JP2020139686A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で、作動効率の低下を招くことなく冷媒回路の回路構成を切り替え可能に形成された冷凍サイクル装置を提供する。【解決手段】冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器13の一方の冷媒出入口137bに接続された第1三方継手16a、冷媒と熱媒体とを熱交換させる水−冷媒熱交換器14の一方の冷媒出入口143bに接続された第2三方継手16b、および冷媒と送風空気とを熱交換させる室内蒸発器15に接続された第3三方継手16c同士を互いに接続した回路を有する。さらに、第1三方継手16aと第2三方継手16bとの間に第1膨張弁17aを配置し、第3三方継手16cと室内蒸発器の冷媒入口との間に第2膨張弁17bを配置し、第1三方継手16aと第3三方継手16cとの間に第1逆止弁18aを配置し、第2三方継手16bと第3三方継手16cとの間に第2逆止弁18bを配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒回路の回路構成を切り替え可能に形成された冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1に、冷媒回路の回路構成を切り替え可能に形成された冷凍サイクル装置が開示されている。特許文献1の冷凍サイクル装置は、電気自動車に搭載されて、車室内の空調を行うとともに、バッテリ等の冷却を行う。
より具体的には、特許文献1の冷凍サイクル装置の冷媒回路には、冷媒と車室内へ送風される送風空気とを熱交換させる室内熱交換器、冷媒回路の回路構成を切り替える冷媒回路切替部としての四方弁等が配置されている。そして、車室内の冷房を行う冷房モード時には、室内熱交換器へ低圧冷媒を流入させる回路構成に切り替える。また、車室内の暖房を行う暖房モード時には、室内熱交換器へ高圧冷媒を流入させる回路構成に切り替える。
さらに、特許文献1の冷凍サイクル装置は、バッテリや走行用モータを冷却する冷却装置に低圧冷媒を供給するための複数の冷媒供給路を有している。そして、冷房モードや暖房モードといった運転モードに応じて利用する冷媒供給路を切り替えることによって、バッテリや走行用モータを確実に冷却できるようにしている。
特許第5693495号公報
ところで、特許文献1の冷凍サイクル装置のように、運転モードによらず同一の室内熱交換器に冷媒を流入させる冷凍サイクル装置では、一部の運転モード時に、冷凍サイクル装置の作動効率が低下してしまう可能性がある。その理由は、この種の冷凍サイクル装置では、運転モードによって、冷媒回路を循環する循環冷媒流量や室内熱交換器にて冷媒と熱交換する送風空気の風量等の運転条件が異なるからである。
このため、例えば、冷房モード時に高い熱交換効率を発揮できる適切な仕様の室内熱交換器を採用しても、この室内熱交換器が必ずしも暖房モード時に高い熱交換効率を発揮できるとは限らない。さらに、暖房モード時に冷凍サイクル装置の作動効率が低下してしまう可能性もある。
これに対して、冷房モード時に高い熱交換効率を発揮できる適切な仕様の冷房用室内熱交換器、および暖房モード時に高い熱交換効率を発揮できる適切な仕様の暖房用室内熱交換器の複数の室内熱交換器を採用する手段が考えられる。これによれば、運転モードに応じて利用する室内熱交換器を切り替えることで、運転モードを切り替えた際の冷凍サイクル装置の作動効率の低下を抑制することができる。
しかしながら、運転モードに応じて利用する室内熱交換器を切り替えるためには、専用の冷媒回路切替部が必要となる。従って、サイクル構成の複雑化や冷媒回路切替部の制御態様の複雑化を招きやすい。さらに、特許文献1の冷凍サイクル装置では、運転モードに応じて利用する冷媒供給路を切り替えるための専用の冷媒回路切替部も必要となる。従って、サイクル構成および切替部の制御態様が益々複雑化してしまう。
本発明は、上記点に鑑み、簡素な構成で、作動効率の低下を招くことなく冷媒回路の回路構成を切り替え可能に形成された冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(13)と、冷媒と熱媒体とを熱交換させる水−冷媒熱交換器(14)と、冷媒と空調対象空間へ送風される送風空気とを熱交換させる室内蒸発器(15)と、冷媒を減圧させる第1膨張弁(17a)と、室内蒸発器へ流入する冷媒を減圧させる第2膨張弁(17b)と、水−冷媒熱交換器から流出した熱媒体を熱源として送風空気を加熱する加熱部(24)と、冷媒を循環させる冷媒回路(10)の回路構成を切り替える冷媒回路切替部(12、18a、18b)と、を備える。
室外熱交換器の一方の冷媒出入口(137b)は、冷媒の流れを合流あるいは分岐させる第1合流分岐部(16a)に接続され、水−冷媒熱交換器の一方の冷媒出入口(143b)は、冷媒の流れを合流あるいは分岐させる第2合流分岐部(16b)に接続され、室内蒸発器の冷媒入口は、冷媒の流れを合流あるいは分岐させる第3合流分岐部(16c、161a)に接続され、第1合流分岐部、第2合流分岐部、および第3合流分岐部は、互いに接続されている。
第1膨張弁は、第1合流分岐部と第2合流分岐部とを接続する冷媒通路(104)に配置されており、第2膨張弁は、第3合流分岐部と室内蒸発器の冷媒入口とを接続する冷媒通路(103)に配置されている。
冷媒回路切替部は、送風空気を冷却する冷房モードでは、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器へ流入させ、室外熱交換器から流出した冷媒を第2膨張弁にて減圧させ、第2膨張弁にて減圧された冷媒を室内蒸発器へ流入させる回路構成に切り替え、送風空気を加熱する暖房モードでは、圧縮機から吐出された冷媒を水−冷媒熱交換器へ流入させ、水−冷媒熱交換器から流出した冷媒を第1膨張弁にて減圧させ、第1膨張弁にて減圧された冷媒を室外熱交換器へ流入させる回路構成に切り替える。
これによれば、冷房モードでは、室内蒸発器(15)にて送風空気を冷却する。さらに、暖房モードでは、加熱部(24)にて送風空気を加熱する。従って、室内蒸発器(15)として、冷房モード時に適切な仕様のものを採用することができる。さらに、加熱部(24)として、暖房モード時に適切な仕様のものを採用することができる。その結果、運転モードを切り替えた際の冷凍サイクル装置の作動効率の低下を抑制することができる。
また、互いに接続された第1合流分岐部(16a)、第2合流分岐部(16b)、および第3合流分岐部(16c)を備えている。これにより、簡素な構成で、室外熱交換器(13)の一方の冷媒出入口(137b)、水−冷媒熱交換器(14)の一方の冷媒出入口(143b)、および室内蒸発器(15)の冷媒入口同士の接続状態を、自在に、かつ、容易に変更することができる。
より詳細には、室外熱交換器(13)の一方の冷媒出入口(137b)、水−冷媒熱交換器(14)の一方の冷媒出入口(143b)、室内蒸発器(15)の冷媒入口、第1合流分岐部(16a)、第2合流分岐部(16b)、および第3合流分岐部(16c)のうち、いずれか2つを接続する冷媒通路(101〜106)に、開閉弁や膨張弁を配置することができる。
そして、開閉弁や膨張弁の作動を制御することによって、室外熱交換器(13)、水−冷媒熱交換器(14)および室内蒸発器(15)の冷媒通路同士を、互いに連通させた状態および連通させない状態に切り替えることができる。さらに、互いに連通させた状態で、一方の冷媒圧力と他方の冷媒圧力との圧力差を調整することができる。
すなわち、簡素な構成でありながら、室外熱交換器(13)、水−冷媒熱交換器(14)、および室内蒸発器(15)の接続状態を、自在に、かつ、容易に変更することができる。
さらに、具体的に、第3合流分岐部(16c)と室内蒸発器(15)の冷媒入口とを接続する冷媒通路に第2膨張弁(17b)を配置している。これにより、冷房モードの回路構成へ容易に切り替えることができる。また、第1合流分岐部(16a)と第2合流分岐部(16b)とを接続する冷媒通路に第1膨張弁(17a)を配置している。これにより、暖房モードの回路構成へ容易に切り替えることができる。
従って、請求項1に記載の冷凍サイクル装置によれば、簡素な構成で、作動効率の低下を招くことなく冷媒回路(10)の回路構成を容易に切り替えることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態の冷媒回路の冷房モード等における冷媒流れを示す全体構成図である。 第1実施形態の冷媒回路の暖房モード等における冷媒流れを示す全体構成図である。 第1実施形態の室外熱交換器の冷房モード等における冷媒流れを示す模式的な断面図である。 第1実施形態の室外熱交換器の暖房モード等における冷媒流れを示す模式的な断面図である。 第1実施形態の水−冷媒熱交換器の冷却モード等における冷媒流れ等を示す模式的な側面図である。 第1実施形態の水−冷媒熱交換器の暖房モード等における冷媒流れ等を示す模式的な側面図である。 第1実施形態の熱媒体回路の全体構成図である。 第1実施形態の室内空調ユニットの模式的な全体構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の電気制御部を示すブロック図である。 第1実施形態の熱媒体回路の暖房モード等における熱媒体流れの一例を示す説明図である。 第1実施形態の熱媒体回路の単独冷却モード等における熱媒体流れの一例を示す説明図である。 第1実施形態の熱媒体回路の暖房モード等における熱媒体流れの変形例を示す説明図である。 第1実施形態の熱媒体回路の暖房モード等における熱媒体流れの別の変形例を示す説明図である。 第1実施形態の熱媒体回路の単独冷却モード等における熱媒体流れの変形例を示す説明図である。 第1実施形態の熱媒体回路の単独冷却モード等における熱媒体流れの別の変形例を示す説明図である。 第2実施形態の熱媒体回路の全体構成図である。 第2実施形態の熱媒体回路の暖房モード等における熱媒体流れの一例を示す説明図である。 第2実施形態の熱媒体回路の単独冷却モード等における熱媒体流れの一例を示す説明図である。 第2実施形態の熱媒体回路の暖房モード等における熱媒体流れの変形例を示す説明図である。 第3実施形態の冷媒回路の全体構成図である。 第3実施形態の弁付き三方継手の模式的な断面図である。 他の実施形態の冷媒回路切替部を示す説明図である。 他の実施形態の別の冷媒回路切替部を示す説明図である。 他の実施形態の熱媒体回路の暖機モードにおける熱媒体流れを示す説明図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の実施形態を説明する。各実施形態において先行する実施形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の実施形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1〜図15を用いて、本発明に係る冷凍サイクル装置1の第1実施形態を説明する。冷凍サイクル装置1は、走行用の駆動力をモータジェネレータから得る電気自動車に搭載されている。冷凍サイクル装置1は、電気自動車において、空調対象空間である車室内の空調を行うとともに、冷却対象物である車載機器の冷却を行う。つまり、本実施形態の冷凍サイクル装置1は、電気自動車において、車載機器冷却機能付きの車両用空調装置として用いられている。
冷凍サイクル装置1の冷却対象物となる車載機器は、バッテリ50、および作動時に発熱する発熱機器51である。発熱機器51としては、具体的に、モータジェネレータ、電力制御ユニット(いわゆる、PCU)、先進運転支援システム(いわゆる、ADAS)用の制御装置等が該当する。
バッテリ50は、モータジェネレータ等へ供給される電力を蓄える二次電池(本実施形態では、リチウムイオン電池)である。バッテリ50は、複数の電池セルを直列あるいは並列に接続することによって形成された組電池である。バッテリ50は、充放電時に発熱する。モータジェネレータは、電力を供給されることによって走行用の駆動力を出力し、車両の減速時等には回生電力を発生させる。PCUは、各車載機器へ供給される電力を適切に制御するために変圧器、周波数変換器等を一体化させたものである。
冷凍サイクル装置1は、冷媒回路10、熱媒体回路20、室内空調ユニット30等を有している。冷媒回路10は、冷媒を循環させる冷媒循環回路である。冷凍サイクル装置1では、車室内の空調および車載機器の冷却を行うために、後述する各種運転モードに応じて冷媒回路10の回路構成を切り替えることができる。
冷凍サイクル装置1では、冷媒回路10を循環させる冷媒として、HFO系冷媒(具体的には、R1234yf)を採用している。冷媒回路10は、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成する。冷媒には、冷媒回路10に配置された圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。冷凍機油の一部は、冷媒とともに冷媒回路10を循環している。
冷媒回路10には、図1、図2に示すように、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、水−冷媒熱交換器14の冷媒通路14a、室内蒸発器15、第1膨張弁17a、第2膨張弁17b、蒸発圧力調整弁19等が配置されている。
圧縮機11は、冷媒回路10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11は、駆動装置室内に配置されている。駆動装置室は、モータジェネレータ等を収容する空間を形成している。駆動装置室は、車室の前方側に配置されている。圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて回転駆動する電動圧縮機である。圧縮機11は、後述する制御装置40から出力される制御信号によって、回転数(すなわち、冷媒吐出能力)が制御される。
圧縮機11の吐出口には、四方弁12の1つの冷媒流入出口が接続されている。四方弁12は、冷媒回路10の回路構成を切り替える冷媒回路切替部である。四方弁12は、制御装置40から出力される制御電圧によって、その作動が制御される。
より具体的には、四方弁12は、図1に示すように、圧縮機11の吐出口側と室外熱交換器13の1つの冷媒出入口側とを接続すると同時に、圧縮機11の吸入口側と水−冷媒熱交換器14の1つの冷媒出入口側および室内蒸発器15の冷媒出口側とを接続する回路構成に切り替えることができる。
また、四方弁12は、図2に示すように、圧縮機11の吐出口側と水−冷媒熱交換器14の1つの冷媒出入口側とを接続すると同時に、圧縮機11の吸入口側と室外熱交換器13の1つの冷媒流入口側および室内蒸発器15の冷媒出口側とを接続する回路構成に切り替えることができる。
四方弁12の別の1つの冷媒流入出口には、室外熱交換器13の1つの冷媒出入口137a側が接続されている。室外熱交換器13は、冷媒と図示しない外気送風機から送風された外気とを熱交換させる熱交換器である。室外熱交換器13は、駆動装置室内の前方側に配置されている。従って、車両走行時には、外気取入口(いわゆる、フロントグリル)を介して駆動装置室内へ流入した走行風を室外熱交換器13に当てることができる。
室外熱交換器13の詳細構成については、図3、図4を用いて説明する。なお、図3、図4における上下の各矢印は、室外熱交換器13を車両に搭載した状態における上下の各方向を示している。このことは、他の図面においても同様である。本実施形態では、室外熱交換器13として、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器を採用している。
室外熱交換器13は、複数のチューブ131、第1タンク132、第2タンク133、モジュレータ134等を有している。これらの各構成部材は、いずれも伝熱性に優れる同種の金属(本実施形態では、アルミニウム合金)で形成されている。さらに、各構成部材は、ロウ付け接合によって一体化されている。
チューブ131は、内部に冷媒を流通させる管である。チューブ131は、長手方向垂直断面が扁平形状に形成された扁平チューブである。チューブ131は、水平方向に延びるように配置されている。複数のチューブ131は、平坦面(いわゆる、扁平面)同士が互いに平行となるように、一定の間隔を開けて上下方向に積層配置されている。
隣り合うチューブ131同士の間には、外気を流通させる空気通路が形成される。つまり、室外熱交換器13では、複数のチューブ131が、間隔を開けて積層配置されていることによって、チューブ131の内部を流通する冷媒とチューブ131の外部に形成された空気通路を流通する外気とを熱交換させる熱交換部が形成されている。
