JP2020136555A - 加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加工物の加工順序やカーフチェックを実施する箇所が適切に設定されているかを容易に確認できる加工装置を提供すること。【解決手段】分割予定ラインの位置及び複数の分割予定ラインの加工順序を加工条件データとして登録する加工条件データ登録手段82と、加工条件データに基づいて加工される予定の位置を仮想線として生成する仮想線生成手段83と、パッケージ基板100を表示ユニット90で表示する際に、パッケージ基板100の画像と仮想線と加工順序の順序情報とを重ねて表示する表示制御部81とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、加工装置に関する。
一般に、表面にデバイス領域が複数の分割予定ラインによって区画されて形成された被加工物をチャックテーブルに保持した状態で加工手段によって該分割予定ラインに沿って加工溝を形成する加工装置が知られている。この種の加工装置では、加工溝を形成する予定位置と分割予定ラインとのずれの有無を加工前に確認したいという要望がある。このため、従来、レーザーが照射される予定ラインと分割予定ラインとを重ねて表示することにより、レーザー加工溝が形成される予定位置を視覚的に確認できるレーザー加工装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−146403号公報
ところで、被加工物として、CSP(Chip Size Package)基板やQFN(Quad Flat Non-leaded Package)基板と呼ばれる、複数のデバイスチップを樹脂等で封止したパッケージ基板が用いられることもあり、一般に、パッケージ基板は、複数のデバイスチップをそれぞれ含む複数のデバイス領域と各デバイス領域を囲む余剰領域とで構成される。例えば、パッケージ基板を分割予定ラインに沿って切削加工する場合に、余剰領域を先に切削して除去するか、デバイス領域から切削するか等、加工順序が重要な要素になることがある。また特定の位置でカーフチェックをしたい場合、現在の設定がどこの箇所でカーフチェックを行うことになっているのかが分かりにくいという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被加工物の加工順序やカーフチェックを実施する箇所が適切に設定されているかを容易に確認できる加工装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、表面にデバイス領域が複数の分割予定ラインによって区画されて形成された被加工物をチャックテーブルに保持した状態で加工手段によって該分割予定ラインに沿って加工溝を形成する加工装置であって、該チャックテーブルに保持された被加工物を撮像する撮像手段と、該撮像手段で撮像した画像を表示する表示手段と、該分割予定ラインの位置及び複数の該分割予定ラインの加工順序を加工条件データとして登録する加工条件データ登録手段と、該加工条件データに基づいて加工される予定の位置を仮想線として生成する仮想線生成手段と、各機能を制御する制御手段と、を備え、該制御手段は、該チャックテーブルに保持された被加工物を該表示手段で表示する際に、該被加工物の画像と該仮想線と該加工順序とを重ねて表示させ、該仮想線と該分割予定ラインとの位置関係及び該加工順序を画像で確認可能とすることを特徴とするものである。
この構成において、該加工溝を撮像する撮像位置を登録する撮像位置登録手段と、撮像された画像から加工の良否を判定する検査手段と、を更に備え、該チャックテーブルに保持された被加工物を該表示手段で表示する際に、該撮像位置を識別可能に表示してもよい。
本発明によれば、被加工物の画像と加工予定位置の仮想線と加工順序とが重ねて表示されるため、加工順序やカーフチェックを実施する箇所が適切に設定されているかを容易に確認できる。
図1は、実施形態1に係る切削装置の構成例を模式的に示す外観斜視図である。 図2は、実施形態1に係る切削装置で加工されるパッケージ基板の構成例を模式的に示す平面図である。 図3は、パッケージ基板の構成例を模式的に示す底面図である。 図4は、パッケージ基板の構成例を模式的に示す側面図である。 図5は、パッケージ基板の画像に仮想線情報を重畳した表示例を示す図である。 図6は、実施形態2に係る切削装置の治具チャックテーブルを示す斜視図である。 図7は、パッケージ基板の画像に仮想線情報を重畳した表示例を示す図である。 図8は、パッケージ基板の画像に仮想線情報を重畳した拡大表示例を示す図である。 図9は、パッケージ基板の画像に仮想線情報を重畳した拡大表示例を示す図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る切削装置の構成例を模式的に示す外観斜視図である。図2は、実施形態1に係る切削装置で加工されるパッケージ基板の構成例を模式的に示す平面図である。図3は、パッケージ基板の構成例を模式的に示す底面図である。図4は、パッケージ基板の構成例を模式的に示す側面図である。切削装置(加工装置)1は、パッケージ基板(被加工物)100を切削加工して個々のパッケージデバイスに分割する。
