以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は、下記(A)成分100重量部、(B)成分0.01〜10重量部を含む組成物をUV−LEDランプによって硬化させる硬化物の製造方法に関する。
(A)一般式(1):
−OC(O)C(R1)=CH2 (1)
(式中、R1は水素、または、炭素数1〜20の有機基を表す。)で表される基を1分子あたり少なくとも1個以上有し、数平均分子量が3,000〜100,000である(メタ)アクリル系重合体であって、炭素数1〜3のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、および/または、炭素数6〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位を有する(メタ)アクリル系重合体
(B)光ラジカル重合開始剤
なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルのいずれか一方又は両方を意味する。
一般式(1)中のR1の具体例としては、特に限定されないが、例えば、−H、−CH3、−CH2CH3、−(CH2)nCH3(nは2〜19の整数を表す。)、−C6H5、−CH2OH、−CNなどがあげられる。反応性の点から、−H、−CH3が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A)の1分子あたりの一般式(1)で表される基の数は、1個以上であり、硬化性向上の観点から、1.5個以上が好ましい。一方、硬化物の柔軟性の観点から、3個以下が好ましく、より好ましくは2.5個以下である。また、(メタ)アクリル系重合体(A)が有する一般式(1)で表される基は、ゴム弾性の観点から少なくとも分子末端に存在することが好ましい。(メタ)アクリロイル系重合体(A)が有する分子末端の一般式(1)で表される基の数は、硬化性と柔軟性の観点から、1個以上、2個以下が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した場合に、3,000〜100,000であり、10,000〜90,000が好ましく、30,000〜80,000がさらに好ましい。分子量が低くなりすぎると、硬化物の柔軟性が損なわれ、伸びが低下するなど十分なゴム弾性が得られなくなる。一方、高くなりすぎると、粘度が高くなり取扱いが困難になる傾向がある。
(メタ)アクリル系重合体(A)の主鎖を構成する(メタ)アクリル系モノマーとしては、特に限定されないが、各種のモノマーを用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどの(メタ)アクリル酸エステルがあげられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても良い。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、炭素数1〜3のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、および/または、炭素数6〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位を有する。(メタ)アクリル系重合体(A)の重合に用いる、炭素数1〜3のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチルを挙げることができる。炭素数6〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシルを挙げることができる。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、炭素数1〜3のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位を、全繰り返し単位中に1〜35重量%有するのが好ましい。(メタ)アクリル系重合体(A)は、炭素数6〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位を、全繰り返し単位中に20〜80重量%有するのが好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、炭素数3〜5のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび炭素数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび炭素数1〜3のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合体(A1)であることが好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A1)の主鎖を構成するモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチルを挙げることができる。
(メタ)アクリル系重合体(A1)は、炭素数3〜5のアルキル基を有するアクリル酸エステルおよび炭素数1〜2のアルキル基を有するアクリル酸エステルおよび炭素数1〜3のアルコキシ基を有するアクリル酸エステル由来の繰り返し単位を、(メタ)アクリル系重合体(A2)を構成する全繰り返し単位の80重量%以上有しており、90重量%以上有することが好ましく、95重量%以上有することが特に好ましく、上限は100重量%以下が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A1)を構成する、炭素数3〜5のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーおよび炭素数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーおよび炭素数1〜3のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの比率(炭素数3〜5のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー / 炭素数1〜2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー / 炭素数1〜3のアルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー)は、80〜15/19〜50/1〜35が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、炭素数3〜5のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび炭素数6〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合体(A2)であることが好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A2)の主鎖を構成するモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシルを挙げることができる。
(メタ)アクリル系重合体(A2)は、炭素数3〜5のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび炭素数6〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を、(メタ)アクリル系重合体(A2)を構成する全繰り返し単位の80重量%以上有しており、90重量%以上有することが好ましく、95重量%以上有することが特に好ましく、上限は100重量%以下が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A2)を構成する、炭素数3〜5のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーおよび炭素数6〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの比率(炭素数3〜5のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー / 炭素数6〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー)は、20〜80/80〜20が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A2)を用いる場合は、他の(メタ)アクリル系重合体(A)と併用しない方が好ましく、併用した場合でも、他の(メタ)アクリル系重合体(A)が少ない方が好ましく、(メタ)アクリル系重合体(A2)100重量部に対して、20重量部以下や、10重量部以下であるのが好ましい。
