JP2020145143A - 蓄電デバイス用電極、蓄電デバイス用積層電極、蓄電デバイス用正極、蓄電デバイス、及び炭素材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】レート特性などの電池特性を高めつつ、ガスの発生を抑制することができる、蓄電デバイス用電極を提供する。【解決手段】空隙率が、20%以上、50%以下である、蓄電デバイス用電極であって、グラフェン積層構造を有する炭素材料を含み、炭素材料とSiとの重量比1:1における混合物のX線回折スペクトルを測定したときに、2θが、24°以上、28°未満の範囲における最も高いピークの高さaと、2θが、28°以上、30°未満の範囲における最も高いピークの高さbとの比a/bが、0.2以上、10.0以下である、蓄電デバイス用電極。【選択図】なし
Description
本発明は、蓄電デバイス用電極、蓄電デバイス用積層電極、蓄電デバイス用正極、蓄電デバイス、及び蓄電デバイス用電極に用いられる炭素材料に関する。
近年、携帯機器、ハイブリッド自動車、電気自動車、家庭用蓄電用途等に向けて、蓄電デバイスの研究開発が盛んに行われている。蓄電デバイスの電極材料としては、黒鉛、活性炭、カーボンナノファイバー、あるいはカーボンナノチューブなどの炭素材料が環境的側面から広く用いられている。
下記の特許文献1には、平均粒径(D50)が8μmを超え、20μm以下である第1のリチウムニッケル酸化物粒子と、平均粒径(D50)が8μm以下である第2のリチウムニッケル酸化物粒子とを含有する、正極活物質を含む、二次電池用正極が開示されている。特許文献1では、二次電池用正極の電極密度が3.5g/cc以上であることが好ましいとされている。
しかしながら、特許文献1のような電極密度の高い電極を用いた場合、電極の空隙率が小さいことから、リチウムイオンなどのキャリアイオンが移動し難く、レート特性等の電池特性を十分に高めることができない場合がある。
一方で、本発明者らは、電極の空隙率を大きくすると、電極活物質と電解質とが反応し、ガスが発生するという課題が生じることを見出した。
本発明の目的は、レート特性などの電池特性を高めつつ、ガスの発生を抑制することができる、蓄電デバイス用電極、蓄電デバイス用積層電極、蓄電デバイス用正極、蓄電デバイス、及び蓄電デバイス用電極に用いられる炭素材料を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、空隙率が比較的大きい蓄電デバイス用電極において、特定のグラフェン積層構造を有する炭素材料を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明に係る蓄電デバイス用電極は、空隙率が、20%以上、50%以下である、蓄電デバイス用電極であって、グラフェン積層構造を有する炭素材料を含み、前記炭素材料とSiとの重量比1:1における混合物のX線回折スペクトルを測定したときに、2θが、24°以上、28°未満の範囲における最も高いピークの高さaと、2θが、28°以上、30°未満の範囲における最も高いピークの高さbとの比a/bが、0.2以上、10.0以下である。
本発明に係る蓄電デバイス用電極のある特定の局面では、前記グラフェン積層構造を有する炭素材料が、部分的にグラファイトが剥離されている構造を有する、部分剥離型薄片化黒鉛である。
本発明に係る蓄電デバイス用電極の他の特定の局面では、前記蓄電デバイス用電極を構成する材料100重量%中における炭素材料の含有量が、0.1重量%以上、10重量%以下である。
本発明に係る蓄電デバイス用積層電極は、本発明に従って構成される蓄電デバイス用電極からなる第1の電極層と、空隙率が、5%以上、20%未満である、第2の電極層と、を備え、前記第2の電極層上に、前記第1の電極層が設けられている。
本発明に係る蓄電デバイス用積層電極のある特定の局面では、前記第1の電極層の厚みT1と前記第2の電極層の厚みT2との比(T1/T2)が、0.25以上、4.0以下である。
本発明に係る蓄電デバイス用積層電極の他の特定の局面では、前記第2の電極層が、グラフェン積層構造を有する炭素材料を含み、前記炭素材料とSiとの重量比1:1における混合物のX線回折スペクトルを測定したときに、2θが、24°以上、28°未満の範囲における最も高いピークの高さaと、2θが、28°以上、30°未満の範囲における最も高いピークの高さbとの比a/bが、0.2以上、10.0以下である。
本発明に係る蓄電デバイス用積層電極のさらに他の特定の局面では、集電層をさらに備え、前記集電層上に、前記第2の電極層が設けられている。
本発明に係る蓄電デバイス用正極は、本発明に従って構成される蓄電デバイス用電極又は本発明に従って構成される蓄電デバイス用積層電極により構成される正極である。
本発明に係る蓄電デバイスは、本発明に従って構成される蓄電デバイス用電極又は本発明に従って構成される蓄電デバイス用積層電極を備える。
本発明に係る炭素材料は、本発明に従って構成される蓄電デバイス用電極又は本発明に従って構成される蓄電デバイス用積層電極に用いられる。
本発明によれば、レート特性などの電池特性を高めつつ、ガスの発生を抑制することができる、蓄電デバイス用電極、蓄電デバイス用積層電極、蓄電デバイス用正極、蓄電デバイス、及び蓄電デバイス用電極に用いられる炭素材料を提供することができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
[蓄電デバイス用電極]
本発明の蓄電デバイスとしては、特に限定されないが、非水電解質一次電池、水系電解質一次電池、非水電解質二次電池、水系電解質二次電池、全固体電解質一次電池、全固体電解質二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタ、又はリチウムイオンキャパシタなどが例示される。本発明の蓄電デバイス用電極は、上記のような蓄電デバイスに用いられる電極である。すなわち、蓄電デバイスに用いられる正極及び/又は負極である。
本発明の蓄電デバイスとしては、特に限定されないが、非水電解質一次電池、水系電解質一次電池、非水電解質二次電池、水系電解質二次電池、全固体電解質一次電池、全固体電解質二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタ、又はリチウムイオンキャパシタなどが例示される。本発明の蓄電デバイス用電極は、上記のような蓄電デバイスに用いられる電極である。すなわち、蓄電デバイスに用いられる正極及び/又は負極である。
なお、本明細書において、空隙率とは、蓄電デバイス用電極全体の体積に対する蓄電デバイス用電極内における空隙の体積の割合のことをいう。上記空隙率は、下記式(1)から求めることができる。
空隙率(%)=(1−ρ/ρet)×100・・・式(1)
上記式(1)中、ρは蓄電デバイス用電極の密度、ρetは蓄電デバイス用電極の真密度を意味する。上記ρは、蓄電デバイス用電極の重量と体積から算出することができる。また、上記ρetは、蓄電デバイス用電極、若しくは、蓄電デバイス用電極の各構成材料から下記式(2)で求めることができる。
ρet=(ρp×l)+(ρc×m)+(ρb×n)・・・式(2)
式(2)中、ρp、ρc、及びρbは、それぞれ、電極活物質、炭素材料、及びバインダーの真密度を示しており、l、m、及びnは、それぞれ、電極活物質、炭素材料、及びバインダーの重量割合を示している。
蓄電デバイス用電極、又はその構成材料の真密度は、ピクノメーター等を用いて、25℃で測定することができる。また、電極活物質、導電助剤、及びバインダーの重量割合は、後述の電極作製時に制御することができる。
上記空隙率を調整する方法としては、例えば、ロールプレスや、油圧プレス等を用いて、所望の厚みまで圧縮させることによって制御する方法が挙げられる。
本発明の蓄電デバイス用電極は、グラフェン積層構造を有する炭素材料を含む。また、上記炭素材料とSiとの重量比1:1における混合物のX線回折スペクトルを測定したときに、2θが、24°以上、28°未満の範囲における最も高いピークの高さaと、2θが、28°以上、30°未満の範囲における最も高いピークの高さbとの比a/bが、0.2以上、10.0以下である。
本発明の蓄電デバイス用電極は、上記の構成を備えているので、レート特性などの電池特性を高めつつ、ガスの発生を抑制することができる。
従来の蓄電デバイス用電極では、例えば、電池性能を向上させるべく、電極密度が高められることがあるが、電極密度を高めるとリチウムイオンなどのキャリアイオンが移動し難く、逆にレート特性などの電池特性が低下することがある。一方で、電極密度が小さい電極を用いた場合、電極活物質と電解質が反応し、ガスが発生するという問題がある。
本発明者らは、炭素材料の上記比a/bに着目し、空隙率が特定の範囲にある蓄電デバイス用電極において、炭素材料の上記比a/bを特定の範囲とすることにより、電極活物質間の良好な導電パスを形成することができ、その結果電極活物質に対して十分な電子を供給することができ、ガスの発生を抑制し得ることを見出した。
従って、本発明によれば、空隙率を上記のように大きくすることによりレート特性などの電池特性を高めることができるとともに、炭素材料の上記比a/bを特定の範囲とすることによりガスの発生を抑制することができる。
本発明の蓄電デバイス用電極の空隙率は、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下である。空隙率が上記下限値以上である場合、リチウムイオンなどのキャリアイオンをより一層移動し易くすることができ、レート特性等の電池特性をより一層高めることができる。また、空隙率が上記上限値以下である場合、ガスの発生をより一層抑制することができる。