さらに、隣り合うチューブ131同士の間に形成された空気通路には、コルゲートフィン135が配置されている。コルゲートフィン135は、冷媒と外気との熱交換を促進する熱交換フィンである。コルゲートフィン135は、チューブ131と同種の金属製の薄板を波状に折り曲げたものである。コルゲートフィン135は、波状に折り曲げられることによって形成された頂部が隣り合うチューブ131の双方に接合されている。
なお、図3、図4では、図示の明確化のため、チューブ131およびコルゲートフィン135の一部のみを図示しているが、チューブ131およびコルゲートフィン135は、熱交換部の全域に亘って配置されている。
複数のチューブ131の両端部には、第1タンク132および第2タンク133が接続されている。第1タンク132および第2タンク133は、複数のチューブ131の積層方向に延びる有底筒状部材である。
第1タンク132および第2タンク133の内部には、分配空間あるいは集合空間となる空間が形成されている。分配空間は、複数のチューブ131に対して冷媒を分配するための空間である。集合空間は、複数のチューブ131から流出した冷媒を集合させるための空間である。
より具体的には、第1タンク132の内部には、上方側から第1タンク用の第1セパレータ136a、および第1タンク用の第2セパレータ136bが配置されている。これにより、第1タンク132の内部空間は、上方側から第1空間132a、第2空間132b、第3空間132cの3つに区画されている。
また、第2タンク133の内部には、第2タンク用のセパレータ136cが配置されている。これにより、第2タンク133の内部空間は、上方側から第1空間133a、第2空間133bに区画されている。第1タンク用の第2セパレータ136bおよび第2タンク用のセパレータ136cは、上下方向において同じ高さに位置付けられている。
このため、本実施形態の複数のチューブ131は、複数(具体的には、3つ)のパスを形成している。ここで、タンクアンドチューブ型の熱交換器におけるパスとは、一方のタンク内に形成された同一の分配空間内の冷媒を他方のタンク内に形成された同一の集合空間へ向けて同一の方向へ流すチューブ群によって形成される冷媒流路と定義することができる。
具体的には、第1タンク132の第1空間132aと第2タンク133の第1空間133aとを接続するチューブ群は、第1パス13aを形成している。また、第2タンク133の第1空間133aと第1タンク132の第2空間132bとを接続するチューブ群は、第2パス13bを形成している。また、第1タンク132の第3空間132cと第2タンク133の第2空間133bとを接続するチューブ群は、第3パス13cを形成している。
第1パス13aを形成するチューブ群の本数は、第2パス13bを形成するチューブ群の本数よりも多い。このため、第1パス13aの通路断面積は、第2パス13bの通路断面積よりも大きくなっている。また、第2パス13bを形成するチューブ群の本数は、第3パス13cを形成するチューブ群の本数よりも多い。このため、第2パス13bの通路断面積は、第3パス13cの通路断面積よりも大きくなっている。
ここで、パスの通路断面積は、パスを形成する各チューブ131の通路断面積の合計値で定義することができる。従って、チューブ本数の増加に伴って、パスの通路断面積も拡大する。
第1タンク132の上方側であって第1空間132aを形成する部位には、四方弁12側に接続される1つの冷媒出入口137aが設けられている。第2タンク133の下方側であって第2空間133bを形成する部位には、後述する第1三方継手16aの1つの流入出口側に接続される別の1つの冷媒出入口137bが設けられている。
従って、第1三方継手16a側に接続される別の1つの冷媒出入口137bは、四方弁12側に接続される1つの冷媒出入口137aよりも下方側に配置されている。
なお、以降の説明では、説明の明確化のために、第1三方継手16a側に接続される別の1つの冷媒出入口137bを、室外熱交換器13の一方の冷媒出入口137bと記載する。また、四方弁12側に接続される1つの冷媒出入口137aを、室外熱交換器13の他方の冷媒出入口137aと記載する。
第1タンク132の上下方向中間部であって第2空間132bを形成する部位、および第1タンク132の下方側であって第3空間132cを形成する部位には、モジュレータ134が接続されている。
モジュレータ134は、内部へ流入した冷媒の気液を分離して、サイクルの余剰冷媒を液相冷媒として蓄える外気側貯液部である。モジュレータ134は、第1タンク132および第2タンク133と同一方向(本実施形態では、上下方向)に延びる有底筒状部材である。
図1、図2に戻り、室外熱交換器13の一方の冷媒出入口137bには、第1冷媒通路101を介して、互いに連通する3つの冷媒流入出口を有する第1三方継手16aの1つの流入出口側が接続されている。
第1三方継手16aは、冷媒の流れを合流あるいは分岐させる第1合流分岐部である。第1三方継手16aとしては、複数の配管を接合することによって形成されたものや、金属ブロックや樹脂ブロックに複数の冷媒通路を設けることによって形成されたもの等を採用することができる。
第1三方継手16aは、3つの流入出口のうち2つが流入口として用いられ、残りの1つが流出口として用いられると、2つの流入口から流入した冷媒の流れを合流させて1つの流出口から流出させる合流部となる。また、第1三方継手16aは、3つの流入出口のうち1つが流入口として用いられ、残りの2つが流出口として用いられると、1つの流入口から流入した冷媒の流れを分岐して2つの流出口から流出させる分岐部となる。
さらに、本実施形態の冷媒回路10は、第2三方継手16bおよび第3三方継手16cを備えている。第2三方継手16bおよび第3三方継手16cの基本的構成は、第1三方継手16aと同様である。第1三方継手16a、第2三方継手16b、および第3三方継手16cは、図1、図2に示すように、1つの流入出口同士が互いに接続されている。
第2三方継手16bの残余の流入出口には、第2冷媒通路102を介して、水−冷媒熱交換器14の1つの冷媒出入口側が接続されている。従って、第2三方継手16bは、第2合流分岐部である。第3三方継手16cの残余の流入出口には、第3冷媒通路103を介して、室内蒸発器15の冷媒入口側が接続されている。従って、第3三方継手16cは、第3合流分岐部である。
第1三方継手16aと第2三方継手16bは、第4冷媒通路104を介して、接続されている。第1三方継手16aと第3三方継手16cは、第5冷媒通路105を介して、接続されている。第2三方継手16bと第3三方継手16cは、第6冷媒通路106を介して、接続されている。
第4冷媒通路104には、第1膨張弁17aが配置されている。第1膨張弁17aは、少なくとも車室内の暖房を行う暖房モード時に、第2三方継手16bを介して室外熱交換器13へ流入する冷媒を減圧させるとともに、室外熱交換器13へ流入する冷媒の流量(質量流量)を調整する。また、第1膨張弁17aは、少なくとも車載機器の冷却を行う冷却モード時に、水−冷媒熱交換器14へ流入する冷媒を減圧させるとともに、水−冷媒熱交換器14へ流入する冷媒の流量(質量流量)を調整する。
第1膨張弁17aは、絞り開度を変更可能に構成された弁体部と、この弁体部の開度を変化させる電動アクチュエータ(具体的には、ステッピングモータ)を有する電気式の可変絞り機構である。第1膨張弁17aは、制御装置40から出力される制御信号(制御パルス)によって、その作動が制御される。
第1膨張弁17aは、弁開度を全開にすることによって、冷媒減圧作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能、および弁開度を全閉にすることで冷媒通路を閉塞する全閉機能を有している。第1膨張弁17aは、全開機能および全閉機能によって、冷媒回路10の回路構成を切り替えることができる。従って、第1膨張弁17aは、冷媒回路切替部としての機能を兼ね備えている。
また、第3冷媒通路103には、第2膨張弁17bが配置されている。より具体的には、第3冷媒通路103の室内蒸発器15側の端部には、専用のコネクタを介して第2膨張弁17bが配置されている。
第2膨張弁17bは、少なくとも車室内の冷房を行う冷房モード時に、室内蒸発器15へ流入する冷媒を減圧させるとともに、室内蒸発器15へ流入する冷媒の流量(質量流量)を調整する。第2膨張弁17bの基本的構成は、第1膨張弁17aと同様である。従って、第2膨張弁17bは、冷媒回路切替部としての機能を兼ね備えている。
また、第5冷媒通路105には、冷媒回路切替部である第1逆止弁18aが配置されている。第1逆止弁18aは、第1三方継手16aと第3三方継手16cとを接続する第5冷媒通路105を開閉する第1開閉部である。第1逆止弁18aは、冷媒が第1三方継手16a側から第3三方継手16c側へ流れることを許容し、第3三方継手16c側から第1三方継手16a側へ流れることを禁止する。
また、第6冷媒通路106には、冷媒回路切替部である第2逆止弁18bが配置されている。第2逆止弁18bは、第2三方継手16bと第3三方継手16cとを接続する第6冷媒通路106を開閉する第2開閉部である。第2逆止弁18bは、冷媒が第2三方継手16b側から第3三方継手16c側へ流れることを許容し、第3三方継手16c側から第2三方継手16b側へ流れることを禁止する。
水−冷媒熱交換器14は、冷媒と熱媒体回路20を循環する熱媒体とを熱交換させる熱媒体−冷媒熱交換器である。水−冷媒熱交換器14は、駆動装置室内に配置されている。水−冷媒熱交換器14の詳細構成については、図5、図6を用いて説明する。本実施形態では、水−冷媒熱交換器14として、いわゆる積層型の熱交換器を採用している。
水−冷媒熱交換器14は、複数の伝熱プレート141、貯液タンク142等を有している。これらの各構成部材は、いずれも伝熱性に優れる同種の金属(本実施形態では、アルミニウム合金)で形成されている。さらに、各構成部材は、ロウ付け接合によって一体化されている。
伝熱プレート141は、上下方向に細長い矩形状の板状部材である。複数の伝熱プレート141は、平坦面同士が互いに平行となるように間隔を開けて水平方向に積層配置されている。伝熱プレート141の外周縁部および平坦面には、それぞれ積層方向に突出する複数の張出部が形成されている。複数の伝熱プレート141は、それぞれの伝熱プレート141の張出部が隣り合う伝熱プレート141に接合されている。
このため、隣り合う伝熱プレート141同士の張出部が形成されていない部位には、冷媒を流通させる冷媒通路14aおよび熱媒体を流通させる熱媒体通路14bが形成される。本実施形態の冷媒通路14aおよび熱媒体通路14bは、積層方向に交互に形成されている。これにより、冷媒通路14aを流通する冷媒と熱媒体通路14bを流通する熱媒体は、伝熱プレート141を介して、互いに熱交換することができる。
伝熱プレート141の上下方向両端側には、張出部によって、冷媒通路14aに連通する冷媒用タンク形成部が形成されている。それぞれの伝熱プレート141の冷媒用タンク形成部の内部空間同士は、互いに連通している。このため、複数の伝熱プレート141が積層配置されると、水−冷媒熱交換器14の上方側および下方側には、複数の冷媒通路14aに連通する冷媒用タンク空間が形成される。
同様に、伝熱プレート141の上下方向両端側には、張出部によって、熱媒体通路14bに連通する熱媒体用タンク形成部が形成されている。それぞれの伝熱プレート141の熱媒体用タンク部の内部空間同士は、互いに連通している。このため、複数の伝熱プレート141が積層配置されると、水−冷媒熱交換器14の上方側および下方側には、複数の熱媒体通路14bに連通する熱媒体用タンク空間が形成されている。
伝熱プレート141に上方側に形成された冷媒用タンク空間には、四方弁12のさらに別の1つの冷媒流入出口側が接続される1つの冷媒出入口143aが設けられている。伝熱プレート141に下方側に形成された冷媒用タンク空間には、貯液タンク142が接続されている。
貯液タンク142は、内部へ流入した冷媒の気液を分離して、サイクルの余剰冷媒を液相冷媒として蓄える熱媒体側貯液部である。貯液タンク142は、上下方向に延びる有底筒状部材である。貯液タンク142には、第2三方継手16bの1つの流入出口側に接続される別の冷媒出入口143bが設けられている。
なお、以降の説明では、説明の明確化のために、第2三方継手16b側に接続される貯液タンク142に設けられた別の冷媒出入口143bを、水−冷媒熱交換器14の一方の冷媒出入口143bと記載する。また、四方弁12側に接続される1つの冷媒出入口143aを、水−冷媒熱交換器14の他方の冷媒出入口143aと記載する。
伝熱プレート141の下方側に形成された熱媒体用タンク空間には、水−冷媒熱交換器14の熱媒体入口143cが設けられている。伝熱プレート141に上方側に形成された熱媒体用タンク空間には、水−冷媒熱交換器14の熱媒体出口143dが設けられている。
従って、水−冷媒熱交換器14では、運転モードを切り替えても熱媒体の流れ方向は変化しない。すなわち、水−冷媒熱交換器14では、運転モードによらず、下方側の熱媒体用タンク空間へ流入した熱媒体が、図5、図6の太破線矢印に示すように、複数の熱媒体通路14bを介して上方側の熱媒体用タンク空間へ移動する。
図1、図2に戻り、室内蒸発器15は、第2膨張弁17bにて減圧された冷媒と室内送風機32から車室内へ向けて送風された送風空気とを熱交換させる熱交換器である。室内蒸発器15では、第2膨張弁17bにて減圧された冷媒を蒸発させ、冷媒に吸熱作用を発揮させることによって、送風空気を冷却することができる。室内送風機32および室内蒸発器15は、後述する室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。
室内蒸発器15の冷媒出口には、蒸発圧力調整弁19の入口側が接続されている。蒸発圧力調整弁19は、室内蒸発器15における冷媒蒸発圧力を予め定めた基準圧力以上に維持する圧力調整弁である。
蒸発圧力調整弁19は、室内蒸発器15の出口側冷媒の圧力の上昇に伴って、弁開度を増加させる機械式の可変絞り機構である。これにより、蒸発圧力調整弁19は、室内蒸発器15における冷媒蒸発温度が、室内蒸発器15の着霜を抑制可能な着霜抑制温度(本実施形態では、1℃)以上に維持している。
蒸発圧力調整弁19の出口には、合流部16dを介して、圧縮機11の吸入口側が接続されている。合流部16dの基本的構成は、第1三方継手16a等と同様である。合流部16dの他方の流入口には、四方弁12のさらに別の1つの冷媒流入出口側が接続されている。
また、冷媒回路10では、各構成機器同士を接続する冷媒通路を、大径、中間径、小径の3種類の径の冷媒配管で形成している。具体的には、圧縮機11の吐出口と四方弁12の1つの冷媒流入出口とを接続する冷媒通路は、中間径の冷媒配管で形成している。第1冷媒通路101〜第6冷媒通路106は、小径の冷媒配管で形成している。残余の冷媒通路は、大径の冷媒配管で形成している。
このため、第1冷媒通路101〜第6冷媒通路106の通路断面積は、圧縮機11の吐出口と四方弁12の1つの冷媒流入出口とを接続する吐出側冷媒通路107の通路断面積よりも小さい。
次に、図7を用いて、熱媒体回路20について説明する。熱媒体回路20は、熱媒体を循環させる熱媒体循環回路である。冷凍サイクル装置1では、車室内の空調および車載機器の適切な冷却を行うために、各種運転モードに応じて熱媒体回路20の回路構成を切り替えることができる。冷凍サイクル装置1では、熱媒体回路20を循環させる熱媒体として、エチレングリコール水溶液を採用している。
熱媒体回路20には、図7に示すように、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14b、バッテリ50の冷却水通路50aおよび発熱機器51の冷却水通路51aに加えて、第1水ポンプ21a、第2水ポンプ21b、第1熱媒体三方弁22a、第2熱媒体三方弁22b、第3熱媒体三方弁22c、加熱装置23、ヒータコア24、ラジエータ25、熱媒体開閉弁26等が配置されている。
第1水ポンプ21aは、熱媒体を水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bへ向けて圧送する。第1水ポンプ21aは、制御装置40から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、圧送能力)が制御される電動ポンプである。
水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bの出口には、第3熱媒体三方弁22cの流入口側が接続されている。第3熱媒体三方弁22cは、熱媒体通路14bから流出した熱媒体のうち、バッテリ50の冷却水通路50a側へ流出させる熱媒体流量と、加熱装置23側へ流出させる熱媒体流量との流量比を連続的に調整可能な三方式の流量調整弁である。第3熱媒体三方弁22cは、制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
