JP2020148592A - 全固体金属リチウム二次電池の劣化状態の推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】全固体金属リチウム二次電池の劣化状態の推定方法を提供する。【解決手段】本開示の方法は、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体層がこの順に積層されている全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定する方法である。本開示の方法は、(A)全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧、並びに当該開回路電圧における、全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力及び/又は寸法を測定すること、並びに(B)測定された圧力及び/又は寸法の、当該開回路電圧における初期圧力及び/又は初期寸法からの増加量に基づいて、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定することを含む。【選択図】図3
Description
本開示は、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態の推定方法に関する。
リチウムイオン二次電池や金属リチウム二次電池等の二次電池は、充放電を繰り返すことによって劣化する。したがって、これらの二次電池の劣化状態を測定することが、求められてきた。
二次電池の劣化状態を測定する方法としては、例えば以下の特許文献1〜3を挙げることができる。
特許文献1は、全固体二次電池の劣化状態を測定する方法を開示している。同文献では、測定した全固体二次電池の電圧、及び内部圧力、並びに電圧と内部圧力との関係、及び内部圧力と容量との関係に基づいて、内部圧力の減少量に応じて全固体二次電池の劣化量を算出している。
また、特許文献2は、二次電池の状態を推定する装置を開示している。同文献では、電圧、電流、及び二次電池における開放電圧と充電率との関係を規定したSOC−OCVモデルとを用いることにより、二次電池の正極容量維持率及び負極容量維持率、二次電池の組成相対ずれ容量、二次電池の正極及び負極の何れかにおける劣化生成物量、及び充電率の推定値を算出している。
更に、特許文献3は、リチウムイオン二次電池の劣化判定システムを開示している。同文献では、正極容量維持率、負極容量維持率、及び容量変動量と摩耗劣化との対抗関係に基づいて、リチウムの析出による劣化を推定している。
本開示者らは、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体層がこの順に積層されている金属リチウム二次電池、すなわち全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定することを検討した。そして、本開示者らは、全固体金属リチウム二次電池は、劣化によって、積層方向の圧力及び/又は寸法が増大することを知見した。
特許文献1に記載される方法は、全固体金属リチウム二次電池ではなく、リチウムイオン二次電池に関するものであり、また、二次電池の内部圧力の減少量に応じて全固体二次電池の劣化量を算出する。したがって、特許文献1に記載される方法は、劣化によって、積層方向の圧力及び/又は寸法が増大する全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定するために適用することができない。
したがって、本開示は、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定する方法を提供することを目的とする。
本開示者は、以下の手段により上記課題を達成することができることを見出した:
正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体層がこの順に積層されている全固体金属リチウム二次電池の劣化状態の推定方法であって、
(A)前記全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧、並びに前記開回路電圧における、前記全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力及び/又は寸法を測定すること、並びに
(B)測定された前記圧力及び/又は寸法の、前記開回路電圧における初期圧力及び/又は初期寸法からの増加量に基づいて、前記全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定すること、
を含む、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態の推定方法。
正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体層がこの順に積層されている全固体金属リチウム二次電池の劣化状態の推定方法であって、
(A)前記全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧、並びに前記開回路電圧における、前記全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力及び/又は寸法を測定すること、並びに
(B)測定された前記圧力及び/又は寸法の、前記開回路電圧における初期圧力及び/又は初期寸法からの増加量に基づいて、前記全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定すること、
を含む、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態の推定方法。
本開示によれば、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定する方法を提供することができる。
以下、本開示の実施の形態について詳述する。なお、本開示は、以下の実施の形態に限定されるのではなく、開示の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本開示において、「全固体金属リチウム二次電池」とは、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体層がこの順に積層されており、それによって充電時に負極集電体層の近傍に金属リチウムが析出して負極活物質として蓄積される二次電池を意味する。また、「積層方向」とは、全固体金属リチウム二次電池を構成する各層、すなわち正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体層が積層されている方向を意味する。
