JP2020140651A - 硬貨処理装置及び自動取引装置 - Google Patents

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章平 大栗
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俊也 田尻
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Abstract

【課題】異物による障害発生の回避と、取り扱い得ない硬貨の速やかな返却とを高い次元で両立させる硬貨処理装置及び自動取引装置を提供する。【解決手段】現金自動預払機の硬貨処理装置は、分離搬送部15Bに設ける異物除去部70において、アッパガイド56に通過孔71を設け、搬送空間からやや離れた位置に吸着体72を設けた。また異物除去部70は、通過孔71における前後方向の長さを、最小径硬貨の直径や最小径外貨の直径よりも十分に小さくすると共に、前搬送ガイド52の左右方向の長さを、搬送空間における左右方向の長さよりも十分に大きくした。これにより異物除去部70は、クリップCPのような比較的小さい磁性体の異物を吸着体72に吸着させて搬送空間の外部へ除去できる一方、最小径外貨のような比較的大きい磁性体の異物を搬送空間内に留め、ピン66により搬送させて顧客に迅速に返却することができる。【選択図】図11

Description

本発明は硬貨処理装置及び自動取引装置に関し、例えば顧客に紙幣や硬貨を投入させて所望の取引を行う現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)に適用して好適なものである。
従来、金融機関等で使用される現金自動預払機等においては、顧客との取引内容に応じて、例えば顧客に紙幣や硬貨等の現金を入金させ、また顧客へ現金を出金するものが広く普及している。
この現金自動預払機としては、例えば硬貨に関する処理を行う硬貨処理装置を内部に有するものがある。硬貨処理装置は、例えば顧客との間で硬貨の授受を行う入出金部、硬貨を搬送する搬送部、投入された硬貨の金種や真偽等を識別する識別部(認識部とも呼ぶ)、及び金種ごとに硬貨を収納する収納部等を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで硬貨処理装置は、多くの場合、取扱が可能な硬貨の種類を国や地域の内部で流通しているものに限定することにより、搬送部による搬送処理や認識部による認識処理等を精度良く、且つ短時間で行うことが可能となる。すなわち多くの硬貨処理装置では、予め決められた大きさや形状、或いは材料等でなる硬貨のみを取り扱うことを前提に設計されている。
しかしながら、実際の硬貨処理装置では、顧客の不注意等により、取扱可能な硬貨以外のもの、例えば複数枚の紙を重ねた状態でまとめるクリップ等が入出金部に投入される場合がある。このような場合、硬貨処理装置では、これらの異物が搬送路に引っかかるなどして、障害を引き起こす可能性がある。
例えば日本国では、全ての硬貨が非磁性材料で製造されており、磁石に吸着されることが無い。そこで硬貨処理装置としては、例えば搬送路の近傍に磁石を配置した異物吸着部を設けることにより、多くのクリップのように磁性材料で構成された異物を効率的に除去し、障害の発生を極力回避するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2018−73434号公報(図7等) 特開2015−121856号公報(図6B等)
ところで硬貨処理装置では、取扱可能では無い硬貨、例えば他の国や地域の硬貨が顧客により投入された場合、この硬貨をできるだけ速やかに顧客に返却したい、といった要請がある。しかしながら、他国の硬貨のなかには、磁性体材料により構成されたものもある。
そうすると、上述した異物吸着部を設けるだけでは、磁性材料により構成された硬貨も異物として吸着してしまうため、これを直ちに顧客へ返却することができない。このような場合、硬貨処理装置では、例えば顧客から連絡を受けた金融機関の職員や保守作業員等により保守作業を行わせる必要があるため、多くの手間や時間を要してしまう、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、異物による障害発生の回避と、取り扱い得ない硬貨の速やかな返却とを高い次元で両立させる硬貨処理装置及び自動取引装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の硬貨処理装置においては、硬貨が搬送される搬送空間に形成された搬送路に沿って走行し、硬貨に駆動力を供給する搬送ベルトと、搬送路に沿った搬送面を有し、該搬送面に沿って硬貨を案内する搬送ガイドと、搬送路に沿って形成され搬送面と交差する搬送基準面を有し、該搬送基準面により硬貨の位置を規制するサイドガイドと、搬送空間を挟んで搬送面と反対側に設けられ、硬貨と異なる異物を吸着する吸着部と、搬送空間及び吸着部の間に設けられ、異物のうち吸着部に吸着させるべき対象異物の通過を許容する一方、吸着部に吸着させるべきでない非対象異物の通過を阻止する選別通過孔を有する異物選別部とを設けるようにした。
また本発明の自動取引装置においては、使用者の操作を受け付ける操作部と、上述した硬貨処理装置とを設けるようにした。
本発明は、搬送空間を異物が搬送された場合に、これを搬送空間の外部に設けた吸着部により吸着して該搬送空間から外部へ除去しようとする。このとき本発明は、当該異物が対象異物であれば異物選別部の通過孔を通過させて搬送空間の外部に除去できる一方、当該異物が非対象異物であれば異物選別部の通過孔を通過させずに搬送空間内に留め、搬送ベルトにより搬送させることができる。
本発明によれば、異物による障害発生の回避と、取り扱い得ない硬貨の速やかな返却とを高い次元で両立させる硬貨処理装置及び自動取引装置を実現できる。
現金自動預払機の構成を示す略線的斜視図である。 硬貨処理装置の構成を示す略線図である。 上分離部の構成を示す略線図である。 上分離部の構成を示す略線図である。 集積分離部から分離搬送部への硬貨の引き渡しを示す略線図である。 第1の実施の形態による異物除去部の構成を示す略線図である。 第1の実施の形態による異物除去部の構成を示す略線的断面図である。 クリップの構成を示す略線図である。 クリップの引渡及び搬送を示す略線図である。 通過孔をクリップが通過する様子を示す略線的断面図である。 吸着部によるクリップの吸着を示す略線的断面図である。 通過孔を最小径外貨が通過できない様子を示す略線的断面図である。 第2の実施の形態による異物除去部の構成を示す略線的断面図である。 他の実施の形態による吸着部の構成を示す略線的断面図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動預払機の構成]
図1に外観を示すように、自動取引装置としての現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関や各種商業施設等に設置され、使用者(すなわち金融機関や商業施設の顧客等)との間で、入金処理や出金処理等の現金に関する取引を行う。
筐体2は、その前側に使用者が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所に応対部3が設けられている。応対部3は、使用者との間で例えば現金やカード等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになっており、カード入出口4、硬貨入出金口5、操作表示部6、テンキー7、及びレシート発行口8が設けられている。
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入または排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。硬貨入出金口5は、顧客によって入金される硬貨が投入されると共に、使用者へ出金する硬貨が排出される部分である。また硬貨入出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになっている。因みに応対部3には、使用者により入金される紙幣が投入されると共に該顧客へ出金する紙幣が排出される紙幣入出金口(図示せず)等も設けられている。
操作部としての操作表示部6は、取引に際して操作画面や取引内容等を表示する液晶表示パネルと、使用者の入力操作を検知するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルである。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。
以下では、現金自動預払機1のうち使用者が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した使用者から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2の内部には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9や、取引対象である硬貨に関する種々の処理を行う硬貨処理装置10、及び紙幣に関する種々の処理を行う紙幣処理装置(図示せず)等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金処理や出金処理等の種々の処理を行う。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
