JP2020144317A - トナー、トナー収容ユニット、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
金属のごとき光輝感を持つ画像を形成する目的から、結着樹脂中に金属顔料を含有する光輝性トナーが用いられている。
このような反射性の高い顔料としては、金属や金属でコートされた顔料が適当であり、また反射性能を確保するためには顔料1粒子に一定の面積の平面がある顔料を、トナー定着画像中に面状に配列する必要がある。
また、高い画像光輝性を得つつ、高温高湿環境においてトナーが飛散する現象を抑制するため、トナーの分子量を低くしたトナーが開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。
金属を主成分とする平板状顔料を含むトナーであって、
該トナーは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定における重量平均分子量(Mw)が5000以上14000以下であり、かつ結着樹脂としてTHFに不溶なポリエステル樹脂(A)を含有し、該トナーのTHF不溶分の示差走査熱量測定(DSC)による昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移温度(Tg)が−60℃以上10℃以下であることを特徴とするトナー。
しかしながら、光輝性顔料は平板状の形状をしているため、画像上で平面が狭い間隔で並んで配置されると、特許文献1に記載されているトナーのようにトナーの分子量が高い場合、平板状の光輝性顔料と樹脂との接着力が弱くなり、画像を擦った際に光輝性顔料の界面で画像が剥がれてしまうという問題が生じてしまう。
また、特許文献2及び特許文献3に記載のトナーのように、分子量が低いと、光輝性顔料と樹脂との密着性は上がるが、定着温度の余裕度が低くなってしまうという問題が生じる。
本発明のトナーの製造方法については、以下で詳しく説明する。
本発明のトナーは、金属を主成分とする平板状顔料とTHFに不溶なポリエステル樹脂(A)とを含み、更に必要に応じて、着色剤、離型剤などその他の成分を含有する。なお、本発明において、金属を主成分とする平板状顔料とは、金属の割合が50質量%を超える平板状顔料をいう。
本発明者らが鋭意検討を行ったところ、平板状顔料を含むトナーにおいては、顔料が鱗片状(平板状)又は扁平状であるため、定着後の画像において平板状顔料同士が近接または接触しやすく、顔料同士の界面において、画像の剥がれが起きやすいという問題があった。
トナーの重量平均分子量が5000未満であると、高温で定着した場合にホットオフセットが発生してしまう。また、トナーの重量平均分子量が14000を超えると、顔料と樹脂との密着性が悪くなってしまう。
本発明において、トナーのテトラヒドロフラン可溶分および樹脂の分子量分布や重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー社製))を用いて測定できる。カラムとしては、TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)を使用した。測定するトナーは、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬製)にて0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いた。前記THF試料溶液を測定装置に100μl注入し、温度40℃の環境下にて、流速 0.35ml/分間で測定した。
溶液A:S-7450 2.5mg, S-678 2.5mg, S-46.5 2.5mg, S-2.90 2.5mg, THF 50ml
溶液B:S-3730 2.5mg, S-257 2.5mg, S-19.8 2.5mg, S-0.580 2.5mg, THF 50ml
溶液C:S-1470 2.5mg, S-112 2.5mg, S-6.93 2.5mg,トルエン2.5mg, THF 50ml
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
トナーのTHF不溶分を得る手段としては、溶解濾過法や一般的なソックスレー抽出法を用いて抽出残渣を得る方法などがあり、いずれの方法でも問題なく利用できる。本発明では以下に記した溶解濾過法を用いてTHF不溶分を得た。また、THF不溶分とは顔料を除いた量をいう。
まず、トナー1gを秤量して100mLのTHF中に投入し、25℃の環境下にて撹拌子を用いて6時間撹拌を行い、トナーの可溶分が溶解した溶解液を得た。次いで前記溶解液を目開き0.2μmのメンブランフィルターにて濾過し、濾過物を再び50mLのTHF中に投入し、撹拌子を用いて10分間撹拌した。この作業を2、3回繰り返し、得られた濾過物を120℃、10kPa以下の環境下で乾燥させてTHF不溶分を得た。
ソックスレー抽出法を用いる場合は、トナー1部に対してTHF100部にて、6時間以上還流を行い、THF不溶分と可溶分を分取することが望ましい。
前記ポリエステル樹脂(A)は、THFに不溶な樹脂であり、本発明の条件を満たすものであれば使用することができるが、トナーの使用温度環境下においてゴム的な挙動を有する樹脂であることが望ましい。このため、ポリエステル樹脂(A)は架橋構造を有し、20℃以下の低温領域にガラス転移点を有し、室温以上の環境下ではゴム状平坦領域を有するような粘弾性挙動を示すものが好ましい。
前記反応性前駆体における前記硬化剤と反応可能な基としては、例えば、活性水素基と反応可能な基などが挙げられる。前記活性水素基と反応可能な基としては、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基などが挙げられる。これらの中でも、前記非晶質ポリエステル樹脂にウレタン結合又はウレア結合を導入可能な点で、イソシアネート基が好ましい。
前記反応性前駆体は、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸の少なくともいずれかによって付与される分岐構造を有していても良い。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のイソシアネートなどが挙げられる。
前記活性水素基含有化合物としては、ウレア結合を形成可能な点で、アミン類が好ましい。
前記アミン類としては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン;エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の3価以上のアミン;エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等のアミノアルコール;アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等のアミノメルカプタン;アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等のアミノ酸;これらのアミノ基をアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のアミンとの混合物が好ましい。
