JP2020136636A - リニアソレノイド駆動回路 - Google Patents

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博章 本山
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博章 本山
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Abstract

【課題】リニアソレノイドの駆動電流を急激低下時における応答性を高めたリニアソレノイド駆動回路を提供する。【解決手段】リニアソレノイド3に並列接続された電流還流用ダイオード16と直列に接続された第2のスイッチング素子21をOFFにして、リニアソレノイドと電流還流用ダイオードとの接続を断つように制御する。同時に、リニアソレノイド3を駆動制御する第1のスイッチング素子23をONにして、リニアソレノイドからの逆起電圧に伴う電流を回路のGND側に逃がすとともに、第1のスイッチング素子23に設けたクランプ回路13によって、第1のスイッチング素子23に印加される逆起電圧を制限する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電子制御サスペンション用制御装置等に使用するリニアソレノイド駆動回路に関する。
従来より自動車等の車両には、路面から受ける衝撃を吸収して乗り心地を高めるため、ばね装置の上下振動に対して減衰力を発生させるショックアブソーバとしての電磁アクチュエータを備えた電子制御サスペンションが搭載されている。電子制御サスペンションでは、ダンパー内のオイルを制御するために、リニアソレノイドに流す電流量を制御してプランジャを動作させ、オイルの通過量を制御している。または、ダンパー内の磁性体を含んだフルードをリニアソレノイドに流す電流量で制御している。
自動車等の車両における乗り心地の向上には、車体が常時平坦になるのが望ましく、サスペンションには、電磁アクチュエータにより減衰力を調整することで、路面の状況に応じたリニア性(応答性向上)が求められる。同時に、サスペンションの故障に対する安全確保、製品の低電力化、低コスト化も求められる。
自動車等の車両の電子制御サスペンションでは、任意の減衰力を得るためリニアソレノイド駆動回路を用いている。従来のリニアソレノイド駆動回路は、スイッチング素子と電流還流用ダイオードを使用して、PWMデューティ信号によりリニアソレノイドの電流を制御しているが、目標電流が急激に低下した場合においても、電磁コイルの自己誘導と還流用ダイオードの順方向電圧V(≒1V)によって電流の変化を抑えているため、リニアソレノイドの応答性が悪くなる。
リニアソレノイドの応答性を高める技術として、例えば特許文献1は、リニアソレノイドのPWM駆動電流を急激にLowとした場合、リニアソレノイドへの印加電圧をクランプするクランプ回路をオープンにすることで、電流立ち下がりの応答性を改善している。
特許文献2のコイル駆動回路では、PWM信号のデューティオフ時にコイルに電流を供給する回路を、スイッチング素子によって電流目標値の立ち下がり時にOFFにすることで、電流目標値の立ち下がり時にコイルの逆起電圧によって、その回路のフライホイールダイオードを介してコイルに電流が流れるのを防止し、電流立ち下がりの応答性を良くしている。
特開2017−188843号公報 特開2001−110632号公報
リニアソレノイド(コイル)に電流を流すと、誘導電流により応答性が悪化することが知られており、特に、急激に電流を低下させたい場合、より影響が顕著となる。
上記特許文献1では、駆動電流が急激に減少した場合、クランプ回路のオープンにより電流立ち下がりの応答性を良くすることができるが、リニアソレノイドに並列に接続されたダイオードがオープン故障した場合、電源とリニアソレノイド間に配置したスイッチング素子(PMOSトランジスタ)のドレイン−ソース(D-S)間耐圧オーバーによって、スイッチング素子が故障する可能性があり、安全性の面での課題がある。
また、特許文献1は、リニアソレノイドに並列に接続されたダイオードにさらに直列接続するツェナーダイオードとして、電流容量の大きなツェナーダイオード(例えば、数A程度)が必要となる。そのため、装置のコストアップが問題となる。
