JP2020140825A - 接点装置及び電磁接触器、並びに接点装置の製造方法 - Google Patents

接点装置及び電磁接触器、並びに接点装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接点収納ケースの組立自動化を図る。【解決手段】接点装置10は、接点収納ケース50内に、固定接点13を有する一対の固定接触子11,12と、一対の固定接触子11,12の固定接点13に対して接離可能な一対の可動接点23a,23bが長手方向の両端側に設けられ、かつ連結軸30が一対の可動接点23a,23bの間を板厚方向に横切るようにして連結された可動接触子20と、固定接触子11,12の固定接点以外を覆う絶縁カバー40とを備えている。そして、接点収納ケース50は、固定接触子11,12を支持する絶縁板を備えている。そして、絶縁カバー40の各々は、連結軸30が絶縁板から離間する状態で可動接触子20を支持する突起部44を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、接点装置及び電磁接触器、並びに接点装置の製造方法に関し、特に、連結軸が連結された可動接触子を有する接点装置及びそれを備えた電磁接触器、並びに接点装置の製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
電磁接触器は、特許文献1に開示されているように、電流の開閉を行う接点装置と、この接点装置を駆動する電磁石装置とを備えている。接点装置は、接点収納ケース内に、固定接点を有する一対の固定接触子と、一対の固定接触子の固定接点に対して接離可能な一対の可動接点が長手方向の両端側に設けられ、かつ連結軸の長手方向の中央部が一対の可動接点の間を横切るようにして連結された可動接触子と、固定接触子の固定接点以外を覆う絶縁カバーとを備えている。接点収納ケースは、底部である絶縁板に一対の固定接触子が配置された第1有底筒体と、第1有底筒体の底部側に開放端側が位置するように第1有底筒体に組み付けられた第2有底筒体とを備えている。そして、第2有底筒体の底部には連結軸の一端側が挿通する貫通孔が設けられている。
特開2012−243586号公報
ところで、接点装置の製造においては、第1有底筒体に第2有底筒体を組み付けて接点収納ケースを形成する際、第2有底筒体の底部に設けられた貫通孔に連結軸の一端側を挿通させる必要がある。このとき、連結軸は、一端側とは反対側の他端側の先端部のみが第1有底筒体の底部に接地する一点接地状態となるため自立しない。このため、人の手で連結軸を支えながら第2有底筒体の底部の貫通孔に連結軸の一端側を挿通させる必要があり、接点収納ケースを自動で組み立てる組立自動化が困難であった。
そこで、本発明者らは、固定接触子に設けられた絶縁カバーに着目し、本発明をなした。
本発明の目的は、接点収納ケースの組立自動化を図ることが可能な接点装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る接点装置は、接点収納ケース内に、固定接点を有する一対の固定接触子と、一対の固定接触子の固定接点に対して接離可能な一対の可動接点が長手方向の両端側に設けられ、かつ連結軸が一対の可動接点の間を板厚方向に横切るようにして連結された可動接触子と、固定接触子の固定接点以外を覆う絶縁カバーとを備えている。そして、接点収納ケースは、固定接触子を支持する絶縁板を備えている。そして、絶縁カバーの各々は、連結軸が絶縁板から離間する状態で可動接触子を支持する突起部を備えている。
また、本発明の一態様に係る電磁接触器は、上記接点装置と、上記可動接触子を可動させる電磁石装置とを備えている。
また、本発明の一態様に係る接点装置の製造方法は、固定接点を有し、かつ突起部が設けられた絶縁カバーを有する一対の固定接触子が底部に配置された第1有底筒体と、一対の可動接点が長手方向の両側に設けられ、かつ連結軸が一対の可動接点の間を板厚方向に横切るようにして連結された可動接触子と、底部に連結軸の一端側が挿通される貫通孔を有する第2有底筒体とを準備する工程を備える。また、一対の固定接触子の固定接点に一対の可動接点が対向し、かつ連結軸の他端側が第1有底筒体の底部から離間するように絶縁カバーの各々の突起部に支持された状態で可動接触子を第1有底筒体内に配置する工程と、可動接触子が絶縁カバーの各々の突起部に支持された状態で連結軸の一端側を第2有底筒体の貫通孔に挿通して第2有底筒体を第2有底筒体に組み付ける工程と、を備える。
