本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。以下の実施の形態では、本開示の情報処理方法を適用した決済を実現する情報処理システムについて説明する。
(実施の形態1)
図1は、情報処理システム100を用いた決済方法の概要を示す図である。実施の形態1の情報処理システム100は、利用者の利用者端末装置1と、情報処理装置2と、サービス又は商品提供者が用いる提供者端末装置3と、支払者が用いる支払者端末装置4とを含む。利用者端末装置1、提供者端末装置3及び支払者端末装置4は夫々、ネットワークNを介して情報処理装置2と通信接続し、情報を送受信することが可能である。
利用者端末装置1は利用者のスマートフォン、提供者端末装置3はサービスの提供者が所有するタブレット端末、支払者端末装置4は支払者である事業者が管理するパーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータであって汎用的コンピュータである。提供者端末装置3は、タブレット端末のみならず汎用的コンピュータの態様であってもよいし、提供者が組織的であればタブレット端末群と各々と通信可能な汎用的コンピュータを含むとよい。情報処理装置2は、決済サービスに係る処理を実行するサーバコンピュータである。
情報処理装置2は、利用者端末装置1、提供者端末装置3及び支払者端末装置4の内の少なくとも1つと通信接続して情報を送受信するサーバコンピュータである。情報処理装置2は、利用者が享受するサービス又は商品に関するデジタル帳票DFを発行し、デジタル帳票DFに各種情報を追記し、デジタル帳票DFに基づく決済サービス又は経費登録サービスを実現する決済プラットフォームとして機能する。決済プラットフォームにより、デジタル帳票DFに基づく決済サービス等のみならず、チケット配信サービス等を実現することも可能である。情報処理装置2は、サービス又は商品の提供者、支払者、及び利用者夫々に対応する銀行口座間での入出金を実行する決済システム200に専用線NNを介して通信接続されている。
ネットワークNは、所謂インターネットである公衆通信網N1と、所定の移動通信規格による無線通信を実現するキャリアネットワークN2と、専用線N3とを含む。公衆通信網N1にはアクセスポイントAPが含まれる。キャリアネットワークN2には基地局BSが含まれる。利用者端末装置1及び情報処理装置2間、並びに提供者端末装置3及び情報処理装置2間は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介して通信接続が可能である。支払者端末装置4は、専用線N3又は公衆通信網N1を介して情報処理装置2と通信接続が可能である。
実施の形態1では、サービスの提供者はタクシー事業者である。利用者は出張、即ち利用者が所属する企業の事業活動のためにタクシーを利用する。支払者は利用者が所属する企業の経理部門である。実施の形態1では、利用者端末装置1は利用者が個人的に所有するスマートフォンである。提供者端末装置3はタクシーの運転手によって所持されているタブレット端末である。提供者端末装置3は、タクシーメータに連動する専用装置であってもよい。
利用者端末装置1を所持する利用者は、タクシーの乗車時又は精算時にサービス提供者を識別する提供者ID(識別情報)を取得し、利用者IDと対応付けて情報処理装置2へ送信する。利用者ID又は提供者IDがサービスに関するコードに相当する。提供者IDは、タクシーの車内で提示される二次元バーコードに含まれている。二次元バーコードにはタクシー事業者を識別する提供者ID及びタクシーの利用を1回ずつ識別できるように車両ID、運転者IDが含まれていることが好ましい。二次元バーコードは、紙媒体又はシール用紙等に印刷出力されていてもよいし、提供者端末装置3の表示部に出力されてもよい。
情報処理装置2は、送信された利用者IDで識別される利用者が、提供者IDで識別される提供者が提供するタクシー輸送に係る費用を支払うためのデジタル帳票DFを発行する。情報処理装置2は、タクシーの運賃が確定した場合にその金額を利用者端末装置1又は提供者端末装置3から取得する。利用者端末装置1がタクシーメータから印刷出力される領収書に出力された金額を読み取って情報処理装置2へ送信してもよいし、提供者端末装置3から情報処理装置2へ送信されてもよい。
情報処理装置2は、取得した金額を発行済みのデジタル帳票DFに追記すると共に利用者端末装置1へ通知し、利用者による金額の確認を受け付ける。利用者が利用者端末装置1に通知された金額を確認した場合、情報処理装置2は、確認を受け付け、サービス提供者と支払者間で取り決められた決済方法によって決済を実行する。情報処理装置2は、決済システム200へ決済情報を送信して決済を実行することができる。情報処理装置2はあらかじめ登録されている経費処理ルールに基づいて、勘定科目(例えば「交通費」を割り当て、支払者端末装置4へ送信する。
これにより利用者は、現金又は自身が所有するクレジットカード等を使用することなしに、出張で利用するタクシーに乗車することができる。利用者が所属する企業も、出張費用の立替精算が不要である上に、経費の登録が自動的に実行されるので、利用者からの申請による精算を行なう必要がない。サービス提供者であるタクシー業者も支払者から料金を徴収することができる。
決済プラットフォームには、利用者の個人的な決済方法を連携させることも可能である。情報処理装置2は、個人的な決済方法を利用するか、所属する企業による経費に計上するかを選択させることができる。情報処理装置2は事後的に、一旦経費で計上していた支払等を個人的な利用であったとして個人的な決済方法に割り振ることができる。逆に、情報処理装置2は、一旦個人的な決済方法で支払っていた費用に対し、承認後に経費処理相当分を支払者の口座から利用者個人の口座に振り替えることも可能である。
決済サービス及び経費登録サービスを実現するための情報処理システム100について詳細を説明する。図2は、情報処理システム100に含まれる利用者端末装置1の構成を示すブロック図である。利用者端末装置1は上述したようにスマートフォン等の通信機能を有するコンピュータを用いる。利用者端末装置1は、制御部10、記憶部11、通信部12、表示部13、操作部14及び読取部15を備える。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部10は、プロセッサ、メモリ、記憶部11及び通信部12を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。制御部10は、記憶部11に記憶されているウォレットアプリケーションプログラム(以下、ウォレットアプリという)1Pに基づき、情報処理装置2へ通信接続し、決済サービスの利用を実現する。
記憶部11は、フラッシュメモリを用い、ウォレットアプリ1Pを含む制御部10が参照するプログラム及びデータを記憶する。記憶部11には、決済サービスの利用者を識別する利用者IDが記憶されている。制御部10は、ウォレットアプリ1Pに基づき、情報処理装置2から送信される情報に基づく操作画面を表示部13に表示させる。
通信部12は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介した情報処理装置2との無線通信を実現する無線通信モジュールである。通信部12は例えば、Wi-Fi に対応する無線通信デバイス、又は、キャリア通信用モジュールを用いる。
表示部13は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部14は、利用者の操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を用いる。操作部14は、物理ボタン又はタッチパネルにて表示部13で表示している画面上で操作を受け付けてもよいし、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
