JP2020142761A - 車両用演算システム - Google Patents

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【課題】高精度の自動運転を実現するための車両用演算システムを提供する。【解決手段】車両用演算システムは、車外環境の情報を取得する手段の出力を受け、車両の周囲の3次元情報と車外環境モデル15とを対照することにより、道路および障害物を含む車外環境を推定する車外環境推定部10と、推定された道路上において推定された障害物を回避する当該車両の走行経路を生成する経路生成部30と、経路生成部30が生成した走行経路に沿って走行する際に生起する、当該車両の平面的な運動と車体の上下方向の姿勢変化を、車両6軸モデル45を参照して推定する目標運動決定部40とを備える。【選択図】図1

Description

ここに開示する技術は、例えば車両の自動運転のために用いられる車両用演算システムに関する。
特許文献1には、車両に搭載されたエンジン、ステアリング等の複数の車載機器を制御するシステムが開示されている。この制御システムでは、複数の車載機器を制御するため、統合制御部、ドメイン制御部、および機器制御部に階層化された構成を備えている。
特開2017−061278号公報
高精度の自動運転を実現するためには、車両周囲の環境だけでなく、ドライバの状態や車両の状態等、様々な情報を基にして、総合的な判断により車両の運動を制御しなければならない。このためには、カメラやセンサ、あるいは車外ネットワーク等からの膨大な量のデータを高速に処理して、瞬間毎に車両の最適運動を決定し、各アクチュエータを操作する必要があり、そのための演算システムを構築する必要がある。
ここに開示する技術はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高精度の自動運転を実現するための車両用演算システムを提供することにある。
具体的にここに開示する技術は、車両に搭載され、当該車両の走行を制御するための演算を実行する車両用演算システムであって、車外環境の情報を取得する手段の出力を受け、車両の周囲の3次元情報と車外環境モデルとを対照することにより、道路および障害物を含む車外環境を推定する車外環境推定部と、前記車外環境推定部の出力を基にして、推定された道路上において推定された障害物を回避する当該車両の走行経路を生成する経路生成部と、前記経路生成部の出力を基にして、前記経路生成部が生成した走行経路に沿って走行する際に生起する、当該車両の平面的な運動と車体の上下方向の姿勢変化を、車両6軸モデルを参照して推定し、推定した平面的な動きおよび車体の上下方向の姿勢変化を、当該車両の目標運動として決定する目標運動決定部とを備える。
この構成によると、車両用演算システムにおいて、車外環境推定部は、車両に搭載されたカメラやレーダー等の、車外環境の情報を取得する手段の出力を受け、車両の周囲の3次元情報と車外環境モデルとを対照することにより、道路および障害物を含む車外環境を推定する。経路生成部は、推定された道路上において推定された障害物を回避する当該車両の経路を生成する。目標運動決定部は、経路生成部が生成した走行経路に沿って走行する際に生起する、当該車両の平面的な運動と車体の上下方向の姿勢変化を、車両6軸モデルを参照して推定し、推定した平面的な動きおよび車体の上下方向の姿勢変化を、当該車両の目標運動として決定する。これにより、車外環境モデルや車両6軸モデルを用いた演算処理によって、車両の運動を的確に制御することができる。
そして、上述した車両用演算システムは、前記目標運動決定部が決定した目標運動を実現するための、駆動力、制動力および操舵角を算出するとともに、算出した駆動力、制動力および操舵角を車両エネルギーモデルと対照して、当該駆動力、制動力および操舵角を生成するよう各アクチュエータの操作信号を生成するエネルギーマネジメント部を備える、としてもよい。
この構成により、車両用演算システムは、エネルギーマネジメント部によって、目標運動決定部の出力に従って、各アクチュエータの操作信号を生成することができる。
また、ドライバの状態を計測する手段の出力を受け、人間モデルと対照して、ドライバの状態を推定するドライバ状態推定部を備え、前記経路生成部は、前記ドライバ状態推定部が推定したドライバ状態に適合する経路生成を行う、としてもよい。
この構成により、ドライバ状態推定部は、車室内に配置されたカメラ等の、ドライバの状態を計測する手段の出力を受け、人間モデルを用いて、ドライバの状態を推定する。そして、経路生成部は、推定された車外環境に加えて、ドライバ状態推定部の出力を用いて、経路生成を行う。これにより、車両周囲の環境だけでなく、ドライバの状態を基にした総合的な判断により、車両の運動をより的確に制御することができる。
