JP2020148652A - データ処理機能付きケーブル、測定システム及び制御システム - Google Patents
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Abstract
Description
近年、校正作業の負担軽減等を目的として、この指示変換装置の機能の一部を電極等に担わせる技術が種々提案されている。
特許文献1の計測装置によれば、電極を別の電極に取り替えても、電極固有の情報は、電極等が有しているため、装置本体で、新たに、校正値等を設定し直す必要がない。そのため、1つの装置本体に、種々の電極を交換しながら接続して使用する場合の作業負担を軽減できる。
特許文献2の計測システムによれば、危険な現場に設置されている電極を、センサモジュールと共に実験室に配置された装置本体に接続すれば、安全な実験室で校正作業を行うことができるとされている。
特許文献3の図1に係る計測システムによれば、液分析センサが劣化して廃棄する際は、インテリジェンス部に記憶させた液分析センサの固有情報を、廃棄した液分析センサのものから、新しい液分析センサのものに書き換えることにより、インテリジェンス部を再利用できるとされている。
特に特許文献1、2及び特許文献3の従来技術(図3)では、電極を交換する際は電極から導出されたケーブルを、指示変換装置、ないしは指示変換装置にはめ込まれたセンサモジュールから外すことが必要である。そのため、長い距離にわたって、ケーブルを引き回すことは、全く想定できなかった。
しかし、特許文献3では、インテリジェンス部を再利用可能とすることのみが検討されており、電極の近傍に指示変換装置(装置本体)を配置するという基本的な構成を変更することは検討されていない。
そのため、指示変換装置(装置本体)には、デジタル情報の測定値に基づいて、アナログ信号を出力する役割も担っており、指示変換装置(装置本体)は、必須のものと考えられていた。
前記検出部から前記アナログ検出値が入力されてデジタル検出値に変換するA/D変換部と、
前記デジタル検出値と前記メモリに記憶された前記固有情報が入力され、前記デジタル検出値をデジタル測定値に変換する演算部と、
前記デジタル測定値をアナログ測定値に変換するD/A変換部と、
を有し、
第一の端部が前記電極に対して着脱自在とされていることを特徴とする、データ処理機能付きケーブル。
[2]さらに、前記上位機器から電力を供給される電源部を有する、[1]に記載のデータ処理機能付きケーブル。
[4]前記電極が、前記アナログ検出値を増幅するプリアンプをさらに有し、
前記A/D変換部に、前記プリアンプにより増幅された前記アナログ検出値が入力される、[3]に記載の測定システム。
[5]前記検出部が、前記アナログ検出値としてpHに応じた電位差を得るpH検出部を含み、前記固有情報が、前記電位差をpHに換算するための検量線情報を含む、[3]又は[4]に記載の測定システム。
[6][3]〜[5]のいずれか一項に記載の測定システムと、前記アナログ測定値を利用した判断に基づき、他の要素を制御するコントローラとを備える、制御システム。
電極10は、接触する試料の性状に応じたアナログ検出値を得る検出部11と、検出部11のアナログ検出値を受ける電極内基板12と、電極内基板12からの出力をデータ処理機能付きケーブル20に伝えるための電極側コネクタ13とを有している。
また、電極10は、検出部11、電極内基板12及び電極側コネクタ13を収容する電極ボディ14と、電極10をデータ処理機能付きケーブル20と結合した際に両者を固定する固定ナット15を有している。
また、ケーブル内基板21からの信号を上位機器に伝えるためのケーブル本体24を有し、ケーブル本体24の端部(第二の端部)には、コントローラ50等の上位機器に接続するための複数の棒端子25が設けられている。
ケーブル本体24は、例えば、アナログ測定値、又はアナログ測定値とデジタル測定値の双方を出力するための線(2線又は4線)、及び測定システム1に必要な電力を受けるための電源線(2線)等で構成されている。電源線は、アナログ測定値等を出力するための線と共用してもよい。
なお、電極側コネクタ13がケーブル側コネクタ22に挿入された状態を固定する手段については、特に限定はない。
電極側コネクタ13に複数のピン端子を設ける場合、ピン端子の数は、電極10とデータ処理機能付きケーブル20とでやりとりするデータの数に応じて適宜設定される。
pH検出部としては、ガラス電極と比較電極とを組み合わせた複合pH検出部、ガラス電極と内部にガラス電極を有する比較電極とアース電極とを組み合わせた差動複合pH検出部等が挙げられる。
pH検出部は、温度補償等に用いる温度検出部と組み合わされることが好ましい。
また、検出部11が導電率検出部である場合は抵抗値、溶存酸素検出部又は残留塩素検出部の場合は電流値、濁度検出部の場合は光量、温度検出部の場合は抵抗値である。
電極内基板12には、図3に示すように、プリアンプ31とメモリ32とが設けられている。また、検出部11によって得られたアナログ検出値が、プリアンプ31によって増幅されるようになっている。
プリアンプ31は必須ではないが、検出部11内にプリアンプ31を備えることにより、安定したアナログ検出値を、出力することが可能となる。
