JP2020141584A - 果樹保護具及び果樹保護方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設備コスト及び設置に伴う作業コストなどの全体の大幅なコストダウンを図るとともに、設備資材の無駄を生じにくくして資源節減に有効に貢献する果樹保護具を提供する。【解決手段】所定の目合の大きさに選定し、かつ所定の外郭形状Fに形成したネット部材2,若しくは果樹Tの枝Tb及び/又は果樹Tに付随して設置した設備資材に対して掛け止め方式により着脱し、かつネット部材2の外周縁に沿って所定間隔おきに取付けた、複数のフック部材を具備してなる一又は二以上の果樹保護具1を用意し、フック部材を果樹Tの枝Tb及び/又は設備資材に掛止することにより、ネット部材2により、少なくとも鳥獣が果樹Tの内部に侵入可能な当該果樹Tにおける開口空間部Sを覆うようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、リンゴやブドウ等の果樹の鳥獣害を防止する際に用いて好適な果樹保護具及び果樹保護方法に関する。
一般に、リンゴやブドウ等の果樹栽培では、カラスやムクドリ等の鳥類、更にはアライグマやハクビシン等の獣類による被害が問題となっており、古くから光,音,天敵模型等により鳥獣を追い払う鳥獣害防止手段(忌避手段)が知られている。しかし、このような鳥獣害防止手段では、学習効果により次第に鳥獣が恐れなくなり、鳥獣害防止手段としての効果が限定的となるため、果樹や果樹園への鳥獣の侵入を阻止することにより、果樹を保護するようにした鳥獣害防止手段も用いられている。
従来、このような鳥獣害防止手段としては、特許文献1に開示される果樹覆いシートが知られている。この果樹覆いシートは、収穫間際の果実を雨害や鳥害から守るため、天井シート部を中心とし、開閉シートを具備した窓シート部、雨除けシート部、空気導入シート部を左右対称になるように横方向に一体的に連設し、l列の果樹群を包み込み可能な画積を有する平視矩形状を呈するように形成され、さらに、天井シート部、開閉シート及び雨除けシート部は通気性及び雨除け機能を有するシートよりなるとともに、窓シート部と空気導入シート部は通水性及び天井シート部よりは通気性の高いシートよりなり、開閉シートは窓シート部の全面を被覆可能に設けたものである。
特開2011−229517号公報
しかし、上述した特許文献1に記載される果樹覆いシートをはじめ、鳥獣の侵入を阻止する従来の鳥獣害防止手段は、次のような問題点があった。
第一に、比較的丈夫なシートやネット(ネット類)を使用し、保護対象物となる果樹や果樹園の回りのほぼ全体を覆うという基本的な思想により構築されるため、ネット類の使用量が多くなる傾向があるとともに、ネット類やこれを支持する支持部材などの設備には相応の強度が要求されるため、ネット類や支持部材などの設備コスト及び設置に伴う作業コストを含む全体のコストアップが無視できない。
第二に、大量のネット類や支持部材などを用いるかなり大掛かりな設備になるとともに、例えば、設置対象の果樹がリンゴであれば、果樹や圃場に応じた高さや面積などを考慮した固有の形態として構築する必要があるため、設置する果樹の対象を変更する場合、柔軟に対応(転用)しにくい。この結果、ネット類や支持部材等の設備資材に無駄が生じやすく、資源節減の観点からも望ましいものではない。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した果樹保護具及び果樹保護方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る果樹保護具1は、果樹Tを鳥獣から保護する果樹保護具であって、所定の目合の大きさに選定し、かつ所定の外郭形状Fに形成したネット部材2,若しくは果樹Tの枝Tb及び/又は果樹Tに付随して設置した設備資材Mに対して掛け止め方式により着脱し、かつネット部材2の外周縁2fに沿って所定間隔Lc…おきに取付けた、複数のフック部材3…を具備してなることを特徴とする。