そして、前記目標運動決定部は、前記ドライバ状態推定部の出力を用いて、前記経路生成部が生成した走行経路に沿って走行する際の当該車両の、平面的な運動と、車体の上下方向の姿勢変化とを含む、目標運動を決定する、としてもよい。
この構成により、当該車両の目標運動が、ドライバ状態推定部の出力を用いて決定される。これにより、経路生成だけでなく、目標運動の決定についても、車両周囲の環境だけでなく、ドライバの状態を基にした総合的な判断を行うことができる。
本開示によると、車外環境モデルや車両6軸モデルを用いた演算処理によって、車両の運動を的確に制御することができる。
実施形態に係る車両用演算システムの機能構成 車両のアクチュエータおよびその制御装置の具体例
図1は実施形態に係る車両用演算システムの機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、車両用演算システムは、車両に搭載された情報処理ユニット1を備えている。情報処理ユニット1は、車両に関する各種の信号やデータを入力とし、これらの信号やデータを基にして、例えば深層学習によって生成した学習済みモデルを利用して、演算処理を実行し、車両の目標運動を決定する。そして、決定した目標運動に基づいて、車両の各アクチュエータ200の操作信号を生成する。
情報処理ユニット1の機能は、単一チップで実現される場合があり、また、複数のチップで実現される場合がある。複数のチップで実現される場合、その複数のチップは、共通の基板に搭載されていてもよいし、異なる基板に搭載されていてもよい。ただし、本実施形態では、情報処理ユニット1は、単一の筐体内に構成されている。
<情報処理ユニットの入力の例>
情報処理ユニット1は、車両に搭載されたカメラ、センサやスイッチ類の出力と、車両の外部からの信号やデータ等を入力とする。例えば、車外環境の情報を取得するための手段の例である、車両に搭載されたカメラ101やレーダー102等の出力、GPS等の測位システムの信号111、車外ネットワークから送信される例えばナビゲーション用のデータ112、ドライバの情報を取得するための手段の例である、車室内に設置されたカメラ120等の出力、車両の挙動を検出するセンサ類130の出力、ドライバの操作を検出するセンサ類140の出力を、入力とする。
車両に搭載されたカメラ101は、車両の周囲を撮像し、撮像した画像データを出力する。車両に搭載されたレーダー102は、車両の周囲へ向けて電波を送信し、対象物からの反射波を受信する。そして、レーダー102は、送信波と受信波に基づいて、車両から対象物までの距離や車両に対する対象物の相対速度を測定する。なお、車外環境の情報を取得するための手段としては、この他にも例えば、レーザレーダや超音波センサ等がある。
ドライバの情報を取得するための手段は、車室内に設置されたカメラ120の他に、例えば、皮膚温センサ、心拍センサ、血流量センサ、発汗センサ等の生体情報センサがある。
車両の挙動を検出するセンサ類130としては、例えば、車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ等がある。ドライバの操作を検出するセンサ類140としては、例えば、操舵角センサ、アクセルセンサ、ブレーキセンサ等がある。
<情報処理ユニットの出力の例>
情報処理ユニット1は、車両の各アクチュエータ200を制御する制御装置に、操作信号を出力する。制御装置は、例えば、エンジン制御装置、ブレーキ制御装置、ステアリング制御装置等がある。各制御装置は、例えばECU(Electronic Control Unit)として実現されており、情報処理ユニット1とECUとは、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して接続されている。
図2はアクチュエータの具体例を示す図である。図2において、201はエンジン、202は変速機、203はブレーキ、204はステアリングである。パワートレインECU211、DSC(Dynamic Stability Control)マイコン212,ブレーキマイコン213、EPAS(Electric Power Assist Steering)マイコン214は、制御装置の例である。情報処理ユニット1は、決定した目標運動を実現するための当該車両の駆動力、制動力、および、操舵角を算出する。例えば、パワートレインECU211は、算出された駆動力に従って、エンジン201の点火時期や燃料噴射量を制御する。あるいは、EPASマイコン214は、算出された操舵角に従って、ステアリング204の操舵を制御する。
