JP2020144068A - 磁気エンコーダ及びこれを備えた密封装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、下記特許文献3には、軸受装置の内輪の外周面に外嵌されるスリンガの立板部に、内輪の端面に弾性接触される弾性部材からなる遮蔽リップを設けたシールが開示されている。
また、上記特許文献3に記載されたものでは、スリンガの立板部に磁気エンコーダとこの磁気エンコーダから離間させて遮蔽リップとを設けた構成としているので、遮蔽リップと立板部との接着面積を確保するためには、磁気エンコーダの径方向に沿う寸法が小さくなる懸念があった。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
図1及び図2は、第1実施形態に係る磁気エンコーダの一例、これを備えた密封装置の一例及びこれが適用される軸受装置(軸受部)の一例を模式的に示す図である。
図1では、自動車の車輪を軸回転可能に支持する軸受装置の一例としてのハブベアリングを示している。この軸受装置は、外輪2と、ハブ輪4と、このハブ輪4の軸L方向車体側(軸L方向一方側)に嵌合一体とされる内輪部材5と、外輪2とハブ輪4及び内輪部材5との間に介装される2列の転動体(ボール)8,8・・・と、を備えている。この例では、ハブ輪4及び内輪部材5が内輪3を構成する。
外輪2は、自動車の車体に固定される。内輪3(ハブ輪4及び内輪部材5)は、外輪2に対して、軸L回りに回転可能とされ、外輪2と内輪3とにより、相対的に回転する2部材が構成され、これら2部材間に被シール空間6が形成される。ハブ輪4には、等速ジョイント等を介して駆動源に連結されるドライブシャフトが同軸的にスプライン嵌合される。
また、被シール空間6における軸L方向一方側(車体側)の端部の外輪2と内輪部材5との間に、つまり、図1におけるX部に、図2(a)に示すように、本実施形態に係る磁気エンコーダ10を備えた密封装置1を装着した構造としている。また、被シール空間6における軸L方向他方側(車輪側)の端部の外輪2とハブ輪4との間にも詳細な図示は省略しているが、他の密封装置を装着した構造としている。これら軸L方向両側の密封装置1によって被シール空間6の軸L方向両端部が密封され、被シール空間6内への汚泥等の侵入や被シール空間6内に充填されたグリースの外部への漏出が抑制される。
本実施形態では、スリンガ11の円筒部12が内輪部材5に対して外嵌されるので、S極及びN極が周方向に交互に設けられた被検出領域における各極の外径側よりも周方向に沿う寸法が小とされた内径側の磁力を向上させることができる。つまり、シール部17を設けながらも、内径側にも被検出領域を広げることができるので、内径側にも磁気センサ9によって検出可能な領域が広がり、磁気センサ9のサイズや取り付け位置の自由度を向上させることができる。
本実施形態では、このシール部17の軸L方向一方側(車体側)を向く車体側面17aと環状磁性部15の車体側面15aとを同一平面状としている。このような構成とすれば、シール部17が環状磁性部15よりも軸L方向一方側に突出するようなものと比べて、シール部17の軸L方向に沿う寸法を確保しながらも、他の部材への干渉を抑制することができる。また、環状磁性部15の車体側面15aとシール部17の車体側面17aとの間に段差が形成されるものと比べて、容易に製造することができる。
また、シール部17と環状磁性部15とは、金型内に配置されたスリンガ11に対して二色成形等によって固着一体化されたものでもよい。
また、本実施形態では、弾性部材24に、複数のシールリップ25,26,27を設けた構成としている。図例では、弾性部材24に、シールリップ25,26,27として、スリンガ11の円板部13の軸L方向他方側(車輪側)に向くアキシャル面に摺接するアキシャルリップ25と、スリンガ11の円筒部12の外周面となるラジアル面に摺接するラジアルリップ26及びグリースリップ27と、を設けた例を示している。なお、弾性部材24に設けられるシールリップ25,26,27の個数や形状は、図例に限られない。
なお、以下の各実施形態では、先に説明した実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また、先に説明した実施形態と同様に奏する作用効果についても説明を省略または簡略に説明する。
