JP2020139096A - 光学材料用重合性組成物、該組成物から得られた光学材料及びその製造方法 - Google Patents

光学材料用重合性組成物、該組成物から得られた光学材料及びその製造方法 Download PDF

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駿一 内藤
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Abstract

【課題】低比重で、透明性、耐熱性、耐溶剤性、耐衝撃性に優れ、且つポットライフが長く光学歪み(脈理)の発生が抑制された光学材料用重合性組成物の提供。【解決手段】(A)2官能及び/または3官能の末端にアミノ基を有するポリエーテルから選択される少なくとも1種のアミン化合物と、(B)2つ以上のイソ(チオ)シアナト基を有するイソ(チオ)シアネート化合物と、(C)2つのメルカプト基を有するジチオール化合物(c1)および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物(c2)から選択される少なくとも一種のポリチオール化合物と、(D)一般式(3)で表されるアミノチオール化合物と、を含む光学材料用重合性組成物。SH−Q−NH2(3)(式中、Qは置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換されていてもよい2価の複素環基を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、光学材料用重合性組成物、該組成物から得られた光学材料及びその製造方法に関する。より詳細には、チオウレタンウレア樹脂成形体が得られる光学材料用重合性組成物及びその製造方法に関する。
プラスチックレンズは、無機レンズに比べ軽量で割れ難く、染色が可能であるため、近年、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学材料として急速に普及してきている。
光学材料として用いられる素材は古来ガラスが主であったが、近年では光学材料用のプラスチックが種々開発され、ガラスの代替として利用が広がっている。眼鏡レンズなどの材料としても、優れた光学特性を有し、軽量で割れず、成形性にも優れることから、アクリル樹脂、脂肪族カーボネート樹脂、ポリカーボネート、ポリチオウレタンなどのプラスチック材料が主として用いられるようになっている。その中でも高屈折率を有する代表的な例として、イソシアネート化合物とチオール化合物を含む重合性組成物から得られるポリチオウレタン樹脂が挙げられる(特許文献1)。
近年、生活スタイルの変化から、サングラスを着用しながら、スポーツなど体を動かすことを楽しむ人が増えてきている。また、安全意識の高まりから、子供用の眼鏡に対して割れ難さを求める声が多くなっている。
このような状況から、より軽量であり、且つ耐衝撃性が良好な基材の要求が大きくなってきている。これら要求の高まりを受け、耐衝撃性良好な基材として、ウレタンウレア樹脂が眼鏡レンズ用途に開発されている(特許文献2〜7)。また、耐衝撃性と高屈折率とを両立させたレンズ材料として、アミン化合物と、イソシアネート化合物とチオール化合物とを含むチオウレタンウレア樹脂(特許文献8〜12)や、耐衝撃性と耐薬品性を備えたレンズ材料として、アミン化合物と、イソシアネート化合物と、ポリオール化合物とを含むポリウレタン樹脂(特許文献13〜14)が提案されている。
さらに、特許文献15には、所定のエピスルフィド化合物と、アミン化合物と、イソシアネート化合物とを含む光学材料用組成物が開示され、当該アミン化合物としてアミノ基とメルカプト基とを有する化合物が例示されている。特許文献16には、所定のアミン化合物と、イソ(チオ)シアネート化合物と、ポリチオール化合物と、を含む、光学材料用重合性組成物が開示されている。これらの特許文献には、当該組成物から得られた光学材料は耐衝撃性に優れると記載されている。
特開昭60−199016号公報 国際公開第1996/023827号 国際公開第2001/036507号 国際公開第2001/036508号 国際公開第2007/097798号 国際公開第2009/088456号 国際公開第2015/088502号 特開2015−003945号公報 国際公開第2016/006605号 国際公開第2016/006606号 特表2009−524725号公報 特表2017−502119号公報 特表2011−508822号公報 特表2016−507626号公報 国際公開第2003/020786号 国際公開第2018/079518号
チオウレタン樹脂から屈折率が高いプラスチックレンズを得ることができる。しかしながら、屈折率が高いほど比重が増す傾向があり、高屈折率な樹脂ほど軽量化への効果は小さくなる場合があった。
一方、ウレタンウレア樹脂は、チオウレタン樹脂よりも低比重のため軽量な材料であり、且つ耐衝撃性が良好なプラスチックレンズを得ることができる。しかしながら、ウレタンウレア樹脂成形体は、耐溶剤性、耐熱性が低くなる場合があり、さらに耐光性が低く、長期間使用すると黄色く着色する場合があった。また組成物を調合してから注型モールドへの注入に至るまでの時間(以下、ポットライフとする)が短いために、注型モールドへの注入中に重合斑が発生したり、また急激に重合が進行する場合があった。その結果、得られるレンズに白濁や脈理が発生する場合があった。
また、特許文献16に記載の重合性組成物から得られる光学材料は、耐衝撃性、耐熱性、さらにポットライフ等に改善の余地があった。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、特定のアミン化合物と、イソシアネート化合物と、2つのメルカプト基を有するジチオール化合物および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物と、さらに低分子量のアミノチオール化合物とを用いることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に示すことができる。
[1](A)一般式(1)で表される化合物(a1)および一般式(2)で表される化合物(a2)から選択される少なくとも1種のアミン化合物と、
Figure 2020139096
(一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を示す。pは0〜100の整数を示し、qは0〜100の整数を示し、rは1〜100の整数を示し、p+rは1〜100の整数を満たす。複数存在するR同士またはR同士は同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2020139096
(一般式(2)中、R、R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を示す。Rは炭素数1〜20の直鎖アルキル基、炭素数3〜20の分岐アルキル基又は炭素数3〜20の環状アルキル基を示す。x+y+zは1〜200の整数を示す。nは0〜10の整数を示す。複数存在するR同士、R同士またはR同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
(B)2つ以上のイソ(チオ)シアナト基を有するイソ(チオ)シアネート化合物と、
(C)2つのメルカプト基を有するジチオール化合物(c1)および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物(c2)から選択される少なくとも一種のポリチオール化合物と、
(D)一般式(3)で表されるアミノチオール化合物と、
SH−Q−NH (3)
(一般式(3)中、Qは置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換されていてもよい2価の複素環基を示す。)
を含む、光学材料用重合性組成物。
[2] 2つ以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物(E)をさらに含む、[1に記載の光学材料用重合性組成物。
[3] ポリチオール化合物(C)はジチオール化合物(c1)および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物(c2)を含み、
ポリチオール化合物(c2)のメルカプト基のモル数c2に対する、ポリチオール化合物(c1)のメルカプト基のモル数c1の比(c1/c2)が0.01〜15の範囲である、[1]または[2]に記載の光学材料用重合性組成物。
[4] イソ(チオ)シアネート化合物(B)のイソ(チオ)シアナト基のモル数bに対する、アミン化合物(A)のアミノ基のモル数aの比(a/b)が0.01〜0.20の範囲である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
[5] イソ(チオ)シアネート化合物(B)のイソ(チオ)シアナト基のモル数bに対する、アミノチオール化合物(D)のアミノ基およびメルカプト基の合計モル数dの比(d/b)は、0.01〜0.40の範囲である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
[6] 一般式(1)で表される化合物(a1)の重量平均分子量(MW)が、200〜4000である[1]〜[5]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
[7] 一般式(2)で表される化合物(a2)の重量平均分子量(MW)が、400〜5000である[1]〜[6]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
[8] 前記ジチオール化合物(c1)が、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンおよびビス(2−メルカプトエチル)スルフィドよりなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記ポリチオール化合物(c2)が、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンよりなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[7]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
[9] 前記イソ(チオ)シアネート化合物(B)が、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、および4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートよりなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[8]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
[10] アミノチオール化合物(D)が、2−アミノベンゼンチオール、3−アミノベンゼンチオール、および4−アミノベンゼンチオールから選択される少なくとも1種である、[1]〜[9]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