(炭素材料)
本発明において、グラフェン積層構造を有する炭素材料は、複数のグラフェンシートの積層体である。なお、グラフェン積層構造を有するか否かは、炭素材料のX線回折スペクトルについて、CuKα線(波長1.541Å)を用いて測定したときに、2θ=26°付近のピーク(グラフェン積層構造に由来するピーク)が観察されるか否かにより確認することができる。X線回折スペクトルは、広角X線回折法によって測定することができる。X線回折装置としては、例えば、SmartLab(リガク社製)を用いることができる。
本発明において、グラフェン積層構造を有する炭素材料は、複数のグラフェンシートの積層体である。なお、グラフェン積層構造を有するか否かは、炭素材料のX線回折スペクトルについて、CuKα線(波長1.541Å)を用いて測定したときに、2θ=26°付近のピーク(グラフェン積層構造に由来するピーク)が観察されるか否かにより確認することができる。X線回折スペクトルは、広角X線回折法によって測定することができる。X線回折装置としては、例えば、SmartLab(リガク社製)を用いることができる。
本発明においては、炭素材料とSiとの重量比1:1における混合物のX線回折スペクトルを測定したときに、ピーク比a/bが、0.2以上、好ましくは0.22以上、より好ましくは0.25以上である。また、ピーク比a/bは、10.0以下、好ましくは8.0以下、より好ましくは5.0以下である。
上記aは、2θが、24°以上、28°未満の範囲における最も高いピークの高さである。上記bは、2θが、28°以上、30°未満の範囲における最も高いピークの高さである。なお、Siとしては、例えば、φ=100nm以下のシリコン粉末を用いることができる。
上記X線回折スペクトルは、広角X線回折法によって測定することができる。X線回折装置としては、例えば、SmartLab(リガク社製)を用いることができ、以下の条件で測定することができる。
線源:CuKα線(波長1.541Å)
測定範囲:3°〜80°
走査速度:5°/分
管電流:200mA
管電圧:40kV
測定範囲:3°〜80°
走査速度:5°/分
管電流:200mA
管電圧:40kV
X線回折スペクトルにおいて、グラファイト構造に代表されるグラフェン積層構造に由来するピークは、2θ=26.4°付近に現れる。一方、シリコン粉末になどのSiに由来するピークは、2θ=28.5°付近に現れる。従って、上記比a/bは、2θ=26.4°付近のピークと2θ=28.5°付近のピークとのピーク比(2θ=26.4°付近のピーク/2θ=28.5°付近のピーク)により求めることができる。
なお、上記a/bが小さすぎると、炭素材料自身における黒鉛構造の形成が未熟であり、電子伝導性が低いことに加え、欠陥を有するので、正極や負極の抵抗値が増大し、電池特性が低下する場合がある。
上記a/bが大きすぎると、炭素材料自身が剛直となり、蓄電デバイスの正極や負極内に分散し難くなり、良好な導電パスを形成しにくくなる場合がある。
上記a/b比を上記範囲内に調整する方法としては、後述の製造方法における加熱条件、樹脂の種類、樹脂の量及び原料炭素材料の種類を調整することが挙げられる。
上記グラフェン積層構造を有する炭素材料の形状としては、特に限定されず、二次元に広がっている形状、球状、繊維状、又は不定形状等が挙げられる。上記炭素材料の形状としては、二次元に広がっている形状であることが好ましい。二次元に広がっている形状としては、例えば、鱗片状又は板状(平板状)が挙げられる。このような二次元的に広がっている形状を有する場合、より一層良好な導電パスを形成することができる。
なかでも、上記炭素材料の形状としては、鱗片状であることが好ましい。上記炭素材料が、鱗片状であることにより、より一層良好な導電パスが形成しやすい。
このようなグラフェン積層構造を有する炭素材料としては、例えば、黒鉛又は薄片化黒鉛などが挙げられる。
黒鉛とは、複数のグラフェンシートの積層体である。黒鉛のグラフェンシートの積層数は、通常、10万層〜100万層程度である。黒鉛としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛又は膨張黒鉛などを用いることができる。膨張黒鉛は、通常の黒鉛よりもグラフェン層同士の層間距離が大きくなっている割合が高く、薄片化黒鉛の原料としてより好適に用いることができる。
薄片化黒鉛とは、元の黒鉛を剥離処理して得られるものであり、元の黒鉛よりも薄いグラフェンシート積層体をいう。薄片化黒鉛におけるグラフェンシートの積層数は、元の黒鉛より少なければよい。なお、薄片化黒鉛は、酸化薄片化黒鉛であってもよい。
薄片化黒鉛において、グラフェンシートの積層数は、特に限定されないが、好ましくは2層以上、より好ましくは5層以上、好ましくは1000層以下、より好ましくは500層以下である。グラフェンシートの積層数が上記下限値以上である場合、薄片化黒鉛の導電性をより一層高めることができる。グラフェンシートの積層数が上記上限値以下である場合、薄片化黒鉛の比表面積をより一層大きくすることができる。
また、薄片化黒鉛は、部分的にグラファイトが剥離されている構造を有する部分剥離型薄片化黒鉛であることが好ましい。
「部分的にグラファイトが剥離されている」構造の一例としては、グラフェンの積層体において、端縁からある程度内側までグラフェン層間が開いており、すなわち端縁にてグラファイトの一部が剥離しており、中央側の部分ではグラファイト層が元の黒鉛又は一次薄片化黒鉛と同様に積層していることをいうものである。従って、端縁にてグラファイトの一部が剥離している部分は、中央側の部分に連なっている。さらに、部分剥離型薄片化黒鉛には、端縁のグラファイトが剥離され薄片化したものが含まれていてもよい。
部分剥離型薄片化黒鉛は、中央側の部分において、グラファイト層が元の黒鉛又は一次薄片化黒鉛と同様に積層している。そのため、従来の酸化グラフェンやカーボンブラックより黒鉛化度が高く、導電性に優れている。また、部分的にグラファイトが剥離されている構造を有することから、比表面積が大きい。そのため、電極活物質と接触する部分の面積をより一層大きくすることができる。従って、炭素材料が部分剥離型薄片化黒鉛である場合、より一層良好な導電パスを形成することができるので、ガスの発生をより一層抑制することができる。
部分剥離型薄片化黒鉛は、例えば、黒鉛または一次薄片化黒鉛と、樹脂とを含み、樹脂が黒鉛または一次薄片化黒鉛にグラフトまたは吸着により固定されている組成物を用意し、該組成物中に含まれている樹脂を、熱分解することにより得ることができる。なお、樹脂を熱分解させる際には、樹脂の一部を残存させながら熱分解してもよいし、樹脂を完全に熱分解してもよい。
部分剥離型薄片化黒鉛は、例えば、国際公開第2014/034156号に記載の薄片化黒鉛・樹脂複合材料の製造方法と同様の方法で製造することができる。また、黒鉛としては、より一層容易にグラファイトを剥離することが可能であることから、膨張黒鉛を使用することが好ましい。
また、一次薄片化黒鉛とは、各種方法により黒鉛を剥離することにより得られた薄片化黒鉛を広く含むものとする。一次薄片化黒鉛は、部分剥離型薄片化黒鉛であってもよい。一次薄片化黒鉛は、黒鉛を剥離することにより得られるものであるため、その比表面積は、黒鉛よりも大きいものであればよい。
上記樹脂の熱分解における加熱の温度としては、樹脂の種類にもより特に限定されないが、例えば、250℃〜1000℃とすることができる。加熱時間としては、例えば、20分〜5時間とすることができる。また、上記加熱は、大気中で行ってもよく、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。もっとも、炭素材料の導電性をより一層高める観点からは、上記加熱を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
樹脂としては、特に限定されないが、ラジカル重合性モノマーの重合体であることが好ましい。この場合、1種のラジカル重合性モノマーの単独重合体であってもよく、複数種のラジカル重合性モノマーの共重合体であってもよい。ラジカル重合性モノマーは、ラジカル重合性の官能基を有するモノマーである限り、特に限定されない。
ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−エチルアクリル酸メチル、α−ベンジルアクリル酸メチル、α−[2,2−ビス(カルボメトキシ)エチル]アクリル酸メチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジシクロヘキシル、α−メチレン−δ−バレロラクトン、α−メチルスチレン、α−アセトキシスチレンからなるα−置換アクリル酸エステル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどのグリシジル基や水酸基を持つビニルモノマー;アリルアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ基を有するビニルモノマー、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸などのカルボキシル基を有するモノマー;ユニケミカル社製、ホスマー(登録商標)M、ホスマー(登録商標)CL、ホスマー(登録商標)PE、ホスマー(登録商標)MH、ホスマー(登録商標)PPなどのリン酸基を有するモノマー;ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を有するモノマー;アルキル基やベンジル基などを有する(メタ)アクリレート系モノマーなどが挙げられる。