[1−2.硬貨処理装置の構成]
硬貨処理装置10は、図2に模式的な右側面図を示すように、硬貨処理装置筐体11の内部に、硬貨に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。この硬貨は、例えば銅及びニッケルの合金やアルミニウム等、十分な強度を有する非磁性体の材料でなり、薄い円板形状に形成されている。因みに硬貨処理装置10では、直径が異なる複数種類の硬貨を取り扱うことが想定されている。以下では、取り扱う中で最も直径が大きい硬貨を最大径硬貨と呼び、また最も直径が小さい硬貨を最小径硬貨と呼ぶ。日本国内に設置される硬貨処理装置10においては、最大径硬貨は500円硬貨であり、最小径硬貨は1円硬貨となっている。
硬貨処理装置筐体11の内部には、比較的上側ないし中央付近に、入出金部13、シュート部14、上分離部15、認識搬送部16、受渡部17、ピンベルト搬送部18、6個のスタッカ部21、出金搬送部22、及び一時保留部23が設けられている。また硬貨処理装置筐体11の内部には、比較的下側に、硬貨制御部12、補充回収庫24、第1補充リジェクト庫25、第2補充リジェクト庫26、リジェクト庫27、取忘取込庫28及び下分離部29が設けられている。
硬貨制御部12は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等に関する種々の処理を行い、硬貨処理装置10を統括制御する。また硬貨制御部12は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
入出金部13は、顧客との間で硬貨を受け渡すことにより、該顧客に硬貨を入金させ、又は該顧客に硬貨を出金する。該入出金部13は、上側に開口部を有し硬貨を収容する収容器13A、該開口部を開閉するシャッタ13B等、及び収容器13A内における硬貨の有無等を検知するセンサ(図示せず)を有している。
入出金部13は、シャッタ13Bを開放した状態で顧客により硬貨が収容器13Aに投入されると、該シャッタ13Bを閉塞し、硬貨を収容器13A内からシュート部14に引き渡して該シュート部14内を下降させ、上分離部15内に到達させる。また入出金部13は、シャッタ13Bを閉塞した状態で、後述するピンベルト搬送部18から硬貨が搬送されてくると、該硬貨を収容器13A内に収容した後、シャッタ13Bを開放して顧客に受け取らせる。
上分離部15は、下側の比較的大きい容積を占める部分である集積分離部15Aと、該集積分離部15Aから上方に突出するように形成された分離搬送部15Bとにより構成されている。この上分離部15は、集積分離部15Aに硬貨を集積すると共に、この硬貨を1枚ずつに分離して分離搬送部15Bにより上方向へ搬送し、さらに搬送路に沿って後方向へ搬送して認識搬送部16に引き渡す。
認識部としての認識搬送部16は、シュート部14の右側に位置しており、硬貨を搬送しながら撮像し、得られた画像信号を基に当該硬貨の金種や真偽、或いは損傷の程度等を基に当該硬貨が取扱可能であるか否かを判定する。因みに現金自動預払機1は、日本国内に設置されることが想定されている。これに応じて認識搬送部16は、日本国で使用される硬貨を取扱対象と認識する一方、外国の硬貨(以下では外貨とも呼ぶ)を取扱対象以外の種類の硬貨と認識するようになっている。そのうえで認識搬送部16は、得られた判定結果を当該硬貨の認識結果として硬貨制御部12に通知すると共に、当該硬貨を受渡部17に引き渡す。受渡部17は、認識搬送部16から受け取った硬貨をピンベルト搬送部18に引き渡す。
搬送部としてのピンベルト搬送部18は、スタッカ部21の前側下部、下側、後側及び上側をそれぞれ前ピンベルト搬送部18F、下ピンベルト搬送部18L、後ピンベルト搬送部18R及び上ピンベルト搬送部18Uにより取り囲み、搬送経路Wを形成している。ピンベルト搬送部18は、硬貨の盤面と当接し搬送経路Wに沿って進行するよう案内する搬送ガイドと、概ね該搬送経路Wに沿って走行するピンベルトとにより構成されている。このピンベルトには、硬貨の末尾側から搬送方向へ付勢するピンが設けられている。ピンベルト搬送部18は、ピンベルトを走行させることにより、受渡部17から受け取った硬貨を搬送経路Wに沿って搬送し、入出金部13の収容器13A内へ放出することができる。
またピンベルト搬送部18には、スタッカ部21の前側下部及び下側に配置された部分における複数箇所に、硬貨の搬送経路を分岐させる分岐部19がそれぞれ設けられている。各分岐部19の左側には、硬貨を案内する案内部30がそれぞれ設けられている。
各分岐部19は、それぞれ回動可能な案内板及びアクチュエータ等(何れも図示せず)を有しており、硬貨制御部12の制御に基づいて案内板を回動させることにより、硬貨を引き続きピンベルト搬送部18に沿って進行させるか、或いは各案内部30へ分岐させるかを切り替える。各案内部30は、それぞれ補充回収庫24、第1補充リジェクト庫25、一時保留部23、リジェクト庫27及び取忘取込庫28等へ硬貨を進行させる。
さらにピンベルト搬送部18には、6個のスタッカ部21のそれぞれ上側となる6箇所に、スタッカ分岐部20が設けられている。各スタッカ分岐部20の左側には、硬貨をスタッカ部21へ案内する案内部が設けられている。各スタッカ分岐部20は、各分岐部19と同様に構成されており、硬貨制御部12の制御に基づいて案内板を回動させることにより、硬貨を引き続きピンベルト搬送部18に沿って進行させるか、或いは各スタッカ部21へ分岐させるかを切り替える。
スタッカ部21は、それぞれ所定の金種の硬貨と対応付けられており、上側に設けられた案内部と、該案内部の下側において硬貨を上下方向に沿って積み重ねるように集積する集積部と、該集積部の下側から硬貨を繰り出す繰出部とを有している。このスタッカ部21は、ピンベルト搬送部18により搬送された硬貨をスタッカ分岐部20から受け取ると、該硬貨を案内部により集積部へ案内して集積させる。またスタッカ部21は、硬貨制御部12の制御に基づき、集積部に集積している硬貨を1枚ずつ繰り出し、下方の出金搬送部22又は一時保留部23へ落下させる。
出金搬送部22は、ピンベルト搬送部18の右側、すなわち図2における紙面の手前側に位置しており、上側及び前側が開放された中空の直方体のように構成され、内部に硬貨を収容し得る空間を形成している。また出金搬送部22は、底部にベルトやプーリ等でなるベルト搬送機構が組み込まれており、スタッカ部21から繰り出された硬貨をベルト上に載置若しくは集積する。この出金搬送部22は、ベルトの上に硬貨が載置若しくは集積された状態で、該ベルトの上側部分を前方へ向けて走行させることにより、該硬貨を前側の一時保留部23へ落下させる。
一時保留部23は、出金搬送部22の後端を下げると共に前端を持ち上げ、さらに左右の側板を三角形状としたような構成となっており、その内部に硬貨を収容する空間を形成すると共に、底部にベルト搬送機構が組み込まれている。このため一時保留部23は、スタッカ部21から繰り出された硬貨や出金搬送部22から搬送されてきた硬貨を、内部空間のベルト上に載置若しくは集積させる。また一時保留部23は、ベルトの上に硬貨が載置若しくは集積された状態で、該ベルトの上側部分を前斜め上方へ向けて走行させることにより、該硬貨を前側の上分離部15へ繰り出し、その内部へ落下させる。
補充回収庫24は、内部に硬貨を集積する集積部や、該集積部に集積されている硬貨を搬送する搬送機構等を有している。この補充回収庫24は、案内部30により案内されてきた硬貨を集積し、また内部に集積している硬貨を後方へ繰り出して下分離部29に引き渡す。第1補充リジェクト庫25及び第2補充リジェクト庫26は、それぞれ内部に硬貨を集積する空間を有しており、案内部30により案内されてきた硬貨を集積する。リジェクト庫27及び取忘取込庫28は、それぞれ内部に硬貨を集積する空間を有しており、案内部30により案内されてきた硬貨をそれぞれ集積する。
下分離部29は、補充回収庫24の後側に隣接する位置に配置されている。この下分離部29は、上分離部15と類似した構成となっており、集積分離部15A及び分離搬送部15Bとそれぞれ対応する集積分離部29A及び分離搬送部29Bにより構成されている。集積分離部29Aは、補充回収庫24から硬貨を受け取って内部に集積し、また集積されている硬貨を1枚ずつに分離して分離搬送部29Bに引き渡す。分離搬送部29Bは、集積分離部29Aから受け取った硬貨を1枚ずつ上方へ持ち上げるように搬送し、一時保留部23の放出口から内部の空間へ放出する。
[1−3.各種処理における硬貨の搬送]
次に、硬貨処理装置10において硬貨の搬送を伴う種々の処理、すなわち入金処理及び出金処理等における硬貨の搬送や集積等について説明する。ここでは、現金自動預払機1と顧客との間で入金取引及び出金取引を行う場合における硬貨処理装置10での処理についてそれぞれ説明する。
[1−3−1.入金取引における硬貨の搬送]
まず、現金自動預払機1(図1)において顧客との間で入金取引が行われる場合について説明する。この場合、硬貨処理装置10は、前段の入金計数処理により、顧客に入金された硬貨の金種等を認識しながら枚数を計数し、これに続く後段の入金収納処理により、各硬貨を適切な収納箇所へ搬送して収納する。
具体的に硬貨処理装置10の硬貨制御部12は、現金自動預払機1の主制御部9(図1)と連携することにより、操作表示部6(図1)を介して顧客から入金取引を開始する旨の操作入力を受け付けると、入金計数処理を開始する。