[11] 前記ポリオール化合物(E)が、2つのヒドロキシ基を有するジオール化合物(e1)を含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
[12] 前記ジオール化合物(e1)が、直鎖状脂肪族ジオール化合物、分岐状脂肪族ジオール化合物、環状脂肪族ジオール化合物、および芳香族ジオール化合物から選択される少なくとも1つを含む、[11]に記載の光学材料用重合性組成物。
[13] 前記ジオール化合物(e1)が、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ポリプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種である、[11]または[12]に記載の光学材料用重合性組成物。
[14] [1]〜[13]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物を硬化した成形体。
[15] [14]に記載の成形体からなる光学材料。
[16] [14]に記載の成形体からなるプラスチックレンズ。
[17] 偏光フィルムと、
前記偏光フィルムの少なくとも一方の面上に形成された、[14]に記載の成形体からなる基材層と、を備えるプラスチック偏光レンズ。
[18] 一般式(1)で表されるアミン化合物(a1)および一般式(2)で表されるアミン化合物(a2)から選択される少なくとも1種のアミン化合物(A)と、2つ以上のイソ(チオ)シアナト基を有するイソシアネート化合物(B)と、を反応させてプレポリマーAを得る工程(i)と、
前記プレポリマーAに、2つのメルカプト基を有するジチオール化合物(c1)および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物(c2)から選択される少なくとも一種のポリチオール化合物(C)を反応させてプレポリマーBを得る工程(ii)と、
前記プレポリマーBに、一般式(3)で表されるアミノチオール化合物を添加混合する工程(iii)と、
を含む、光学材料用重合性組成物の製造方法。
Figure 2020139096
(一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を示す。pは0〜100の整数を示し、qは0〜100の整数を示し、rは1〜100の整数を示し、p+rは1〜100の整数を満たす。複数存在するR同士またはR同士は同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2020139096
(一般式(2)中、R、R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を示す。Rは炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基を示す。x+y+zは1〜100の整数を示す。nは0〜10の整数を示す。複数存在するR同士、R同士またはR同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
SH−Q−NH (3)
(一般式(3)中、Qは置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換されていてもよい2価の複素環基を示す。)
[19] 前記工程(iii)は、前記工程(ii)で得られた前記プレポリマーに、2つ以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物(E)を添加混合する工程をさらに含む、[18]に記載の光学材料用重合性組成物の製造方法。
[20] [1]〜[13]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物を鋳型内に注入する工程と、
前記鋳型内で前記光学材料用重合性組成物を重合硬化する工程と、
を含む光学材料の製造方法。
[21] レンズ注型用鋳型内に、偏光フィルムの少なくとも一方の面がモールドから離隔した状態で、該偏光フィルムを固定する工程と、
前記偏光フィルムと前記モールドとの間の空隙に、[1]〜[13]のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物を注入する工程と、
前記光学材料用重合性組成物を重合硬化して、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に前記光学材料用重合性組成物の硬化物からなる基材層を積層する工程と、
を含む、プラスチック偏光レンズの製造方法。
本発明の光学材料用重合性組成物によれば、低比重で、透明性、耐熱性、耐溶剤性、および耐衝撃性に優れ、且つ重合性組成物のポットライフが長いため光学歪み(脈理)の発生が抑制されており、これらの特性のバランスに優れた高屈折率なチオウレタンウレア樹脂成形体を得ることができる。このようなチオウレタンウレア樹脂は、高い透明性が要求される各種光学材料、特に眼鏡レンズにおいて好適に使用することができる。
本発明の光学材料用重合性組成物を、以下の実施の形態に基づいて説明する。
本実施形態の光学材料用重合性組成物は、
(A)一般式(1)で表される化合物(a1)および一般式(2)で表される化合物(a2)から選択される少なくとも1種のアミン化合物と、
(B)2つ以上のイソ(チオ)シアナト基を有するイソ(チオ)シアネート化合物と、
(C)2つのメルカプト基を有するジチオール化合物(c1)および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物(c2)から選択される少なくとも一種のポリチオール化合物と、
(D)一般式(3)で表されるアミノチオール化合物と、
を含む。
以下、本実施形態に用いられる各成分について詳細に説明する。
[アミン化合物(A)]
本実施形態の光学材料用重合性組成物に用いられるアミン化合物(A)は、一般式(1)で表される化合物(a1)および一般式(2)で表される化合物(a2)から選択される少なくとも1種からなる。
(化合物(a1))
Figure 2020139096
一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を示す。pは0〜100の整数、好ましくは0〜70の整数、さらに好ましくは0〜35の整数である。qは0〜100の整数、好ましくは0〜70の整数、さらに好ましくは0〜40の整数である。rは1〜100の整数、好ましくは1〜70の整数、さらに好ましくは1〜35の整数である。p+rは1〜100の整数、好ましくは1〜70の整数、さらに好ましくは1〜35の整数を満たす。複数存在するR同士またはR同士は同一でも異なっていてもよい。
一般式(1)で表される化合物(a1)の重量平均分子量(MW)は、100〜4000、好ましくは200〜4000、さらに好ましくは400〜2000、より好ましくは500〜2000とすることができる。上記範囲の重量平均分子量を有する化合物(a1)は、イソ(チオ)シアネートに対する反応性がマイルドであり、その結果均一なプレポリマーが得られるため好ましい。
一般式(1)で表される化合物として、例えば、HK−511、ED−600、ED−900、ED−2003、D−230、D−400、D−2000、D−4000(HUNTSMAN社製 商品名)等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。これらは単独で用いても、2種以上の混合物として用いてもよい。
本実施形態においては、本発明の効果の観点から、化合物(a1)として好ましくは、pおよびqがともに0である、一般式(1a)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2020139096
一般式(1a)中、R、Rおよびrは、それぞれ一般式(1)のR、Rおよびrと同義である。
(化合物(a2))
化合物(a2)は一般式(2)で表される。
Figure 2020139096
一般式(2)中、R、R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を示す。Rは炭素数1〜20の直鎖アルキル基、炭素数3〜20の分岐アルキル基又は炭素数3〜20の環状アルキル基を示す。x+y+zは1〜200の整数を示す。nは0〜10の整数を示す。複数存在するR同士、R同士またはR同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
本実施形態において、一般式(2)で表される化合物としては、x+y+zは通常1〜200の整数、好ましくは1〜100の整数、さらに好ましくは1〜50の整数である。nは通常0〜10の整数、好ましくは0〜5の整数、さらに好ましくは0または1である。一般式(2)で表される化合物の重量平均分子量(MW)は、100〜5000、好ましくは400〜5000、さらに好ましくは400〜3000、より好ましくは500〜2000とすることができる。上記範囲の重量平均分子量を有する化合物(a2)は、イソ(チオ)シアネートに対する反応性がマイルドであり、その結果均一なプレポリマーが得られるため好ましい。
で表される炭素数1〜20の直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などが、炭素数3〜20の分岐状のアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、イソデシル基などが、炭素数3〜20の環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
一般式(2)で表される化合物として、例えば、T−403、T−3000(XTJ−509)、T−5000(HUNTSMAN社製 商品名)等が挙げられるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。これらは単独で用いても、2種以上の混合物として用いてもよい。
[イソ(チオ)シアネート化合物(B)]
本実施形態の光学材料用重合性組成物に用いられるイソ(チオ)シアネート化合物(B)は、2つ以上のイソ(チオ)シアナト基を有するイソ(チオ)シアネート化合物であり、ここで、イソ(チオ)シアネート化合物とは、イソシアネート化合物またはイソチオシアネート化合物を意味する。
イソ(チオ)シアネート化合物(B)としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物、複素環ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソチオシアネート化合物、脂環族ポリイソチオシアネート化合物、芳香族ポリイソチオシアネート化合物、および含硫複素環ポリイソチオシアネート化合物ならびにこれらの変性体を挙げることができる。
イソシアネート化合物としては、より具体的には、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、メシチリレントリイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;
フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物;等を挙げることができる。イソ(チオ)シアネート化合物(B)としては、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できる。
イソチオシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソチオシアネート、リジンジイソチオシアネートメチルエステル、リジントリイソチオシアネート、m−キシリレンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトエチル)ジスルフィド等の脂肪族ポリイソチオシアネート化合物;
イソホロンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソチオシアネート、シクロヘキサンジイソチオシアネート、メチルシクロヘキサンジイソチオシアネート、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソチオシアネート化合物;
トリレンジイソチオシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソチオシアネート、ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソチオシアネート等の芳香族ポリイソチオシアネート化合物;
2,5−ジイソチオシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)チオフェン、2,5−イソチオシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソチオシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソチオシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の含硫複素環ポリイソチオシアネート化合物;等を挙げることができる。イソ(チオ)シアネート化合物(B)としては、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できる。
本実施形態において、イソ(チオ)シアネート化合物(B)として、好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、および4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートから選択される少なくとも一種を用いることができる。
さらに好ましくは、m−キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、および2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタンから選択される少なくとも一種を用いることができる。
[ポリチオール化合物(C)]
本実施形態の光学材料用重合性組成物に用いられるポリチオール化合物(C)は、2つのメルカプト基を有するジチオール化合物(c1)および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物(c2)から選択される少なくとも一種を含む。
(ジチオール化合物(c1))
ジチオール化合物(c1)は、2つのメルカプト基を有するチオール、換言すると、二価(二官能)のチオールである。
ジチオール化合物(c1)としては、例えば、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)エタン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、及びこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル;
ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン等の脂肪族ポリチオール化合物;
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール等の芳香族ポリチオール化合物;
2−メチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、3,4−チオフェンジチオール、ビスムチオール、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等の複素環ポリチオール化合物;等が挙げられる。
ジチオール化合物(c1)として、本発明の効果の観点から、好ましくは、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン、およびビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
特に好ましくは、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、およびビス(2−メルカプトエチル)スルフィドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
(ポリチオール化合物(c2))
ポリチオール化合物(c2)は、3つ以上のメルカプト基を有する、換言すると、3価(3官能)以上の多価(多官能)のチオールである。
ポリチオール化合物(c2)としては、例えば、1,2,3−プロパントリチオール、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、及びこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル、
1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物;
1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン等の芳香族ポリチオール化合物;
2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン等の複素環ポリチオール化合物;等が挙げられる。
本実施形態に用いることのできるポリチオール化合物(c2)として、本発明の効果の観点から、好ましくは、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
特に好ましくは、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンおよび4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
本実施形態において、本発明の効果の観点から、ポリチオール化合物(C)はジチオール化合物(c1)および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物(c2)を何れも含むことが好ましい。この場合、ポリチオール化合物(c2)のメルカプト基のモル数c2に対する、ジチオール化合物(c1)のメルカプト基のモル数c1の比(c1/c2)が、0.01〜15、好ましくは0.1〜13、さらに好ましくは0.2〜10とすることができる。
なお、ジチオール化合物(c1)のメルカプト基のモル数c1、およびポリチオール化合物(c2)のメルカプト基のモル数c2は、用いるチオールが有するメルカプト基数および分子量、ならびにチオールの使用量とから算出することができる。あるいは、これらのモル数c1およびc2は、滴定等の当該分野で公知の方法により求めることができる。
モル比が上記範囲であることにより、低比重で、透明性、耐熱性、耐溶剤性、耐衝撃性および耐光性に優れ、かつ重合性組成物のポットライフが長いため光学歪み(脈理)の発生が抑制されており、これらの特性のバランスに優れた高屈折率なチオウレタンウレア樹脂成形体を得ることができる。
アミノチオール化合物(D)
本実施形態の光学材料用重合性組成物に用いられるアミノチオール化合物(D)は一般式(3)で表される少なくとも1種の化合物を含む。
SH−Q−NH (3)
一般式(3)中、Qは置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換されていてもよい2価の複素環基を示す。
2価の芳香族炭化水素基とは、芳香族炭化水素化合物から、環を構成する炭素原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。
芳香族炭化水素化合物としては、炭素数6〜20の芳香族炭化水素化合物が好ましく、ベンゼン、ナフタレン等が挙げられ、ベンゼンが好ましい。
2価の複素環基とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。
複素環式化合物としては、炭素数5〜8の複素環式化合物が好ましく、ピロール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チオフェン、イソチアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾ−ル、テトラゾール、イミダゾリンなどが挙げられ、ピリジン、チアジアゾールが好ましい。
2価の芳香族炭化水素または2価の複素環の置換基としては、C1〜C6アルキル基、C3〜C6シクロアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。
アミノチオール化合物(D)としては、具体的に、2−アミノベンゼンチオール、3−アミノベンゼンチオール、4-アミノベンゼンチオール、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられ、2−アミノベンゼンチオール、3−アミノベンゼンチオール、4-アミノベンゼンチオールが好ましく、4-アミノベンゼンチオールがより好ましい。アミノチオール化合物(D)としては、これらから選択された少なくとも1種を用いることができる。
[ポリオール化合物(E)]
本実施形態において、光学材料用重合性組成物は、必要に応じて、2つ以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物(E)を含む。ポリオール化合物(E)は、2つ以上のヒドロキシ基を有する、換言すると、二価(二官能)以上の多価アルコールである。
二価以上の多価アルコールであるポリオール化合物としては、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、グリセロール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、高級ポリアルキレングリコール、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(ジオール型)、ポリカプロラクトントリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ〔5,2,1,0,2,6〕デカン−ジメタノール、ビシクロ〔4,3,0〕−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカンジオール、ビシクロ〔4,3,0〕ノナンジメタノール、トリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカン−ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ〔5,3,1,1〕ドデカノール、スピロ〔3,4〕オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1'−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクチトール等の直鎖状、分岐状または環状の脂肪族ポリオール;
シクロヘキサンジエタノールジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ジヒドロキシトルエン、4,4'−オキシビスフェノール、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'−チオビスフェノール、フェノールフタレイン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4'−(1,2−エテンジイル)ビスフェノール、4,4'−スルホニルビスフェノール、4,4'−イソプロピリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4'−イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,4'−イソプロピリデンビス(2,3,5,6−テトラクロロフェノール)、4,4'−イソプロピリデン−ビスシクロヘキサノール、4,4'−オキシビスシクロヘキサノール、4,4'−チオビスシクロヘキサノール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキサノール)メタン等の芳香族ポリオールが挙げられるが、これらに限定されない。
中でも、ポリオール化合物(E)としては、2つのヒドロキシ基を有するジオール化合物(e1)を用いることが、得られる樹脂のhazeがより低く、優れた耐熱性を有する観点から好ましい。
好ましくは、ジオール化合物(e1)としては、直鎖状脂肪族ジオール化合物、分岐状脂肪族ジオール化合物、環状脂肪族ジオール化合物、および芳香族ジオール化合物から選択される少なくとも1つが用いられる。
中でも、ジオール化合物(e1)として、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ならびにプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、およびトリプロピレングリコールなどのポリプロピレングリコールを用いることが、重合性組成物の取扱い性の観点および得られる成形体の耐熱性の観点から好ましい。
(その他の成分)
本実施形態の光学材料用重合性組成物は、適用される用途で所望される特性に応じて、重合触媒、内部離型剤、樹脂改質剤、光安定剤、ブルーイング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、染料、フォトクロミック色素等の添加剤等をさらに含んでいてもよい。
すなわち、本実施形態の重合性組成物には、得られる成形体の光学物性、耐衝撃性、比重等の諸物性の調節及び、重合性組成物の各成分の取扱い性の調整を目的に、改質剤を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
(重合触媒)
触媒としては、ルイス酸、第3級アミン、有機酸、アミン有機酸塩等が挙げられ、ルイス酸、アミン、アミン有機酸塩が好ましく、ジメチル錫クロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ラウレートがより好ましい。
(内部離型剤)
本実施形態の重合組成物は、成形後におけるモールドからの離型性を改善する目的で、内部離型剤を含むことができる。
内部離型剤としては、酸性リン酸エステルを用いることができる。酸性リン酸エステルとしては、リン酸モノエステル、リン酸ジエステルを挙げることができ、それぞれ単独または2種類以上混合して使用することできる。
例えば、STEPAN社製のZelecUN、三井化学社製のMR用内部離型剤、城北化学工業社製のJPシリーズ、東邦化学工業社製のフォスファノールシリーズ、大八化学工業社製のAP、DPシリーズ等、を用いることができる。
(樹脂改質剤)
また、本実施形態の重合性組成物には、得られる樹脂の光学物性、耐衝撃性、比重等の諸物性の調節及び、当該組成物の粘度やポットライフの調整を目的に、樹脂改質剤を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
樹脂改質剤としては、例えば、エピスルフィド化合物、上記ポリオール化合物とは別のアルコール化合物、上記アミン化合物とは別のアミン化合物、エポキシ化合物、有機酸及びその無水物、(メタ)アクリレート化合物等を含むオレフィン化合物等が挙げられる。
(光安定剤)
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物を用いることができる。ヒンダードアミン系化合物は、市販品としてChemtura社製のLowilite76、Lowilite92、BASF社製のTinuvin144、Tinuvin292、Tinuvin765、ADEKA社製のアデカスタブLA−52、LA−72、城北化学工業社製のJF−95等を挙げることができる。
(ブルーイング剤)
ブルーイング剤としては、可視光領域のうち橙色から黄色の波長域に吸収帯を有し、樹脂からなる光学材料の色相を調整する機能を有するものが挙げられる。ブルーイング剤は、さらに具体的には、青色から紫色を示す物質を含む。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、を挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシ−5−tert−ブチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシ−2',4'−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、
2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2'−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2,4−tert−ブチルフェノール、2,2'−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられるが、好ましくは2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノールや2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノールのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は単独でも2種以上を併用することもできる。
<光学材料用重合性組成物の製造方法>
本実施形態の光学材料用重合性組成物は、アミン化合物(A)、イソ(チオ)シアネート化合物(B)、ポリチオール化合物(C)、およびアミノチオール化合物(D)を含む。
本実施形態の光学材料用重合性組成物において、イソ(チオ)シアネート化合物(B)のイソ(チオ)シアナト基のモル数bに対する、アミノチオール化合物(D)のアミノ基およびメルカプト基の合計モル数dの比(d/b)は、0.01〜0.40、好ましくは0.05〜0.30である。
成分(A)〜成分(D)を組み合わせ、さらにこのモル数の比を満たすことにより、低比重で、耐熱性、耐溶剤性、耐衝撃性および耐光性により優れ、且つ重合性組成物のポットライフが長いため光学歪み(脈理)の発生がさらに抑制された、高屈折率なチオウレタンウレア樹脂成形体、つまり、これらの特性のバランスにさらに優れたチオウレタンウレア樹脂成形体をより好適に得ることができる。本実施形態の光学材料用重合性組成物は、上記のような本発明の効果を発現することができ、眼鏡レンズとして好適な樹脂を得ることができる。
本実施形態の光学材料用重合性組成物において、本発明の効果の観点から、イソ(チオ)シアネート化合物(B)のイソ(チオ)シアナト基のモル数bに対する、アミン化合物(A)のアミノ基のモル数aの比(a/b)は、0.01〜0.20、好ましくは0.01〜0.15である。
さらに、本発明の効果の観点から、イソ(チオ)シアネート化合物(B)中のイソ(チオ)シアナト基のモル数bに対する、アミン化合物(A)およびアミノチオール化合物(D)中のアミノ基のモル数a及びポリチオール化合物(C)およびアミノチオール化合物(D)中のメルカプト基のモル数cの合計モル数(a+c)の比((a+c)/b)は、0.70〜1.30、好ましくは0.70〜1.20、さらに好ましくは0.90〜1.10である。
ポリオール化合物(E)を用いる場合、ポリチオール化合物(C)中のメルカプト基のモル数cに対する、ポリオール化合物(E)中のヒドロキシ基のモル数eが、0.01以上0.7以下、好ましくは0.02以上0.6以下となるように用いることが好ましい。ポリオール化合物(E)を用いる場合、上記範囲となるよう調整することにより、耐衝撃性の低下を招くことなく、高い屈折率、優れた透明性および耐熱性を有する樹脂を得ることができる。
ポリオール化合物(E)を用いる場合、イソ(チオ)シアネート化合物(B)中のイソ(チオ)シアナト基のモル数bに対する、アミン化合物(A)中のアミノ基のモル数aとポリチオール化合物(C)中のメルカプト基のモル数cとポリオール化合物(E)中のヒドロキシ基のモル数eとの合計モル数(a+c+e)の比((a+c+d)/b)は、0.7〜1.30、好ましくは、0.70〜1.20、さらに好ましくは0.90〜1.10である。
なお、上述のアミン化合物(A)中のアミノ基のモル数a、イソ(チオ)シアネート化合物(B)中のイソ(チオ)シアナト基のモル数b、ポリチオール化合物(C)中のメルカプト基のモル数c、アミノチオール化合物(D)のアミノ基およびメルカプト基の合計モル数d、およびポリオール化合物(E)中のヒドロキシ基のモル数eは、用いる化合物が有する官能基数および分子量もしくは重量平均分子量、ならびにこれらの化合物の使用量から理論的に求めることができる。または、これらのモル数は、滴定等の当該分で公知の方法により求めることができる。
本実施形態の光学材料用重合性組成物は、アミン化合物(A)、イソ(チオ)シアネート化合物(B)、ポリチオール化合物(C)、アミノチオール化合物(D)、さらに必要に応じてその他の成分を一括で混合する方法、または、
アミン化合物(A)とイソ(チオ)シアネート化合物(B)とを反応させてプレポリマーAを調製し、前記プレポリマーAにポリチオール化合物(C)を反応させてプレポリマーBを調製し、前記プレポリマーBにアミノチオール化合物(D)と必要に応じてその他の成分とを添加混合する方法により調製される。
一実施形態において、光学材料用重合性組成物は、アミン化合物(A)、イソ(チオ)シアネート化合物(B)、ポリチオール化合物(C)、アミノチオール化合物(D)、およびポリオール化合物(E)、ならびに必要に応じてその他の成分を一括で混合する方法、または
