JP2020134342A - ナノ構造体アレイ、水素検出用素子及び水素検出装置 - Google Patents

ナノ構造体アレイ、水素検出用素子及び水素検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】水素に対する応答が速く、かつ、水素の検出感度が高められた水素検出用素子及び水素検出装置、並びにこれに有用なナノ構造体アレイを提供する。【解決手段】金属層210上に、複数の積層体220が縦横の2次元に配列したナノ構造体アレイ200であって、積層体220は、基体222とナノ構造体224とが積層したものであり、ナノ構造体224は、表面プラズモンが存在し、水素を吸蔵及び放出する性質をもつ金属からなり、基体222は、水素と反応して導体から誘電体へ可逆的に変化する水素応答性材料からなり、ナノ構造体224に入射した光によって表面プラズモン共鳴が起きることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、ナノ構造体アレイ、水素検出用素子及び水素検出装置に関する。
近年、次世代の主要なエネルギーとして水素の利用が注目されている。一方で、水素は可燃性の高い気体であり、安全に使用するには漏洩時の速やかな検知が必要である。
そのなか、安全上の配慮や水素に対する社会的な認知度の低さに起因して、水素を基盤とする産業の推進においては、特に信頼性の高い水素検出技術の開発が最も重要な課題の一つとなっている。
従来の水素検出手段としては、接触燃焼方式や半導体方式が多く用いられてきた。また、これらの方式以外にも、センサ部が全て光学系で構成される水素検出の方式が研究されている。
例えば、特許文献1には、水素感応調光ミラーを用いて、その水素化に伴う光の反射率や透過率の変化を検出することにより水素を検出する技術が記載されている。
また、特許文献2には、水素吸蔵金属であるパラジウムの薄膜に周期的な開口を形成して構成した表面プラズモン共鳴素子を利用して、その水素吸蔵に伴う光周波数特性の変化を検出することにより水素を検出する技術が記載されている。
特開2005−265590号公報 国際公開第2011/027899号
しかしながら、上述したような従来技術では、水素吸蔵金属に対する水素の吸蔵放出に時間が掛かり、水素の応答速度の点で問題がある。また、上述の従来技術においては、水素の検出感度の点でも更なる要求がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、水素に対する応答が速く、かつ、水素の検出感度が高められた水素検出用素子及び水素検出装置、並びにこれに有用なナノ構造体アレイを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第1の態様は、基体と、該基体上に形成されたナノ構造体とを備え、複数の前記ナノ構造体が配列したナノ構造体アレイであって、前記ナノ構造体は、表面プラズモンが存在し、水素を吸蔵及び放出する性質をもつ金属からなり、前記基体は、水素と反応して導体から誘電体へ可逆的に変化する水素応答性材料からなり、前記ナノ構造体に入射した光によって表面プラズモン共鳴が起きることを特徴とする、ナノ構造体アレイである。
本発明の第2の態様は、表面プラズモン共鳴に基づいて水素が検出される水素検出用素子であって、基材上に、前記本発明の第1の態様に係るナノ構造体アレイを備えたことを特徴とする、水素検出用素子である。
本発明の第3の態様は、前記本発明の第2の態様に係る水素検出用素子と、前記水素検出用素子に対して光を出射可能な光源部と、前記水素検出用素子を介した前記光を受光する受光部と、前記受光部の受光結果に基づいて水素を検出する検出部と、を備えたことを特徴とする、水素検出装置である。
本発明によれば、水素に対する応答が速く、かつ、水素の検出感度が高められた水素検出用素子及び水素検出装置、並びにこれに有用なナノ構造体アレイを提供することができる。
本実施形態の水素検出装置の概略的な構成を示す図である。 水素検出用素子の一実施形態を示す略断面図である。 ナノ構造体アレイの一実施形態を示す斜視図である。 ナノ構造体アレイの他の実施形態を示す斜視図である。 実施例1及び実施例2、並びに実施例3及び実施例4の各水素検出用素子を適用した水素検出装置に対し、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて測定された、赤外光波長と反射率との関係(反射スペクトル)を示す図である。
本発明の一態様に係る水素検出装置は、水素検出用素子に特徴があり、その他の構成については公知の種々の水素検出装置を適宜適用できる。
図1は、本実施形態の水素検出装置の概略的な構成を示す図である。
図1において、水素検出装置100は、光学的手法を用いて水素を検知する水素センサであり、水素検出用素子10と、光源部及び受光部を有する光量測定部30と、検出部40とを備えている。