用いられる樹脂の例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリシジルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール(ブチラール樹脂)、又はポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレンなどが挙げられる。
上記樹脂の中でも、好ましくはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ酢酸ビニルを用いることができる。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ酢酸ビニルを用いた場合、部分剥離型薄片化黒鉛の比表面積をより一層大きくすることができる。なお、樹脂種は使用する溶媒との親和性を鑑み、適宜選定を行うことが可能である。
黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている熱分解前の樹脂の含有量は、樹脂分を除く黒鉛または一次薄片化黒鉛100重量部に対し、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、好ましくは3000重量部以下、より好ましくは1000重量部以下である。熱分解前の樹脂の含有量が上記範囲内である場合、熱分解後の残存樹脂の含有量をより一層制御しやすい。また、熱分解前の樹脂の含有量が上記上限値以下である場合、コスト的により一層有利である。
熱分解後の残存樹脂の含有量は、樹脂分を含む部分剥離型薄片化黒鉛100重量%に対し、0重量%以上、30重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以上、25重量%以下であることがより好ましく、1.0重量%以上、20重量%以下であることがさらに好ましい。上記樹脂量が上記下限値以上である場合、電極作製時のバインダー樹脂の添加量をより一層少なくすることができる。また、上記樹脂量が上記上限値以下である場合、導電性をより一層高めることができる。
なお、熱分解前の樹脂の含有量及び部分剥離型薄片化黒鉛に残存している残存樹脂量は、例えば熱重量分析(以下、TG)によって加熱温度に伴う重量変化を測定し、算出することができる。
また、後述する正極活物質との複合体を作製する場合は、正極活物質との複合体を作製した後に、樹脂量を低減してもよく、樹脂を除去してもよい。
上記樹脂量を低減又は上記樹脂を除去する方法としては、樹脂の分解温度以上、正極活物質の分解温度未満で加熱処理する方法が好ましい。この加熱処理は、大気中、不活性ガス雰囲気下、低酸素雰囲気下、又は真空下のいずれで行ってもよい。
炭素材料が部分剥離型薄片化黒鉛の場合、上記比a/bは、部分剥離型薄片化黒鉛を製造する際に熱分解を行うときの加熱条件や、黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている熱分解前の樹脂の量により調整することができる。例えば、加熱温度を高くしたり、加熱時間を長くしたりすると、比a/bを小さくすることができる。また、黒鉛または一次薄片化黒鉛に固定されている熱分解前の樹脂の量を少なくすると、比a/bを小さくすることができる。
本発明においては、グラフェン積層構造を有する炭素材料の元素分析により測定された酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比)が、好ましくは20以上、より好ましくは22以上、好ましくは200以下、より好ましくは180以下である。C/O比が上記範囲内にある場合、炭素材料の導電性をより一層高めることができ、ガスの発生をより一層抑制することができる。
上記C/O比は、例えば、X線光電子分光法(XPS)により、測定することができる。具体的には、X線源:AlKα、光電子取出角:45度、X線ビーム径200μm(50W15kV)の条件で、光電子スペクトルを測定する。そして、Binding Energy:280eV〜292eVに現れるC1sスペクトルのピーク面積を、Binding Energy:525eV〜540eVに現れるO1sスペクトルのピーク面積で除する。それによって、炭素材料に含まれる酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比)を算出することができる。
本発明において、グラフェン積層構造を有する炭素材料のBET比表面積は、特に限定されないが、好ましくは10m2/g以上、より好ましくは15m2/g以上、好ましくは200m2/g以下、より好ましくは160m2/g以下である。炭素材料のBET比表面積が上記範囲内にある場合、電極内において、より一層良好な導電パスを形成することができ、ガスの発生をより一層抑制することができる。
上記BET比表面積は、BET法に準拠して、窒素の吸着等温線から測定することができる。測定装置としては、例えば、島津製作所社製、品番「ASAP−2000」を用いることができる。
本発明に用いるグラフェン積層構造を有する炭素材料は、上記のように電極中において良好な導電パスを形成することができるので、二次電池における正極の導電助剤として好適に用いることができる。なかでも、非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池の正極の導電助剤として好適に用いることができる。
また、この場合、上記炭素材料を用いることにより、正極の導電性をより一層高めることができるので、正極中における導電助剤の含有量を少なくすることができる。そのため、正極活物質の含有量をより一層多くすることができ、蓄電デバイスのエネルギー密度をより一層大きくすることができる。
蓄電デバイス用電極を構成する材料100重量%中における上記炭素材料の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、さらに好ましくは0.4重量%以上、好ましくは10重量%以下、より好ましくは8重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。上記炭素材料の含有量が上記範囲内にある場合、電極活物質の含有量をより一層多くすることができ、蓄電デバイスのエネルギー密度をより一層大きくすることができる。
以下、本発明の蓄電デバイス用電極の一例としての二次電池用正極について説明する。
[二次電池用正極]
本発明の蓄電デバイス用電極の一例としての二次電池用正極は、正極活物質と、導電助剤とを含む。なお、上記導電助剤は、上述のグラフェン積層構造を有する炭素材料を含んでいる。上述のグラフェン積層構造を有する炭素材料を第1の炭素材料(特に断りがない限り、単に炭素材料と称するものとする)としたときに、第1の炭素材料とは異なる第2の炭素材料をさらに含んでいてもよい。第2の炭素材料としては、特に限定されず、グラフェン、人造黒鉛、粒状黒鉛化合物、繊維状黒鉛化合物、カーボンブラック又は活性炭が例示される。
本発明の蓄電デバイス用電極の一例としての二次電池用正極は、正極活物質と、導電助剤とを含む。なお、上記導電助剤は、上述のグラフェン積層構造を有する炭素材料を含んでいる。上述のグラフェン積層構造を有する炭素材料を第1の炭素材料(特に断りがない限り、単に炭素材料と称するものとする)としたときに、第1の炭素材料とは異なる第2の炭素材料をさらに含んでいてもよい。第2の炭素材料としては、特に限定されず、グラフェン、人造黒鉛、粒状黒鉛化合物、繊維状黒鉛化合物、カーボンブラック又は活性炭が例示される。
上記正極活物質は、負極活物質の電池反応電位よりも、貴であればよい。その際、電池反応は、1族若しくは2族のイオンが関与していればよい。そのようなイオンとしては、例えば、Hイオン、Liイオン、Naイオン、Kイオン、Mgイオン、Caイオン、又はAlイオンが挙げられる。以下、Liイオンが電池反応に関与する系について詳細を例示する。
この場合、上記正極活物質としては、例えば、リチウム金属酸化物、リチウム硫化物、又は硫黄が挙げられる。
リチウム金属酸化物としては、スピネル構造、層状岩塩構造、若しくはオリビン構造を有するもの、又はこれらの混合物が挙げられる。
スピネル構造を有するリチウム金属酸化物としては、マンガン酸リチウムなどが例示される。
層状岩塩構造を有するリチウム金属酸化物としては、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、三元系などが例示される。
オリビン構造を有するリチウム金属酸化物としては、リン酸鉄リチウム、リン酸マンガン鉄リチウム、リン酸マンガンリチウムなどが例示される。
上記正極活物質は、所謂ドープ元素が含まれてもよい。上記正極活物質は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記正極は、正極活物質と上記炭素材料のみで形成されてもよいが、正極をより一層容易に形成する観点から、バインダーが含まれていてもよい。
上記バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を用いることができる。
上記バインダーは、二次電池用正極をより一層容易に作製する観点から、非水溶媒又は水に溶解又は分散されていることが好ましい。