本発明で使用する顔料は、平板状の形状を有している。前記顔料は、光を効率よく反射するため金属顔料であることが好ましい。係る金属顔料としては、例えば、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、銅、銀、金、白金などの金属粉末、金属蒸着された薄片状ガラス粉などが挙げられる。この中でも、光の反射率が高く、酸化による反射率の低下が低い、アルミニウムが好ましい。前記平板状顔料の表面は表面処理されていることが、分散性、耐汚触性の点で好ましい。前記平板状顔料は、各種表面処理剤、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、脂肪酸、シリカ粒子、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などで被覆されていてもよい。
図2は平板状顔料aを含む本発明のトナーの一例の断面を示す顕微鏡写真である。
前記平板状顔料の含有量としては、トナーの全質量に対して、5質量%〜50質量%であることが好ましい。
本発明のトナーの円形度は、0.950以上0.985以下が好ましい。
トナーの円形度が一定の範囲で高いこと(つまりトナーの形状が丸いということ)により、前記平板状顔料が距離をおいてトナー中に存在できることになり、定着した後の画像で、平板状顔料同士の近接や接触を防止でき、定着画像の剥がれを抑制することが可能となる。
(1)トナー形状、平板状顔料の間隔の調整方法1
トナーの好ましい製造方法として、平板状顔料と、針状及び板状の少なくともいずれかの状態を示す物質とを含有する有機液体を、水系媒体中に分散して水中油滴(O/W型)エマルションを作製する工程を含むことが挙げられる。水系媒体中で油滴が形成されるとその中で平板状顔料が自由に動くことができ、平板状顔料が同一方向に並ぶことを防止することができる。油滴はその後トナー粒子となるため、そのまま平板状顔料やその他の針状又は板状の物質が固定されトナーが形成される。その結果、扁平状のトナー形状になるのを防止することができる。
上記方法を実現するトナーの具体的な製造方法としては、トナー用樹脂や色材を有機溶剤に溶解、分散して油滴を作製する溶解懸濁法やラジカル重合性モノマーを用いた懸濁重合法が適している。
トナー製造時において、水系媒体中でトナーの粘性を下げ、その時にせん断を与えることによってトナー粒子の扁平形状を補正することができる。溶解懸濁法においては脱溶剤を行う途中や、懸濁重合では重合転化率が途中の状態で、分散液にせん断を与え、粒子形状を楕円体から略球状に調整するとよい。
平板状顔料を樹脂等でくるむ際にトナー表面の粘弾性を高くするとよい。
トナー表面に反応性官能基を優先的に配置し、高分子、架橋反応を生じさせるとよい。
例えば、トナー製造時において、水系媒体中における油滴と水系媒体との界面で反応を起こす別々の物質を存在させる。反応性プレポリマーを油滴側に、プレポリマーと反応する物質を水系側に入れておく。
また、本発明のトナーは、結着樹脂以外にも本発明の効果を損なわない範囲で、その他の樹脂や、着色剤、ワックス、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などのその他の成分を必要に応じて含有していてもよい。
前記相溶可能なポリエステル樹脂としては、THFに溶解可能な線状または非線状のポリエステル樹脂が好ましく、未変性のポリエステル樹脂であることが好ましい。前記未変性ポリエステル樹脂とは、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られるポリエステル樹脂であって、イソシアネート化合物などにより変性されていないポリエステル樹脂である。
前記ポリエステル樹脂の水酸基価としては特に制限はないが、5mgKOH/g以上であることが好ましい。
前記結晶性樹脂は、定着温度付近において、融解するものが好ましい。このような結晶性樹脂をトナー中に含有させておくことによって、定着温度では、結晶性樹脂の融解に伴って結着樹脂と相溶化し、トナーのシャープメルト性を向上させ、低温定着性に優れた効果を発揮する。
前記結晶性ポリエステル樹脂のトナー中における含有量としては、特に制限はないが、前記トナー100質量部に対して、3質量部〜20質量部が好ましく、5質量部〜15質量部がより好ましい。前記含有量が、3質量部未満であると、低温定着性への効果が乏しく、20質量部を超えると、耐熱保存性が低下したり、トナーの機械的耐久性や耐擦性が悪化したりすることがある。
前記ワックスとしては、特に制限はなく、公知の中から目的に応じて適宜選択することができる。
平板状顔料のスタックを防止したり、平板状顔料の面間隔を広げるために使用されるワックスとしては、ある程度の極性を持たせるためワックス製造途中で分岐させたり、極性基を導入したりしたワックスが好ましい。ワックスの融点はトナーに用いる樹脂の溶融温度と同程度、もしくは定着時の紙上画像の温度以下であれば高くてもよい。
カルボニル基含有ワックスをエステル化したものとして、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。
前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
針状又は板状の物質としてのワックスの含有量は、前記平板状顔料に対し1質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜10質量%がより好ましい。
平板状顔料と併用できる着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができる。
ブラック用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料等が挙げられる。
前記マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤を混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤がいずれも使用可能である。有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナーは流動性改質や帯電量調整、電気特性の調整などの目的として各種の外添剤を添加することが出来る。外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3質量%がより好ましい。
前記樹脂微粒子の添加量は、前記トナーに対し0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜2質量%がより好ましい。
トナーの製造方法や使用する材料は、本発明で規定する上記要件を満たすことができれば公知のものが適宜使用可能である。本発明のトナーの製造方法として、例えば、混練粉砕法や、水系媒体中にてトナー粒子を造粒する、いわゆるケミカル工法が挙げられる。
しかし、特に上記要件を実現する製造方法としては、トナー用樹脂や色材を有機溶剤に溶解、分散して油滴を作製する溶解懸濁法や、ラジカル重合性モノマーを用いた懸濁重合法が適している。