読取部15は、提供者ID等のコードを読み取るリーダである。読取部15は、バーコードリーダ、カメラ、及び無線タグリーダの内の少なくともいずれか1つである。読取部15は、それらのいずれをも含み、コードの提示態様によっていずれかを選択的に使用してコードを読み取ってもよい。読取部15は読み取ったコードを制御部10へ通知する。
図3は、情報処理システム100に含まれる情報処理装置2の構成を示すブロック図である。情報処理装置2は上述したように、サーバコンピュータを用いる。実施の形態1において以下では、情報処理装置2は1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで機能又は処理を分散させてもよいし、1台の大型コンピュータに仮想的に生成される複数のサーバコンピュータ(インスタンス)の内の1つであってもよい。
情報処理装置2は、制御部20、記憶部21、第1通信部22、第2通信部23及び入出力部24を備える。
制御部20は、CPU又はGPUを用いたプロセッサであり、内蔵するメモリを用いて各構成部を制御して処理を実行する。制御部20は、記憶部21に記憶されている情報処理プログラム2Pに基づく情報処理を実行する。
記憶部21は、ハードディスク又はSSD(Solid State Drive )を用いる。記憶部21は、情報処理プログラム2Pを記憶しているほか、制御部20が参照する他のプログラム及びデータを記憶する。
第1通信部22は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2における通信を実現する。制御部20は、第1通信部22により公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介して利用者端末装置1及び提供者端末装置3との間で情報の送受信が可能である。
第2通信部23は、専用線N3における通信を実現する。制御部20は、第2通信部23により、専用線N3を介して支払者端末装置4との間で情報の送受信が可能である。
入出力部24は、決済プラットフォームに関する各種情報を記憶するサービスDB(Data Base :データベース)201との接続インタフェースである。サービスDB201は、記憶部21内に構築されてもよい。
サービスDB201は、利用者DB202、提供者DB203、支払者DB204、条件DB205、帳票DB206、利用実績DB208、及びチケットDB209を含む。
図4は、利用者DB202に記憶される情報の内容例を示す図である。利用者DB202は、利用者の利用者IDに対応付けて利用者の名前等の属性を記憶している。属性に利用者の電話番号、メールアドレス等の連絡先情報、所属する企業名、社員ID等が含まれるとよい。利用者DB202は、利用者IDに対応付けて利用者が所属する企業による経費に計上する場合のデフォルトの支払者を識別する支払者IDを記憶している。利用者DB202は、利用者の決済システム200における銀行口座を識別する情報、又は利用者個人のクレジットカードの情報である支払情報を記憶する。利用者DB202は、利用者IDに対応付けて利用者のサービスの利用頻度、又は設定された重要度に基づくランク情報を記憶する。ランク情報は情報処理装置2にて設定を受け付けることが可能である。
図5は、提供者DB203に記憶される情報の内容例を示す図である。提供者DB203は、サービス又は商品の提供者の提供者IDに対応付けて提供者の名前等の属性、提供者の種別等を記憶する。提供者IDは、提供者が組織的である場合に直接的なサービス提供者、例えばタクシーの運転手、飲食店の店舗、飲食店のスタッフID等で識別されてもよいし、事業者毎に識別されてもよい。提供者DB203は、提供者の決済システム200における銀行口座を識別する情報を記憶する。
図6は、支払者DB204に記憶される情報の内容例を示す図である。支払者DB204は、支払者の支払者IDを対応付けて支払者である企業の名称等の属性を記憶する。支払者DB204は、支払者の決済システム200における銀行口座を識別する情報を記憶する。
図7は、条件DB205に記憶される情報の内容例を示す図である。条件DB205は、ランク情報に対応付けて料金上限、回数上限、期日、場所又は割引率を記憶する。条件DB205は、利用者IDに対応付けて利用者毎に設定されている料金上限、回数上限、期日、場所又は割引率を含む利用条件を記憶してもよい。条件DB205は、支払者と提供者との合意に基づくその組み合わせ独自の料金上限、回数上限、記述、又は割引率等の利用条件を記憶してもよい。これらの各利用条件は、条件IDを付与して記憶されるとよい。
支払者IDは支払者である企業からの申請に応じて決済プラットフォームの管理者の権限で発行される。利用者IDは、申請に含まれる利用者数分だけ発行される。利用者DB202、支払者DB204及び条件DB205に記憶される情報は、発行された支払者ID又は利用者IDに対応付けて支払者によって登録される。支払者端末装置4から遠隔で登録されてもよい。提供者DB203に記憶される情報も、サービス又は商品の提供者からの加盟申請に応じて管理者により発行される提供者IDに対応付けて、属性、車両ID、運転者ID等は提供者によって登録されてよい。条件DB205は、申請時に登録されると共に事後的に書き換えられてもよいし、支払者端末装置4から遠隔で書き換え可能にされてもよい。
図8は、帳票DB206に記憶される情報の内容例を示す図である。帳票DB206は、デジタル帳票DFを記憶する。デジタル帳票DFは、帳票ID、発行日時、利用開始日時、利用終了日時、利用目的、利用したサービス又は商品の名称、詳細内容、金額、利用者の利用者ID、サービス又は商品を提供する提供者の提供者ID、支払者の支払者ID、利用条件を含む。デジタル帳票DFは、個人負担又は経費処理かの種別を含む。1回の利用に対して支払者と利用者自身とで費用が分担される場合、第2の支払者として利用者ID又は他の支払者の支払者IDが含まれる。デジタル帳票DFは、サービス利用時に提供者IDを指定して申請されることで発行されるワンタイム型か、利用者ID及び金額が先に指定されて申請されることで発行されるウォレット型かの種別を含んでもよい。
図9は、利用実績DB208に記憶される情報の内容例を示す図である。利用実績DB208は、利用者IDに対応付けて決済が完了したデジタル帳票DFの利用実績を記憶する。決済システム200にて採番される決済IDを対応付けて記憶してもよい。利用実績DB208は、利用者ID及び帳票IDに対応付けて、デジタル帳票DFの内容の一部又は全部を記憶するとよい。
図10は、チケットDB209に記憶される情報の内容例を示す図である。チケットDB209は、利用実績DB208に記憶されている利用実績に基づいて利用者向けに提供者からの申請によって発行されるデジタルチケットを記憶する。デジタルチケットは、利用者ID、提供者IDと、利用条件のみが指定されたデジタル帳票DFであり、帳票IDが採番されている。チケットDB209は、利用前のチケットのみならず、利用済みのチケットも記憶する。デジタルチケットは利用を開始された場合に帳票DB206にも記憶されるとよい。
図11は、情報処理システム100に含まれる提供者端末装置3の構成を示すブロック図である。提供者端末装置3は上述したようにタブレット端末等の通信機能を有するコンピュータを用いる。提供者端末装置3は、制御部30、記憶部31、通信部32、表示部33、操作部34及び読取部35を備える。