このとき硬貨制御部12は、まず主制御部9と連携して硬貨入出金口5(図1)のシャッタ及び入出金部13の上シャッタを開いて顧客に入出金部13内へ硬貨を投入させる。次に硬貨制御部12は、顧客から操作表示部6(図1)を介して硬貨の取り込みを開始する操作入力を受け付けると、硬貨入出金口5のシャッタ及び入出金部13の上シャッタを閉塞した上で、入出金部13からシュート部14を介して上分離部15に硬貨を引き渡す。
上分離部15は、硬貨を1枚ずつに分離して繰り出し、認識搬送部16へ引き渡す。認識搬送部16は、硬貨を1枚ずつ搬送しながら認識し、受渡部17に引き渡すと共に、得られた認識結果を硬貨制御部12へ通知する。
これに応じて硬貨制御部12は、通知された認識結果を基に、該硬貨を受け入れ得るか否かを判定すると共にその搬送先を決定し、さらに記憶する。このとき硬貨制御部12は、該硬貨が取扱可能な金種であり、且つ正当である(すなわち偽造されていない)と判定した場合にこれを受入可能とし、それ以外の場合を受入不可能とする。例えば硬貨制御部12では、外国の硬貨を受入不可能と判定することになる。また硬貨制御部12は、受入可能と判定した硬貨の金額を逐次加算することにより合計金額を集計する。
受渡部17は、認識搬送部16から受け取った硬貨をピンベルト搬送部18に引き渡す。ピンベルト搬送部18は、該硬貨が受入可能であれば、一時保留分岐部まで搬送して分岐させて一時保留部23へ進行させ、該一時保留部23に集積させる。またピンベルト搬送部18は、例えば該硬貨が外国の硬貨であった場合のように受入不可能であれば、入出金部13まで搬送して収容させる。
やがて硬貨制御部12は、上分離部15から全ての硬貨を繰り出し終えると、入出金部13に受入不可能な硬貨を収容していれば、主制御部9(図1)と協働し上シャッタ等を開放させ、該硬貨を顧客に返却して確認させると共に、必要に応じて再投入させる。一方、硬貨制御部12は、入出金部13に受入不可能な硬貨を収容していなければ、入金計数処理を完了し、入金計数処理を完了したこと及び集計した合計金額(以下これを入金額と呼ぶ)を主制御部9に通知する。これに応じて現金自動預払機1の主制御部9は、所定の操作指示画面を操作表示部6(図1)に表示させ、顧客にこの入金額を提示すると共に入金取引を継続するか、又は中止するかを選択させる。
ここで入金取引の中止が選択されると、主制御部9はこのことを硬貨制御部12に通知する。これに応じて硬貨制御部12は、所定の入金返却処理を行うことにより、一時保留部23に集積している硬貨を入出金部13へ搬送して顧客に返却する。一方、顧客から入金取引の継続が選択されると、主制御部9はこのことを硬貨制御部12に通知する。これに応じて硬貨制御部12は、入金収納処理を行うことにより、一時保留部23に集積している硬貨をスタッカ部21へ搬送して金種毎に集積させる。
具体的に硬貨制御部12は、まず一時保留部23のベルトを走行させることにより、一時保留部23内に集積している硬貨を前方へ搬送して繰り出し、上分離部15に順次引き渡す。上分離部15及び認識搬送部16は、硬貨を1枚ずつに分離してから認識すると共に、受渡部17へ引き渡す。
これに応じて硬貨制御部12は、得られた認識結果を基に、該硬貨が再利用可能であるか否か、すなわち以降の出金処理において出金可能な硬貨であるか否かを判定し、該硬貨の搬送先を決定する。このとき硬貨制御部12は、該硬貨が再利用可能であれば、その金種に応じたスタッカ部21を搬送先とし、再利用不可能であれば、リジェクト庫27を搬送先とする。因みに以下では、再利用不可能と判定された硬貨をリジェクト硬貨とも呼ぶ。
受渡部17は、認識搬送部16から受け取った硬貨をピンベルト搬送部18に引き渡す。ピンベルト搬送部18は、該硬貨が再利用可能であれば、前ピンベルト搬送部18F、下ピンベルト搬送部18L及び後ピンベルト搬送部18Rにより該硬貨を順次搬送する。やがてピンベルト搬送部18は、該硬貨が上ピンベルト搬送部18Uに到達すると、金種に応じたスタッカ分岐部により該硬貨を分岐させ、案内部31を介して集積部32に集積させる。
一方、ピンベルト搬送部18は、該硬貨が再利用不可能であれば、これをリジェクト庫27へ搬送して収容させる。やがて硬貨制御部12は、一時保留部23に集積していた全ての硬貨をそれぞれの搬送先に搬送し終えると、入金収納処理を終了する。
[1−3−2.出金取引における硬貨の搬送]
次に、現金自動預払機1(図1)において顧客との間で出金取引が行われる場合について説明する。この場合、硬貨処理装置10は、出金処理により、顧客に指示された金額の硬貨を入出金部13へ搬送して出金する。
具体的に硬貨処理装置10の硬貨制御部12は、現金自動預払機1の主制御部9(図1)と連携することにより、操作表示部6を介して顧客から出金取引を開始する旨の操作入力を受け付けると、出金処理を開始する。
このとき硬貨制御部12は、まず主制御部9と連携して操作表示部6を介して出金額を含む所定の操作入力を受け付けると、硬貨制御部12において出金額に応じた硬貨の金種及び枚数を決定する。続いて各スタッカ部21は、決定した金種及び枚数に応じて、集積部32に集積している硬貨を繰出部34によりそれぞれ繰り出し、下側の出金搬送部22又は一時保留部23内へ落下させ、集積させる。出金搬送部22は、ベルトの上面を前方へ走行させることにより、集積されている硬貨を前方へ搬送し、一時保留部23内へ落下させて集積させる。
その後、硬貨制御部12は、入金返却処理及び入金収納処理の場合と同様に、一時保留部23、上分離部15及び認識搬送部16により硬貨を1枚ずつに分離して順次搬送させ、該硬貨を認識して受渡部17へ引き渡す。受渡部17は、認識搬送部16から受け取った硬貨をピンベルト搬送部18に引き渡す。
また硬貨制御部12は、得られた認識結果を基に該硬貨が出金可能であるか否かを判定し、その搬送先を決定すると共に記憶する。すなわち硬貨制御部12は、該硬貨が出金可能であれば、入出金部13を搬送先とし、出金不可能であれば、リジェクト庫27を搬送先とする。ピンベルト搬送部18は、該硬貨が出金可能であれば、入出金部13へ搬送して収容させる。一方、ピンベルト搬送部18は、該硬貨が出金不可能であれば、後第1リジェクト分岐部まで搬送して分岐させてリジェクト庫27へ進行させ、収容させる。
やがて硬貨制御部12は、出金額に応じた金種及び枚数の硬貨を入出金部13内に収容し終えると、主制御部9(図1)と協働して入出金部13の上シャッタ等を開放して顧客に該硬貨が取り出されるのを待ち受ける。その後、硬貨制御部12は、顧客により入出金部13内の硬貨が取り出されたことを検知すると、再び主制御部9と協働して上シャッタ等を閉塞し、出金処理を終了する。
[1−4.上分離部の構成]
図3(A)及び(B)に示すように、上分離部15は、左側に位置する分離部筐体40を中心に構成されており、該分離部筐体40の右側における中央ないし下側の部分を集積カバー41により覆われている。因みに上分離部15は、上下方向に関し、集積カバー41に相当する部分が集積分離部15Aとなっており、その上側が分離搬送部15Bとなっている。
分離部筐体40には、左側にモータ42が取り付けられ、内部に複数のギア(図示せず)が組み込まれ、右側に傾斜円盤43が取り付けられている。モータ42は、右側に出力軸42Sが設けられており、この出力軸42Sを回転させることにより、内部のギアを介して傾斜円盤43に駆動力を伝達する。
図3(A)におけるA1−A2断面を図4に示すように、傾斜円盤43は、硬貨と比較して十分に大きい直径でなる円盤状に形成されており、中心軸が水平方向に対して上方へ、具体的には右斜め上方を向くようにして、傾斜している。この傾斜円盤43は、中心軸を回転中心として回転可能に支持されており、モータ42からギアを介して駆動力が伝達されると、矢印R1方向(図4の時計回り)に回転する。
また傾斜円盤43は、表面43Sが概ね平坦に形成されており、該表面43Sに対し、法線方向である右斜め上方向に突出する複数の突起44が設けられている。突起44は、傾斜円盤43の外周を7等分するそれぞれの箇所において、表面43Sにおける最外周のやや内側に取り付けられている。突起44は、全体として直方体に類似した形状に構成されており、表面43Sにおける中心と外周とを結ぶ放射方向に関して比較的長く、周方向に関して比較的短く、左右方向に十分に短く(すなわち薄く)なっている。因みに突起44における左右方向の長さ(すなわち厚さ)は、1枚の硬貨の厚さよりもやや短く(すなわち薄く)なっている。
さらに傾斜円盤43は、外周のうち7個の各突起44の近傍となる7箇所に、中心方向へえぐられるように切り欠かれた切欠溝45が形成されている。切欠溝45は、右方向から見て、傾斜円盤43の外周を一辺とする三角形に類似した形状となっており、該傾斜円盤43の中心に近い頂点の近傍において、突起44と隣接している。
また分離部筐体40には、硬貨ガイド50が取り付けられている。硬貨ガイド50は、傾斜円盤43における下側部分の外周側に隣接する円弧状の収納ガイド51と、該収納ガイド51の前端から上方向に向けて直線状に伸びる前搬送ガイド52とにより構成されている。
収納ガイド51は、その内周面と傾斜円盤43の外周面との間に僅かな隙間を形成している。前搬送ガイド52は、後側面が平面状に形成されており、その下端において、収納ガイド51の内周面と連続している。説明の都合上、以下では前搬送ガイド52の後側面を搬送基準面FSとも呼ぶ。この前搬送ガイド52の上端は、傾斜円盤43の上端よりも高い位置に到達している。また前搬送ガイド52は、下側の約半分が集積分離部15Aに含まれており、上側の約半分が分離搬送部15Bに含まれている。