パッケージ基板100は、CSP基板やQFN基板のようなパッケージ基板であり、図2〜図4に示すように、平面視で矩形状に形成された基板101を含む。この基板101は、例えば、42アロイ(鉄とニッケルとの合金)や銅等の金属で構成されている。基板101の表面101a及び裏面101b側は、それぞれ複数(本実施形態では、3個)のデバイス領域102と、各デバイス領域102を囲む余剰領域103とに分けられている。基板101の表面101a側のデバイス領域102は、それぞれ交差する複数の分割予定ライン104で更に複数の領域に区画されており、各領域には、IC(Integrated Circuit)やLED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等のデバイスを含むデバイスチップ105が配置されている。表面101a側のデバイス領域102には、それぞれ封止樹脂層(モールド樹脂部)106が形成されており、デバイス領域102に配置されたデバイスチップ105は、この封止樹脂層106によって覆われている。また、表面101a側の余剰領域103には、分割予定ライン104の位置を示すためのマーカー107が形成されている。
各デバイスチップ105の裏面側(基板101の裏面101b側)には、ステージ108が配置されている。各ステージ108の周囲には、金属等の材料でなる複数の構造体109が分割予定ライン104に重ねて形成されている。この構造体109は、基板101の裏面101b側に露出するとともに、金属ワイヤー(不図示)等を介してデバイスチップ105の電極に接続されている。1個の構造体109には、この構造体109を挟んで隣接する2個のステージ108にそれぞれ配置されたデバイスチップ105の電極が接続される。例えば、分割予定ライン104に沿ってパッケージ基板100を切断し、デバイスチップ105が封止されたパッケージデバイスを形成する際には、この構造体109も分断される。分断後の構造体109は、各パッケージデバイスの電極となる。
なお、本実施形態では、平面視で矩形状に形成された基板101の表面101a側に封止樹脂層106を有するパッケージ基板100を用いるが、パッケージ基板の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。同様に、デバイスチップや構造体の種類、数量、材質、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
切削装置1は、図1に示すように、チャックテーブル10と、切削ユニット(加工手段)20と、加工送りユニット30と、割り出し送りユニット40と、切り込み送りユニット50と、カセットエレベータ60と、洗浄ユニット70と、制御ユニット(制御手段)80とを備えて概略構成されている。
チャックテーブル10は、パッケージ基板100を吸引して保持する。本実施形態では、パッケージ基板100は、裏面側にダイシングテープ110が貼着され、このダイシングテープ110に環状フレーム111が貼着される。これにより、パッケージ基板100は、ダイシングテープ110を介して環状フレーム111に支持される。
チャックテーブル10は、直方体状の装置本体2の上面に配置されており、パッケージ基板100が載置されて吸引される保持面11と、この保持面11の外周側に複数配置されるクランプ部12とを有している。チャックテーブル10は、保持面11を構成する部分がポーラスセラミック等から形成された円盤形状であり、真空吸引経路(不図示)を介して真空吸引源(不図示)と接続され、保持面11に載置されたパッケージ基板100を吸引することで保持する。クランプ部12は、パッケージ基板100を支持する環状フレーム111を固定する。チャックテーブル10は、加工送りユニット30により装置本体2の上面に形成された開口部2a内をX軸方向(加工送り方向)に移動自在であるとともに、回転駆動源(不図示)によりZ軸方向(鉛直方向)と平行な軸心回りに回転される。
切削ユニット20は、チャックテーブル10に保持されたパッケージ基板100を切削加工する。装置本体2の上面には開口部2aをY軸方向(割り出し送り方向)に跨ぐように支持構造3が設けられる。切削ユニット20は、支持構造3に割り出し送りユニット40及び切り込み送りユニット50を介して取り付けられている。本実施形態では、切削装置1は、図1に示すように、切削ユニット20を2つ備えた構成であるが、切削ユニット20を1つ備えた構成であってもよい。
切削ユニット20は、回転駆動される図示しないスピンドルに装着された切削ブレード21を備え、この切削ブレード21が回転しつつ、チャックテーブル10(パッケージ基板100)をX軸方向に加工送りすることにより、パッケージ基板100をX軸方向に沿って切削する。その後、切削ユニット20は、割り出し送りユニット40によって、例えば、Y軸方向に所定ピッチで順次割り出し送りされ、このピッチ間隔でパッケージ基板100をX軸方向に沿って繰り返し切削する。