同様に特許文献2においても、電流目標値の立ち下がり時にスイッチング素子をOFFにして応答性を良くすることができるも、PWM信号によって駆動してコイルに電流を供給するスイッチング素子に並列に接続されたツェナーダイオードとして、電流容量が大きい、数A程度のツェナーダイオードを使用している。そのため、回路のコストアップという課題がある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全で低コストであり、駆動電流を急激に低下させたときの応答性を高めたリニアソレノイド駆動回路を提供することである。
上記の目的を達成し、上述した課題を解決する一手段として以下の構成を備える。すなわち、本願の例示的な第1の発明は、リニアソレノイドを駆動するリニアソレノイド駆動回路であって、前記リニアソレノイドの駆動電流を制御する第1のスイッチング素子と、前記リニアソレノイドと前記第1のスイッチング素子との接続部と、該第1のスイッチング素子の制御信号入力部との間に配置したクランプ部と、第2のスイッチング素子と該第2のスイッチング素子に直列に接続された整流素子とからなり、かつ前記リニアソレノイドと並列に接続された電流還流部と、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子へ制御信号を供給する制御部と備え、前記制御部は、前記リニアソレノイドへの駆動電流を急減する場合、該急減に対応する制御信号を前記第1のスイッチング素子へ送信するとともに、前記リニアソレノイドと前記電流還流部との接続を断つよう前記第2のスイッチング素子に制御信号を送信することを特徴とする。
本願の例示的な第2の発明は、リニアソレノイド制御装置であって、リニアソレノイドと、上記例示的な第1の発明に係るリニアソレノイド駆動回路とを備えることを特徴とする。
本願の例示的な第3の発明は、電子制御サスペンション用制御装置であって、上記例示的な第2の発明に係るリニアソレノイド制御装置と、車両の運動状態に応じて前記リニアソレノイドの制御電流を調整することで減衰力特性を調整可能な減衰力可変機構部を有するサスペンションとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、リニアソレノイドの駆動電流を急激に低下させた場合であっても、リニアソレノイドによる誘導電流の立下り時間を短縮して、リニアソレノイドの応答性を高めることができる。
図1は本発明の実施形態に係るリニアソレノイド駆動回路を含むリニアソレノイド制御装置の構成を示す。 図2はリニアソレノイド駆動回路における通常時と、ソレノイド駆動電流を急激に低下させる場合等とにおけるスイッチング素子の制御信号を示す図である。 図3はリニアソレノイドの駆動電流に対するクランプ電圧の変化を説明するための図である。 図4はリニアソレノイド駆動回路において電流指令値を2Aから0.15Aにしたときの電流の立下り時間を示す図である。 図5は変形例1に係るリニアソレノイド駆動回路を含むリニアソレノイド制御装置の構成例を示す図である。 図6は変形例2としてのMOSFETの構成を示す図である。 図7は変形例3に係るリニアソレノイド駆動回路を含むリニアソレノイド制御装置の構成例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るリニアソレノイド駆動回路を含むリニアソレノイド制御装置の構成を示す。
図1に示すリニアソレノイド制御装置1は、その制御装置の全体を制御する中央制御部(Central Processing Unit:CPU)2、リニアソレノイド駆動回路5、リニアソレノイド駆動回路5によって駆動されるリニアソレノイド3等を備える。電源電圧Vはリニアソレノイド3に印加されるとともに、リニアソレノイド駆動回路5の動作電源電圧でもある。
リニアソレノイド3は、例えばプランジャ(不図示)に対応する電磁コイル3aを備え、リニアソレノイド駆動回路5より電磁コイル3aへ供給される駆動電流に応じて、プランジャが所定方向へ移動する。または、リニアソレノイド3は、リニアソレノイド駆動回路5により電磁コイル3aへ供給される駆動電流に応じて発生する磁界によって、磁性体を含んだフルードの粘性を変化させる。
CPU2内の電流指令生成部11は、リニアソレノイド制御装置1の外部に設けた複数のセンサ(不図示)からの信号をもとにPWM信号のデューティ(指令DUTY)を生成する。PWM制御部12は、電流指令生成部11からの指令DUTYにしたがって、第1のスイッチング素子(FET1)23に対するON/OFF制御信号(PWM信号)を生成する。第1のスイッチング素子23はN型のMOSFETであり、ドレインがリニアソレノイド3の他方端S2に接続され、ソースが接地されている。