より具体的に、(メタ)アクリル系重合体(A)を例示するならば、得られる硬化物が優れた柔軟性を示すことから、ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸メトキシエチル)共重合体、ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸−2−エチルヘキシル)共重合体であることが好ましい。
ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸メトキシエチル)共重合体である場合、組成物に併用する添加剤との相溶性の点から、アクリル酸n−ブチルとアクリル酸エチルとアクリル酸メトキシエチルの重量比(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸メトキシエチル)は80/19/1〜15/50/35が好ましい。また、ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸−2−エチルヘキシル)共重合体である場合、より優れた伸びが得られる点から、アクリル酸n−ブチルとアクリル酸2−エチルヘキシルの重量比(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸2−エチルヘキシル)は20/80〜80/20が好ましい。
(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量分布(GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn))は、1.8未満であり、好ましくは1.7以下であり、さらに好ましくは1.6以下であり、よりさらに好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下であり、最も好ましくは1.3以下である。分子量分布が大きすぎると、得られる硬化物の機械物性のコントロールが困難になる傾向にある。本発明でのGPC測定は、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにて行い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
(メタ)アクリル系重合体(A)は、種々の重合法により得ることができ、特に限定されないが、モノマーの汎用性、制御の容易性などの点から、ラジカル重合法が好ましく、ラジカル重合の中でも、制御ラジカル重合がより好ましい。この制御ラジカル重合法は、「連鎖移動剤法」と「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。得られる(メタ)アクリル系重合体(A)の分子量、分子量分布の制御が容易であるリビングラジカル重合がさらに好ましく、原料の入手性、重合体末端への官能基導入の容易さから、原子移動ラジカル重合が特に好ましい。上記ラジカル重合、制御ラジカル重合、連鎖移動剤法、リビングラジカル重合法、原子移動ラジカル重合は、公知の重合法ではあるが、これら各重合法については、例えば、特開2005−232419公報や特開2006−291073公報などの記載を参照できる。
(メタ)アクリル系重合体(A)の好ましい合成法の一つである原子移動ラジカル重合については、例えば、特開2016−88944公報の段落(0054)〜(0080)を挙げることができる。
(メタ)アクリル系重合体(A)の一般式(1)で表される基の導入方法としては、例えば、特開2016−88944公報の段落(0081)〜(0087)を挙げることができる。
本発明の製造方法によって硬化させる組成物は、光ラジカル重合開始剤(B)を含有する。光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はないが、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名Omnirad651、IGM Resins B.V.製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名Omnirad184、IGM Resins B.V.製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名Omnirad1173、IGM Resins B.V.製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名Omnirad2959、IGM Resins B.V.製)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名Omnirad907、IGM Resins B.V.製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名Omnirad369、IGM Resins B.V.製)、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリンー4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(商品名Omnirad379、IGM Resins B.V.製)、ジベンゾイル、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2-ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル]−2−メチル-プロパン−1−オン(商品名Omnirad127、IGM Resins B.V.製)、1−〔4−(4−ベンゾイキシルフェニルサルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン(商品名ESURE1001M)、メチルベンゾイルフォ−メート(商品名SPEEDCURE MBF LAMBSON製)、O−エトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名SPEEDCURE PDO LAMBSON製)、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン(商品名ESCURE KIP150 LAMBERTI製)、 1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]1,2−オクタンジオン(商品名IRGACURE OXE 01、BASFジャパン製)、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(0−アセチルオキシム)エタノン(商品名IRGACURE OXE 02、BASFジャパン製)、4−ベンゾイル−4‘メチルジフェニルサルファイド、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’,4“−(ヘキサメチルトリアミノ)トリフェニルメタン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名Omnirad TPO、IGM Resins B.V.製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名Omnirad819、IGM Resins B.V.製)、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニル−エトキシ−フォスフィンオキサイド(商品名DAROCUR TPO−L、LAMBSON製)、商品名SPEEDCURE XKm(LAMBSON製)等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が挙げられる。