本発明の一態様によれば、接点収納ケースの組立自動化を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る接点装置を備えた電磁接触器の内部構成を示す断面図である。 図1の一部を拡大した要部拡大断面図である。 図1の接点収納ケースの第1有底筒体を示す分解斜視図である。 図1の絶縁カバーを示す斜視図である。 第1有底筒体の開放端側から見て絶縁カバーの突起部と可動接触子との位置関係を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る接点装置の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態に係る接点装置の製造方法を説明するための図((a)は断面図,(b)は斜視図)である。 本発明の一実施形態に係る接点装置の製造方法を説明するための図((a)は断面図,(b)は斜視図)である。 本発明の一実施形態に係る接点装置の製造方法を説明するための図((a)及び(b)は第1有底筒体の開放端側から見た模式的平面図)である。 第1有底筒体の変形例を示す分解斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
また、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものではない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
また、以下の実施形態では、空間内で互に直交する三方向において、同一平面内で互に直交する第1の方向及び第2の方向をそれぞれX方向、Y方向とし、第1の方向及び第2の方向のそれぞれと直交する第3の方向をZ方向とする。
また、図4では、絶縁カバーを図2に対して上下反転して描いている。
〔電磁接触器の構成〕
まず、電磁接触器の構成について説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る電磁接触器1は、電流の開閉を行う接点装置10と、この接点装置10を駆動する電磁石装置100とを備えている。接点装置10及び電磁石装置100は、Z方向に直列で配置されている。
〔電磁石装置の構成〕
次に、電磁石装置の構成について説明する。
図1に示すように、電磁石装置100は、側面から見て偏平なU字形状の磁気ヨーク101を有し、この磁気ヨーク101の底部102の中央部に円筒状補助ヨーク103が固定されている。この円筒状補助ヨーク103の外側には、スプール104が配置されている。
スプール104は、円筒状補助ヨーク103を挿通する中央円筒部105と、この中央円筒部105のZ方向の下端から半径方向外方に突出する下フランジ部106と、中央円筒部105のZ方向の上端から半径方向外方に突出する上フランジ部107とを有する。そして、中央円筒部105、下フランジ部106及び上フランジ部107で形成される収納空間に励磁コイル108が巻装されている。
磁気ヨーク101の開放端となる上端部には、上部磁気ヨーク110が固定されている。この上部磁気ヨーク110の中央部には、スプール104の中央円筒部105に対向する貫通孔110aが形成されている。
スプール104の中央円筒部105内には、底部と磁気ヨーク101の底部102との間に復帰スプリング114を配設した可動プランジャ115が上下に摺動可能に配設されている。この可動プランジャ115には、上部磁気ヨーク110から上方に突出する上端部に半径方向外方に突出する周鍔部116が設けられている。
上部磁気ヨーク110の上面には、例えば円形の中心開口121を有する環状永久磁石120が可動プランジャ115の周鍔部116を囲むように固定されている。この環状永久磁石120は、Z方向である上下方向、即ち厚み方向に上端側を例えばN極とし、下端側をS極とするように着磁されている。
なお、環状永久磁石120の中心開口121の形状は、周鍔部116の形状に合わせた形状とし、外周面の形状は円形、方形等の形状とすることができる。
環状永久磁石120の上端面には、環状永久磁石120と同一外形で可動プランジャ115の周鍔部116の外径より小さい内径の貫通孔124を有する補助ヨーク125が固定されている。そして、この補助ヨーク125の下面に可動プランジャ115の周鍔部116が当接されている。
可動プランジャ115の上端部には、連結軸30の一端側が螺着により連結されている。可動プランジャ115は、非磁性体製で有底筒状に形成されたキャップ130により覆われている。そして、このキャップ130の開放端には半径方向外方に延長して形成されたフランジ部131が設けられており、このフランジ部131は上部磁気ヨーク110の下面にシール接合されている。これによって、キャップ130の内部と、後述する接点装置10の消弧室59とが上部磁気ヨーク110の貫通孔110aを介して連通された密封容器が形成されている。この密封容器内には、例えば水素ガス、窒素ガス、水素及び窒素の混合ガス、空気、SF(六フッ化硫黄)ガスなどのガスが封入されている。