また、切削ユニット20には、パッケージ基板100を撮像する撮像部(撮像手段)22が一体的に移動するように固定されている。撮像部22は、チャックテーブル10に保持されたパッケージ基板100の上面を撮像するCCDカメラを備えて構成され、例えば、パッケージ基板100の分割予定ライン104と切削ブレード21とのアライメントを行うための画像やパッケージ基板100の部分画像を取得する。このパッケージ基板100の部分画像は、制御ユニット80にてパッケージ基板100全体画像の生成に利用される。
加工送りユニット30は、チャックテーブル10と切削ユニット20とをX軸方向に相対移動させるものである。加工送りユニット30は、X軸方向に延在される図示しないボールねじやモータ等の駆動源を有しており、チャックテーブル10を支持する移動基台31をX軸方向に移動させる。また、加工送りユニット30は、開口部2aに配設されて移動基台31の前後に連結されてX軸方向に延在する蛇腹部材32と備える。
割り出し送りユニット40は、チャックテーブル10と切削ユニット20とをY軸方向に相対移動させるものである。割り出し送りユニット40は、Y軸方向に延在された一対のガイドレール41と、ガイドレール41と平行に配設されたボールねじ42と、ボールねじ42に螺合された図示しないナットに固定され、ガイドレール41にスライド自在に配設されたY軸移動基台43と、ボールねじ42を回転させるモータ44とを備えている。割り出し送りユニット40は、モータ44によりボールねじ42を回転させることにより、切削ユニット20及び切り込み送りユニット50を支持するY軸移動基台43をY軸方向に移動させる。
切り込み送りユニット50は、チャックテーブル10の保持面11と直交するZ軸方向に切削ユニット20を移動させるものである。切り込み送りユニット50は、Z軸方向に延在され、Y軸移動基台43に固定された一対のガイドレール51と、ガイドレール51と平行に配設されたボールねじ52と、ボールねじ52に螺合された図示しないナットに固定され、ガイドレール51にスライド自在に配設されたZ軸移動基台53と、ボールねじ52を回転させるモータ54とを備えている。切り込み送りユニット50は、モータ54によりボールねじ52を回転させることにより、切削ユニット20を支持するZ軸移動基台53をZ軸方向に移動させる。
カセットエレベータ60は、装置本体2に対して、複数のパッケージ基板100が収容されるカセット61を鉛直方向に昇降可能に支持している。洗浄ユニット70は、切削ユニット20により切削されたパッケージ基板100をスピンナテーブル71で保持して洗浄する。
制御ユニット80は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有し、ROM(read only memory)に記憶されているコンピュータプログラムをRAM(random access memory)上で実行して、切削装置1の各構成要素を制御する。制御ユニット80は、図1に示すように、表示制御部81と、加工条件データ登録手段82と、仮想線生成手段83と、撮像位置登録手段84と、検査手段85と、記憶手段86とを備えている。また、制御ユニット80には、加工動作の状態や各種の情報入力画面などを表示する液晶表示装置などにより構成される表示ユニット(表示手段)90が接続されている。この表示ユニット90は、液晶表示装置に重ねてタッチパネルを有し、このタッチパネルは、各種情報の入力を実行する情報入力部として機能する。なお、タッチパネルの他にキーボードなどの情報入力部を別途備えてもよい。
表示制御部81は、表示ユニット90に表示される画像情報を制御する。表示制御部81は、チャックテーブル10に保持されたパッケージ基板100を部分的に順次、撮像部22で撮像し、これら撮像画像を合成してパッケージ基板100全体の画像を表示ユニット90に表示する。また、パッケージ基板100の画像に、仮想線生成手段83で生成された仮想線情報を重畳して表示ユニット90に表示する。
加工条件データ登録手段82は、パッケージ基板100を切削加工する際の各種加工条件データを登録する。加工条件データとしては、加工対象となるパッケージ基板100の種類(大きさを含む)、デバイス領域102の数、デバイス領域102間のピッチ、分割予定ライン104の位置(アライメント時の基準となる基準マーカー107の位置)、分割予定ライン104間のピッチ、パッケージ基板100の短手方向及び長手方向に延びる分割予定ライン104の本数などを含む。また、パッケージ基板100の場合には、切削加工した際に余剰領域103が端材として発生するため、分割予定ラインをどのような順序で加工するかを示す加工順序を加工条件データとして登録している。加工条件データ登録手段82に登録された加工順序を含む加工条件データは、例えば、表示ユニット80に表示された画面上のタッチ操作によって修正または変更が可能である。