これらのうち、得られる硬化物の機械物性の点から、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名Omnirad651、IGM Resins B.V.製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名Omnirad184、IGM Resins B.V.製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名Omnirad1173、IGM Resins B.V.製)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名Omnirad907、IGM Resins B.V.製)、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリンー4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(商品名Omnirad379、IGM Resins B.V.製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名Omnirad819、IGM Resins B.V.製)、オキシ−フェニル−酢酸2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステルとオキシ−フェニル−酢酸2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルの混合物(商品名Omnirad754、IGM Resins B.V.製)、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]1,2−オクタンジオン(商品名IRGACURE OXE 01、BASFジャパン製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名Omnirad TPO、IGM Resins B.V.製)が好ましい。これらの光ラジカル重合開始剤は、単独、又は2種以上混合して用いても、他の化合物と組み合わせて用いてもよい。
光ラジカル開重合始剤(B)の添加量は、(メタ)アクリル系重合体(A)100重量部に対して0.01〜10重量部用いる。0.01重量部より少ない場合および10部より多い場合には深部硬化性が十分に得られない場合がある。すなわち0.01部より少ない場合は、硬化性組成物が硬化するために必要なラジカルが十分に発生しないために硬化に時間を要する。一方、10部より多い場合には、硬化性組成物の上部に存在する光ラジカル開重合始剤が余分に光を吸収することにより、深部まで十分な光が到達できず、結果として深部の硬化性に劣ることになる。
本発明の製造方法では、組成物を硬化させるために、UV−LEDランプを使用する。UV−LEDランプで硬化させた硬化物は、高圧水銀ランプ等で硬化させた硬化物と比較し、優れた機械物性を示す。UV−LEDランプと高圧水銀ランプ等では、光ラジカル開始剤から発生するラジカル量、発生速度が異なり、得られる硬化物の架橋形態が異なるため、硬化物物性に違いが生じるものと考えられる。UV−LEDランプのの照射波長としては、ピーク波長が350nm以上のものが経済的に有利に入手できる点から好ましい。光源としては、単独で用いてもよいし、2種類以上のものを併用しても構わない。
UV−LEDランプからの光の波長や照射強度や積算光量は、(メタ)アクリル系重合体(A)の種類や、添加剤の種類・量、光ラジカル重合開始剤の種類・量、所望の硬化物の厚みや大きさなどの形状により適宜調整されて照射される。ピーク照度は、1〜10,000mW/cm2が好ましく、10〜5,000mW/cm2が好ましく、100〜3,000mW/cm2が好ましい。この範囲を下回ると組成物の硬化不良が生じる可能性があり、この範囲を上回ると得られる硬化物の機械物性が低下する懸念がある。また、積算光量は、10〜10,000mJ/cm2が好ましく、100〜5,000mWmJ/cm2が好ましく、500〜4,000mJ/cm2が好ましい。この範囲を下回ると組成物の硬化不良が生じる傾向があり、この範囲を上回ると硬化物の耐久性に影響を与える可能性がある。
光を照射する方法としては、例えばベルトコンベア上で光を連続的に照射する方法や光を照射する時のみベルトコンベアを停止し、均一に光を照射する方法、あるいは照射ごとに照射装置に硬化性組成物を投入・取り出しを行う方法(バッチ式)等が挙げられる。ベルトコンベア方式は連続的に硬化する場合に向いている。バッチ式法では、ベルトコンベア等の大がかりな装置が必要なく、また、対象物に対し光を均一に照射させやすいという利点がある。ベルトコンベア式の場合、例えば、硬化性組成物をベルトコンベアに載せ、コンベアの上方または横方、あるいは下方に固定された照射装置から光を照射する。
本発明の製造方法によって硬化させる組成物は、粘度低減による作業性の向上や、硬化物物性の改良等を目的として、ラジカル重合性の基を有するモノマー類を併用することもできる。
前記ラジカル重合性の基としては、(メタ)アクリル基、スチレン基、アクリロニトリル基、ビニルエステル基、N−ビニルピロリドン基、共役ジエン基、ビニルケトン基、塩化ビニル基等が挙げられる。なかでも、本発明に使用する(メタ)アクリル系重合体(A)が有する(メタ)アクリロイル基、および、アクリルアミド基を有するものが好ましい。
前記モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、アクリロニトリル、ビニルエステル系モノマー、N−ビニルピロリドン、共役ジエン系モノマー、ビニルケトン系モノマー、ハロゲン化ビニル・ハロゲン化ビニリデン系モノマー、多官能モノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデカニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸トリル、(メタ)アクリル酸4−tert−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−メチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸1−エチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸3、5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸メチルフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸m−フェノキシベンジル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、(メタ)アクリル酸−メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸−エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルジエチレングリコ−ル、(メタ)アクリル酸メトキシ−ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸グリセリン、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール(日油製ブレンマーPE−90、PE−200、PE−350、PE−350G、AE−90、AE−200、AE−400等)、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(日油製ブレンマーPP−500、PP−800、PP−1000、AP−150、AP−400、AP−550等)(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(日油製ブレンマー50PEP−300、70PEP−350B等)、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール−ポリテトラメチレングリコール)、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル−グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル四級化物(共栄社化学製ライトエステルDQ−100、DQ−75等)、4−(メタ)アクリル酸−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、2−(メタ)アクリル酸−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デシ−2−イルメチル(大阪有機化学工業製、CHDOL−10)、(メタ)アクリル酸3−エチル−3−オキセタニル(大阪有機化学工業製、OXE−10)、(メタ)アクリル酸γ−ブチロラクトン、(メタ)アクリル酸2−フェニルチオエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロピル、無水フタル酸−(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル付加物(大阪有機化学工業製ビスコート#2100)、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸(共栄社化学製ライトエステルHPA−MPL、新中村化学製CB−1等)、1,2−シクロヘキシルジカルボン酸−モノ[1−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチル]エステル(大阪有機化学工業製ビスコート#2150)、(メタ)アクリルロイルオキシ−エチルヘキサヒドロフタレート(共栄社化学製ライトエステルHO−HH、HOA−HH等)、(メタ)アクリルロイルオキシエチルサクシネート(共栄社化学製ライトエステルHO−MS、HOA−MS、新中村化学製SA、A−SA等)、2−(メタ)アクリルロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸(共栄社化学製ライトエステルHO−MPP等)、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−ヒドロキシエチルフタル酸(共栄社化学製HOA−MPE等)、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−リン酸エステル(共栄社化学製ライトエステルP−1M、P−2M等)、(メタ)アクリル酸エトキシ化−o−フェニルフェノール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール(共栄社化学製ライトエステルMC、130MA、041MA、MTG、MTG−A、130A、新中村化学製M−90G、AM−90G、M−230G、AM130G、日立化成製ファンクリルFA−400M、日油製ブレンマーPME−100、PME−200、PME−400、PME−550、PME−1000、PME−4000、AME−400等)、(メタ)アクリル酸フェノキシポリエチレングリコール(共栄社化学製ライトアクリレートP−200A、新中村化学製AMP−20GY、日油製ブレンマーPAE−50、PAE−100、AAE−50、AAE−300、東亞合成製アロニックスM−101、M−102等)、(メタ)アクリル酸パラクミルフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール(共栄社化学製ライトアクリレートNP−4EA、NP−8EA、日立化成製ファンクリルFA−314A、FA−318A、日油製ブレンマーANE−1300、東亞合成製M−111、M113、M−117等)、(メタ)アクリル酸オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ラウロキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ステアロキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ウンデシレノキシ、(メタ)アクリル酸ウンデシレノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(東亞合成製M−5300等)、アクリル酸ダイマー(東亞合成製M−5600、ダイセルサイテック製β−CEA等)、(メタ)アクリル酸N−エチルマレイミド、(メタ)アクリル酸ペンタメチルピペリジニル、(メタ)アクリル酸テトラメチルピペリジニル、γ−[(メタ)アクリロイルオキシプロピル]トリメトキシシラン、γ−[(メタ)アクリロイルオキシプロピル]トリエトキシシラン、γ−[(メタ)アクリロイルオキシプロピル]メチルジメトキシシラン、(メタ)アクリル酸2−イソシアネートエチル、(メタ)アクリル酸2−(0−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸バリウム、(メタ)アクリル酸ストロンチウム、(メタ)アクリル酸ニッケル、(メタ)アクリル酸銅、(メタ)アクリル酸アルミニウム、(メタ)アクリル酸リチウム、(メタ)アクリル酸ネオジウム、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチルパーフルオロブチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2,2−ジ−パーフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチルパーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
ビニルエステル系モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
共役ジエン系モノマーとしては、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。ビニルケトン系モノマーとしては、メチルビニルケトン等が挙げられる。
ハロゲン化ビニル・ハロゲン化ビニリデン系モノマーとしては、塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等が挙げられる。
2官能性以上の多官能モノマーとしては、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,2−エチレンジ(メタ)アクリレート等の飽和炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジエトキシジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO−EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジエトキシジ(メタ)アクリレート、4,4−ジメルカプトジフェニルサルファイドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ジメチル)−5−エチル−5−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジオキサン、2−[5−エチル−5−[(アクリロイルオキシ)メチル]−1,3−ジオキサン−2−イル]−2,2−ジメチルエチル、1,1−(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等の2官能の(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートポリヘキサノリドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
ラジカル重合性の基を有するモノマー類としては、(メタ)アクリル系重合体(A)との相溶性に優れることから、飽和脂肪族アルキル基を有するモノマーあるいは飽和脂肪族エーテル基を有するモノマーが好ましく、さらに深部硬化性に優れることから、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソステアリル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸エトキシポリエチレングリコール、アクリル酸メトキシポリエチレングリコールが好ましい。
ラジカル重合性の基を有するモノマー類の添加量は特に制限はないが、硬化性組成物の作業性が良好で、硬化収縮率への影響が小さい点から、(メタ)アクリル系重合体(A)100重量部に対して、300重量部以下が好ましく、150重量部以下がさらに好ましく、使用に必要な強度を維持したまま柔軟な硬化物が得られる点から100重量部以下がさらに好ましい。
本発明の製造方法によって硬化させる組成物は、機械的強度や耐摩耗性を付与したり、硬化性組成物のチクソ性を調整したりするために、充填剤を添加することができる。具体的には、特開2006−291073公報段落[0134]〜[0151]記載の各種充填剤や微小中空粒子が挙げられる。充填剤としては、ヒュームドシリカ、湿式法シリカ等の補強性シリカである微粉シリカ、カーボンブラック、木粉、パルプ、木綿チップ、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、白土、シリカ(結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸等)、重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、べんがら、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛、シラスバルーン、ポリアクリル樹脂・ポリアクリロニトリル−塩化ビニリデン樹脂・フェノール樹脂・ポリスチレン樹脂等のビーズ類やその中空微粒子、ガラスバルーン・シラスバルーン、フライアッシュバルーン等の無機系中空微粒子、ガラス繊維、ガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等の繊維状充填材等が挙げられる。これらの中でも、補強性に優れる点から、ヒュームドシリカや湿式法シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウムが好ましい。