第1のスイッチング素子23のドレイン−ゲート間には、ツェナーダイオード13aとダイオード13bの直列回路からなるクランプ回路13が接続されている。クランプ回路13は、後述するようにリニアソレノイド3の駆動電流の急減時に発生する逆起電圧を制限(クランプ)する。
ダイオード16は電流還流用ダイオードであり、第1のスイッチング素子(FET1)21に直列に接続され、リニアソレノイド3に対して並列に接続されている。CPU2は、ドライバ部17を介して、P型のMOSFETである第2のスイッチング素子21をON/OFF制御する。
したがって、第2のスイッチング素子21がONのとき、リニアソレノイド3とダイオード16とで電流還流ループが形成され、第2のスイッチング素子21がOFFとなった場合、リニアソレノイド3とダイオード16とが切り離され、電流還流ループが開状態(オープン)となる。
リニアソレノイド3の通電電流は、電流センサ(シャント抵抗)19の両端の電位差として、例えば高精度オペアンプ等からなる電流検出部15によって検出される。検出された電流値は、CPU2へ送信される。ここでは、単一の抵抗器を使用した簡体な構成でリニアソレノイドを流れる電流を検出する。
次に、本実施形態に係るリニアソレノイド駆動回路の動作を説明する。図2は、リニアソレノイド駆動回路の通常時と、ソレノイド駆動電流を急激に低下させる場合等とにおける、第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子の制御信号を示している。
図2に示すようにリニアソレノイド3の通常時の駆動状態において、CPU2は、PWM制御部12からの制御信号(PWM信号)にしたがったデューティ比で第1のスイッチング素子23をON/OFF制御して、リニアソレノイド3に目標駆動電流を供給する。また、CPU2は第2のスイッチング素子21をONにして、上述した電流還流ループを閉状態(クローズ)にする。
すなわち、リニアソレノイド3の通常の駆動時には、第2のスイッチング素子21がONとなることで、電流還流用ダイオードであるダイオード16がリニアソレノイド3に並列に接続された状態となる。
よって、通常の駆動時に第1のスイッチング素子23がOFFとなり、リニアソレノイド3への通電電流がないときにリニアソレノイド3の両端に発生した逆起電圧(サージ電圧)は、ダイオード16の順方向電圧でクランプされる。このクランプ電圧による電流(サージ電流)は、閉状態にある電流還流ループによりダイオード16を還流してリニアソレノイド3に流れる。
なお、電流検出部15は、リニアソレノイド3の通電電流が目標電流を超えていないか等を、電流センサ(シャント抵抗)19での電圧値をもとに検出し、リニアソレノイド3への通電状態をCPU2にフィードバッグしている。
一方、リニアソレノイド3の通電電流を急激に低下させる場合、換言すれば、駆動電流の単位時間当たりの低下率を所定電流値以上とする場合、CPU2は、第1のスイッチング素子23に入力されるPWM信号が、リニアソレノイド3の駆動電流の急減時に対応させた指令値となるように制御する。
例えば、図2に示すように第1のスイッチング素子23をON/OFF制御(PWM制御)するとともに、第2のスイッチング素子21をOFFにする。これにより、リニアソレノイド3とダイオード16との接続が断たれ、上述した電流還流ループが開状態(オープン)となる。
このようなリニアソレノイド3の駆動電流の急減時あるいは急激な停止時には、第2のスイッチング素子21がOFFとなって電流還流ループが開状態となり、第1のスイッチング素子23がOFFすることによりリニアソレノイド3で発生した逆起電圧は第1のスイッチング素子23に印加される。
このとき、リニアソレノイド3で発生した逆起電圧は、クランプ回路13によって、ダイオード16の順方向電圧Vより高い電圧、すなわち、「第1のスイッチング素子23のゲートしきい値電圧VTH」+「クランプ回路13のクランプ電圧」で制限される。
また、クランプ回路13が作動することで、第1のスイッチング素子23のゲートには順方向バイアスが印加され、第1のスイッチング素子23がONとなる。その結果、リニアソレノイド3の逆起電圧に伴う誘導電流が第1のスイッチング素子23を介して回路のGND側へ導かれる。
このようにリニアソレノイド3の駆動電流の急減時等において、第1のスイッチング素子23を介して、リニアソレノイド3からの誘導電流をGND側に逃がすことで、第2のスイッチング素子23のドレイン−ゲート間に配置したクランプ回路13には僅かな電流しか流れない。そのため、クランプ回路13には定格が数mA程度のダイオード、ツェナーダイオードを使用でき、クランプ回路の低コスト化が可能となる。