前搬送ガイド52の後側における左寄りには、左搬送ガイド53及び54が設けられている。左搬送ガイド53の右側面は、平面状に形成されており、傾斜円盤43の表面43Sとほぼ同一の平面内に位置している。また左搬送ガイド53は、前側部分を前搬送ガイド52に当接させており、下後側部分を傾斜円盤43の外周面に沿わせた緩やかな円弧状に傾斜させている。さらに左搬送ガイド53の後側部分は、法線を概ね後方向に向けた平面状に形成されており、右方向から見て概ね上下方向に沿った直線状となっている。
左搬送ガイド54は、左搬送ガイド53の後側に、該左搬送ガイド53からやや離れた位置に設けられている。左搬送ガイド54の右側面は、左搬送ガイド53の右側面と同様、平面状に形成されており、傾斜円盤43の表面43Sとほぼ同一の平面内に位置している。以下では、左搬送ガイド53及び54の右側面を搬送面FCとも呼ぶ。この搬送面FCは、搬送基準面FSと略90°の角度で交差(すなわち概ね直交)している。左搬送ガイド54の前側部分は、法線を概ね前方向に向けた平面状に形成されており、右方向から見て概ね上下方向に沿った直線状となっている。これにより分離部筐体40では、左搬送ガイド53及び54の間に、上下方向に沿った溝形状が形成されている。また左搬送ガイド54の下後側部分は、傾斜円盤43の外周面に沿わせた緩やかな円弧状に傾斜されている。因みに分離部筐体40では、前搬送ガイド52、左搬送ガイド53及び左搬送ガイド54がまとめて1個の部品として一体に構成されている。
さらに分離部筐体40には、左搬送ガイド54の後側に、後搬送ガイド55が設けられている。この後搬送ガイド55の前側面は、法線を概ね前方向に向けた平面状に形成されており、右方向から見て概ね上下方向に沿った直線状となっている。これに加えて分離部筐体40には、図6及び図7を参照しながら後述するように、前搬送ガイド52並びに左搬送ガイド53及び54の右側に、搬送面FCとの間に所定の隙間を隔てた位置に、アッパガイド56が取り付けられている。このアッパガイド56は、全体として左右方向に薄い板状に構成されており、硬貨の右方向に関する移動範囲を規制している(詳しくは後述する)。また、前搬送ガイド52の上側ないし後側には、円弧状に形成された上搬送ガイド57(図4)が設けられている。
説明の都合上、以下では、前搬送ガイド52、左搬送ガイド53及び54、後搬送ガイド55及びアッパガイド56により囲まれた空間を、搬送空間SCとも呼ぶ。この搬送空間SCは、搬送面FCよりも右側であり、且つ搬送基準面FSよりも後側の空間となっている。
一方、分離部筐体40の内部における傾斜円盤43の左側、すなわち図4における傾斜円盤43の円盤面奥側には、ベルトプーリ61が配置されている。ベルトプーリ61は、全体として扁平な円盤状に形成されており、その直径が傾斜円盤43の直径よりも僅かに小さくなっている。またベルトプーリ61は、中心軸を傾斜円盤43の中心軸と一致させ、円盤面を傾斜円盤43とほぼ平行に揃えるようにして、該傾斜円盤43に取り付けられている。このためベルトプーリ61は、傾斜円盤43と一体に回転することができる。
さらに分離部筐体40は、ベルトプーリ61の上側に前プーリ62、上プーリ63及び後プーリ64を有している。前プーリ62は、ベルトプーリ61の前上側に位置している。上プーリ63は、前プーリ62の後上側に位置している。後プーリ64は、上プーリ63の後下側であり、ベルトプーリ61の上側に位置している。前プーリ62、上プーリ63及び後プーリ64は、それぞれ分離部筐体40により回転可能に支持されており、またそれぞれの右側の表面が、ベルトプーリ61における右側の表面と同一の平面上若しくはその近傍に位置している。
これに加えて分離部筐体40には、ベルト65が設けられている。ベルト65は、樹脂やゴム等の可撓性を有する材料で構成された無端ベルトであり、ベルトプーリ61及び上プーリ63の周囲を周回すると共に、前プーリ62及び後プーリ64の周側面にも当接するように張架されている。
具体的にベルト65は、ベルトプーリ61の外周面に対して上端近傍から矢印R1方向に回転するように(すなわち図の時計回りに)後側、下側、前側及び前上側までの部分に渡って当接する。さらにベルト65は、ベルトプーリ61の前上側部分に当接したまま前プーリ62の後下部分ないし後端近傍に当接し、該ベルトプーリ61の周側面から離れて該前プーリ62の後端近傍から上方へ張架され、やがて上プーリ63の前端近傍に当接する。続いてベルト65は、上プーリ63の外周面に対して前端近傍から上側及び後側に渡って当接し、該上プーリ63の後端近傍から僅かに下方向へ張架されて後プーリ64の前端近傍に当接する。さらにベルト65は、後プーリ64の外周面に対して前端近傍から下端近傍に渡って当接し、該後プーリ64の外周面を離れて間もなくベルトプーリ61の上端近傍に再び当接する。
また搬送ベルトとしてのベルト65には、所定間隔ごとに搬送ピンとしてのピン66が取り付けられている。ピン66は、ベルト65に取り付けられた取付部と、該取付部から右方向に突出した突出部とにより構成されている。このうち突出部は、中心軸を傾斜円盤43の中心軸とほぼ平行に向けた円柱状に形成されており、その右端(すなわち先端)が該傾斜円盤43の表面43Sよりも右側に突出し、突起44の上面とほぼ同等の位置に到達している。
分離部筐体40では、ベルト65におけるピン66の取付間隔や取付位置が、傾斜円盤43における切欠溝45の位置に合わせて設定されている。このため分離部筐体40では、ベルト65がベルトプーリ61の外周面に当接している場合、ピン66の突出部が傾斜円盤43の切欠溝45に入り込み、該切欠溝45内で中心43Cに近い箇所、すなわち突起44に近接した箇所に位置する。
ピン66は、傾斜円盤43が中心43Cを中心に回転すると、切欠溝45に入り込んだ状態を維持したまま、該傾斜円盤43及びベルトプーリ61と一体に回転する。すなわちピン66は、傾斜円盤43の外周部分と同期して円弧状に走行する。また分離部筐体40では、ベルト65が前プーリ62の後端近傍から上プーリ63の前端近傍にかけて張架された部分において、左搬送ガイド53及び54の間にピン66の突出部を通過させる。このときピン66は、右端近傍を搬送面FCよりも右側に突出させている。
一方、集積カバー41(図3)は、下側部分が傾斜円盤43の外周に極めて近接した円弧状でなり、上側へ進むに連れて該傾斜円盤43から離れるような曲面を形成しており、該傾斜円盤43との間に硬貨集積空間48を形成している。
かかる構成により、上分離部15は、シュート部14(図2)から硬貨が落下してくると、この硬貨を硬貨集積空間48内に収納する。また上分離部15は、傾斜円盤43を矢印R1方向(すなわち図4の時計回り)に回転させることにより、硬貨集積空間48内に集積された硬貨を適宜撹拌しながら、突起44に硬貨を1枚ずつ引っ掛ける。さらに上分離部15は、傾斜円盤43を引き続き回転させることにより、硬貨の盤面を該傾斜円盤43に対向(すなわち当接)させた姿勢で、該硬貨の周側面を突起44及び収納ガイド51に当接させながら持ち上げていく。
やがて上分離部15は、図5(A)に示すように、硬貨が傾斜円盤43の前端付近に到達すると、該硬貨の前端部分を前搬送ガイド52の後側面、すなわち搬送基準面FSに当接させ、突起44が該硬貨CNの後下側から前上方向へ力を加えるように、換言すれば駆動力を供給するようになる。これにより上分離部15は、この硬貨CNの前端を搬送基準面FSに摺動させる。
上分離部15は、引き続き傾斜円盤43を回転させ、ベルト65が前プーリ62の近傍に到達すると、図5(B)に示すように、突起44に代わってピン66が硬貨CNの後下側に、すなわち該硬貨CNの重心よりも後側に当接するようになる。これに加えて上分離部15では、この硬貨CNを上流側の集積分離部15Aから下流側の分離搬送部15Bに引き渡し、該硬貨CNの左側面を傾斜円盤43の表面43Sに当接させた状態から、左搬送ガイド53及び54の右側面、すなわち搬送面FCに当接させた状態となる。
続いて上分離部15は、傾斜円盤43の回転に伴ってベルト65を走行させることにより、突起44に隣接していたピン66を該突起44から徐々に引き離し、左搬送ガイド53及び54の隙間に沿って上昇させる。これにより上分離部15は、図5(C)に示すように、硬貨CNの前端近傍を搬送基準面FSに摺動させ、且つ左側面を搬送面FCに摺動させながら、搬送空間SC内でこの硬貨CNを上方向へ搬送することができる。その後、上分離部15は、ベルト65をさらに走行させることにより、硬貨CNを上搬送ガイド57等に沿って後方向へ搬送した後、認識搬送部16(図2)に引き渡す。
[1−5.異物除去部の構成]
さらに上分離部15(図3及び図4)には、分離搬送部15Bの一部として異物除去部70が設けられている。すなわち異物除去部70は、集積分離部15Aよりも上側に位置している。異物除去部70は、図6及び図7に示すように、上述した前搬送ガイド52、左搬送ガイド53及び54、後搬送ガイド55及びアッパガイド56に加えて、通過孔71と、吸着体72と、吸着体保持部73とにより構成されている。因みに図7は、図6におけるB1−B2断面を上方から見た様子を表している。
選別通過孔としての通過孔71は、搬送空間SCの右側において、異物選別部としてのアッパガイド56を左右方向に貫通する貫通孔として形成されている。この通過孔71は、左右方向から見て、上下方向に長く、且つ左右方向に短い長方形状となっている。また通過孔71は、上辺、後辺及び下辺が何れもアッパガイド56の一部により構成され、前辺が前搬送ガイド52の一部により構成されている。