非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル又はテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに、分散剤や、増粘剤を加えてもよい。
上記二次電池用正極に含まれるバインダーの量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは0.3重量部以上、30重量部以下であり、より好ましくは0.5重量部以上、15重量部以下である。バインダーの量が上記範囲内にある場合、正極活物質と炭素材料との接着性を維持することができ、集電体との接着性をより一層高めることができる。
上記二次電池用正極の作製方法としては、例えば、正極活物質、炭素材料、並びにバインダーの混合物を、集電体上に形成させることによって作製する方法が挙げられる。
上記二次電池用正極をより一層容易に作製する観点から、以下のようにして作製することが好ましい。まず、正極活物質、炭素材料にバインダー溶液又は分散液を加えて混合することによりスラリーを作製する。次に、作製したスラリーを集電体上に塗布し、最後に溶媒を除去することによって二次電池用正極を作製する。
上記スラリーの作製方法としては、既存の方法を用いることができる。例えば、ミキサー等を用いて混合する方法が挙げられる。混合に用いられるミキサーとしては、特に限定されないが、プラネタリミキサー、ディスパー、薄膜旋回型ミキサー、ジェットミキサー、又は自公回転型ミキサー等が挙げられる。
上記スラリーの固形分濃度は、塗工をより一層容易に行う観点から、30重量%以上、95重量%以下が好ましい。貯蔵安定性をより一層高める観点から、上記スラリーの固形分濃度は、35重量%以上、90重量%以下であることがより好ましい。また、より一層製造費用を抑制する観点から、上記スラリーの固形分濃度は、40重量%以上、85重量%以下であることがさらに好ましい。
なお、上記固形分濃度は、希釈溶媒によって制御することができる。希釈溶媒としては、バインダー溶液、又は分散液と同じ種類の溶媒を用いることが好ましい。また、溶媒の相溶性があれば、他の溶媒を用いてもよい。
上記二次電池用正極に用いる集電体は、アルミニウム又はアルミニウムを含む合金であることが好ましい。アルミニウムは、正極反応雰囲気下で安定であることから、特に限定されないが、JIS規格1030、1050、1085、1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウムであることが好ましい。
集電体の厚みは、特に限定されないが、10μm以上、100μm以下であることが好ましい。集電体の厚みが10μm未満の場合、作製の観点から取り扱いが困難となることがある。一方、集電体の厚みが100μmより厚い場合は、経済的観点から不利になることがある。
なお、集電体は、アルミニウム以外の金属(銅、SUS、ニッケル、チタン、及びそれらの合金)の表面に、アルミニウムを被覆させたものであってもよい。
上記スラリーを集電体に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、上記スラリーをドクターブレード、ダイコータ又はコンマコータ等により塗布した後に溶剤を除去する方法や、スプレーにより塗布した後に溶剤を除去する方法、又はスクリーン印刷によって塗布した後に溶媒を除去する方法等が挙げられる。
上記溶媒を除去する方法は、より一層簡便であることから、送風オーブンや真空オーブンを用いた乾燥が好ましい。溶媒を除去する雰囲気としては、空気雰囲気、不活性ガス雰囲気、又は真空状態などが挙げられる。また、溶媒を除去する温度は、特に限定されないが、60℃以上、250℃以下であることが好ましい。溶媒を除去する温度が60℃未満では、溶媒の除去に時間を要する場合がある。一方、溶媒を除去する温度が250℃より高いと、バインダーが劣化する場合がある。
上記二次電池用正極の空隙は、特に限定されないが、例えば、ロールプレスや、油圧プレス等を用いて、所望の厚みまで圧縮させることによって制御することができる。
圧縮後における上記二次電池用正極の厚みは、特に限定されないが、10μm以上、1000μm以下であることが好ましい。厚みが10μm未満では、所望の容量を得ることが難しい場合がある。一方、厚みが1000μmより厚い場合は、所望の出力密度を得ることが難しい場合がある。
上記二次電池用正極は、正極1cm2当たりの電気容量が、0.5mAh以上、10.0mAh以下であることが好ましい。電気容量が0.5mAh未満である場合は、所望する容量の電池の大きさが大きくなる場合がある。一方、電気容量が10.0mAhより大きい場合は、所望の出力密度を得ることが難しくなる場合がある。なお、正極1cm2当たりの電気容量の算出は、二次電池用正極作製後、リチウム金属を対極とした半電池を作製し、充放電特性を測定することによって算出してもよい。
二次電池用正極の正極1cm2当たりの電気容量は、特に限定されないが、集電体単位面積あたりに形成させる正極の重量で制御することができる。例えば、前述のスラリー塗工時の塗工厚みで制御することができる。
また、上記正極は、正極活物質と上記炭素材料との複合体を用いてもよい。正極活物質−炭素材料複合体は、例えば、次のような手順で作製される。
最初に、上記炭素材料を溶媒に分散させた炭素材料の分散液(以下、炭素材料の分散液1)を作製する。次に、上記分散液1とは別に、正極活物質を溶媒に分散させた正極活物質の分散液(以下、正極活物質の分散液2)を作製する。
次に、炭素材料の分散液1と、正極活物質の分散液2とを混合する。最後に、上記炭素材料及び上記正極活物質が含まれる分散液の溶媒を除去することによって、蓄電デバイス用電極に用いられる正極活物質と炭素材料との複合体(活物質−炭素材料複合体)が作製される。
また、上述の作製方法以外にも、混合の順序を変えてもよいし、上記分散液1,2のいずれかが分散液ではなく乾式であってもよいし、全て乾式の状態で混合する方法でもよい。また、炭素材料と正極活物質と溶媒との混合物を、ミキサーで混合する方法、すなわち、後述の正極のスラリーの作製と、複合体の作製とを兼ねていてもよい。
正極活物質や炭素材料を分散させる溶媒は、水系、非水系、水系と非水系との混合溶媒、又は異なる非水系溶媒の混合溶媒のいずれでもよい。また、炭素材料を分散させる溶媒と、正極活物質を分散させる溶媒は同じでもよいし、異なっていてもよい。異なっている場合は、互いの溶媒に相溶性があることが好ましい。
非水系溶媒としては、特に限定されないが、例えば分散のしやすさから、メタノール、エタノール、プロパノールに代表されるアルコール系、テトラヒドロフラン又はN−メチル−2−ピロリドンなどの非水系溶媒を用いることができる。また、分散性をより一層向上させるため、上記溶媒に、界面活性剤などの分散剤が含まれてもよい。
分散方法は、特に限定されないが、超音波による分散、ミキサーによる分散、ジェットミルによる分散、又は攪拌子による分散が挙げられる。
炭素材料の分散液の固形分濃度は、特に限定されないが、炭素材料の重量を1とした場合に、溶媒の重量が0.5以上、1000以下であることが好ましい。取り扱い性をより一層高める観点から、炭素材料の重量を1とした場合に、溶媒の重量が1以上、750以下であることがより好ましい。また、分散性をより一層高める観点から、炭素材料の重量を1とした場合に、溶媒の重量が2以上、500以下であることがさらに好ましい。
溶媒の重量が上記下限値未満の場合は、炭素材料を所望の分散状態まで分散させることができない場合がある。一方、溶媒の重量が上記上限値より大きい場合は、製造費用が増大する場合がある。
正極活物質の分散液の固形分濃度は、特に限定されないが、正極活物質の重量を1とした場合に、溶媒の重量が0.5以上、100以下であることが好ましい。取り扱い性をより一層高める観点から、溶媒の重量は、1以上、75以下であることがより好ましい。また、分散性をより一層高める観点から、溶媒の重量は、5以上、50以下であることがさらに好ましい。なお、溶媒の重量が上記下限値未満の場合は、正極活物質を所望の分散状態まで分散させることができない場合がある。一方、溶媒の重量が上記上限値より大きい場合は、製造費用が増大する場合がある。
正極活物質の分散液と、炭素材料の分散液とを混合する方法は、特に限定されないが、互いの分散液を一度に混合する方法や、一方の分散液を他方の分散液に複数回に分けて加える方法が挙げられる。
一方の分散液を他方の分散液に複数回に分けて加える方法としては、例えば、スポイドなどの滴下の器具を用いて滴下する方法や、ポンプを用いる方法、又はディスペンサーを用いる方法が挙げられる。
炭素材料、正極活物質及び溶媒の混合物から、溶媒を除去する方法としては、特に限定されないが、ろ過により溶媒を除去した後に、オーブン等で乾燥させる方法が挙げられる。上記ろ過は、生産性をより一層高める観点から、吸引ろ過であることが好ましい。また、乾燥方法としては、送風オーブンで乾燥させた後に、真空で乾燥させた場合、細孔に残存している溶媒を除去できることから好ましい。
正極活物質−炭素材料複合体における、正極活物質と炭素材料との重量の比率は、正極活物質の重量を100重量%とした場合に、炭素材料の重量が、0.2重量%以上、10.0重量%以下であることが好ましい。レート特性をより一層向上させる観点からは、炭素材料の重量が、0.3重量%以上、8.0重量%以下であることがより好ましい。また、サイクル特性をより一層向上させる観点からは、炭素材料の重量が、0.5重量%以上、7.0重量%以下であることがさらに好ましい。