一方、本発明に係る果樹保護方法は、果樹Tを鳥獣から保護する果樹保護方法であって、所定の目合の大きさに選定し、かつ所定の外郭形状Fに形成したネット部材2,若しくは果樹Tの枝Tb及び/又は果樹Tに付随して設置した設備資材Mに対して掛け止め方式により着脱し、かつネット部材2の外周縁2fに沿って所定間隔Lc…おきに取付けた、複数のフック部材3…を具備してなる一又は二以上の果樹保護具1…を用意し、フック部材3…を果樹Tの枝Tb及び/又は設備資材Mに掛止することにより、ネット部材2により、少なくとも鳥獣が果樹Tの内部に侵入可能な当該果樹Tにおける開口空間部Sを覆うようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、好適な態様により、ネット部材2は、合成樹脂素材Rにより形成し、外郭形状Fの少なくとも一方向Deに弾性変形可能に形成することができるとともに、このネット部材2は、目合の大きさとして、1目を、5〜10〔mm〕の範囲に選定することが望ましい。なお、果樹Tには、少なくともブドウGを含むツル性果樹Tvを含ませることができる。
このような本発明に係る果樹保護具1及び果樹保護方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 果樹保護具1は、所定の目合の大きさに選定し、かつ所定の外郭形状Fに形成したネット部材2,若しくは果樹Tの枝Tb及び/又は果樹Tに付随して設置した設備資材Mに対して掛け止め方式により着脱し、かつネット部材2の外周縁2fに沿って所定間隔Lc…おきに取付けた、複数のフック部材3…を具備してなるため、果樹保護具1は、所定の対象部位に対してのみ局所的に設置可能になり、ネット部材2の使用量を大幅に低減できるとともに、設置に際しては、果樹保護具1…以外の別途の支持部材等が不要になる。これにより、設備コスト及び設置に伴う作業コストなど、全体の大幅なコストダウンを図ることができる。
(2) 果樹保護方法を実施するに際しては、一又は二以上の果樹保護具1…を用意し、フック部材3…を果樹Tの枝Tb及び/又は設備資材Mに掛止することにより、ネット部材2により、少なくとも鳥獣が果樹Tの内部に侵入可能な当該果樹Tにおける開口空間部Sを覆うようにしたため、設置する対象部位に対して容易に着脱可能になり、果樹Tの異なる位置又は異なる果樹Tのように、設置する開口空間部Sを変更する場合であっても柔軟に対応(転用)することができる。これにより、設備資材Mに無駄が生じにくくなり、資源節減にも有効に貢献できる。
(3) 好適な態様により、ネット部材2を、合成樹脂素材Rにより形成し、外郭形状Fの少なくとも一方向Deに弾性変形可能に形成すれば、形状的に一種類の果樹保護具1…であっても、形状の変形により、更には二枚以上の組合わせ使用により、鳥獣が果樹Tの内部に侵入可能となる様々な大きさの開口空間部Sに対して柔軟に対応させることができるとともに、保管や管理の容易性及び利便性にも優れる。
(4) 好適な態様により、ネット部材2における目合の大きさとして、1目を、5〜10〔mm〕の範囲に選定すれば、カラス等の鳥類の進入を確実に阻止できるのみならず、鳥類のクチバシの挿入、即ち、クチバシによる採餌動作を阻止できるため、鳥害を有効に回避して果樹Tを有効に保護することができる。
(5) 好適な態様により、果樹Tには、少なくともブドウGを含むツル性果樹Tvを含むため、特に、ツル性果樹Tvとなるブドウ栽培にも適用できる。したがって、鳥獣による被害が無視できないブドウ栽培に対しても有効に機能させることができるなど、様々な果樹T…に幅広く利用でき、汎用性及び発展性に優れる。
