JP2020134504A - 粉末試料の分析方法、分析試料およびその製造方法 - Google Patents

粉末試料の分析方法、分析試料およびその製造方法 Download PDF

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【課題】粉末試料を短時間で精度よく分析する。【解決手段】密度の高い順に金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子の少なくとも3種類を含む粉末試料を準備する工程と、第2金属化合物粒子よりも密度の小さな樹脂粉末を粉末試料と混合して、樹脂粉末により粉末試料が希釈された分析試料を形成する工程と、分析試料に対してX線CT測定を行うことでX線CT像を取得する工程と、を有し、分析試料を形成する工程では、X線CT測定を行う際に、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子のそれぞれを区別できる輝度差を得られるように、樹脂粉末による粉末試料の希釈倍率を設定する、粉末試料の分析方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末試料の分析方法、分析試料およびその製造方法に関する。
無機粒子を含む粉末試料を分析する方法として、鉱物自動分析装置(MLA)を用いて無機粒子の表面を分析する方法が開示されている(例えば特許文献1を参照)。MLAを用いた分析では、例えば、粉末試料を樹脂に包埋して樹脂包埋試料を作製した後、この試料に断面加工を施し、得られる断面をMLAで分析することにより、断面に露出する無機粒子を分析する。
特開2018−81092号公報
ところで、MLAを用いて粉末試料を分析するには、その都度、上述したような試料作製が必要となる。この作製は時間を要し、分析効率を低下させるため、改善する余地がある。
そこで、本発明は、粉末試料の分析精度を高く維持しつつ、その分析時間を短縮する技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
密度の高い順に金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子の少なくとも3種類を含む粉末試料を準備する工程と、
前記第2金属化合物粒子よりも密度の小さな樹脂粉末を前記粉末試料と混合して、前記樹脂粉末により前記粉末試料が希釈された分析試料を形成する工程と、
前記分析試料に対してX線CT測定を行うことでX線CT像を取得する工程と、を有し、
前記分析試料を形成する工程では、前記X線CT測定を行う際に、前記第1金属化合物粒子および前記第2金属化合物粒子のそれぞれを区別できる輝度差を得られるように、前記樹脂粉末による前記粉末試料の希釈倍率を設定する、
粉末試料の分析方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、
前記X線CT像に基づいて輝度ごとに頻度を求め、前記輝度と前記頻度との相関を示すグレイレベルヒストグラムを得て、前記グレイレベルヒストグラムから所定輝度に対応する各粒子の前記試料に占める体積比率を取得する工程を有する。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、
前記粉末試料に含まれる前記金属粒子が体積比率で1%以上90%以下である。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれかにおいて、
前記分析試料を形成する工程では、前記樹脂粉末を前記粉末試料に対して体積比率で2倍以上20倍以下の範囲で添加する。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれかにおいて、
前記樹脂粉末の粒径が1μm以上5000μm以下である。
本発明の第6の態様は、第1〜第5の態様のいずれかにおいて、
前記X線CT像を取得する工程では、10mm以下の立方サイズを有する容器に前記分析試料を収容し、X線CT測定を行う。
本発明の第7の態様は、第1〜第6の態様のいずれかにおいて、
前記X線CT像に基づいて前記粉末試料に含まれる各粒子の形状を分析する工程を有する。
本発明の第8の態様は、
密度の高い順に金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子の少なくとも3種類を含む粉末試料と、前記第2金属化合物粒子よりも密度の小さな樹脂粉末と、を混合することで、前記粉末試料を前記樹脂粉末で希釈する、分析試料の作製方法である。
本発明の第9の態様は、
密度の高い順に金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子の少なくとも3種類を含む粉末試料と、
前記第2金属化合物粒子よりも密度の小さな樹脂粉末と、を含有する、
分析試料である。