制御部30は、CPU又はGPUを用いたプロセッサであり、内蔵するROM又はRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部30は、記憶部31に記憶されている提供者用アプリケーションプログラム3Pに基づき、情報処理装置2へ提供するサービスに係る料金の情報を送信する。
記憶部31は、フラッシュメモリを用い提供者用アプリケーションプログラム3Pを含む制御部30が参照するプログラム及びデータを記憶する。記憶部31には、提供者IDが記憶されている。記憶部31は、車両を識別する車両番号、運転手を識別する運転手IDを記憶していてもよい。提供者用アプリケーションプログラム3Pは、実施の形態1におけるタクシー事業者に属する運転手毎の旅客の輸送記録を支援する機能を実現してもよい。
通信部32は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介した情報処理装置2との無線通信を実現する無線通信モジュールである。通信部32は例えば、Wi-Fi に対応する無線通信デバイス、又は、キャリア通信用モジュールを用いる。
表示部33は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部34は、サービス提供者、実施の形態1ではタクシーの運転手の操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を用いる。操作部34は、物理ボタン又はタッチパネルにて表示部33で表示している画面上で操作を受け付けてもよいし、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
読取部35は、他の機器から情報を読み取るリーダである。読取部35は、タクシーメータと接続されるインタフェースであってもよい。読取部35は、バーコードリーダ、又はカメラであってもよい。読取部35は、タクシーメータから直接的にタクシーの運転記録(日時、乗車場所、後者場所)、及び金額を読み取る。読取部35は、タクシーメータと連動して所定の金額を示す二次元バーコードを印刷出力する出力装置から排出された用紙から、運転記録及び金額を読み取ってもよい。料金は、操作部34を用いて入力されてもよい。
また読取部35は、後述するように利用者端末装置1から提示された利用者IDを読み取るリーダとして機能してもよい。この場合、読取部35はバーコードリーダ、カメラ、又は近距離無線通信モジュールであり、サービス又は商品の顧客である利用者の利用者IDを含む情報を取得する。読取部35は読み取った情報を制御部30へ通知する。
提供者端末装置3は、サービスがタクシー事業であればタクシーメータ、飲食店であればレジ端末、宿泊業であればチェックインチェックアウトシステムから料金を取得できるようにしてあれば汎用タブレット端末に提供者用アプリケーションプログラム3Pをインストールすることで実現される。
図12は、情報処理システム100に含まれる支払者端末装置4の構成を示すブロック図である。支払者端末装置4は上述したように、支払者である企業の経理部門で管理されるパーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータである。支払者端末装置4は、制御部40、記憶部41、通信部42、表示部43及び操作部44を備える。
制御部40は、CPU又はGPUを用いたプロセッサであり、内蔵するROM又はRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部40は、記憶部41に記憶されている支払者用アプリケーションプログラム4Pに基づき、情報処理装置2と通信接続し、情報処理装置2との間で情報を送受信することができる。
記憶部41は、ハードディスク又はSSDを用いる。記憶部41は、支払者用アプリケーションプログラム4Pを含む制御部40が参照するプログラム及びデータを記憶する。記憶部41には、支払者IDが記憶されている。記憶部41には、支払者の企業に所属する利用者の利用者ID及び属性を含む利用者情報を含む支払者DB401が記憶されている。支払者DB401には、支払者から発行を申請した所属する利用者向けのデジタル帳票DFに基づくウォレット情報の識別情報が含まれる。支払者DB401には、決済が完了した経費情報が含まれる。
通信部42は、専用線N3を介した情報処理装置2との通信接続を実現するネットワークカードである。
表示部43は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部44は、企業の経理部門のオペレータの操作を受け付けるインタフェースであり、キーボード及びポインティングデバイスを用いる。操作部44は、スピーカ及びマイクロフォン等を用い、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
このように構成される情報処理システム100における具体的処理内容をシーン別に説明する。
[決済プラットフォーム利用準備]
利用準備シーンとして、利用者、支払者及び提供者夫々における決済プラットフォームの利用開始手順について説明する。最初の利用準備シーンでは、企業の経理部門が、パーソナルコンピュータに、情報処理装置2又は図示しない配信サーバから配信される支払者用アプリケーションプログラム4Pをインストールする。支払者用アプリケーションプログラム4Pのインストールにより汎用コンピュータであるパーソナルコンピュータは情報処理システム100の支払者端末装置4として機能する。支払者用アプリケーションプログラム4Pに基づき支払者端末装置4は、経理部門のオペレータから支払者ID、及び名称等の属性の登録を受け付け、受け付けた支払者ID及び属性の情報を情報処理装置2へ送信する。支払者IDは事前の申請によって情報処理装置2を管理する決済プラットフォームの管理者から発行されたものであってもよい。支払者端末装置4は、サービス又は商品の提供者への料金の支払いに用いられる決済用銀行口座の情報を受け付け、情報処理装置2へ送信する。これにより、図6に示したように支払者DB204に支払者の情報が支払者IDに対応付けて記憶される。支払者端末装置4は、オペレータの操作に基づき、支払者である企業に所属する利用者の人数分の利用者IDの発行を情報処理装置2へ依頼し、発行された利用者IDを受信するとよい。
実施の形態1の情報処理システム100では、利用者はスマートフォンに、情報処理装置2又は図示しない配信サーバから配信されるウォレットアプリ1Pをインストールする。ウォレットアプリ1Pのインストールにより汎用コンピュータであるスマートフォンは情報処理システム100の利用者端末装置1として機能する。ウォレットアプリ1Pに基づき利用者端末装置1は、利用者から利用者ID、及び名前、メールアドレス等の連絡先を含む属性の登録を受け付け、受け付けた利用者ID及び属性の情報を情報処理装置2へ送信する。利用者IDは、デフォルトの支払者との関係を正確に対応付けるために、上述したように支払者となる所属企業からの申請によって情報処理装置2にて予め発行されたものであることが好ましい。利用者端末装置1は、ウォレットアプリ1Pの個人利用時の支払情報の登録を受け付け、情報処理装置2へ送信する。支払情報は、利用者個人の銀行口座、又はクレジットカード情報である。これにより、図4に示したように利用者DB202に利用者の情報が利用者IDに対応付けて記憶される。
利用者IDの登録がされた状態で支払者端末装置4は、経理部門のオペレータの操作に基づき、利用者IDに対するランク情報の登録と、利用条件の登録とを受け付けてもよい。