補強性シリカとして用いられる、ヒュームドシリカ、湿式法シリカの中でも粒子径が50μm以下であり、比表面積が80m 2 /g以上のものが補強性の効果から好ましい。また、表面処理シリカ、例えば、オルガノシラン、オルガノシラザン、ジオルガノシクロポリシロキサン等で表面処理されたものよりは、表面無処理シリカの方が、混練のしやすさ、組成物の流動性が良好であり経済性にも優れるといった点からさらに好ましい。補強性シリカのより具体的な例としては、特に限定されないが、ヒュームドシリカの1つである日本アエロジル社のアエロジルや、湿式法シリカの1つである日本シリカ工業社のNipsil等が挙げられる。なお、上記比表面積値は、BET法(不活性気体の低温低湿物理吸着)による測定値を
いう。
カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等いずれのカーボンブラックでも好ましく用いられ、補強性が良好で経済性にも優れる点からファーネスブラックがさらに好ましい。
これらの充填剤の添加量としては特に制限はないが、(メタ)アクリル系重合体(A)100重量部に対して、0.1〜500重量部、好ましくは0.5〜200重量部、特には1〜50重量部用いることが好ましい。配合量が0.1重量部未満の場合には、補強性の改善効果が充分でないことがあり、500重量部を越えると該硬化性組成物の作業性が低下したりすることがある。また、充填剤は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
本発明の製造方法によって硬化させる組成物には、硬化性を損ねない範囲で、飽和脂肪族アルコールおよび飽和脂肪酸からなるエステル系可塑剤以外の可塑剤を添加することができる。可塑剤の添加により、硬化性組成物の粘度や得られる硬化物の引張り強度、伸びなどの機械特性を調整できたり、また硬化物の透明性を改善できたりする。可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコールの芳香族エステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ピロメリット酸エステル類;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基等に変換した誘導体等のポリエーテル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;東亞合成製ARUFONシリーズのようなアクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られる(メタ)アクリル系重合体類等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
可塑剤を添加する場合の添加量は特に制限はないが、硬化性組成物の作業性が良好で、得られる硬化物の機械特性への影響が小さいという点から、(メタ)アクリル系重合体(A)100重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、1〜50重量部がさらに好ましい。
本発明の製造方法によって硬化させる組成物には、必要に応じて溶剤を配合することができる。配合できる溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系溶剤が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
溶剤を添加する場合の添加量は特に制限はないが、硬化性組成物の作業性が良好で、硬化収縮への影響が小さいという点から、(メタ)アクリル系重合体(A)100重量部に対して、50重量部以下が好ましく、30重量部以下がさらに好ましく、作業環境への影響が小さいという点から10重量部以下がさらに好ましい。
本発明の製造方法によって硬化させる組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするためにチクソ性付与剤(垂れ防止剤)を添加しても良い。
チクソ性防止剤としては特に限定されないが、たとえば、水添ヒマシ油誘導体類、長鎖アルキル基を有する金属石鹸類、長鎖アルキル基を有するエステル化合物、シリカ等の無機充填剤、アミドワックス等が挙げられる。これらチクソ性付与剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
チクソ性付与剤を添加する場合の添加量は特に制限はないが、硬化性組成物の作業性が良好であるという点から、(メタ)アクリル系重合体(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましい。
本発明の製造方法によって硬化させる組成物には、酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると硬化物の耐熱性を高めることができる。酸化防止剤としては、一般的なヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、エタノールアミン系酸化防止剤等の一次酸化防止剤、およびイオウ系酸化剤やリン系酸化剤等の二次酸化防止剤が挙げられる。酸化防止剤としては、特開2007−308692公報段落[0232]〜[0235]やWO05/116134公報段落[0089]〜[0093]に記載されているものを用いることができる。
酸化防止剤を添加する場合の添加量は特に制限はないが、耐熱性への効果が十分に発揮され、かつ経済的にも不利にならないという点から、(メタ)アクリル系重合体(A)100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい。
本発明の製造方法によって硬化させる組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、相溶化剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、消泡剤、発泡剤、防蟻剤、防かび剤、紫外線吸収剤、光安定剤などがあげられる。本明細書にあげた添加物の具体例以外の具体例は、たとえば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号、特開2001−72854号の各公報などに記載されている。
本発明の製造方法によって硬化させた硬化物の用途としては、限定はされないが、スポーツ用品、玩具・遊具、文房具、医薬・医療・介護用品、履物、寝具・寝装品、家具、衣料、各種雑貨、輸送用品、OA機器、家電製品、オーディオ機器、携帯機器、産業用機械・機器、精密機器、電気・電子機器、電気・電子部品、建材用品のシール材・コーティング材・接着剤・粘着剤・成形体・封止材・成形部品・塗料・インク・発泡体・レジスト材・現場成形ガスケット・衝撃吸収材・衝撃緩衝材・圧力分散材・制振材・防振材・吸音材・防音材・断熱材・感触改善部材等の様々な用途に利用可能である。
また、各種用途に用いる場合に、ショックアブソーバー、インシュレーター、ブッシュ、各種マウント、ローラ、フィルム、シート、テープ、シール、チップ、成形部材としての利用も可能である。
スポーツ用途としては、球技場、競技場、体育館のフェンス・床面等に設置する衝撃緩衝材、体操競技や運動用の着地マット、床運動用マット、ジムのストレッチ用マット、キッズマット、ボルダリング用マット(クラッシュパッド)、ビート板、高飛び用のクッション材、ウエットスーツ、ゴルフクラブ・バット・テニスラケットなどのグリップや心材、グラブやミットの心材、スポーツシューズの上敷き、中敷き、中底、靴底、スキーブーツ・スノーボードブーツのライナー、トゥ・シューズ、バレエシューズ、ゴルフクラブヘッド、ゴルフボールや野球用ボールその他の球技用ボール、スポーツ用プロテクター類(例えば、ラグビーやボクシング等の格闘技で使用するヘッドギア、野球やフットボールのヘルメット、野球・サッカー・格闘技等のひじあて、レガース(シンガード)等)、ラケット、ボール、ライダー用スーツ、グローブ(サッカーのキーパーグローブ、ゴルフ、スキー、ライダー用)、ライフルジャケット(例えば肩パット)等の成形体用途、シール材用途、封止剤用途、衝撃吸収用途、衝撃緩衝用途、圧力分散用途、制振用途、防振用途、吸音用途、防音用途、人体との接触部の感触改善用途などに有用である。
玩具・遊具用途としては、シール、ハンドエクササイザー、ヒーリンググッズ、キーホルダー、ぬいぐるみ、動くぬいぐるみ、マネキンボデイー、ボール、マッサージボール等のクッション材や詰め物、ゲームのコントローラーやマット、携帯電話やスマートフォン等のデコレート用品やその他装飾品用の作製材料、動物模型、怪獣や人形、フィギュア等の成形体用途、シール材用途、封止剤用途、衝撃吸収用途、衝撃緩衝用途、圧力分散用途、制振用途、防振用途、吸音用途、防音用途、人体との接触部の感触改善部用途などに有用である。