図3は、リニアソレノイド3のS2端の通常駆動時のクランプ電圧と、電流を急激に低下させたときのクランプ電圧の変化を説明するための図である。通常の駆動時には、図1に示すリニアソレノイド駆動回路5において第2のスイッチング素子21がONとなって、電流還流用ダイオード16のみによるクランプ動作となる。すなわち、図1のP点の電位波形のピーク値Vは、電源電圧Vを用いると、図3(a)に示すようにV=V+Vとなる。
よって、第2のスイッチング素子21がONのときのリニアソレノイド駆動回路5におけるクランプ電圧をVCPとすると、下記の式(1)が成立する。
CP=V−V=V …(1)
一方、リニアソレノイド駆動回路5においてリニアソレノイド電流を急激に低下等させる場合、電流還流用ダイオード16による電流還流ループがなくなるため、クランプ回路13の降伏電圧(ツェナー電圧+ダイオード電圧)をVとすると、図1のP点の電位波形のピーク値Vは、図3(b)に示すようにV=V+V+VTHとなる。
よって、第2のスイッチング素子21がOFFで、電流還流ループがオープンのとき、リニアソレノイド駆動回路5におけるクランプ電圧VCPは、クランプ回路13が機能して、下記の式(2)が成立する。
CP=V−V=V+VTH …(2)
ここで、リニアソレノイド3に流れる駆動電流の時間変化量をΔI、クランプ電圧をVCP、リニアソレノイド3のインダクタンスをL、クランプ時間をtCPとすると、以下の関係式(3)が成立する。
CP=L×ΔI/VCP …(3)
式(3)から分かるように、リニアソレノイドに流れる電流のクランプ時間tCPは、クランプ回路のクランプ電圧VCPが大きいほど短くなる。上記の例では、(V+VTH)>Vであるから、本実施形態に係るリニアソレノイド駆動回路では、図1に示すクランプ回路13を設けるとともに、リニアソレノイド電流を急激に低下させたい時等において、第1および第2のスイッチング素子を図2に示すように制御することで、リニアソレノイドを流れる電流の立下りが早くなる。
したがって、リニアソレノイド3の通電電流の急減時等におけるクランプ回路13でのクランプ電圧の上昇により、図3に示す電流の立下り時間t,tは、t>tとなり、リニアソレノイド3の応答性が改善されることが分かる。
図4は、本実施形態に係るリニアソレノイド駆動回路において、リニアソレノイドのPWM駆動周波数を8KHz、駆動電流指令値の更新期間を0.25msec、電流指令値を2Aから0.15Aにしたときの電流の立下り時間を例示している。
図4に示すように、クランプ回路13を設けた場合の電流の立下り時間(符号Aで示す特性曲線)は、電流が2Aから0.15Aに低下するまでの時間が約0.5msecであった。よって、本実施形態に係るリニアソレノイド駆動回路では、電流還流用ダイオードのみによる電流の立下り時間(符号Bで示す特性曲線)に比べて、クランプ回路13を動作させたときに電流の立下り時間が大幅に改善される。
また、電流還流用ダイオードであるダイオード16のオープン故障時において、第1のスイッチング素子23のドレイン−ソース間には、図1に示すクランプ回路13を設けたことによって、ドレイン−ソース降伏(ブレークダウン)電圧以下の電圧が印加される。そのため、第1のスイッチング素子23が過電圧から保護される。
なお、図1に示すクランプ回路13は、ツェナーダイオード13aと直列にダイオード13bを接続したことで、第1のスイッチング素子23をON/OFF制御する際、ゲートを論理Hレベルにしたときに、ゲート電位がドレイン側に漏出することを防止できる。ここで、ダイオード13bは、このように漏出しない電圧レベルのツェナーダイオードでもよい。
以上説明したように、リニアソレノイド駆動回路においてリニアソレノイドの駆動電流を急激に低下させる場合、あるいは急激にOFFさせる場合、電流還流用ダイオードに接続された第2のスイッチング素子をOFFにしてリニアソレノイドと電流還流用ダイオードとの接続を断つように制御する。
こうすることで、リニアソレノイドの駆動電流を急減等させる場合、リニアソレノイドの逆起電圧による誘導電流の立下り時間が短縮され、リニアソレノイドの電流制御の応答性を高めることができる。
また、クランプ回路を第1のスイッチング素子のドレイン−ゲート間に設けたことで、電流還流用ダイオードのオープン故障時において第1のスイッチング素子の過電圧による破損を防止できる。
さらには、リニアソレノイドをON/OFF駆動する第1のスイッチング素子にN型のMOSFETを使用し、リニアソレノイド駆動回路の低電位側(LoSide)に配置することで、P型に比べて多品種で、構造的にも安価なN型MOSFETを採用できるので、リニアソレノイド駆動回路のコスト低下が可能となる。