利用準備シーンにおいてサービス又は商品の提供者は、タブレット端末に、情報処理装置2又は図示しない配信サーバから配信される提供者用アプリケーションプログラム3Pをインストールする。提供者用アプリケーションプログラム3Pのインストールにより汎用コンピュータであるタブレット端末は情報処理システム100の提供者端末装置3として機能する。提供者用アプリケーションプログラム3Pに基づき提供者端末装置3は、タクシー事業者のオペレータから提供者ID、及び名称等の属性の登録を受け付け、受け付けた提供者ID及び属性の情報を情報処理装置2へ送信する。同一のタクシー事業者で複数台の提供者端末装置3を用いるから、例えば経理部門のオペレータが用いる汎用コンピュータ等である特定の提供者端末装置3にて登録を受け付けるとよい。この特定の提供者端末装置3は、サービス又は商品に係る料金の入金に用いられる入金用銀行口座の情報を受け付け、情報処理装置2へ送信する。これにより、図5に示したように提供者DB203に提供者の情報が提供者IDに対応付けて記憶される。提供者端末装置3は利用準備の一環として、サービスを識別するサービスコードの発行を情報処理装置2へ依頼する。サービスコードは例えば、提供者を事象単位毎に識別するIDであって提供者IDと同一でもよいし、提供者が複数のスタッフにて構成されている場合に、スタッフを個々に識別するIDであってもよいし、スタッフの配置場所を識別するIDであってもよい。配置場所は例えばタクシーの場合には車両番号であり、飲食店の場合には店舗を識別する店舗IDでよい。この場合、特定の提供者端末装置3は、所属するタクシー運転手の人数、又はタクシーの台数分のサービスコードの発行を、各々を識別する情報(運転手ID又は車両番号)と対応付けて情報処理装置2へ依頼してもよい。特定の提供者端末装置3以外の提供者端末装置3は、提供者に対して発行された提供者IDを少なくとも含むサービスコードを受信して用いる。サービスコードが提供者毎ではなくスタッフ又は配置場所等を識別するように付される場合には、提供者端末装置3は、提供者IDに加え運転手ID若しくは車両番号毎に発行されたサービスコードを受信して用いる。提供者は各タクシーの車内で、二次元バーコード化されたサービスコードを提示するとよい。提示方法は、シール媒体に印刷して貼付する方法であってもよいし、提供者端末装置3の表示部33に表示される方法であってもよい。
[決済サービスの利用段階]
上述の利用準備に基づく実際の利用シーケンスについてフローチャートを参照して説明する。図13及び図14は、利用シーケンスの一例を示すシーケンス図である。タクシーに乗ろうとする利用者が利用者端末装置1でウォレットアプリ1Pを起動させることにより、利用者端末装置1、情報処理装置2、及び提供者端末装置3の間で以下の処理が実行される。
利用者端末装置1の制御部10は、サービスコードの読取を促す画面を表示部13へ出力させ(ステップS101)、サービスコードを取得する(ステップS102)。
サービスコードが二次元バーコードとして車内に提示されている場合、ステップS102において制御部10はカメラである読取部15を用い、二次元バーコードに含まれるサービスコードを取得する。
ステップS101に表示されている画面は、利用するサービスの一覧を含む選択画面を含んでいてもよい。この場合一覧は、情報処理装置2がサービスDB201の提供者DB203に記憶している情報に基づいて情報処理装置2にて作成される。ステップS102では、一覧から例えば利用するタクシーのタクシー事業者の名称が選択された場合に、制御部10は選択された名称に対応付けられている提供者IDを含むサービスコードを取得する。
ステップS101に表示されている画面は、利用者IDを含む二次元バーコード、一次元バーコード、又は文字情報を含んでもよい。この場合、提供者端末装置3の読取部35にてこれを読み取り、提供者端末装置3から情報処理装置2へ提供者ID及び利用者IDが送信され、対応するサービスコードが利用者端末装置1へ送信され、利用者端末装置1の制御部10がこれを受信して取得する(S102)。
制御部10は、取得したサービスコードを指定してタクシーのデジタルチケットの発行申請を情報処理装置2へ送信する(ステップS103)。発行申請には、サービスコードに含まれる提供者IDと、車両番号又は運転手IDと、利用者端末装置1の記憶部11に記憶されている利用者IDとが含まれている。
情報処理装置2では、第1通信部22により発行申請を受信し(ステップS201)、制御部20は、受信した発行申請に基づいて、対応する利用条件を条件DB205から参照し(ステップS202)、発行申請及び利用条件に基づきデジタル帳票DFを発行する(ステップS203)。制御部20は、発行されたデジタル帳票DFに対し採番された帳票IDと共に発行申請の内容を利用者IDのデフォルトの支払者の支払者端末装置4へ第2通信部23から通知する(ステップS204)。制御部20は、デジタル帳票DFに基づいてタクシーを利用することができるデジタルチケットの情報を第1通信部22から利用者端末装置1へ送信する(ステップS205)。
ステップS205で送信されるデジタルチケットの情報は、デジタル帳票DFに含まれる帳票ID、利用者ID、提供者ID、及びデフォルトの支払者IDを含む。デジタルチケットの情報は、支払者IDに対応する企業の名称、利用者IDに対応する利用条件を含んでもよい。
利用者端末装置1の制御部10は、デジタルチケットの情報を受信すると(ステップS104)、デジタルチケットの内容(図16参照)を表示部13に出力させる(ステップS105)。
制御部10は、デジタルチケットの情報、特に帳票IDを提供者端末装置3へ提示する(ステップS106)。ステップS106において提示方法は、制御部10が利用者ID及び帳票IDを二次元バーコードとして表示部13に表示する方法であってよい。この場合利用者は、表示部13を車内に設置された提供者端末装置3のカメラである読取部35にかざし、提供者端末装置3から読み取らせる。制御部10は、近距離無線通信モジュールである読取部15を用いて提供者端末装置3へ向けて利用者ID及び帳票IDを送信してもよい。制御部10は、通信部12により情報処理装置2経由で提供者端末装置3へ利用者ID及び帳票IDを送信してもよい。なおステップS106は必須ではなく、デジタルチケットの帳票IDの情報は、利用者が乗っているタクシーに持ち込まれている提供者端末装置3が特定できれば情報処理装置2から送信されてもよい。
提供者端末装置3では、デジタルチケットの情報を取得する(ステップS301)。ステップS301で提供者端末装置3の制御部30は、上述したように読取部35にて利用者端末装置1の表示部13に表示された二次元バーコードを読み取って取得してもよいし、近距離無線通信により取得してもよい。制御部30は、デジタルチケットの情報を情報処理装置2から受信してもよい。
ステップS101の時点でタクシーは既に利用者を乗せて、タクシーメータを作動させながら走行を開始してよい。走行開始前にステップS106及びステップS301における提供者端末装置3によるデジタルチケットの情報の取得が必要である場合は、ステップS301による情報の取得後にタクシーは走行を開始する。
提供者端末装置3の制御部30は、利用者が降車・支払を行なう状態となったか否かを判断する(ステップS302)。ステップS302にて降車・支払を行なう状態となっていないと判断された場合(S302:NO)、制御部30は、走行中状態を取得して情報処理装置2へ送信し(ステップS303)、処理をステップS302へ戻す。走行中状態は、タクシーメータから取得できる走行距離、走行距離に基づく料金又は走行位置等を含む。これにより、情報処理装置2経由で、例えばオペレータが使用する提供者端末装置3でタクシーの走行状況をモニタリングすることが可能になる。