本開示の方法は、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体層がこの順に積層されている全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定する方法であり、以下の工程A及びBを有している:
(A)全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧、並びに開回路電圧における、全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力及び/又は寸法を測定すること、並びに
(B)測定された圧力及び/又は寸法の、開回路電圧における初期圧力及び/又は初期寸法からの増加量に基づいて、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定すること。
(A)全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧、並びに開回路電圧における、全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力及び/又は寸法を測定すること、並びに
(B)測定された圧力及び/又は寸法の、開回路電圧における初期圧力及び/又は初期寸法からの増加量に基づいて、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定すること。
原理によって限定されるものではないが、本開示の方法によって、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定する原理は、以下のとおりである。
本開示は、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定する方法である。ここで、全固体金属リチウム二次電池は、例えば図1に示すように機能する。
図1は、全固体金属リチウム二次電池を充放電したときの状態を示す模式図である。
図1の(a)は、全固体金属リチウム二次電池を充電する前の状態、又は全固体金属リチウム二次電池が完全に放電された状態を示している。この状態において、全固体金属リチウム二次電池は、正極集電体層1、正極活物質層2、固体電解質層3、及び負極集電体層4をこの順に有している。
この状態の全固体金属リチウム二次電池を充電すると、リチウムイオンが正極活物質層2から放出され、固体電解質層3を伝導して負極集電体層4側に進み、固体電解質層3と負極集電体層4との界面付近に析出して、図1の(b)に示すように、固体電解質層3と負極集電体層4との間に金属リチウム層5が形成される。
更に、図1の(b)に示す状態から全固体金属リチウム二次電池を放電すると、金属リチウム層5からリチウムイオンが生成し、このリチウムイオンが固体電解質層3を伝導して正極活物質層2に移動して、正極活物質層2内の正極活物質に吸収される。そして、全固体金属リチウム二次電池が完全に放電されると、図1の(a)に示す状態になる。
図2は、全固体金属リチウム二次電池の劣化を説明する模式図である。図2の(a)及び(b)は、同じ開回路電圧まで全固体金属リチウム二次電池を充電した後の状態を示しているが、図2の(a)は、全固体金属リチウム二次電池が劣化する前の状態を、図2の(b)は、全固体金属リチウム二次電池が劣化した後の状態を、それぞれ示している。
図2(a)に示すように、全固体金属リチウム二次電池を充電すると、固体電解質層3と負極集電体層4との間に金属リチウム層5が形成される。これにより、充電前よりも全固体金属リチウム二次電池の積層方向の厚さ及び圧力が増加する。
そして、図2(b)に示すように、全固体金属リチウム二次電池を繰り返し充放電すると、負極集電体層の近傍に析出している金属リチウムが、例えば、微量な水分、酸素、窒素、及び/又は二酸化炭素等と反応して、水酸化リチウム、酸化リチウム、窒化リチウム、及び/又は炭酸リチウム等の、充放電に寄与しない不動態の層、すなわち失活リチウムの層6が、負極集電体層4の近傍に形成される。
そのため、劣化した後の全固体金属リチウム二次電池は、劣化する前の全固体金属リチウム二次電池と比較して、失活リチウムの層6が存在する分だけ、全固体金属リチウム二次電池の積層方向の厚さ及び圧力が大きくなる。
したがって、ある開回路電圧における全固体金属リチウム二次電池の積層方向の厚さ/及び圧力を測定し、例えば予め作成しておいた劣化前の開回路電圧における全固体金属リチウム二次電池の積層方向の厚さ及び/又は圧力のマップから導きだされる、初期厚さ及び/又は初期圧力との差ΔD及び/又はΔPに基づいて、失活リチウムの層の形成の程度、すなわち全固体金属リチウム二次電池の劣化の程度を推定することができる。
更に、予めΔD及び/又はΔPと失活リチウムの量Nに関するマップを作成することにより、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を示すパラメーターとしての失活リチウムの量Nを推定することができ、本開示の方法を用いることにより、例えば充放電容量の推定を行うこともできる。
本開示の方法は、例えば図3に示すフローチャートに従って行うことができる。
図3は、本開示の一つの実施形態に従う、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定する方法のフローチャートである。
図3に示すフローチャートに示す方法では、まず全固体金属リチウム二次電池のある充電状態における、開回路電圧Vi及び全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力Piを測定する(工程A)。次いで、予め作成した、任意の取りうる開回路電圧Vxと全固体金属リチウム二次電池の積層方向の初期圧力Px0との関係を表すマップから、開回路電圧Viにおける初期圧力Pi0を取得する。そして、初期圧力Pi0からの圧力Piの圧力増加量、すなわちPiからPi0を引いて求められる、圧力の増加量ΔPiを算出する。最後に、予め作成した、圧力の増加量ΔPと失活リチウムの量Nとの関係を表すマップから、ΔPiにおける失活リチウムの量Niを、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を示すパラメーターとして取得する(工程B)。
なお、図3のフローチャートは、本開示の方法を限定する趣旨ではない。特に、このフローチャートでは、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を示すパラメーターとして失活リチウムの量Nを用いているが、このフローチャートは、本開示の方法における劣化状態の推定を、失活リチウムの量Nを用いて行う態様に限定するものではない。
《全固体金属リチウム二次電池》
本開示の方法が対象とする二次電池は、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体層がこの順に積層されている、全固体金属リチウム二次電池である。
