に直接用いるのではなく、時定数Tref(特に最大時定数Tcmax)の生成に用いる。この点については、実施例1のステップS6‐1〜S6‐3と同様である。この点につき、以下詳述する。
なお、パラメータ最適化部28においては、第1目標応答PV1t及び第2目標応答PV2tに基づき、第1PIDコントローラ3及び第2PIDコントローラ4の各PID制御パラメータを調整する。その詳細については、実施例1におけるステップS7〜S9と同様の概念を用いれば良いため、ここでは説明を省略する。
本実施例では、実施例1,2と同様に目標応答の最小時定数Tcminと最大時定数Tcmaxを求め(6)式で表す。一般的に制御ゲインが高い方が外乱抑制性能を高くできるため、常に最小時定数Tcminを選択するようにα=0にしてもよいが、最小時定数Tcminが厳密な速度上限を示していないとき、最適化アルゴリズムによっては最適化の結果が不安定になってしまうことがあるため、達成可能な目標となるようにαを選択することが重要となる。
本実施例では、実施例3におけるプラント制御調整装置が、オンラインで自己診断を行い、かつ、MVの動作点が頻繁に変化するシステムである場合、この動作点が多少ずれたとしても基準となる時定数を変更しないことで、評価基準がぶれないようにするものである。
実施例1では、対象とするフィードバック制御系のシステムが単一のコントローラ(PIDコントローラ1)のみの構成であり、実施例2では、対象とするフィードバック制御系のシステムが2つのコントローラ(第1PIDコントローラ3及び第2PIDコントローラ4)からなる構成であった。本実施例に係るプラント制御調整装置は、いずれのシステム(上記実施例1〜4)にも適用できるものである。
図18は、本実施例に係るプラント制御調整装置(プラント制御調整装置50)の構成を示すブロック図である。図18に示すように、プラント制御調整装置50は、データ入力部51、設定読込部52、条件入力部53、記憶部54、条件記憶部54a、同定部55、最適化部56、出力表示部59、及び、カスケード判定部60を備えている。また、最適化部56は、条件設定部57、及び、パラメータ最適化部58を備えている。
2 プラント
3 第1PIDコントローラ
4 第2PIDコントローラ
5 第1プラント
6 第2プラント
10 実施例1に係るプラント制御調整装置
20 実施例2に係るプラント制御調整装置
30 実施例3に係るプラント制御調整装置
40 実施例4に係るプラント制御調整装置
50 実施例5に係るプラント制御調整装置
11 実施例1におけるデータ入力部
21 実施例2におけるデータ入力部
31 実施例3におけるデータ入力部
41 実施例4におけるデータ入力部
51 実施例5におけるデータ入力部
12 実施例1における設定読込部
22 実施例2における設定読込部
32 実施例3における設定読込部
42 実施例4における設定読込部
52 実施例5における設定読込部
13 実施例1における条件入力部
23 実施例2における条件入力部
33 実施例3における条件入力部
43 実施例4における条件入力部
53 実施例5における条件入力部
14 実施例1における記憶部
24 実施例2における記憶部
34 実施例3における記憶部
44 実施例4における記憶部
54 実施例5における記憶部
14a 実施例1における条件記憶部
24a 実施例2における条件記憶部
34a 実施例3における条件記憶部
44a 実施例4における条件記憶部
54a 実施例5における条件記憶部
15 実施例1における同定部
25 実施例2における同定部
35 実施例3における同定部
45 実施例4における同定部
55 実施例5における同定部
16 実施例1における最適化部
26 実施例2における最適化部
36 実施例3における最適化部
46 実施例4における最適化部
56 実施例5における最適化部
17 実施例1における条件設定部
27 実施例2における条件設定部
37 実施例3における条件設定部
47 実施例4における条件設定部
57 実施例5における条件設定部
18 実施例1におけるパラメータ最適化部
28 実施例2におけるパラメータ最適化部
38 実施例3におけるパラメータ最適化部
48 実施例4におけるパラメータ最適化部
58 実施例5におけるパラメータ最適化部
19 実施例1における出力表示部
29 実施例2における出力表示部
39 実施例3における出力表示部
49 実施例4における出力表示部
59 実施例5における出力表示部
60 実施例5におけるカスケード判定部
Claims (24)
- PIDコントローラ及びプラントからなるシングルループのシステムに接続されるプラント制御調整装置であって、
前記PIDコントローラから出力される操作量MV、及び、前記プラントの計測値PV1に基づき、前記プラントの伝達関数G1(s)を求める同定部と、
前記同定部から入力した前記伝達関数G1(s)に基づき、前記PIDコントローラの各PID制御パラメータを調整する最適化部とを備え、
前記最適化部は、
前記操作量MVに対する制約条件に基づき上限Tcmaxを定め、前記伝達関数G1(s)のステップ応答に基づき下限Tcminを定め、該上限Tcmaxと該下限Tcminとの範囲内で決定された時定数Trefから、前記プラントの規範モデルとなる理想プラントP(s)を作成し、該理想プラントP(s)のステップ応答として、前記計測値PV1の目標応答PV1tを生成する条件設定部と、