本発明の好適実施形態に係る果樹保護方法により果樹に設置した果樹保護具の状態を示す使用説明図、 同果樹保護具の一部省略斜視図、 同果樹保護具に備えるフック部材の側面図、 同果樹保護具に備えるネット部材の部分抽出拡大図を含む一部を省略した模式的構成図、 同果樹保護具の使用時における斜視図、 同果樹保護方法によりブドウ棚の果樹に設置した果樹保護具の状態を示す使用説明図、 同果樹保護具に備えるネット部材の変更例を示す一部を省略した模式的形状図、 同果樹保護具に備えるネット部材の他の変更例を示す一部を省略した模式的形状図、 同果樹保護具と組合わせて使用可能なプロテクタの使用状態を示す外観正面図、 同プロテクタの使用状態の断面構造を示す正面図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る果樹保護具1の構成について、図2〜図4を参照して具体的に説明する。
図2に示すように、果樹保護具1の全体構成は、一枚のネット部材2と複数のフック部材3…を備える。
ネット部材2は、図4に示す一部抽出拡大図のように、菱形状の網目2p…を有し、かつ全体が所定の外郭形状Fとなるように、合成樹脂素材Rにより一体形成する。ネット部材2の形成素材は、強度に優れ、かつ低コストに製作できるものが望ましい。したがって、例示の素材には、ポリエチレン(PE)を用いた。なお、形成素材は、このような特定の合成樹脂素材Rに限定されるものではなく、各種素材を利用することができる。
網目2p…は、所定の目合の大きさに選定する。1目(網目2p)の大きさLeは、5〜10〔mm〕の範囲、より望ましくは7〜8〔mm〕の範囲で選定できる。このように、ネット部材2における目合の大きさとして、1目を、5〜10〔mm〕の範囲に選定すれば、カラス等の鳥類の進入を確実に阻止できるのみならず、鳥類のクチバシの挿入、即ち、クチバシによる採餌動作を阻止できるため、鳥害を有効に回避して果樹Tを有効に保護できる利点がある。また、ネット部材2の網線2rの太さLdは、特定の太さに限定されるものではないが、一例として、0.2〜0.3〔mm〕に選定することができる。
また、例示するネット部材2の外郭形状Fは、短辺2sと長辺2mを有する短冊状となり、例示のディメンションは、短辺2sの長さLsが約20〔cm〕、長辺2mの長さLmが約100〔cm〕である。この場合、短辺2sの長さLsは、外力が付加されない自然状態の長さである。したがって、例示のネット部材2は、合成樹脂素材R(PE素材)により一体成形するため、自然状態の短辺2sは短縮した状態となるとともに、図4に示す矢印De方向に引張ることにより伸長させることができ、伸長時の長さLkは、仮想線で示すように、短縮時の長さLsに対して概ね4〜5倍程度となる。例示の場合、短辺2sの長さLsは約20〔cm〕であるため、伸長時の長さLkは、長辺2mの長さLm(100〔cm〕)と同程度まで弾性変形可能となる。
このように、ネット部材2を形成するに際し、合成樹脂素材Rにより形成し、外郭形状Fの少なくとも一方向Deに弾性変形可能に形成すれば、形状的に一種類の果樹保護具1…であっても、形状の変形により、更には二枚以上の組合わせ使用により、鳥獣が果樹Tの内部に侵入可能となる様々な大きさの開口空間部Sに対して柔軟に対応させることができるとともに、保管や管理の容易性及び利便性にも優れる利点がある。
さらに、ネット部材2は、ピンク色又は濃いピンク色により着色することが望ましい。ピンク色、より望ましくは、濃いピンク色に選定すれば、経験上、鳥類(カラス,ムクドリ等)に対する忌避色と思われる着色を付加できるため、鳥類に対する忌避効果をより高めることができる。
他方、フック部材3は、図3に示すように、S字状の基本形態を有する線材の一方の円形部をネット部材2の網線2rに取付可能な取付部3jとして形成し、他方の円形部を果樹Tの枝Tb及び/又は果樹Tに付随して設置した棒材若しくは線材Mwを含む設備資材M(図6参照)に掛止可能な一部を開放した掛止部3sとして形成する。したがって、例示のフック部材3は、取付部3jが小径のリング円形状となり、掛止部3sはC形状となる。これにより、フック部材3は、果樹Tの枝Tb及び/又は設備資材Mに対して、掛け止め方式により着脱するフック部材3として構成される。