本開示の方法が対象とする二次電池は、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体層がこの順に積層されている、全固体金属リチウム二次電池である。
〈正極集電体層〉
正極集電体層に用いられる材料は、特に限定されず、例えば、SUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、又はカーボン等であってよいが、これらに限定されない。
正極集電体層に用いられる材料は、特に限定されず、例えば、SUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、又はカーボン等であってよいが、これらに限定されない。
正極集電体層の形状は、特に限定されず、例えば、箔状、板状、又はメッシュ状等を挙げることができる。これらの中で、箔状が好ましい。
〈正極活物質層〉
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含み、好ましくは後述する固体電解質をさらに含む。そのほか、使用用途や使用目的等に合わせて、例えば、導電助剤又はバインダー等の全固体電池の正極活物質層に用いられる添加剤を含むことができる。
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含み、好ましくは後述する固体電解質をさらに含む。そのほか、使用用途や使用目的等に合わせて、例えば、導電助剤又はバインダー等の全固体電池の正極活物質層に用いられる添加剤を含むことができる。
正極活物質の材料としては、特に限定されない。例えば、正極活物質は、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、Li1+xMn2−x−yMyO4(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、及びZnから選ばれる1種以上の金属元素)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル、硫黄、LiMPO4(M=Ni、Co、Mn、又はFe)オリビン等であってよいが、これらに限定されない。
導電助剤としては、特に限定されない。例えば、導電助剤は、VGCF(気相成長法炭素繊維、Vapor Grown Carbon Fiber)及びカーボンナノ繊維等の炭素材並びに金属材等であってよいが、これらに限定されない。
バインダーとしては、特に限定されない。例えば、バインダーは、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ブタジエンゴム(BR)若しくはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の材料、又はこれらの組合せであってよいが、これらに限定されない。
〈固体電解質層〉
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含む。固体電解質の材料は、特に限定されず、全固体電池の固体電解質として利用可能な材料を用いることができる。例えば、固体電解質は、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、又はポリマー電解質等であってよいが、これらに限定されない。
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含む。固体電解質の材料は、特に限定されず、全固体電池の固体電解質として利用可能な材料を用いることができる。例えば、固体電解質は、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、又はポリマー電解質等であってよいが、これらに限定されない。
硫化物固体電解質の例として、硫化物系非晶質固体電解質、硫化物系結晶質固体電解質、又はアルジロダイト型固体電解質等が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な硫化物固体電解質の例として、Li2S−P2S5系(Li7P3S11、Li3PS4、Li8P2S9等)、Li2S−SiS2、LiI−Li2S−SiS2、LiI−Li2S−P2S5、LiI−LiBr−Li2S−P2S5、Li2S−P2S5−GeS2(Li13GeP3S16、Li10GeP2S12等)、LiI−Li2S−P2O5、LiI−Li3PO4−P2S5、Li7−xPS6−xClx等;又はこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
酸化物固体電解質の例として、Li7La3Zr2O12、Li7−xLa3Zr1−xNbxO12、Li7−3xLa3Zr2AlxO12、Li3xLa2/3−xTiO3、Li1+xAlxTi2−x(PO4)3、Li1+xAlxGe2−x(PO4)3、Li3PO4、又はLi3+xPO4−xNx(LiPON)等が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリマー電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、及びこれらの共重合体等が挙げられるが、これらに限定されない。
固体電解質は、ガラスであっても、結晶化ガラス(ガラスセラミック)であってもよい。また、固体電解質層は、上述した固体電解質以外に、必要に応じてバインダー等を含んでもよい。具体例として、上述の「正極活物質層」で列挙された「バインダー」と同様であり、ここでは説明を省略する。
〈負極集電体層〉
負極集電体層に用いられる材料は、特に限定されず、例えば、SUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、又はカーボン等であってよいが、これらに限定されない。
負極集電体層に用いられる材料は、特に限定されず、例えば、SUS、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、チタン、又はカーボン等であってよいが、これらに限定されない。
負極集電体層の形状は、特に限定されず、例えば、箔状、板状、又はメッシュ状等を挙げることができる。これらの中で、箔状が好ましい。
《工程A》
工程Aは、全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧、並びに開回路電圧における、全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力及び/又は寸法を測定する工程である。
工程Aは、全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧、並びに開回路電圧における、全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力及び/又は寸法を測定する工程である。