アミン化合物(A)とイソ(チオ)シアネート化合物(B)とを反応させてプレポリマーAを得た後に、前記プレポリマーAにポリチオール化合物(C)を反応させてプレポリマーBを調製し、次いで前記プレポリマーBにアミノチオール化合物(D)、およびポリオール化合物(E)、ならびに必要に応じてその他の成分を添加混合する方法により調製される。
なお、ポリチオール化合物(C)およびアミノチオール化合物(D)の添加順序は問わない。
光学材料用重合性組成物を一括で混合して調製する場合、アミン化合物(A)、イソ(チオ)シアネート化合物(B)、ポリチオール化合物(C)、アミノチオール化合物(D)等のモノマーと、触媒、内部離型剤、その他添加剤を混合して重合性組成物を混合する温度は通常25℃以下で行われる。重合性組成物のポットライフの観点から、さらに低温にすると好ましい場合がある。ただし、触媒、内部離型剤、添加剤のモノマーへの溶解性が良好でない場合は、あらかじめ加温して、モノマー、樹脂改質剤に溶解させることも可能である。
ポリオール化合物(E)を用いる場合であっても、上記と同様の条件下で光学材料用重合性組成物を調製できる。
光学材料用重合性組成物をプレポリマー法により調製する場合、
アミン化合物(A)とイソシアネート化合物(B)とを反応させてプレポリマーAを得る工程(i)と、
プレポリマーAにポリチオール化合物(C)を反応させてプレポリマーBを得る工程(ii)と、
プレポリマーBにアミノチオール化合物(D)を添加混合する工程(iii)と、
を含む。以下、各工程について説明する。
[工程(i)]
工程(i)においては、イソ(チオ)シアネート化合物(B)に、所定量のアミン化合物(A)を一括装入または分割装入して、これらを反応させプレポリマーAを調製する。
本実施形態の光学材料用重合性組成物において、イソ(チオ)シアネート化合物(B)のイソ(チオ)シアナト基のモル数bに対する、アミン化合物(A)のアミノ基のモル数aの比(a/b)は、0.01〜0.20、好ましくは0.01〜0.15である。
アミン化合物(A)とイソ(チオ)シアネート化合物(B)との反応は添加剤の存在下で行ってもよい。反応温度は、使用する化合物や添加剤の種類や使用量及び生成するプレポリマーの性状により異なるため、一概に限定されるものではなく、操作性、安全性、便宜性等を考慮して、適宜選ばれる。
[工程(ii)]
工程(ii)においては、工程(i)で得られたプレポリマーAに所定量のポリチオール化合物(C)を一括装入または分割装入して、これらを反応させプレポリマーBを調製する。プレポリマーAとポリチオール化合物(C)との反応は添加剤の存在下で行ってもよい。反応温度は、使用する化合物や添加剤の種類や使用量及び生成するプレポリマーの性状により異なるため、一概に限定されるものではなく、操作性、安全性、便宜性等を考慮して、適宜選ばれる。
アミン化合物(A)とイソ(チオ)シアネート化合物(B)とポリチオール化合物(C)とアミノチオール化合物(D)とを一括混合すると、反応熱が大きくなり、ポットライフが短くなり、そのため、注型までの作業性が低下するとともに、得られる樹脂成形体に脈理が発生する場合がある。さらに、成分が均一に溶解する前に重合が進行するため、透明性が損なわれ、脈理を有する樹脂成形体が得られる場合がある。
[工程(iii)]
工程(iii)においては、工程(ii)で得られたプレポリマーBに、さらにアミノチオール化合物(D)を添加混合し、重合性組成物を得る。混合温度は、使用する化合物により異なるため、一概に限定されるものではなく、操作性、安全性、便宜性等を考慮して、適宜選ばれるが、25℃もしくはそれ以下が好ましい。使用する化合物の溶解性に応じて加熱してもよい。加熱温度はその化合物の安定性、安全性を考慮して決定される。
本実施形態のように、アミン化合物(A)とイソ(チオ)シアネート化合物(B)とを反応させてプレポリマーAを得た後に、このプレポリマーAにポリチオール化合物(C)を反応させてプレポリマーBを得、次いでプレポリマーBにアミノチオール化合物(D)を添加混合することにより、透明性に優れ、脈理が抑制された樹脂成形体を好適に得ることができる。
工程(i)においてイソ(チオ)シアネート化合物(B)とポリチオール化合物(C)でプレポリマーを得て、続く工程(ii)において工程(i)で得られたプレポリマーにアミン化合物(A)を添加混合し、重合性組成物を得る場合、工程(i)で得られたプレポリマーにはイソシアナト残基が残っているため、アミン化合物(A)との反応熱が大きくなり、ポットライフが短くなる。そのため、注型までの作業性が著しく低下する場合がある。
これに対して、上記のプレポリマー法による光学材料用重合性組成物の製造方法によれば、工程(i)において上記範囲のモル比a/bの範囲にてアミン化合物(A)とイソ(チオ)シアネート化合物(B)とを反応させてプレポリマーを得ており、アミン化合物(A)のアミノ基がほとんど残っていないため、上記のような問題は発生しない。さらに、本手法によりイソシアナト残基が残っているプレポリマーにアミノチオール化合物を添加混合しても急激に重合が進行することはなく、ポットライフおよび注型までの作業性を維持することが出来る。
本実施形態の光学材料用重合性組成物を硬化することにより成形体を得ることができる。
ポリオール化合物(E)を用いる場合、上述のとおり、工程(iii)において、工程(ii)で得られたプレポリマーBに添加混合することが好ましい。ポリオール化合物(E)の添加は、アミノチオール化合物(D)の添加の前、後、または同時であってもよいし、アミノチオール化合物(D)とポリオール化合物(E)との混合物を当該プレポリマーに添加してもよい。
<光学材料の製造方法>
本実施形態において、チオウレタンウレア樹脂成形体からなる光学材料は、特に限定されないが、好ましい製造方法として、下記工程を含む注型重合により得られる。
工程a1:本実施形態の光学材料用重合性組成物を鋳型内に注型する。
工程b1:前記光学材料用重合性組成物を加熱し、該組成物を重合硬化して硬化物(チオウレタンウレア樹脂成形体)を得る。
[工程a1]
はじめに、ガスケットまたはテープ等で保持された成型モールド(鋳型)内に重合性組成物を注入する。この時、得られるプラスチックレンズに要求される物性によっては、必要に応じて、減圧下での脱泡処理や加圧、減圧等の濾過処理等を行うことが好ましい場合が多い。
[工程b1]
重合条件については、重合性組成物の組成、触媒の種類と使用量、モールドの形状等によって大きく条件が異なるため限定されるものではないが、およそ、−50〜150℃の温度で1〜50時間かけて行われる。場合によっては、10〜150℃の温度範囲で保持または徐々に昇温して、1〜25時間で硬化させることが好ましい。
本実施形態のチオウレタンウレア樹脂からなる光学材料は、必要に応じて、アニール等の処理を行ってもよい。処理温度は通常50〜150℃の間で行われるが、90〜140℃で行うことが好ましく、100〜130℃で行うことがより好ましい。
本実施形態において、チオウレタンウレア樹脂からなる光学材料を成形する際には、上記「その他の成分」に加えて、目的に応じて公知の成形法と同様に、鎖延長剤、架橋剤、油溶染料、充填剤、密着性向上剤などの種々の添加剤を加えてもよい。
本実施形態の重合性組成物は、注型重合時のモールドを変えることにより種々の形状の光学材料として得ることができる。本実施形態の光学材料は、所望の形状とし、必要に応じて形成されるコート層や他の部材等を備えることにより、様々な形状の光学材料とすることができる。
<プラスチック眼鏡レンズ>
本実施形態の光学材料用重合性組成物を硬化させて得られる光学材料は、眼鏡レンズ用のレンズ基材として使用することができる。このレンズ基材には、必要に応じて、片面又は両面にコーティング層を施して用いてもよい。コーティング層としては、ハードコート層、反射防止層、防曇コート膜層、防汚染層、撥水層、プライマー層、フォトクロミック層等が挙げられる。これらのコーティング層はそれぞれ単独で用いることも複数のコーティング層を多層化して使用することもできる。両面にコーティング層を施す場合、それぞれの面に同様なコーティング層を施しても、異なるコーティング層を施してもよい。
本実施形態の光学材料を眼鏡レンズに適用する場合、本実施形態の重合性組成物を硬化させて得られる光学材料(レンズ基材)の少なくとも一方の面上に、ハードコート層および/または反射防止コート層と、を形成することができる。さらに、上記の他の層を設けることもできる。このようにして得られる眼鏡レンズは、本発明の特定の重合性組成物からなるレンズを用いているため、これらのコート層を備えた場合においても耐衝撃性に優れる。
ハードコート層は、本実施形態の重合性組成物を硬化させて得られる光学材料(レンズ基材)の少なくとも一方の面上に設けられ、得られる眼鏡レンズ表面に耐擦傷性、耐摩耗性、耐湿性、耐温水性、耐熱性、耐光性等の機能を与えることを目的としたコーティング層である。ハードコート層は、ケイ素、チタン、ジルコニウム、スズ、アルミニウム、タングステン、アンチモンの元素群より選ばれる1種以上の金属酸化物と、アルキル基、アリル基、アルコキシ基、メタクリルオキシ基、アクリルオキシ基、エポキシ基、アミノ基、イソシアナト基、メルカプト基より選ばれる少なくとも1種以上の官能基を有するシラン化合物及びその加水分解物と、を含有する組成物から得られる。
ハードコート組成物には硬化を促進する目的で硬化剤が含まれてもよい。硬化剤の具体例としては、無機、有機酸、アミン、金属錯体、有機酸金属塩、金属塩化物等が挙げられる。ハードコート組成物の調製には溶媒を用いてもよい。溶媒の具体例としては、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類等が挙げられる。
ハードコート層は、レンズ基材表面に、ハードコート組成物をスピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法で塗布した後、硬化して形成される。硬化方法としては、熱硬化、紫外線や可視光線などのエネルギー線照射による硬化方法等が挙げられる。加熱硬化する場合は、80〜120℃で1〜4時間で実施するのが好ましい。干渉縞の発生を抑制するため、ハードコート層の屈折率は、成形体との屈折率の差が±0.1の範囲にあるのが好ましい。
ハードコート層を付与する前に、レンズ基材の表面は下記条件(a)〜(d)を満たすようにアルカリ水溶液で超音波洗浄されていることが好ましい。
(a)アルカリ水溶液が5〜40%の水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム水溶液、
(b)アルカリ水溶液の処理温度が30〜60℃、
(c)処理時間が3〜5分間、
(d)超音波の周波数が20〜30kHz。
アルカリ水溶液での洗浄後は、蒸留水やイソプロパノールなどのアルコール類などで洗浄し、50℃〜80℃の範囲で5分〜20分、レンズ基材の表面を乾燥してもよい。
本実施形態の重合性組成物から得られる成形体から構成されるレンズ基材はアルカリ耐性に優れており、アルカリ水溶液での洗浄後においても白濁等の発生が抑制される。