〔接点装置の構成〕
次に、接点装置の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、接点装置10は、固定接点13を有する一対の固定接触子11及び12と、一対の固定接触子11及び12の固定接点13に対して接離可能な一対の可動接点23a及び23bがX方向である長手方向の両端側に設けられ、かつ連結軸30の長手方向の中央部が一対の可動接点23a及び23bの間を板厚方向に横切るようにして連結された可動接触子20と、固定接触子11,12の固定接点以外を覆う絶縁カバー40とを備えている。また、接点装置10は、一対の固定接触子11及び12、可動接触子20、及び連結軸30を収納する接点収納ケース50を備えている。
<接点収納ケース>
図1及び図2に示すように、接点収納ケース50は、底部52に一対の固定接触子11及び12が配置された第1有底筒体51と、第1有底筒体51の底部52側に開放端側が位置するように第1有底筒体51に組み付けられ、かつ底部56に連結軸30の一端側が挿通する貫通孔56aを有する第2有底筒体55とを備えている。この実施形態では、第2有底筒体55が第1有底筒体51の開放端側から第1有底筒体51の内側に挿入されて第1有底筒体51に固定されている。また、接点収納ケース50は、第1有底筒体51及び第2有底筒体55で囲まれた消弧室59を備えている。
図1から図3に示すように、第1有底筒体51は、下端部に外方に突出するフランジ部53aが設けられた角筒体53と、この角筒体53の上端部に内部を閉塞するように固定された平板状の絶縁板54とで有底角筒状に形成されている。角筒体53としては例えば金属製のものを用いている。絶縁板54としては例えばセラミックス製のものを用いている。角筒体53は、そのフランジ部53aが電磁石装置100の上部磁気ヨーク110にシール接合されて固定されている。絶縁板54は第1有底筒体51の底部52を構成している。
図1及び図2に示すように、第2有底筒体55は、貫通孔56aを有する底部56と、この底部56が一端側に内部を閉塞するように設けられた角筒部57とで有底角筒状に形成されている。底部56及び角筒部57は、例えば熱硬化性の絶縁樹脂で一体成形されている。底部56には、可動プランジャ115の周鍔部116、環状永久磁石120及び補助ヨーク125などを収納する凹部58が設けられている。貫通孔56aは、凹部58に設けられている。この第2有底筒体55は、絶縁樹脂で形成することによって、金属製の角筒体53に対するアークの影響を遮断する絶縁機能を有する。
第1有底筒体51の絶縁板54には、X方向である左右方向に離間する一対の貫通孔54a及び54bに個別に挿通されて固定された一対の導体部14及び15が設けられている。
<固定接触子>
図2に示すように、一対の固定接触子11及び12の各々は、接点収納ケース50の消弧室59の中に、X方向に離間して配置されている。一方の固定接触子11は、固定接点13が設けられ、かつ可動接触子20の板厚方向(Z方向)の可動接点23a側に配置された第1導電部11aと、可動接触子20の板厚方向の可動接点23a側とは反対側に配置された第2導電部11bと、可動接触子20の長手方向(X方向)の一端側の外で第1導電部11a及び第2導電部11bに連結された第3導電部11cとを有する。同様に、他方の固定接触子12も、固定接点13が設けられ、かつ可動接触子20の板厚方向の可動接点23b側に配置された第1導電部12aと、可動接触子20の板厚方向の可動接点23b側とは反対側に配置された第2導電部12bと、可動接触子20の長手方向(X方向)の他端側の外で第1導電部12a及び第2導電部12bに連結された第3導電部12cとを有する。すなわち、一対の固定接触子11及び12の各々は、互いに向かい合う側を開放したC字形状で形成され、固定接点13の配置面が内面となり、この内面とは反対側の面が外面となる。
一方の固定接触子11は、第2導電部11bが導体部14に電気的及び機械的に連結され、第2導電部11bを介して絶縁板54に固定されている。同様に、他方の固定接触子12も、第2導電部12bが導体部15に電気的及び機械的に連結され、第2導電部12bを介して絶縁板54に固定されている。すなわち、接点収納ケース50は、一対の固定接触子11及び12を支持する絶縁板54を備えている。一対の固定接触子11,12、及び一対の導体部14,15は、導電性の金属材料、例えば純度の高い銅で形成されている。