医療・介護用途としては、人工皮膚、人工骨、人工軟骨、 人工臓器、人工角膜、人工水晶体、人工硝子体、人工筋肉、人工血管、人工関節、人体模型、水着や豊胸用の胸パットや挿入用材料、その他生体適合材料としての利用や、薬液染み出しパッド、止血パッド、気液分離フィルター(留置針フィルター)、貼布剤、医療用液体吸収用具、マスク、圧迫パッド、手術用ディスポ製品、医療用チューブ・キャップ・バッグ・ガスケット・、ホース、医療用のベッド・治療台・椅子、心電図測定用電極材、低周波治療器用電極パッド、センサーパッド、床ずれ予防マットレス、体位変換クッション、車椅子用クッション、車椅子の座面、シャワー椅子等の介護用品、入浴介護用枕、テーピング、ギブス用ライナー、ソフトコンタクトレンズ用材料、義手・義足そのものや義足や義手の人体への接続用緩衝材(ライナー等)、又は義足や義手の関接部分構成材、入れ歯台、その他歯科用品、衝撃吸収パッド、ヒッププロテクター、肘・膝用プロテクター、術後の身体形状補助材、湿布材、創傷被覆材、細胞培養シート、治療実習用の成体モデル等にも利用できるものである。その他、人体に接触させ使用される物品として、例えば、魚の目もしくはたこの痛み緩衝材、サポーター、パンプスなどのずれ防止材、またはひじもしくはかかとなどの乾燥防止パッド、外反母趾や巻き爪等による痛みを緩和するためのフットケア用衝撃吸収用途などに有用である。その他に、経皮吸収製剤や貼付用の粘着剤、医薬・医療用シール材、医療用粘着剤、医療用ゴム栓、印象材、歯科充填材、シリンジガスケット、および減圧血管用ゴム栓、人工透析装置用のOリング又は平形ガスケット、医薬品・医療器具の包装材料、キャップ、キャップライナー、真空採血管のキャップ、カテーテルのシール材や接着剤、体内埋め込み型医療機器や添付形センサー類のシール材や接着剤等に利用可能である。
履物用途としては、紳士靴、婦人靴、子供用靴、高齢者用靴、スポーツシューズ、安全靴等に使用が可能であり、それぞれの靴の表皮材、裏打ち、中敷(インナーソール)、靴底(アウトソール、ミッドソール、ヒール)、靴擦れ防止パッド、各種靴パッド、インナーブーツ、スリッパ、スリッパ芯、サンダル、サンダル中敷等の成形体用途、衝撃緩衝用途、衝撃吸収用途、履き心地改善用途、美容・痩身用途として有用である。
寝具・寝装品用途としては、枕、掛け布団、敷布団、ベッド、理容用・美容用ベッド、マットレス、ベッドマット、ベッドパッド、クッション、ベビーベッド、ベビー用首まくら等の床ずれ防止用途や体圧分散用途や寝心地改善用途、衝撃吸収用途、成形体用途等が挙げられる。
家具用途としては、椅子、座イス、座布団、ソファー、ソファークッション・シートクッション、腰当クッション等の各種クッション、カーペット・マット類、コタツ敷・掛け布団、便座マットの体圧分散用途や座り心地改善用途、衝撃吸収用途、感触改善用途等が挙げられる。机、タンス、衣装ケース、本棚、階段、ドア、扉、ふすま、障子、引き戸の取手や持手、手すり、戸当たり部等の感触改善部用途、衝撃吸収用途、防音用途、成形体用途等が挙げられる。
衣料用途としては、肩・ブラジャー等のパッド材や、防寒材、ヘルメット、防弾チョッキ、等に衝撃吸収用途や断熱用途、成形体用途等が挙げられる。
各種雑貨用途としては、バスピロー等の風呂用品、マッサージ用パフ、マウスパッド、パソコン用アームレストやリストレスト、滑り止めクッション、文具(ペングリップ、浸透印材)、デスク用小まくら、耳栓、綿棒、ホットパック用シート、コールドパック用シート、湿布、めがねパッド、水中眼鏡用パッド、顔面プロテクター、腕時計パッド、ヘッドホーンイヤーパット、イヤホン、保温カップ、飲料缶、氷枕カバー、折りたたみまくら、筆記具、鞄(例えばランドセルの肩掛け部、手提げ部等)、日用雑貨・大工用品のグリップ、カーペット用部材、人工芝用部材等の敷物用部材、肘当て、膝当て、手袋、魚つり用等の疑似餌、鞍による馬の背中の鞍ずれ防止材等の成形体用途、シール材用途、衝撃吸収用途、緩衝用途、防振用途、制振用途、吸音用途、消音用途、人体との接触部の感触改善部用途として利用が可能である。
輸送用途としては、自動車・オートバイ・自転車・電動自転車・三輪車・ベビーカー・建築機械・鉄道車両・船舶・航空機等の座席、チャイルドシート、ヘッドレスト、アームレスト、フットレスト、ヘッドライナー、サドル、ライダークッション、ヘルメット、カスタムカー用のベッドマット、キャンピングカー用クッション、天井材、ドアトリム、フロアクッションインストルメントパネル、ダッシュボード、ドアパネル、インナーパネル、シフトノブ、ハンドル、グリップ、ピラー、コンソールボックス、エアバックカバー、パーキングブレーキカバー、クォータートリム、内張り、センターピラーガーニッシュ、サンバイザー等の内装材、車載型道路ナビゲーションシステムの記録再生装置や各種センサー類、制御機器等の車載電子機器、ハーネス・ダストカバー・ホース・エンジン・バッテリー・オイルパン・フロントカバー・ロッカーカバー等のエンジン周り、タイヤ、バンパー、フロア、アンダーフロア、ドア、ルーフ、パネル、ホイルハウス、トランスミッション、ウェザーストリップ、各種補機カバー、ウインドーパッキン、ルーフモール、ドア下モール、シートバック、トランクルーム、荷台等の車体周りの成形体用途、シール材用途、制振用途、防振用途、衝撃吸収用途、吸音用途、防音用途、緩衝用途、人体との接触部の感触改善用途等が挙げられる。また、キャリーバッグ・台車・コンテナ・フレキシブルコンテナー・パレット等人荷運搬用具の防振用途、制振用途、衝撃吸収用途、振動吸収用途も挙げられる。運搬するものとしては、例えば、美術品、精密機器、果物、鮮魚、卵、陶器・磁器類が挙げられ、これらの直接梱包用、間接梱包用あるいは梱包したものを搬送する用途に使用できる。また、輸送用、運搬用、搬送用にショックアブソーバー、インシュレーター、ブッシュ、各種マウント、フィルムシート、テープ、シール、チップ、成形部材としての利用も可能である。防振ゴムとして、自動車用防振ゴム、鉄道車両用防振ゴム、航空機用防振ゴム、防舷材等に使用できる。
更に、自動車分野ではボディ部品として、気密保持のためのシール材、ガラスの振動防止材、車体部位の防振材、特にウインドシールガスケット、ドアガラス用ガスケットに使用することができる。シャーシ部品として、防振、防音用のエンジンおよびサスペンジョンゴム、特にエンジンマウントラバーに使用することができる。エンジン部品としては、冷却用、燃料供給用、排気制御用などのホース類、エンジンカバーやオイルパン用のガスケット、エンジンオイル用シール材などに使用することができる。また、排ガス清浄装置部品、ブレーキ部品にも使用できる。タイヤ部品としては、ビード部位、サイドウォール部位、ショルダー部位、トレッド部位のほか、インナーライナー用の樹脂や空気圧センサー・パンクセンサーのシール材として利用可能である。また、各種電子部品・制御部品のシール材、封止材、ガスケット、コーティング材、モールド部材、接着剤、粘着剤として利用可能である。また、銅製・アルミ製ワイヤーハーネスの被覆材やコネクタ部のシール材としても利用可能である。その他、ランプ、バッテリー、ウィンドウォッシャー液ユニットやエアコンディショナーユニット、クーラントユニット、ブレーキオイルユニット、電装部品、各種内外装品、オイルフィルター等のシール材、接着剤、粘着剤、ガスケット、Oリングやパッキン、ベルト等の成形部品、イグナイタHICもしくは自動車用ハイブリッドICのポッティング材等としても利用可能である。
各種機器用途としては、OA機器(ディスプレイ・パソコン・電話機・コピー機・プリンタ・複写機・ゲーム機・テレビ・DVDレコーダーやブルーレイレコーダー、HDDレコーダー等の各種レコーダー類・DVDプレイヤーやブルーレイプレイヤー等の各種プレイヤー類・プロジェクタ・デジタルカメラ・ホームビデオ・アンテナ・スピーカー・電子辞書・ICレコーダー・FAX・コピー機・電話機・ステッピングモーター・磁気ディスク・ハードディスク等)の成形体用途、シール材用途、封止剤用途、防振用途、制振用途、衝撃吸収用途、衝撃緩衝用途、吸音用途、防音用途、人体との接触部の感触改善部用途や接着剤、粘着剤、パッキン、Oリング、ベルトとして有用である。
家電製品(冷蔵庫・洗濯機・洗濯乾燥機・布団乾燥機・掃除機・空気清浄機・浄水器・電動歯ブラシ・照明器具・エアコン・エアコン室外機・除湿機・加湿器・ファンヒーター・扇風機・換気扇・ドライヤー・マッサージャー・送風機・ミシン・食器洗浄機・食器乾燥機・ドアホン・炊飯器・電子レンジ・オーブンレンジ・IHクッキングヒーター・ホットプレート・各種充電器・アイロン)の防振用途、制振用途、衝撃吸収用途、衝撃緩衝用途、吸音用途、防音用途、取手や持手、扉・ドア・手すり等人体との接触部の感触改善部用途やシール材、接着剤、粘着剤、パッキン、Oリング、ベルトとして有用である。