反射防止層とは、成形体(レンズ基材)の少なくとも一方の面上に設けられ、空気と成形体の屈折率差から生じる反射率を下げ、得られるプラスチック眼鏡レンズ表面の光の反射を大幅に減らして透過率を高めることを目的としたコーティング層である。本実施形態における反射防止層は、酸化ケイ素を含有する低屈折率膜層と、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化タンタルより選ばれる1種以上の金属酸化物を含有する高屈折率膜層からなり、各々の層は単層または多層構造であってもよい。
反射防止層が多層構造である場合、5〜7層が積層されていることが好ましい。膜厚としては、100〜300nmが好ましく、150〜250nmがさらに好ましい。多層反射防止層を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、CVD法等が挙げられる。
反射防止層の上には、必要に応じて防曇コート膜層、防汚染層、撥水層を形成させてもよい。防曇コート層、防汚染層、撥水層を形成する方法としては、反射防止機能に悪影響をもたらすものでなければ、その処理方法、処理材料等については特に限定されずに、公知の防曇コート処理方法、防汚染処理方法、撥水処理方法、材料を使用することができる。例えば、防曇コート、防汚染処理方法では、表面を界面活性剤で覆う方法、表面に親水性の膜を付加して吸水性にする方法、表面を微細な凹凸で覆い吸水性を高める方法、光触媒活性を利用して吸水性にする方法、超撥水性処理を施して水滴の付着を防ぐ方法などが挙げられる。また、撥水処理方法では、フッ素含有シラン化合物等を蒸着やスパッタによって撥水処理層を形成する方法や、フッ素含有シラン化合物を溶媒に溶解したあと、コーティングして撥水処理層を形成する方法等が挙げられる。
これらのコーティング層には、紫外線からレンズや目を守る目的で紫外線吸収剤、赤外線から目を守る目的で赤外線吸収剤、レンズの耐候性を向上する目的で光安定剤や酸化防止剤、レンズのファッション性を高める目的で染料や顔料、さらにフォトクロミック染料やフォトクロミック顔料、帯電防止剤、その他、レンズの性能を高めるための公知の添加剤を配合してもよい。塗布によるコーティングを行う層に関しては塗布性の改善を目的とした各種レベリング剤を使用してもよい。
本実施形態の重合性組成物を用いた光学材料はファッション性やフォトクロミック性の付与などを目的として、目的に応じた色素を用い、染色して使用してもよい。レンズの染色は公知の染色方法で実施可能であるが、通常、以下に示す方法で実施される。
一般的には、使用する色素を溶解または均一に分散させた染色液中に所定の光学面に仕上げられたレンズ生地を浸漬(染色工程)した後、必要に応じてレンズを加熱して色素を固定化(染色後アニール工程)する方法が用いられる。染色工程に用いられる色素は公知の色素であれば特に限定されないが、通常は油溶染料もしくは分散染料が使用される。染色工程で使用される溶剤は用いる色素が溶解可能もしくは均一に分散可能なものであれば特に限定されない。この染色工程では、必要に応じて染色液に色素を分散させるための界面活性剤や、染色を促進するキャリアを添加してもよい。
染色工程は、色素および必要に応じて添加される界面活性剤を水又は水と有機溶媒との混合物中に分散させて染色浴を調製し、この染色浴中に光学レンズを浸漬し、所定温度で所定時間染色を行う。染色温度および時間は、所望の着色濃度により変動するが、通常、120℃以下で数分から数十時間程度でよく、染色浴の染料濃度は0.01〜10重量%で実施される。また、染色が困難な場合は加圧下で行ってもよい。
必要に応じて実施される染色後アニール工程は、染色されたレンズ生地に加熱処理を行う工程である。加熱処理は、染色工程で染色されたレンズ生地の表面に残る水を溶剤等で除去したり、溶媒を風乾したりした後に、例えば大気雰囲気の赤外線加熱炉、あるいは抵抗加熱炉等の炉中に所定時間滞留させる。染色後アニール工程は、染色されたレンズ生地の色抜けを防止する(色抜け防止処理)と共に、染色時にレンズ生地の内部に浸透した水分の除去が行われる。本実施形態では、アルコール化合物を含まない場合は、染色後のムラが少ない。
<プラスチック偏光レンズ>
本実施形態の光学材用重合性組成物を硬化させて得られる光学材料は、プラスチック偏光レンズ用のレンズ基材として使用することができる。一実施形態において、プラスチック偏光レンズは、偏光フィルムと、偏光フィルムの少なくとも一方の面上に形成された、本実施形態の光学材料用重合性組成物を硬化させて得られる成形体からなる基材層(レンズ基材)とを備える。
本実施形態における偏光フィルムは、熱可塑性樹脂から構成することができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等を挙げることができる。耐水性、耐熱性および成形加工性の観点から、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリブチレンテレフタレート等を挙げることができ、耐水性、耐熱性および成形加工性の観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。
偏光フィルムとして、具体的には、二色性染料含有ポリエステル偏光フィルム、ヨウ素含有ポリビニルアルコール偏光フィルム、二色性染料含有ポリビニルアルコール偏光フィルム等が挙げられる。
偏光フィルムは乾燥、安定化のため加熱処理を施したうえで使用してもよい。
さらに、偏光フィルムは、アクリル系樹脂との密着性を向上させるために、プライマーコーティング処理、薬品処理(ガス又はアルカリ等の薬液処理)、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、粗面化処理、火炎処理などから選ばれる1種又は2種以上の前処理を行った上で使用してもよい。このような前処理のなかでも、プライマーコーティング処理、薬品処理、コロナ放電処理、プラズマ処理から選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。
本実施形態のプラスチック偏光レンズは、このような偏光フィルムの対物面側の面または接眼面側の面の一方の面上、または対物面側の面および接眼面側の面の両方の面上に、本実施形態の光学材料用重合性組成物を硬化させて得られる基材層が積層されている。
本実施形態における基材層は、本実施形態の光学材料用重合性組成物の硬化物からなる層に加え、アクリル樹脂、アリルカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリチオウレタン樹脂、ポリスルフィド樹脂等のプラスチック材料からなる層を含んでいてもよい。
本実施形態のプラスチック偏光レンズは、特に限定されないが、偏光フィルムの両面に、あらかじめ製造したレンズ基材を貼り合わせる方法、または偏光フィルムの両面に重合性組成物を注型重合する方法等により製造できる。本実施形態においては、注型重合法によって形成された例を説明する。
本実施形態において、プラスチック偏光レンズは、たとえば以下の工程を含む製造方法により得ることができる。
工程a2:レンズ注型用鋳型内に、偏光フィルムの少なくとも一方の面がモールドから離隔した状態で、該偏光フィルムを固定する。
工程b2:前記偏光フィルムと前記モールドとの間の空隙に、本実施形態の重合性組成物を注入する。
工程c2:前記重合性組成物を加熱し、該組成物を重合硬化して、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に本実施形態の重合性組成物の硬化物からなる基材層を積層する。
以下、各工程に沿って順に説明する。
[工程a2]
レンズ注型用鋳型の空間内に、熱可塑性ポリエステル等からなる偏光フィルムを、フィルム面の少なくとも一方が対向するモールド内面と並行となるように設置する。偏光フィルムとモールドとの間には、空隙部が形成される。偏光フィルムは予め附形されていてもよい。
[工程b2]
次いで、レンズ注型用鋳型の空間内において、モールドと偏光フィルムとの間の空隙部に、所定の注入手段により本実施形態の光学材料用重合性組成物を注入する。
[工程c2]
次いで、光学材料用重合性組成物が注入された偏光フィルムが固定されたレンズ注型用鋳型をオーブン中または水中等の加熱可能装置内で所定の温度プログラムにて数時間から数十時間かけて加熱して硬化成型する。
重合硬化の温度は、重合性組成物の組成、触媒の種類、モールドの形状等によって条件が異なるため限定できないが、0〜140℃の温度で1〜48時間かけて行われる。
硬化成形終了後、レンズ注型用鋳型から取り出すことで、偏光フィルムの少なくとも一方の面に本実施形態の重合性組成物の硬化物からなる層が積層された、本実施形態のプラスチック偏光レンズを得ることができる。
本実施形態のプラスチック偏光レンズは、重合による歪みを緩和することを目的として、離型したレンズを加熱してアニール処理を施すことが望ましい。
本実施形態のプラスチック偏光レンズは、必要に応じ、片面又は両面にコーティング層を施して用いられる。コーティング層としては、プラスチック眼鏡レンズと同様の、プライマー層、ハードコート層、反射防止層、防曇コート層、防汚染層、撥水層等を挙げることができる。
<用途>
次に、本実施形態の光学材料の用途について説明する。
本実施形態で示す光学材料としては、プラスチック眼鏡レンズ、ゴーグル、視力矯正用眼鏡レンズ、撮像機器用レンズ、液晶プロジェクター用フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、コンタクトレンズなどの各種プラスチックレンズ、発光ダイオード(LED)用封止材、光導波路、光学レンズや光導波路の接合に用いる光学用接着剤、光学レンズなどに用いる反射防止膜、液晶表示装置部材(基板、導光板、フィルム、シートなど)に用いる透明性コーティングまたは、車のフロントガラスやバイクのヘルメットに貼り付けるシートやフィルム、透明性基板等を挙げることができる。
以上、本発明を実施形態により説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の効果を損なわない範囲で様々な態様を取り得ることができる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、本発明の実施例における評価方法を以下に示す。
<評価方法>
・透明性:得られた樹脂を暗所にてプロジェクターに照射して、曇り(テープからの溶出を含む)、不透明物質の有無を目視にて判断した。曇り(テープからの溶出を含む)、不透明物質が確認されないものを「○」(透明性あり)、確認されたものを「×」(透明性なし)とした。
・屈折率(ne)、アッベ数(νe):プルフリッヒ屈折計を用い、20℃で測定した。
・耐熱性:TMAペネートレーション法(50g荷重、ピン先0.5mmφ、昇温速度10℃/min)でのガラス転移温度Tgを測定した。
・比重:アルキメデス法により測定した。
・3点曲げ強度、曲げ弾性率:曲げ強度および曲げ弾性率は、JIS K7074に記載の3点曲げ試験により測定した。幅15mm、長さ100mmの試験片を用意し、インストロン万能試験機(Type55R4026、インストロン社製)を用い、試験速度5mm/分で行った。
・アイゾッド衝撃強度:幅10.0mm、長さ70.0mm、厚さ2.5mmの試験片を用いASTM D−256に従って実施した。但し、ノッチの無い試験片を使用して試験を実施した。
・耐溶剤性:得られたレンズの表面に、アセトンを染み込ませた不織布を10秒間押し当て、レンズ表面に膨潤の跡が確認されないものを「○」(耐溶剤性あり)、膨潤の跡が確認されるものを「×」(耐溶剤性なし)とした。