ステップS302にて降車・支払を行なう状態となったと判断された場合(S302:YES)、制御部30は、決定された料金の情報を帳票IDと対応付けて情報処理装置2へ送信する(ステップS304)。決定された料金は、タクシーメータから取得するか、又は、運転手の操作によって入力されてもよい。
情報処理装置2では、帳票IDと対応する料金の情報を第1通信部22により受信し(ステップS206)、制御部20は対応するデジタル帳票DFに料金を追記する(ステップS207)。制御部20は料金の情報を帳票IDと対応付けて利用者端末装置1へ送信し(ステップS208)、処理をステップS209へ進める。
利用者端末装置1は、通信部12により利用中のデジタルチケットに関し、帳票IDに対応付けて料金の情報を受信する(ステップS107)。制御部10は、受信した情報に基づいて料金の確認を受け付ける確認受付画面を表示部13に表示し(ステップS108)、確認受付画面によって確認を受け付け(ステップS109)、確認を情報処理装置2へ通知する(ステップS110)。
情報処理装置2では、制御部20が料金の確認が受け付けられたか否かを判断する(ステップS209)。料金の確認が受け付けられないと判断された場合(S209:NO)、制御部20は処理をステップS209へ戻して料金の確認が受け付けられるまで待機する。利用者端末装置1にて確認が受け付けられ、通知されたことにより、制御部20は料金の確認が受け付けられたと判断し(S209:YES)、支払者端末装置4へ承認依頼を通知する(ステップS210)。制御部20は通知した支払承認依頼に対する承認を受信し(ステップS211)、タクシー利用に対応する項目、例えば「交通費」という項目と、金額、利用日時、利用者ID、及び元となる帳票IDとを含む経費情報を作成し(ステップS212)、支払者端末装置4へ送信する(ステップS213)。ステップS210及びS211の承認処理は自動的に支払者端末装置4との情報の送受信で行なわれるか、条件DB205に記憶されている利用条件に基づいて自動的に実行されてよい。
制御部20は、支払者IDに対応する決済用銀行口座の情報、提供者IDに対応する入金用銀行口座の情報及び金額を含む決済情報を決済システム200へ送信する決済処理を実行する(ステップS214)。
ステップS212−S213及びS214の処理は、条件DB205に予め登録されている経費処理ルールに基づいて、デジタル帳票DFを元にして事後的に実行されてもよい。
制御部20は、利用者端末装置1及び提供者端末装置3へ支払の完了を通知し(ステップS215)、デジタル帳票DFを決済完了済みの利用実績として利用実績DB208に記憶し(ステップS216)、処理を終了する。
利用者端末装置1は、通信部12により支払完了の通知を受信し(ステップS111)、制御部10は通知に応じて決済サービスの1回の利用が完了したことを示す画面を表示部13に表示し(ステップS112)、1回の処理を終了する。
提供者端末装置3においても通信部32により支払完了の通知を受信し(ステップS305)、制御部30は通知に応じて決済サービスの1回の支払が完了したことを示す画面を表示部33に表示し(ステップS306)、1回の処理を終了する。
図15から図18は、利用者端末装置1の表示部13に表示される画面例を示す図である。図15は、サービスコードの読取画面130の例を示す。読取画面130は、サービスの一覧を含むサービス選択画面131を含む。サービス選択画面131は、情報処理装置2の処理によって、利用者の利用条件に基づき利用が可能な事業者として絞り込まれた事業者、実施の形態1ではタクシー事業者の名称の一覧を含む。一覧に含まれるタクシー事業者の名称は夫々選択可能であり、いずれかが選択された場合、名称に対応する提供者IDがサービスコードとして取得される(S102)。なお、利用者端末装置1に備えられているGPS機能によって、乗ろうとしているタクシーを位置情報で特定できる場合、一覧にタクシーの車両番号も込みで選択できるようにしてもよい。
図15に示すように読取画面130は、タクシーの車内に提示されているサービスコードを含む二次元バーコードを読み取るための読取ボタン132を含む。読取ボタン132が選択された場合、制御部10はカメラである読取部15を起動して二次元バーコードから提供者IDを含むサービスコードを取得する(S102)。
図15に示すように読取画面130は、提供者端末装置3の読取部35に読み取らせる利用者IDを含む二次元バーコードを表示部13に表示させるための表示ボタン133を含む。表示ボタン133が選択された場合、利用者が、二次元バーコードが表示された表示部13を読取部35にかざす。これにより提供者端末装置3から、利用者ID及び提供者IDを含む情報が情報処理装置2へ送信され、対応するサービスコードが情報処理装置2から利用者端末装置1へ送信され、これが取得される(S102)。提供者端末装置3からの利用者ID及び提供者IDを含む情報の情報処理装置2への送信は、利用者ID及び提供者IDを含むチケット発行申請の情報処理装置2への送信(S201)と併合されてもよい。
図16は、デジタルチケットの表示画面134の内容例を示す図である。表示画面134は、図16に示すように、チケットの基となるデジタル帳票DFの帳票ID、発行日、利用目的、提供者IDに基づき特定されるサービス内容が示される。デジタルチケットの表示画面134には、帳票IDを含むデジタルチケットの情報をステップS106にて表示する二次元バーコードを表示部13に表示させるためのボタン135が含まれる。
図17は、料金決定後のデジタルチケットの表示画面134の内容例を示す図である。図17に示す表示画面134では、図16に示した表示画面134と比較して、料金の欄に、料金が表示されている。料金決定後の表示画面134では、制御部10が料金の確認を受け付けるための確認ボタン136が含まれている。確認ボタン136が選択された場合、制御部10は、確認を受け付け(S109)、確認を受け付けたことを情報処理装置2へ通知する(S110)。
図18は、利用完了の表示画面137の内容例を示す図である。表示画面137は、利用が完了した場合にステップS112により表示される画面である。図18に示す表示画面137には、支払者が誰であり、どれほどの額が経費として計上されたかの詳細情報が表示されている。利用完了の表示画面137には、メイン画面へ戻すためのボタン138が含まれている。
これにより利用者は、現金又は自身が所有するクレジットカード等を使用することなしに、出張等、業務目的で利用するタクシーに乗車することができる。利用者が所属する企業も、経費の立替精算を不要とすることができる上に、経費処理業務の負担を劇的に軽減させることができる。サービス提供者であるタクシー業者も、支払者用アプリケーションプログラム4Pをインストールしたタブレット端末さえ運転手に配布すれば、支払者から料金を徴収することができる。
[利用実績の利活用]
決済サービスの利用により、決済が完了したデジタル帳票DFが利用実績DB208に蓄積される。図9に示したように、利用者IDに対応付けて利用履歴が記憶されているため、提供者ID別で利用実績として抽出することが可能である。したがって提供者側として、決済プラットフォームを、販売促進活動を行なうために利用することができる。
図19は、利用実績DB208に基づく処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置2は定期的、例えば1ヶ月毎に、利用実績の配信を提供者ID毎又は支払者ID毎に行なう。
情報処理装置2の制御部20は、利用実績DB208を読み出し(ステップS401)、利用実績の配信を希望する支払者の支払者IDが支払者として対応付けられている所定期間分の決済完了済みであるデジタル帳票DFを抽出する(ステップS402)。所定期間は、定期的に実施する前回の配信からの今回の配信までの期間である。