なお、本発明の蓄電デバイス用電極は、このような二次電池用正極に限定されず、二次電池用負極であってもよい。この場合、負極活物質として、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、金属酸化物、チタン酸リチウム、又はシリコン系の活物質を用いることができる。蓄電デバイス用電極が二次電池用負極の場合も、二次電池用正極同様のバインダー等を用いることができるものとする。
本発明の蓄電デバイス用電極は、単層で用いてもよいが、以下に示すような積層電極として用いてもよい。
[蓄電デバイス用積層電極]
図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電デバイス用積層電極の模式的断面図である。図1に示すように、蓄電デバイス用積層電極1は、第1の電極層2と、第2の電極層3、集電体層4とを備える。本実施形態では、集電体層4上に、第2の電極層3が設けられている。第2の電極層3上に、第1の電極層2が設けられている。従って、第1の電極層2は、セパレータ側に設けられている。
図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電デバイス用積層電極の模式的断面図である。図1に示すように、蓄電デバイス用積層電極1は、第1の電極層2と、第2の電極層3、集電体層4とを備える。本実施形態では、集電体層4上に、第2の電極層3が設けられている。第2の電極層3上に、第1の電極層2が設けられている。従って、第1の電極層2は、セパレータ側に設けられている。
第1の電極層2は、上述した本発明の蓄電デバイス用電極である。
第2の電極層3は、空隙率が、5%以上、20%未満である。第2の電極層3は、上述のグラフェン積層構造を有する炭素材料を含んでいることが好ましい。もっとも、第2の電極層3は、必ずしも上述のグラフェン積層構造を有する炭素材料を含んでいなくてもよく、グラフェン、人造黒鉛、粒状黒鉛化合物、繊維状黒鉛化合物、カーボンブラック又は活性炭などの炭素材料を含んでいてもよい。第2の電極層3は、複数種の炭素材料を含んでいてもよい。なお、第2の電極層3は、空隙率が上記範囲にある限りにおいて、上述の蓄電デバイス用電極の欄で説明した材料及び製造方法により得ることができる。なお、本発明において、空隙率は、例えば、ロールプレスや、油圧プレス等を用いて、所望の厚みまで圧縮させることにより調整することができる。
集電体層4としては、例えば、上述の蓄電デバイス用電極の欄で説明した集電体と同じものを用いることができる。
本実施形態の特徴は、集電体層4上に、特定の空隙率を有する第2の電極層3と、特定の空隙率を有しかつ特定のグラフェン積層構造を有する炭素材料を含む第1の電極層2とがこの順に積層されていることにある。集電体層4上に、特定の空隙率を有し密度が高められている第2の電極層3が積層されることにより、容量や出力特性などの電池特性を高めることができる。また、電解液側に、空隙率が大きくかつ特定のグラフェン積層構造を有する炭素材料を含む第1の電極層2を積層することにより、レート特性などの電池特性を高めることができるとともに、ガスの発生を抑制することができる。従って、蓄電デバイス用積層電極1によれば、種々の電池特性を高めるとともに、ガスの発生を抑制することができる。
蓄電デバイス用積層電極1において、第1の電極層2の厚みT1と第2の電極層3の厚みT2との比(T1/T2)は、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.5以上、好ましくは4.0以下、より好ましくは2.0以下である。比(T1/T2)が上記下限値以上である場合、レート特性などの電池特性をより一層高めることができるとともに、ガスの発生をより一層抑制することができる。比(T1/T2)が上記上限値以下である場合、容量や出力特性などの電池特性をより一層高めることができる。
第1の電極層2の厚みは、例えば、50μm以上、200μm以下とすることができる。また、第2の電極層3の厚みは、例えば、50μm以上、200μm以下とすることができる。
なお、蓄電デバイス用積層電極1は、例えば、以下の製造方法により製造することができる。まず、集電体層4上に、上述の蓄電デバイス用電極の欄で説明した方法に従って、第1の電極層2形成用スラリーを塗布して乾燥させることにより、第1の電極層2を形成する。続いて、第1の電極層2上に、上述の蓄電デバイス用電極における二次電池用正極で説明した方法に従って、第2の電極層3形成用スラリーを塗布して乾燥させることにより、第2の電極層3を形成する。それによって、蓄電デバイス用積層電極1を得ることができる。なお、第1の電極層2を塗布した後、続けてその上に第2の電極層3を塗布し、第1の電極層2及び第2の電極層3を同時に乾燥させてもよい。
得られた蓄電デバイス用積層電極1は、所望の厚み、密度まで圧縮させてもよい。圧縮は、特に限定されないが、例えば、ロールプレスや、油圧プレス等を用いて行うことができる。
[蓄電デバイス]
本発明の蓄電デバイスは、上記本発明の蓄電デバイス用電極又は蓄電デバイス用積層電極を備える。そのため、レート特性などの電池特性を高めることができるとともに、ガスの発生を抑制することができる。
本発明の蓄電デバイスは、上記本発明の蓄電デバイス用電極又は蓄電デバイス用積層電極を備える。そのため、レート特性などの電池特性を高めることができるとともに、ガスの発生を抑制することができる。
上述したように、本発明の蓄電デバイスとしては、特に限定されないが、非水電解質一次電池、水系電解質一次電池、非水電解質二次電池、水系電解質二次電池、全固体電解質一次電池、全固体電解質二次電池、コンデンサ、電気二重層キャパシタ、又はリチウムイオンキャパシタなどが例示される。
本発明の蓄電デバイスの一例としての二次電池は、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンの挿入及び脱離反応が進行する化合物を用いられたものであればよい。アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオンが例示される。アルカリ土類金属イオンとしては、カルシウムイオン又はマグネシウムイオンが例示される。特に、本発明は非水電解質二次電池の正極に効果が大きく、そのなかでもリチウムイオンを用いたものに好適に用いることができる。以下、リチウムイオンを用いた非水電解質二次電池(以下、リチウムイオン二次電池)を例に説明する。
上記非水電解質二次電池の正極及び負極は、集電体の両面に同じ電極を形成させた形態であってもよく、集電体の片面に正極、他方の面に負極を形成させた形態、すなわち、バイポーラ電極であってもよい。
上記非水電解質二次電池は、正極側と負極側との間にセパレータを配置したものを倦回したものであってもよいし、積層したものであってもよい。正極、負極及びセパレータには、リチウムイオン伝導を担う非水電解質が含まれている。
上記非水電解質二次電池は、上記積層体を倦回、又は複数積層した後にラミネートフィルムで外装してもよいし、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、又はシート形の金属缶で外装してもよい。外装には発生したガスを放出するための機構が備わっていてもよい。積層体の積層数は、特に限定されず、所望の電圧値、電池容量を発現するまで積層させることができる。
上記非水電解質二次電池は、所望の大きさ、容量、電圧によって、適宜直列、並列に接続した組電池とすることができる。上記組電池においては、各電池の充電状態の確認、安全性向上のため、組電池に制御回路が付属されていることが好ましい。
上記非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、特に限定されないが、例えば、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を用いることができる。また、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどの高分子固体電解質、又はサルファイドガラス、オキシナイトライドなどの無機固体電解質を用いてもよい。
非水溶媒としては、後述の溶質をより一層溶解させやすいことから、環状の非プロトン性溶媒及び/又は鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。
環状の非プロトン性溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、環状スルホン又は環状エーテルなどが例示される。
鎖状の非プロトン性溶媒としては、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル又は鎖状エーテルなどが例示される。
また、アセトニトリルなどの一般的に非水電解質の溶媒として用いられる溶媒を用いてもよい。より具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチルなどを用いることができる。これら溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上の溶媒を混合しても用いてもよい。もっとも、後述の溶質をより一層容易に溶解させ、リチウムイオンの伝導性をより一層高める観点から、2種類以上の溶媒を混合した溶媒を用いることが好ましい。
溶質としては、特に限定されないが、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCF3SO3、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、又はLiN(SO2CF3)2を用いることが好ましい。この場合、非水溶媒により一層容易に溶解させることができる。