吸着体72は、永久磁石であり、N極又はS極でなる吸着面72Sに磁性体を吸着する。吸着体保持部73は、前搬送ガイド52の右側に取り付けられており、吸着体72の吸着面72Sを搬送基準面FSから右方向へ向かう延長線上に位置させるようにして、該吸着体72を保持している。説明の都合上、以下では吸着体72及び吸着体保持部73をまとめて吸着部とも呼ぶ。異物除去部70では、搬送空間SCの左側に搬送面FCが位置しているのに対し、該搬送空間SCの右側に吸着部が位置している。すなわち吸着部は、搬送空間SCを挟んで搬送面FCと反対側に位置している。また吸着部は、搬送基準面FSに対し、搬送空間SCと反対側に位置することになる。
ところで硬貨処理装置10では、上述したように、最大径硬貨及び最大厚硬貨が500円硬貨であり、最小径硬貨及び最小厚硬貨が1円硬貨である。このうち500円硬貨は、直径が26.5[mm]であり、厚さが1.8[mm]である。また1円硬貨は、直径が20[mm]であり、厚さが1.5[mm]である。
これに応じて分離搬送部15Bにおける各部の長さは、最大径硬貨及び最小径硬貨の何れも搬送し得るよう、各部の大きさが適切に定められている。具体的に分離搬送部15B(図7)では、例えば搬送空間SCにおける前後方向の長さLSC1が27[mm]であり、左右方向(以下これを幅方向とも呼ぶ)の長さLSC2が2.5[mm]となっている。また分離搬送部15Bでは、左搬送ガイド53における前後方向の長さL53が12.75[mm]であり、左搬送ガイド54における前後方向の長さL54が7.45[mm]となっている。これらの長さは、分離搬送部15Bの一部である異物除去部70においても同様である。すなわち左搬送ガイド53における前後方向の長さL53は、最小径硬貨である1円硬貨の直径である20[mm]よりも小さくなっている。
さらに異物除去部70では、前搬送ガイド52の後側面である搬送基準面FSのうち、搬送空間SCを形成する部分と通過孔71の前辺を形成する部分とを含む長さL52が5.2[mm]となっている。また異物除去部70では、通過孔71(図6)における上下方向の長さL71Aが55[mm]であり、前後方向の長さL71Bが8.0[mm]となっている。すなわち通過孔71における上下方向の長さL71Aは、最大径硬貨である500円硬貨の直径よりも大きい。また通過孔71における前後方向の長さL71Bは、各硬貨の厚さである約1.5〜2.0[mm]よりも十分に大きく、且つ最小径硬貨である1円硬貨の直径である20[mm]よりも小さく、半分以下となっている。さらに異物除去部70では、吸着体72の左右方向の長さL72が12[mm]となっている。
ところで現金自動預払機1の硬貨処理装置10(図2)では、上述したように、硬貨を投入すべき入出金部13に対し、顧客が硬貨と共にクリップ等の異物を投入してしまう場合がある。これは、例えば顧客が財布の硬貨入れに硬貨と共にクリップを収納しておき、入金取引において硬貨を投入する際に、誤って硬貨と共にクリップを投入してしまう場合等である。説明の都合上、以下ではクリップを対象異物とも呼ぶ。
実際に入出金部13に投入される頻度が高いクリップとしては、図8(A)、(B)及び(C)に示す大クリップCPL、中クリップCPM及び小クリップCPSの3種類がある(以下、これらをまとめてクリップCPとも呼ぶ)。大クリップCPLは、長手方向の長さLCL1が約50[mm]、短手方向の長さLCL2が約10[mm]となっている。中クリップCPMは、長手方向の長さLCM1が約29[mm]、短手方向の長さLCM2が約7.5[mm]となっている。小クリップCPSは、長手方向の長さLCS1が約23.5[mm]、短手方向の長さLCS2が約6[mm]となっている。大クリップCPL、中クリップCPM及び小クリップCPSは、例えば磁性体の材料である鉄が細長い線状に形成され、その表面に対してニッケル等によりメッキ処理が適宜施された上で、屈曲及び切断等の加工が施されることにより製造されている。
硬貨処理装置10において、入出金部13に投入された硬貨及びクリップ等の異物は、何れもシュート部14を介して上分離部15に落下し、硬貨集積空間48(図3及び図4)内に収納される。
上分離部15は、集積分離部15Aにおいて傾斜円盤43を回転させ、硬貨を1枚ずつに分離しながら上方へ持ち上げ、分離搬送部15Bに順次引き渡していく。このとき上分離部15は、硬貨集積空間48内において硬貨及びクリップが集積されている状態に応じて、図9(A)及び(B)に示すように、硬貨CNと共にクリップCPを、或いはクリップCPのみを、上方へ持ち上げて分離搬送部15Bに引き渡す場合がある。
ここで、クリップCPが分離搬送部15Bに引き渡される場合、傾斜円盤43の突起44や該突起44に引っかけられた硬貨CNの上に乗った状態となる。このときクリップCPは、長手方向を前後方向に向けた姿勢で下側部分のみが支持された状態、いわば寝た姿勢となるよりも、長手方向を概ね上下方向に向け、下側部分が突起44や硬貨により支持されると共に、上側部分を前搬送ガイド52等にもたれかけた姿勢となる方が安定性が高いため、このような姿勢となる可能性が高い。
上分離部15では、このクリップが異物除去部70に到達すると、吸着体保持部73により保持されている吸着体72と該クリップとの間で磁力が作用し、該吸着体72に該クリップが引き寄せられる。このときクリップは、上方向へ搬送される過程において、最初の段階で、吸着体72に最も近接する上側部分に磁力がまず作用する。このため上分離部15では、仮にクリップの上側部分が搬送基準面FSから遠ざかっていたとしても、この上側部分を該吸着体72に近づけるように姿勢を変化させることができる。
続いて上分離部15では、ベルト65と一体に走行するピン66によって硬貨が上方向へ搬送されていくことに伴い、クリップの中央付近や下側部分も吸着体72に近づいていき、これらの部分にも磁力が作用するようになり、搬送基準面FS側に引き寄せられる。この結果、上分離部15では、クリップの全部分が搬送基準面FS側に引き寄せられ、長手方向を垂直方向に近づけた姿勢、すなわち立ったような姿勢となる可能性が高い。
ここで、図9(A)に示したように、異物除去部70に中クリップCPMが到達した場合を想定する。この中クリップCPMにおける長手方向の長さLCM1は、約29[mm]であり、通過孔71における上下後方向の長さL71Aの55[mm]よりも小さい(短い)。また中クリップCPMにおける短手方向の長さLCM2は、約7.5[mm]であり、通過孔71における前後方向の長さL71Bの8.0[mm]よりも小さい(短い)。
このため異物除去部70では、仮に中クリップCPMがほぼ立った姿勢、すなわち長手方向を上下に向け、且つ短手方向を前後に向けた姿勢であり、且つ前側を搬送基準面FSに当接させていれば、通過孔71の左側に到達した際に、そのままの姿勢で該中クリップCPMに通過孔71を通過させ得る。
ところで異物除去部70では、図10(A)に断面図を示すように、搬送空間SC内において、中クリップCPMの前側が吸着体72に引き寄せられて搬送面FCから引き離され、搬送空間SCの外に飛び出る一方で、後側がアッパガイド56に規制されて該搬送空間SC内に残った姿勢となる場合も考えられる。
ここでは、異物除去部70において、中クリップCPMの後側を搬送面FCに当接させ、且つアッパガイド56における通過孔71の後辺を形成する部分の左端(以下これを通過孔外縁端56Eと呼ぶ)に中クリップCPMの中程を当接させた状態を想定する。このとき異物除去部70では、各部の長さの関係により、中クリップCPMの前側を搬送基準面FSに当接させること無く、前搬送ガイド52の上端よりも右側に位置させること、すなわち中クリップCPMを搬送面FCから引き離して吸着体72に近づけることが可能である。
このため中クリップCPMは、搬送空間SCを硬貨と共に搬送されていた状態において、吸着体72に引き寄せられることにより、図11に示すように、通過孔71を通過して搬送空間SCの外部へ飛び出し、該吸着体72に吸着される。換言すれば、異物除去部70は、異物である中クリップCPMを搬送空間SCの内部から除去することができる。因みに異物除去部70は、小クリップCPSについても、中クリップCPMと同様に、搬送空間SC内から通過孔71を通過させ、吸着体72に吸着させることができる。
次に、異物除去部70に大クリップCPLが到達した場合を想定する。この大クリップCPLにおける長手方向の長さLCL1は、約50[mm]であり、通過孔71における上下後方向の長さL71Aの55[mm]よりも小さい(短い)。大クリップCPLにおける短手方向の長さLCL2は、約10[mm]であり、通過孔71における前後方向の長さL71Bの8.0[mm]よりも大きい(長い)。
このため異物除去部70では、仮に大クリップCPLがほぼ立った姿勢、すなわち長手方向を上下に向け、且つ短手方向を前後に向けた姿勢であり、且つ前側を搬送基準面FSに当接させていた場合、通過孔71の左側に到達したとしても、そのままの姿勢では該大クリップCPLに通過孔71を通過させ得ない。
ただし異物除去部70では、図10(B)に断面図を示すように、中クリップCPMの場合(図10(A))と同様、大クリップCPLの前側が吸着体72に引き寄せられて搬送空間SCの外に飛び出る一方で、後側がアッパガイド56に規制されて該搬送空間SC内に残った姿勢、いわば搬送面FCに対し傾いた姿勢となる場合が考えられる。
ここでは、異物除去部70において、中クリップCPMの場合と同様に、大クリップCPLの後側を搬送面FCに当接させ、且つ通過孔外縁端56Eに該大クリップCPLの中程を当接させた状態を想定する。この場合、異物除去部70では、中クリップCPMの場合と同様、各部の長さの関係により、大クリップCPLの前側を搬送基準面FSに当接させること無く、前搬送ガイド52の上端よりも右側に位置させること、すなわち搬送面FCから引き離して吸着体72に近づけることが可能である。