制御部20は、抽出したデジタル帳票DFを、利用者ID及び提供者IDでソートし(ステップS403)、利用者毎に利用したサービス又は商品、利用日時、金額をまとめた利用実績レポートを作成する(ステップS404)。制御部20は、作成した利用実績レポートを支払者IDに対応する支払者端末装置4へ送信し(ステップS405)、一回の利用実績の配信を終了する。
制御部20は、図19のフローチャートに示した処理手順を、提供者に対して実行し、提供者IDで抽出した決済完了済みのデジタル帳票DFに基づく利用実績レポートを提供者端末装置3へ送信してもよい。
情報処理装置2は、利用実績DB208に記憶している利用実績について、提供者からの問い合わせを受け付けて、利用実績の検索結果を提示すると共に、これに基づく販売促進活動用のチケット発行の依頼を受け付ける。
図20は、利用実績DB208に基づくチケット発行の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
提供者端末装置3の制御部30は、提供者、即ちタクシー事業者の管理部門のオペレータの操作部34の操作に基づいて、提供者ID及び検索条件を指定した利用実績の検索依頼を情報処理装置2へ送信する(ステップS501)。検索依頼は、提供者用アプリケーションプログラム3Pに対する設定により、同一の提供者IDでも管理者権限を有する提供者端末装置3のみで受け付けることができるようにしてある。検索条件は例えば、利用期間、利用金額又は利用回数を含む。
情報処理装置2では、検索依頼を第1通信部22により受信し(ステップS411)、制御部20が利用実績DB208を読み出し(ステップS412)、利用実績の内、検索依頼に対応付けられる提供者IDを提供者とする決済完了済みのデジタル帳票DFを抽出する(ステップS413)。制御部20は、ステップS413で抽出したデジタル帳票DFを、検索条件によって絞り込み(ステップS414)、利用者ID又は支払者IDでソートし(ステップS415)、ソートされた利用者毎、支払者毎の1回の利用内容のリストを含む検索結果を提供者端末装置3へ送信する(ステップS416)。
提供者端末装置3は、検索結果を受信し(ステップS502)、制御部30は検索結果を表示部33に表示させる(ステップS503)。制御部30は、チケット発行条件を受け付け(ステップS504)、受け付けたチケット発行条件を指定した発行申請を情報処理装置2へ送信し(ステップS505)、処理を終了する。チケット発行条件は、支払者ID、利用者ID、所定期間における利用金額計、又は利用回数を含む。チケット発行申請は、回数、割引額又は割引率等を指定したチケット内容を含む。
情報処理装置2では、発行申請を第1通信部22により受信し(ステップS417)、発行申請で指定されている支払者ID又は利用者IDを指定し、提供者IDを指定した新たな帳票IDを採番してデジタル帳票DFを発行する(ステップS418)。ステップS418で発行されるデジタル帳票DFには、利用条件として発行申請に含まれるチケット内容が含まれる。ステップS418で制御部20は、チケット内容に含まれる回数分に基づいて複数のデジタル帳票DFを発行してよい。
ステップS418で発行されるデジタル帳票DFは、図10のチケットDB209の内容例に示すように、帳票ID、発行日時、提供者ID(サービス内容)及び利用者IDのみが指定されている。支払者向けのチケットとして発行されたデジタル帳票DFは、利用者IDが空であってよい。このように、誰が使用するか、誰が支払うかが未定であるデジタル帳票DFを発行することができる。接待費として計上されるような経費について、支払者IDと利用者IDとが指定されていて提供者IDが空であってもよい。利用日時のみが未指定で、利用者ID及び提供者IDが指定されており、料金がゼロとしてあるか、又は支払者IDとして提供者IDが指定されたチケットであってもよい。
制御部20は、発行したデジタル帳票DFに基づいて、指定されている利用者IDに対応する利用者端末装置1へ、又は指定されている支払者IDに対応する支払者端末装置4へ、チケット発行を通知する(ステップS419)。制御部20は、発行したデジタルチケットをチケットDB209に記憶し(ステップS420)、発行したデジタルチケットの一覧を含む発行完了通知を提供者端末装置3へ送信し(ステップS421)、処理を終了する。
提供者端末装置3では、発行完了通知を受信し(ステップS506)、制御部30が発行完了を表示部33に表示し(ステップS507)、処理を終了する。
支払者端末装置4宛てに発行されたデジタルチケットは、支払者である企業の経理部門により利用者IDを指定し、この指定後に情報処理装置2経由で利用者端末装置1へ送信されてもよい。
利用者IDを指定して発行されたデジタル帳票DFに基づくデジタルチケットのチケット発行通知は、利用者端末装置1にてウォレットアプリ1Pを起動した場合に表示部13に表示される。図21は、チケット一覧画面の例を示す図である。図21Aにはメイン画面139を示している。メイン画面139は、通知欄140を含む。通知欄140には、タクシー事業者から利用者宛てにタクシー利用に係るデジタルチケットが届いているというメッセージと、チケット一覧画面を表示するための表示ボタン141が表示されている。メイン画面139は、チケット申請ボタン142も含む。チケット申請ボタン142が選択された場合、制御部10は、図15に示した読取画面130を表示する。図21Bにチケット一覧画面143を示す。図21Bに示すようにチケット一覧画面143は、利用者宛てに送信されたデジタルチケットの一覧を含む。
このように、本開示の決済プラットフォームでは、利用実績を利用実績DB208に蓄積して利用実績のレポートを提供者又は支払者宛てに送信することができる。また利用者ID又は支払者IDが確定されていないデジタル帳票DFを発行することにより、販促事業への展開及びその管理が非常に容易であり、利用者及び支払者の煩雑な作業が軽減されるだけでなく、提供者にとっても利便性が高いプラットフォームとして提供される。
(実施の形態2)
実施の形態2の情報処理システム100では、決済サービスを個人的にも使用することが可能である。実施の形態2における情報処理システム100の構成は、利用シーケンスにおける装置間の処理手順が一部異なる以外は、実施の形態1と同様である。実施の形態2における情報処理システム100の構成の内、共通する構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図22及び図23は、実施の形態2における利用シーケンスの一例を示すシーケンス図である。図22及び図23のシーケンス図に示す処理手順の内、実施の形態1における利用シーケンスを示した図13及び図14のシーケンス図に示した処理手順と共通する手順には同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
実施の形態2において利用者端末装置1の制御部10は、タクシーのサービスコードを指定してタクシーのデジタルチケットの発行申請を情報処理装置2へ送信する前に、経費処理及び個人負担のいずれであるかの選択を受け付ける(ステップS121)。ステップS103で発行申請を送信するに際し、制御部10は経費処理及び個人負担のいずれが選択されたかを示す情報を共に送信する。
情報処理装置2は、第1通信部22により発行申請を受信すると(S201)、受信した発行申請に基づいて、対応する利用条件を条件DB205から参照し(S202)、発行申請に係る料金の支払いを経費処理とするか、前記利用者の個人負担とするかを特定する(ステップS221)。ステップS202にて制御部20は、経費処理とする場合の利用条件と個人負担とする場合の利用条件とをいずれも参照し、ステップS221にて、例えば、発行申請の回数が経費処理とする場合の上限を超える場合には個人負担と特定してもよい。
