JP2020142164A - 水処理用浄化剤の製造方法 - Google Patents

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彰 大場
隆明 篠原
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Abstract

【課題】高温焼成を行うことなく、水処理用浄化剤としての用途において十分な機械的強度を有する水処理用浄化剤を製造する。【解決手段】ケイチタン酸塩、チタン酸塩、含水酸化セリウム、鉄酸化物、及びマンガン酸塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の浄化成分とアルミノケイ酸塩との混合物をアルカリ剤の存在下に固化させる。更に水ガラスを混合することが好ましい。この場合、浄化成分の粉末とアルミノケイ酸塩の粉末とを混合した後、得られた粉末混合物と水ガラスとを混合することが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は水処理用浄化剤の製造方法に関するものであり、特に水中の汚染物質の浄化成分であるケイチタン酸塩、チタン酸塩、含水酸化セリウム、鉄酸化物、又はマンガン酸塩をバインダーにより造粒して水処理用浄化剤を製造する方法であって、高温での焼成を行うことなく、従って、耐熱性の低い浄化成分であってもその吸着性能を損なうことなく安価に造粒する方法に関する。
二チタン酸カリウム等のチタン酸塩や、ケイチタン酸塩、含水酸化セリウム、鉄酸化物、マンガン酸塩は、水中の放射性物質を吸着除去する浄化成分として知られている。これらの浄化成分を水処理用浄化剤として用いる場合、その取り扱い性の観点からバインダーで造粒することが行われている。
このバインダーとして有機系バインダーを用いた場合、比較的低温の焼成で造粒、固化することができるが、放射性廃液処理などに適用する場合、有機系バインダーではバインダーの放射線劣化が懸念される。そのためバインダーとしては無機バインダーを用いることが求められる。
特許文献1には、二チタン酸カリウム等のチタン酸塩を、アタパルジャイト等の粘土鉱物をバインダーとして用いて造粒し、造粒物を500〜900℃で焼成する方法が記載されている。
特開2013−246145号公報
特許文献1のように、粘土鉱物をバインダーとする方法では、500〜900℃といった高温焼成を必要とするため、結晶シリコチタネート系やマンガン酸系のような耐熱性の低い浄化成分を用いる場合、焼成の過程で浄化成分本来の吸着性能が損なわれるという問題がある。また、高温焼成のために製造コストが高くつくという問題もある。
浄化成分の吸着性能を維持するために焼成温度を下げると、水中で十分な機械的強度を有する浄化剤を製造することはできず、得られた浄化剤は水中に投入して一定時間浸漬すると崩壊してしまい、浄化剤由来の微粉が発生し、処理水の白濁、浄化機器の閉塞といった問題を引き起こす。
本発明は上記従来の問題点を解決し、高温焼成を行うことなく、水処理用浄化剤としての使用上、水中における十分な機械的強度を有する水処理用浄化剤を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、バインダーとしてカオリン等のアルミノケイ酸塩を用いることで、高温焼成を行うことなく、水中における十分な機械的強度を有する水処理用浄化剤を得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] ケイチタン酸塩、チタン酸塩、含水酸化セリウム、鉄酸化物、及びマンガン酸塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の浄化成分とアルミノケイ酸塩との混合物をアルカリ剤の存在下に固化させる水処理用浄化剤の製造方法。
[2] 前記アルミノケイ酸塩が、カオリン、ムライト、イライト、長石、及びゼオライトよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む[1]に記載の水処理浄化剤の製造方法。
[3] 前記浄化成分に対して前記アルミノケイ酸塩を5〜50質量%混合する[1]又は[2]に記載の水処理用浄化剤の製造方法。