オーディオ機器(スピーカー・ターンテーブル・光ピックアップ装置や光記録再生装置・磁気ピックアップ装置や磁気記録再生装置・インシュレーター・スぺーサー等)の防振用途、制振用途、衝撃吸収用途、衝撃緩衝用途として有用である。
ノート型パソコン、携帯型ハードディスク、携帯電話、スマートフォン、携帯型音楽情
報機器、携帯ゲーム機等の携帯機器の防振用途、制振用途、衝撃緩衝用途、人体との接触
部の感触改善用途として有用である。
電気・電子用途では、例えば、LED材料、各種電池周辺材料、センサー類、半導体周辺材料、回路基板周辺材料、液晶等のディスプレイ周辺材料、照明材料、光通信・光回路周辺材料、光記録周辺材料、磁気記録材料、等に利用可能である。
LED材料としては、LED素子のモールド材、封止材、封止フィルム、ダイボンド材、コーティング材、シール材、接着剤、粘着剤、レンズ用材料としての使用や、LED電球、LED表示灯、LED表示板、LED表示機等のシール材、接着剤、粘着剤、コーティング材等に利用可能である。
電池周辺材料としては、リチウムイオン電池、ナトリウム・硫黄電池、ナトリウム溶融塩電池、有機ラジカル電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、レドックスフロー電池、リチウム硫黄電池、空気電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、燃料電池、太陽電池、色素増感型太陽電池等のシール材、裏面封止材、各素子のモールド材、接着剤、粘着剤、封止材、封止フィルム、コーティング材、ポッティング材、充填材、セパレーター、触媒固定用皮膜、保護フィルム、電極の結着剤、冷媒油用シール材、ホース材等に利用可能である。
センサー類としては、力・荷重・衝撃・圧力・回転・振動・接触・流量・日射・光・におい・時間・温度・湿度・風速・距離・位置・慣性・傾斜・速度・加速度・角速度・硬度・歪・音・磁気・電流・電圧・電力・電子・放射線・赤外線・X線・紫外線・液量・重量・ガス量・イオン量・金属量・色彩等各種センサーの封止材、封止フィルム、振動吸収材、振動抑制材、レンズ用材料、接着剤、粘着剤、コーティング剤、フィルム等として利用可能である。
回路基板周辺材料としては、IC、LSI、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ、コンデンサ、抵抗体、コイル等の各種素子が搭載されたリジッドまたはフレキシブル配線基板やMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)のシール材、コーティング材、コンフォーマルコーティング材、ポッティング材、上記各素子のモールド材、アンダーフィル材、ダイボンド材、ダイボンディングフィルム、接着剤、粘着剤、封止材、封止フィルムとして利用可能である。
ディスプレイ周辺材料としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、LED表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、電子ペーパー、フレキシブルディスプレイ、3Dホログラム、有機薄膜トランジスタディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等の各素子のモールド材、各種フィルター、保護フィルム、反射防止フィルム、視野角補正フィルム、偏光子保護フィルム、光学補正フィルムなどのフィルム類、シール材、接着剤、粘着剤、封止材、封止フィルム、基板や部材のコーティング材、ポッティング材、充填材、視認性改良材、レンズ用材料、導光板、プリズムシート、偏光板、位相差板、液晶ダム材として利用可能である。
照明材料としては、照明用LED、照明用有機EL、照明用無機ELのシール材・コーティング材・接着剤・封止材・成形部品として利用可能である。
光通信・光回路周辺材料としては、有機フォトリフラクティブ素子、光ファイバー、光スイッチ、レンズ、光導波路、発光素子、フォトダイオード、光増幅素子、光電子集積回路、光コネクタ、光カプラ、光演算素子、光電変換装置、レーザー素子等の各素子のモールド材、シール材、接着剤、粘着剤、封止材、封止フィルム、コーティング材、ポッティング材、充填材、保護膜、レンズ用材料、導光板、プリズムシート、偏光板、フェルールとして利用可能である。
光記録材料としては、VD(ビデオディスク)、CD、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、BD、BD−ROM、BD−R、BD−RE、MO、MD、PD(相変化ディスク)、ホログラム、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ等の保護フィルム、シール材、接着剤、粘着剤、封止材、封止フィルム、コーティング材、防振材、制振材として利用可能である。
磁気記録材料としては、ハードディスク、磁気テープ、クレジットカード等の磁気カードの防振材、制振材、シール材、接着剤、粘着剤、封止材、コーティング材、カバーガスケット、カード材料として利用可能である。
情報電気機器として、携帯電話、メディアプレーヤー、タブレット端末、スマートフォン、携帯ゲーム機、コンピュータ、プリンタ、スキャナ、プロジェクタ、インクジェットタンク等のシール材、封止材、接着剤、粘着剤、パッキン、Oリング、ベルト、防振材、制振材防音材などに利用可能である。
その他に、タッチパネルの防汚膜、潤滑膜、ICチップのモールド材、ペルチェ素子のモールド材、電解コンデンサの封口体、ケーブルジョイントポッティング材、IGBT(車両推進制御装置)のポッティング材、半導体ウェハ加工用ダイシングテープ、ダイボンド剤、ダイボンドフィルム、アンダーフィル、異方導電性接着剤、異方導電性フィルム、導電性接着剤、導電性ペースト、熱伝導性接着剤、熱伝導性ペースト、仮止め用フィルム、固定用フィルム、封止用フィルム等に利用可能である。
その他の産業機械、電気・電子機器やその部品として、MEMSと呼ばれる微小電気機械素子や各種センサー類、制御機器や電池、電池周辺部材、LED材料、半導体周辺材料、回路基板周辺材料、液晶等のディスプレイ周辺材料、照明材料、光通信・光回路周辺材料、光記録周辺材料、磁気記録材料、電子顕微鏡やその他理工学機器、各種測定装置、自動販売機、TVカメラ、レジスタ、キャビネット、ロボットの皮膚シュータ、エレベータ、エスカレータ、動く歩道、コンベア、リフト、トラクタ、ブルドーザ、発電機、コンプレッサ、コンテナ、ホッパ、選果機用コンベアー、現金自動取引装置(ATM)、両替機、計数機、自動販売機、キャッシュディスペンサー(CD)、リチウム電池等二次電池、ICトレーや搬送コンベア等の半導体製造装置、制振鋼板、削岩機、切削機、チェーンソー、ハンドミキサー、草刈り機等の激しいモーター振動のある機械等の防振用途、制振用途、衝撃緩衝用途、衝撃吸収用途、人体との接触部の感触改善用途として有用である。
家電分野では、パッキン、Oリング、ベルトなどに使用できる。具体的には、照明器具用の飾り類、防水パッキン類、防振ゴム類、防虫パッキン類、クリーナ用の防振・吸音と空気シール材、電気温水器用の防滴カバー、防水パッキン、ヒータ部パッキン、電極部パッキン、安全弁ダイアフラム、酒かん器用のホース類、防水パッキン、電磁弁、スチームオーブンレンジ及びジャー炊飯器用の防水パッキン、給水タンクパッキン、吸水バルブ、水受けパッキン、接続ホース、ベルト、保温ヒータ部パッキン、蒸気吹き出し口シールなど燃焼機器用のオイルパッキン、Oリング、ドレインパッキン、加圧チューブ、送風チューブ、送・吸気パッキン、防振ゴム、給油口パッキン、油量計パッキン、送油管、ダイアフラム弁、送気管など、音響機器用のスピーカーガスケット、スピーカーエッジ、ターンテーブルシート、ベルト、プーリー等が挙げられる。
建材用途として防音パネル、防音ガラス、一般ガラス、天井材、内壁材、外壁材、床材、配管用材、水道部材、フェンス等の建材、空気膜構造屋根材、構造用ガスケット(ジッパーガスケット)、免震ゴム、防振ゴム、シート、防水シート、不定形ガスケット、定形ガスケット、防水材、シール材、パッキング、グロメット、包装輸送資材、住宅用制振シート、制振ダンパー材、橋梁用制振材、防音材、セッティングブロック、摺動材、合わせガラスおよび複層ガラスのガラスシール材、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、シャッタ、カーテンレール、カーテンウォール、免振アイソレーター、地盤改良材等の防振用途、制振用途、衝撃緩衝用途、衝撃吸収用途、可聴域しきい値近傍の低周波音及び高周波音に対応する等の防音用制振用途として有用である。
海洋・土木分野では、構造用材料として、ゴム伸縮継手、支承、止水板、防水シート、ラバーダム、弾性舗装、防振パット、防護体等、工事副材料としてゴム型枠、ゴムパッカー、ゴムスカート、スポンジマット、モルタルホース、モルタルストレーナ等、工事補助材料としてゴムシート類、エアホース等、安全対策商品としてゴムブイ、消波材等、環境保全商品としてオイルフェンス、シルトフェンス、防汚材、マリンホース、ドレッジングホース、オイルスキマー等に使用できる。その他、板ゴム、マット、フォーム板等にも使用できる。