本発明によれば、粉末試料を短時間で精度よく分析することができる。
図1は、粉末試料についてのグレイレベルヒストグラムの概略図である。
本発明者らは、粉末試料を短時間で精度よく分析する方法について検討し、X線CT装置を用いた分析に着目した。
X線CT装置によれば、例えば、まず容器に粉末試料を収容し、続いて、この容器内の粉末試料にX線を照射し、粉末試料を透過するX線をCCD等で検出して透過像を得ることを、試料を回転させて繰り返し行い、得られる複数の透過像から3次元的なX線CT像を得ることができる。
物質の密度によってX線の吸収量が異なるため、X線CT像においては、粉末試料に含まれる複数の無機粒子が密度に応じて異なるグレイレベル(白黒の濃淡)で表示される。例えば、密度の大きな無機粒子はグレイレベルの値が大きくて明るく(白く)表示される一方、密度の小さな無機粒子はグレイレベルの値が小さくて暗く(黒く)表示される。このようなX線CT像によれば、グレイレベルの値の違いから、各無機粒子の割合や粒度分布を分析することが可能となる。
しかも、X線CT装置によれば、粉末試料を容器に収容するだけなので、MLA分析のように樹脂包埋試料を作製する必要がなく、分析に要する時間を短縮することができる。
ところが、本発明者らが粉末試料の分析にX線CT装置を採用したところ、密度の異なる種々の無機粒子が含まれる粉末試料、具体的には、密度の高い順に金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子が含まれる粉末試料では、各粒子のグレイレベルの違いを把握しづらい場合があった。本発明者らの検討によると、これは、密度の大きな金属粒子について透過像を得るために、照射するX線のエネルギーを高くすることに起因していることが分かった。
具体的に説明すると、金属粒子は、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子よりも密度が高く、X線の吸収量が大きい。そのため、照射X線のエネルギーを低くすると、粉末試料を透過するX線の強度が弱くなる。その結果、得られる透過像には、各粒子についての情報が正しく反映されなくなる。そこで、高精度な透過像を得る観点からは、照射X線の強度を高く設定する必要がある。ただし、照射X線の強度を高くすると、密度の小さな第1金属化合物粒子や第2金属化合物粒子からの透過X線の強度が過度に高くなる。この結果、得られるX線CT像においては、第1および第2の金属化合物粒子のグレイレベルの値が近くなり、互いに判別できなくなることがある。特に、密度の最も大きな金属粒子の粉末試料に占める比率が高くなるほど、密度の低い第1金属化合物粒子や第2金属化合物粒子の判別がより困難となる。
このように、粉末試料をX線CT装置で分析する場合、測定時間を短縮できたとしても、密度の異なる各粒子を精度よく分析できないことがある。
そこで本発明者らは上記課題を解決する手段について検討したところ、粉末試料に、密度の最も低い第2金属化合物粒子よりも密度の小さな樹脂粉末を混合するとよいことを見出した。粉末試料では、密度が高くX線を吸収しやすい金属粒子が存在するために照射X線のエネルギーを所定値以上の範囲で高く設定する必要がある。この点、密度の小さな樹脂粉末を混合して粉末試料を希釈することにより、その混合物において密度の高い金属粒子の存在比率を低くできるので、照射X線のエネルギーを低く設定することが可能となる。しかも、樹脂粉末は、密度が低く、X線を過度に吸収しないので、粉末試料に対して多量に混合してもX線CTの分析精度を低下させない。また、樹脂粉末は粉末試料に含まれる各粒子の間に樹脂粉末を介在することで、各粒子の凝集を抑制することができる。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明をする。
まず、分析対象である粉末試料を準備する。
粉末試料としては、例えば金属粒子や金属化合物粒子の製造における中間生成物、もしくは鉱物の製錬過程で生じる中間生成物などを用いることができる。粉末試料は、密度の異なる3種以上の無機粒子を含む。具体的には、密度の高い順に金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子の少なくとも3種を含む。金属粒子としては、例えば、銅(Cu)やコバルト(Co)などからなる粒子が挙げられる。第1金属化合物粒子や第2金属化合物粒子としては、上記金属もしくは合金を含む化合物があり、例えば、上記金属や合金を含む酸化物(酸化銅や酸化コバルトなど)、硫化物、塩化物などが挙げられる。本実施形態では、粉末試料が金属粒子と密度の差が互いに小さな2種以上の金属化合物粒子とを含むものであっても、精度よく分析することができる。なお、粉末試料は、金属粒子を2種以上含んでもよく、第2金属化合物粒子よりも密度の大きな他の金属化合物粒子を含んでもよい。また、粉末試料の粒径は、特に限定されないが、1μm以上5000μm以下であることが好ましい。