[4] 前記混合物が更に水ガラスを含む[1]ないし[3]のいずれかに記載の水処理用浄化剤の製造方法。
[5] 前記混合物は、前記水ガラスを前記浄化成分に対して5〜50質量%含む[4]に記載の水処理用浄化剤の製造方法。
[6] 前記浄化成分の粉末と前記アルミノケイ酸塩の粉末とを混合した後、得られた粉末混合物と前記水ガラスとを混合する[4]又は[5]に記載の水処理用浄化剤の製造方法。
[7] 前記混合物を200℃以下の温度で乾燥、固化させる[1]ないし[6]のいずれかに記載の水処理用浄化剤の製造方法。
[8] 前記アルミノケイ酸塩が、焼成又はメカノケミカル処理を施した焼成アルミノケイ酸塩である[1]ないし[7]のいずれかに記載の水処理用浄化剤の製造方法。
[9] 前記混合物を成形した後、乾燥、固化させることにより、平均粒子径100〜3000μmの水処理用浄化剤を製造する[1]ないし[8]のいずれかに記載の水処理用浄化剤の製造方法。
本発明によれば、高温焼成を行うことなく、水中における十分な機械的強度を有する水処理用浄化剤を製造することができる。
このため、耐熱性の低い浄化成分であっても、本来の吸着性能(分配係数や飽和吸着量等)を損なうことなく、また、水中での使用時に崩壊することなく優れた浄化性能を発揮する。
しかも、本発明によれば、高温焼成を行う必要がなく、低温での乾燥処理のみで十分な機械的強度を有する水処理用浄化剤を製造することができるため、焼成コストを削減して水処理用浄化剤を安価に提供することができる。
実施例1〜4及び比較例1〜3の吸着性能の評価結果(Srの分配係数測定結果)を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、何ら本発明を限定するものではなく、本発明はその要旨を超えない範囲において、以下の実施形態に開示される各要素を種々変更して実施することができる。
本発明の水処理用浄化剤の製造方法は、ケイチタン酸塩、チタン酸塩、含水酸化セリウム、鉄酸化物、及びマンガン酸塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の浄化成分とアルミノケイ酸塩との混合物をアルカリ剤の存在下に固化させることを特徴とする。浄化成分とアルミノケイ酸塩の混合物には更に水ガラスを混合することが好ましい。また、アルミノケイ酸塩としては焼成アルミノケイ酸塩やメカノケミカル処理を施した焼成アルミノケイ酸塩が好ましい。
<メカニズム>
アルカリ剤の存在下にバインダーとしてアルミノケイ酸塩を用いることで、高温焼成を行うことなく機械的強度に優れた水処理用浄化剤を製造することができるメカニズムは以下のように考えられる。
即ち、アルミノケイ酸塩は、共存するアルカリ剤によりガラス化し、焼成を行うことなく、浄化成分を結着することができる。
ここに更に水ガラスが共存すると、アルミノケイ酸塩からのAlの溶出によりジオポリマー反応が起こり、結着力がより高められる。
特に、アルミノケイ酸塩として焼成アルミノケイ酸塩やメカノケミカル処理を施した焼成アルミノケイ酸塩を用いることで、ガラス化やジオポリマー化を促進し、より強固に決着することが可能となる。
<浄化成分>
本発明で用いる浄化成分は、ケイチタン酸塩、チタン酸塩、含水酸化セリウム、鉄酸化物、マンガン酸塩である。
これらの浄化成分は、放射性ストロンチウム等の放射性物質の吸着能を有し、放射性物質を含む水の浄化に有用である。
ケイチタン酸塩としては、結晶性ケイチタン酸塩、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、W(タングステン)またはMo(モリブデン)をドープしたケイチタン酸塩を用いることができる。
チタン酸塩としては、チタン酸アルカリ金属塩、特に層状の結晶構造を持つチタン酸アルカリ金属塩が好ましく、例えば二チタン酸カリウム(KTi)、三チタン酸ナトリウム(NaTi)、四チタン酸カリウム(KTi)などが挙げられる。
含水酸化セリウムとしては、酸化セリウム、焼成水酸化セリウム、塩化セリウムから生成した水酸化物などが挙げられる。
鉄酸化物としては、鉄塩から生成した水酸化鉄、赤鉄鉱、磁鉄鉱、針鉄鉱、褐鉄鉱などが挙げられる。