なお、この実施形態では、一対の固定接触子11及び12の構成として導体部14,15を含まない構成としたが、導体部14,15を含む構成としてもよい。
<可動接触子、連結軸>
図2に示すように、可動接触子20は、X方向に延伸し、かつY方向に幅及びZ方向に板厚(厚み)を有する導電板で形成されている。可動接触子20は、Z方向である板厚方向において互いに反対側に位置する両面のうちの電磁石装置100側(第2有底筒体55の底部56側)の主面20xに、上述した一対の可動接点23a及び23bが長手方向(X方向)に離間して配置されている。そして、可動接触子20は、長手方向に離間して配置された一対の可動接点23a及び23bの間の中央部に、Z方向に貫通する貫通孔24を備えている。
可動接触子20の貫通孔24には連結軸30の長手方向の中央部(一端側と他端側との間の中間部)が摺動自在に挿通され、連結軸30が可動接触子20を板厚方向(Z方向)に横切るようにして可動接触子20に連結されている。
連結軸30の他端側には、Cリング31が固定されている。そして、連結軸30の長手方向の中央部には外方に突出するフランジ部32が固定されており、このフランジ部32が可動接触子20の主面20xに当接している。
可動接触子20の長手方向の中央部と連結軸30のCリング31との間の連結軸30の外周には接触スプリング33が配置されており、可動接触子20に対して所定の付勢力を付与している。
連結軸30は、他端側の先端部30aが第1有底筒体51の底部52の内面から離間し、他端側が第2有底筒体55の底部56に設けられた貫通孔56aを貫通して可動プランジャ115の上端部にねじ込みにより連結されている。すなわち、連結軸30は、第2有底筒体55の底部56の貫通孔56aを通って接点収納ケース50の内外に亘って延伸している。
<絶縁カバー>
図1及び図2に示すように、一対の固定接触子11及び12の各々には、アークの発生を規制する絶縁カバー40が個別に装着されている。この2つの絶縁カバー40は、熱硬化性絶縁樹脂を用いた成形によって形成されている。一方の絶縁カバー40は、固定接触子11の第2導電部11b及び第3導電部11cを被うと共に、詳細に図示していないが、第1有底筒体51の絶縁板54の内面も覆うものである。同様に、他方の絶縁カバー40も、固定接触子12の第2導電部12b及び第3導電部12cを被うと共に、第1有底筒体51の絶縁板54の内面も覆うものである。
図2及び図4に示すように、一方の絶縁カバー40は、第2導電部11bの内面、側面及び外面を覆う筒状の第1カバー部41と、第1カバー部41に連結され、かつ第3導電部11cの内面及び側面を覆う第2カバー部42とを備えている。また、一方の絶縁カバー40は、第1カバー部41の幅方向の2つの側面に個々に連結され、かつ絶縁板54の内面を覆う2つの第3カバー部43を備えている。一方の絶縁カバー40は、固定接触子11の第2導電部11bを第1カバー部41の内側に差し込むことによって固定接触子11に装着されている。
同様に、他方の絶縁カバー40も、第2導電部12bの内面、側面及び外面を覆う筒状の第1カバー部41と、第1カバー部41に連結され、かつ第3導電部12cの内面及び側面を覆う第2カバー部42とを備えている。また、同様に、他方の絶縁カバー40も、第1カバー部41の幅方向の2つの側面に個々に連結され、かつ絶縁板54の内面を覆う2つの第3カバー部43を備えている。また、同様に、他方の絶縁カバー40も、固定接触子12の第2導電部12bを第1カバー部41の内側に差し込むことによって固定接触子12に装着されている。
図2及び図4に示すように、2つの絶縁カバー40の各々は、更に、連結軸30の他端側の先端部30aが第1有底筒体51の底部52の内面から離間するように可動接触子20を支持する突起部44を備えている。突起部44は、第1カバー部41の可動接触子20と対向する部分から可動接触子20に向かって突出している。突起部44は、後述する接点装置10の製造方法において、第1有底筒体51に第2有底筒体55を組み付けて接点収納ケース50を組み立てる(形成する)ときに、可動接触子20を可動接触子20の可動接点23a,23b側とは反対側から支持する。すなわち、一方の絶縁カバー40に設けられた突起部44で可動接触子20の一端側の裏面20yを支持し、他方の絶縁カバー40に設けられた突起部44で可動接触子20の他端側の裏面20yを支持する。