(水素検出用素子)
本実施形態における水素検出用素子10は、基材上にナノ構造体アレイを備えたものである。水素検出用素子10においては、ナノ構造体に入射した光によって表面プラズモン共鳴が起きる。
図2は、水素検出用素子の一実施形態を示す、厚さ方向の略断面図である。
図2において、水素検出用素子10は、基材層12上に、ナノ構造体アレイ層14を備えている。
基材層12の厚さは、例えば100〜2000μmである。
ナノ構造体アレイ層14の厚さは、例えば300〜500nmである。
基材層12を形成する材料としては、例えば、シリコンウエハ、サファイア基板、シリカガラス基板、石英ガラス基板、ホウケイ酸ガラス基板、アルミナ基板、アクリル樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム等が挙げられる。
本実施形態におけるナノ構造体アレイ層14としては、例えば、図3に示すナノ構造体アレイからなる層(第1実施形態)、図4に示すナノ構造体アレイからなる層(第2実施形態)が挙げられる。
<第1実施形態>
図3は、ナノ構造体アレイの一実施形態を示す斜視図である。
図3において、ナノ構造体アレイ200は、金属層210上に、複数の積層体220が縦横の2次元に配列したものである。積層体220は、基体222とナノ構造体224とが積層したものである。
ナノ構造体アレイ200においては、金属層210と基体222とが隣接し、金属層210とナノ構造体224との間に基体222が配置されて、ナノ構造体224が最表面に配置されている。
ナノ構造体アレイ200における積層体220は、略円柱状であり、その高さ(h)は、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、例えば100〜300nmであることが好ましい。
積層体220における半径(d)は、検出対象(共振波長)に応じて設定され、例えば、100〜800nmが好ましく、400〜800nmがより好ましい。
基体222の厚さは、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、例えば50〜200nmである。
基体222は、水素と反応して導体から誘電体へ可逆的に変化する水素応答性材料からなり、ナノ構造体224の表面プラズモン共鳴の挙動を変化させる材料である。
基体222を形成する材料としては、例えば、イットリウム、ランタノイドの元素(ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム)等が挙げられる。これらの中でも、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、イットリウム及びランタノイドの元素からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、イットリウムを少なくとも含むことが特に好ましい。イットリウムは、水素吸蔵前(Y)は金属であり、水素吸蔵後(YH)は絶縁体へ可逆的に変化する物質である。
ナノ構造体224の厚さは、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、例えば30〜150nmである。
ナノ構造体224は、表面プラズモンが存在し、水素を吸蔵及び放出する性質をもつ金属からなり、水素を吸蔵したときに誘電率(屈折率)が変化する材料である。
ナノ構造体224を形成する材料としては、例えば、周期表7族から11族までの遷移金属元素(周期表7族から10族までの遷移金属元素について好ましくは第5もしくは第6周期のもの)等が挙げられ、中でもパラジウム、パラジウム以外の貴金属(金、銀、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム)が好ましい。これらの中でも、水素の吸蔵性、水素の放出性の点から、パラジウムを少なくとも含む金属が好ましく、パラジウム単体、パラジウムと金との組合せが特に好ましい。
金属層210の大きさは、使用場面等に応じて適宜決定することができる。
金属層210の厚さは、強度、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、例えば100〜500nmである。
金属層210を形成する材料としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、白金、ロジウム、オスミウム等の周期表7族から11族までの遷移金属元素(周期表7族から10族までの遷移金属元素について好ましくは第5もしくは第6周期のもの);アルミニウム、セシウム又はこれらの元素から選択される合金類が挙げられる。これらの中でも、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、金、銀、銅、パラジウム及び白金からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、金及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことがより好ましく、金を少なくとも含むことが特に好ましい。