なお、可動子を可動する構成を有するリニアソレノイド制御装置に、上述したリニアソレノイド駆動回路を採用してリニアソレノイドを駆動することで、可動子を可動するアクチュエータとしてリニアソレノイドを機能させる際、そのリニアソレノイドの駆動電流を急激に低下させたい時等における誘導電流の立下り時間を短縮して、応答性を高めることができる。
あるいは、他の構成に係るリニアソレノイドは、リニアソレノイド駆動回路により電磁コイルへ供給される駆動電流に応じて発生する磁界によって、磁性体を含んだフルードの粘性を変化させることができる。
また、車両の運動状態に応じてリニアソレノイドの制御電流を調整することで減衰力特性を調整可能な減衰力可変機構部を有するサスペンションを備えた電子制御サスペンション用制御装置に、上記のリニアソレノイド制御装置を使用する態様も可能である。
この場合、電子制御サスペンション用制御装置において、リニアソレノイドの駆動電流を急激に低下させたい時による誘導電流の立下り時間を短縮し、ショックアブソーバとしての車両のサスペンションの応答性を高めることができる。
ここで、電子制御サスペンション用制御装置を例に挙げて、リニアソレノイドの駆動電流の急激に低下等させる具体例について説明する。
電子制御サスペンション用制御装置の電子制御ユニット(Electronic Control Unit: ECU)は、サスペンションに設置したセンサでの検出値と、他のECUからのCAN通信による情報をもとに、ECU内で電流指令値を算出する。例えば、サスペンションのストローク、バネ上G、車両の前後G、横G、ヨーレイト、車速等についての種々のセンサ情報をもとに電流指令値を算出する。
より具体的には、ECUは、高車速時にサスペンションを硬くしたり、あるいはバウンス時に車体の上下動を抑制し、減速時にノーズダイブを抑制し、加速時にノーズリフトを抑制し、コーナリング時にロールを抑制するようにリニアソレノイドの駆動電流の電流指令値を算出する。
ECU内のリニアソレノイド駆動回路は、上記のように算出された電流指令値をもとに、リニアソレノイドの駆動電流を高速に変化させ、リニアソレノイドの応答性を高めるよう電流制御を行う。
本発明は上述した実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
<変形例1>
上記の実施形態に係るリニアソレノイド駆動回路では、リニアソレノイドをON/OFF駆動する第1のスイッチング素子を低電位側(LoSide)の駆動素子としたが、これに限定されない。
図5は、変形例1に係るリニアソレノイド駆動回路45の構成を示しており、CPU2内のPWM制御部12は、電流指令生成部11が生成したPWM信号の指令DUTYにしたがって、P型のMOSFETであるスイッチング素子25のON/OFF制御信号(PWM信号)を生成する。
ここでは、P型のMOSFETであるスイッチング素子25を高電位側(HiSide)に配置して、リニアソレノイド3を駆動する。そのため、スイッチング素子25は、ソースが電源(電源電圧V)に接続され、ドレインがリニアソレノイド3の一方端S1に接続されている。
また、スイッチング素子25のドレイン−ゲート間には、ツェナーダイオード13aとダイオード13bの直列回路からなるクランプ回路13が接続されている。クランプ回路13は、ソレノイド駆動電流の急激な低下時等にスイッチング素子25に印加される逆起電圧を制限(クランプ)する。
さらにリニアソレノイド駆動回路45では、ダイオード接続したN型MOSFET26をリニアソレノイド3と並列に接続し、それを電流還流用ダイオードとして使用する。スイッチング素子27のゲートしきい値電圧がCPU2のポート出力のハイレベルより低い場合、図5に示すようにCPU2のポート出力で直接、スイッチング素子27のON/OFFを切換える。
スイッチング素子27のON/OFF制御については、上記の構成に限定されず、例えばCPU2が3.3V駆動の場合、スイッチング素子27のゲートに電源電圧Vを印加してスイッチング素子27をONにし、あるいはゲートをハイインピーダンス、またはGNDレベルにしてスイッチング素子27をOFFにする切換え機能を有するドライバ部を設けてもよい。
リニアソレノイド駆動回路45の通常の動作時には、スイッチング素子27がON状態となり、電流還流用ダイオードとしてのN型MOSFET26がリニアソレノイド3と並列に接続される。一方、リニアソレノイド3の駆動電流の急減時等では、スイッチング素子27がOFF状態となるように制御して、リニアソレノイド3からN型MOSFET26を切り離す。