前記目標応答PV1tに基づき、前記PIDコントローラの前記各PID制御パラメータを調整するパラメータ最適化部とを備える
ことを特徴とするプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、
前記伝達関数G1(s)から求めた逆伝達関数G1 -1(s)、及び、前記目標応答PV1tに基づき、前記操作量MVの目標操作量MVtを求め、該目標操作量MVtが前記PIDコントローラの制約条件を満たすか否かを判断し、
前記制約条件を満たさないと判断した場合は、前記時定数Trefを増加させ、増加させた該時定数Trefに基づき再度前記理想プラントP(s)を作成し、再度生成した前記理想プラントP(s)に基づき、前記目標応答PV1t及び前記目標操作量MVtを再度生成し、
前記生成を繰り返し、前記制約条件を満たすようになった前記目標操作量MVtを、前記目標操作量MVtのピーク値の下限と見做し、このときの前記時定数Trefを、前記上限Tcmaxとする
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記伝達関数G1(s)のステップ応答を求め、該応答が定常ゲインの略定常値の割合に初めて到達した時間に基づき、前記下限Tcminを定める
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記時定数Trefの前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲を任意の範囲に正規化し、
前記条件設定部によって正規化された前記時定数Trefが作業者によって入力される条件入力部と、
前記目標応答PV1t及び前記目標操作量MVtの変化を前記作業者に対して表示する出力表示部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記時定数Trefを、前記定常ゲインに基づき前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲において決定する
ことを特徴とする請求項3に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記目標操作量MVtの動作点を段階的にゾーニングし、ゾーニングした領域ごとに異なる前記時定数Trefを用いて前記目標応答PV1tを決定する
ことを特徴とする請求項5に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記各領域間に所定のヒステリシス特性を持たせる
ことを特徴とする請求項6に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件入力部は、前記領域の区切りの位置を前記作業者により入力可能である
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のプラント制御調整装置。 - 第1PIDコントローラ、第2PIDコントローラ、第2プラント、第1プラントの順にカスケード接続されたシステムに接続されるプラント制御調整装置であって、
前記第1プラントの第1計測値PV1及び前記第2プラントの第2計測値PV2に基づき、前記第1プラントの第1伝達関数G1(s)を求め、前記第2PIDコントローラから出力される操作量MV2及び前記第2計測値PV2に基づき、前記第2プラントの第2伝達関数G2(s)を求める同定部と、
前記同定部から入力した前記第1伝達関数G1(s)及び前記第2伝達関数G2(s)に基づき、前記第1PIDコントローラ及び前記第2PIDコントローラの各PID制御パラメータを調整する最適化部とを備え、
前記最適化部は、
前記操作量MV2に対する制約条件に基づき上限Tcmaxを定め、前記第2伝達関数G2(s)のステップ応答に基づき下限Tcminを定め、該上限Tcmaxと該下限Tcminとの範囲内で決定された時定数Trefから、規範モデルとなる理想プラントP(s)を作成し、該理想プラントP(s)のステップ応答として、前記第1計測値PV1の第1目標応答PV1tを生成し、該理想プラントP(s)のステップ応答に対し、前記第1伝達関数G1(s)から求めた第1逆伝達関数G1 -1(s)より逆算して、前記第2計測値PV2の第2目標応答PV2tを生成する条件設定部と、
前記第1目標応答PV1t及び前記第2目標応答PV2tに基づき、前記第1PIDコントローラ及び前記第2PIDコントローラの前記各PID制御パラメータを調整するパラメータ最適化部とを備える
ことを特徴とするプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、
前記第2伝達関数G2(s)から求めた第2逆伝達関数G2 -1(s)、及び、前記第2目標応答PV2tに基づき、前記操作量MV2の目標操作量MVtを求め、該目標操作量MVtが前記第2PIDコントローラの制約条件を満たすか否かを判断し、
前記制約条件を満たさないと判断した場合は、前記時定数Trefを増加させ、増加させた該時定数Trefに基づき再度前記理想プラントP(s)を作成し、再度生成した前記理想プラントP(s)に基づき、前記第2目標応答PV2t及び前記目標操作量MVtを再度生成し、