このため大クリップCPLは、中クリップCPMの場合と同様、搬送空間SCを搬送されていた状態において、吸着体72に引き寄せられることにより、通過孔71を通過して搬送空間SCの外部へ飛び出し、該吸着体72に吸着される(図11)。
因みに硬貨処理装置10では、異物除去部70の吸着体72にクリップのような異物を吸着した場合であっても、そのまま入金取引等の処理を継続し、その後に所定のタイミングで行われる保守作業等において、保守作業員等の作業により異物が取り除かれる。
ところで現金自動預払機1の硬貨処理装置10(図2)では、硬貨を投入すべき入出金部13に対し、顧客が誤って外国の硬貨(以下これを外貨と呼ぶ)を投入してしまう場合がある。硬貨処理装置10は、この外貨を認識搬送部16において取扱可能な硬貨として認識できず、またスタッカ部21にも収納できない。以下では、このような外貨も異物と呼ぶ。
その一方で硬貨処理装置10では、この外貨をピンベルト搬送部18等により搬送することが可能となっている。そこで硬貨処理装置10は、認識搬送部16に搬送された物体が取扱可能な硬貨として認識されず、異物と判断された場合、これをピンベルト搬送部18により入出金部13へ搬送して収容器13A内へ放出した後、シャッタ13Bを開放して顧客に返却するようになっている。説明の都合上、以下では外貨を非対象異物とも呼ぶ。
因みに、外貨のうち最も直径が小さいもの(以下これを最小径外貨CF又は最小径非対象異物と呼ぶ)は、直径RCFが15[mm]であり、厚さTCFが0.9[mm]であるため、最小径硬貨である1円硬貨よりも小さくなっている。因みに最小径外貨CFの直径RCFは、通過孔71における前後方向の長さL71Bの8.0[mm]よりも大きく(長く)なっている。これを踏まえて硬貨処理装置10では、ピンベルト搬送部18や上分離部15の分離搬送部15B等において、最小径外貨CFも正常に搬送し得るよう、各部の大きさや形状等が適切に設計されている。
最小径外貨CFは、入出金部13に投入された後、シュート部14を介して上分離部15に落下して収納された後、集積分離部15Aの傾斜円盤43により上方へ持ち上げられ、分離搬送部15Bに引き渡される。続いて最小径外貨CFは、分離搬送部15Bによりさらに上方へ搬送され、やがて異物除去部70の近傍に到達する。ここで、最小径外貨CFが磁性体材料により製造されていた場合、この最小径外貨CFは、吸着体72との間で磁力が作用し、該吸着体72に引き寄せられる。
このとき異物除去部70は、図10(A)及び(B)と対応する図12(A)に示すように、例えば最小径外貨CFの前端を搬送基準面FSに当接させたまま、吸着体72との間に作用する磁力によって右方向へ持ち上げ、やがて該最小径外貨CFの右側面における中央付近をアッパガイド56の通過孔外縁端56Eに当接させる。さらに異物除去部70は、最小径外貨CFの左側面における後端近傍を、左搬送ガイド53における右側面(すなわち搬送面FC)の後端(以下これを搬送面後端53Eと呼ぶ)に当接させる。すなわち異物除去部70では、この図12(A)が、最小径外貨CFが通過孔71から最も右方向へ飛び出した状態を表している。
この状態で異物除去部70は、最小径外貨CFの前端を前搬送ガイド52の右端よりも左側に位置させ、搬送基準面FSに当接させた状態を維持しており、該最小径外貨CFが通過孔71から右側へ抜け出ることを防止している。これを換言すれば、異物除去部70は、通過孔71における前後方向の長さL71Bを比較的短く設定し、且つ前搬送ガイド52の後側面である搬送基準面FSの長さL52を比較的長く設定していることにより、最小径外貨CFの一部を搬送空間SC内に留めている。
さらに異物除去部70は、最小径外貨CFの前端近傍が通過孔71から最も右方向へ突出した状態、すなわち該前端近傍を搬送空間SCから該通過孔71を介して外方へ突出させた状態(図12(A))において、最小径外貨CFの後端近傍を、ピン66の通過軌跡内に位置させている。これにより異物除去部70は、ベルト65の走行に伴って上方向へ移動するピン66により、最小径外貨CFに対して上方向への駆動力を作用させることができる。
これにより異物除去部70は、最小径外貨CFを上方向へ移動させていき、アッパガイド56における通過孔71の外縁上端部分において、該最小径外貨CFのうち搬送空間SCの外部に突出していた部分を搬送空間SC内へ引き込んでいき、最終的に該最小径外貨CFの全部分を該搬送空間SC内に引き戻す。
このように異物除去部70は、最小径外貨CFが磁性体材料により構成され、吸着体72に引き寄せられたとしても、該最小径外貨CFの一部を搬送空間SC内に留めてピン66から力を作用させ、やがて該搬送空間SC内に引き戻して搬送することができる。また異物除去部70は、最小径外貨CFよりも大きく、且つ磁性体材料により構成された他の外貨についても、該最小径外貨CFと同様に、その一部を搬送空間SC内に留めてピン66により上方へ搬送できる。
これにより分離搬送部15Bは、これらの外貨を下流側の認識搬送部16(図2)に引き渡すことができる。その後、硬貨処理装置10は、これらの外貨を認識搬送部16やピンベルト搬送部18等により搬送して入出金部13の収容器13A内へ放出し、顧客に返却することができる。
ところで異物除去部70は、図12(A)に示した状態において、最小径外貨CFの前端を搬送基準面FSに当接させるために、前搬送ガイド52の長さL52が、他の各部分の長さ等を基に設定されている。ここでは、最小径外貨CFの左側面と搬送面FCとのなす角度をθとする。
また、図12(A)においてアッパガイド56の通過孔外縁端56Eを通る左右方向に沿った補助線Xを設ける。ここで図12(B)及び(C)に示すように、最小径外貨CFの左側面、搬送面FC及び搬送基準面FSを三辺とする大三角形TR1と、最小径外貨CFの左側面、搬送面FC及び補助線Xを三辺とする小三角形TR2とは、互いに相似形となっている。
小三角形TR2における補助線Xに沿った辺の長さLXは、搬送空間SCにおける左右方向の長さと、最小径外貨CFの厚さTCFと、角度θとの関係から、次の(1)式のように表すことができる。
Figure 2020140651
また、小三角形TR2に関するtanθは、次の(2)式のように表すことができる。
Figure 2020140651
一方、大三角形TR1における搬送基準面FSに沿った辺の長さをLFSとすると、この大三角形TR1に関するtanθは、次の(3)式のように表すことができる。
Figure 2020140651
ここで、最小径外貨CFの前端が搬送基準面FSに当接するための条件は、該搬送基準面FSの左右方向に関する長さL52がこの長さLFSよりも長いこと、すなわち(L52>LFS)を満たすことである。そこで、この(L52>LFS)に(1)〜(3)式を適宜代入して整理すると、次の(4)式が得られる。
Figure 2020140651
実際の異物除去部70では、この(4)式を満たす値として、搬送基準面FSの左右方向に関する長さL52が5.2[mm]に設定されている。
[1−6.効果等]
以上の構成において、第1の実施の形態による現金自動預払機1の硬貨処理装置10(図2)は、上分離部15において硬貨を1枚ずつ搬送する分離搬送部15Bに異物除去部70を設けた(図3及び図4)。異物除去部70は、搬送空間SCを挟んで搬送基準面FSと対向するアッパガイド56に通過孔71を設け、該搬送空間SCから右方向へやや離れた位置に吸着体72を設けた(図6及び図7)。
硬貨処理装置10は、入出金部13に硬貨と共に異物が投入され上分離部15に落下し、この異物が集積分離部15Aから分離搬送部15Bに引き渡されると、この異物を硬貨と共に、若しくは異物のみを、上方向へ搬送する。このとき上分離部15の異物除去部70は、異物がクリップのように比較的小さく磁性体材料で構成されている場合、吸着体72によりこの異物を吸着して搬送空間SCの外部へ移動させること、すなわち異物を除去することができる。
また異物除去部70は、アッパガイド56に設ける通過孔71において、前後方向の長さL71Bを、最小径硬貨の直径である20[mm]や最小径外貨CFの直径である15[mm]よりも十分に小さい8.0[mm]とした。その一方で異物除去部70は、前搬送ガイド52の左右方向の長さL52を、搬送空間SCにおける左右方向の長さLSC2の2.5[mm]よりも十分に大きい5.2[mm]とした(図7)。
これにより異物除去部70は、クリップのような比較的小さい磁性体の異物について、吸着体72に吸着させ、通過孔71を通過することを許容して、搬送空間SCの外部へ除去できる(図7)。その一方で異物除去部70は、最小径外貨CFのような比較的大きい磁性体の異物について、吸着体72に引き寄せるものの通過孔71を通過することを阻止して、搬送空間SC内に留め、さらにピン66により搬送することができる(図12)。
さらに異物除去部70では、吸着体72の後面である吸着面72Sを、前搬送ガイド52の後面である搬送基準面FSの延長線上に配置した(図7)。これにより異物除去部70では、吸着面72Sを搬送基準面FSよりも前側に位置させるよう吸着体72を配置する場合と比較して、該吸着面72Sを搬送空間SCに近づけることができるので、該吸着体72と磁性体との間でより強い磁力を作用させ、より確実に吸着することができる。