続いて制御部20は、ステップS221で特定した結果と、発行申請及び利用条件とに基づきデジタル帳票DFを発行する(S203)。ステップS203において制御部20は、経費処理とすると特定されている場合には、利用者IDのデフォルトの支払者の支払者IDを指定してデジタル帳票DFを発行する。
続いて制御部20は、経費処理と特定したか否かを判断する(ステップS222)。ステップS222にて経費処理と特定したと判断された場合(S222:YES)、制御部20は、利用者IDのデフォルトの支払者の支払者端末装置4へ第2通信部23から通知する(ステップS204)。
経費処理と特定していないと判断された場合(S222:NO)、個人負担とすることが特定されているので制御部20は、S204の支払者端末装置4への通知処理をスキップして次のステップS205へ処理を進める。
実施の形態2では、ステップS206で料金の情報を受信し、ステップS207で料金を追記した後、制御部20は、経費処理と特定したか否かを判断する(ステップS223)。ステップS223にて経費処理と特定したと判断された場合(S223:YES)、ステップS206で受信した料金が経費処理の場合の利用条件に含まれる上限を超過したか否かを判断する(ステップS224)。
超過したと判断された場合(S224:YES)、制御部20は、支払者が支払う金額を決定し(ステップS225)、超過分を利用者が個人的に支払う金額として決定し(ステップS226)、決定された各料金の情報を利用者端末装置1へ送信する(S208)。ステップS225及びS226で決定された料金の金額はデジタル帳票DFに追記される。
ステップS223で経費処理と特定していないと判断された場合(S223:NO)、制御部20は処理をステップS208へ進める。この場合、個人負担と特定されているので、利用者の銀行口座又はクレジットカードから提供者へ料金が支払われるように処理される。
ステップS224で超過していないと判断された場合(S224:NO)、制御部20は処理をステップS208へ進める。この場合、料金は支払者から支払われるように処理される。
図22及び図23のシーケンス図では、利用料金が利用条件に含まれる上限を超過したか否かを判断した。しかしながら情報処理装置2の判断はこれに限らず、上述したようにチケット発行申請を受信した場合に、利用条件に含まれる経費処理の回数上限を超えたか否かを判断し、回数上限を超過している場合には個人負担と特定する。利用条件はその他、期日、又は場所等の制限であってもよい。
図22及び図23のシーケンス図に示した手順について、利用者端末装置1における画面例を参照して説明する。図24から図26は、実施の形態2における利用者端末装置1の表示部13に表示される画面例を示す図である。
図24は、経費処理又は個人負担のいずれかの選択画面144の例を示す図である。選択画面144は、図15の読取画面130によってサービスコードが取得された後、表示部13に表示される。選択画面144には、経費処理を選択するボタン145と、個人負担を選択するボタン146とが含まれ、いずれかの選択に基づくチケットの発行申請ボタン147が更に含まれる。図24の画面例では、経費処理が選択されており、発行申請ボタン147が選択された場合、制御部10は、経費処理を指定したデジタルチケットの発行申請を情報処理装置2へ送信する。
図25は、実施の形態2におけるデジタルチケットの表示画面134の内容例を示す図である。実施の形態2では、図25に示す例における利用者に対する利用条件には、経費処理であってもタクシー料金が1000円を超過した分は個人負担とする条件が含まれている。図25の内容例では、利用条件が明記されている。
図26は、料金決定後のデジタルチケットの表示画面134の内容例を示す図である。図26に示すように表示画面134には決定された料金と、超過分である個人負担の料金とが含まれている。表示画面134に含まれている確認ボタン136が選択された場合、制御部10は、確認を受け付け(S109)、確認を受け付けたことを情報処理装置2へ通知する(S110)。この場合、利用条件の1000円に対する超過分の280円は、利用者の個人的な銀行口座、又はクレジットカードによって決済処理される。
このように実施の形態2においては、1つのデジタル帳票DFに基づいて個人負担と経費処理とを分けて決済処理することができる。したがって利用者は、個人的にサービスを利用する場合と、経費処理をする場合とで同一のウォレットアプリ1Pを用いればよいので、利用者にとって利便性が高い。支払者にとっては、支払者が負担する分の料金の支払いのみが決済用銀行口座から実行され、支払った料金の分だけ料金が項目に対応付けられた経費情報も自動的に取得できる。立替精算が不要であり、精算業務の負担が劇的に軽減される。提供者は勿論、利便性を損なわずに、提供したサービス及び商品についての料金の支払いを確実に受けることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3の情報処理システム100では、支払者がデジタルチケット(ウォレット)の発行申請を行なうことが可能である。ウォレットはデジタルチケットの束である。実施の形態3における情報処理システム100の構成は、利用シーケンスにおける装置間の処理手順が一部異なる以外は、実施の形態1又は2と同様である。実施の形態3における情報処理システム100の構成の内、共通する構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図27から図29は、実施の形態3における利用シーケンスの一例を示すシーケンス図である。図27は、ウォレットが利用者端末装置1へ送信されるまでの処理を示し、図28及び図29は、利用者が利用者端末装置1でウォレットが利用され、決済が完了するまでの処理を示す。なお、図27から図29のシーケンス図に示す処理手順の内、実施の形態1の図13及び図14のシーケンス図に示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して説明を簡易化する。
実施の形態3では、支払者端末装置4にて、出張に係る交通費、宿泊費、飲食のサービス又は商品に利用するデジタルチケットの束であるデジタルウォレットの申請を受け付ける(ステップS601)。ステップS601における申請は、利用者が所属する支払者である企業内のシステム上でよい。ウォレットアプリ1Pによって、出張申請用の手続きを実現してもよい。
制御部40は、申請に基づいて、利用しようとする利用者ID及び利用条件を指定してデジタルチケットの束であるデジタルウォレットの発行申請を情報処理装置2へ送信する(ステップS602)。発行申請には、交通費、宿泊費、及び飲食に係るデジタルチケット夫々の発行申請が含まれる。
情報処理装置2は、第2通信部23により発行申請を受信し(S201)、受信した発行申請に基づいてステップS202で参照する利用条件に基づいてデジタル帳票DFを、発行する(S203)。発行されるデジタル帳票DFは、交通費に関しては、鉄道、飛行機、タクシー、バス等、異なるサービス事業者に亘って夫々必要になり、宿泊費、飲食費と夫々異なるサービス事業者が支払い対象となるから、ステップS601の申請の受け付けに基づいて複数発行するように決定してもよい。この場合ステップS203において制御部20は、同一の出張に関する複数のデジタル帳票DFを相互に関連付けておくとよい。例えば出張を識別する情報(出張ID、又は出張者及び目的)を同一としておけばよい。
ステップS203で発行されるデジタル帳票DFは、利用者ID、支払者IDが指定されているが、提供者IDは未指定である。提供者は、利用者がデジタルチケットの受信後にいずれかを選択することができる。この点で実施の形態1のサービスコードに基づくデジタル帳票DFの発行と処理が異なる。