より好ましい製造方法としては、平板状顔料と、必要に応じ針状及び板状の少なくともいずれかの状態を示す物質とを含有する有機液体を、水系媒体中に分散して水中油滴(O/W型)エマルションを作製する工程を含むトナーの製造方法が挙げられる。水系媒体中で油滴が形成されるとその中で平板状顔料やその他の針状、板状粒子が自由に動くことができ、平板状顔料が同一方向に並ぶのを防止することができる。油滴はその後トナー粒子となるため、そのまま平板状顔料やその他の針状、板状物質が固定化される。
前記溶解懸濁法は、例えば、少なくとも結着樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤、及びワックスを含有してなるトナー組成物を有機溶剤中に溶解乃至分散させた油相組成物を、水系媒体中で分散乃至乳化させることにより、トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記トナー組成物を溶解乃至分散させる場合に用いる有機溶剤としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。
該乳化剤又は分散剤としては、公知の界面活性剤、水溶性ポリマー等を用いることができる。該界面活性剤としては、特に制限はなく、アニオン界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸、リン酸エステル等)、カチオン界面活性剤(四級アンモニウム塩型、アミン塩型等)、両性界面活性剤(カルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩型等)、非イオン界面活性剤(AO付加型、多価アルコール型等)等が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独又は2種以上の界面活性剤を併用してもよい。
また、乳化又は分散の助剤として、上記の有機溶剤及び可塑剤等を併用することもできる。
前記樹脂微粒子は、公知の重合方法を用いて形成することができるが、樹脂微粒子の水性分散液として得ることが好ましい。
(a)ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法のいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(d)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(f)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液に貧溶剤を添加する、又は予め溶剤に加熱溶解させた樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、溶剤を除去して樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(g)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を、適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、減圧等によって溶剤を除去して、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(h)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
前記油相の固形分濃度は、40%〜80%であることが好ましい。濃度が高すぎると、溶解乃至分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらく、濃度が低すぎると、トナーの製造性が低下する。
前記水系媒体中への分散乃至乳化の方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。中でも、粒子の小粒径化の観点からは、高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000rpm〜30,000rpm、好ましくは5,000rpm〜20,000rpmである。分散時の温度としては、通常、0℃〜150℃(加圧下)、好ましくは20℃〜80℃である。
添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度等を変化させてもよい。又はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
前記トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、キャリアと混合して用いればよい。前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル等が好適に挙げられる。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合には、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライト等を用いることが好適である。
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
本発明のトナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することで、画像の光輝性を担保しつつ、高精細、高画質な画像を形成できる。
図1は、本発明の一実施形態を示す画像形成装置の全体構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、タンデム型の画像形成部(以下、作像部という)によってカラー画像を形成するカラー画像形成装置であり、画像読取部10、作像部11、給紙部12、転写部13、定着部14、排紙部15から構成される。
画像読取部10は、原稿の画像を読み取り、画像情報を生成するためのものである。コンタクトガラス101及び読取センサ102から構成される。画像読取部10では、原稿に光を照射し、その反射光をCCD(電荷結合素子)やCIS(密着型イメージセンサ)等のセンサで受光し、光の3原色であるRGB各色の電気的な色分解信号を読み込む。
作像部11は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に加え、無色透明(クリア)や白色などの特色(S)のトナー像を形成・出力する5つの作像ユニット110S、110Y、110M、110C、110Kから構成されている。
給紙部12は、転写部13に対して紙の一例である用紙を供給するものであり、用紙収容部121、給紙ピックアップローラ122、給紙ベルト123及びレジストローラ124を備えている。給紙ピックアップローラ122は、用紙収容部121に収容されている用紙を給紙ベルト123の方へ移動させるために回転するように設けられている。このように設けられている給紙ピックアップローラ122は、収容されている用紙のうち最上段にある用紙を一枚ずつ取り出し、給紙ベルト123に載置する。給紙ベルト123は、給紙ピックアップローラ122によって取り出された用紙を転写部13に搬送する。レジストローラ124は、中間転写ベルト131上のトナー像が形成されている部分が転写部13の転写ニップとしての2次転写ニップ139に到達されるタイミングで用紙を送り出すものである。