検出部11に関する固有情報は、検出部11がpH検出部の場合は、少なくとも、電位差をpHに換算するための検量線情報(校正情報)を含むことが好ましい。検出部11が導電率検出部である場合は、少なくとも、セル定数を含むことが好ましい。検出部11がイオン濃度検出部である場合は、少なくとも、電位差をイオン濃度に換算するための検量線情報(校正情報)を含むことが好ましい。
メモリ32に記憶させてもよいその他の固有情報としては、例えば、検出部11の種類、製造番号等の識別情報、検出部11の使用有効期限、校正履歴、健全性、応答特性等が挙げられる。
A/D変換部41は、電極内基板12のプリアンプ31から、増幅されたアナログ検出値が入力されて、演算制御部42が受領可能なデジタル検出値に変換するようになっている。
なお、電極内基板12ではなく、ケーブル内基板21の方にアンプを設けて、検出部11のアナログ検出値を増幅してからA/D変換部41に入力することも可能である。
また、変換されたデジタル測定値は、D/A変換部44でアナログ測定値に変換されて、アナログインターフェース部47を介して、上位機器であるコントローラ50等に出力されるようになっている。
また、アナログ測定値にデジタル測定値を重畳した出力状態と、アナログ測定値のみを出力する状態を、スイッチ手段を用いて選択できるようにしてもよい。
なお、電源部45に電力はコントローラ50から供給されるのではなく、直接、配電盤、分電盤、コンセント等から供給を受けるようになっていてもよい。また、電源部45は、電池であってもよい。
また、電極内基板12内の素子は、電源部45からではなく、電極10に内蔵された電池で駆動するようにしてもよい。
他の要素としては、原料、試薬、計装エア等を送る各種ポンプ、電動機等の駆動装置、開閉弁、三方弁等の各種弁装置、ヒーター等の加熱・冷却装置等が挙げられる。
なお、測定システム1に接続する上位機器としては、コントローラの他に、シーケンサ、表示器、警報器、受信計、(ハンドヘルド)コミュニケータ、コンピュータ、通信装置(システム)、監視装置(システム)、制御装置(システム)等が挙げられる。
電極10のメモリ32には、製造メーカー等によって、予め、電位差をpHに換算するための検量線情報等の固有情報が記憶されている。
また、変換されたpH値(デジタル測定値)は、D/A変換部44でアナログ測定値に変換されて、アナログインターフェース部47を介して、外部のコントローラ50等に出力される。
コントローラ50は、変換されたpH値に基づき判断を行い、例えば、pH調整のための薬液ポンプを駆動させる。
また、コントローラ50に代えて、USBアダプタ等を用いて測定システム1にパソコンを接続し、パソコンからの指示を受けた演算部43により、メモリ32の内容を書き換えしてもよい。
なお、検出部11がpH検出部である場合、通常は、定期的なメモリ32の書き換え(校正作業)を要するが、pH検出部として、差動複合pH検出部のように安定性の高い検出部を用いることにより、メモリ32の書き換え(校正作業)を大幅に省略することも可能である。
13…電極側コネクタ、14…電極ボディ、15…固定ナット、
20…データ処理機能付きケーブル、21…ケーブル内基板、
22…ケーブル側コネクタ、23…基板収納部、24…ケーブル本体、25…棒端子、
31…プリアンプ、32…メモリ、41…A/D変換部、42…演算制御部、
43…演算部、44…D/A変換部、45…電源部、
46…デジタルインターフェース部、47…アナログインターフェース部、
50…コントローラ
Claims (6)
- 接触する試料の性状に応じたアナログ検出値を得る検出部と前記検出部に関する固有情報を記憶するメモリとを有する電極と、前記アナログ検出値に基づくアナログ測定値を利用する上位機器とを接続するためのデータ処理機能付きケーブルであって、
前記検出部から前記アナログ検出値が入力されてデジタル検出値に変換するA/D変換部と、
前記デジタル検出値と前記メモリに記憶された前記固有情報が入力され、前記デジタル検出値をデジタル測定値に変換する演算部と、
前記デジタル測定値をアナログ測定値に変換するD/A変換部と、
を有し、
第一の端部が前記電極に対して着脱自在とされていることを特徴とする、データ処理機能付きケーブル。 - さらに、前記上位機器から電力を供給される電源部を有する、請求項1に記載のデータ処理機能付きケーブル。
- 請求項1又は2に記載のデータ処理機能付きケーブルと、前記電極とを備える、測定システム。
- 前記電極が、前記アナログ検出値を増幅するプリアンプをさらに有し、
前記A/D変換部に、前記プリアンプにより増幅された前記アナログ検出値が入力される、請求項3に記載の測定システム。 - 前記検出部が、前記アナログ検出値としてpHに応じた電位差を得るpH検出部を含み、前記固有情報が、前記電位差をpHに換算するための検量線情報を含む、請求項3又は4に記載の測定システム。
- 請求項3〜5のいずれか一項に記載の測定システムと、前記アナログ測定値を利用した判断に基づき、他の要素を制御するコントローラとを備える、制御システム。
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