[実施例1]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物51.83重量部に、重量平均分子量が2000のポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(HUNTSMAN社製 Jeffamine D−2000)11.00重量部を滴下装入し、20℃で1時間反応させた。当該溶液に、ジブチルスズジクロライド0.05重量部、内部離型剤(城北化学工業社製;商品名JP−506H)0.30重量部を混合溶解し均一溶液とした後、更にビス(2−メルカプトエチル)スルフィド24.68重量部と4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン6.17重量部を混合溶解し、均一溶液とした。その後、更に3−アミノベンゼンチオール6.31重量部を滴下装入し、均一溶液とした。400Paにて脱泡を行った後に成型モールドへ注入した。これを重合オーブンへ投入して、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンから取り出して成型モールドからの離型作業を行った。離型性は良好であり、モールドの剥離は見られなかった。得られた成形体をさらに120℃で1時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.598、アッベ数(νe)38、Tgは97℃、比重1.254、曲げ弾性率は2905N/mmであった。耐衝撃性試験では、アイゾッド衝撃強度が62kJ/mであった。さらに、アセトン溶剤による膨潤は観察されず、耐溶剤性は良好であった。結果を表−1に示す。
[実施例2]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物51.83重量部に、重量平均分子量が2000のポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(HUNTSMAN社製 Jeffamine D−2000)11.00重量部を滴下装入し、20℃で1時間反応させた。当該溶液に、ジブチルスズジクロライド0.05重量部、内部離型剤(城北化学工業社製;商品名JP−506H)0.50重量部を混合溶解し均一溶液とした後、更にビス(2−メルカプトエチル)スルフィド24.68重量部と4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン6.17重量部を混合溶解し、均一溶液とした。その後、更に4−アミノベンゼンチオール6.31重量部を滴下装入し、均一溶液とした。400Paにて脱泡を行った後に成型モールドへ注入した。これを重合オーブンへ投入して、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンから取り出して成型モールドからの離型作業を行った。離型性は良好であり、モールドの剥離は見られなかった。得られた成形体をさらに120℃で1時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.600、アッベ数(νe)37、Tgは100℃、比重1.254、曲げ弾性率は2426N/mmであった。耐衝撃性試験では、アイゾッド衝撃強度が68kJ/mであった。さらに、アセトン溶剤による膨潤は観察されず、耐溶剤性は良好であった。結果を表−1に示す。
[実施例3]
1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン49.38重量部に、重量平均分子量が2000のポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(HUNTSMAN社製 Jeffamine D−2000)11.00重量部を滴下装入し、20℃で1時間反応させた。当該溶液に、ジブチルスズジクロライド0.10重量部、内部離型剤(城北化学工業社製;商品名JP−506H)0.30重量部を混合溶解し均一溶液とした後、更にビス(2−メルカプトエチル)スルフィド10.00重量部と4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン23.65重量部を混合溶解し、均一溶液とした。その後、更に3−アミノベンゼンチオール5.97重量部を滴下装入し、均一溶液とした。400Paにて脱泡を行った後に成型モールドへ注入した。これを重合オーブンへ投入して、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンから取り出して成型モールドからの離型作業を行った。離型性は良好であり、モールドの剥離は見られなかった。得られた成形体をさらに120℃で1時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.596、アッベ数(νe)38、Tgは99℃、比重1.242、曲げ弾性率は2340N/mmであった。耐衝撃性試験では、アイゾッド衝撃強度が100kJ/mであった。但し、一部試験片はアイゾッド衝撃試験を実施した際に試験片が破断しなかったため、破断した樹脂に関してのみアイゾッド衝撃強度を算出した。さらに、アセトン溶剤による膨潤は観察されず、耐溶剤性は良好であった。結果を表−1に示す。
[実施例4]
1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン49.38重量部に、重量平均分子量が2000のポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(HUNTSMAN社製 Jeffamine D−2000)11.00重量部を滴下装入し、20℃で1時間反応させた。当該溶液に、ジブチルスズジクロライド0.10重量部、内部離型剤(城北化学工業社製;商品名JP−506H)0.30重量部を混合溶解し均一溶液とした後、更にビス(2−メルカプトエチル)スルフィド10.00重量部と4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン23.65重量部を混合溶解し、均一溶液とした。その後、更に4−アミノベンゼンチオール5.97重量部を滴下装入し、均一溶液とした。400Paにて脱泡を行った後に成型モールドへ注入した。これを重合オーブンへ投入して、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンから取り出して成型モールドからの離型作業を行った。離型性は良好であり、モールドの剥離は見られなかった。得られた成形体をさらに120℃で1時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.597、アッベ数(νe)37、Tgは101℃、比重1.242、曲げ弾性率は2296N/mmであった。耐衝撃性試験では、アイゾッド衝撃強度が119kJ/mであった。但し、一部試験片はアイゾッド衝撃試験を実施した際に試験片が破断しなかったため、破断した樹脂に関してのみアイゾッド衝撃強度を算出した。さらに、アセトン溶剤による膨潤は観察されず、耐溶剤性は良好であった。結果を表−1に示す。
[比較例1]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物50.77重量部に、重量平均分子量が2000のポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(HUNTSMAN社製 Jeffamine D−2000)10.99重量部を滴下装入し、20℃で1時間反応させた。当該溶液に、ジブチルスズジクロライド0.15重量部、内部離型剤(城北化学工業社製;商品名JP−506H)0.60重量部を混合溶解し均一溶液とした後、更にビス(2−メルカプトエチル)スルフィド25.81重量部と4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン12.43重量部を混合溶解し、均一溶液とした。400Paにて脱泡を行った後に成型モールドへ注入した。これを重合オーブンへ投入して、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンから取り出して成型モールドからの離型作業を行った。離型性は良好であり、モールドの剥離は見られなかった。得られた成形体をさらに120℃で1時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.596、アッベ数(νe)40、Tgは89℃、比重1.251、曲げ弾性率は2582N/mmであった。耐衝撃性試験では、アイゾッド衝撃強度が80kJ/mであった。さらに、アセトン溶剤による膨潤は観察されず、耐溶剤性は良好であった。結果を表−1に示す。
[比較例2]
ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン48.15重量部に、重量平均分子量が2000のポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(HUNTSMAN社製 Jeffamine D−2000)11.00重量部を滴下装入し、20℃で1時間反応させた。当該溶液に、ジブチルスズジクロライド0.10重量部、内部離型剤(城北化学工業社製;商品名JP−506H)0.30重量部を混合溶解し均一溶液とした後、更にビス(2−メルカプトエチル)スルフィド10.00重量部と4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン30.85重量部を混合溶解し、均一溶液とした。400Paにて脱泡を行った後に成型モールドへ注入した。これを重合オーブンへ投入して、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンから取り出して成型モールドからの離型作業を行った。離型性は良好であり、モールドの剥離は見られなかった。得られた成形体をさらに120℃で1時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.595、アッベ数(νe)40、Tgは86℃、比重1.247、曲げ弾性率は2122N/mmであった。耐衝撃性試験では、アイゾッド衝撃強度が108kJ/mであった。但し、一部試験片はアイゾッド衝撃試験を実施した際に試験片が破断しなかったため、破断した樹脂に関してのみアイゾッド衝撃強度を算出した。さらに、アセトン溶剤による膨潤は観察されず、耐溶剤性は良好であった。結果を表−1に示す。
[比較例3]