なお、その他のアクチュエータを制御する制御装置としては、例えば、エアバッグやドア等のボデーに関する制御を行うボデー系マイコン221や、車室内ディスプレイ222を制御するドライバ支援HMI(Human Machine Interface)ユニット223等がある。
図1に示す情報処理ユニット1の機能構成について、詳細に説明する。情報処理ユニット1は、例えば経路生成等の処理において、いわゆるモデル予測制御(MPC:Model Predictive Control)を実行する。モデル予測制御とは、端的にいうと、多変量の入力で多変量の出力を行う評価関数を持っておき、これを凸関数で解いて(多変量解析:多変量問題を効率的に解く数学的手法)、よいバランスのものを抽出する、というものである。この多変量の入力から多変量の出力を得るための関係式(これをモデルという)は、まずは設計者が対象の物理現象を基にして作成する。続いて、ニューラル学習(いわゆる教師なし学習)によってこの関係式を進化させていく。または、入力と出力を統計的にみて関係式をチューニングしていく方式によって、関係式を進化させる。
車両の出荷時には、メーカーが開発したモデルが実装されている。そして、車両のユーザの運転に合わせて、実装されたモデルがユーザに適合したものに進化していくようにしてもよい。あるいは、ディーラー等におけるソフトウェア更新によって、モデルを更新するようにしてもよい。
ここで、車両に搭載されたカメラ101、レーダー102の出力は、車外環境推定部10に送られる。GPS等の測位システムの信号111、車外ネットワークから送信される例えばナビゲーション用のデータ112は、経路探索部61に送られる。車室内に設置されたカメラ120の出力は、ドライバ状態推定部20に送られる。車両の挙動を検出するセンサ類130の出力は、車両状態計測部62に送られる。ドライバの操作を検出するセンサ類140の出力は、ドライバ操作認知部63に送られる。
<車外環境推定部>
車外環境推定部10は、車両に搭載されたカメラ101やレーダー102等の出力を受け、車外環境を推定する。推定する車外環境は、少なくとも道路および障害物を含む。ここでは、車外環境推定部10は、カメラ101やレーダー102のデータを基にして、車両の周囲の3次元情報と車外環境モデル15とを対照することにより、道路および障害物を含む車両環境を推定するものとする。車外環境モデル15は、例えば深層学習によって生成された学習済みモデルであって、車両周囲の3次元情報に対して、道路や障害物等を認識することができる。
例えば、物体認識・マップ生成部11は、カメラ101が撮像した画像から、画像処理によって、フリースペースすなわち物体が存在しない領域を特定する。ここでの画像処理には、例えば深層学習によって生成された学習済みモデルが利用される。そしてフリースペースを表す2次元のマップを生成する。また、物体認識・マップ生成部11は、レーダー102の出力から、車両の周辺に存在する物標の情報を取得する。この情報は、物標の位置や速度等を含む。
推定部12は、物体認識・マップ生成部11から出力された2次元のマップ、および物標の情報を結合させて、車両の周囲を表す3次元マップを生成する。ここでは、カメラ101の設置位置および撮像方向の情報、レーダー102の設置位置および送信方向の情報が用いられる。推定部12は、生成した3次元マップと車外環境モデル15とを対照することによって、道路および障害物を含む車両環境を推定する。
<ドライバ状態推定部>
ドライバ状態推定部20は、車室内に設置されたカメラ120によって撮像された画像から、ドライバの健康状態や感情、あるいは、身体挙動を推定する。健康状態としては、例えば、健康、軽い疲労、体調不良、意識低下等がある。感情としては、例えば、楽しい、普通、退屈、イライラ、不快等がある。
例えば、ドライバ状態計測部21は、車室内に設置されたカメラ120によって撮像された画像から、ドライバの顔画像を抽出し、ドライバを特定する。抽出した顔画像と特定したドライバの情報は、人間モデル25に入力として与えられる。人間モデル25は、例えば深層学習によって生成された学習済みモデルであり、当該車両のドライバであり得る各人について、その顔画像から、健康状態および感情を出力する。推定部22は、人間モデル25が出力したドライバの健康状態および感情を、出力する。
また、ドライバの情報を取得するための手段として、皮膚温センサ、心拍センサ、血流量センサ、発汗センサ等の生体情報センサが用いられる場合は、ドライバ状態計測部21は、生体情報センサの出力から、ドライバの生体情報を計測する。この場合、人間モデル25は、当該車両のドライバであり得る各人について、その生体情報を入力とし、健康状態および感情を出力する。推定部22は、人間モデル25が出力したドライバの健康状態および感情を、出力する。