電解液に含まれる溶質の濃度は、0.5mol/L以上、2.0mol/L以下であることが好ましい。溶質の濃度が0.5mol/L未満では、所望のリチウムイオン伝導性が発現しない場合がある。一方、溶質の濃度が2.0mol/Lより高いと、溶質がそれ以上溶解しない場合がある。
また、非水電解質には、難燃剤、安定化剤などの添加剤がさらに含まれていてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(実施例1)
グラフェン積層構造を有する炭素材料の作製;
膨張化黒鉛の粉末(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8F」、BET比表面積=22m2/g、平均粒子径=10μm)6gと、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩0.2gと、水200gとポリエチレングリコール120gとを、ホモミクサーで30分間混合することによって、原料組成物を作製した。
グラフェン積層構造を有する炭素材料の作製;
膨張化黒鉛の粉末(東洋炭素社製、商品名「PFパウダー8F」、BET比表面積=22m2/g、平均粒子径=10μm)6gと、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩0.2gと、水200gとポリエチレングリコール120gとを、ホモミクサーで30分間混合することによって、原料組成物を作製した。
なお、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩は、アルドリッチ社製のもの(平均分子量=250,000)を用いた。ポリエチレングリコールは、三洋化成工業社製、商品名「PG600」を用いた。また、ホモミクサーは、TOKUSHU KIKA社製、型番「T.K.HOMOMIXER MARKII」を用いた。
次に、作製した原料組成物を150℃で加熱処理することによって、水を除去した。その後、水を除去した組成物を、370℃の温度で、1時間加熱処理することよって、ポリエチレングリコールの一部が残存している炭素材料を作製した。
最後に、作製した炭素材料を420℃で0.3時間加熱処理(以下、加熱処理Aともいう)することによって、グラファイト構造を有し、部分的にグラファイトが剥離されている、炭素材料を得た。得られた炭素材料においては、全重量に対して41.0重量%樹脂が含まれていた。なお、樹脂量は、TG(日立ハイテクサイエンス社製、品番「STA7300」)を用いて、200℃〜600℃の範囲で重量減少した分を樹脂量として算出した。
得られた炭素材料とシリコン粉末(Nano Powder、純度≧98%、粒径≦100nm、アルドリッチ社製)とを重量比1:1の割合でサンプル瓶中にて混合することにより、測定試料としての混合粉末を作製した。作製した混合粉末を無反射Si試料台にいれ、X線回折装置(Smart Lab、リガク社製)に設置した。その後に、上述した条件で、広角X線回折法によりX線回折スペクトルを測定した。得られた測定結果から、2θ=28°以上、30°未満の範囲における最も高いピークの高さbを1として規格化し、そのときの2θ=24°以上、28℃未満の範囲における最も高いピークの高さaを算出した。最後にaとbとの比、すなわち、比a/bを算出した。その結果、実施例1における炭素材料の比a/bは、0.24であった。
正極の作製;
得られた炭素材料0.1gに、エタノール5.0gを加え、5.0時間超音波洗浄機(AS ONE社製)で処理し、炭素材料の分散液1を調製した。
得られた炭素材料0.1gに、エタノール5.0gを加え、5.0時間超音波洗浄機(AS ONE社製)で処理し、炭素材料の分散液1を調製した。
次に、正極活物質としてのLiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2を、非特許文献(Journal of PowerSources,Vol.146,pp.636−639(2005))に記載されている方法で作製した。
すなわち、まず、水酸化リチウムと、コバルト、ニッケル及びマンガンのmol比が1:1:1の3元水酸化物とを混合し混合物を得た。次に、この混合物を空気雰囲気下において、1000℃で加熱することによって正極活物質を作製した。
次に、エタノール100gに得られた正極活物質(LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2)10gを加え、マグネチックスターラーにて600rpmで10分攪拌することによって、正極活物質の分散液1を調製した。
さらに、上記炭素材料の分散液1に、上記正極活物質の分散液1をスポイトで滴下した。なお、滴下時は、炭素材料の分散液1は、超音波洗浄機(AS ONE社製)で処理し続けた。その後、分散液の混合液をマグネチックスターラーで3時間攪拌した。
最後に、分散液の混合液を吸引ろ過した後に、110℃で1時間真空乾燥することによって、正極活物質と炭素材料との複合体1(活物質−炭素材料複合体)を作製した。正極の作製に必要な量は、上記の工程を繰り返すことによって作製した。
次に、上記複合体1 100重量部に、バインダー(PVdF、固形分濃度12重量%、NMP溶液)を固形分が2重量部となるように混合し、スラリーを作製した。次に、このスラリーをアルミニウム箔(20μm)に塗工した後に、送風オーブンにて120℃で1時間加熱し、溶媒を除去した後、120℃で12時間真空乾燥した。
乾燥後、得られた混合物を加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)を用いて圧縮し、第2の正極層(第2の電極層)が得られた。圧縮条件は、ロール温度150℃、ロール荷重10kNである。
第2の電極層の容量は、単位面積当たりの電極重量、及び正極活物質の理論容量(150mAh/g)から算出した。その結果、片面当たりの第1の正極の容量は、2.25mAh/cm2であった。
第2の電極層の電極密度(ρ)は、単位面積当たりの電極重量、及び電極厚みから算出した。その結果、電極密度(ρ)は、3.55g/ccであった。このとき、単位面積当たりの電極重量は、15.0mg/cm2、電極厚みは、42μmであった。
第2の電極層の真密度は、上述の式(2)に従って算出した。本実施例で用いた、電極活物質(正極活物質)の真密度(ρp)、炭素材料の真密度(ρc)、及びバインダーの真密度(ρb)は、ピクノメーターで測定した結果、それぞれ、4.20g/cc、1.85g/cc、及び1.75g/ccであった。また、本実施例の電極作製で使用した電極活物質(正極活物質)、炭素材料、及びバインダーの重量から、l、m、及びnは、0.9709、0.0097、及び0.0194と算出される。以上の結果から第2の電極層の真密度(ρet)は、4.13g/ccであった。
以上の算出結果から、第2の電極層の空隙率は、上述した式(1)に従って求めたところ、14%であった。
第1の電極層は、上述と同様のスラリー用いて、第2の電極層の上に、塗工、及び乾燥させたのちに、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:5kNの条件にて、電極を圧縮することによって形成させた。
このときの電極重量、及び電極厚みは、第2の電極層との差から算出した。その結果、電極重量は15.0mg/cm2、電極厚みは47μmであった。これらの値から上述と同様の方法で空隙率を算出した結果、第1の電極層の空隙率は22%であった。
以上の工程を経て、実施例1の正極を作製した。
負極の作製;
負極は、次の通りに作製した。
負極は、次の通りに作製した。
最初に負極活物質(人造黒鉛)100重量部にバインダー(PVdF、固形分濃度12重量%、NMP溶液)を固形分が5重量部となるように混合し、スラリーを作製した。次に、上記スラリーを銅箔(20μm)に塗工した後に、送風オーブンにて120℃で1時間加熱し、溶媒を除去した後、120℃で12時間真空乾燥した。
最後に、ロールプレス機にて、プレスし、負極を作製した。負極の容量は、単位面積当たりの電極重量、及び負極活物質の理論容量(350mAh/g)から算出した。その結果、負極の容量(片面あたり)は、6.0mAh/cm2であった。
非水電解質二次電池の製造;
最初に、作製した正極(電極部分:40mm×50mm)、負極(電極部分:45mm×55mm)及びセパレータ(ポリオレフィン系の微多孔膜、25μm、50mm×60mm)を、負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極の順に、正極の容量が90mAh(正極1枚、負極1枚)となるように積層した。次に、両端の正極及び負極にそれぞれアルミニウムタブ及びニッケルめっき銅タブを振動溶着させた後に、袋状のアルミラミネートシートに入れ、3方を熱溶着させ、電解液封入前の非水電解質二次電池を作製した。さらに、上記電解液封入前の非水電解質二次電池を60℃で3時間真空乾燥した後に、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=1/2体積%、LiPF6 1mol/L)を20g入れ、減圧しながら封止することによって非水電解質二次電池を作製した。なお、ここまでの工程は、露点が−40℃以下の雰囲気(ドライボックス)で実施した。最後に、非水電解質二次電池を、4.25Vまで充電させた後に、25℃で100時間放置し、露点が−40℃以下の雰囲気(ドライボックス)にて発生したガス、及び過剰な電解液を除去した後に、再度減圧しながら封止することによって非水電解質二次電池を作製した。