前記生成を繰り返し、前記制約条件を満たすようになった前記目標操作量MVtを、前記目標操作量MVtのピーク値の下限と見做し、このときの前記時定数Trefを、前記上限Tcmaxとする
ことを特徴とする請求項9に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記第2伝達関数G2(s)のステップ応答を求め、該応答が定常ゲインの略定常値の割合に初めて到達した時間に基づき、前記下限Tcminを定める
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記時定数Trefの前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲を任意の範囲に正規化し、
前記条件設定部によって正規化された前記時定数Trefが作業者によって入力される条件入力部と、
前記第1目標応答PV1t、前記第2目標応答PV2t及び前記目標操作量MVtの変化を前記作業者に対して表示する出力表示部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項10又は11のいずれか1項に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記時定数Trefを、前記定常ゲインに基づき前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲において決定する
ことを特徴とする請求項11に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記目標操作量MVtの動作点を段階的にゾーニングし、ゾーニングした領域ごとに異なる前記時定数Trefを用いて前記目標応答PV2tを決定する
ことを特徴とする請求項13に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記各領域間に所定のヒステリシス特性を持たせる
ことを特徴とする請求項14に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件入力部は、前記領域の区切りの位置を前記作業者により入力可能である
ことを特徴とする請求項14又は15に記載のプラント制御調整装置。 - 第1PIDコントローラ及び第1プラントからなるシングルループの第1システム、及び、第2PIDコントローラ、第3PIDコントローラ、第2プラント、第3プラントの順にカスケード接続された第2システムのいずれにも接続可能なプラント制御調整装置であって、
各前記プラントの計測値及び各前記PIDコントローラの操作量の数に基づき、接続先が、前記第1システムか前記第2システムかを判断するカスケード判定部と、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、前記第1PIDコントローラから出力される第1操作量、及び、前記第1プラントの第1計測値に基づき、前記第1プラントの第1伝達関数を求め、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、前記第2プラントの第2計測値及び前記第3プラントの第3計測値に基づき、前記第2プラントの第2伝達関数を求め、前記第3PIDコントローラから出力される第2操作量及び前記第3計測値に基づき、前記第3プラントの第3伝達関数を求める同定部と、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、前記同定部から入力した前記第1伝達関数に基づき、前記第1PIDコントローラの各PID制御パラメータを調整し、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、前記同定部から入力した前記第2伝達関数及び前記第3伝達関数に基づき、前記第2PIDコントローラ及び前記第3PIDコントローラの各PID制御パラメータを調整する最適化部とを備え、
前記最適化部は、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、前記第1PIDコントローラの前記第1操作量に対する制約条件に基づき第1上限を定め、前記第1伝達関数のステップ応答に基づき第1下限を定め、該第1上限と該第1下限との範囲内で決定された第1時定数から、前記第1プラントの規範モデルとなる第1理想プラントを作成し、該第1理想プラントのステップ応答として、前記第1計測値の第1目標応答を生成し、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、前記第2操作量に対する制約条件に基づき第2上限を定め、前記第3伝達関数のステップ応答に基づき第2下限を定め、該第1上限と該第2下限との範囲内で決定された第2時定数から、規範モデルとなる第2理想プラントP(s)を作成し、該第2理想プラントのステップ応答として、前記第2計測値の第2目標応答を生成し、該理想プラントP(s)のステップ応答に対し、前記第2伝達関数から求めた第2逆伝達関数より逆算して、前記第3計測値の第3目標応答を生成する条件設定部と、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、前記第1目標応答に基づき、前記第1PIDコントローラの前記各PID制御パラメータを調整し、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、前記第2目標応答及び前記第3目標応答に基づき、前記第2PIDコントローラ及び前記第3PIDコントローラの前記各PID制御パラメータを調整するパラメータ最適化部とを備える