また、人間モデル25として、当該車両のドライバであり得る各人について、車両の挙動に対して人間が持つ感情を推定するモデルを用いてもよい。この場合には、車両の挙動を検出するセンサ類130の出力、ドライバの操作を検出するセンサ類140の出力、ドライバの生体情報、推定した感情状態を時系列で管理して、モデルを構築すればよい。このモデルによって、例えば、ドライバの感情の高まり(覚醒度)と車両の挙動との関係を予測することが可能となる。
また、ドライバ状態推定部20は、人間モデル25として、人体モデルを備えていてもよい。人体モデルは、例えば、頭部質量(例:5kg)と前後左右Gを支える首周り筋力等を特定している。人体モデルは、車体の動き(加速度Gや加加速度)を入力すると、予想される乗員のフィジカルと主観を出力する。乗員のフィジカルとしては例えば、心地よい/適度/不快、主観としては例えば、不意/予測可能、等である。人体モデルを参照することによって、例えば、頭部がわずかでも仰け反らせるような車体挙動は乗員にとって不快であるので、その走行経路を選択しないようにすることができる。一方、頭部がお辞儀するように前に移動する車体挙動は乗員がこれに抗する姿勢をとりやすく、直ちに不快につながらないようので、その走行経路を選択するようにすることができる。あるいは、人体モデルを参照することによって、例えば、乗員の頭部が揺れないように、あるいは、生き生きするようにダイナミックに、目標運動を決定することができる。
<経路探索部>
経路探索部61は、GPS等の測位システムの信号111、車外ネットワークから送信される例えばナビゲーション用のデータ112を用いて、車両の広域経路を探索する。
<車両状態計測部>
車両状態計測部62は、車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ等の車両の挙動を検出するセンサ類130の出力から、車両の状態を計測する。そして、車内環境を表す車内環境モデル65を生成する。この車内環境は、湿度や温度、揺れや振動、音響的な騒音といった、乗員の特にフィジカルに影響を与える物理量を含む。車内環境推定部64は、車内環境モデル65を基にして、車内環境を推定し、出力する。
<ドライバ操作認知部>
ドライバ操作認知部63は、操舵角センサ、アクセルセンサ、ブレーキセンサ等のドライバの操作を検知するセンサ類140の出力から、ドライバの操作を認知する。
<経路生成部>
経路生成部30は、車外環境推定部10の出力と、経路探索部61の出力とを基にして、車両の走行経路を生成する。例えば、経路生成部30は、車外環境推定部10によって推定された道路上において、車外環境推定部10によって推定された障害物を回避する走行経路を生成する。車外環境推定部10の出力は、例えば、車両が走行する走行路に関する走行路情報が含まれている。走行路情報には、走行路自体の形状に関する情報や、走行路上の対象物に関する情報が含まれる。走行路形状に関する情報には、走行路の形状(直線、カーブ、カーブ曲率)、走行路幅、車線数、各車線幅等が含まれる。対象物に関する情報には、車両に対する対象物の相対位置及び相対速度、対象物の属性(種類、移動方向)等が含まれる。対象物の種類としては、例えば、車両、歩行者、道路、区画線等がある。
ここでは、経路生成部30は、ステートラティス法を用いて複数の経路候補を計算し、これらの中からそれぞれの経路候補の経路コストに基づいて、1つまたは複数の経路候補を選択するものとする。ただし、他の手法を用いて経路生成を行ってもよい。
経路生成部30は、走行路情報に基づいて走行路上に仮想のグリッド領域を設定する。このグリッド領域は、複数のグリッド点を有する。各グリッド点により、走行路上の位置が特定される。経路生成部30は、経路探索部61の出力を用いて、所定のグリッド点を目標到達位置に設定する。そして、グリッド領域内の複数のグリッド点を用いた経路探索により複数の経路候補を演算する。ステートラティス法では、あるグリッド点から車両の進行方向前方の任意のグリッド点へ経路が枝分かれしていく。したがって、各経路候補は、複数のグリッド点を順次に通過するように設定される。各経路候補は、各グリッド点を通過する時間を表す時間情報、各グリッド点での速度・加速度等に関する速度情報、その他車両運動に関する情報等も含む。
経路生成部30は、複数の経路候補から、経路コストに基づいて1つまたは複数の走行経路を選択する。ここでの経路コストは、例えば、レーンセンタリングの程度、車両の加速度、ステアリング角度、衝突の可能性等がある。なお、経路生成部30が複数の走行経路を選択する場合は、後述の目標運動決定部40やエネルギーマネジメント部50が、1つの走行経路を選択する。