分析対象となる粉末試料において、密度の異なる各粒子の比率は特に限定されない。本実施形態では、密度の最も大きな金属粒子が他の金属化合物粒子と比べて多く含まれてもよく、例えば、体積比率で1%以上90%以下となるような試料であっても、精度よく分析することができる。
続いて、粉末試料に樹脂粉末を混合することで、粉末試料が樹脂粉末で希釈されたX線CT分析用の分析試料を作製する。このときの樹脂粉末による粉末試料の希釈倍率は、分析試料に対してX線CT測定を行ったときに、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子のそれぞれを区別できる輝度差を得られるように設定する。
粉末試料と樹脂粉末との混合は、例えば両者をポリ容器などに入れて振とうさせることが好ましい。このように混合することで、粉末試料を樹脂粉末中に均一に単分散させることができる。
樹脂粉末としては、粉末試料に含まれる密度の最も小さな第2金属化合物粒子よりも密度が小さなものを用いることができる。樹脂粉末は、密度が小さいので照射X線をあまり吸収せず、しかも、X線CT像において各粒子とは異なるグレイレベルで表示される。そのため、樹脂粉末は、粉末試料をX線CT装置で分析するときに分析精度を損ねない。
粉末試料に対する樹脂粉末の添加比率は、金属粒子の存在比率を低く抑えることができれば特に限定されないが、樹脂粉末は、粉末試料に対して体積比率で2倍以上20倍以下となるように添加混合することが好ましい。2倍以上とすることにより、金属粒子を適度に希釈することができるので、照射X線の強度を低くして、精度のよいX線CT像を得ることができる。一方、20倍以下とすることにより、粉末試料の過度な希釈を抑制し、その分析精度を高く維持することができる。
樹脂粉末の粒径は、特に限定されないが、粉末試料と同程度とするとよく、無機粉末の粒径に応じて適宜変更するとよい。粒径としては、例えば1μm以上5000μm以下とすることが好ましい。このような粒径とすることにより、樹脂粉末を粉末試料と混合させやすく、分析試料中で各粒子を均一に分散させやすい。
得られる分析試料は、金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子という密度の異なる少なくとも3種の粒子と、第2金属化合物粒子よりも密度の小さな樹脂粉末と、を含んで構成される。分析試料においては、樹脂粉末が各粒子の間に介在することで、各粒子の凝集による粗大粒子の形成が抑制されている。つまり、各粒子が樹脂粉末中に均一に単分散している。
続いて、分析試料をX線CT分析用の容器(カプセル)に収容する。容器が立方サイズで過度に大きい場合、X線の減衰が大きくなり、第1および第2の金属化合物粒子を判別できるような輝度差が得られないことがある。そのため、容器としては、10mm以下の立方サイズを有するものを使用することが好ましい。
続いて、分析試料を収容したカプセルをX線CT装置に載置する。このカプセル内の分析試料に対してX線を照射し、分析試料を透過するX線を検出することで、透過像を得る。そして、カプセルを回転させ、X線を照射して、複数の透過像を取得し、最終的に、これら複数の透過像から3次元的なX線CT像を得る。
X線CT像においては、粉末試料の各粒子が密度に応じた輝度を有する。具体的には、密度の高い金属粒子ほど、輝度が高く、明るく表示され、第1金属化合物粒子や第2金属化合物粒子は、金属粒子に比べて輝度が低く、暗く表示される。樹脂粉末は、第2金属化合物粒子よりも輝度が低く、暗く表示される。なお、X線CT像は、8ビットグレースケールであれば、0〜255のグレイレベル(256階調)で表示され、16ビットグレースケールであれば65536階調で表示される。
本実施形態では、樹脂粉末を添加することにより、分析試料において、X線を吸収しやすい金属粒子の比率を低くしている。そのため、分析試料に照射するX線のエネルギーを低く抑えることができる。その結果、密度が小さく、かつ密度差が小さな第1および第2の金属化合物粒子同士を、X線CT像上で輝度差を生じさせて表示させることができる。
照射するX線のエネルギーは、特に限定されないが、例えば、X線の励起電圧を70kV以下とするとよい。
続いて、得られたX線CT像から粉末試料に関する情報を取得する。例えば、X線CT像において、着目する粒子のグレイレベルに相当するボクセルを抽出することで、着目する粒子の情報を取得することができる。例えば、X線CT像上で、第2金属化合物粒子に相当するグレイレベルを特定し、その所定のグレイレベルを有するボクセルを抽出することで、第2金属化合物粒子に関する情報を得ることができる。
得られる情報としては、粉末試料における各粒子の粒子データが得られる。粒子データには、例えば体積、球相当径、および形状パラメータ(例えば円形度および角張度など)の少なくともいずれかが含まれる。球相当径とは、特定の粒子を測定した場合、同じ結果(測定量またはパターン)を示す球体の直径をもって、その被測定粒子の粒子径としたものである。