ステップS203では、複数のサービス事業者を指定できる構成とすることで、異なる項目の経費を含む1つのデジタル帳票DFが発行され、1つのデジタル帳票DFに基づいて複数のデジタルチケットを発行してもよい。
制御部20は、発行申請の送信元である支払者端末装置4へ第2通信部23から、発行されたデジタル帳票DFに対し採番された帳票IDと共に発行申請の内容を通知する(S204)。制御部20は、発行されたデジタル帳票DFに基づいて、交通費(複数)、宿泊費、飲食費等に分けたデジタルチケットの情報を第1通信部22から指定されている利用者IDの利用者端末装置1へ送信する(S205)。
支払者端末装置4では制御部40が、情報処理装置2から通知された発行申請の内容を受信する(ステップS603)。
利用者端末装置1の制御部10は、デジタルチケットの情報を受信すると(S104)、デジタルチケットの通知(図30参照)を表示部13に出力させる(S105)。
次に、このデジタルチケットの利用時の処理について図28及び図29のシーケンス図を参照して説明する。利用時は利用者が利用者端末装置1を用い、利用目的に合ったデジタルチケットの情報、特に帳票IDを提供者端末装置3へ提示する(S106)。交通費であれば切符、旅券の購入時、チェックイン時、タクシー乗車時に、レジ端末、チェックイン端末である提供者端末装置3へ提示する。宿泊であればチェックイン時、飲食店利用であれば入店時にレジ端末である提供者端末装置3に提示してもよい。なお交通系ICカードと連携させるようにし、近距離無線によってデジタルチケットを提示させてもよい。
提供者端末装置3では、デジタルチケットの情報を取得する(S301)。ステップS301で提供者端末装置3の制御部30は、読取部35にて利用者端末装置1の表示部13に表示された二次元バーコードを読み取って取得してもよいし、近距離無線通信により取得してもよい。
提供者端末装置3の制御部30は、利用者が精算(支払)を行なう状態となったか否かを判断する(ステップS312)。ステップS312にて精算(支払)を行なう状態となっていないと判断された場合(S312:NO)、制御部30は、利用状況を取得して情報処理装置2へ送信し(ステップS313)、処理をステップS312へ戻す。
ステップS312にて清算(支払)を行なう状態となったと判断された場合(S312:YES)、制御部30は、決定された料金の情報を提供者IDと、ステップS301で取得した帳票IDと対応付けて情報処理装置2へ送信する(ステップS314)。提供者端末装置3がレジ端末であれば、制御部30は、算出された金額を示す情報を情報処理装置2へ送信する。
情報処理装置2では、帳票IDと対応する提供者ID及び料金の情報を提供者端末装置3から第1通信部22により受信する(ステップS236)。制御部20は対応するデジタル帳票DFに、受信した提供者ID及び料金を追記する(ステップS237)。制御部20は料金の情報を帳票IDと対応付けて利用者端末装置1へ送信し(S208)、処理をステップS209へ進める。
利用者端末装置1は、利用中のデジタルチケットに関し、料金の情報を受信する(S107)。制御部10は、料金の確認を受け付ける確認受付画面を表示部13に表示し(S108)、確認を受け付け(S109)、確認を通知する(S110)。
情報処理装置2では、ステップS209にて料金の確認が受け付けられたと判断した場合(S209:YES)、支払者端末装置4へ承認依頼を通知する(S210)。
支払者端末装置4の制御部40は、承認依頼を受信し(ステップS604)、金額と利用条件に基づいて承認する(ステップS605)。ステップS605における承認処理は、即時返答が必要であるから自動的に行なわれることが好ましいが、事後でもよいので経理部門のオペレータによって承認操作が行なわれてもよい。ステップS605の結果、承認が情報処理装置2へ通知される(ステップS606)。
制御部20は通知した支払承認依頼に対する承認を受信し(S211)、デジタルチケットの内容に対応する項目、例えば「交通費」、「宿泊費」等の項目と、金額、利用日時、利用者ID、及び元となる帳票IDとを含む経費情報を作成し(S212)、支払者端末装置4へ送信する(S213)。
制御部20は、経費情報の計算時に、各企業で規定されている日当と実際に掛かった飲食費とを比較し利用者の個人用の支払い用の銀行口座へ入金する手当の金額を決定してもよい。
制御部20は、支払者IDに対応する決済用銀行口座の情報、提供者IDに対応する入金用銀行口座の情報及び金額を含む決済情報を決済システム200へ送信する決済処理を実行する(S214)。制御部20は、利用者端末装置1及び提供者端末装置3へ支払の完了を通知し(S215)、デジタル帳票DFを決済完了済みの利用実績として利用実績DB208に記憶し(S216)、処理を終了する。
利用者端末装置1は、通信部12により支払完了の通知を受信し(S111)、制御部10は通知に応じてウォレットに含まれるデジタルチケットを用いた利用が完了したことを示す画面を表示部13に表示し(S112)、1回の処理を終了する。
提供者端末装置3においても通信部32により支払完了の通知を受信し(S305)、制御部30は通知に応じて決済サービスの1回の支払が完了したことを示す画面を表示部33に表示し(S306)、1回の処理を終了する。
利用シーケンスでは、図28及び図29の処理が、サービス又は商品の利用の都度に行なわれる。予め多めに発行されても利用されないデジタルチケットがあってもよい。この場合、対応するデジタル帳票DFは、未使用として利用実績DB208に記憶されてもよい。
図30は、実施の形態3におけるチケット一覧画面の例を示す図である。図30Aにはメイン画面139を示している。メイン画面139は、通知欄140を含む。通知欄140には、利用者端末装置1の利用者が所属する企業の経理部門から利用者宛てに出張に必要な費用に係るデジタルウォレットが届いているというメッセージと、ウォレットに含まれるデジタルチケット一覧画面を表示するための表示ボタン148が表示されている。メイン画面139は、チケット申請ボタン142も含む。図30Bにチケット一覧画面149を示す。図30Bに示すようにチケット一覧画面149は、デジタルウォレットとして相互に関連付けられたデジタルチケットの一覧を含む。デジタルチケットは、図28及び図29のシーケンス図に示したような処理手順で夫々利用される。
このようにして利用者は、現金又は自身が所有するクレジットカード等を使用することなしに、出張での移動、宿泊、及び飲食が可能である。利用者が所属する企業も、経費の立替精算を不要とすることができる上に、経費処理業務の負担を劇的に軽減させることができる。サービス提供者である各事業者も、提供者用アプリケーションプログラム3Pをインストールしたタブレット端末を精算場所に設置するか、レジ端末に提供者用アプリケーションプログラム3Pに基づく処理を実行させることができれば、支払者から料金を徴収することができる。
実施の形態3においても、実施の形態2で示した個人負担による支払と、企業の経費処理とを1つのデジタル帳票DFに基づいて処理することが可能である。
実施の形態1から3においては、利用者がサービス又は商品を使用する場合の料金の支払者は初期的に、利用者が属する企業の経理部門等であるとして指定されていた。しかしながら、支払者は実施の形態1の利用実績の利活用で示したように、提供者側が支払者とってデジタルチケットを発行させることもできる。したがって、利用者の取引先の法人、又は自然人が支払者になることも可能である。
上述のように開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。