マンガン酸塩としては、層状の結晶構造もしくはトンネル状の結晶構造を有しているマンガン酸金属塩が望ましい。例えばマンガン酸ナトリウム(NaMn)などが挙げられる。
これらの浄化成分は平均粒子径が1〜150μmの範囲にある粉末状であることが好ましい。ここで、平均粒子径は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。後述のアルミノケイ酸塩の平均粒子径についても同様である。
ケイチタン酸塩やチタン酸塩の平均粒子径が1〜150μmの範囲であれば、吸着容量も高く、また、造粒工程におけるハンドリング性にも優れる。即ち、平均粒子径が1μm以上であれば、飛散や静電気による容器付着など製造上の難点が生じることがなく、また、平均粒子径が150μm以下であれば、比表面積の低下で吸着容量が低下することもない。
従って、本発明においては、このような粒子径のケイチタン酸塩やチタン酸塩を用いることが好ましい。ケイチタン酸塩やチタン酸塩の平均粒子径は、より好ましくは4〜50μmである。
ケイチタン酸塩やチタン酸塩は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
マンガン酸塩についてもチタン酸塩と同様に平均粒子径が1〜150μmであれば、ハンドリング性、浄化性能に優れたものとなる。マンガン酸塩の平均粒子径は特に4〜150μmであることが好ましい。
マンガン酸塩は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、処理対象水の水質に応じてケイチタン酸塩やチタン酸塩の1種又は2種以上とマンガン酸塩の1種又は2種以上とを混合して用いてもよいが、一般的にはケイチタン酸塩やチタン酸塩とマンガン酸塩とは混合されずに用いられる。
含水酸化セリウム、鉄酸化物の平均粒子径や使用形態についても同様である。
<アルミノケイ酸塩>
本発明では、バインダーとしてアルミノケイ酸塩を用いることを特徴とする。
アルミノケイ酸塩としては、カオリン、ムライト、イライト、長石、ゼオライトから選ばれる1種又は2種以上の成分を含むもの、特にカオリンを含むものが好ましく用いられるが、特に浄化成分の結着力に優れることから、焼成アルミノケイ酸塩、メカノケミカル処理を施した焼成アルミノケイ酸塩、とりわけ焼成カオリン(メタカオリン)、メカノケミカル処理を施したカオリン、或いはメカノケミカル処理を施した焼成カオリンを用いることが好ましい。
これらのアルミノケイ酸塩の平均粒子径は通常4〜50μm程度である。
バインダーとしてのカオリン等のアルミノケイ酸塩は、浄化成分に対して5〜50質量%、特に10〜40質量%の割合で用いることが好ましい。アルミノケイ酸塩の添加量が少ないと得られる水処理用浄化剤の強度が十分でない傾向があり、多過ぎると相対的に浄化成分の含有量が少なくなって、浄化性能が低下する傾向がある。
<アルカリ剤>
浄化成分にアルミノケイ酸塩の結着力を作用させるために、本発明においては、アルカリ剤の存在下で固化させる。このアルカリ剤は、浄化成分とアルミノケイ酸塩との混合物内に存在すればよく、例えば、二チタン酸カリウムのように、それ自体がアルカリ性でアルカリ剤として機能する浄化成分を用いる場合は、別途アルカリ剤を添加する必要はない。
中性ないしは酸性の浄化成分を固化させる場合には、NaOHやKOH等のアルカリ剤を混合する。これらのアルカリ剤は水溶液として添加しても固体状(粉末状)で添加しても良い。
アルカリ剤の添加量は特に制限はないが、アルミノケイ酸塩のガラス化の観点から全質量に対してアルカリ剤の純分として2〜5質量%程度とすることが好ましい。
<水ガラス>
アルミノケイ酸塩と共に水ガラスを混合することにより、前述の通り、結着力をより高めることができる。
水ガラスは、そのまま用いてもよく、水で希釈して用いてもよい。
水ガラスを水で希釈することにより水ガラスの粘度を下げて混合操作を容易にすることができる。
この場合、水ガラスは、水ガラス:水=1:0〜3(質量比)の割合で水で希釈して用いることが好ましい。
水ガラスを用いる場合、水ガラス(希釈しない状態の水ガラスとして)は、浄化成分に対して5〜50質量%、特に5〜25質量%程度用いることが好ましい。水ガラスの混合割合が上記下限以上であれば水ガラスを用いることによる結着力の向上効果を十分に得ることができる。水ガラスの混合割合が上記上限以下であれば、得られる水処理用浄化剤の浄化成分の含有量を確保して浄化性能に優れた水処理用浄化剤とすることができる。