さらに、第3熱媒体三方弁22cは、熱媒体通路14bから流出した熱媒体の全流量を、バッテリ50の冷却水通路50a側および加熱装置23側のいずれか一方へ流出させることができる。これにより、第3熱媒体三方弁22cは、熱媒体回路20の回路構成を切り替えることができる。従って、第3熱媒体三方弁22cは、熱媒体回路20の回路構成を切り替える熱媒体回路切替部である。
バッテリ50の冷却水通路50aは、低温の熱媒体を流通させてバッテリ50を冷却するための熱媒体通路である。換言すると、バッテリ50の冷却水通路50aは、水−冷媒熱交換器14にて冷却された熱媒体を冷熱源としてバッテリ50を冷却する冷却部である。バッテリ50の冷却水通路50aは、バッテリ50の専用ケースに形成されている。
バッテリ50の冷却水通路50aの通路構成は、専用ケースの内部で複数の通路を並列的に接続した通路構成となっている。これにより、冷却水通路50aは、バッテリ50の全域からバッテリ50の廃熱を均等に吸熱できるように形成されている。換言すると、冷却水通路50aは、全ての電池セルの有する熱を均等に吸熱して、全ての電池セルを均等に冷却できるように形成されている。
バッテリ50の冷却水通路50aの出口には、第4熱媒体逆止弁27dを介して、第1水ポンプ21aの吸入口側が接続されている。第4熱媒体逆止弁27dは、熱媒体がバッテリ50の冷却水通路50aの出口側から第1水ポンプ21aの吸入口側へ流れることを許容し、第1水ポンプ21aの吸入口側から冷却水通路50aの出口側へ流れることを禁止する。
加熱装置23は、制御装置40から供給される電力によって、第3熱媒体三方弁22cから流出した熱媒体を加熱する。加熱装置23は、加熱用通路および発熱部を有している。加熱用通路は、熱媒体を流通させる通路である。発熱部は、電力を供給されることによって、加熱用通路を流通する熱媒体を加熱する。発熱部としては、具体的に、PTC素子やニクロム線を採用することができる。
加熱装置23の出口には、ヒータコア24の熱媒体入口側が接続されている。ヒータコア24は、熱媒体と室内送風機32から送風された送風空気とを熱交換させる熱交換器である。ヒータコア24は、水−冷媒熱交換器14および加熱装置23の少なくとも一方で加熱された熱媒体の有する熱を熱源として送風空気を加熱する加熱部である。ヒータコア24は、室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。
ヒータコア24の熱媒体出口には、第1熱媒体三方弁22aの流入口側が接続されている。第1熱媒体三方弁22aは、ヒータコア24から流出した熱媒体のうち、第1水ポンプ21aの吸入口側へ流出させる熱媒体流量と、発熱機器51の冷却水通路51aの一方の出入口側等へ流出させる熱媒体流量との流量比を連続的に調整可能な三方式の流量調整弁である。
第1熱媒体三方弁22aの基本的構成は、第3熱媒体三方弁22cと同様である。従って、第1熱媒体三方弁22aは、熱媒体回路20の回路構成を切り替える熱媒体回路切替部である。
発熱機器51の冷却水通路51aは、低温の熱媒体を流通させて発熱機器51を冷却するための熱媒体通路である。換言すると、発熱機器51の冷却水通路51aは、水−冷媒熱交換器14にて冷却された熱媒体を冷熱源として発熱機器51を冷却する冷却部である。発熱機器51の冷却水通路51aは、発熱機器51の外殻を形成するハウジング部あるいはケースの内部等に形成されている。
発熱機器51の冷却水通路51aの他方の出入口には、第3熱媒体逆止弁27cを介して、第1水ポンプ21aの吸入口側が接続されている。第3熱媒体逆止弁27cは、熱媒体が発熱機器51の冷却水通路51a側から第1水ポンプ21aの吸入口側へ流れることを許容し、第1水ポンプ21aの吸入口側から冷却水通路51a側へ流れることを禁止する。
さらに、第3熱媒体逆止弁27cの出口には、第1熱媒体逆止弁27aを介して、加熱装置23の入口側が接続されている。第1熱媒体逆止弁27aは、熱媒体が第3熱媒体逆止弁27cの出口側から加熱装置23の入口側へ流れることを許容し、加熱装置23の入口側から第3熱媒体逆止弁27cの出口側へ流れることを禁止する。
第2水ポンプ21bは、熱媒体を発熱機器51の冷却水通路51aの他方の出入口側およびバッテリ50の冷却水通路50aの入口側へ向けて圧送する。第2水ポンプ21bの基本的構成は、第1水ポンプ21aと同様である。
第2水ポンプ21bの吐出口から発熱機器51の冷却水通路51aの他方の出入口へ至る熱媒体通路には、第2熱媒体逆止弁27bが配置されている。第2熱媒体逆止弁27bは、熱媒体が第2水ポンプ21bの吐出口側から発熱機器51の冷却水通路51aの他方の出入口側へ流れることを許容し、冷却水通路51aの他方の出入口側から第2水ポンプ21bの吐出口側へ流れることを禁止する。
また、第2水ポンプ21bの吐出口からバッテリ50の冷却水通路50aの入口へ至る熱媒体通路には、第5熱媒体逆止弁27eが配置されている。第5熱媒体逆止弁27eは、熱媒体が第2水ポンプ21bの吐出口側からバッテリ50の冷却水通路50aの入口側へ流れることを許容し、冷却水通路50aの入口側から第2水ポンプ21bの吐出口側へ流れることを禁止する。
第1熱媒体三方弁22aと発熱機器51の冷却水通路51aとの間には、熱媒体の流れを分岐する分岐部28aが配置されている。分岐部28aにて分岐された熱媒体の流れは、第2熱媒体三方弁22bの入口側へ導かれる。
第2熱媒体三方弁22bは、分岐部28aにて分岐された熱媒体のうち、第2水ポンプ21bの吸入口側へ流出させる熱媒体流量と、ラジエータ25の熱媒体入口側へ流出させる熱媒体流量との流量比を連続的に調整可能な三方式の流量調整弁である。第2熱媒体三方弁22bの基本的構成は、第3熱媒体三方弁22cと同様である。従って、第2熱媒体三方弁22bは、熱媒体回路20の回路構成を切り替える熱媒体回路切替部である。
ラジエータ25は、内部を流通する熱媒体と外気とを熱交換させる外気熱交換部である。ラジエータ25は、駆動装置室内の前方側に配置されている。従って、ラジエータ25は、室外熱交換器13と一体的に構成されていてもよい。
さらに、熱媒体回路20は、ラジエータ25の熱媒体入口側とバッテリ50の冷却水通路50aの出口側とを接続する熱媒体通路26aを有している。熱媒体通路26aには、接続通路を開閉する熱媒体開閉弁26が配置されている。熱媒体開閉弁26は、制御装置40から出力される制御電圧によって、その作動が制御される電磁弁である。熱媒体開閉弁26は、熱媒体回路20の回路構成を切り替える熱媒体回路切替部である。
つまり、本実施形態の熱媒体回路20は、熱媒体の温度を調整する温度調整部としての水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bと、温度調整部にて加熱された熱媒体と送風空気とを熱交換させることによって送風空気を加熱する加熱部としてのヒータコア24と、温度調整部にて冷却された熱媒体を流通させる冷却対象物(すなわち、バッテリ50および発熱機器51)の冷却水通路50a、51aと、熱媒体回路20の回路構成を切り替える熱媒体回路切替部としての第1熱媒体三方弁22a〜第3熱媒体三方弁22c、熱媒体開閉弁26と、を備えている。
熱媒体回路切替部は、圧縮機11を作動させて加熱部にて送風空気を加熱する暖房モードでは、温度調整部と加熱部との間で熱媒体を循環させる回路構成に切り替えることができる。さらに、熱媒体回路切替部は、圧縮機11を停止させて加熱部にて送風空気を加熱する廃熱暖房モードでは、冷却水通路50a、51aと加熱部との間で熱媒体を循環させる回路構成に切り替えることができる。
また、熱媒体回路切替部は、圧縮機11を作動させて冷却対象物を冷却する冷却モードでは、温度調整部と冷却水通路50a、51aとの間で熱媒体を循環させる回路構成に切り替えることができる。
さらに、熱媒体回路20は、熱媒体と外気とを熱交換させる外気熱交換部としてのラジエータ25を備えている。そして、熱媒体回路切替部は、圧縮機11を停止させて冷却対象物を冷却する外気冷却モードでは、外気熱交換部と冷却水通路50a、51aとの間で熱媒体を循環させる回路構成に切り替えることができる。
次に、図8を用いて、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、車室内の空調のために適切な温度に調整された送風空気を、車室内の適切な箇所へ吹き出すために複数の構成機器を一体化させたユニットである。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。
室内空調ユニット30は、図8に示すように、送風空気の空気通路を形成するケーシング31内に、室内送風機32、冷媒回路10の室内蒸発器15、熱媒体回路20のヒータコア24等を収容したものである。ケーシング31は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
ケーシング31の送風空気流れ最上流側には、内外気切替装置33が配置されている。内外気切替装置33は、ケーシング31内へ内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入するものである。内外気切替装置33は、制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置33の送風空気流れ下流側には、室内送風機32が配置されている。室内送風機32は、内外気切替装置33を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する。室内送風機32は、制御装置40から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、送風能力)が制御される。
室内送風機32の送風空気流れ下流側には、室内蒸発器15およびヒータコア24が、送風空気の流れに対して、この順に配置されている。つまり、室内蒸発器15は、ヒータコア24よりも送風空気流れ上流側に配置されている。また、ケーシング31内には、室内蒸発器15通過後の送風空気を、ヒータコア24を迂回させて下流側へ流す冷風バイパス通路35が形成されている。
室内蒸発器15の送風空気流れ下流側であって、かつ、ヒータコア24の送風空気流れ上流側には、エアミックスドア34が配置されている。
エアミックスドア34は、室内蒸発器15を通過後の送風空気のうち、ヒータコア24を通過させる風量と冷風バイパス通路35を通過させる風量との風量割合を調整する風量割合調整部である。エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータは、制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
ヒータコア24および冷風バイパス通路35の送風空気流れ下流側には、混合空間36が設けられている。混合空間36は、ヒータコア24にて加熱された送風空気と冷風バイパス通路35を通過して加熱されていない送風空気とを混合させる空間である。さらに、ケーシング31の送風空気流れ下流部には、混合空間36にて混合されて温度調整された送風空気を、車室内へ吹き出すための複数の開口穴が配置されている。
従って、エアミックスドア34が、ヒータコア24を通過させる風量と冷風バイパス通路35を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間36にて混合される空調風の温度が調整される。これにより、各吹出口から車室内へ吹き出される送風空気の温度が調整される。
次に、本実施形態の電気制御部の概要について説明する。制御装置40は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路を有している。制御装置40は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。そして、制御装置40は、演算、処理結果に基づいて、出力側に接続された各種制御対象機器11、12、17a、17b、21a、21b、22a〜22c、23、26、32等の作動を制御する。
また、制御装置40の入力側には、図9のブロック図に示すように、内気温センサ41、外気温センサ42、日射センサ43、吸入冷媒温度センサ44a、熱交換器温度センサ44b、蒸発器温度センサ44f、吸入冷媒圧力センサ45、第1熱媒体温度センサ46a、第2熱媒体温度センサ46b、バッテリ温度センサ47a、発熱機器温度センサ47b、空調風温度センサ49等が接続されている。制御装置40には、これらのセンサ群の検出信号が入力される。
内気温センサ41は、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出部である。外気温センサ42は、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出部である。日射センサ43は、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出部である。
吸入冷媒温度センサ44aは、圧縮機11へ吸入される冷媒の吸入冷媒温度Tsを検出する吸入冷媒温度検出部である。熱交換器温度センサ44bは、水−冷媒熱交換器14を通過する冷媒の温度(熱交換器温度)TCを検出する熱交換器温度検出部である。熱交換器温度センサ44bは、具体的に、水−冷媒熱交換器14の外表面の温度を検出している。
蒸発器温度センサ44fは、室内蒸発器15における冷媒蒸発温度(蒸発器温度)Tefinを検出する蒸発器温度検出部である。蒸発器温度センサ44fは、具体的に、室内蒸発器15の熱交換フィンの温度を検出している。吸入冷媒圧力センサ45は、圧縮機11へ吸入される冷媒の吸入冷媒圧力Psを検出する吸入冷媒圧力検出部である。
第1熱媒体温度センサ46aは、ヒータコア24へ流入する熱媒体の温度TW1を検出する第1熱媒体温度検出部である。第2熱媒体温度センサ46bは、バッテリ50の冷却水通路50aへ流入する熱媒体の温度TW2を検出する第2熱媒体温度検出部である。空調風温度センサ49は、混合空間から車室内へ送風される送風空気温度TAVを検出する空調風温度検出部である。
バッテリ温度センサ47aは、バッテリ50の温度であるバッテリ温度TBAを検出するバッテリ温度検出部である。バッテリ温度センサ47aは、複数の温度検出部を有し、バッテリ50の複数の箇所の温度を検出している。このため、制御装置40では、バッテリ50の各部の温度差を検出することもできる。さらに、バッテリ温度TBAとしては、複数の温度センサの検出値の平均値を採用している。
発熱機器温度センサ47bは、発熱機器51の温度である発熱機器温度TMGを検出する発熱機器温度検出部である。発熱機器温度センサ47bは、発熱機器51の外殻を形成するハウジングの外表面の温度を検出している。
さらに、制御装置40の入力側には、図9に示すように、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル401が接続され、この操作パネル401に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
操作パネル401に設けられた各種操作スイッチとしては、具体的に、冷凍サイクル装置1の自動制御運転を設定あるいは解除するオートスイッチ、室内蒸発器15で送風空気の冷却を行うことを要求するエアコンスイッチ、室内送風機32の風量をマニュアル設定する風量設定スイッチ、車室内の目標温度Tsetを設定する温度設定スイッチ等がある。
なお、本実施形態の制御装置40は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されたものである。従って、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部を構成している。
例えば、制御装置40のうち、圧縮機11の冷媒吐出能力(具体的には、圧縮機11の回転数)を制御する構成は、吐出能力制御部60aを構成している。また、冷媒回路切替部である四方弁12の作動を制御する構成は、冷媒回路制御部60bを構成している。また、熱媒体回路切替部である第1熱媒体三方弁22a〜第3熱媒体三方弁22cおよび熱媒体開閉弁26の作動を制御する構成は、熱媒体回路制御部60cを構成している。
次に、上記構成における本実施形態の冷凍サイクル装置1の作動について説明する。前述の如く、本実施形態の冷凍サイクル装置1は、車室内の空調および車載機器の冷却を行うために各種運転モードを切り替えることができる。