また、所定の輝度ごとにボクセルを抽出することで、密度の異なる複数の粒子のそれぞれについて情報を取得することができる。このように、粉末試料に含まれる各粒子について情報を取得することにより、例えば、粉末試料に含まれる各粒子の体積割合または重量割合、もしくは各粒子の粒度分布などを分析することができる。
例えば、各粒子の体積割合を分析する場合であれば、X線CT像から、輝度とその輝度の頻度との相関を示すグレイレベルヒストグラムを得て、これに基づいて分析するとよい。グレイレベルヒストグラムは、例えば横軸を輝度(例えば0〜255のグレイレベル、グレースケールともいう)とし、縦軸を頻度としたときの関数を表すヒストグラムである。頻度とは、X線CT像において、各輝度のボクセルが全部分に占める体積比率[%]、もしくはボクセルの数[count]を示す。
グレイレベルヒストグラムにおいては、輝度の低い側から密度の低いものが、その体積割合に応じた頻度で出現し、密度の高いものがより輝度の高い側に出現する。例えば、分析試料が密度の高い順に金属粒子、第1金属化合物粒子、第2金属化合物粒子、および樹脂粉末を含有する場合、グレイレベルヒストグラムでは、輝度の低い側から順に樹脂粉末、第2金属化合物粒子、第1金属化合物粒子、および金属粒子が所定の頻度で出現することになる。
ただし、照射X線の強度を高くしてX線CT測定を行う場合、第1および第2の金属化合物粒子の輝度差が生じず、これらを明確に区別できなくなる。そのため、得られるX線CT像においては、第1および第2の金属化合物粒子が同様の輝度を有するものとしてオーバーラップして出現することになる。
これに対して、照射X線の強度を低くしてX線CT測定を行う場合、第1と第2の金属化合物粒子との間で輝度差が生じるため、X線CT像において、第1および第2の金属化合物粒子は異なる輝度を有するものとして別々に出現する。具体的には、図1に示すように、樹脂粉末は図1中のD領域に、第2金属化合物粒子はC領域に、第1金属化合物粒子はB領域に、金属粒子はA領域に、それぞれ出現する。このようなX線CT像によれば、各粒子の頻度から、各粒子の粉末試料に占める体積比率を算出することができる。このように、輝度と密度とを関連付けて、所定の輝度の頻度から、それに対応する密度の粒子の体積比率を求めることができる。
以上により、粉末試料を分析することができる。
なお、X線CT像からは、粒度分布として、粒径分布(D50等)のみならず個数分布および体積分布などの情報を取得することもできる。また、取得した粒度分布(例:個数分布および体積分布の少なくともいずれか)に基づいて粉末試料中の所定の粒子(ひいては所定の金属)の含有量を定量してもよい。粒子の粒径ごとの粒度分布から各粒径ごとの粒子の体積を求めれば、鉱物種の同定により密度は既知であることから、X線CT測定にかけられた試料中における所定の鉱物(ひいては金属)の粒子データのうち体積のデータから含有量を定量可能となる。
また、本実施形態では、粒子の粒度分布だけでなく、X線CT像から得られる各粒子の形状パラメータから粒子形状を分析してもよい。具体的には、X線CT像から、着目する粒子のグレイレベルに相当するボクセルを抽出し、そのボクセルの形状パラメータ、例えば円形度や角張度などを取得する。そして、複数の粒子について形状パラメータを取得し、それに基づいて着目する粒子の形状を分析する。
<本実施形態に係る効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態では、密度の異なる粒子として、金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子の少なくとも3種以上を含む粉末試料と、樹脂粉末とを混合して分析試料を形成している。樹脂粉末によれば、粉末試料を希釈して、密度が最も高く、X線を吸収しやすい金属粒子の存在比率を低くすることができる。これにより、照射するX線の強度を低くすることができ、得られるX線CT像において、密度が小さく、かつ密度差が小さな第1および第2の金属化合物粒子同士を、輝度差を生じさせて、区別することが可能となる。しかも、樹脂粉末は密度が小さく、X線を過度に吸収しないため、分析精度を損ねない。また、本実施形態では、分析試料は粉末試料に樹脂粉末を混合するだけで作製できるので、MLAで分析する場合のように粉末試料を樹脂で包埋するような複雑な操作を必要としない。したがって、本実施形態によれば、粉末試料を短時間で精度よく分析することができる。
また、樹脂粉末によれば、粉末試料と混合したときに各粒子の間に樹脂粉末を介在させることができるので、各粒子の凝集、および凝集に起因する粗大粒子の形成を抑制することができる。つまり、分析試料において各粒子を樹脂粉末中に均一に単分散させることができる。そのため、得られるX線CT像において、粗大粒子を1つの粒子として誤認識することを抑制することができ、粉末試料をより精度よく分析することができる。