<可塑剤>
本発明においては、浄化成分にアルミノケイ酸塩と共に必要に応じて可塑剤を混合してもよい。
可塑剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)等の水溶性高分子の1種又は2種を用いることができる。これらのうち、水を多く含ませることができる観点からカルボキシメチルセルロースを用いることが好ましい。
可塑剤を用いる場合、可塑剤は、浄化成分に対して0.5〜5質量%、特に1〜3質量%用いることが好ましい。可塑剤の混合量が上記範囲内であれば、優れた造粒成形性を得ることができる。
<混合手順>
本発明の水処理用浄化剤の製造方法では、浄化成分とアルミノケイ酸塩とは粉末の状態で混合し、この粉末混合物に水ガラス或いは水で希釈した水ガラスを混合することが好ましい。また、アルカリ剤を用いる場合は、浄化成分とアルミノケイ酸塩との粉末混合物にアルカリ剤水溶液を添加して混合し、更に水ガラス或いは水で希釈した水ガラスを混合することが好ましい。
このような混合手順とすることで、各成分を均一に混合して十分な結着力を有する水処理用浄化剤を得ることができる。
希釈した水ガラスやアルカリ剤水溶液として混合系に持ち込まれる水の量は、本発明における混合を乾式で行うか、湿式で行うかによっても異なるが、乾式の場合は、粉末材料である浄化成分及びアルミノケイ酸塩が湿る程度(浄化成分に対して水が3〜10質量%程度)でよい。湿式の場合は、ペースト状の混合物となる程度(浄化成分に対して水が
10〜20質量%程度)が好ましい。
<成形>
上記の通り、浄化成分にアルミノケイ酸塩、更に水ガラス及び/又はアルカリ剤を混合することで、従来法のように焼成を行うことなく、低温での乾燥のみでアルミノケイ酸塩の結着作用で浄化成分を固化させることができる。
この固化に先立ち、混合物を成形してもよい。また、造粒による成形を行ってもよく、成形、固化後に粉砕、整粒してもよい。
成形方法としては、湿式混合で得られた混合物であれば、型に流し込んで成形する方法が挙げられる。また、乾式混合で得られた混合物であれば、圧縮成形等により適当な大きさに成形したり、造粒したりする方法が挙げられる。
造粒法としては、特に制限はなく、転動造粒法、又は押出造粒機を用いて柱状造粒物とした後、マルメライザーなどの成形機を用いて球状に成形する押出造粒法が挙げられる。特に、造粒物の密度を上げる観点から押出造粒法が好ましい。押出造粒機であれば、混練と造粒を同時に行うことができ、好ましい。
造粒等により得られる成形物の形状としては、球状が好ましいが、柱状、盤状、その他の形状であってもよい。
成形物の平均粒子径は好ましくは100〜3000μm、より好ましくは300〜2000μmである。この成形物の大きさが上記範囲よりも大きいと、表面積が小さくなってしまうため、浄化性能が低下し、小さいと吸着塔等のストレーナーからリークしたり、吸着塔の差圧が上昇したりするおそれがある。
なお、ここで、成形物の粒子径とは、成形物が球状であればその直径に該当し、その他の形状の場合、当該成形物と同等の体積を有する球の直径をさす。
また、造粒物等の成形物は、粒子径のバラツキが少なく粒子径が揃ったものであることが好ましく、均等係数(試料の粒度加積曲線において、全試料の60%が通過する試料の粒子径と10%が通過する試料の粒子径の比)が2以下、特に1〜1.5であることが好ましい。このように均等係数の小さい成形物を得るために、例えば、造粒により得られた造粒物を、乾燥前に又は乾燥後に、常法に従って分級・整粒する分級・整粒工程を行うことが好ましい。
<乾燥固化>
浄化成分及びアルミノケイ酸塩と、必要に応じて用いられる水ガラス及び/又はアルカリ剤の混合物の固化は、この混合物を必要に応じて成形ないし造粒した後、乾燥させることで行うことができる。
この乾燥は、乾燥器等を用いて室温(20℃程度)〜200℃の温度で30分〜72時間、養生、乾燥させることで行うことができ、これにより、水処理用浄化剤としての使用に十分な機械的強度を有する水処理用浄化剤を得ることができる。