具体的には、冷凍サイクル装置1は、車室内の空調を行う空調モードとして、冷房モード、暖房モード、除湿暖房モードを切り替えることができる。また、車載機器を冷却する冷却モードとして、単独冷却モードおよび冷房冷却モードを切り替えることができる。
冷房モードは、冷却した送風空気を車室内へ吹き出すことによって車室内の冷房を行う運転モードである。暖房モードは、加熱した送風空気を車室内へ吹き出すことによって車室内の暖房を行う運転モードである。除湿暖房モードは、冷却して除湿された送風空気を再加熱して車室内へ吹き出すことによって車室内の除湿暖房を行う運転モードである。
単独冷却モードは、車室内の空調を行うことなく、バッテリ50および発熱機器51の少なくとも一方の冷却を行う運転モードである。冷房冷却モードは、冷却した送風空気を車室内へ吹き出すことによって車室内の冷房を行うと同時に、バッテリ50および発熱機器51の少なくとも一方の冷却を行う運転モードである。
冷凍サイクル装置1の各運転モードの切り替えは、制御プログラムが実行されることによって行われる。制御プログラムは、操作パネル401のオートスイッチが投入(ON)されて、自動制御運転が設定された際に実行される。
制御プログラムのメインルーチンでは、上述の空調制御用のセンサ群の検出信号および各種空調操作スイッチからの操作信号を読み込む。そして、読み込んだ検出信号および操作信号の値に基づいて、車室内へ吹き出す吹出空気の目標温度である目標吹出温度TAOを、以下数式F1に基づいて算出する。
具体的には、目標吹出温度TAOは、以下数式F1によって算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×As+C…(F1)
なお、Tsetは温度設定スイッチによって設定された車室内の目標温度(車室内設定温度)、Trは内気温センサ41によって検出された内気温、Tamは外気温センサ42によって検出された外気温、Asは日射センサ43によって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
そして、制御プログラムでは、操作パネル401のエアコンスイッチが投入された状態で、目標吹出温度TAOが予め定めた冷房基準温度αよりも低くなっている際には、運転モードを冷房モードに切り替える。
また、制御プラグラムでは、操作パネル401のエアコンスイッチが投入された状態で、目標吹出温度TAOが冷房基準温度α以上になっている際には、運転モードを除湿暖房モードに切り替える。さらに、エアコンスイッチが投入されていない状態で、目標吹出温度TAOが冷房基準温度α以上になっている際には、運転モードを暖房モードに切り替える。
また、制御プログラムでは、車室内の空調が行われていなくても、バッテリ温度TBAが基準バッテリ温度KTBA以上となった際、あるいは、発熱機器温度TMGが基準発熱機器温度KTMG以上となった際には、運転モードを単独冷却モードに切り替える。
また、制御プログラムでは、冷房モードが実行されている際に、さらに、バッテリ温度TBAが基準バッテリ温度KTBA以上となった際、あるいは、発熱機器温度TMGが基準発熱機器温度KTMG以上となった際には、運転モードを冷房冷却モードに切り替える。以下に、各運転モードについて説明する。
(a)冷房モード
冷房モードでは、制御装置40が、圧縮機11の吐出口側と室外熱交換器13の1つの冷媒出入口側とを接続すると同時に、圧縮機11の吸入口側と水−冷媒熱交換器14の1つの冷媒出入口側および室内蒸発器15の冷媒出口側とを接続するように四方弁12を作動させる。さらに、制御装置40は、第1膨張弁17aを全閉状態とし、第2膨張弁17bを冷媒減圧作用を発揮する絞り状態とする。
このため、冷房モードの冷媒回路10では、図1の白抜き矢印に示すように、圧縮機11の吐出口→四方弁12→室外熱交換器13→第1逆止弁18a→第2膨張弁17b→室内蒸発器15→蒸発圧力調整弁19→圧縮機11の吸入口の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
この回路構成で、制御装置40は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。例えば、圧縮機11については、蒸発器温度センサ44fによって検出された蒸発器温度Tefinが、冷房モード用の目標蒸発器温度TEOに近づくように回転数(すなわち、冷媒吐出能力)を制御する。
目標蒸発器温度TEOは、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御装置40に記憶されている制御マップを参照して決定される。この制御マップでは、目標吹出温度TAOの低下に伴って、目標蒸発器温度TEOが低下するように決定する。
また、第2膨張弁17bについては、圧縮機11へ吸入される吸入冷媒の過熱度SHが、予め定めた基準過熱度KSHに近づくように絞り開度を制御する。過熱度SHは、吸入冷媒温度センサ44aによって検出された吸入冷媒温度Tsおよび吸入冷媒圧力センサ45によって検出された吸入冷媒圧力Psに基づいて算定される。
また、室内送風機32については、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御装置40に記憶されている制御マップを参照して回転数(すなわち、送風量)を決定する。この制御マップでは、目標吹出温度TAOの極低温域(すなわち、最大冷房域)および極高温域(すなわち、最大暖房域)で室内送風機32の送風量を最大とし、中間温度域に近づくに伴って送風量を減少させる。
また、エアミックスドア34については、冷風バイパス通路35を全開とし、ヒータコア24側の通風路を全閉とするように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータの作動を制御する。
従って、冷房モードの冷媒回路10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、四方弁12を介して室外熱交換器13の他方の冷媒出入口137aへ流入する。室外熱交換器13へ流入した冷媒は、図3の太実線矢印に示すように、第1パス13a→第2パス13b→モジュレータ134→第3パス13cの順に流れる。
室外熱交換器13へ流入した冷媒は、第1パス13aおよび第2パス13bを流通する際に、外気送風機から送風された外気と熱交換して凝縮する。第1パス13aおよび第2パス13bにて凝縮した冷媒は、モジュレータ134へ流入する。モジュレータ134では、サイクルの余剰冷媒が液相冷媒として貯えられる。
モジュレータ134から流出した冷媒は、第3パス13cへ流入する。第3パス13cへ流入した冷媒は、外気送風機から送風された外気と熱交換して過冷却される。第3パス13cを流通する際に過冷却された冷媒は、一方の冷媒出入口137bから流出する。
室外熱交換器13の一方の冷媒出入口137bから流出した冷媒は、第1三方継手16a、第1逆止弁18a、および第3三方継手16cを介して、第2膨張弁17bへ流入して減圧される。この際、第2膨張弁17bの絞り開度は、吸入冷媒の過熱度SHが、基準過熱度KSHに近づくように調整される。
第2膨張弁17bにて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器15へ流入する。室内蒸発器15へ流入した低圧冷媒は、室内送風機32から送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却される。室内蒸発器15から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁19および合流部16dを介して、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
また、冷房モードの室内空調ユニット30では、室内蒸発器15にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出す。これにより、冷房モードでは、車室内の冷房を行うことができる。
(b)暖房モード
暖房モードでは、制御装置40が、圧縮機11の吐出口側と水−冷媒熱交換器14の1つの冷媒出入口側とを接続すると同時に、圧縮機11の吸入口側と室外熱交換器13の1つの冷媒流入口側および室内蒸発器15の冷媒出口側とを接続するように四方弁12を作動させる。さらに、制御装置40は、第1膨張弁17aを絞り状態とし、第2膨張弁17bを全閉状態とする。
また、制御装置40は、予め定めた暖房モード用の基準圧送能力を発揮するように第1水ポンプ21aを作動させる。さらに、制御装置40は、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体を加熱装置23側へ流出させるように、第3熱媒体三方弁22cを作動させる。さらに、制御装置40は、ヒータコア24から流出した熱媒体を第1水ポンプ21aの吸入口側へ流出させるように、第1熱媒体三方弁22aを作動させる。さらに、制御装置40は、熱媒体開閉弁26を閉じる。
このため、暖房モードの冷媒回路10では、図2の黒塗り矢印に示すように、圧縮機11の吐出口→四方弁12→水−冷媒熱交換器14→第1膨張弁17a→室外熱交換器13→四方弁12→圧縮機11の吸入口の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
また、暖房モードの熱媒体回路20では、図10の太線で示すように、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→第3熱媒体三方弁22c→加熱装置23→ヒータコア24→第1熱媒体三方弁22a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させる回路が構成される。
この回路構成で、制御装置40は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。例えば、圧縮機11については、熱交換器温度センサ44bによって検出された熱交換器温度TCが、暖房モード用の目標熱交換器温度TCO1に近づくように回転数を制御する。
目標熱交換器温度TCO1は、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御装置40に記憶されている制御マップを参照して決定される。この制御マップでは、目標吹出温度TAOの上昇に伴って、目標熱交換器温度TCO1が上昇するように決定する。
また、第1膨張弁17aについては、圧縮機11へ吸入される吸入冷媒の過熱度SHが、基準過熱度KSHに近づくように絞り開度を制御する。また、室内送風機32については、冷房モードと同様に回転数を決定する。
また、エアミックスドア34については、空調風温度センサ49によって検出された送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータの作動を制御する。
さらに、制御装置40は、エアミックスドア34がヒータコア24側の通風路を全開としても、送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに達しない場合は、加熱装置23に通電する。あるいは、第1熱媒体温度センサ46aによって検出された温度TW1が、予め定めた基準温度KTW1より低くなっている際には、加熱装置23に通電する。
従って、暖房モードの冷媒回路10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、四方弁12を介して水−冷媒熱交換器14の冷媒通路14aの他方の冷媒出入口143aへ流入する。水−冷媒熱交換器14へ流入した冷媒は、冷媒通路14aを流通する際に、熱媒体通路14bを流通する熱媒体と熱交換して凝縮する。これにより、熱媒体通路14bを流通する熱媒体が加熱される。
暖房モード時の水−冷媒熱交換器14では、図6の太実線矢印で示すように、冷媒が冷媒通路14aを上方側から下方側へ流れる。さらに、水−冷媒熱交換器14では、図6の太破線矢印で示すように、運転モードによらず、熱媒体が熱媒体通路14bを下方側から上方側へ流れる。
従って、暖房モード時の水−冷媒熱交換器14では、冷媒通路14aを流通する冷媒の流れ方向と熱媒体通路14bを流通する熱媒体の流れ方向が対向する。つまり、暖房モード時の水−冷媒熱交換器14では、冷媒通路14aを流通する冷媒の流れと熱媒体通路14bを流通する熱媒体の流れが対向流となる。
冷媒通路14aにて凝縮した冷媒は、貯液タンク142へ流入する。貯液タンク142では、サイクルの余剰冷媒が液相冷媒として貯えられる。貯液タンク142に設けられた一方の冷媒出入口143bから流出した冷媒は、第2三方継手16bを介して、第1膨張弁17aへ流入して減圧される。この際、第1膨張弁17aの絞り開度は、吸入冷媒の過熱度SHが、基準過熱度KSHに近づくように調整される。
第1膨張弁17aにて減圧された低圧冷媒は、第1三方継手16aを介して、室外熱交換器13の一方の冷媒出入口137bへ流入する。室外熱交換器13へ流入した低圧冷媒は、図4の太実線矢印に示すように、第3パス13c→モジュレータ134→第2パス13b→第1パス13aの順に流れる。室外熱交換器13へ流入した低圧冷媒は、外気から吸熱して蒸発する。
ここで、暖房モードでは、サイクルの余剰冷媒が水−冷媒熱交換器14の貯液タンク142に貯えられるので、モジュレータ134に液相冷媒が貯えられることはない。従って、暖房モード時のモジュレータ134は、単なる冷媒通路となる。室外熱交換器13の他方の冷媒出入口137aから流出した冷媒は、四方弁12および合流部16dを介して、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
また、暖房モードの熱媒体回路20では、第1水ポンプ21aから圧送された熱媒体が水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bの熱媒体入口143cへ流入する。熱媒体通路14bへ流入した熱媒体は、冷媒通路14aを流通する冷媒と熱交換して加熱される。
熱媒体通路14bの熱媒体出口143dから流出した熱媒体は、第3熱媒体三方弁22cを介して、加熱装置23の加熱用通路へ流入する。この際、制御装置40が加熱装置23に電力を供給していれば、熱媒体がさらに加熱される。加熱装置23の加熱用通路から流出した熱媒体は、ヒータコア24へ流入する。
ヒータコア24へ流入した熱媒体は、室内送風機32から送風された送風空気と熱交換して放熱する。これにより、送風空気が加熱される。ヒータコア24から流出した冷媒は、第1熱媒体三方弁22aを介して、第1水ポンプ21aへ吸入されて再び圧送される。
また、暖房モードの室内空調ユニット30では、ヒータコア24にて加熱された送風空気を車室内へ吹き出す。これにより、暖房モードでは、車室内の暖房を行うことができる。
(c)除湿暖房モード
除湿暖房モードでは、制御装置40が、暖房モードと同様に、四方弁12を作動させる。さらに、制御装置40は、第1膨張弁17aを絞り状態とし、第2膨張弁17bを絞り状態とする。
また、制御装置40は、暖房モードと同様に、第1水ポンプ21a、第1熱媒体三方弁22a、第3熱媒体三方弁22c、および熱媒体開閉弁26を作動させる。
このため、除湿暖房モードの冷媒回路10では、図2の斜線ハッチング付き矢印に示すように、圧縮機11の吐出口→四方弁12→水−冷媒熱交換器14→第2逆止弁18b→第2膨張弁17b→室内蒸発器15→蒸発圧力調整弁19→圧縮機11の吸入口の順に冷媒を循環させるとともに、圧縮機11の吐出口→四方弁12→水−冷媒熱交換器14→第1膨張弁17a→室外熱交換器13→四方弁12→圧縮機11の吸入口の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
つまり、除湿暖房モードの冷媒回路10では、水−冷媒熱交換器14から流出した冷媒の流れに対して、室外熱交換器13および室内蒸発器15が並列的に接続された冷凍サイクルが構成される。
また、暖房モードの熱媒体回路20では、暖房モードと同様に、熱媒体を循環させる回路が構成される。
この回路構成で、制御装置40は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。例えば、圧縮機11については、暖房モードと同様に、熱交換器温度TCが目標熱交換器温度TCO1に近づくように回転数を制御する。
また、第1膨張弁17aについては、予め定めた除湿暖房モード用の絞り開度となるように絞り開度を制御する。また、第2膨張弁17bについては、暖房モードと同様に、圧縮機11へ吸入される吸入冷媒の過熱度SHが、基準過熱度KSHに近づくように制御する。また、室内送風機32については、冷房モードと同様に回転数を決定する。
また、エアミックスドア34については、暖房モードと同様に、空調風温度センサ49によって検出された送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータの作動を制御する。