このように硬貨処理装置10は、上分離部15の異物除去部70により、下流側の認識搬送部16やピンベルト搬送部18へ搬送された場合に周囲の部品等に引っかかって障害を発生させる恐れがある異物を、磁性体としての性質を利用することで、効果的に除去することができる。その一方で硬貨処理装置10は、上分離部15の異物除去部70において、認識搬送部16やピンベルト搬送部18等により正常に搬送できる外貨については、磁性体であっても除去すること無く、入出金部13まで搬送して顧客に返却することができる。
他の観点から見れば、硬貨処理装置10では、入出金部13に投入される可能性が高い異物であって、且つ磁性体で構成されるものとして、例えば、迅速な返却が望ましい外貨と、必ずしも迅速な返却が必要では無いクリップとがある。この外貨とクリップとでは、互いの形状が大きく相違している。そこで硬貨処理装置10の異物除去部70では、両者の磁性体としての性質を利用することに加えて、両者の形状の違いを積極的に利用し、アッパガイド56に設ける通過孔71の前後方向の長さL71Bと、前搬送ガイド52の左右方向の長さL52とをそれぞれ適切に設定した。これにより硬貨処理装置10は、分離搬送部15Bにおいて、磁性体の異物をその形状に応じて適切に選別でき、クリップのような硬貨とは異なる異物を除去して障害の発生を未然に防止することと、外貨を除去すること無く搬送して顧客に迅速に返却することとを、高い次元で両立させることができる。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による現金自動預払機1の硬貨処理装置10は、分離搬送部15Bに設ける異物除去部70において、アッパガイド56に通過孔71を設け、搬送空間SCからやや離れた位置に吸着体72を設けた。また異物除去部70は、通過孔71における前後方向の長さL71Bを、最小径硬貨の直径や最小径外貨CFの直径よりも十分に小さくすると共に、前搬送ガイド52の左右方向の長さL52を、搬送空間SCにおける左右方向の長さLSC2よりも十分に大きくした。これにより異物除去部70は、クリップのような比較的小さい磁性体の異物を吸着体72に吸着させて搬送空間SCの外部へ除去できる一方、最小径外貨CFのような比較的大きい磁性体の異物を搬送空間SC内に留め、ピン66により搬送させて顧客に迅速に返却することができる。
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態による現金自動預払機101(図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、硬貨処理装置10に代わる硬貨処理装置110を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。硬貨処理装置110(図2)は、第1の実施の形態による硬貨処理装置10と比較して、上分離部15に代わる上分離部115を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
上分離部115(図3等)は、第1の実施の形態による上分離部15と比較して、異物除去部70に代わる異物除去部170を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。異物除去部170は、図7と対応する図13に模式的な断面図を示すように、通過孔71及び吸着体保持部73に代わる通過孔171及び吸着体保持部173と、吸着体72とが、何れも搬送空間SCの右側では無く左側に配置されている。
具体的に異物除去部170では、左搬送ガイド53に代わる左搬送ガイド153に通過孔171が形成される一方、アッパガイド56に代わるアッパガイド156に孔が形成されていない。通過孔171における上下方向の長さは、第1の実施の形態における通過孔71の上下方向の長さL71A(図6)と同等となっている。また通過孔171における前後方向の長さは、第1の実施の形態における通過孔71の前後方向の長さL71B(図6)と同等となっている。さらに前搬送ガイド52に代わる前搬送ガイド152は、アッパガイド156の左側面を右端とし、搬送面FCよりも左側を左端とする範囲に搬送基準面FSを形成するように配置されており、左右方向の長さL152を第1の実施の形態における長さL52と同等としている。
このような構成により、異物除去部170は、磁性体でありクリップのような形状でなる異物が、少なくともその一部を搬送基準面FSに寄せた状態で搬送されてくると、吸着体72の吸着力と重力とをこの異物に作用させる。これにより異物除去部170は、この異物を搬送空間SC内から通過孔171を介して左側へ移動させ、吸着体72に吸着させること、すなわち該搬送空間SCの外部へ除去することができる。その一方で異物除去部170は、磁性体であり最小径外貨CFのような形状でなる異物に関して、通過孔171における前後方向の長さが、第1の実施の形態と同等の長さL71B(図6)であり、最小径外貨CFの直径である長さRCFよりも十分に短い。また異物除去部170は、搬送空間SCにおける左右方向の長さが、第1の実施の形態と同等の長さLSC2(図7)である。このため異物除去部170は、磁性体であり最小径外貨CFのような形状でなる異物を、第1の実施の形態と同様に搬送空間SC内に留めてピン66により搬送させることができる。
この結果、硬貨処理装置110は、上分離部115の異物除去部170により、第1の実施の形態と同様、下流側の認識搬送部16やピンベルト搬送部18へ搬送された場合に周囲の部品等に引っかかって障害を発生させる恐れがある異物であるクリップを、磁性体としての性質を利用することで、効果的に除去することができる。その一方で硬貨処理装置110は、上分離部115の異物除去部170において、認識搬送部16やピンベルト搬送部18等により正常に搬送できる外貨については、磁性体であっても除去すること無く、入出金部13まで搬送して顧客に返却することができる。
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、通過孔71における前後方向の長さL71Bを8.0[mm]とする場合について述べた(図7)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば長さL71Bを7.0[mm]や9.2[mm]等、他の種々の値に設定しても良い。この場合、除去すべき異物が通過孔71をできるだけ円滑に通過できる大きさであり、且つ最小径外貨CFの通過を阻止できれば良い。また、最小径硬貨である1円硬貨の直径(20[mm])や最小径外貨CFの直径RCF(15[mm])よりも小さくすることにより、これらの硬貨を通過させないことが望ましい。そのうえで、設定した長さL71Bを基に、(4)式を満たすよう、搬送基準面FSの左右方向に関する長さL52を設定すれば良い。またこれらの場合、最小径外貨CFは円盤形状に限らず、例えば盤面が8角形状や楕円形状等、他の形状で合っても良い。第2の実施の形態における通過孔171についても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、前搬送ガイド52における左右方向の長さL52、すなわち搬送基準面FSにおける左右方向の長さを5.2[mm]とする場合について述べた(図7)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば長さL52を4.8[mm]や6.0[mm]等、他の種々の値に設定しても良い。この場合、上述した(4)式を満たすことにより、最小径外貨CFに通過孔71を通過させないようにすれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、通過孔71における上下方向の長さL71Aを55[mm]とし、大クリップCPLの長手方向の長さである50[mm]よりも長くする場合について述べた(図7)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば硬貨処理装置10の入出金部13に大クリップCPLが投入される頻度が極めて低い場合に、長さL71Aを40[mm]や30[mm]としても良い。この場合、入出金部13に投入される可能性が高い中クリップCPMや小クリップCPSの長手方向の長さよりも長く、これらを通過させ得れば良い。さらには、長さL71Aを最大径硬貨の直径(26.5[mm])よりも小さく(短く)しても良い。第2の実施の形態における通過孔171についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、異物除去部70において、吸着体保持部73により吸着体72の吸着面72Sを搬送基準面FSの延長線上に位置させる場合について述べた(図7)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図14(A)に示す異物除去部270のように、吸着体保持部273により吸着体72の吸着面72Sを搬送基準面FSの延長線上よりも前側に、すなわち搬送空間SCを基準として搬送基準面FSよりも遠方に位置させても良い。これにより、吸着体72に吸着されたクリップ等の異物を前搬送ガイド52の右側に保持することができ、この異物の一部が搬送空間SC内に入り込んで硬貨の搬送を阻害することを回避できる。或いは、図14(B)に示す異物除去部370のように、吸着体保持部373により吸着体72の吸着面72Sを左方向に向け、且つ通過孔71の右側に位置させても良い。すなわち、吸着体72及び吸着体保持部373により構成される吸着部を、搬送基準面FSに対し、搬送空間SCと同じ側に位置させても良い。これにより、搬送空間SCと吸着面72Sとの距離を短縮できるので、吸着体72と異物との間に作用する磁力を高め、この異物をより強力に吸着体72に吸着させることができる。