なお、後述の実施例1〜4の結果からも明らかなように、乾燥温度を高くするよりも乾燥時間を長くする方が、機械的強度の高い水処理用浄化剤を得ることができる傾向があり、この観点から、乾燥条件としては80〜150℃で3〜24時間とすることが好ましい。
<水処理用浄化剤>
本発明の水処理用浄化剤の製造方法により製造された水処理用浄化剤は、チタン酸塩等の浄化成分本来の浄化性能が損なわれることなく、アルミノケイ酸塩の結着力で十分な機械的強度を示すものであり、吸着塔等に充填して高い浄化性能を発揮することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下の実施例及び比較例で用いた原材料は以下の通りである。
浄化成分:二チタン酸カリウム(平均粒子径20μm)
アルミノケイ酸塩:メカノケミカル処理を施した焼成カオリン(平均粒子径20μm)
水ガラス溶液:水ガラス1号と純水を1:1の質量比で混合したもの
ガラスフリット:平均粒子径15μm、軟化点600℃のガラスフリット
可塑剤:CMC粉末
粘土鉱物:アタパルジャイト
また、以下の実施例及び比較例で得られた水処理用浄化剤については、以下の(1),(2)の評価を行った。
(1)吸着性能の評価
水処理用浄化剤サンプルに対し、以下の手順で分配係数を測定し、Srの吸着性能を評価した。
(1) Sr濃度(初期Sr濃度)が100mg/Lとなるように、SrCl・6HOを用いて回分試験原水を調製した。
(2) 上記回分試験原水に、各水処理用浄化剤サンプルを10g/Lの固液比で添加し、3日間振盪した。
(3) 振盪後、上澄み水を孔径0.45μmのメンブレンフィルタで濾過し、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)によりSr濃度(平衡Sr濃度)を測定した。
(4) 下記の式でSrの分配係数Kdを算出した。
(分配係数Kd(mL/g))
=(平衡吸着量Qe(mg/g))/(平衡Sr濃度Ce(mg/L))×1,000(mL/L)
ここで、
(平衡吸着量Qe(mg/g))
=((初期Sr濃度Ci(mg/L))−(平衡Sr濃度Ce(mg/L)))/(固液比(g/L))
である。
(2)湿潤強度の評価
各水処理用浄化剤サンプルを固液比10g/Lで約1晩水に振盪し、振盪後の水処理用浄化剤の粒子の状態および上澄み水の白濁の度合いを観察し、下記基準で評価した。
<粒子状態>
◎:粒子の崩壊は殆どない。
○:粒子の崩壊がわずかにある。
△:粒子の崩壊があるが実用に耐え得る程度。
×:粒子の崩壊で実用不可。
<上澄み水の白濁の度合い>
○:上澄み水の白濁は少ない。
△:上澄み水が白濁している。
×:上澄み水の白濁が激しい。
<湿潤強度(総合評価)>
◎:湿潤強度が高く、水処理用浄化剤としての用途に非常に適する。
○:湿潤強度が十分であり水処理用浄化剤としての用途に適する。
△:湿潤強度が若干劣るが、実用に耐え得る。
×:湿潤強度が低く、水処理用浄化剤としての用途に不可。
[実施例1]
二チタン酸カリウム粉末20gに対して、メカノケミカル処理を施した焼成カオリンを4.0g添加し、十分に混合した。この粉末混合物に水ガラス溶液を約14g添加、混錬してスラリー状とした。
このスラリーを乾燥器の中で90℃で24時間保持し、乾燥固化した。
得られた固化体を粉砕機により粉砕し、ふるい分けにより分級し、粒径300〜1000μmのものを水処理用浄化剤サンプルとした。
[実施例2]
スラリーの乾燥条件を110℃、24時間としたこと以外は実施例1と同様にして水処理用浄化剤サンプルを製造した。
[実施例3]
スラリーの乾燥条件を130℃、6時間としたこと以外は実施例1と同様にして水処理用浄化剤サンプルを製造した。
[実施例4]
スラリーの乾燥条件を160℃、1時間としたこと以外は実施例1と同様にして水処理用浄化剤サンプルを製造した。
[比較例1]
二チタン酸カリウム粉末約200gに対して、バインダーとしてガラスフリットを40g、可塑剤としてCMC粉末8gを添加して十分に混合した。この粉末混合品に純水を約100g添加して混錬した。
得られた混錬物をダイス径0.7mmφで押出造粒し、整粒機でペレット状に整粒した。
上記造粒物を600℃で2時間焼成して水処理用浄化剤サンプルとした。
[比較例2]