仮想線生成手段83は、加工条件データ登録手段82に登録された加工条件データに基づいて、加工溝が形成される予定位置を示す表示ユニット90に表示するための仮想線情報を生成する。この仮想線情報には、加工予定位置に加えて加工順序を示す情報を追加してもよい。また、加工溝のカーフチェック(加工の品質判定)される予定の分割予定ライン104の撮像位置情報を取得して、加工予定位置に加えてカーフチェック対象の情報を追加してもよい。
撮像位置登録手段84は、カーフチェックを実施する際に対象の加工溝を撮像する撮像位置を登録する。対象の加工溝は予め設定することができ、すべての加工溝を対象とすることもできる。本実施形態では、例えば、加工順序が5番目、10番目、15番目・・・の加工溝が登録されている。加工溝の撮像位置は、同一の加工溝上の1点または複数点が設定され、各点の座標情報(X軸座標、Y軸座標)が登録される。
検査手段85は、撮像位置登録手段84で登録された位置で対象の加工溝を撮像した画像から加工の良否を判定する。具体的には、加工溝の位置、加工溝の幅、加工溝の欠け(チッピング)の大きさを検査し、加工溝の位置や幅、欠けの大きさが許容範囲内にあるか否かを判定する。記憶手段86は、余剰領域103に形成されたマーカー107を検出するためのマーカー形状などが記憶されている。
次に、本実施形態に係る切削装置1の動作について説明する。図5は、パッケージ基板の画像に仮想線情報を重畳した表示例を示す図である。まず、パッケージ基板100をチャックテーブル10に吸引保持させる。例えば、オペレータは、環状フレーム111に支持されたパッケージ基板100をチャックテーブル10に載置する。チャックテーブル10にパッケージ基板100が載置された状態で、クランプ部12により環状フレーム111を挟持し、真空吸引源の負圧によりパッケージ基板100をチャックテーブル10の保持面11にダイシングテープ110を介して吸引保持する。
次に、パッケージ基板100のアライメントを実施する。制御ユニット80は、例えば、X軸方向に位置する複数のマーカー107を撮像部22で検出し、検出した複数のマーカー107がX軸方向と平行な同一直線上に位置するように制御する。例えば、制御ユニット80は、図2に示すパッケージ基板100の短手方向とX軸方向とを概ね合わせ、X軸方向の所定の基準位置に位置する複数の基準マーカー107を撮像部22で検出し、検出した複数の基準マーカー107がX軸方向と平行な同一直線上に位置するようにチャックテーブル10を回転させて角度調整する。この場合、パッケージ基板100上にX軸及びY軸の基準点を形成する。例えば、図2において、X軸方向の最も下端の分割予定ライン104XとY軸方向の最も右端の分割予定ライン104Yとの交点を基準点Pとする。
次に、表示制御部81は、アライメントされたパッケージ基板100を撮像部22によって該パッケージ基板100をX軸方向並びにY軸方向に沿って、順次部分的に撮像し、これら撮像画像を合成してパッケージ基板100全体の画像を生成する。この場合にも、画像におけるX軸方向の最も右端の分割予定ライン104XとY軸方向の最も下端の分割予定ライン104Yとの交点を基準点Pとする。
次に、仮想線生成手段83は、加工条件データ登録手段82に登録された加工条件データに基づいて、加工溝が形成される予定位置を示す仮想線情報を生成する。仮想線生成手段83は、パッケージ基板100に形成されたデバイス領域102の数、デバイス領域102間のピッチ、パッケージ基板100の短手方向及び長手方向に延びる分割予定ライン104の本数などの各種情報に基づいて仮想線情報を示す仮想線画像を生成する。この仮想線画像には、分割予定ライン104の加工順序を示す順序情報と、カーフチェックを実施する予定の分割予定ライン104を示すカーフチェック情報とが追加されている。
表示制御部81は、図5に示すように、パッケージ基板100の画像120の上に仮想線画像130を重ねて表示ユニット90に表示する。表示制御部81は、パッケージ基板100の画像120における基準点PをX軸、Y軸上の原点(ゼロ)とし、Y軸方向における最も右端の分割予定ライン104YをX軸上に配置し、X軸方向における最も下端の分割予定ライン104XをY軸上に配置する。さらに、仮想線生成手段83により生成された仮想線画像130のY軸方向における最も右端の仮想線131YをX軸に、X軸方向における最も下端の仮想線131XをY軸にそれぞれ重ねて表示する。これにより、パッケージ基板100の画像120の分割予定ライン104上に仮想線131が重ねられて表示される。オペレータは、すべての分割予定ライン104上に仮想線131が重ねて表示されているかを視覚的に確認する。