最初に、作製した正極(電極部分:40mm×50mm)、負極(電極部分:45mm×55mm)及びセパレータ(ポリオレフィン系の微多孔膜、25μm、50mm×60mm)を、負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極の順に、正極の容量が90mAh(正極1枚、負極1枚)となるように積層した。次に、両端の正極及び負極にそれぞれアルミニウムタブ及びニッケルめっき銅タブを振動溶着させた後に、袋状のアルミラミネートシートに入れ、3方を熱溶着させ、電解液封入前の非水電解質二次電池を作製した。さらに、上記電解液封入前の非水電解質二次電池を60℃で3時間真空乾燥した後に、非水電解質(エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート=1/2体積%、LiPF6 1mol/L)を20g入れ、減圧しながら封止することによって非水電解質二次電池を作製した。なお、ここまでの工程は、露点が−40℃以下の雰囲気(ドライボックス)で実施した。最後に、非水電解質二次電池を、4.25Vまで充電させた後に、25℃で100時間放置し、露点が−40℃以下の雰囲気(ドライボックス)にて発生したガス、及び過剰な電解液を除去した後に、再度減圧しながら封止することによって非水電解質二次電池を作製した。
(実施例2)
第1の電極層の作製時において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
第1の電極層の作製時において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
(実施例3)
第1の電極層の作製時において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:1.5kNにしたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、70μm、及び48%であった。
第1の電極層の作製時において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:1.5kNにしたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、70μm、及び48%であった。
(実施例4)
正極に用いる炭素材料に、加熱処理Aの加熱時間を0.5時間に変更して作製したもの(比a/b=0.79)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、47μm、及び22%であった。
正極に用いる炭素材料に、加熱処理Aの加熱時間を0.5時間に変更して作製したもの(比a/b=0.79)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、47μm、及び22%であった。
(実施例5)
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は、実施例4と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は、実施例4と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
(実施例6)
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:1.5kNにしたこと以外は実施例4と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、70μm、及び48%であった。
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:1.5kNにしたこと以外は実施例4と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、70μm、及び48%であった。
(実施例7)
正極に用いる炭素材料を、加熱処理Aの加熱時間を1.8時間に変更して作製したもの(比a/b=4.23)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、47μm、及び22%であった。
正極に用いる炭素材料を、加熱処理Aの加熱時間を1.8時間に変更して作製したもの(比a/b=4.23)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、47μm、及び22%であった。
(実施例8)
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は実施例7と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は実施例7と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
(実施例9)
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:1.5kNにしたこと以外は実施例7と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、70μm、及び48%であった。
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:1.5kNにしたこと以外は実施例7と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、70μm、及び48%であった。
(実施例10)
正極に用いる炭素材料を、加熱処理Aの加熱時間を3.0時間に変更して作製したもの(比a/b=9.11)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、47μm、及び22%であった。
正極に用いる炭素材料を、加熱処理Aの加熱時間を3.0時間に変更して作製したもの(比a/b=9.11)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、47μm、及び22%であった。
(実施例11)
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は実施例10と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は実施例10と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
(実施例12)
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:1.5kNにしたこと以外は実施例10と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。ここのときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、70μm、及び48%であった。
第1の電極層の作製において、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:1.5kNにしたこと以外は実施例10と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。ここのときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、70μm、及び48%であった。
(比較例1)
正極に用いる炭素材料を、市販のカーボンブラック(デンカ社製、商品名「デンカブラック」、比a/b=0.09)をそのまま用いたこと、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
正極に用いる炭素材料を、市販のカーボンブラック(デンカ社製、商品名「デンカブラック」、比a/b=0.09)をそのまま用いたこと、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
(比較例2)
正極に用いる炭素材料を、市販の高配向性熱分解グラファイト(HOPG、比a/b=11.90)をそのまま用いたこと、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
正極に用いる炭素材料を、市販の高配向性熱分解グラファイト(HOPG、比a/b=11.90)をそのまま用いたこと、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:3kNにしたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、56μm、及び35%であった。
(比較例3)
正極に用いる炭素材料を、加熱処理Aの加熱時間を0.5時間にしたもの(比a/b=0.79)を用いたこと、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:10kNにしたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、42μm、及び14%であった。
正極に用いる炭素材料を、加熱処理Aの加熱時間を0.5時間にしたもの(比a/b=0.79)を用いたこと、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:150℃、ロール荷重:10kNにしたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、42μm、及び14%であった。