転写部13は、作像ユニット110S、110Y、110M、110C、110Kの下方に配置されている。転写部13は、駆動ローラ132、従動ローラ133、中間転写ベルト131、1次転写ローラ134S、134Y、134M、134C、134K、2次転写ローラ135、2次転写対向ローラ136、トナー付着量センサ137、ベルトクリーニング装置138を備えている。
2次転写ニップを通過した2次転写後の中間転写ベルト131上には、紙に転写されなかった転写残トナーが残留している。これは、中間転写ベルト131の表面に当接しているクリーニングブレードを備えたベルトクリーニング装置138によって中間転写ベルト131表面から除去・クリーニングされる。
定着部14は、ベルト定着方式であり、無端状のベルトである定着ベルト141に加圧ローラ142を押し当てて構成されている。定着ベルト141は、定着ローラ143と加熱ローラ144とに掛け回されており、少なくとも一方のローラには熱源・加熱手段(ヒータ、ランプ、あるいは電磁誘導式の加熱装置等)が設けられている。定着ベルト141は、定着ローラ143と加圧ローラ142との間に挟持・押し付けられる状態で、定着ベルト141と加圧ローラ142との間に定着ニップを形成している。
(1)金属を主成分とする平板状顔料を含むトナーであって、
該トナーは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定における重量平均分子量(Mw)が5000以上14000以下であり、かつ結着樹脂としてTHFに不溶なポリエステル樹脂(A)を含有し、該トナーのTHF不溶分の示差走査熱量測定(DSC)による昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移温度(Tg)が−60℃以上10℃以下であることを特徴とするトナー。
(2)前記トナー中のTHF不溶分の量が5質量%以上15質量%以下であることを特徴とする上記(1)に記載のトナー。
(3)前記ポリエステル樹脂(A)が、ウレタン結合またはウレア結合の少なくともいずれかを有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のトナー。
(4)前記ポリエステル樹脂(A)が、構成成分としてアルコール成分を含有し、炭素数3〜10の脂肪族ジオールを前記アルコール成分の50mol%以上含有し、前記脂肪族ジオールの主鎖は下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のトナー。
(5)トナーの円形度が0.950〜0.985であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のトナー。
(6)前記上記(1)〜(5)のいずれかに記載のトナーを収容した、トナー収容ユニット。
(7)静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を含み、
前記トナーが、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
〜ポリエステル樹脂(A)(プレポリマー)〜
<ポリエステル樹脂(A)の反応性前駆体(a1)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ジオール成分として3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸/アジピン酸(モル比55/45)、全モノマー量に対して0.5mol%の無水トリメリット酸を、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.5となるように投入した。更に、縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチルを全モノマー量に対して1,000ppmを入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に2時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が10,000の[中間体ポリエステル1]を得た。
まず、[反応性前駆体(a1)]が20%酢酸エチル溶液となるように酢酸エチルを加えて調整し、撹拌しながらイソホロンジアミン(IPDA)の20%酢酸エチル溶液を、[反応性前駆体(a1)]のイソシアネート基とIPDAのアミノ基のモル比(NH2/NCO)が1.1となる量を滴下し、十分に撹拌した。得られたアミン伸長物の酢酸エチル溶液を、テフロン(登録商標)シャーレ上にキャストし、80℃の環境下で10時間乾燥し、更に120℃、10kPa以下の環境下で減圧乾燥し、十分に溶媒を除去し、[反応性前駆体(a1)]のアミン伸長物を得た。
得られた[反応性前駆体(a1)]のアミン伸長物のDSCによる昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移点は−35℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ジオール成分として3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸/アジピン酸(モル比55/45)、全モノマー量に対して1.0mol%のトリメチロールプロパン、全モノマー量に対して0.5mol%の無水トリメリット酸を、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.7となるように投入した。更に、縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチルを全モノマー量に対して1,000ppmを入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に2時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が18,000の[中間体ポリエステル2]を得た。
得られた[反応性前駆体(a2)]のアミン伸長物のDSCによる昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移点は8℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ジオール成分として3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸/アジピン酸(モル比30/70)、全モノマー量に対して0.5mol%の無水トリメリット酸を、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.5となるように投入した。更に、縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチルを全モノマー量に対して1,000ppmを入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に2時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が5,500の[中間体ポリエステル3]を得た。