また、制御装置40は、暖房モードと同様に、エアミックスドア34がヒータコア24側の通風路を全開としても、送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに達しない場合は、加熱装置23に通電する。あるいは、第1熱媒体温度センサ46aによって検出された温度TW1が、基準温度KTW1より低くなっている際には、加熱装置23に通電する。
従って、除湿暖房モードの冷媒回路10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、暖房モードと同様に、水−冷媒熱交換器14の冷媒通路14aへ流入する。水−冷媒熱交換器14へ流入した冷媒は、冷媒通路14aを流通する際に、熱媒体通路14bを流通する熱媒体と熱交換して凝縮する。これにより、熱媒体通路14bを流通する熱媒体が加熱される。
除湿暖房モード時の水−冷媒熱交換器14では、暖房モードと同様に、図6に示すように、冷媒通路14aを流通する冷媒の流れと熱媒体通路14bを流通する熱媒体の流れが対向流となる。また、除湿暖房モード時の貯液タンク142では、サイクルの余剰冷媒が液相冷媒として貯えられる。水−冷媒熱交換器14の一方の冷媒出入口143bから流出した冷媒の流れは、第2三方継手16bにて分岐される。
第2三方継手16bにて分岐された一方の冷媒は、第2逆止弁18bおよび第3三方継手16cを介して、第2膨張弁17bへ流入して減圧される。第2膨張弁17bにて減圧された低圧冷媒は、冷房モードと同様に、室内蒸発器15へ流入する。室内蒸発器15へ流入した低圧冷媒は、室内送風機32から送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却されて除湿される。
室内蒸発器15から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁19を介して合流部16dへ流入する。この際、蒸発圧力調整弁19の弁開度は、室内蒸発器15における冷媒蒸発温度が着霜抑制温度以上となるように調整される。
また、第2三方継手16bにて分岐された他方の冷媒は、暖房モードと同様に、第1膨張弁17aへ流入して減圧される。この際、第1膨張弁17aの開度は、吸入冷媒の過熱度SHが、基準過熱度KSHに近づくように調整される。第1膨張弁17aにて減圧された低圧冷媒は、暖房モードと同様に、室外熱交換器13へ流入する。
室外熱交換器13へ流入した低圧冷媒は、暖房モードと同様に、図4の太実線矢印に示すように、第3パス13c→モジュレータ134→第2パス13b→第1パス13aの順に通過する。室外熱交換器13へ流入した低圧冷媒は、外気から吸熱して蒸発する。また、モジュレータ134に液相冷媒が貯えられることはなく、モジュレータ134は、単なる冷媒通路となる。
室外熱交換器13の他方の冷媒出入口137aから流出した冷媒は、四方弁12を介して合流部16dへ流入する。合流部16dでは、蒸発圧力調整弁19から流出した冷媒と室外熱交換器13の他方の冷媒出入口137aから流出した冷媒が合流する。合流部16dにて合流した冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
また、除湿暖房モードの熱媒体回路20では、暖房モードと同様に、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bを通過する際に加熱された熱媒体が、ヒータコア24へ流入する。これにより、送風空気が加熱される。
また、除湿暖房モードの室内空調ユニット30では、室内蒸発器15にて冷却されて除湿された送風空気を、ヒータコア24にて再加熱して車室内へ吹き出す。これにより、除湿暖房モードでは、車室内の除湿暖房を行うことができる。
(d)単独冷却モード
単独冷却モードでは、制御装置40が、冷房モードと同様に、四方弁12を作動させる。さらに、制御装置40は、第1膨張弁17aを絞り状態とし、第2膨張弁17bを全閉状態とする。
また、制御装置40は、予め定めた単独冷却モード用の基準圧送能力を発揮するように第1水ポンプ21aを作動させる。さらに、制御装置40は、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体をバッテリ50の冷却水通路50a側および加熱装置23側の双方へ流出させるように、第3熱媒体三方弁22cを作動させる。さらに、制御装置40は、ヒータコア24から流出した熱媒体を発熱機器51の冷却水通路51aの一方の出入口側へ流出させるように、第1熱媒体三方弁22aを作動させる。さらに、制御装置40は、第1熱媒体三方弁22aから流出した熱媒体が、第2熱媒体三方弁22b側へ流出しないように、第2熱媒体三方弁22bを作動させる。さらに、制御装置40は、熱媒体開閉弁26を閉じる。
このため、単独冷却モードの冷媒回路10では、図1の網掛けハッチング付き矢印に示すように、圧縮機11の吐出口→四方弁12→室外熱交換器13→第1膨張弁17a→水−冷媒熱交換器14→四方弁12→圧縮機11の吸入口の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
また、単独冷却モードの熱媒体回路20では、図11の太線で示すように、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→第3熱媒体三方弁22c→バッテリ50の冷却水通路50a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させるとともに、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→第3熱媒体三方弁22c→加熱装置23→ヒータコア24→第1熱媒体三方弁22a→発熱機器51の冷却水通路51a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させる回路が構成される。
つまり、単独冷却モードの熱媒体回路20では、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体の流れに対して、バッテリ50の冷却水通路50aおよび加熱装置23が並列的に接続された回路が構成される。
この回路構成で、制御装置40は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。例えば、圧縮機11については、熱交換器温度TCが予め定めた単独冷却モード用の目標熱交換器温度TCO2に近づくように回転数を制御する。
また、第1膨張弁17aについては、圧縮機11へ吸入される吸入冷媒の過熱度SHが、予め定めた基準過熱度KSHに近づくように絞り開度を制御する。また、室内送風機32については、冷房モードと同様に回転数を決定する。また、エアミックスドア34については、冷風バイパス通路35を全開とし、ヒータコア24側の通風路を全閉とするように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータの作動を制御する。
従って、単独冷却モードの冷媒回路10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、冷房モードと同様に、室外熱交換器13の他方の冷媒出入口137aへ流入する。室外熱交換器13へ流入した冷媒は、冷房モードと同様に、図3の太実線矢印に示すように、第1パス13a→第2パス13b→モジュレータ134→第3パス13cの順に通過する。
室外熱交換器13へ流入した冷媒は、第1パス13aおよび第2パス13bを流通する際に外気と熱交換して凝縮する。モジュレータ134では、サイクルの余剰冷媒が液相冷媒として貯えられる。モジュレータ134から流出した冷媒は、第3パス13cを流通する際に外気と熱交換して過冷却される。
室外熱交換器13から流出した冷媒は、第1三方継手16aを介して、第1膨張弁17aへ流入して減圧される。この際、第1膨張弁17aの開度は、吸入冷媒の過熱度SHが、基準過熱度KSHに近づくように調整される。
第1膨張弁17aにて減圧された低圧冷媒は、第2三方継手16bを介して、水−冷媒熱交換器14の一方の冷媒出入口143bへ流入する。水−冷媒熱交換器14へ流入した低圧冷媒は、冷媒通路14aを流通する際に、熱媒体通路14bを流通する熱媒体と熱交換して蒸発する。これにより、熱媒体通路14bを流通する熱媒体が冷却される。
単独冷却モード時の水−冷媒熱交換器14では、図5の太実線矢印で示すように、冷媒が冷媒通路14aを下方側から上方側へ流れる。さらに、水−冷媒熱交換器14では、運転モードによらず、熱媒体が熱媒体通路14bを下方側から上方側へ流れる。
従って、単独冷却モード時の水−冷媒熱交換器14では、冷媒通路14aを流通する冷媒の流れ方向と熱媒体通路14bを流通する熱媒体の流れ方向が同一となる。つまり、単独冷却モード時の水−冷媒熱交換器14では、冷媒通路14aを流通する冷媒の流れと熱媒体通路14bを流通する熱媒体の流れが並行流となる。
ここで、単独冷却モードでは、サイクルの余剰冷媒が室外熱交換器13のモジュレータ134に貯えられるので、水−冷媒熱交換器14の貯液タンク142に液相冷媒が貯えられることはない。従って、貯液タンク142は、単なる冷媒通路となる。水−冷媒熱交換器14の他方の冷媒出入口143aから流出した冷媒は、四方弁12および合流部16dを介して、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
また、単独冷却モードの熱媒体回路20では、第1水ポンプ21aから圧送された熱媒体が水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bの熱媒体入口143cへ流入する。熱媒体通路14bへ流入した熱媒体は、冷媒通路14aを流通する冷媒と熱交換して冷却される。熱媒体通路14bの熱媒体出口143dから流出した熱媒体の流れは、第3熱媒体三方弁22cにて分岐される。
第3熱媒体三方弁22cにて分岐された一方の熱媒体の流れは、バッテリ50の冷却水通路50aへ流入する。冷却水通路50aへ流入した熱媒体は、バッテリ50の廃熱を吸熱する。これにより、バッテリ50が冷却される。冷却水通路50aから流出した熱媒体は、第4熱媒体逆止弁27dを介して、第1水ポンプ21aへ吸入されて再び圧送される。
第3熱媒体三方弁22cにて分岐された一方の熱媒体の流れは、加熱装置23、ヒータコア24および第1熱媒体三方弁22aを介して、発熱機器51の冷却水通路51aへ流入する。冷却水通路51aへ流入した熱媒体は、発熱機器51の廃熱を吸熱する。これにより、発熱機器51が冷却される。冷却水通路51aから流出した熱媒体は、第3熱媒体逆止弁27cを介して、第1水ポンプ21aへ吸入されて再び圧送される。
ここで、単独冷却モードでは、制御装置40が加熱装置23に電力を供給していない。従って、加熱装置23は単なる熱媒体通路となる。また、単独冷却モードでは、エアミックスドア34がヒータコア24側の通風路を全閉としている。このため、単独冷却モード時のヒータコア24では、熱媒体と送風空気との熱交換は行われない。従って、ヒータコア24は単なる熱媒体通路となる。
これにより、単独冷却モードでは、車室内の空調を行うことなく、バッテリ50および発熱機器51の双方を冷却することができる。
(e)冷房冷却モード
冷房冷却モードでは、制御装置40が、冷房モードと同様に、四方弁12を作動させる。さらに、制御装置40は、第1膨張弁17aを絞り状態とし、第2膨張弁17bを絞り状態とする。
また、制御装置40は、単独冷却モードと同様に、第1水ポンプ21a、第3熱媒体三方弁22c、第1熱媒体三方弁22a、および熱媒体開閉弁26を作動させる。
このため、冷房冷却モードの冷媒回路10では、図1の白抜き矢印および網掛けハッチング付き矢印の双方で示すように、圧縮機11の吐出口→四方弁12→室外熱交換器13→第1逆止弁18a→第2膨張弁17b→室内蒸発器15→蒸発圧力調整弁19→圧縮機11の吸入口の順に冷媒を循環させるとともに、圧縮機11の吐出口→四方弁12→室外熱交換器13→第1膨張弁17a→水−冷媒熱交換器14→四方弁12→圧縮機11の吸入口の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
つまり、冷房冷却モードの冷媒回路10では、室外熱交換器13から流出した冷媒の流れに対して、室内蒸発器15および水−冷媒熱交換器14が並列的に接続された冷凍サイクルが構成される。
また、冷房冷却モードの熱媒体回路20では、単独冷却モードと同様に熱媒体を循環させる回路が構成される。
この回路構成で、制御装置40は、その他の制御対象機器の作動を適宜制御する。例えば、圧縮機11については、冷房モードと同様に、蒸発器温度Tefinが、目標蒸発器温度TEOに近づくように回転数を制御する。
また、第1膨張弁17aについては、予め定めた冷房冷却モード用の絞り開度となるように絞り開度を制御する。また、第2膨張弁17bについては、冷房モードと同様に、圧縮機11へ吸入される吸入冷媒の過熱度SHが、基準過熱度KSHに近づくように制御する。また、室内送風機32については、冷房モードと同様に回転数を決定する。
また、エアミックスドア34については、冷房モードおよび冷却モードと同様に、冷風バイパス通路35を全開とし、ヒータコア24側の通風路を全閉とするように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータの作動を制御する。
従って、単独冷却モードの冷媒回路10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、冷房モードと同様に、室外熱交換器13の他方の冷媒出入口137aへ流入する。室外熱交換器13へ流入した冷媒は、冷房モードと同様に、図3の太実線矢印に示すように、第1パス13a→第2パス13b→モジュレータ134→第3パス13cの順に通過する。
室外熱交換器13へ流入した冷媒は、第1パス13aおよび第2パス13bを流通する際に外気と熱交換して凝縮する。モジュレータ134では、サイクルの余剰冷媒が液相冷媒として貯えられる。モジュレータ134から流出した冷媒は、第3パス13cを流通する際に外気と熱交換して過冷却される。
室外熱交換器13から流出した冷媒の流れは、第1三方継手16aにて分岐される。第1三方継手16aにて分岐された一方の冷媒は、第1逆止弁18aおよび第3三方継手16cを介して第2膨張弁17bへ流入して減圧される。この際、第2膨張弁17bの開度は、吸入冷媒の過熱度SHが、基準過熱度KSHに近づくように調整される。室内蒸発器15から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁19を介して合流部16dへ流入する。
第1三方継手16aにて分岐された他方の冷媒は、第1膨張弁17aへ流入して減圧される。第1膨張弁17aにて減圧された低圧冷媒は、単独冷房モードと同様に、水−冷媒熱交換器14の一方の冷媒出入口143bへ流入する。水−冷媒熱交換器14へ流入した低圧冷媒は、冷媒通路14aを流通する際に、熱媒体通路14bを流通する熱媒体と熱交換して蒸発する。これにより、熱媒体通路14bを流通する熱媒体が冷却される。
冷房冷却モード時の水−冷媒熱交換器14では、単独冷却モードと同様に、図5の太実線矢印で示すように、冷媒通路14aを流通する冷媒の流れと熱媒体通路14bを流通する熱媒体の流れが並行流となる。また、水−冷媒熱交換器14の貯液タンク142に液相冷媒が貯えられることはなく、貯液タンク142は、単なる冷媒通路となる。
水−冷媒熱交換器14の他方の冷媒出入口143aから流出した冷媒は、四方弁12を介して合流部16dへ流入する。合流部16dでは、蒸発圧力調整弁19から流出した冷媒と室外熱交換器13の他方の冷媒出入口137aから流出した冷媒が合流する。合流部16dにて合流した冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
また、冷房冷却モードの熱媒体回路20では、単独冷却モードと同様に、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bを通過する際に冷却された熱媒体が、バッテリ50の冷却水通路50aおよび発熱機器51の冷却水通路51aへ流入する。これにより、バッテリ50および発熱機器51が冷却される。
また、冷房冷却モードの室内空調ユニット30では、室内蒸発器15にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出す。これにより、冷房冷却モードでは、車室内の冷房を行うと同時に、バッテリ50および発熱機器51の双方を冷却することができる。