このように、高電位側(HiSide)に配置したスイッチング素子25によりリニアソレノイドの通電を駆動する構成とした場合においても、リニアソレノイドに流れる電流の急激な低下時等に発生する逆起電圧を、「HiSide駆動素子のゲートしきい値電圧VTH」+「クランプ回路13のクランプ電圧」によって制限することができる。
<変形例2>
上記実施形態では、電流還流用ダイオードとして、ディスクリート部品(単体部品)であるダイオード16を使用したが、それに代えて、例えば、図6(a)に示すようにダイオード接続したN型のMOSFET(スイッチング素子)を使用してもよい。すなわち、上記の実施形態において、N型のMOSFETからなる第1のスイッチング素子23とともに、ダイオード16に代えて、ダイオード接続したN型のMOSFETを使用する。
これにより、同一パッケージ内に複数のN型MOSFETを内蔵したデバイスを採用して、それら複数のN型MOSFETを第1のスイッチング素子23、およびダイオード接続した素子として使用できる。その結果、リニアソレノイド駆動回路の基板実装スペースを低減した省スペース化のみならず、低コスト化ができる。
また、図5に示す変形例1に係るリニアソレノイド駆動回路45において、ダイオード接続したN型のMOSFET26に代えて、図6(b)に示すようにP型のMOSFETをダイオード接続した態様で使用してもよい。こうすることで、P型のMOSFETからなるスイッチング素子25とMOSFET26を使用して、同一パッケージ内に複数のP型MOSFETを内蔵したデバイスを採用でき、リニアソレノイド駆動回路の基板実装スペースを低減した省スペース化が可能となる。
<変形例3>
図7は、変形例3に係るリニアソレノイド駆動回路の構成例である。変形例3に係るリニアソレノイド駆動回路55は、上述した実施形態のリニアソレノイド駆動回路に対して、電源電圧Vを昇圧する昇圧部30を設けるとともに、P型のMOSFETからなる第2のスイッチング素子21に代えて、N型MOSFETのスイッチング素子31を使用した構成を有する。
ドライバ部33はCPU2からの制御信号を受け、スイッチング素子31のゲートにバッテリ電圧を昇圧した電圧を印加して、スイッチング素子31をONにすることで、ダイオード接続したMOSFET36が電流還流用ダイオードとしてリニアソレノイド3と並列に接続される。
一方、リニアソレノイド3の駆動電流を急激に低下させたい時等において、スイッチング素子31のゲートをハイインピーダンス、またはゲートにGNDレベルの電圧を印加してスイッチング素子31をOFFにして、リニアソレノイド3とMOSFET36との接続を断つようドライバ部33を制御する。こうすることで、クランプ回路13によって、スイッチング素子23に印加されるリニアソレノイド3で発生した逆起電圧を制限する。
さらには、上記実施形態における第2のスイッチング素子21をN型のMOSFET(スイッチング素子31)に代えたことで、昇圧部30からの高電圧出力によってスイッチング素子31の制御が可能となり、P型に比べて低廉なN型MOSFETの採用によるコスト低減が可能となる。
また、図7のリニアソレノイド駆動回路55の場合、第1のスイッチング素子23がN型のMOSFETであり、さらに、第2のスイッチング素子のN型MOSFETへの変更と併せて、電流還流用ダイオードとして、ダイオード接続したN型MOSFET36を使用することができる。その結果、これらのN型MOSFETとして、同一パッケージに内蔵された複数のN型MOSFETを使用でき、基板実装スペースの低減と低コスト化が可能となる。
なお、同一パッケージ内にN型のMOSFETとP型のMOSFETとが収容されたデバイスを採用し、それらのMOSFETを適宜、組み合わせて、上述したダイオード接続してなる整流素子、第1のスイッチング素子、および第2のスイッチング素子として使用する構成も可能である。
1,41,51 リニアソレノイド制御装置
2 中央制御部(Central Processing Unit:CPU)
3 リニアソレノイド
3a 電磁コイル
5,45,55 リニアソレノイド駆動回路
11 電流指令生成部
12 PWM制御部
13 クランプ回路
13a ツェナーダイオード
13b ダイオード
16 電流還流用ダイオード
17,33 ドライバ部
19 電流検出用抵抗(シャント抵抗)
21 第1のスイッチング素子(FET1)
23 第2のスイッチング素子(FET2)
電源電圧

Claims (13)

  1. リニアソレノイドを駆動するリニアソレノイド駆動回路であって、