得られた[反応性前駆体(a3)]のアミン伸長物のDSCによる昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移点は−51℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ジオール成分として3−メチル−1,5−ペンタンジオール/ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物(モル比45/55)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸/アジピン酸(モル比55/45)、全モノマー量に対して0.5mol%の無水トリメリット酸を、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.5となるように投入した。更に、縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチルを全モノマー量に対して1,000ppmを入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に2時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が12,000の[中間体ポリエステル4]を得た。
得られた[反応性前駆体(a4)]のアミン伸長物のDSCによる昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移点は−45℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ジオール成分として1,6ーヘキサンジオール、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸/アジピン酸(モル比55/45)、全モノマー量に対して0.5mol%の無水トリメリット酸を、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.5となるように投入した。更に、縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチルを全モノマー量に対して1,000ppmを入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に2時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が10,000の[中間体ポリエステル5]を得た。
得られた[反応性前駆体(a5)]を用いて、前記[反応性前駆体(a1)]のアミン伸長物の作製と同様にして、[反応性前駆体(a5)]のアミン伸長物を得て、ガラス転移点を測定した。
得られた[反応性前駆体(a5)]のアミン伸長物のDSCによる昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移点は−35℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ジオール成分として3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジカルボン酸成分としてセバシン酸、全モノマー量に対して0.5mol%の無水トリメリット酸を、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.6となるように投入した。更に、縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチルを全モノマー量に対して1,000ppmを入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に2時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、重量平均分子量が7,500の[中間体ポリエステル6]を得た。
得られた[反応性前駆体(a6)]のアミン伸長物のDSCによる昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移点は−70℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ジオール成分としてビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物(モル比90/10)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、全モノマー量に対して0.5mol%の無水トリメリット酸を、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.5となるように投入した。更に、縮合触媒としてジブチルチンオキサイドを全モノマー量に対して1,000ppmを入れ、窒素気流下にて2時間かけて200℃まで昇温し、更に2時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら3時間反応させた。その後、10mHg〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、重量平均分子量(Mw)が9,600の[中間体ポリエステル7]を得た。
得られた[反応性前駆体(a7)]のアミン伸長物のDSCによる昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移点は55℃であった。
〜非晶性ポリエステル樹脂(B)〜
<非晶性ポリエステル樹脂(B1)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ジオール成分としてビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物/ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物(モル比50/50)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸/アジピン酸(モル比80/20)を、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.2となるように投入した。更に、縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチルを全モノマー量に対して1,000ppmを入れ、窒素気流下にて2時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら5時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた。これにより、重量平均分子量が4000の[非晶性ポリエステル樹脂(B1)]を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ジオール成分としてビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物/ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3mol付加物(モル比30/70)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸/アジピン酸(モル比80/20)、全モノマー量に対して3.5mol%のトリメチロールプロパンを、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.2となるように投入した。更に、縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチルを全モノマー量に対して1,000ppmを入れ、窒素気流下にて2時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら5時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、180℃まで冷却させた後、全モノマー量に対して1.0mol%の無水トリメリット酸と、全モノマー量に対して200ppmのオルトチタン酸テトラブチルを入れ、常圧にて180℃で1時間反応させた後、更に5mmHg〜20mmHgの減圧下にて3時間反応させた。これにより、重量平均分子量が9000の[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ジオール成分としてビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物/ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3mol付加物(モル比10/90)、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸/アジピン酸(モル比90/10)、全モノマー量に対して3.5mol%のトリメチロールプロパンを、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.2となるように投入した。更に、縮合触媒としてオルトチタン酸テトラブチルを全モノマー量に対して1,000ppmを入れ、窒素気流下にて2時間かけて230℃まで昇温し、生成する水を留去しながら5時間反応させた。その後、5mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させ、180℃まで冷却させた後、全モノマー量に対して1.0mol%の無水トリメリット酸と、全モノマー量に対して200ppmのオルトチタン酸テトラブチルを入れ、常圧にて180℃で1時間反応させた後、更に5mmHg〜20mmHgの減圧下にて3時間反応させた。これにより、重量平均分子量が12000の[非晶性ポリエステル樹脂(B3)]を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂(C)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ジオール成分として1,6−ヘキサンジオール、ジカルボン酸成分としてセバシン酸を、水酸基とカルボン酸のモル比(OH/COOH)が1.2となるように投入した。
次に、チタンテトライソプロポキシドを全モノマー量に対して500ppmを入れ、2時間かけて180℃まで昇温し、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、200℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水を留去しながら3時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、融点67℃、重量平均分子量が20,000である[結晶性ポリエステル樹脂(C)]を得た。
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、[結晶性ポリエステル樹脂(C)]10部、酢酸エチル90部を入れた後、撹拌下、80℃まで昇温し、十分に溶解した。その後30℃まで冷却した後、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度を1kg/h、ディスクの周速度を6m/s、直径が0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填して、6パスの条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて、固形分濃度10%の[結晶性ポリエステル樹脂(C)分散液]を作製した。
<ワックス分散剤の合成>
攪拌棒及び温度計を備えた反応槽中に、キシレン480部、パラフィンワックスHNP−9(日本精鑞社製)100部を入れて溶解するまで加熱した後、窒素置換し、170℃まで昇温した。次に、スチレン740部、アクリロニトリル100部、アクリル酸ブチル60部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36部、及びキシレン100部の混合液を3時間で滴下した後、170℃で30分間保持した。さらに、脱溶剤し、[ワックス分散剤]を得た。
撹拌棒及び温度計を備えた容器中に、エステルワックスLW−12(三洋化成社製)100部、[ワックス分散剤]40部、及び酢酸エチル300部を入れた後、撹拌下、80℃まで昇温し、十分に溶解した。その後30℃まで冷却した後、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度を1kg/h、ディスクの周速度を6m/s、直径が0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填して、3パスの条件で、分散させ、[ワックス分散液]を得た。得られたワックス分散液の粒子径はLA−920(堀場製作所製)で測定したところ350nmであった。(ワックスの固形分濃度20%)。
<有機変性層状無機化合物のマスターバッチの調製>
水200部、有機変性層状無機化合物(CLAYTONE APA/SCP社製)500部、及び非晶性ポリエステル樹脂B1の500部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。混合物を2本ロールを用いて120℃で30分間混練後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、[有機変性層状無機化合物のマスターバッチ]を得た。
<有機微粒子エマルション(微粒子分散液)の合成>