ここで、突起部44は、接点装置10が開極状態(釈放状態)のときに、可動接触子20から離間していることが好ましいが、可動接触子20に接していてもよい。この実施形態では、突起部44は、開極状態において、可動接触子20の主面20xとは反対側の裏面20yに接している。
図4及び図5に示すように、突起部44は、可動接触子20の長手方向と交差する方向に延伸している。この実施形態において、突起部44は、可動接触子20の長手方向と直交するY方向に延伸し、かつ第1カバー部41の全幅に亘って直線状に延伸している。また、突起部44は、可動接触子20の幅よりも長く形成されている。また、図1及び図2に示すように、一方の絶縁カバー40の突起部44は一方の固定接触子11の固定接点13及び可動接触子20の一端側の可動接点23aよりも連結軸30側に配置され、同様に他方の絶縁カバー40の突起部44も他方の固定接触子12の固定接点13及び可動接触子20の他端側の可動接点23bよりも連結軸30側に配置されている。
〔電磁接触器の動作〕
次に、電磁接触器1の動作について、図1及び図2を参照して説明する。
今、一対の固定接触子11及び12において、一方の固定接触子11が導体部14を介して大電流を供給する電力源に接続され、他方の固定接触子12が導体部15を介して負荷に接続されているものとする。
そして、この状態で、電磁石装置100における励磁コイル108が非励磁状態にあって、電磁石装置100で可動プランジャ115を降下させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。この釈放状態では、可動プランジャ115が復帰スプリング114によって上部磁気ヨーク110から離れる上方向に付勢される。これと同時に、環状永久磁石120の磁力による吸引力が補助ヨーク125に作用されて、可動プランジャ115の周鍔部116が吸引される。このため、可動プランジャ115の周鍔部116の上面が補助ヨーク125の下面に当接している。
このため、可動プランジャ115に連結軸30を介して連結されている可動接触子20の一対の可動接点23a及び23bが一対の固定接触子11及び12の固定接点13から上方(離れる方向)に所定の距離だけ離間している。このため、一対の固定接触子11及び12間の電流路が遮断状態であり、接点装置10が開極状態となっている。
このように、電磁石装置100の釈放状態では、可動プランジャ115に復帰スプリング114による付勢力と環状永久磁石120による吸引力との双方が作用しているので、可動プランジャ115が外部からの振動や衝撃等によって不用意に下降することがなく、誤動作を確実に防止することができる。
この釈放状態から、電磁石装置100の励磁コイル108を励磁すると、この電磁石装置100で励磁力を発生させて、可動プランジャ115を復帰スプリング114の付勢力及び環状永久磁石120の吸引力に抗して下方に押し下げる。
そして、可動プランジャ115が復帰スプリング114の付勢力及び環状永久磁石120の吸引力に抗して速やかに下降する。そして、周鍔部116の下面が上部磁気ヨーク110の上面に当接することにより、可動プランジャ115の下降が停止される。
このように、可動プランジャ115が下降することにより、可動プランジャ115に連結軸30を介して連結されている可動接触子20も下降し、可動接触子20の可動接点23a,23bが一対の固定接触子11,12の固定接点13,13に接触スプリング33の接触圧で接触する。
このため、接点装置10は、外部電力供給源の大電流が固定接触子11、可動接触子20、及び固定接触子12を通じて負荷に供給される閉極状態となる。
この接点装置10の閉極状態から、負荷への電流供給を遮断する場合には、電磁石装置100の励磁コイル108の励磁を停止する。
これによって、電磁石装置100で可動プランジャ115を下方に移動させる励磁力がなくなることにより、可動プランジャ115が復帰スプリング114の付勢力によって上昇し、周鍔部116が補助ヨーク125に近づくに従って環状永久磁石120の吸引力が増加する。
この可動プランジャ115が上昇することにより、可動プランジャ115に連結軸30を介して連結された可動接触子20が上昇する。これに応じて接触スプリング33で接触圧を与えている間は可動接触子20が固定接触子11及び12に接触している。その後、接触スプリング33の接触圧がなくなった時点で可動接触子20が固定接触子11及び12から上方に離間する開極状態となる。