また、以下の各実施形態に係る磁気エンコーダ1A〜1Dも、上記第1実施形態と同様、シール部材20とによって密封装置1A〜1Dを構成し、相対的に同軸回転する内側部材としての内輪3及び外側部材としての外輪2で構成される軸受装置に装着される(図1参照)。
本実施形態では、磁気エンコーダ10Aのスリンガ11Aに、内輪部材5の外周面5bとによって軸L方向に開口する凹所が形成されるように円筒部12の軸L方向一端部(車体側端部)から径方向に屈曲するように形成された屈曲部14を設けた構成としている。また、シール部17Aを、屈曲部14と内輪部材5の外周面5bとによって形成される凹所を封止するように屈曲部14に固着させた構成としている。このような構成とすれば、上記同様、弾性材料からなるシール部17Aが内輪部材5の外周面5bに当接されるので、環状磁性体自体に当接部を設けたものと比べて、密封性を向上させることができる。また、屈曲部14にシール部17Aを固着しているので、シール部17Aの固着強度を確保し易くなり、また、シール部17Aの軸L方向に沿う寸法を大きくして内輪部材5の外周面5bに対する当接面積を大きくすることができる。これにより、上記同様、シール部17Aの径方向に沿う寸法を小さくして環状磁性部15の径方向に沿う寸法を大きくすることができ、また、密封性をより効果的に向上させることができる。
また、本実施形態においてもシール部17Aの車体側面17aと環状磁性部15の車体側面15aとを同一平面状とし、シール部17Aに突部18Aを設けた構成としている。本実施形態では、突部18Aを凹所封止部19側に至るように設け、突部18Aの軸L方向に沿う寸法を上記第1実施形態よりも大としている。このように凹所封止部19を設けた構成とすることで、突部18Aの軸L方向に沿う寸法を効果的に大きくすることができるので、密封性を効果的に向上させることができる。
本実施形態においても、第2実施形態と同様、スリンガ11Aにテーパー状の屈曲部14を設け、シール部17Bに凹所封止部19を設けた構成としている。
本実施形態では、シール部17Bは、環状磁性部15の径方向一端部(本実施形態では、径方向内側端部)から径方向に分離して設けられている。このような構成とすれば、例えば、環状磁性部15の径方向一端部とシール部17Bとの隙間Gに成形時にスリンガ11Aを押える部材を配置することで製造性を向上させる効果や、隙間Gに成形時に仕切を配置することで、環状磁性部15とシール部17Bとの境界部における混和を抑制する効果が期待できる。
本実施形態においても、第2実施形態及び第3実施形態と概ね同様、スリンガ11Bに屈曲部14Aを設け、シール部17Cに凹所封止部19Aを設けた構成としている。
本実施形態では、第2実施形態及び第3実施形態とは異なり、屈曲部14Aは、円筒部12の軸方向一端部(車体側端部)から径方向に延びるように設けられ凹所の底側を区画する底壁部14aと底壁部14aの延出方向先端部から軸L方向に延びるように設けられ凹所の一方の内側面を区画する側壁部14bとを備えている。つまり、本実施形態では、屈曲部14Aを段状とした構成としている。このような構成とすれば、屈曲部14Aをテーパー状としたものと比べて、スリンガ11Bに対するシール部17Cの固着強度を向上させることができ、また、シール部17C(凹所封止部19A)の体積を効果的に大きくすることができる。
また、本実施形態においてもシール部17Cを環状磁性部15の径方向内側端部に一体成形し、シール部17Cの車体側面17aと環状磁性部15の車体側面15aとを同一平面状としている。また、本実施形態においてもシール部17Cに突部18Aを設けた構成としている。
本実施形態においても、第4実施形態と同様、スリンガ11Bに段状の屈曲部14Aを設け、シール部17Dに凹所封止部19Aを設けた構成としている。
本実施形態では、シール部17Dは、上記第3実施形態と同様、環状磁性部15の径方向一端部(本実施形態では、径方向内側端部)から径方向に分離して設けられている。
また、上記各実施形態では、シール部17,17A〜17Dに、突部18,18Aを設けた例を示しているが、このような突部18,18Aを設けていない構成としてもよい。この場合は、シール部17,17A〜17Dの軸心側に向く面が内輪部材5の外周面5bに当接するようにシール部17,17A〜17Dを適宜変形するようにしてもよい。
また、上記各実施形態において説明した磁気エンコーダ10,10A〜10Dの各部の構成は、一例に過ぎず、その他、種々の変形が可能である。
10,10A〜10D 磁気エンコーダ