(比較例4)
正極に用いる炭素材料を、加熱処理Aの加熱時間を0.5時間にしたもの(比a/b=0.79)を用いたこと、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:25℃、ロール荷重:0.5kNにしたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、89μm、及び59%であった。
正極に用いる炭素材料を、加熱処理Aの加熱時間を0.5時間にしたもの(比a/b=0.79)を用いたこと、加熱式ロールプレス機(ロール幅:160mm)の条件にて、ロール温度:25℃、ロール荷重:0.5kNにしたこと以外は実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。このときの第1の電極層の電極厚み、及び空隙率はそれぞれ、89μm、及び59%であった。
以上の実施例および比較例の条件を表1にまとめた。
(評価)
レート特性の評価;
実施例及び比較例のレート特性の評価は、次の方法で行った。最初に、非水電解質二次電池を、25℃の恒温槽に入れ、充放電装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。次に、非水電解質二次電池を、定電流定電圧充電(電流値:15mA、充電終止電圧:4.2V、定電圧充電電圧:4.2V、定電圧充電終止条件:3時間経過、あるいは電流値1.5mA)した。さらに、充電後、1分間休止し、18mA(小電流)、あるいは180mA(大電流)で2.5Vまで放電し、各電流値での容量を算出した。最後に、大電流での放電容量を小電流での放電容量を除することによってレート特性を評価した。上記割合が80%以上を「A」、80%未満を「B」とした。
レート特性の評価;
実施例及び比較例のレート特性の評価は、次の方法で行った。最初に、非水電解質二次電池を、25℃の恒温槽に入れ、充放電装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。次に、非水電解質二次電池を、定電流定電圧充電(電流値:15mA、充電終止電圧:4.2V、定電圧充電電圧:4.2V、定電圧充電終止条件:3時間経過、あるいは電流値1.5mA)した。さらに、充電後、1分間休止し、18mA(小電流)、あるいは180mA(大電流)で2.5Vまで放電し、各電流値での容量を算出した。最後に、大電流での放電容量を小電流での放電容量を除することによってレート特性を評価した。上記割合が80%以上を「A」、80%未満を「B」とした。
ガス発生量の評価;
実施例及び比較例のガス発生量は、サイクル運転前後の非水電解質二次電池の体積を、アルキメデス法で測定することによって算出した。アルキメデス法による非水電解質二次電池の体積測定は、次の通りに行った。最初に、非水電解質二次電池の大気雰囲気下での重量を電子天秤で測定した。次に、比重計(アルファミラージュ社製、品番「MDS−3000」)を用いて水中での重量を測定した。さらに、大気雰囲気下での重量と水中での重量との差をとることによって浮力を算出し、この浮力を水の密度(1.0g/cm3)で除することによって、非水電解質二次電池の体積を算出した。最後に、サイクル運転前後の非水電解質二次電池の体積を比較することによって、ガス発生量を算出した。ガス発生量の評価は、0.2mL未満のガス発生量を「A」とし、0.2mL以上のガス発生量は「B」とした。
実施例及び比較例のガス発生量は、サイクル運転前後の非水電解質二次電池の体積を、アルキメデス法で測定することによって算出した。アルキメデス法による非水電解質二次電池の体積測定は、次の通りに行った。最初に、非水電解質二次電池の大気雰囲気下での重量を電子天秤で測定した。次に、比重計(アルファミラージュ社製、品番「MDS−3000」)を用いて水中での重量を測定した。さらに、大気雰囲気下での重量と水中での重量との差をとることによって浮力を算出し、この浮力を水の密度(1.0g/cm3)で除することによって、非水電解質二次電池の体積を算出した。最後に、サイクル運転前後の非水電解質二次電池の体積を比較することによって、ガス発生量を算出した。ガス発生量の評価は、0.2mL未満のガス発生量を「A」とし、0.2mL以上のガス発生量は「B」とした。
なお、サイクル試験は、次の方法で行った。最初に、作製した非水電解質二次電池を45℃の恒温槽に入れ、充放電装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続した。次に、定電流定電圧充電(電流値:45mA、充電終止電圧:4.25V、定電圧放電電圧:4.25V、定電圧放電終止条件:3時間経過、又は電流値4.5mA)、定電流放電(電流値:45mA、放電終止電圧:2.5V)を300回繰り返した。以上の結果を表2にまとめた。その結果、本発明の範囲において、レート特性の向上およびガス発生の抑制が見られた。
1…蓄電デバイス用積層電極
2…第1の電極層
3…第2の電極層
4…集電体層
2…第1の電極層
3…第2の電極層
4…集電体層
Claims (10)
- 空隙率が、20%以上、50%以下である、蓄電デバイス用電極であって、
グラフェン積層構造を有する炭素材料を含み、
前記炭素材料とSiとの重量比1:1における混合物のX線回折スペクトルを測定したときに、2θが、24°以上、28°未満の範囲における最も高いピークの高さaと、2θが、28°以上、30°未満の範囲における最も高いピークの高さbとの比a/bが、0.2以上、10.0以下である、蓄電デバイス用電極。 - 前記グラフェン積層構造を有する炭素材料が、部分的にグラファイトが剥離されている構造を有する、部分剥離型薄片化黒鉛である、請求項1に記載の蓄電デバイス用電極。
- 前記蓄電デバイス用電極を構成する材料100重量%中における炭素材料の含有量が、0.1重量%以上、10重量%以下である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用電極。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極からなる第1の電極層と、
空隙率が、5%以上、20%未満である、第2の電極層と、
を備え、
前記第2の電極層上に、前記第1の電極層が設けられている、蓄電デバイス用積層電極。 - 前記第1の電極層の厚みT1と前記第2の電極層の厚みT2との比(T1/T2)が、0.25以上、4.0以下である、請求項4に記載の蓄電デバイス用積層電極。
- 前記第2の電極層が、グラフェン積層構造を有する炭素材料を含み、
前記炭素材料とSiとの重量比1:1における混合物のX線回折スペクトルを測定したときに、2θが、24°以上、28°未満の範囲における最も高いピークの高さaと、2θが、28°以上、30°未満の範囲における最も高いピークの高さbとの比a/bが、0.2以上、10.0以下である、請求項4又は5に記載の蓄電デバイス用積層電極。 - 集電層をさらに備え、
前記集電層上に、前記第2の電極層が設けられている、請求項4〜6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用積層電極。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極又は請求項4〜7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用積層電極により構成される正極である、蓄電デバイス用正極。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極又は請求項4〜7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用積層電極を備える、蓄電デバイス。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用電極又は請求項4〜7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用積層電極に用いられる、炭素材料。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021106730A1 (ja) * | 2019-11-27 | 2021-06-03 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池 |
WO2024004836A1 (ja) * | 2022-06-29 | 2024-01-04 | パナソニックエナジー株式会社 | 非水電解質二次電池 |
-
2019
- 2019-03-08 JP JP2019042628A patent/JP2020145143A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021106730A1 (ja) * | 2019-11-27 | 2021-06-03 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池 |
WO2024004836A1 (ja) * | 2022-06-29 | 2024-01-04 | パナソニックエナジー株式会社 | 非水電解質二次電池 |
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