<目標運動決定部>
目標運動決定部40は、経路生成部30が選択した走行経路について、目標運動を決定する。目標運動とは、走行経路をトレースするような操舵および加減速のことをいう。また、目標運動決定部40は、車両6軸モデル45を参照して、経路生成部30が選択した走行経路について、車体の動きを演算する。
ここで、車両6軸モデル45とは、走行中の車両の「前後」「左右」「上下」の3軸方向の加速度と、「ピッチ」「ロール」「ヨー」の3軸方向の角速度を、モデル化したものである。すなわち、車両の動きを古典的な車両運動工学的な平面上のみ(車両の前後左右(X−Y移動)とヨー運動(Z軸)のみ)で捉えるのではなく、4つの車輪にサスペンションを介して乗っている車体のピッチング(Y軸)およびロール(X軸)運動とZ軸の移動(車体の上下動)の、計6軸を用いて車両の挙動を再現する数値モデルである。
目標運動決定部40は、車両6軸モデル45を参照して車体の動きを演算し、この演算結果を用いて目標運動を決定する。すなわち、目標運動決定部40は、経路生成部30が生成した走行経路に沿って走行する際に生起する、当該車両の平面的な動きと車体の上下方向の姿勢変化を、車両6軸モデル45を参照して推定し、推定した平面的な動きと車体の上下方向の姿勢変化を、当該車両の目標運動として決定する。これにより、例えば、コーナリングで、いわゆるダイアゴナルロールの状態を生成することができる。
また例えば、目標運動決定部40は、車両6軸モデル45を参照して演算した車体の動き(加速度Gや加加速度)を、上述した人体モデルに入力して、予想される乗員のフィジカルと主観を取得してもよい。そして例えば、経路生成部30が複数の走行経路を選択している場合は、目標運動決定部40は、予想される乗員のフィジカルと主観に基づいて、1つの走行経路を選択するようにしてもよい。
また、目標運動決定部40は、ドライバ操作認知部63によってドライバの操作が認知されたときは、経路生成部30が選択した走行経路に従わないで、ドライバの操作に応じた目標運動を決定する。
<エネルギーマネジメント部>
エネルギーマネジメント部50は、目標運動決定部40が決定した目標運動を実現するための、駆動力、制動力および操舵角を算出する。そして、算出した駆動力、制動力および操舵角を生成するよう、各アクチュエータ200の操作信号を生成する。
例えば、車両運動エネルギー操作部51は、目標運動決定部40が決定した目標運動に対して、駆動系(エンジン、モーター、トランスミッション)、操舵系(ステアリング)、制御系(ブレーキ)に要求するトルク等の物理量を算出する。制御量算出部52は、目標運動決定部40が決定した目標運動を達成する上で、最もエネルギー効率がよくなるように各アクチュエータの制御量を算出する。例えば、車両運動エネルギー操作部51で決定されたエンジントルクを達成する上で、最も燃費が向上するような、吸排気バルブの開閉タイミングやインジェクタの燃料噴射タイミング等を算出する。ここでのエネルギーマネジメントには、車両熱モデル55や車両エネルギーモデル56が用いられる。例えば、算出した各物理量を車両エネルギーモデル56と対照して、エネルギー消費がより小さくなるように、各アクチュエータの運動量を振り分ける。
具体的には例えば、エネルギーマネジメント部50は、経路生成部30が選択した走行経路について、目標運動決定部40が決定した目標運動を基にして、エネルギーロスが最小となる動作条件を演算する。例えば、エネルギーマネジメント部50は、経路生成部30が選択した走行経路について、車両の走行抵抗を演算し、その経路のロスを求める。走行抵抗は、タイヤ摩擦、駆動系ロス、空気抵抗を含む。そして、このロスに打ち克つために必要な駆動力を発生するための運転条件を求める。例えば、内燃機関で最も燃料消費が少なくなる噴射・点火時期や、変速機でのエネルギーロスが小さい変速パターン、トルクコントロールのロックアップコントロールの運転条件を求める。あるいは、減速が求められる場合は、減速プロフィールを実現する、車両モデルのフットブレーキ、エンジンブレーキ、駆動補助モータの回生モデルの組み合わせを演算し、エネルギーロスが最も小さくなる動作条件を求める。
そして、エネルギーマネジメント部50は、求めた動作条件に従って、各アクチュエータ200の操作信号を生成し、各アクチュエータ200の制御装置に出力する。
(他の制御の例)