撹拌棒及び温度計を備えた反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩エレミノールRS−30(三洋化成工業社製)16部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸n−ブチル110部、及び過硫酸アンモニウム1部を入れた。その後、400rpmで15分間撹拌した。次に、75℃まで昇温した後、5時間反応させた。さらに、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加えた後、75℃で5時間熟成して、ビニル系樹脂分散液(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液]を得た。
[微粒子分散液]をLA−920(HORIBA社製)で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。
<水相の調製>
水2,240部、[微粒子分散液]80部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業社製)80部、及び酢酸エチル200部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相]とした。
着色剤マスターバッチとして以下のものを使用した。
小粒径アルミニウムペースト顔料(東洋アルミ社製 2172YC、体積平均粒径D50:7μm、厚み:1μm以下、酢酸プロピル分散体 固形分50%)
[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]83部、[結晶性ポリエステル樹脂(C)分散液]50部、ワックス分散液W 35部、[有機変性層状無機化合物のマスターバッチ]2部、[着色剤マスターバッチ]30部を入れ、十分に攪拌させた。更に、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)を用いて、6,000rpmで、均一に溶解、分散させた。更に、イソホロンジアミン(IPDA)を、IPDAのアミノ基と[反応性前駆体(a1)]のイソシアネート基のモル比(NH2/NCO)が、0.98となる量を入れ、TK式ホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで15秒間撹拌し、次いで、50%酢酸エチル溶液に調製した[反応性前駆体(a1)]10部を加え、TK式ホモミキサーを用いて回転数6,000rpmで30秒間撹拌し、[油相1](固形分50%)を得た。
撹拌機及び温度計を備えた容器中に、水相174部を入れた後、水浴上20℃で保持した。
トナー母体粒子100部及び疎水化処理シリカHDK−2000(ワッカー・ケミー社製)1部、表面処理酸化チタンJMT−150IB(テイカ社製)1部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて、周速を30m/sとして30秒間混合した後、1分間休止する操作を5回繰り返した。次に、目開きが35μmのメッシュを用いて篩い、トナー1を得た。
[反応性前駆体(a1)]に代えて[反応性前駆体(a2)]用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相2]および[トナー母体粒子2]を得た。また、[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子2]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー2]を作成した。
[反応性前駆体(a1)]に代えて[反応性前駆体(a3)]、[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]に代えて[非晶性ポリエステル樹脂(B1)]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相3]および[トナー母体粒子3]を得た。また、[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子3]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー3]を作成した。
[反応性前駆体(a1)]5部に代えて[反応性前駆体(a1)]10部、[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]83部に代えて[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]78部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相4]および[トナー母体粒子4]を得た。また、[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子4]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー4]を作成した。
[反応性前駆体(a1)]5部に代えて[反応性前駆体(a1)]15部、[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]83部に代えて[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]73部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相5]および[トナー母体粒子5]を得た。また、[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子5]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー5]を作成した。
[反応性前駆体(a1)]5部に代えて[反応性前駆体(a4)]10部、[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]83部に代えて[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]78部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相6]および[トナー母体粒子6]を得た。また、[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子6]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー6]を作成した。
[反応性前駆体(a1)]5部に代えて[反応性前駆体(a5)]10部、[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]83部に代えて[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]78部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相7]および[トナー母体粒子7]を得た。また、[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子7]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー7]を作成した。