図3において、複数の積層体220は、金属層210上に、所定の周期(ピッチ)で配列している。積層体220間の距離(周期)は、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、直径(2d)よりも大きいことが好ましく、直径(2d)の1.1〜2倍とすることがより好ましい。
基材層12上に、第1実施形態のナノ構造体アレイ200からなる層を備えた水素検出用素子は、例えば、下記の手順(A1)〜(A4)により製造することができる。
手順(A1):基材層12上に、熱蒸着法を用いて金属層210を形成する。
手順(A2):金属層210上に、スピンコート等によりポジ型のフォトレジストを塗布して、フォトレジスト膜を形成する。この後、複数の積層体220の配置及び直径に対応した開口部を有するマスクを介して、フォトレジスト膜を露光する。そして、現像により、複数の積層体220が形成される領域のフォトレジスト膜を除去して、金属層210上にフォトレジストパターンを形成する。
手順(A3):フォトレジストパターンが形成された金属層210上に、スパッタ等によって、基体222を形成する材料からなる層と、ナノ構造体224を形成する材料からなる層とをこの順に積層する。
手順(A4):有機溶媒などを用いて、金属層210上に形成したフォトレジストパターン、及び当該フォトレジストパターン上に積層した二層を取り去る(すなわちリフトオフ法)。
また、基材層12上に、第1実施形態のナノ構造体アレイ200からなる層を備えた水素検出用素子は、例えば、下記の手順(B1)〜(B4)により製造することもできる。
手順(B1):基材層12上に、熱蒸着法を用いて金属層210を形成する。
手順(B2):金属層210上に、スパッタ等によって、基体222を形成する材料からなる層と、ナノ構造体224を形成する材料からなる層とをこの順に積層する。
手順(B3):ナノ構造体224を形成する材料からなる層上に、スピンコート等によりネガ型のフォトレジストを塗布して、フォトレジスト膜を形成する。この後、複数の積層体220の配置及び直径に対応した開口部を有するマスクを介して、フォトレジスト膜を露光する。そして、現像により、複数の積層体220が形成される領域外のフォトレジスト膜を除去して、ナノ構造体224を形成する材料からなる層上にフォトレジストパターンを形成する。
手順(B4):フォトレジストパターン以外の領域にある、金属層210上に積層した二層をエッチングにより除去する。
以上説明したように、本実施形態の水素検出用素子10においては、特定のナノ構造体アレイ200を備えるため、水素に対する応答が速く、かつ、水素の検出感度が高められる。
ナノ構造体アレイ200において、水素吸蔵前の基体222は導体(金属)であり、水素吸蔵後の基体222は絶縁体へ可逆的に変化する。これに伴い、水素吸蔵の前後で表面プラズモン共鳴の挙動が変わるため、光学的特性が変化する。すなわち、水素検出装置100においては、水素の検出感度が高まり、反射率の変化量が大きくなる。
上述した第1実施形態のナノ構造体アレイ200では、基体222とナノ構造体224とが積層した積層体220を円柱状としたが、これに限定されず、例えば四角柱状、三角柱状等の角柱状としてもよい。
また、第1実施形態における積層体220は、基体222とナノ構造体224とを同一の径を有するものとしたが、これに限定されず、両者の形状が相違していてもよいし、両者の寸法が相違していてもよい。
また、第1実施形態のナノ構造体アレイ200は、金属層210上に、複数の積層体220が縦横の2次元に、所定の周期(ピッチ)で配列したものとしたが、これに限定されるものではない。複数の積層体220の配列は、目的等に応じて適宜設定することができる。
<第2実施形態>
図4は、ナノ構造体アレイの他の実施形態を示す斜視図である。
図4において、ナノ構造体アレイ300は、金属層310に隣接した基体層322上に、複数のナノ構造体324が縦横の2次元に配列したものである。
ナノ構造体アレイ300においては、金属層310と基体層322とが隣接し、金属層310とナノ構造体324との間に基体層322が配置されて、ナノ構造体324が最表面に配置されている。
基体層322の厚さは、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、例えば50〜200nmである。
基体層322は、水素と反応して導体から誘電体へ可逆的に変化する水素応答性材料からなり、ナノ構造体324の表面プラズモン共鳴の挙動を変化させる材料である。
基体層322を形成する材料としては、例えば、金属三酸化物、金属五酸化物、マグネシウムを含む合金等が挙げられる。