また、フック部材3の形成素材には、金属素材や硬質の合成樹脂素材を用いる。特に、フック部材3を形成する線材の太さは、掛止部3sを掛止状態にした際に容易に外れない太さであって、かつやや弾性変形する太さを選定することが望ましい。これにより、取付部3jに形成される僅かな隙間又は接触部から、ネット部材2の網線2rを、図3に示すように、当該取付部3jの内部に容易に収容することができる。
さらに、このフック部材3は、複数個用意し、図2及び図4に示すように、ネット部材2の外周縁2fに沿って所定間隔Lc…おきに取付ける。図2は、合計十八個取り付けた例を示し、各短辺2s,2sに三つのフック部材3…を等間隔に配するとともに、各長辺2m,2mに六個のフック部材3…を等間隔に配した。これにより、図2に示す目的とする果樹保護具1を得ることができる。
このように、本実施形態に係る果樹保護具1は、基本的な構成として、果樹Tを鳥獣から保護する果樹保護具であって、所定の目合の大きさに選定し、かつ所定の外郭形状Fに形成したネット部材2,若しくは果樹Tの枝Tb及び/又は果樹Tに付随して設置した設備資材Mに対して掛け止め方式により着脱し、かつネット部材2の外周縁2fに沿って所定間隔Lc…おきに取付けた、複数のフック部材3…を具備してなるため、果樹保護具1は、所定の対象部位に対してのみ局所的に設置可能になり、ネット部材2の使用量を大幅に低減できるとともに、設置に際しては、果樹保護具1…以外の別途の支持部材等が不要になる。これにより、設備コスト及び設置に伴う作業コストなど、全体の大幅なコストダウンを図ることができる。
次に、本実施形態に係る果樹保護方法を含む上述した果樹保護具1の使用方法について、図1〜図5を参照して説明する。
まず、果樹保護具1を使用するに際しては、必要と思われる複数(又は一つ)の果樹保護具1…を用意する。
図1は、果樹保護具1…を設置する対象となる果樹Tを示す。例示は、リンゴAを栽培する果樹Tを示す。なお、図1中、Taは幹、Tb…は枝、Tr…は葉、A…はリンゴを示す。この種の果樹Tでは、果樹Tの所々における、相隣る葉Tr…を付けた枝Tb…と葉Tr…を付けた枝Tb…の間に、大小様々な開口空間S…が存在し、この開口空間S…は、鳥獣、特に、鳥が果樹Tの内部に侵入するための出入口となる。このため、本実施形態に係る果樹保護方法では、図1に示すように、これらの大小様々な開口空間S…に対して、前述した果樹保護具1…を付設し、これらの開口空間S…を覆うことにより、この出入口を遮断するようにした。
果樹保護具1を設置するに際しては、図1に示すように、所定の開口空間Sに果樹保護具1(ネット部材2)を宛てがうとともに、図5に示すように、任意のフック部材3の掛止部3sを、適切な位置の枝Tbに掛け止めればよい。そして、複数のフック部材3…の全部又は一部を、近くに存在する枝Tb…に掛けて止めれば、図1に示すように、ネット部材2が開口空間Sを覆い、鳥の出入口となる当該開口空間Sを外部に対して遮断することができる。この際、ネット部材2は、合成樹脂素材Rにより形成し、外郭形状Fの少なくとも一方向Deに弾性変形可能に形成するため、形状的に一種類の果樹保護具1…であっても、大小様々な大きさの開口空間Sに対して柔軟に対応させることができる。なお、設置に際しては、ハシゴを利用して行うことができる。したがって、特別な道具を用意することなく、極めて容易に設置することができる。
このように、本実施形態に係る果樹保護方法は、果樹Tを鳥獣から保護するに際し、一又は二以上の果樹保護具1…を用意し、フック部材3…を果樹Tの枝Tb及び/又は設備資材Mに掛止することにより、ネット部材2により、少なくとも鳥獣が果樹Tの内部に侵入可能な当該果樹Tにおける開口空間部Sを覆うようにしたため、設置する対象部位に対して容易に着脱可能になり、果樹Tの異なる位置又は異なる果樹Tのように、設置する開口空間部Sを変更する場合であっても柔軟に対応(転用)することができる。これにより、設備資材Mに無駄が生じにくくなり、資源節減にも有効に貢献できる。