例えば、すべての仮想線131が分割予定ライン104からずれて表示されている場合には、アライメント時に取得した基準点Pの座標位置を再調整することにより、すべての仮想線131が分割予定ライン104に重なるように調整する。また、一部の仮想線131が分割予定ライン104からずれて表示されている場合には、利用した加工条件データがパッケージ基板100に適合したものであるかを確認し、パッケージ基板100に適合した加工条件データを利用して再度、パッケージ基板100の画像120の上に仮想線画像130を重ねて表示ユニット90に表示する。
さらに、本実施形態では、表示制御部81は、各仮想線131の端部に該仮想線131が重ねられた分割予定ライン104の加工順序を示す順序情報132と、加工後にカーフチェックを実施する分割予定ライン104の位置を示すカーフチェック情報133とを表示する。オペレータは、分割予定ライン104の加工順序が適正であるか、また、カーフチェックを実施する分割予定ライン104の位置が適正であるかを確認する。
分割予定ライン104の加工順序が適正でない場合には、加工順序が適正となるように調整する。図5の例では、パッケージ基板100の長手方向に延びる分割予定ラインを順序に従って切削し、その後、パッケージ基板100の向きを90度回転させた後、パッケージ基板100の短手方向に延びる分割予定ライン104を順序に従って切削するようになっている。本実施形態のように、パッケージ基板100がダイシングテープ110を介して環状フレーム111に支持された構成では、余剰領域103を切削した際に生じる端材がダイシングテープ110に粘着されたまま残る。このため、パッケージ基板100の長手方向及び短手方向に延びる分割予定ライン104を順次切削することで加工効率の向上を図ることが可能となる。
カーフチェックを実施する分割予定ライン104の位置が適正でない場合には、適正な位置の分割予定ライン104をカーフチェック対象に設定する。図5の例では、加工順序が5、10、15、20番目の分割予定ライン104をカーフチェック対象と設定されている。この場合、加工順序が10番目の分割予定ライン104のカーフチェックを取り消す場合には、例えば、この分割予定ライン104のカーフチェック情報133の表示をタッチすると、表示ユニット90上に該分割予定ライン104のカーフチェックの取り消しを許可する画面が表示される。この画面上でカーフチェックの取り消しの許可が入力されると、加工条件データ登録手段82に登録された加工条件データが修正され、カーフチェックの取り消しを実行できる。また、反対に、未対象の加工順序が11番目の分割予定ライン104のカーフチェック対象として新たに設定する場合には、この分割予定ライン104の仮想線131の表示をタッチすると、表示ユニット90上に該分割予定ライン104のカーフチェックの設定を許可する画面が表示される。この画面上でカーフチェックの設定の許可が入力されると、加工条件データ登録手段82に登録された加工条件データが修正され、カーフチェック対象として設定できる。
オペレータは、すべての分割予定ライン104上に仮想線131が重ねて表示され、分割予定ライン104の加工順序が適正であり、カーフチェックを実施する分割予定ライン104の位置が適正であることを確認すると、切削加工動作を実行する。そして、切削加工が終了すると対象の分割予定ライン104に対してカーフチェックが実行される。
[実施形態2]
図6は、実施形態2に係る切削装置の治具チャックテーブルを示す斜視図である。図7は、パッケージ基板の画像に仮想線情報を重畳した表示例を示す図である。図6及び図7において、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。上記した実施形態1では、切削装置1は、保持面11を構成する部分がポーラスセラミック等から形成されたチャックテーブル10を備え、パッケージ基板100をチャックテーブル10の保持面11にダイシングテープ110を介して吸引保持する構成について説明したが、実施形態2では、図6に示すように、切削装置1Aは、パッケージ基板100の裏面101bを直接吸引保持する治具チャックテーブル140を備える。この治具チャックテーブル140は、チャックテーブル10と同様に回転駆動源(不図示)によりZ軸方向(鉛直方向)と平行な軸心回りに回転可能となっている。
治具チャックテーブル140は、移動基台31の上面に保持部141を設けている。保持部141は、パッケージ基板100の裏面101bが載置される保持面142を備える。保持面142は、パッケージ基板100のデバイスチップ105と1対1で対応して設けられた吸引孔143と、分割予定ライン104と1対1で対応して設けられ、かつ切削ブレード21(図1)が侵入可能な逃げ溝144とを備えている。治具チャックテーブル140は、各吸引孔143上に対応するデバイスチップ105が位置し、各逃げ溝144上に対応する分割予定ライン104が位置した状態で保持面142上にパッケージ基板100(基板101)の裏面101bが載置される。治具チャックテーブル140は、吸引源により吸引孔143内が吸引されることで、保持面142上にパッケージ基板100の裏面101bを直接吸引保持する。