この開極状態となると、固定接触子11及び12の固定接点13と可動接触子20の可動接点23a及び23bとの間にアークが発生し、このアークによって電流の通電状態が継続される。このとき、固定接触子11及び12の各々には第2導電部11b,12b及び第3導電部11c,12cを覆う絶縁カバー40が個別に装置されているので、アークを固定接触子11及び12の固定接点13と可動接触子20の可動接点23a,23bとの間のみに発生させることができる。このため、アークが固定接触子11及び12上を動くことを確実に防止してアークの発生状態を安定させることができ、消弧性能を向上させることができる。しかも、固定接触子11及び12の両側面も絶縁カバー40で覆われているので、アークの先端が短絡することも確実に防止することができる。
また、一対の固定接触子11,12の第2導電部11b,12b及び第3導電部11c,12cが絶縁カバー40で個別に覆われているので、可動接触子20の両端部と一対の固定接触子11,12の第2導電部11b,12b及び第3導電部11c,12cとの間の絶縁距離を絶縁カバー40によって確保することができ、可動接触子20の可動方向の高さを短縮することができる。したがって、接点装置10を小型化することができる。
更に、一方の固定接触子12に装着された絶縁カバー40の第1カバー部41には、可動接触子20の長手方向と交差する方向に延伸し、かつ可動接点23aよりも連結軸30側に配置された突起部44が設けられている。同様に、他方の固定接触子12に装着された絶縁カバー40の第1カバー部41にも、可動接触子20の長手方向と交差する方向に延伸し、かつ可動接点23bよりも連結軸30側に配置された突起部44が設けられている。このため、アークが磁場の影響で連結軸30側に飛ぶことも抑制することができる。
<接点装置の製造方法>
次に、接点装置10の製造方法について、図6から図9を用いて説明する。なお、ここでは、Z方向を鉛直方向として説明する。
まず、図2に示す第1有底筒体51、可動接触子20及び第2有底筒体55を準備する。第1有底筒体51は、固定接点13を有し、かつ突起部44が設けられた絶縁カバー40を有する一対の固定接触子11及び12が底部52の内側に配置されている。そして、一方の固定接触子11は導体部14を介して第1有底筒体51の底部52に固定され、他方の固定接触子12も導体部15を介して第1有底筒体51の底部52に固定されている。可動接触子20は、一対の固定接触子11及び12の固定接点13と対向する一対の可動接点23a及び23bが長手方向の両側に設けられ、かつ連結軸30の長手方向の中央部が一対の可動接点23a及び23bの間を板厚方向に横切るようにして連結されている。第2有底筒体55は、底部56に連結軸30の一端側が挿通する貫通孔56aを有する。
次に、図6に示すように、第1有底筒体51の底部52が鉛直方向(Z方向)と直交し、かつ第1有底筒体51の開放端側が上向きとなるように第1有底筒体51を作業台や治具(図示せず)などに設置する。
次に、図7(a),(b)に示すように、一対の固定接触子11及び12の固定接点13に一対の可動接点23a及び23bが個別に対向し、かつ連結軸30の他端側の先端部30aが第1有底筒体51の底部52内面から離間するように2つの絶縁カバー40の各々の突起部44に支持された状態で可動接触子20を第1有底筒体51内に配置する。このとき、2つの絶縁カバー40の各々の突起部44は、可動接触子20を可動接触子20の可動接点23a,23b側(主面20x側)とは反対側(裏面20y側)から支持する。
この工程において、可動接触子20は、その長手方向において2つの絶縁カバー40の各々の突起部44に2点支持で支持されている。そして、この可動接触子20に連結された連結軸30は、その他端側の先端部30aが第1有底筒体51の底部52の内面から離間している。したがって、第1有底筒体51内に連結軸30を自立して配置することができる。
また、この工程において、2つの絶縁カバー40の各々の突起部44は、可動接触子20の長手方向と交差する方向に延伸しているので、連結軸30をより安定した状態で自立させることができる。
ここで、一対の固定接触子11,12はC字形状で形成されているため、可動接触子の一端側を一方の固定接触子11の第1導電部11aと第2導電部11bとの間に配置し、可動接触子20の他端側を他方の固定接触子12の第1導電部12aと第2導電部12bとの間に配置する必要がある。そこで、第1有底筒体51内への可動接触子20の配置は、まず、図9(a)に示すように、一対の固定接触子11及び12の外側に可動接触子20の一端側及び他端側が位置するように一対の固定接触子11及び12の配列方向に対して可動接触子20の長手方向を交差させた状態で一対の固定接触子11及び12の間に連結軸30の一端側を差し入れる。そして、連結軸30を中心に可動接触子20を回転させて、図9(b)に示すように、一対の固定接触子11及び12の配列方向に可動接触子20の長手方向を合わせる。これにより、図7(a)に示すように、一対の固定接触子11及び12の固定接点13に一対の可動接点23a及び23bが個別に対向し、かつ連結軸30の他端側の先端部30aが第1有底筒体51の底部52の内面から離間するように可動接触子20を絶縁カバー40の各々の突起部44に支持した状態で第1有底筒体51内に可動接触子20を配置することができる。