以上の如く、本実施形態の冷凍サイクル装置1によれば、冷媒回路10の回路構成および熱媒体回路20の回路構成を切り替えることによって、車室内の空調および車載機器の温度調整を行うことができる。
本実施形態の冷凍サイクル装置1では、送風空気を冷却する際には、室内蒸発器15にて冷媒と送風空気を熱交換させて、送風空気を冷却する。また、送風空気を加熱する際には、ヒータコア24にて熱媒体と送風空気とを熱交換させて送風空気を加熱する。
これによれば、室内蒸発器15として、送風空気を冷却するために適切な仕様のものを採用することができる。さらに、ヒータコア24として、送風空気を加熱するために適切な仕様のものを採用することができる。その結果、運転モードを切り替えた際に冷凍サイクル装置1の作動効率が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1の冷媒回路10では、互いに接続された第1三方継手16a、第2三方継手16b、および第3三方継手16cを備えている。これにより、簡素な構成でありながら、室外熱交換器13、水−冷媒熱交換器14、および室内蒸発器15の冷媒通路同士の接続状態を容易に切り替えることができる。
このことをより詳細に説明すると、本実施形態の冷媒回路10では、第1三方継手16a、第2三方継手16b、および第3三方継手16cが、互いに接続されている。従って、本実施形態の冷媒回路10では、比較的作動制御が容易な開閉弁や膨張弁等の配置の自由度が高い。
つまり、室外熱交換器13の一方の冷媒出入口137bと第1三方継手16aとを接続する第1冷媒通路101、第2三方継手16bと水−冷媒熱交換器14の一方の冷媒出入口143bとを接続する第2冷媒通路102、第3三方継手16cと室内蒸発器15の冷媒入口とを接続する第3冷媒通路103、第1三方継手16aと第2三方継手16bとを接続する第4冷媒通路104、第1三方継手16aと第3三方継手16cとを接続する第5冷媒通路105、第2三方継手16bと第3三方継手16cとを接続する第6冷媒通路106の6つの冷媒通路のいずれかに、開閉弁や膨張弁を配置することができる。
そして、開閉弁や膨張弁の作動を制御することによって、室外熱交換器13、水−冷媒熱交換器14、および室内蒸発器15の冷媒通路同士を、互いに連通させた状態や連通させない状態に容易に切り替えることができる。さらに、互いに連通させた状態で、一方の冷媒圧力と他方の冷媒圧力との圧力差を容易に調整することができる。
すなわち、簡素な構成でありながら、室外熱交換器13、水−冷媒熱交換器14、および室内蒸発器15の接続状態を、自在に、かつ、容易に変更することができる。
その上で、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、具体的に、第3三方継手16cと室内蒸発器15の冷媒入口とを接続する冷媒通路に第2膨張弁17bを配置している。
これによれば、冷房モードで説明したように、室外熱交換器13から流出した冷媒を、第1三方継手16aおよび第3三方継手16cを介して第2膨張弁17bへ流入させて減圧させる。さらに、第2膨張弁17bにて減圧された冷媒を室内蒸発器15へ流入させる回路構成に容易に切り替えることができる。
これに加えて、除湿暖房モードで説明したように、水−冷媒熱交換器14から流出した冷媒の少なくとも一部を、第2三方継手16bと第3三方継手16cを介して第2膨張弁17bへ流入させて減圧させる。さらに、第2膨張弁17bにて減圧された冷媒を室内蒸発器15へ流入させる回路構成に容易に切り替えることができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、具体的に、第1三方継手16aと第2三方継手16bとを接続する冷媒通路に第1膨張弁17aを配置している。
これによれば、暖房モードで説明したように、水−冷媒熱交換器14から流出した冷媒を、第2三方継手16bを介して第1膨張弁17aへ流入させて減圧させる。さらに、第1膨張弁17aにて減圧された冷媒を、第1三方継手16aを介して室外熱交換器13へ流入させる回路構成に容易に切り替えることができる。
これに加えて、冷却モード(すなわち、単独冷却モードおよび冷房冷却モード)で説明したように、室外熱交換器13から流出した冷媒を、第1三方継手16aを介して第1膨張弁17aへ流入させて減圧させる。さらに、第1膨張弁17aにて減圧された冷媒を、水−冷媒熱交換器14へ流入させる回路構成に容易に切り替えることができる。
従って、本実施形態の冷凍サイクル装置1によれば、簡素な構成で、作動効率の低下を招くことなく冷媒回路10の回路構成を容易に切り替えることができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、具体的に、第1三方継手16aと第2三方継手16bとを接続する第4冷媒通路104に第1膨張弁17aを配置している。第1三方継手16aと第3三方継手16cとを接続する第5冷媒通路105に第1開閉弁としての第1逆止弁18aを配置している。第2三方継手16bと第3三方継手16cとを接続する第6冷媒通路106に第2開閉弁としての第2逆止弁18bを配置している。
これによれば、第1膨張弁17aが絞り状態となっている際には、高圧側の冷媒を第3三方継手16c側へ流すことができ、低圧側の冷媒が第3三方継手16c側へ流れてしまうことを抑制する回路構成を容易に実現することができる。さらに、第1開閉弁として第1逆止弁18aを採用し、第2開閉弁として第2逆止弁18bを採用しているので、電気的な制御を必要とすることなく、第1、第2開閉弁を開閉作動させることができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、室外熱交換器13としてモジュレータ134を有するものを採用している。これによれば、冷房モード時、単独冷却モード時、および冷房冷却モード時にサイクルの余剰冷媒を液相冷媒としてモジュレータ134に貯えることができる。従って、冷凍サイクルを適切に作動させることができる。
また、本実施形態の室外熱交換器13では、他方の冷媒出入口137aから一方の冷媒出入口137bへ向かって、すなわち、第1パス13a→第2パス13b→第3パス13cの順で通路断面積が縮小している。
これによれば、冷房モード、単独冷却モード、および冷房冷却モードのように、室外熱交換器13にて冷媒を凝縮させる運転モード時には、冷媒の体積の減少に伴って通路断面積を縮小させることができる。また、暖房モード、および除湿暖房モードのように、室外熱交換器13にて冷媒を蒸発させる運転モード時には、冷媒の体積の増加に伴って通路断面積を拡大させることができる。
従って、いずれの運転モード時にも、室外熱交換器13を流通する冷媒に生じる圧力損失の増大を抑制することができる。
また、本実施形態の室外熱交換器13では、他方の冷媒出入口137aが一方の冷媒出入口137bよりも上方側に配置されている。
これによれば、冷房モード、単独冷却モード、および冷房冷却モードのように、他方の冷媒出入口137aから高圧冷媒を流入させる際には、凝縮させた冷媒を重力の作用によって一方の冷媒出入口137b側へ移動させやすい。また、暖房モード、および除湿暖房モードのように、一方の冷媒出入口137bから低圧冷媒を流入させる際には、冷媒の慣性力によって、複数のチューブ131に低圧冷媒を均等に分配しやすい。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、水−冷媒熱交換器14として貯液タンク142を有するものを採用している。これによれば、暖房モード、および除湿暖房モード時にサイクルの余剰冷媒を貯液タンク142に貯えることができる。従って、冷凍サイクルを適切に作動させることができる。
また、本実施形態の水−冷媒熱交換器14では、暖房モード、および除湿暖房モードのように、水−冷媒熱交換器14にて熱媒体を加熱する運転モードでは、水−冷媒熱交換器14における冷媒の流れおよび熱媒体の流れが対向流となる。また、単独冷却モード、および冷房冷却モードのように、水−冷媒熱交換器14にて熱媒体を冷却する運転モードでは、水−冷媒熱交換器14における冷媒の流れおよび熱媒体の流れが並行流となる。
ここで、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、水−冷媒熱交換器14にて熱媒体を加熱する運転モード時の熱負荷(すなわち、熱媒体の加熱能力に対応)が、水−冷媒熱交換器14にて熱媒体を冷却する運転モード時の熱負荷(すなわち、熱媒体の冷却能力に対応)よりも大きくなる。これは、水−冷媒熱交換器14にて熱媒体を加熱する運転モード時の冷媒回路10を循環する循環冷媒流量が多くなるからである。
従って、本実施形態の水−冷媒熱交換器14では、熱負荷が大きくなる運転モード時に、熱交換効率の高い対向流となり、冷凍サイクル装置1の作動効率を向上させることができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、第1三方継手16aと第2三方継手16bとを接続する第4冷媒通路104、第2三方継手16bと水−冷媒熱交換器14の一方の冷媒出入口143bとを接続する第3冷媒通路103等を、小径の冷媒配管で形成している。従って、これらの配管の取り回しの自由度を向上させることができる。延いては、冷凍サイクル装置1の小型化、冷媒封入量の少量化、および搭載性の向上を図ることができる。
ここで、単独冷却モード等では、第1膨張弁17aにて減圧された冷媒を、第2三方継手16bを介して、水−冷媒熱交換器14の一方の冷媒出入口143bへ流入させている。このため、第1膨張弁17aから水−冷媒熱交換器14の一方の冷媒出入口143bへ至る冷媒配管の通路断面積は、第1三方継手16aから第1膨張弁17aへ至る冷媒配管よりも通路断面積が大きくなっている方が望ましい。
これに対して、本実施形態の冷凍サイクル装置1では、前述の如く、単独冷却モード等では、熱負荷が小さくなり、サイクルを循環する冷媒循環流量も低減する。従って、第1膨張弁17aから水−冷媒熱交換器14の一方の冷媒出入口143bへ至る冷媒通路を小径の冷媒配管で形成しても、冷媒の圧力損失が大きく増加してしまうことはない。
なお、各運転モードにおける熱媒体回路20の回路構成の切り替えは、上述した例に限定されない。
例えば、暖房モードおよび除湿暖房モードでは、少なくとも水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体をヒータコア24へ流入させることができれば、他の回路構成に切り替えてもよい。
その一例としては、暖房モード時あるいは除湿暖房モード時に、制御装置40が、さらに、第2水ポンプ21bを作動させる。制御装置40は、発熱機器51の冷却水通路51aから流出した冷媒をラジエータ25の熱媒体入口側へ流出させるように、第2熱媒体三方弁22bを作動させる。さらに、制御装置40は、熱媒体開閉弁26を開く。
これにより、熱媒体回路20では、図12の太線に示すように、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→第3熱媒体三方弁22c→加熱装置23→ヒータコア24→第1熱媒体三方弁22a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させる主回路が構成される。
さらに、熱媒体回路20では、第2水ポンプ21bの吐出口→発熱機器51の冷却水通路51a→第2熱媒体三方弁22b→ラジエータ25→第2水ポンプ21bの吸入口の順に熱媒体を循環させるとともに、第2水ポンプ21bの吐出口→バッテリ50の冷却水通路50a→熱媒体開閉弁26→ラジエータ25→第2水ポンプ21bの吸入口の順に熱媒体を循環させる副回路が構成される。
つまり、副回路では、第2水ポンプ21bから圧送された熱媒体の流れに対して、発熱機器51の冷却水通路51aおよびバッテリ50の冷却水通路50aが並列的に接続された回路が構成される。
副回路では、熱媒体がバッテリ50の冷却水通路50aを流通する際にバッテリ50から吸熱した熱、および熱媒体が発熱機器51の冷却水通路51aを流通する際に発熱機器51から吸熱した熱を、ラジエータ25にて外気に放熱させることができる。
従って、暖房モード時あるいは除湿暖房モード時に、図12に示すように熱媒体回路20の回路構成を切り替えることで、車室内の暖房あるいは除湿暖房を行うことができる。さらに、外気によってバッテリ50および発熱機器51を冷却する外気冷却モードを実行することができる。
また、図12に示す熱媒体回路20に対して、熱媒体開閉弁26を閉じることによって、第2水ポンプ21bから圧送された熱媒体を発熱機器51の冷却水通路51aとラジエータ25との間で循環させる副回路を構成することができる。これによれば、不必要にバッテリ50を冷却してしまうことなく、発熱機器51を冷却することができる。
別の一例としては、暖房モード時あるいは除湿暖房モード時に、制御装置40が、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体を加熱装置23側へ流出させるように、第3熱媒体三方弁22cを作動させる。さらに、制御装置40は、ヒータコア24から流出した熱媒体を発熱機器51の冷却水通路51aの一方の出入口側へ流出させるように、第1熱媒体三方弁22aを作動させる。また、制御装置40は、第2水ポンプ21bを作動させる。さらに、制御装置40は、熱媒体開閉弁26を開く。
これにより、熱媒体回路20では、図13の太線に示すように、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→第3熱媒体三方弁22c→加熱装置23→ヒータコア24→第1熱媒体三方弁22a→発熱機器51の冷却水通路51a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させる主回路が構成される。
さらに、熱媒体回路20では、第2水ポンプ21bの吐出口→バッテリ50の冷却水通路50a→熱媒体開閉弁26→ラジエータ25→第2水ポンプ21bの吸入口の順に熱媒体を循環させる副回路が構成される。
主回路では、第1水ポンプ21aが、発熱機器51の廃熱によって加熱された熱媒体を吸入して、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bへ圧送する。水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bへ流入した熱媒体は、冷媒通路14aを流通する冷媒と熱交換して、さらに加熱される。このため、ヒータコア24では、冷媒回路10の高圧冷媒に加えて、発熱機器51の廃熱を熱源として、送風空気を加熱することができる。
また、副回路では、熱媒体がバッテリ50の冷却水通路50aを流通する際にバッテリ50から吸熱した熱を、ラジエータ25にて外気に放熱させることができる。
従って、暖房モード時あるいは除湿暖房モード時に、図13に示すように熱媒体回路20の回路構成を切り替えることで、車室内の暖房あるいは除湿暖房を行うことができる。また、図13に示すように熱媒体回路20の回路構成を切り替えることで、発熱機器51の廃熱を送風空気を加熱するための熱源として利用できる。従って、圧縮機11の冷媒吐出能力を低減させて省エネルギ効果を得ることができる。
さらに、図13に示すように熱媒体回路20の回路構成を切り替えることで、外気によってバッテリ50を冷却する外気冷却モードを実行することができる。この際、バッテリ50を冷却する必要がなければ、図13に示す熱媒体回路20において、第2水ポンプ21bを停止させてもよい。
また、例えば、冷却モードおよび冷房冷却モードでは、少なくとも水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体をバッテリ50の冷却水通路50aおよび熱媒体が発熱機器51の冷却水通路51aのいずれか一方に流入させることができれば、他の回路構成に切り替えてもよい。
その一例としては、冷却モード時あるいは冷房冷却モード時に、制御装置40が、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体をバッテリ50の冷却水通路50a側へ流出させるように、第3熱媒体三方弁22cを作動させる。
また、制御装置40は、第2水ポンプ21bを作動させる。さらに、制御装置40は、ヒータコア24から流出した熱媒体を第2熱媒体三方弁22b側へ流出させるように、第1熱媒体三方弁22aを作動させる。さらに、制御装置40は、第1熱媒体三方弁22aから流出した熱媒体をラジエータ25の熱媒体入口側へ流出させるように、第2熱媒体三方弁22bを作動させる。