本実施形態では、パッケージ基板100は、デバイス領域102のデバイスチップ105は、保持面142の吸引孔143により吸引されて保持されるものの、余剰領域103は吸引保持されていないため、切削された余剰領域103は端材としてパッケージ基板100から離脱する。この際、余剰領域103が細かく切削されると、細かな端材がデバイス領域102上に飛び、封止樹脂層106ごとデバイスチップ105に損傷を与えるおそれがある。このため、オペレータは、治具チャックテーブル140で保持されたパッケージ基板100の加工順序を確認しておくことがより好ましい。
次に、本実施形態に係る切削装置1Aの動作について説明する。まず、パッケージ基板100を治具チャックテーブル140に吸引保持させる。例えば、オペレータは、パッケージ基板100を治具チャックテーブル140の保持面142上に載置する。この際、保持面142の各吸引孔143上に対応するデバイスチップ105が位置し、各逃げ溝144上に対応する分割予定ライン104が位置した状態で保持面142上にパッケージ基板100の裏面101bが載置される。そして、真空吸引源の負圧によりパッケージ基板100を治具チャックテーブル140の保持面142に吸引保持する。
次に、パッケージ基板100のアライメントを実施する。制御ユニット80は、例えば、X軸方向に位置する複数のマーカー107(図2)を撮像部22で検出し、検出した複数のマーカー107がX軸方向と平行な同一直線上に位置するように制御する。例えば、制御ユニット80は、図2に示すパッケージ基板100の短手方向とX軸方向とを概ね合わせ、X軸方向の所定の基準位置に位置する複数の基準マーカー107を撮像部22で検出し、検出した複数の基準マーカー107がX軸方向と平行な同一直線上に位置するように治具チャックテーブル140を回転させて角度調整する。この場合、パッケージ基板100上にX軸及びY軸の基準点を形成する。例えば、図2において、X軸方向の最も下端の分割予定ライン104XとY軸方向の最も右端の分割予定ライン104Yとの交点を基準点Pとする。
次に、表示制御部81は、アライメントされたパッケージ基板100を撮像部22によって該パッケージ基板100をX軸方向並びにY軸方向に沿って、順次部分的に撮像し、これら撮像画像を合成してパッケージ基板100全体の画像を生成する。この場合にも、画像におけるX軸方向の最も右端の分割予定ライン104XとY軸方向の最も下端の分割予定ライン104Yとの交点を基準点Pとする。
次に、仮想線生成手段83は、加工条件データ登録手段82に登録された加工条件データに基づいて、加工溝が形成される予定位置を示す仮想線情報を生成する。仮想線生成手段83は、パッケージ基板100に形成されたデバイス領域102の数、デバイス領域102間のピッチ、パッケージ基板100の短手方向及び長手方向に延びる分割予定ライン104の本数などの各種情報に基づいて仮想線情報を示す仮想線画像を生成する。この仮想線画像には、分割予定ライン104の加工順序を示す順序情報と、カーフチェックを実施する予定の分割予定ライン104を示すカーフチェック情報とが追加されている。
表示制御部81は、図7に示すように、パッケージ基板100の画像120の上に仮想線画像130を重ねて表示ユニット90(図1)に表示する。表示制御部81は、パッケージ基板100の画像120における基準点PをX軸、Y軸上の原点(ゼロ)とし、Y軸方向における最も右端の分割予定ライン104YをX軸上に配置し、X軸方向における最も下端の分割予定ライン104XをY軸上に配置する。さらに、仮想線生成手段83により生成された仮想線画像130のY軸方向における最も右端の仮想線131YをX軸に、X軸方向における最も下端の仮想線131XをY軸にそれぞれ重ねて表示する。これにより、パッケージ基板100の画像120の分割予定ライン104上に仮想線131が重ねられて表示される。オペレータは、すべての分割予定ライン104上に仮想線131が重ねて表示されているかを視覚的に確認する。
例えば、すべての仮想線131が分割予定ライン104からずれて表示されている場合には、アライメント時に取得した基準点Pの座標位置を再調整することにより、すべての仮想線131が分割予定ライン104に重なるように調整する。また、一部の仮想線131が分割予定ライン104からずれて表示されている場合には、利用した加工条件データがパッケージ基板100に適合したものであるかを確認し、パッケージ基板100に適合した加工条件データを利用して再度、パッケージ基板100の画像120の上に仮想線画像130を重ねて表示ユニット90に表示する。
さらに、本実施形態では、表示制御部81は、各仮想線131の端部に該仮想線131が重ねられた分割予定ライン104の加工順序を示す順序情報132と、加工後にカーフチェックを実施する分割予定ライン104の位置を示すカーフチェック情報133とを表示する。オペレータは、分割予定ライン104の加工順序が適正であるか、また、カーフチェックを実施する分割予定ライン104の位置が適正であるかを確認する。