経路生成部30は、ドライバ状態推定部20の出力を用いて、車両の走行経路の生成を行ってもよい。例えば、ドライバ状態推定部20が、ドライバの感情を表すデータを経路生成部30に出力し、経路生成部30は、その感情を表すデータを用いて走行経路を選択する。例えば、感情が「楽しい」であるときは、車両の挙動が滑らかな経路を選択し、感情が「退屈」であるときは、車両の挙動の変化が大きい経路を選択する。
あるいは、経路生成部30は、ドライバ状態推定部20が有する人間モデル25を参照して、複数の経路候補の中から、ドライバの感情が最も高まる(覚醒度の高い)経路を選択してもよい。
また、経路生成部30は、車外環境推定部10が推定した車外環境から、車両に危険が迫っていると判断したとき、ドライバ状態に関わらず、緊急回避のための経路を生成してもよい。また、経路生成部30は、ドライバ状態推定部20の出力から、ドライバが運転不能または困難であると判断したとき(例えばドライバが意識を失っている)、車両を安全な場所に退避するための経路を生成してもよい。
また、目標運動決定部40は、ドライバ状態推定部20の出力から、ドライバが運転不能または困難であると判断したとき(例えばドライバが意識を失っている)、車両を安全な場所に退避するように、目標運動を決定してもよい。この場合、経路生成部30は、車両を安全な場所に退避するための経路を含めた複数の走行経路を生成するものとし、目標運動決定部40は、ドライバが運転不能または困難であると判断したとき、車両を安全な場所に退避するための経路を選択するようにしてもよい(オーバーライド)。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、単一の情報処理ユニット1が、車両に関する各種の信号やデータを基にして車両の目標運動を決定し、決定した目標運動に基づいて、車両の各アクチュエータ200の操作信号を生成するものとした。ただし、例えば、情報処理ユニット1が目標運動の決定までを行い、別の情報処理ユニットが、車両の各アクチュエータ200の操作信号を生成するようにしてもよい。この場合、単一の情報処理ユニット1は、車両に関する各種の信号やデータを基にして車両の目標運動を決定し、決定した目標運動を示すデータを出力する。そして、別の情報処理ユニットが、情報処理ユニット1から出力されたデータを受けて、車両の各アクチュエータ200の操作信号を生成する。
1 情報処理ユニット
10 車外環境推定部
15 車外環境モデル
20 ドライバ状態推定部
25 人間モデル
30 経路生成部
40 目標運動決定部
45 車両6軸モデル
50 エネルギーマネジメント部

Claims (4)

  1. 車両に搭載され、当該車両の走行を制御するための演算を実行する車両用演算システムであって、
    車外環境の情報を取得する手段の出力を受け、車両の周囲の3次元情報と車外環境モデルとを対照することにより、道路および障害物を含む車外環境を推定する車外環境推定部と、
    前記車外環境推定部の出力を基にして、推定された道路上において推定された障害物を回避する当該車両の走行経路を生成する経路生成部と、
    前記経路生成部の出力を基にして、前記経路生成部が生成した走行経路に沿って走行する際に生起する、当該車両の平面的な運動と車体の上下方向の姿勢変化を、車両6軸モデルを参照して推定し、推定した平面的な動きおよび車体の上下方向の姿勢変化を、当該車両の目標運動として決定する目標運動決定部とを備える
    ことを特徴とする車両用演算システム。
  2. 請求項1記載の車両用演算システムにおいて、
    前記目標運動決定部が決定した目標運動を実現するための、駆動力、制動力および操舵角を算出するとともに、算出した駆動力、制動力および操舵角を車両エネルギーモデルと対照して、当該駆動力、制動力および操舵角を生成するよう各アクチュエータの操作信号を生成するエネルギーマネジメント部を備える
    ことを特徴とする車両用演算システム。
  3. 請求項1または2記載の車両用演算システムにおいて、
    ドライバの状態を計測する手段の出力を受け、人間モデルと対照して、ドライバの状態を推定するドライバ状態推定部を備え、
    前記経路生成部は、前記ドライバ状態推定部が推定したドライバ状態に適合する経路生成を行う
    ことを特徴とする車両用演算システム。
  4. 請求項3記載の車両用演算システムにおいて、
    前記目標運動決定部は、前記ドライバ状態推定部の出力を用いて、前記経路生成部が生成した走行経路に沿って走行する際の当該車両の、平面的な運動と、車体の上下方向の姿勢変化とを含む、目標運動を決定する
    ことを特徴とする車両用演算システム。
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