ことを特徴とするプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、
前記第1伝達関数から求めた第1逆伝達関数、及び、前記第1目標応答に基づき、前記第1操作量の第1目標操作量を求め、該第1目標操作量が前記第1PIDコントローラの制約条件を満たすか否かを判断し、
前記制約条件を満たさないと判断した場合は、前記第1時定数を増加させ、増加させた該第1時定数に基づき再度前記第1理想プラントを作成し、再度生成した前記第1理想プラントに基づき、前記第1目標応答及び前記第1目標操作量を再度生成し、
前記生成を繰り返し、前記制約条件を満たすようになった前記第1目標操作量を、前記第1目標操作量のピーク値の下限と見做し、このときの前記第1時定数を、前記第1上限とし、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、
前記第3伝達関数から求めた第3逆伝達関数、及び、前記第3目標応答に基づき、前記第2操作量の第2目標操作量を求め、該第2目標操作量が前記第3PIDコントローラの制約条件を満たすか否かを判断し、
前記制約条件を満たさないと判断した場合は、前記第2時定数を増加させ、増加させた該第2時定数に基づき再度前記第2理想プラントを作成し、再度生成した前記第2理想プラントに基づき、前記第3目標応答及び前記第2目標操作量を再度生成し、
前記生成を繰り返し、前記制約条件を満たすようになった前記第2目標操作量を、前記第2目標操作量のピーク値の下限と見做し、このときの前記第2時定数を、前記第2上限とする
ことを特徴とする請求項17に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、
前記第1伝達関数のステップ応答を求め、該応答が第1定常ゲインの略定常値の割合に初めて到達した時間に基づき、前記第1下限を定め、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、
前記第3伝達関数のステップ応答を求め、該応答が第2定常ゲインの略定常値の割合に初めて到達した時間に基づき、前記第2下限を定める
ことを特徴とする請求項17又は18に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記時定数Trefの前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲を任意の範囲に正規化し、
前記条件設定部によって正規化された前記時定数Trefが作業者によって入力される条件入力部と、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、前記第1目標応答及び前記第1目標操作量の変化を前記作業者に対して表示し、前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、前記第2目標応答、前記第3目標応答及び前記第2目標操作量の変化を前記作業者に対して表示する出力表示部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項18又は19に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、
前記第1時定数を、前記第1定常ゲインに基づき前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲において決定し、
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、
前記第2時定数を、前記第2定常ゲインに基づき前記下限Tcminから前記上限Tcmaxの範囲において決定する
ことを特徴とする請求項19に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、
前記カスケード判定部により前記第1システムに接続していると判断した場合、
前記第1目標操作量の動作点を段階的にゾーニングし、ゾーニングした領域ごとに異なる前記第1時定数を用いて前記第1目標応答を決定する
前記カスケード判定部により前記第2システムに接続していると判断した場合、
前記第2目標操作量の動作点を段階的にゾーニングし、ゾーニングした領域ごとに異なる前記第2時定数を用いて前記第3目標応答を決定する
ことを特徴とする請求項21に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件設定部は、前記各領域間に所定のヒステリシス特性を持たせる
ことを特徴とする請求項22に記載のプラント制御調整装置。 - 前記条件入力部は、前記領域の区切りの位置を前記作業者により入力可能である
ことを特徴とする請求項22又は23に記載のプラント制御調整装置。
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