分割予定ライン104の加工順序が適正でない場合には、加工順序が適正となるように調整する。図5の例では、パッケージ基板100の長手方向の余剰領域103を切り落とし、パッケージ基板100の向きを90度回転させた後、パッケージ基板100の長手方向の余剰領域103を順次切り落とす。そして、デバイス領域102が残存したパッケージ基板100の短手方向に延びる分割予定ライン104を順序に従って切削し、その後、再び、パッケージ基板100の向きを90度回転させた後、パッケージ基板100の長手方向に延びる分割予定ライン104を順序に従って切削するようになっている。本実施形態では、パッケージ基板100は、治具チャックテーブル140に直接吸引保持されているため、余剰領域103を切削して切り落とすことにより、デバイス領域102を切削加工中に余剰領域103の端材がデバイス領域102に落ちてデバイスチップ105を損傷することを防止できる。また、複雑な加工順序を表示することで加工順序を容易に確認することができる。
カーフチェックを実施する分割予定ライン104の位置が適正でない場合には、適正な位置の分割予定ライン104をカーフチェック対象に設定する。図7の例では、加工順序が5、10、15、20番目の分割予定ライン104をカーフチェック対象と設定されている。ただし、余剰領域103を先に切削するため、加工順序を5つおきとしても、分割予定ライン104を等間隔にカーフチェックできるものではない。このため、例えば、加工順序が5番目の分割予定ライン104のカーフチェックを取り消す場合には、この分割予定ライン104のカーフチェック情報133の表示をタッチする。すると、表示ユニット90上に該分割予定ライン104のカーフチェックの取り消しを許可する画面が表示される。この画面上でカーフチェックの取り消しの許可が入力されると、加工条件データ登録手段82に登録された加工条件データが修正され、カーフチェックの取り消しを実行できる。また、反対に、未対象の加工順序が12番目の分割予定ライン104のカーフチェック対象として新たに設定する場合には、この分割予定ライン104の仮想線131の表示をタッチすると、表示ユニット90上に該分割予定ライン104のカーフチェックの設定を許可する画面が表示される。この画面上でカーフチェックの設定の許可が入力されると、加工条件データ登録手段82に登録された加工条件データが修正され、カーフチェック対象として設定できる。
オペレータは、すべての分割予定ライン104上に仮想線131が重ねて表示され、分割予定ライン104の加工順序が適正であり、カーフチェックを実施する分割予定ライン104の位置が適正であることを確認すると、切削加工動作を実行する。そして、切削加工が終了すると対象の分割予定ライン104に対してカーフチェックが実行される。
以上のように、本実施形態に係る切削装置1、1Aは、分割予定ライン104の位置及び複数の分割予定ライン104の加工順序を加工条件データとして登録する加工条件データ登録手段82と、加工条件データに基づいて加工される予定の位置を仮想線131として生成する仮想線生成手段83と、パッケージ基板100を表示ユニット90で表示する際に、パッケージ基板100の画像120と仮想線131と加工順序の順序情報132とを重ねて表示する表示制御部81とを備えるため、オペレータが仮想線131と分割予定ライン104との位置関係及び加工順序を視覚的に容易に確認することができる。
また、加工溝を撮像する撮像位置を登録する撮像位置登録手段84と、撮像された画像から加工の良否判定(カーフチェック)を実施する検査手段85とを更に備え、表示制御部81は、パッケージ基板100を表示ユニット90で表示する際に、カーフチェックを実施する分割予定ライン104を識別可能なカーフチェック情報133を表示するため、オペレータがカーフチェックを実施する分割予定ライン104を視覚的に容易に確認することができる。
[変形例]
図8及び図9は、パッケージ基板の画像に仮想線情報を重畳した拡大表示例を示す図である。上記した実施形態1、2では、パッケージ基板100の全体画像120に仮想線131、順序情報132及びカーフチェック情報133を重ねて表示する態様としたが、これに限るものではなく、パッケージ基板100の部分拡大画像121に仮想線131、順序情報132及びカーフチェック情報133を重ねて表示してもよい。
チャックテーブル10または治具チャックテーブル140に指示されたパッケージ基板100のアライメントを実施した後、表示制御部81は、アライメントされた分割予定ライン104を含むパッケージ基板100の一部を撮像部22によって撮像する。仮想線生成手段83は、加工条件データ登録手段82に登録された加工条件データに基づいて、撮像された分割予定ライン104に対応する加工溝の形成予定位置を示す仮想線情報を生成する。