これにより、熱媒体回路20では、図14の太線に示すように、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→第3熱媒体三方弁22c→バッテリ50の冷却水通路50a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させる主回路が構成される。
さらに、熱媒体回路20では、第2水ポンプ21bの吐出口→加熱装置23→ヒータコア24→第1熱媒体三方弁22a→第2熱媒体三方弁22b→ラジエータ25→第2水ポンプ21bの吸入口の順に熱媒体を循環させるとともに、第2水ポンプ21bの吐出口→発熱機器51の冷却水通路51a→第2熱媒体三方弁22b→ラジエータ25→第2水ポンプ21bの吸入口の順に熱媒体を循環させる副回路が構成される。
つまり、副回路では、第2水ポンプ21bから圧送された熱媒体の流れに対して、加熱装置23および発熱機器51の冷却水通路51aが並列的に接続された回路が構成される。副回路では、熱媒体が発熱機器51の冷却水通路51aを流通する際に発熱機器51から吸熱した熱を、ラジエータ25にて外気に放熱させることができる。
従って、冷却モード時あるいは冷房冷却モード時に、図14に示すように熱媒体回路20の回路構成を切り替えることで、外気によって発熱機器51を冷却する外気冷却モードを実行することができる。この運転モードでは、バッテリ50および発熱機器51を異なる温度帯で冷却することができる。
別の一例としては、冷却モード時あるいは冷房冷却モード時に、制御装置40が、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体をバッテリ50の冷却水通路50a側へ流出させるように、第3熱媒体三方弁22cを作動させる。
また、制御装置40は、第2水ポンプ21bを作動させる。さらに、制御装置40は、ヒータコア24の出口側と第1水ポンプ21aの吸入口側とを接続するように、第1熱媒体三方弁22aを作動させる。さらに、制御装置40は、発熱機器51の冷却水通路51aから流出した熱媒体をラジエータ25の熱媒体入口側へ流出させるように、第2熱媒体三方弁22bを作動させる。
これにより、熱媒体回路20では、図15の太線に示すように、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→第3熱媒体三方弁22c→バッテリ50の冷却水通路50a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させる主回路が構成される。
さらに、熱媒体回路20では、第2水ポンプ21bの吐出口→発熱機器51の冷却水通路51a→第2熱媒体三方弁22b→ラジエータ25→第2水ポンプ21bの吸入口の順に熱媒体を循環させる副回路が構成される。副回路では、熱媒体が発熱機器51の冷却水通路51aを流通する際に発熱機器51から吸熱した熱を、ラジエータ25にて外気に放熱させることができる。
従って、冷却モード時あるいは冷房冷却モード時に、図15に示すように熱媒体回路20の回路構成を切り替えることで、外気によって発熱機器51を冷却する外気冷却モードを実行することができる。さらに、この運転モードでは、バッテリ50および発熱機器51を異なる温度帯で冷却することができる。
また、冷却モードあるいは冷房冷却モードでは、図11で説明した熱媒体回路20の回路構成を変更してもよい。具体的には、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体を、バッテリ50の冷却水通路50aおよび発熱機器51の冷却水通路51aのいずれか一方側へ流出させるように、第3熱媒体三方弁22cの作動を制御してもよい。これにより、水−冷媒熱交換器14にて冷却された熱媒体を冷熱源として、バッテリ50および発熱機器51のいずれか一方を冷却するようにしてもよい。
(第2実施形態)
本実施形態では、熱媒体回路20aを採用した例を説明する。熱媒体回路20aは、第1実施形態で説明した熱媒体回路20に対して、図16に示すように、バッテリ50の冷却水通路50aが接続されていない。従って、本実施形態の冷凍サイクル装置1における冷却対象物は、発熱機器51である。
さらに、熱媒体回路20aでは、バッテリ50の冷却水通路50aの廃止に伴って、第1実施形態で説明した、第3熱媒体三方弁22c、熱媒体通路26aおよび熱媒体開閉弁26、第3熱媒体逆止弁27c、第4熱媒体逆止弁27d、第5熱媒体逆止弁27e等も廃止されている。その他の冷凍サイクル装置1の構成は、第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態の冷凍サイクル装置1の作動について説明する。本実施形態の冷凍サイクル装置1においても第1実施形態と同様に各種運転モードを切り替える。さらに、冷媒回路10の作動は、基本的に第1実施形態と同様である。そこで、以下の説明では、主に熱媒体回路20aの作動について説明する。
(a)冷房モード
冷房モードでは、制御装置40は、第1実施形態と同様に、冷媒回路10の各種制御対象機器の作動を制御する。従って、冷房モードでは、第1実施形態と同様に、車室内の冷房を行うことができる。また、冷房モードでは、水−冷媒熱交換器14の冷媒通路14aへ冷媒を流入させない。このため、熱媒体が、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bにて冷却あるいは加熱されることはない。
(b)暖房モード
暖房モードでは、制御装置40が、第1実施形態と同様に、冷媒回路10の各種制御対象機器の作動を制御する。また、制御装置40は、暖房モード用の基準圧送能力を発揮するように第1水ポンプ21aを作動させる。さらに、制御装置40は、ヒータコア24から流出した熱媒体を第1水ポンプ21aの吸入口側へ流出させるように、第1熱媒体三方弁22aを作動させる。
このため、暖房モードの熱媒体回路20aでは、図17の太線で示すように、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→加熱装置23→ヒータコア24→第1熱媒体三方弁22a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させる回路が構成される。
従って、暖房モードでは、実質的に第1実施形態と同様に作動して、車室内の暖房を行うことができる。
(c)除湿暖房モード
除湿暖房モードでは、制御装置40が、第1実施形態と同様に、冷媒回路10の各種制御対象機器の作動を制御する。また、制御装置40は、暖房モードと同様に、第1水ポンプ21aおよび第1熱媒体三方弁22aを作動させる。このため、除湿暖房モードの熱媒体回路20aでは、暖房モードと同様に熱媒体を循環させる回路が構成される。
従って、除湿暖房モードでは、実質的に第1実施形態と同様に作動して、車室内の除湿暖房を行うことができる。
(d)単独冷却モード
単独冷却モードでは、制御装置40が、第1実施形態と同様に、冷媒回路10の各種制御対象機器の作動を制御する。
また、制御装置40は、単独冷却モード用の基準圧送能力を発揮するように第1水ポンプ21aを作動させる。さらに、制御装置40は、ヒータコア24から流出した熱媒体を発熱機器51の冷却水通路51aの一方の出入口側へ流出させるように、第1熱媒体三方弁22aを作動させる。制御装置40は、第1熱媒体三方弁22aから流出した熱媒体が、第2熱媒体三方弁22b側へ流出しないように、第2熱媒体三方弁22bを作動させる。
このため、暖房モードの熱媒体回路20aでは、図18の太線で示すように、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→加熱装置23→ヒータコア24→第1熱媒体三方弁22a→発熱機器51の冷却水通路51a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させる回路が構成される。
従って、単独冷却モードでは、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bにて冷却された熱媒体を、発熱機器51の冷却水通路51aへ流入させることができる。これにより、本実施形態の単独冷却モードでは、車室内の空調を行うことなく、発熱機器51を冷却することができる。
(e)冷房冷却モード
冷房冷却モードでは、制御装置40が、第1実施形態と同様に、冷媒回路10の各種制御対象機器の作動を制御する。また、制御装置40は、単独冷却モードと同様に、第1水ポンプ21a、第1熱媒体三方弁22aおよび第2熱媒体三方弁22bを作動させる。このため、冷房冷却モードの熱媒体回路20aでは、単独冷却モードと同様に熱媒体を循環させる回路が構成される。
従って、冷房冷却モードでは、冷房モードと同様に車室内の冷房を行うと同時に、単独冷却モードと同様に発熱機器51を冷却することができる。
以上の如く、本実施形態の冷凍サイクル装置1によれば、冷媒回路10の回路構成および熱媒体回路20aの回路構成を切り替えることによって、車室内の空調および車載機器の温度調整を行うことができる。
さらに、本実施形態の冷媒回路10は、第1実施形態と同様に作動するので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態の冷凍サイクル装置1によれば、簡素な構成で、作動効率の低下を招くことなく冷媒回路10の回路構成を容易に切り替えることができる。
なお、本実施形態においても、各運転モードにおける熱媒体回路20aの回路構成の切り替えは、上述した例に限定されない。
例えば、暖房モードおよび除湿暖房モードでは、少なくとも水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体をヒータコア24へ流入させることができれば、他の回路構成に切り替えてもよい。
具体的には、暖房モード時あるいは除湿暖房モード時に、制御装置40が、さらに、第2水ポンプ21bを作動させる。さらに、制御装置40は、発熱機器51の冷却水通路51aから流出した冷媒をラジエータ25の熱媒体入口側へ流出させるように、第2熱媒体三方弁22bを作動させる。
これにより、熱媒体回路20aでは、図19の太線に示すように、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→加熱装置23→ヒータコア24→第1熱媒体三方弁22a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させる主回路が構成される。
さらに、熱媒体回路20aでは、第2水ポンプ21bの吐出口→発熱機器51の冷却水通路51a→第2熱媒体三方弁22b→ラジエータ25→第2水ポンプ21bの吸入口の順に熱媒体を循環させる副回路が構成される。副回路では、熱媒体が発熱機器51の冷却水通路51aを流通する際に発熱機器51から吸熱した熱を、ラジエータ25にて外気に放熱させることができる。
従って、暖房モード時あるいは除湿暖房モード時に、図19に示すように熱媒体回路20aの回路構成を切り替えることで、車室内の暖房あるいは除湿暖房を行うことができるとともに、外気によって発熱機器51を冷却する外気冷却モードを実行することができる。
また、上述の説明では、熱媒体回路20aの第2熱媒体三方弁22bと第2水ポンプ21bの吸入口とを接続する熱媒体通路、および第1熱媒体逆止弁27aが配置された熱媒体通路に熱媒体を流していない。従って、これらの熱媒体通路を廃止してもよい。
その一方で、これらの熱媒体通路を廃止しない場合には、第1実施形態で説明した熱媒体回路20から、バッテリ50の冷却水通路50a等を廃止することで、熱媒体回路20aを容易に形成することができる。つまり、第1実施形態で説明した熱媒体回路20との構成機器の共通化を行って、熱媒体回路20aの生産性を向上させることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、冷媒回路10の構成を変更した例を説明する。本実施形態の冷媒回路10では、図20の全体構成図に示すように、第1逆止弁18aおよび第2逆止弁18bを廃止している。そして、第3三方継手16cに代えて、弁付き三方継手161を採用している。
弁付き三方継手161の詳細構成については、図21の模式的な断面図を用いて説明する。弁付き三方継手161は、両端部が円錐状に絞られた円筒状のボデー部161aを有している。ボデー部161aの内部空間には、弁体が収容されている。本実施形態では、弁体として、球状に形成されたボール弁161bが採用されている。
ボール弁161bの外径は、ボデー161aの内周径よりも小さい。このため、ボール弁161bは、内部空間161cの軸方向に変位可能に収容されている。
内部空間161cの軸方向一端側には、第1合流分岐部側(すなわち、第5冷媒通路105)に接続される第1流入出口161dが形成されている。第1流入出口161dの最大径は、ボール弁161bの外径よりも小さい。このため、ボール弁161bが一端側へ変位して、ボデー部161aの円錐状内壁面に当接すると、第1流入出口161dはボール弁161bによって閉塞される。
また、ボデー部161aの軸方向他端側には、第2合流分岐部側(すなわち、第6冷媒通路106)に接続される第2流入出口161eが形成されている。第2流入出口161eの最大径は、ボール弁161bの外径よりも小さい。このため、ボール弁161bが他端側へ変位して、ボデー部161aの円錐状内壁面に当接すると、第2流入出口161eはボール弁161bによって閉塞される。
ボデー部161aの筒状壁面の中央部には、第2膨張弁17b側(すなわち、第3冷媒通路103)に接続される第3流入出口161fが形成されている。
このため、弁付き三方継手161では、冷房モードおよび冷却冷房モードのように、第1流入出口161d側の冷媒圧力が第2流入出口161e側の冷媒圧力よりも高くなると、図21の実線で示すように、ボール弁161bが第2流入出口161e側へ変位する。そして、ボール弁161bが第2流入出口161eを閉塞する。
これにより、第5冷媒通路105を開くことができるとともに、第6冷媒通路106を閉塞することができる。そして、第1流入出口161d側から内部空間へ流入させた高圧冷媒を、第3流入出口161fから流出させることができる。
また、弁付き三方継手161では、暖房モードおよび除湿暖房モードのように、第2流入出口161e側の冷媒圧力が第1流入出口161d側の冷媒圧力よりも高くなると、図21の破線で示すように、ボール弁161bが第1流入出口161d側へ変位する。そして、ボール弁161bが第1流入出口161dを閉塞する。
これにより、第6冷媒通路106を開くとともに、第5冷媒通路105を閉塞することができる。そして、第2流入出口161e側から内部空間へ流入させた高圧冷媒を、第3流入出口161fから流出させることができる。
つまり、本実施形態の弁付き三方継手161は、第3合流分岐部であるボデー部161aと冷媒回路切替部であるボール弁161bとを一体化させたものである。
ボール弁161bは、ボデー部161aに形成された第1流入出口161dおよび第2流入出口161eのうち、いずれか一方を開くと同時に他方を閉塞可能に配置されている。換言すると、ボール弁161bは、第1流入出口161dおよび第2流入出口161eのうち、いずれか一方を選択的に閉塞可能に配置されている。
なお、本実施形態では、弁体として球状に形成されたボール弁161bを採用した例を説明したが、第1流入出口161dおよび第2流入出口161eのうち、いずれか一方を選択的に閉塞可能であれば、弁体の形状は限定されない。例えば、円柱形状の弁体、2つの円錐形状を組み合わせた形状の弁体、あるいは、長球状(いわゆる、ラグビーボール状)の弁体を採用してもよい。
その他の冷凍サイクル装置1の構成および作動は、第1実施形態と同様である。すなわち、本実施形態の冷凍サイクル装置1によれば、簡素な構成で、作動効率の低下を招くことなく冷媒回路10の回路構成を容易に切り替えることができる。
また、本実施形態では、第3合流分岐部および冷媒回路切替部として、弁付き三方継手161を採用している。これによれば、第1膨張弁17aが絞り状態となっている際には、高圧側の冷媒を弁付き三方継手161へ流入させることができ、低圧側の冷媒が弁付き三方継手161へ流入させない回路構成を容易に実現することができる。
さらに、弁体として、高圧側の冷媒の圧力と低圧側の冷媒の圧力差によって変位するボール弁161bを採用しているので、電気的な制御を必要とすることなく、冷媒回路10の回路構成を容易に切り替えることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、本発明に係る冷凍サイクル装置1を、車載機器冷却機能付きの車両用空調装置に適用した例を説明したが、冷凍サイクル装置1の適用はこれに限定されない。車両用に限定されることなく、定置型の空調装置等に適用してもよい。例えば、サーバ(コンピュータ)の温度を適切に調整しつつ、サーバが収容される室内の空調を行うサーバ冷却機能付きの空調装置等に適用してもよい。