11,11A,11B スリンガ
12 円筒部
13 円板部
14,14A 屈曲部
14a 底壁部
14b 側壁部
15 環状磁性部
15a 車体側面(軸方向一方側を向く面)
17,17A〜17D シール部
17a 車体側面(軸方向一方側を向く面)
18,18A 突部
20 シール部材
21 芯金
24 弾性部材
25 アキシャルリップ(シールリップ)
26 ラジアルリップ(シールリップ)
27 グリースリップ(シールリップ)
2 外輪(外側部材、固定側部材)
3 内輪(内側部材、回転側部材)
5b 外周面(周面)
Claims (10)
- 相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材のうちの一方の回転側部材に装着される磁気エンコーダであって、
前記回転側部材の周面に嵌合される円筒部及び該円筒部の軸方向一端部から径方向に延びる円板部を有するスリンガと、前記円板部に固着された磁性ゴムからなる環状磁性部と、前記環状磁性部の径方向一端部に一体成形され、前記回転側部材の周面に当接される弾性材料からなるシール部と、を備えていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 相対的に同軸回転する内側部材及び外側部材のうちの一方の回転側部材に装着される磁気エンコーダであって、
前記回転側部材の周面に嵌合される円筒部、前記回転側部材の周面とによって軸方向に開口する凹所が形成されるように前記円筒部の軸方向一端部から径方向に屈曲するように形成された屈曲部及び該屈曲部の軸方向一端部から径方向に延びる円板部を有するスリンガと、前記円板部に固着された磁性ゴムからなる環状磁性部と、前記凹所を封止するように前記屈曲部に固着され、前記回転側部材の周面に当接される弾性材料からなるシール部と、を備えていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項2において、
前記屈曲部は、前記円筒部の軸方向一端部から離れるに従い前記回転側部材の周面から遠ざかるようにテーパー状に形成されていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項2において、
前記屈曲部は、前記円筒部の軸方向一端部から径方向に延びるように設けられ前記凹所の底側を区画する底壁部と該底壁部の延出方向先端部から軸方向に延びるように設けられ前記凹所の一方の内側面を区画する側壁部とを備えていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項2乃至4のいずれか1項において、
前記シール部は、前記環状磁性部の径方向一端部に一体成形されていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項2乃至4のいずれか1項において、
前記シール部は、前記環状磁性部の径方向一端部から径方向に分離して設けられていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項1乃至6のいずれか1項において、
前記シール部には、前記回転側部材の周面に弾接される突部が全周に亘って設けられていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項1乃至7のいずれか1項において、
前記環状磁性部の軸方向一方側を向く面と前記シール部の軸方向一方側を向く面とは、同一平面状とされていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 請求項1乃至8のいずれか1項において、
前記スリンガの円筒部は、前記回転側部材としての前記内側部材の外周面に嵌合される構成とされていることを特徴とする磁気エンコーダ。 - 相対的に同軸回転する内側部材と外側部材との間に装着される密封装置であって、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の磁気エンコーダと、前記内側部材及び前記外側部材のうちの他方の固定側部材に装着される芯金に、前記磁気エンコーダのスリンガに弾接されるシールリップを有した弾性部材を固着した構成とされたシール部材と、を備えていることを特徴とする密封装置。
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