全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧は、電池の開回路電圧を測定することができる任意の方法によって行うことができる。全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧は、例えば、電圧センサーによって測定することができる。
全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力は、例えば圧力センサーによって測定することができる。全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力は、測定された開回路電圧における圧力として測定してもよく、所定の基準値からの圧力の変化量又は変化率として測定してもよい。
全固体金属リチウム二次電池の積層方向の寸法は、全固体金属リチウム二次電池の積層方向の長さを測定することにより求めることができ、例えば変位センサーによって測定することができる。全固体金属リチウム二次電池の積層方向の寸法は、測定された開回路電圧における長さとして測定してもよく、所定の基準値からの長さの変化量又は変化率として測定してもよい。
《工程B》
工程Bは、測定された圧力及び/又は寸法の、測定された開回路電圧における初期圧力及び/又は初期寸法からの増加量に基づいて、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定する工程である。
工程Bは、測定された圧力及び/又は寸法の、測定された開回路電圧における初期圧力及び/又は初期寸法からの増加量に基づいて、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定する工程である。
初期圧力及び初期寸法とは、全固体金属リチウム二次電池の製造直後における圧力及び寸法であってよく、所定の回数及び/又は期間使用した後であって、本開示の方法を行う前の圧力及び寸法であってよい。初期圧力及び初期寸法は、圧力センサー及び変位センサー等によって測定することができる。
測定された開回路電圧における初期圧力及び初期寸法は、例えば予め開回路電圧と初期圧力に関するマップ及び開回路電圧と初期寸法に関するマップを作成しておくことにより求めてもよい。
本開示において、全固体金属リチウム二次電池の劣化とは、全固体金属リチウム二次電池内部のリチウムが、例えば、微量な水分、酸素、窒素、及び/又は二酸化炭素等と反応して、例えば、水酸化リチウム、酸化リチウム、窒化リチウム、及び/又は炭酸リチウム等の、充放電に寄与しない不動態、すなわち失活リチウムとなったことによる、全固体金属リチウム二次電池の種々の性能の低下を意味している。
測定された圧力及び/又は寸法の、測定された開回路電圧における初期圧力及び/又は初期寸法からの増加量は、失活リチウムの増加量に対応しているため、この増加量を、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態の指標とすることができる。
また、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態は、予め作成した、測定された圧力及び/又は寸法の、測定された開回路電圧における初期圧力及び/又は初期寸法からの増加量と、失活リチウムの量に関するマップに基づいて、失活リチウムの量として推定されてもよい。
《実施例1》
全固体金属リチウム二次電池を、当該次電池が劣化する条件で5サイクル充放電し、各サイクルにおける電圧(V)、充放電容量(mAh)、及び全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力(MPa)を測定した。
全固体金属リチウム二次電池を、当該次電池が劣化する条件で5サイクル充放電し、各サイクルにおける電圧(V)、充放電容量(mAh)、及び全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力(MPa)を測定した。
測定結果に基づいて、電圧(V)と充放電容量(mAh)との関係を示すグラフを図4に、全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力(MPa)と充放電容量(mAh)との関係を示すグラフを図5に、それぞれまとめた。
図4に示すように、グラフにおいて、充放電のサイクルを繰り返すごとに、放電終了時における容量が右にシフトした。このシフトは、充放電のサイクルを繰り返すにつれて充放電に寄与しなくなったリチウム、すなわち失活リチウムが、見かけ上、容量として表れていることを示している。
また、図5に示すように、充放電のサイクルを繰り返すごとに、放電終了時における容量が右にシフトし、かつ全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力も、上方向にシフトした。
これらのシフトは、充放電のサイクルを繰り返すにつれて増加した失活リチウムの量に応じて、全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力が増加していることを示している。
これらの結果から、全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧と全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力とを測定し、当該開回路電圧における、全固体金属リチウム二次電池の劣化前のマップと比較することにより、失活リチウムの量を推定することができると考えられる。
1 正極集電体層
2 正極活物質層
3 固体電解質層
4 負極集電体層
5 金属リチウム層
6 失活リチウムの層
2 正極活物質層
3 固体電解質層
4 負極集電体層
5 金属リチウム層
6 失活リチウムの層
Claims (1)
- 正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、及び負極集電体層がこの順に積層されている全固体金属リチウム二次電池の劣化状態の推定方法であって、
(A)前記全固体金属リチウム二次電池の開回路電圧、並びに前記開回路電圧における、前記全固体金属リチウム二次電池の積層方向の圧力及び/又は寸法を測定すること、並びに
(B)測定された前記圧力及び/又は寸法の、前記開回路電圧における初期圧力及び/又は初期寸法からの増加量に基づいて、前記全固体金属リチウム二次電池の劣化状態を推定すること、
を含む、全固体金属リチウム二次電池の劣化状態の推定方法。
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WO2023031990A1 (ja) * | 2021-08-30 | 2023-03-09 | TeraWatt Technology株式会社 | 劣化状態推定装置、劣化状態推定方法、及びプログラム |
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