第2の実施の形態についても同様であり、吸着体72及び吸着体保持部273等を搬送面FCに関してほぼ左右対称に設ければ良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、吸着体72を永久磁石とする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば吸着体72を電磁石等、他の種類の磁石としても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、分離搬送部15Bにおいて、ベルト65にピン66を設け、このピン66を硬貨に当接させることにより、該硬貨に駆動力を伝達して搬送する場合について述べた(図4及び図7等)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばベルト65からピン66を省略すると共に該ベルト65の側面を硬貨に押し付けることにより、硬貨に駆動力を伝達して搬送するようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、傾斜円盤43を有する集積分離部15Aから硬貨が引き渡される分離搬送部15Bに異物除去部70を設ける場合について述べた(図3及び図4)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばピンベルト搬送部18等、硬貨を搬送する他の種々の箇所に異物除去部70を設けても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、本発明を上分離部15に適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば下分離部29に適用しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、現金自動預払機1に組み込まれる硬貨処理装置10に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば自動券売機等のように顧客との間で硬貨に関する取引を行う種々の装置や、金融機関の職員や小売店の店員等が現金を管理するために使用する現金管理装置等に本発明を適用しても良い。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した第1の実施の形態においては、搬送ベルトとしてのベルト65と、搬送ガイドとしての左搬送ガイド53及び54と、サイドガイドとしての前搬送ガイド52と、吸着部としての吸着体72及び吸着体保持部73と、異物選別部としてのアッパガイド56とによって硬貨処理装置としての硬貨処理装置10を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる搬送ベルトと、搬送ガイドと、サイドガイドと、吸着部と、異物選別部とによって硬貨処理装置を構成しても良い。
本発明は、例えば顧客との間で硬貨に関する取引処理を行う現金自動預払機等で利用できる。
1、101……現金自動預払機、5……硬貨入出金口、6……操作表示部、9……主制御部、10、110……硬貨処理装置、13……入出金部、15、115……上分離部、15A……集積分離部、15B……分離搬送部、16……認識搬送部、40……分離部筐体、41……集積カバー、43……傾斜円盤、43S……表面、44……突起、45……切欠溝、48……硬貨集積空間、50……硬貨ガイド、51……収納ガイド、52、152……前搬送ガイド、53、153……左搬送ガイド、53E……搬送面後端、54……左搬送ガイド、55……後搬送ガイド、56、156……アッパガイド、56E……通過孔外縁端、57……上搬送ガイド、65……ベルト、66……ピン、70、170、270、370……異物除去部、71、171……通過孔、72……吸着体、72S……吸着面、73、173、273、373……吸着体保持部、270……異物除去部、CF……最小径外貨、CP……クリップ、CPL……大クリップ、CPM……中クリップ、CPS……小クリップ、FC……搬送面、FS……搬送基準面、SC……搬送空間。

Claims (15)

  1. 硬貨が搬送される搬送空間に形成された搬送路に沿って走行し、前記硬貨に駆動力を供給する搬送ベルトと、
    前記搬送路に沿った搬送面を有し、該搬送面に沿って前記硬貨を案内する搬送ガイドと、
    前記搬送路に沿って形成され前記搬送面と交差する搬送基準面を有し、該搬送基準面により前記硬貨の位置を規制するサイドガイドと、
    前記搬送空間を挟んで前記搬送面と反対側に設けられ、前記硬貨と異なる異物を吸着する吸着部と、
    前記搬送空間及び前記吸着部の間に設けられ、前記異物のうち前記吸着部に吸着させるべき対象異物の通過を許容する一方、前記吸着部に吸着させるべきでない非対象異物の通過を阻止する選別通過孔を有する異物選別部と
    を具えることを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 前記異物選別部の前記選別通過孔は、前記硬貨が搬送される方向である搬送方向に関する長さが、前記硬貨のうち最も直径が大きい最大径硬貨の当該直径よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  3. 前記異物選別部の前記選別通過孔は、前記硬貨が搬送される方向である搬送方向と直交する幅方向に関する長さが、前記硬貨のうち最も直径が小さい最小径硬貨の当該直径よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬貨処理装置。
  4. 前記非対象異物は円板形状であり、
    前記異物選別部の前記選別通過孔は、前記硬貨が搬送される方向である搬送方向と直交する幅方向に関する長さが、前記非対象異物のうち最も直径が小さい最小径非対象異物の当該直径よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の硬貨処理装置。
  5. 前記異物選別部の前記選別通過孔は、内周面の一部が前記搬送基準面の延長線上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の硬貨処理装置。
  6. 前記吸着部は、前記搬送基準面に対し、前記搬送空間と反対側に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の硬貨処理装置。
  7. 前記吸着部は、前記異物を吸着する吸着面が、前記搬送基準面の延長線上に位置している
    ことを特徴とする請求項6に記載の硬貨処理装置。
  8. 前記吸着部は、前記異物を吸着する吸着面が、前記搬送空間を基準として前記搬送基準面よりも遠方に位置している
    ことを特徴とする請求項6に記載の硬貨処理装置。
  9. 前記搬送ベルトは、前記搬送面を挟んで前記搬送空間と反対側に配置され、前記硬貨が搬送される方向である搬送方向に関して互いに離間した複数箇所に、前記搬送空間内へ突出した搬送ピンを有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の硬貨処理装置。
  10. 前記非対象異物は円板形状であり、
    前記異物選別部の前記選別通過孔は、前記非対象異物の一部が前記搬送空間から当該選別通過孔を介して外方へ突出した状態において、当該非対象異物に前記搬送ピンを当接させる形状である
    ことを特徴とする請求項9に記載の硬貨処理装置。
  11. 前記硬貨の前記搬送路に関し前記搬送ガイドの上流側に設けられ、法線を水平方向に対して上方へ傾斜させた円盤面を有し、該円盤面の中心軸を回転中心として回転可能に支持された傾斜円盤と、
    前記傾斜円盤の前記円盤面から法線方向に突出した突起と、
    前記傾斜円盤の前記法線方向側に設けられ、前記円盤面との間に前記硬貨を集積する硬貨集積空間を形成する集積カバーと
    を具え、
    前記搬送ベルトは、前記硬貨の前記搬送路に関し前記搬送ガイドの上流側において、前記搬送ピンの一部を前記円盤面よりも前記法線方向側に突出させ、回転する前記傾斜円盤の外周部分と同期して円弧状に走行する
    ことを特徴とする請求項9に記載の硬貨処理装置。
  12. 前記搬送ガイド、前記吸着部及び前記異物選別部は、前記硬貨集積空間よりも上側に位置する
    ことを特徴とする請求項11に記載の硬貨処理装置。
  13. 前記硬貨は非磁性体であり、
    前記異物は磁性体であり、
    前記吸着部は磁石である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れかに記載の硬貨処理装置。
  14. 前記硬貨の前記搬送路に関し前記吸着部及び前記異物選別部よりも下流側に設けられ、前記硬貨の種類を認識する認識部
    をさらに具え、
    前記対象異物は、複数の紙を重ねた状態に保持するクリップであり、
    前記非対象異物は、前記認識部において取扱対象以外の種類と認識する前記硬貨である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れかに記載の硬貨処理装置。
  15. 使用者の操作を受け付ける操作部と、
    請求項1乃至請求項14の何れかに記載の硬貨処理装置と
    を具えることを特徴とする自動取引装置。

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