次に、可動接触子20が2つの絶縁カバー40の各々の突起部44に支持された状態で連結軸30の一端側を第2有底筒体55の底部56の貫通孔56aに挿通して第2有底筒体55を第1有底筒体51に組み付ける。第2有底筒体55の組み付けは、第1有底筒体51及び第2有底筒体55の各々の開放端側を向かい合わせた状態で第1有底筒体51内に第2有底筒体55を挿入することによって行われる。組み付け後の第2有底筒体55は、その開放端側が第1有底筒体51の底部52側に位置する。
この工程において、連結軸30は第1有底筒体51内に自立して配置されているので、人の手で連結軸30を支えることなく、連結軸30の一端側を第2有底筒体55の底部56の貫通孔56aに挿通して第2有底筒体55を第1有底筒体51に組み付けることができる。
この工程により、一対の固定接触子11,12、可動接触子20及び連結軸30を収納する接点収納ケース50の組み立てが完了すると共に、接点装置10がほぼ完成する。この後、接点装置10と電磁石装置100とを組み合わせることにより電磁接触器1がほぼ完成する。
〔実施形態の効果〕
以上説明したように、この実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この実施形態の接点装置10は、一対の固定接触子11及び12の各々に絶縁カバー40が個別に装着されている。そして、一対の固定接触子11及び12に個別に装着された2つの絶縁カバー40の各々は、接点装置10の製造において、第1有底筒体51に第2有底筒体55を組み付けるときに、連結軸30の他端側の先端部30aが第1有底筒体51の底部52の内面から離間する状態で可動接触子20を支持する突起部44を備えている。したがって、上述したように、接点装置10の製造において、第1有底筒体51内に連結軸30を自立して配置することができるので、人の手で連絡軸30を支えることなく、連結軸30の一端側を第2有底筒体55の底部56の貫通孔56aに挿通して第2有底筒体55を第1有底筒体51に組み付けることができる。これにより、自動機による接点収納ケース50の組立自動化を図ることが可能となる。
また、2つの絶縁カバー40の各々の突起部44は、可動接触子20の長手方向と交差する方向に延伸しているので、接点装置10の製造において、第1有底筒体51内に可動接触子20を配置する際、連結軸30をより安定した状態で自立させることができる。
また、2つの絶縁カバー40の各々の突起部44は、一対の固定接触子11及び12の固定接点13、並びに可動接触子20の一対の可動接点23a及び23bよりも連結軸30側に配置されているので、アークが磁場の影響で連結軸30側に飛ぶことを抑制することができる。
また、この実施形態の接点装置10の製造方法は、第1有底筒体51内に自立して配置された連結軸30の一端側を第2有底筒体55の底部56の貫通孔56aに挿通して第2有底筒体55を第1有底筒体51に組み付けるので、接点収納ケース50を自動機により自動で組み立てた接点装置及びそれを備えた電磁接触器を提供することが可能となる。
なお、上述の実施形態では、第1有底筒体51を角筒体53及び絶縁板54で構成した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図10に示すように、第1有底筒体51は、底部62及び角筒部63がセラミックスや合成樹脂によって一体成形され、開放端側にフランジ部材64が取り付けられた構成としてもよい。そして、底部62には、一対の貫通孔54a及び54bが設けられている。
以上、本発明を上記一実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
1…電磁接触器
10…接点装置
11,12…固定接触子
11a,12a…第1導電部
11b,12b…第2導電部
11c,12c…第3導電部
13…固定接点
14,15…導体部
20…可動接触子
20x…主面
23a,23b…可動接点
24貫通孔
30…連結軸
30a…先端部
31…Cリング
32…フランジ部
33…接触スプリング
40…絶縁カバー
41…第1カバー部
42…第2カバー部
43…第3カバー部
44…突起部
50…接点収納ケース