二チタン酸カリウム粉末約200gに対して、バインダーとしてアタパルジャイトを40g、可塑剤としてCMC粉末8gを添加して十分に混合した。この粉末混合品に純水を約100g添加して混錬した。
得られた混錬物をダイス径0.7mmφで押出造粒し、整粒機でペレット状に整粒した。
上記造粒物を800℃で2時間焼成して水処理用浄化剤サンプルとした。
[比較例3]
二チタン酸カリウム粉末を比較例3の水処理用浄化剤サンプルとした。
実施例1〜4及び比較例1〜3の吸着性能の評価結果を図1に示す。
図1より、実施例1、2、3、4のカオリンを用いた水処理用浄化剤サンプルは、Srの分配係数Kd>2×10mL/gを示し、この値は比較例1のガラスフリットによる造粒品よりも高く、比較例2の粘土鉱物による造粒品と同等以上の吸着性能を示した。尚、バインダー成分を含まない比較例3の二チタン酸カリウム粉末品は最も高い分配係数を示した。
以上より、低温乾燥のみの本発明によれば、浄化成分本来の吸着性能を大きく損なうことがないことが分かる。
実施例1〜4及び比較例1〜3の湿潤強度の評価結果を表1に示す。
Figure 2020142164
表1より次のことが分かる。
実施例1、2では振盪後の粒子崩壊が非常に少なく、上澄み水の白濁も少なかった。実施例1、2に比べて乾燥温度が高く、乾燥時間の短い実施例3では、上澄み水の白濁は少ない(実施例1に比べると白濁ししている程度)。また、実施例1〜3より乾燥温度が高く、乾燥時間の短い実施例4では、粒子の崩壊および上澄み水の白濁が確認された。比較例1、2では粒子崩壊、上澄み水の白濁ともに少なかったが、実施例1,2のほうが優れている。一方で二チタン酸カリウム粉末である比較例3では当然ながら非常に水質が白濁した。
これらの結果から、本発明によれば、焼成を行うことなく、浄化成分本来の吸着性能を損なうことのない低温の乾燥のみで、水処理用浄化剤としての用途に十分な機械的強度を有する水処理用浄化剤を製造することができることが分かる。特に、実施例1、2では比較例1、2よりも高い湿潤強度が得られており、水処理用浄化剤として十分な機械的強度を有する。

Claims (9)

  1. ケイチタン酸塩、チタン酸塩、含水酸化セリウム、鉄酸化物、及びマンガン酸塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の浄化成分とアルミノケイ酸塩との混合物をアルカリ剤の存在下に固化させる水処理用浄化剤の製造方法。
  2. 前記アルミノケイ酸塩が、カオリン、ムライト、イライト、長石、及びゼオライトよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む請求項1に記載の水処理浄化剤の製造方法。
  3. 前記浄化成分に対して前記アルミノケイ酸塩を5〜50質量%混合する請求項1又は2に記載の水処理用浄化剤の製造方法。
  4. 前記混合物が更に水ガラスを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水処理用浄化剤の製造方法。
  5. 前記混合物は、前記水ガラスを前記浄化成分に対して5〜50質量%含む請求項4に記載の水処理用浄化剤の製造方法。
  6. 前記浄化成分の粉末と前記アルミノケイ酸塩の粉末とを混合した後、得られた粉末混合物と前記水ガラスとを混合する請求項4又は5に記載の水処理用浄化剤の製造方法。
  7. 前記混合物を200℃以下の温度で乾燥、固化させる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水処理用浄化剤の製造方法。
  8. 前記アルミノケイ酸塩が、焼成又はメカノケミカル処理を施した焼成アルミノケイ酸塩である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水処理用浄化剤の製造方法。
  9. 前記混合物を成形した後、乾燥、固化させることにより、平均粒子径100〜3000μmの水処理用浄化剤を製造する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の水処理用浄化剤の製造方法。
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