[反応性前駆体(a1)]5部に代えて[反応性前駆体(a2)]10部、[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]83部に代えて[非晶性ポリエステル樹脂(B3)]78部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相8]および[トナー母体粒子8]を得た。また、[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子8]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー8]を作成した。
[反応性前駆体(a1)]に代えて[反応性前駆体(a6)]、[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]に代えて[非晶性ポリエステル樹脂(B1)]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相9]および[トナー母体粒子9]を得た。また、[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子9]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー9]を作成した。
[反応性前駆体(a1)]に代えて[反応性前駆体(a7)]、[非晶性ポリエステル樹脂(B2)]に代えて[非晶性ポリエステル樹脂(B1)]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[油相10]および[トナー母体粒子10]を得た。また、[トナー母体粒子1]に代えて[トナー母体粒子10]を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、[トナー10]を作成した。
また、得られた[トナー1]〜[トナー10]の物性値を表2に示す。
なお、表1中のトナーの各成分の配合量を示す数値は固形分換算の数値である。
[キャリア]100部に対し、[トナー1]7部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し、二成分現像剤である[現像剤1]を作製した。
また、[現像剤1]の製造における[トナー1]を[トナー2]〜[トナー10]代えたこと以外は[現像剤1]の製造と同様にして[現像剤2]〜[現像剤10]を作製した。
上記[現像剤1]〜[現像剤10]を用いて[トナー1]〜[トナー10]について定着温度幅及び画像剥がれについて評価した。評価結果を表3に示す。
表3に示されるように、本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
評価方法を以下に示す。
≪定着温度幅≫
リコー社製カラープロダクションプリンター RICOH Pro C7200Sに入れて、評価を実施した。転写紙(リコービジネスエキスパート株式会社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.1mg/cm2のベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を、転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行った。
定着下限温度はオフセットがほぼ発生しない温度(オフセットの発生数が5個未満)である温度を定着下限温度とする。また、定着上限温度は光沢低下が最大光沢度より10%以内である温度とした場合、定着下限と定着上限の温度幅のことをいう。定着温度幅が広いほど、定着性に優れる。
定着温度幅と同様にして得られた定着下限温度のベタ画像において、定着画像表面を描画試験器AD−401(上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く10回擦り、画像の削れ度合いをランクで評価した。
〔評価基準〕
ランク5:画像が剥がれない
ランク4:描画部分がやや剥がれる
ランク3:描画部分が半分剥がれる
ランク2:描画部分がすべて剥がれる
ランク1:描画部分以外の部分も剥がれる
10 画像読取部
101コンタクトガラス
102読取センサ
11 作像部
110S、110Y、110M、110C、110K作像ユニット
111K 帯電装置
111S 帯電装置
112S、112Y、112M、112C、112K 感光体
114K 現像装置
115K 除電装置
116K 感光体クリーニング装置
113 露光装置
114S 現像装置
115S 除電装置
116S 感光体クリーニング装置
12 給紙部
121 用紙収容部
122 給紙ピックアップローラ
123 給紙ベルト
124 レジストローラ
13 転写部
131 中間転写ベルト
132 駆動ローラ
133 従動ローラ
134S、134Y、134M、134C、134K 1次転写ローラ
135 2次転写ローラ
136 2次転写対向ローラ
137 トナー付着量センサ
138 ベルトクリーニング装置
139 2次転写ニップ
130 2次転写バイアス電源
138 ベルトクリーニング装置
14 定着部
141 定着ベルト
142 加圧ローラ
143 定着ローラ
144 加熱ローラ
15 排紙部
151 用紙収容部
a 平板状顔料
Claims (7)
- 金属を主成分とする平板状顔料を含むトナーであって、
該トナーは、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定における重量平均分子量(Mw)が5000以上14000以下であり、かつ結着樹脂としてTHFに不溶なポリエステル樹脂(A)を含有し、該トナーのTHF不溶分の示差走査熱量測定(DSC)による昇温1回目のDSC曲線から求められるガラス転移温度(Tg)が−60℃以上10℃以下であることを特徴とするトナー。 - 前記トナー中のTHF不溶分の量が5質量%以上15質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂(A)が、ウレタン結合またはウレア結合の少なくともいずれかを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂(A)が、構成成分としてアルコール成分を含有し、炭素数3〜10の脂肪族ジオールを前記アルコール成分の50mol%以上含有し、前記脂肪族ジオールの主鎖は下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- トナーの円形度が0.950〜0.985であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のトナーを収容した、トナー収容ユニット。
- 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を含み、
前記トナーが、請求項1〜5のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
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