51…第1有底筒体
52…底部
53…角筒体
53a…フランジ部
54…絶縁板
54a,54b…貫通孔
55…第2有底筒体
56…底部
56a…貫通孔
57…角筒部
58…凹部
59…消弧室
62…底部
63…角筒部
64…フランジ部材
100…電磁石装置
101…磁気ヨーク
102…底部
103…円筒状補助ヨーク
104…スプール
105…中央円筒部
106…下フランジ部
107…上フランジ部
108…励磁コイル
110…上部磁気ヨーク
110a…貫通孔
114…復帰スプリング
115…可動プランジャ
116…周鍔部
120…環状永久磁石
121…中心開口
130…キャップ

Claims (12)

  1. 接点収納ケース内に、
    固定接点を有する一対の固定接触子と、
    前記一対の固定接触子の前記固定接点に対して接離可能な一対の可動接点が長手方向の両端側に設けられ、かつ連結軸が前記一対の可動接点の間を板厚方向に横切るようにして連結された可動接触子と、
    前記固定接触子の固定接点以外を覆う絶縁カバーと、を備え、
    前記接点収納ケースは、前記固定接触子を支持する絶縁板を備え、
    前記絶縁カバーの各々は、前記連結軸が前記絶縁板から離間する状態で前記可動接触子を支持する突起部を備えていることを特徴とする接点装置。
  2. 前記突起部は、前記可動接触子を前記可動接触子の前記可動接点側とは反対側から支持することを特徴とする請求項1に記載の接点装置。
  3. 前記突起部は、前記可動接触子の長手方向と交差する方向に延伸していることを特徴とする請求項1又は2に記載の接点装置。
  4. 前記突起部は、前記可動接点よりも前記連結軸側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の接点装置。
  5. 前記一対の固定接触子は、前記固定接点が設けられた第1導電部と、前記可動接触子の前記可動接点側とは反対側に配置された第2導電部と、前記可動接触子の長手方向の外側で前記第1導電部及び前記第2導電部に連結された第3導電部とを有することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の接点装置。
  6. 前記絶縁カバーは樹脂で形成され、
    前記突起部は、前記絶縁カバーと一体成形で形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の接点装置。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載の接点装置と、前記可動接触子を可動させる電磁石装置とを備えている電磁接触器。
  8. 固定接点を有し、かつ突起部が設けられた絶縁カバーを有する一対の固定接触子が底部に配置された第1有底筒体と、一対の可動接点が長手方向の両側に設けられ、かつ連結軸が前記一対の可動接点の間を板厚方向に横切るようにして連結された可動接触子と、底部に前記連結軸の一端側が挿通される貫通孔を有する第2有底筒体と、を準備する工程と、
    前記一対の固定接触子の前記固定接点に前記一対の可動接点が対向し、かつ前記連結軸の他端側が前記第1有底筒体の底部から離間するように前記絶縁カバーの各々の前記突起部に支持された状態で前記可動接触子を前記第1有底筒体内に配置する工程と、
    前記可動接触子が前記絶縁カバーの各々の前記突起部に支持された状態で前記連結軸の一端側を前記第2有底筒体の前記貫通孔に挿通して前記第2有底筒体を前記第2有底筒体に組み付ける工程と、
    を備えることを特徴とする接点装置の製造方法。
  9. 前記突起部は、前記可動接触子を前記可動接触子の前記可動接点側とは反対側から支持することを特徴とする請求項8に記載の接点装置の製造方法。
  10. 前記突起部は、前記可動接触子の長手方向と交差する方向に延伸していることを特徴とする請求項8又は9に記載の接点装置の製造方法。
  11. 前記突起部は、前記可動接点よりも前記連結軸側に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の接点装置の製造方法。
  12. 前記一対の固定接触子は、前記固定接点が設けられた第1導電部と、前記可動接触子の前記可動接点側とは反対側に配置された第2導電部と、前記可動接触子の長手方向の外側で前記第1導電部及び前記第2導電部に連結された第3導電部とを有することを特徴とする請求項8から11の何れか一項に記載の接点装置の製造方法。
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