2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物57.68重量部に、4−アミノベンゼンチオール7.00重量部を滴下装入し、20℃で15分間反応させた。当該溶液に、ジブチルスズジクロライド0.05重量部、内部離型剤(城北化学工業社製;商品名JP−506H)0.30重量部を混合溶解し均一溶液とした後、更にビス(2−メルカプトエチル)スルフィド28.48重量部と4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン6.84重量部を混合溶解し、均一溶液とした。400Paにて脱泡を行った後に成型モールドへ注入した。これを重合オーブンへ投入して、25℃〜120℃まで24時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンから取り出して成型モールドからの離型作業を行った。離型性は良好であり、モールドの剥離は見られなかった。得られた成形体をさらに120℃で1時間アニール処理を行った。得られた成形体は透明性があり、屈折率(ne)1.617、アッベ数(νe)35、Tgは116℃、比重1.289曲げ弾性率は3221N/mmであった。耐衝撃性試験では、アイゾッド衝撃強度が46kJ/mであった。さらに、アセトン溶剤による膨潤は観察されず、耐溶剤性は良好であった。結果を表−1に示す。
Figure 2020139096
Figure 2020139096
表−1中の記号は、以下の化合物を意味する。
A1:4−アミノベンゼンチオール
A2:3−アミノベンゼンチオール
a1:ポリ(プロピレングリコール)ビス(2−アミノプロピルエーテル)(重量平均分子量:2000)
I1:2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物
I2:1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン
T1:ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド
T2:4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン

Claims (21)

  1. (A)一般式(1)で表される化合物(a1)および一般式(2)で表される化合物(a2)から選択される少なくとも1種のアミン化合物と、
    Figure 2020139096
    (一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を示す。pは0〜100の整数を示し、qは0〜100の整数を示し、rは1〜100の整数を示し、p+rは1〜100の整数を満たす。複数存在するR同士またはR同士は同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2020139096
    (一般式(2)中、R、R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を示す。Rは炭素数1〜20の直鎖アルキル基、炭素数3〜20の分岐アルキル基又は炭素数3〜20の環状アルキル基を示す。x+y+zは1〜200の整数を示す。nは0〜10の整数を示す。複数存在するR同士、R同士またはR同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    (B)2つ以上のイソ(チオ)シアナト基を有するイソ(チオ)シアネート化合物と、
    (C)2つのメルカプト基を有するジチオール化合物(c1)および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物(c2)から選択される少なくとも一種のポリチオール化合物と、
    (D)一般式(3)で表されるアミノチオール化合物と、
    SH−Q−NH (3)
    (一般式(3)中、Qは置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換されていてもよい2価の複素環基を示す。)
    を含む、光学材料用重合性組成物。
  2. 2つ以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物(E)をさらに含む、請求項1に記載の光学材料用重合性組成物。
  3. ポリチオール化合物(C)はジチオール化合物(c1)および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物(c2)を含み、
    ポリチオール化合物(c2)のメルカプト基のモル数c2に対する、ポリチオール化合物(c1)のメルカプト基のモル数c1の比(c1/c2)が0.01〜15の範囲である、請求項1または2に記載の光学材料用重合性組成物。
  4. イソ(チオ)シアネート化合物(B)のイソ(チオ)シアナト基のモル数bに対する、アミン化合物(A)のアミノ基のモル数aの比(a/b)が0.01〜0.20の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
  5. イソ(チオ)シアネート化合物(B)のイソ(チオ)シアナト基のモル数bに対する、アミノチオール化合物(D)のアミノ基およびメルカプト基の合計モル数dの比(d/b)は、0.01〜0.40の範囲である、請求項1〜4のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
  6. 一般式(1)で表される化合物(a1)の重量平均分子量(MW)が、200〜4000である請求項1〜5のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
  7. 一般式(2)で表される化合物(a2)の重量平均分子量(MW)が、400〜5000である請求項1〜6のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
  8. 前記ジチオール化合物(c1)が、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンおよびビス(2−メルカプトエチル)スルフィドよりなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記ポリチオール化合物(c2)が、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパンよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
  9. 前記イソ(チオ)シアネート化合物(B)が、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、および4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
  10. アミノチオール化合物(D)が、2−アミノベンゼンチオール、3−アミノベンゼンチオール、および4−アミノベンゼンチオールから選択される少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
  11. 前記ポリオール化合物(E)が、2つのヒドロキシ基を有するジオール化合物(e1)を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物。
  12. 前記ジオール化合物(e1)が、直鎖状脂肪族ジオール化合物、分岐状脂肪族ジオール化合物、環状脂肪族ジオール化合物、および芳香族ジオール化合物から選択される少なくとも1つを含む、請求項11に記載の光学材料用重合性組成物。
  13. 前記ジオール化合物(e1)が、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ポリプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項11または12に記載の光学材料用重合性組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物を硬化した成形体。
  15. 請求項14に記載の成形体からなる光学材料。
  16. 請求項14に記載の成形体からなるプラスチックレンズ。
  17. 偏光フィルムと、
    前記偏光フィルムの少なくとも一方の面上に形成された、請求項14に記載の成形体からなる基材層と、を備えるプラスチック偏光レンズ。
  18. 一般式(1)で表されるアミン化合物(a1)および一般式(2)で表されるアミン化合物(a2)から選択される少なくとも1種のアミン化合物(A)と、2つ以上のイソ(チオ)シアナト基を有するイソシアネート化合物(B)と、を反応させてプレポリマーAを得る工程(i)と、
    前記プレポリマーAに、2つのメルカプト基を有するジチオール化合物(c1)および3つ以上のメルカプト基を有するポリチオール化合物(c2)から選択される少なくとも一種のポリチオール化合物(C)を反応させてプレポリマーBを得る工程(ii)と、
    前記プレポリマーBに、一般式(3)で表されるアミノチオール化合物を添加混合する工程(iii)と、
    を含む、光学材料用重合性組成物の製造方法。
    Figure 2020139096
    (一般式(1)中、R〜Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を示す。pは0〜100の整数を示し、qは0〜100の整数を示し、rは1〜100の整数を示し、p+rは1〜100の整数を満たす。複数存在するR同士またはR同士は同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2020139096
    (一般式(2)中、R、R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル基を示す。Rは炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基を示す。x+y+zは1〜100の整数を示す。nは0〜10の整数を示す。複数存在するR同士、R同士またはR同士はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    SH−Q−NH (3)
    (一般式(3)中、Qは置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基、または置換されていてもよい2価の複素環基を示す。)
  19. 前記工程(iii)は、前記工程(ii)で得られた前記プレポリマーに、2つ以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物(E)を添加混合する工程をさらに含む、請求項18に記載の光学材料用重合性組成物の製造方法。
  20. 請求項1〜13のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物を鋳型内に注入する工程と、
    前記鋳型内で前記光学材料用重合性組成物を重合硬化する工程と、
    を含む光学材料の製造方法。
  21. レンズ注型用鋳型内に、偏光フィルムの少なくとも一方の面がモールドから離隔した状態で、該偏光フィルムを固定する工程と、
    前記偏光フィルムと前記モールドとの間の空隙に、請求項1〜13のいずれかに記載の光学材料用重合性組成物を注入する工程と、
    前記光学材料用重合性組成物を重合硬化して、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に前記光学材料用重合性組成物の硬化物からなる基材層を積層する工程と、
    を含む、プラスチック偏光レンズの製造方法。
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