    前記リニアソレノイドの駆動電流を制御する第1のスイッチング素子と、
    前記リニアソレノイドと前記第1のスイッチング素子との接続部と、該第1のスイッチング素子の制御信号入力部との間に配置したクランプ部と、
    第2のスイッチング素子と該第2のスイッチング素子に直列に接続された整流素子とからなり、かつ前記リニアソレノイドと並列に接続された電流還流部と、
    前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子へ制御信号を供給する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記リニアソレノイドへの駆動電流を急減する場合、該急減に対応する制御信号を前記第1のスイッチング素子へ送信するとともに、前記リニアソレノイドと前記電流還流部との接続を断つよう前記第2のスイッチング素子に制御信号を送信することを特徴とするリニアソレノイド駆動回路。
  2. 前記クランプ部は、前記第2のスイッチング素子をOFFした場合の前記リニアソレノイドの駆動電流にともなって発生する電圧を制限することを特徴とする請求項1に記載のリニアソレノイド駆動回路。
  3. 前記制御部は、前記第2のスイッチング素子をONにすることで、前記整流素子と前記リニアソレノイドとによって電流還流ループを形成することを特徴とする請求項1に記載のリニアソレノイド駆動回路。
  4. 前記整流素子は、ダイオード、あるいはダイオード接続したN型またはP型のMOSFETであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリニアソレノイド駆動回路。
  5. 前記第1のスイッチング素子は前記リニアソレノイドと当該リニアソレノイド駆動回路のグランドとの間に配置されたN型のMOSFETであることを特徴とする請求項1に記載のリニアソレノイド駆動回路。
  6. 前記クランプ部は前記N型のMOSFETのドレイン−ゲート間に配置したダイオードとツェナーダイオードとの直列回路、または、互いに極性が逆向きのツェナーダイオードの直列回路からなることを特徴とする請求項5に記載のリニアソレノイド駆動回路。
  7. 前記第1のスイッチング素子は前記リニアソレノイドと当該リニアソレノイド駆動回路の電源との間に配置されたP型のMOSFETであることを特徴とする請求項1に記載のリニアソレノイド駆動回路。
  8. 前記クランプ部は前記P型のMOSFETのドレイン−ゲート間に配置したダイオードとツェナーダイオードとの直列回路、または、互いに極性が逆向きのツェナーダイオードの直列回路からなることを特徴とする請求項7に記載のリニアソレノイド駆動回路。
  9. 前記クランプ部の電圧制限動作時に前記第1のスイッチング素子がONになることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のリニアソレノイド駆動回路。
  10. 前記ダイオード接続された前記整流素子、前記第1のスイッチング素子、および前記第2のスイッチング素子は、同一パッケージ内に収容された複数のN型のMOSFET、同一パッケージ内に収容された複数のP型のMOSFET、あるいは前記N型のMOSFETと前記P型のMOSFETとの組み合わせによって構成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のリニアソレノイド駆動回路。
  11. 前記リニアソレノイドと直列に接続されたシャント抵抗からなる電流検出部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のリニアソレノイド駆動回路。
  12. リニアソレノイドと、
    前記リニアソレノイドを駆動する請求項1〜11のいずれか1項に記載のリニアソレノイド駆動回路と、
    を備えることを特徴とするリニアソレノイド制御装置。
  13. 請求項12に記載のリニアソレノイド制御装置と、
    車両の運動状態に応じて前記リニアソレノイドの制御電流を調整することで減衰力特性を調整可能な減衰力可変機構部を有するサスペンションと、
    を備えることを特徴とする電子制御サスペンション用制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023195814A1 (ko) * 2022-04-08 2023-10-12 엘지이노텍 주식회사 솔레노이드 제어기

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