表示制御部81は、図8に示すように、パッケージ基板100の一部の画像121の上に仮想線131を重ねて表示する。この場合にも上記した基準点Pを基準としてパッケージ基板100の一部の画像121の上に仮想線131を重ねて表示する。オペレータは、分割予定ライン104上に仮想線131が重ねて表示されているかを視覚的に確認する。
例えば、仮想線131が分割予定ライン104からずれて表示されている場合には、アライメント時に取得した基準点Pの座標位置を再調整することにより、仮想線131が分割予定ライン104に重なるように調整する。また、表示制御部81は、仮想線131の端部に該仮想線131が重ねられた分割予定ライン104の加工順序を示す順序情報132と、この分割予定ライン104が加工後にカーフチェックを実施する場合(加工順序が5番目)に、カーフチェックを実施する旨を示すカーフチェック情報133とを表示する。また、分割予定ライン104が加工後にカーフチェックを実施しない場合(例えば加工順序が6番目)には、図9に示すように、表示制御部81は、仮想線131の端部に該仮想線131が重ねられた分割予定ライン104の加工順序を示す順序情報132を表示する。オペレータは、分割予定ライン104の加工順序が適正であるか、また、カーフチェックを実施する分割予定ライン104が適正であるかを確認することができる。
この変形例においても、カーフチェックを実施する分割予定ライン104の位置が適正でない場合には、適正な位置の分割予定ライン104をカーフチェック対象に設定することができる。例えば、図8の例では、加工順序が5番目の分割予定ライン104をカーフチェック対象と設定されているが、この加工順序が5番目の分割予定ライン104のカーフチェックを取り消す場合には、この分割予定ライン104のカーフチェック情報133の表示をタッチする。すると、表示ユニット90上に該分割予定ライン104のカーフチェックの取り消しを許可する画面が表示される。この画面上でカーフチェックの取り消しの許可が入力されると、加工条件データ登録手段82に登録された加工条件データが修正され、カーフチェックの取り消しを実行できる。また、反対に、図9に示すように、未対象の加工順序が6番目の分割予定ライン104のカーフチェック対象として新たに設定する場合には、この分割予定ライン104の仮想線131の表示をタッチすると、表示ユニット90上に該分割予定ライン104のカーフチェックの設定を許可する画面が表示される。この画面上でカーフチェックの設定の許可が入力されると、加工条件データ登録手段82に登録された加工条件データが修正され、カーフチェック対象として設定できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1、1A 切削装置
10 チャックテーブル
11 保持面
20 切削ユニット(加工手段)
21 切削ブレード
22 撮像部(撮像手段)
80 制御ユニット(制御手段)
81 表示制御部
82 加工条件データ登録手段
83 仮想線生成手段
84 撮像位置登録手段
85 検査手段
86 記憶手段
90 表示ユニット(表示手段)
100 パッケージ基板(被加工物)
101a 表面
101b 裏面
102 デバイス領域
103 余剰領域
104、104X、104Y 分割予定ライン
105 デバイスチップ
106 封止樹脂層
120 全体画像
121 部分拡大画像
130 仮想線画像
131、131X、131Y 仮想線
132 順序情報
133 カーフチェック情報
140 治具チャックテーブル
141 保持部
142 保持面
143 吸引孔
144 逃げ溝
P 基準点

Claims (2)

  1. 表面にデバイス領域が複数の分割予定ラインによって区画されて形成された被加工物をチャックテーブルに保持した状態で加工手段によって該分割予定ラインに沿って加工溝を形成する加工装置であって、
    該チャックテーブルに保持された被加工物を撮像する撮像手段と、
    該撮像手段で撮像した画像を表示する表示手段と、
    該分割予定ラインの位置及び複数の該分割予定ラインの加工順序を加工条件データとして登録する加工条件データ登録手段と、
    該加工条件データに基づいて加工される予定の位置を仮想線として生成する仮想線生成手段と、
    各機能を制御する制御手段と、を備え、
    該制御手段は、
    該チャックテーブルに保持された被加工物を該表示手段で表示する際に、該被加工物の画像と該仮想線と該加工順序とを重ねて表示させ、該仮想線と該分割予定ラインとの位置関係及び該加工順序を画像で確認可能とすることを特徴とする加工装置。
  2. 該加工溝を撮像する撮像位置を登録する撮像位置登録手段と、
    撮像された画像から加工の良否を判定する検査手段と、を更に備え、
    該チャックテーブルに保持された被加工物を該表示手段で表示する際に、該撮像位置を識別可能に表示することを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
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