(2)冷媒回路10の各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、上述の実施形態では、モジュレータ134を有する室外熱交換器13を採用した例を説明したが、室外熱交換器13からモジュレータ134を廃止してもよい。同様に、上述の実施形態では、貯液タンク142を有する水−冷媒熱交換器14を採用した例を説明したが、水−冷媒熱交換器14から貯液タンク142を廃止してもよい。
モジュレータ134および貯液タンク142のいずれか一方を廃止する場合は、冷媒回路10を循環する循環冷媒流量が多くなる運転モード時に低圧冷媒を蒸発させる熱交換器となる側の貯液部を廃止することが望ましい。例えば、冷房モード時に循環冷媒流量が多くなる冷凍サイクル装置では、貯液タンク142を廃止すればよい。暖房モード時に循環冷媒流量が多くなる冷凍サイクル装置では、モジュレータ134を廃止すればよい。
また、上述の実施形態では、蒸発圧力調整弁19を採用した例を説明したが、蒸発圧力調整弁19は必須の構成ではない。例えば、冷房冷却モード時に、水−冷媒熱交換器14における冷媒蒸発温度が0℃以下にならない冷凍サイクル装置では、蒸発圧力調整弁19を廃止してもよい。
また、上述の実施形態では、冷媒回路切替部として四方弁12を採用した例を説明したが、四方弁12と同様に冷媒回路10の回路構成を切り替えることができれば、冷媒回路切替部はこれに限定されない。
例えば、図22に示すように、第1冷媒三方弁12aおよび第2冷媒三方弁12bの2つの冷媒三方弁を組み合わせて冷媒回路切替部を形成してもよい。各冷媒三方弁としては、熱媒体回路20で採用した第1熱媒体三方弁22a等と同様の構成の冷媒用の三方式の流量調整弁を採用することができる。
例えば、図23に示すように、第1冷媒開閉弁121〜第4冷媒開閉弁124の4つの冷媒開閉弁を組み合わせて冷媒回路切替部を形成してもよい。各冷媒開閉弁としては、熱媒体回路20で採用した熱媒体開閉弁26と同様の構成の冷媒用の開閉弁を採用することができる。
また、上述の実施形態では、第1〜第3合流分岐部16a〜16cとして、三方継手を採用した例を説明したが、第1〜第3合流分岐部16a〜16cとして、第1熱媒体三方弁22a等と同様の構成の冷媒用の三方式の流量調整弁を採用することができる。
また、上述の実施形態では、各運転モードにおいて、圧縮機11へ吸入される吸入冷媒の過熱度SHが予め定めた基準過熱度KSHに近づくように、第1膨張弁17aあるいは第2膨張弁17bの作動を制御した例を説明したが、これに限定されない。冷媒回路10を循環する循環冷媒流量をより精度良く調整するために、以下のように変更してもよい。
例えば、室内蒸発器15の出口側冷媒の温度を検出する蒸発器出口側温度検出部および圧力を検出する蒸発器出口側圧力検出部を追加する。そして、冷房モード時に、これらの検出部の検出値に基づいて算定した室内蒸発器15の出口側冷媒の過熱度が基準過熱度KSHに近づくように、第2膨張弁17bの作動を制御してもよい。
例えば、水−冷媒熱交換器14の他方の冷媒出入口143aから流出した冷媒の温度を検出する熱交換器出口側温度検出部および圧力を検出する熱交換器出口側圧力検出部を追加する。そして、単独冷却モード時に、これらの検出部の検出値に基づいて算定した冷媒出入口143aから流出した冷媒の過熱度が基準過熱度KSHに近づくように、第1膨張弁17bの作動を制御してもよい。
例えば、室外熱交換器13の他方の冷媒出入口137aから流出した冷媒の温度を検出する室外器出口側温度検出部および圧力を検出する室外器出口側圧力検出部を追加する。そして、暖房モード時に、これらの検出部の検出値に基づいて算定した冷媒出入口137aから流出した冷媒の過熱度が基準過熱度KSHに近づくように、第1膨張弁17bの作動を制御してもよい。
また、上述の実施形態では、冷媒としてR1234yfを採用した例を説明したが、冷媒はこれに限定されない。例えば、R134a、R600a、R410A、R404A、R32、R407C、等を採用してもよい。または、これらの冷媒のうち複数種を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
(3)熱媒体回路20、20aは、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
少なくとも暖房モード時あるいは除湿暖房モード時に、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bとヒータコア24との間で熱媒体を循環させる回路構成に切り替え可能な熱媒体回路であればよい。さらに、少なくとも単独冷却モード時あるいは冷房冷却モード時に、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bと車載機器50、51の冷却水通路50a、51aとの間で熱媒体を循環させる回路構成に切り替え可能な熱媒体回路であればよい。
また、熱媒体回路20、20aにおけるバッテリ50および発熱機器51の配置は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。例えば、熱媒体回路20では、バッテリ50と発熱機器51の配置を逆にしてもよい。さらに、第2実施形態では、発熱機器51に代えてバッテリ50を配置してもよい。
また、発熱機器51は単数に限られない。発熱機器51は複数であってもよい。この際、各発熱機器51の冷却水通路51aは、互いに直接的に直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよい。もちろん、一部の発熱機器51の冷却水通路51aが、バッテリ50の冷却水通路50aに直接的に直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよい。
また、上述の実施形態では、冷媒回路10にて冷凍サイクルが構成される際に、熱媒体回路20に配置された各構成機器を作動させる例を説明したが、熱媒体回路20に配置された各構成機器の作動はこれに限定されない。
例えば、第1実施形態で説明した熱媒体回路20では、発熱機器51を暖機するための暖機モードを実行することができる。
熱媒体回路20の暖機モードでは、制御装置40が、冷媒回路10の圧縮機11を停止させる。また、制御装置40は、予め定めた暖機モード用の基準圧送能力を発揮するように第1水ポンプ21aを作動させる。さらに、制御装置40は、水−冷媒熱交換器14の熱媒体通路14bから流出した熱媒体を加熱装置23側の双方へ流出させるように、第3熱媒体三方弁22cを作動させる。さらに、制御装置40は、第1熱媒体三方弁22aから流出した熱媒体が、第2熱媒体三方弁22b側へ流出しないように、第2熱媒体三方弁22bを作動させる。また、制御装置40は、加熱装置23に通電する。
このため、暖機モードの熱媒体回路20では、図24の太線で示すように、第1水ポンプ21aの吐出口→水−冷媒熱交換器14→第3熱媒体三方弁22c→加熱装置23→ヒータコア24→第1熱媒体三方弁22a→発熱機器51の冷却水通路51a→第1水ポンプ21aの吸入口の順に熱媒体を循環させる回路が構成される。
これにより、暖機モードの熱媒体回路20では、加熱装置23にて加熱された熱媒体を発熱機器51の冷却水通路51aへ流入させて、発熱機器51を暖機することができる。
さらに、発熱機器51の暖機が完了し、熱媒体の温度が車室内の暖房を行うために充分な温度に上昇している場合等には、暖気モードと同様の回路構成で、廃熱暖房モードの運転を行ってもよい。廃熱暖房モードでは、制御装置40が、加熱装置23への電力供給を停止する。その他の作動は、暖機モードと同様である。
これにより、廃熱暖房モードの熱媒体回路20では、発熱機器51の冷却水通路51aを流通する際に加熱された熱媒体の有する熱を、ヒータコア24にて送風空気へ放熱させて、車室内の暖房を行うことができる。すなわち、圧縮機11を停止させてヒータコア24にて送風空気を加熱する廃熱暖房モードの運転を実行することができる。
廃熱暖房モードは、圧縮機11を停止させることができるので、冷凍サイクル装置1全体として高い省エネルギ効果を得ることができる。
同様に、第2実施形態で説明した熱媒体回路20aにおいても、発熱機器51を暖機するための暖機モード、および圧縮機11を停止させて車室内の暖房を実現する廃熱暖房モードを行うことができる。
熱媒体回路20aの暖機モードでは、制御装置40が、冷媒回路10の圧縮機11を停止させる。また、制御装置40は、単独冷却モードあるいは冷房冷却モードと同様に、熱媒体回路20aの回路構成を切り替える。また、制御装置40は、加熱装置23に通電する。これにより、暖機モードの熱媒体回路20aでは、加熱装置23にて加熱された熱媒体を発熱機器51の冷却水通路51aへ流入させて、発熱機器51を暖機することができる。
さらに、発熱機器51の暖機が完了し、熱媒体の温度が車室内の暖房を行うために充分な温度に上昇している場合等には、制御装置40が、加熱装置23への電力供給を停止する。その他の作動は、暖機モードと同様である。これにより、廃熱暖房モードの熱媒体回路20aでは、発熱機器51の冷却水通路51aを流通する際に加熱された熱媒体の有する熱を、ヒータコア24にて送風空気へ放熱させて、車室内の暖房を行うことができる。
また、上述の実施形態では、熱媒体としてエチレングリコール水溶液を採用した例を説明したが、熱媒体はこれに限定されない。例えば、ジメチルポリシロキサン、あるいはナノ流体等を含む溶液、不凍液、アルコール等を含む水系の液媒体、オイル等を含む液媒体等を採用することができる。
10 冷媒回路
13 室外熱交換器
14 水−冷媒熱交換器
15 室内蒸発器
16a〜16c 第1三方継手(第1合流分岐部)〜第3三方継手(第3合流分岐部)
161 弁付き三方継手
17a、17b 第1膨張弁、第2膨張弁
18a、18b 第1逆止弁(第1開閉部)、第2逆止弁(第2開閉部)
101〜106 第1冷媒通路〜第6冷媒通路
20、20a 熱媒体回路
24 ヒータコア
50、51 バッテリ(冷却対象物)、発熱機器(冷却対象物)

Claims (10)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(13)と、
    前記冷媒と熱媒体とを熱交換させる熱媒体−冷媒熱交換器(14)と、
    前記冷媒と空調対象空間へ送風される送風空気とを熱交換させる室内蒸発器(15)と、
    前記冷媒を減圧させる第1膨張弁(17a)と、
    前記室内蒸発器へ流入する前記冷媒を減圧させる第2膨張弁(17b)と、
    前記熱媒体−冷媒熱交換器から流出した前記熱媒体を熱源として前記送風空気を加熱する加熱部(24)と、
    前記冷媒を循環させる冷媒回路(10)の回路構成を切り替える冷媒回路切替部(12、18a、18b、12a、12b、121〜124)と、を備え、
    前記室外熱交換器の一方の冷媒出入口(137b)は、前記冷媒の流れを合流あるいは分岐させる第1合流分岐部(16a)に接続され、
    前記熱媒体−冷媒熱交換器の一方の冷媒出入口(143b)は、前記冷媒の流れを合流あるいは分岐させる第2合流分岐部(16b)に接続され、
    前記室内蒸発器の冷媒入口は、前記冷媒の流れを合流あるいは分岐させる第3合流分岐部(16c)に接続され、
    前記第1合流分岐部、前記第2合流分岐部、および前記第3合流分岐部は、互いに接続されており、
    前記第1膨張弁は、前記第1合流分岐部と前記第2合流分岐部とを接続する冷媒通路(104)に配置されており、
    前記第2膨張弁は、前記第3合流分岐部と前記室内蒸発器の冷媒入口とを接続する冷媒通路(103)に配置されており、
    前記冷媒回路切替部は、
    前記送風空気を冷却する冷房モードでは、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記室外熱交換器へ流入させ、前記室外熱交換器から流出した前記冷媒を前記第2膨張弁にて減圧させ、前記第2膨張弁にて減圧された前記冷媒を前記室内蒸発器へ流入させる回路構成に切り替え、
    前記送風空気を加熱する暖房モードでは、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記熱媒体−冷媒熱交換器へ流入させ、前記熱媒体−冷媒熱交換器から流出した前記冷媒を前記第1膨張弁にて減圧させ、前記第1膨張弁にて減圧された前記冷媒を前記室外熱交換器へ流入させる回路構成に切り替える冷凍サイクル装置。
  2. 前記熱媒体−冷媒熱交換器から流出した前記熱媒体を冷熱源として冷却対象物(50、51)を冷却する冷却部(50a、51a)を備え、
    前記冷媒回路切替部は、前記冷却対象物を冷却する冷却モード時には、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記室外熱交換器へ流入させ、前記室外熱交換器から流出した前記冷媒を前記第1膨張弁にて減圧し、前記第1膨張弁にて減圧された前記冷媒を前記熱媒体−冷媒熱交換器へ流入させる回路構成に切り替える請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記冷媒回路切替部は、前記送風空気を除湿して再加熱する除湿暖房モード時には、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記熱媒体−冷媒熱交換器へ流入させ、前記熱媒体−冷媒熱交換器から流出した前記冷媒の少なくとも一部を前記第2膨張弁にて減圧し、前記第2膨張弁にて減圧された前記冷媒を前記室内蒸発器へ流入させる回路構成に切り替える請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記冷媒回路切替部は、前記第1合流分岐部と前記第3合流分岐部とを接続する冷媒通路(105)を開閉する第1開閉部(18a)、および前記第2合流分岐部と前記第3合流分岐部とを接続する冷媒通路(106)を開閉する第2開閉部(18b)を含んでいる請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記第1開閉部は、前記第1合流分岐部側から前記第3合流分岐部側へ前記冷媒を流すことを許容する第1逆止弁(18a)であり、
    前記第2開閉部は、前記第2合流分岐部側から前記第3合流分岐部側へ前記冷媒を流すことを許容する第2逆止弁(18b)である請求項4に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記冷媒回路切替部は、前記第3合流分岐部(161a)内に変位可能に配置された弁体(161b)を含んでおり、
    前記弁体は、前記第3合流分岐部に形成されて前記第1合流分岐部側に接続される第1流入出口(161c)、および前記第3合流分岐部に形成されて前記第2合流分岐部側に接続される第2流入出口(161d)のうち、いずれか一方を選択的に閉塞可能に配置されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記熱媒体−冷媒熱交換器は、少なくとも前記暖房モード時に、前記熱媒体と熱交換して凝縮した前記冷媒を蓄える熱媒体側貯液部(142)を有している請求項1ないし6のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記熱媒体−冷媒熱交換器は、少なくとも前記暖房モード時には、前記冷媒の流れと前記熱媒体の流れが対向流となり、少なくとも前記冷却モード時には、前記冷媒の流れと前記熱媒体の流れが並行流となる請求項1ないし7のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記室外熱交換器は、少なくとも前記冷房モード時に、前記外気と熱交換して凝縮した前記冷媒を蓄える外気側貯液部(134)を有している請求項1ないし8のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  10. 前記第2合流分岐部と前記熱媒体−冷媒熱交換器の一方の冷媒出入口とを接続する冷媒通路(102)の通路断面積、前記第2合流分岐部と前記第3合流分岐部とを接続する冷媒通路(106)の通路断面積、および前記第3合流分岐部と前記第2膨張弁とを接続する冷媒通路(103)の通路断面積は、いずれも前記圧縮機の吐出口に接続される冷媒通路(107)の通路断面積よりも小さく設定されている請求項1ないし9のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
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