また、得られるX線CT像に基づいて、輝度ごとに頻度を求め、グレイレベルヒストグラムを得て、このグレイレベルヒストグラムから所定輝度に対応する粒子の粉末試料に占める体積比率を算出することができる。
また、得られるX線CT像に基づいて、粉末試料に含まれる各粒子の形状を分析することができる。X線CT像によれば、各粒子を3次元的に観察することができるので、平面視で2次元的に分析する場合よりもより正確な粒子の形状パラメータを取得することができる。
また本実施形態によれば、試料が1種の金属粒子と、その金属の化合物からなる2種以上の金属化合物粒子とを含む場合であっても、分析精度を高く維持することができる。2種以上の金属化合物粒子は、化合物形態によって密度が異なるものの、その密度差は小さいため、樹脂粉末で希釈せずにそのままX線CT測定を行うと、これらを区別できるほどの輝度差が得られない。この点、本実施形態によれば、粉末試料を樹脂粉末で希釈することで、照射X線の強度を低く抑制してX線CT測定を行うことができるので、密度差の小さな粒子同士であっても区別することが可能となる。
また、本実施形態では、最も密度の高い金属粒子の体積比率が1%以上90%以下であるような粉末試料であっても、樹脂粉末で希釈することで、高い密度の金属粒子の存在比率を下げて、照射X線のエネルギーを低く抑えてX線CT測定を行うことができる。
また、樹脂粉末は粉末試料に対して体積比率で2倍以上20倍以下とすることが好ましい。このような比率とすることにより、分析精度および分析効率を高く維持することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
粉末試料は、上述した3種類の粒子以外の粒子を含んでいてもよい。例えば、密度が金属粒子よりも小さく、第1金属化合物粒子よりも大きな粒子を含んでいてもよい。このような粉末試料であっても、上述した方法により樹脂粉末で希釈し、各粒子についての情報を取得することができる。

Claims (9)

  1. 密度の高い順に金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子の少なくとも3種類を含む粉末試料を準備する工程と、
    前記第2金属化合物粒子よりも密度の小さな樹脂粉末を前記粉末試料と混合して、前記樹脂粉末により前記粉末試料が希釈された分析試料を形成する工程と、
    前記分析試料に対してX線CT測定を行うことでX線CT像を取得する工程と、を有し、
    前記分析試料を形成する工程では、前記X線CT測定を行う際に、前記第1金属化合物粒子および前記第2金属化合物粒子のそれぞれを区別できる輝度差を得られるように、前記樹脂粉末による前記粉末試料の希釈倍率を設定する、
    粉末試料の分析方法。
  2. 前記X線CT像に基づいて輝度ごとに頻度を求め、前記輝度と前記頻度との相関を示すグレイレベルヒストグラムを得て、前記グレイレベルヒストグラムから所定輝度に対応する各粒子の前記試料に占める体積比率を取得する工程を有する、
    請求項1に記載の粉末試料の分析方法。
  3. 前記粉末試料に含まれる前記金属粒子が体積比率で1%以上90%以下である、
    請求項1又は2に記載の粉末試料の分析方法。
  4. 前記分析試料を形成する工程では、前記樹脂粉末を前記粉末試料に対して体積比率で2倍以上20倍以下の範囲で添加する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の試料の分析方法。
  5. 前記樹脂粉末の粒径が1μm以上5000μm以下である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の試料の分析方法。
  6. 前記X線CT像を取得する工程では、10mm以下の立方サイズを有する容器に前記分析試料を収容し、X線CT測定を行う、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の試料の分析方法。
  7. 前記X線CT像に基づいて前記粉末試料に含まれる各粒子の形状を分析する工程を有する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の試料の分析方法。
  8. 密度の高い順に金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子の少なくとも3種類を含む粉末試料と、前記第2金属化合物粒子よりも密度の小さな樹脂粉末と、を混合することで、前記粉末試料を前記樹脂粉末で希釈する、分析試料の作製方法。
  9. 密度の高い順に金属粒子、第1金属化合物粒子および第2金属化合物粒子の少なくとも3種類を含む粉末試料と、
    前記第2金属化合物粒子よりも密度の小さな樹脂粉末と、を含有する、
    分析試料。
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