また防振・制振・防音・免震材料が特に求められる用途として、ステッピングモーター、磁気ディスク、ハードディスク、自動販売機、スピーカフレーム、BSアンテナ、VTRカバー用制振材等の電気・電子機器用途;ルーフ、フロア、シャッタ、カーテンレール、床、配管ダクト、デッキプレート、カーテンウォール、階段、ドア、免振アイソレーター、構造材用制振材等の建築用途;粘弾性ダンパー、耐震マット等の建築用途;エンジンルーム、計測ルーム用制振材等の船舶用途;エンジン(オイルパン、フロントカバー、ロッカーカバー)、車体(ダッシュ、フロア、ドア、ルーフ、パネル、ホイルハウス)、トランスミッション、パーキングブレーキカバー、シートバック用制振材等の自動車用途;TVカメラ、複写機、電算機、プリンタ、レジスタ、キャビネット用制振材等のカメラ・事務機器用途;シュータ、エレベータ、エスカレータ、コンベア、トラクタ、ブルドーザ、発電機、コンプレッサ、コンテナ、ホッパ、防音ボックス、草刈り機のモータカバー用制振材等の産業機械関係用途;鉄道車両ルーフ、側板、ドア、アンダーフロア、各種補機カバー、橋梁用制振材等の鉄道用途;半導体用途の精密除振装置用制振材;可聴域しきい値近傍の低周波音及び高周波音に対応する等の防音用制振材として利用可能である。
その他に、本発明の硬化物は、成形体として、パッキン、Oリング、ベルト、チューブ、ホース、弁、シート等に利用可能である。
配線コネクタ用反応性ホットメルト剤、反応性ホットメルト接着剤、OCA(光学用透明接着剤)、弾性接着剤、コンタクト接着剤、嫌気性接着剤、タイル用接着剤、紫外線硬化性接着剤、電子線硬化性接着剤、タッチパネルやタッチセンサー用接着剤等の各種接着剤として利用可能である。
ブチル系粘着剤の改質や、マスキングテープ、パイプ防食テープ、建築止水テープ、電気用自己融着テープ、再剥離用粘着剤、電線用融着テープ等の各種粘着剤として利用可能である。
電線・ケーブル・光ファイバー類の被覆材またはその補修材、結線部の絶縁シール材、ガス管、水道管等の管内ライニング材、無機フィラー、有機フィラーのコーティング材、エポキシ型内成形用離型材等の各種コーティング用途に利用可能である。
熱伝導シート、放熱シート、電磁波吸収シート、導電性シート、防水シート、自動車用保護シート、パネル用衝撃吸収シート等の各種シートとして利用可能である。
衝撃吸収ゲル、ベッド、靴等の衝撃吸収材、合わせガラスの中間層膜、弾性塗料、水性エマルジョン等の塗料、プリプレグ、OA機器用や搬送用の各種ローラ、キャップライナー、撥インク剤、インキ、各種冷媒用シール材、工業用缶・食品用缶のシール材・ガスケット、発泡ガスケット、塗料、粉体塗料、発泡体、缶蓋等のシール材、フィルム、ガスケット、マリンデッキコーキング、注型材料、各種成形材料、人工大理石として利用可能である。
ドライフィルムレジスト用途、電着レジスト用途等のレジスト用途にも利用可能である。
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
公知の方法(特開2012−211216号公報記載)に従い、臭化第一銅を触媒、ペンタメチルジエチレントリアミンを配位子、ジエチル−2,5−ジブロモアジペートを開始剤、モノマーとして、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸メトキシエチルを25部/46部/29部用い、モノマー/開始剤比を120にして重合し、末端臭素基ポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸メトキシエチル)共重合体を得た。
この重合体をN,N−ジメチルアセトアミドに溶解させ、アクリル酸カリウムを加え、窒素雰囲気下、70℃で加熱攪拌した。この混合液中のN,N−ジメチルアセトアミドを減圧留去したのち、残渣に酢酸ブチルを加えて、不溶分を濾過により除去した。濾液の酢酸ブチルを減圧留去して、両末端にアクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸メトキシエチル)共重合体(A1)を得た。
重合体(A1)の数平均分子量は約16,000、分子量分布は1.1であった。なお、「数平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804、K−802.5;昭和電工社製)を、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
重合体1分子当たりに導入された平均のアクリロイル基の数を1H−NMR分析により求めたところ約1.8個であった。なお、重合体1分子当たりに導入された官能基数は、1H−NMRによる濃度分析、および、GPCにより求まる数平均分子量を基に算出した。ただしNMRはBruker社製ASX−400を使用し、溶媒として重クロロホルムを用いて23℃にて測定した。
(合成例2)
モノマーとして、アクリル酸n−ブチル/アクリル酸−2−エチルヘキシルを50部/50部用い、モノマー/開始剤比を400とする以外は、合成例1と同様にして両末端にアクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸−2−エチルヘキシル)共重合体(A2)を得た。
共重合体(A2)の数平均分子量は約60,000、分子量分布は1.4であった。重合体1分子当たりに導入された平均のアクリロイル基の数を1H−NMR分析により求めたところ、約1.8個であった。
(合成例3)
モノマーとして、アクリル酸n−ブチルを用い、モノマー/開始剤比を80とする以外は、合成例1と同様にして両末端にアクリロイル基を有するポリ(アクリル酸n−ブチル)(A3)を得た。
共重合体(A3)の数平均分子量は約12,000、分子量分布は1.2であった。重合体1分子当たりに導入された平均のアクリロイル基の数を1H−NMR分析により求めたところ、約1.9個であった。
(実施例1〜9)
合成例1で得られたポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸メトキシエチル)共重合体(A1)、光ラジカル重合開始剤(B)をディスポカップに加え、スパチュラにてよく撹拌し、シンキー製あわとり練太郎ARE−310にて、撹拌および脱泡を行い、組成物を得た。
厚さ2mmのポリプロピレン製型枠に、得られた組成物を流し込んだ。静置することにより、脱泡を行った後、へレウス製UV−LED照射装置(機種:Semray UV 4003、光源:365nm)にてUV光を照射し、組成物を硬化させた。
得られた硬化物から、3号ダンベル形状の試験片を作製し、島津製オートグラフ(AG−2000A)を用いて、23℃、55%RH、引張速度500mm/minの条件で、引張試験を行った。また、硬化物を約10×10mm2に切り出し、ステンレス製金網(200メッシュ)で包み込み、十分量のトルエンに7日間浸漬し、その後、80℃で2時間の真空乾燥を行った。ゲル部分の質量とトルエンで抽出する前の質量との比率をゲル分率とした。引張試験、ゲル分率の結果を表1に示す。
(比較例1〜9)
合成例1で得られたポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸メトキシエチル)共重合体(A1)を使用し、組成物を硬化させるための光源として、フュージョンUVシステム製UV照射装置(機種:LIGHT HAMMER 6、光源:水銀灯ランプ)を使用する以外は、実施例1〜9と同様の方法で、引張試験、ゲル分率測定を行った。結果を表2に記載する。
(実施例10〜15)
合成例2で得られたポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸−2−エチルヘキシル)共重合体(A2)を使用する以外は、実施例1〜9と同様の方法で、引張試験、ゲル分率測定を行った。結果を表3に示す。
(比較例10〜15)
合成例2で得られたポリ(アクリル酸n−ブチル/アクリル酸−2−エチルヘキシル)(A2)を使用する以外は、比較例1〜9と同様の方法で、引張試験、ゲル分率測定を行った。結果を表4に記載する。
(参考例1〜7)
合成例3で得られたポリ(アクリル酸n−ブチル)(A3)を使用する以外は、実施例1〜9と同様の方法で、引張試験、ゲル分率測定を行った。結果を表5に示す。
(参考例8〜14)
合成例3で得られたポリ(アクリル酸n−ブチル)(A3)を使用する以外は、比較例1〜9と同様の方法で、引張試験、ゲル分率測定を行った。結果を表6に記載する。
実施例に記載のUV−LEDランプによって硬化させた硬化物は、比較例のUVランプによって硬化させた硬化物よりも、高強度、高伸びを示すことが明らかである。