次に、本実施形態に係る果樹保護方法及び果樹保護具1の変更例について、図6〜図10を参照して説明する。
図6は、ブドウ栽培に、本実施形態に係る果樹保護方法を適用した場合の変更例を示すとともに、図7及び図8は、果樹保護具1の、特に、ネット部材2の形状的な変更例を示し、さらに、図9及び図10は、ブドウ栽培に、本実施形態に係る果樹保護方法を適用した場合の変更例(応用例)を示す。
図6は、ブドウ棚50の線材(ワイヤ)Mw…に巻き付いたツル61から派生した複数のブドウG…及び葉Tr…を示している。この場合、ブドウ棚50を構成する線材(ワイヤ)Mw…や他の部材が設備資材Mとなる。このようなブドウ棚50を用いてブドウ栽培を行うツル性果樹Tvであっても、鳥獣(特に鳥)が果樹Tの内部に侵入可能な当該果樹Tにおける開口空間部Sが存在するため、図6に示すように、当該開口空間Sに対して上から果樹保護具1(ネット部材2)により覆い、各フック部材3…を果樹Tの枝Tb及び/又は設備資材Mに掛止すればよい。なお、図6は、各フック部材3…を線材(ワイヤ)Mwに掛け止めした例を示している。
このように、ツル性果樹Tvであっても本実施形態に係る果樹保護方法を適用できるため、特に、ツル性果樹Tvとなるブドウ栽培にも適用できる。したがって、鳥獣による被害が無視できないブドウ栽培に対しても有効に機能させることができるなど、様々な果樹T…に幅広く利用でき、汎用性及び発展性に優れる。
さらに、通常の果樹Tの場合と同様に、果樹保護具1…を、所定の対象部位に対してのみ局所的に設置可能になり、ネット部材2の使用量を大幅に低減できるとともに、設置に際しては、果樹保護具1…以外の別途の支持部材等が不要になる。これにより、設備コスト及び設置に伴う作業コストなど、全体の大幅なコストダウンを図ることができる。加えて、設置する対象部位に対して容易に着脱可能になり、果樹Tの異なる位置又は異なる果樹Tのように、設置する開口空間部Sを変更する場合であっても柔軟に対応(転用)することができる。これにより、設備資材Mに無駄が生じにくくなり、資源節減にも有効に貢献できる。
一方、図7及び図8は、果樹保護具1におけるネット部材2の形状的な変更例を示す。図7(a)〜(c)は、外郭形状Fが矩形の場合であって、その大きさ又は長短辺の比率を変更したものである。前述した図2の果樹保護具1のネット部材2がMサイズの外郭形状Fとした場合、図7(a)の変更例はSサイズの外郭形状Ftを示し、図7(b)の変更例はLサイズの外郭形状Ftを示している。また、図7(c)は、長辺2mと短辺2sの比率の変更例である。即ち、図2に示したネット部材2の長辺2mと短辺2sの比率が概ね5:1であるのに対して、図7(c)の変更例は長辺2mと短辺2sの比率を概ね1:1に選定したものである。さらに、図8は、ネット部材2の外郭形状Fを、矩形以外の形状に変更したものである。図8(a)の変更例は円形の外郭形状Fcを示し、図8(b)の変更例は三角形の外郭形状Fsを示す。このように、ネット部材2の外郭形状Fの形状や大きさは、任意に変更して実施可能である。
図9及び図10に示す変更例は、ブドウ栽培において、前述した本実施形態に係る果樹保護方法の実施に加え、ネット部材2を用いて構成したプロテクタ2eを使用した実施を組合わせたものである。
この場合、プロテクタ2eは、図9及び図10に示すように、ブドウ袋72の少なくとも横方向の外面72fを覆い、かつ一端2euと他端2edを開口したチューブ形となるように、全体をネット部材2により構成したものである。これにより、プロテクタ2eは、ブドウ棚50により栽培されるブドウGに対する袋掛けと同時に又は袋掛け後に、ブドウ袋72の外面72fに装着して使用することができる。この場合、チューブ形に構成するプロテクタ2eの径を、ブドウ袋72の径よりも稍小径に選定するとともに、プロテクタ2eの軸方向の長さをブドウ袋72の軸方向の長さよりも稍長く選定すれば、ブドウ袋72の外面72fにプロテクタ2eが圧接し、かつ図10に示すように、プロテクタ2eの一端2euと他端2edが内側に窄まるため、ブドウ袋72からのプロテクタ2eの離脱が回避される。
このように、プロテクタ2e…の使用を、本実施形態に係る果樹保護具1…の使用と併用すれば、果樹T(ブドウG)に対する、より効果的な保護、即ち、鳥獣害の防止を図ることができる。なお、図9及び図10において、73はブドウ袋72の上端に設けたワイヤ、74はこのワイヤ73とブドウ袋72の上端を捩ることにより枝Tbに巻き付けた捩り固定部、75は傘紙を示す。その他、図9及び図10において、図6と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にするとともにその詳細な説明は省略する。
以上、変更例を含む好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、ネット部材2は、合成樹脂素材Rにより形成し、外郭形状Fの少なくとも一方向Deに弾性変形可能に形成することが望ましいが、必ずしもこの形態に限定されるものではない。したがって、使用する素材には、天然繊維素材や金属素材の使用を排除しないとともに、大小様々なサイズを用意して実施すれば、弾性変形可能なネット部材2は条件にならない。また、ネット部材2は、目合の大きさとして、1目を、5〜10〔mm〕の範囲に選定することが望ましいが、必ずしもこの範囲に限定されるものではなく、設置地域,設置する果樹Tの種類,環境等に応じて任意に選定することができる。さらに、果樹Tには、ブドウGを含むツル性果樹Tvをはじめ、同様に設置可能な他の各種果樹Tに適用可能である。
本発明は、例示したリンゴやブドウをはじめ、ナシやモモ等の各種果樹の鳥獣害を防止して果樹を保護する際の果樹保護具及び果樹保護方法として利用できる。
1…:果樹保護具,2:ネット部材,2f:ネット部材の外周縁,3…:フック部材,T:果樹,Tb:枝,Tv:ツル性果樹,F:外郭形状,M:設備資材,Lc…:所定間隔,S:開口空間部,R:合成樹脂素材,De:外郭形状の一方向,G:ブドウ

Claims (5)

  1. 果樹を鳥獣から保護する果樹保護具であって、所定の目合の大きさに選定し、かつ所定の外郭形状に形成したネット部材,並びに前記果樹の枝及び/又は前記果樹に付随して設置した設備資材に対して掛け止め方式により着脱し、かつ前記ネット部材の外周縁に沿って所定間隔おきに取付けた、複数のフック部材を具備してなることを特徴とする果樹保護具。
  2. 前記ネット部材は、合成樹脂素材により形成し、前記外郭形状の少なくとも一方向に弾性変形可能に形成することを特徴とする請求項1記載の果樹保護具。
  3. 前記ネット部材は、目合の大きさとして、1目を、5〜10〔mm〕の範囲に選定してなることを特徴とする請求項1又は2記載の果樹保護具。
  4. 果樹を鳥獣から保護する果樹保護方法であって、所定の目合の大きさに選定し、かつ所定の外郭形状に形成したネット部材,並びに前記果樹の枝及び/又は前記果樹に付随して設置した設備資材に対して掛け止め方式により着脱し、かつ前記ネット部材の外周縁に沿って所定間隔おきに取付けた、複数のフック部材を具備してなる一又は二以上の果樹保護具を用意し、前記フック部材を前記果樹の枝及び/又は前記設備資材に掛止することにより、前記ネット部材により、少なくとも鳥獣が果樹の内部に侵入可能な当該果樹における開口空間部Sを覆うことを特徴とする果樹保護方法。
  5. 前記果樹には、少なくともブドウを含むツル性果樹を含むことを特徴とする請求項4記載の果樹保護方法。
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