金属三酸化物としては、例えば、WO、MoO、ReO等が挙げられる。
金属五酸化物としては、例えば、V、Nb、Ta等が挙げられる。
マグネシウムを含む合金としては、例えば、MgTi、NiMg、ErMg、GdMg、SmMg等が挙げられる。
これらの中でも、基体層322を形成する材料としては、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、金属三酸化物、金属五酸化物及びマグネシウムを含む合金からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、金属三酸化物を少なくとも含むことがより好ましく、WOを少なくとも含むことが特に好ましい。酸化タングステンは、水素吸蔵前(WO)は絶縁体であり、水素吸蔵後(HxWO)はメタルライク(導体)へ可逆的に変化する物質である。
ナノ構造体アレイ300におけるナノ構造体324は、略円柱状であり、その高さ(h)は、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、例えば50〜150nmであることが好ましい。
ナノ構造体324における半径(d)は、検出対象(共振波長)に応じて設定され、例えば、100〜800nmが好ましく、400〜800nmがより好ましい。
ナノ構造体324は、表面プラズモンが存在し、水素を吸蔵及び放出する性質をもつ金属からなり、水素を吸蔵したときに誘電率(屈折率)が変化する材料である。
ナノ構造体324を形成する材料としては、例えば、周期表7族から11族までの遷移金属元素(周期表7族から10族までの遷移金属元素について好ましくは第5もしくは第6周期のもの)等が挙げられ、中でもパラジウム、パラジウム以外の貴金属(金、銀、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム)が好ましい。これらの中でも、水素の吸蔵性、水素の放出性の点から、パラジウムを少なくとも含む金属が好ましく、パラジウム単体、パラジウムと金との組合せが特に好ましい。
金属層310の大きさは、使用場面等に応じて適宜決定することができる。
金属層310の厚さは、強度、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、例えば100〜500nmである。
金属層310を形成する材料としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、白金、ロジウム、オスミウム等の周期表7族から11族までの遷移金属元素(周期表7族から10族までの遷移金属元素について好ましくは第5もしくは第6周期のもの);アルミニウム、セシウム又はこれらの元素から選択される合金類が挙げられる。これらの中でも、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、金、銀、銅、パラジウム及び白金からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、金及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことがより好ましく、金を少なくとも含むことが特に好ましい。
図4において、複数のナノ構造体324は、基体層322上に、所定の周期(ピッチ)で配列している。ナノ構造体324間の距離(周期)は、水素に対する応答性、水素の検出感度の点から、直径(2d)よりも大きいことが好ましく、直径(2d)の1.1〜2倍とすることがより好ましい。
基材層12上に、第2実施形態のナノ構造体アレイ300からなる層を備えた水素検出用素子は、例えば、下記の手順(C1)〜(C5)により製造することができる。
手順(C1):基材層12上に、熱蒸着法を用いて金属層310を形成する。
手順(C2):金属層310上に、スパッタ等によって基体層322を形成する。
手順(C3):基体層322上に、スピンコート等によりポジ型のフォトレジストを塗布して、フォトレジスト膜を形成する。この後、複数のナノ構造体324の配置及び直径に対応した開口部を有するマスクを介して、フォトレジスト膜を露光する。そして、現像により、複数のナノ構造体324が形成される領域のフォトレジスト膜を除去して、基体層322上にフォトレジストパターンを形成する。
手順(C4):フォトレジストパターンが形成された基体層322上に、スパッタ等によって、ナノ構造体324を形成する材料からなる層を積層する。
手順(C5):有機溶媒などを用いて、基体層322上に形成したフォトレジストパターン、及び当該フォトレジストパターン上に積層した層を取り去る(すなわちリフトオフ法)。
また、基材層12上に、第2実施形態のナノ構造体アレイ300からなる層を備えた水素検出用素子は、例えば、下記の手順(D1)〜(D4)により製造することもできる。
手順(D1):基材層12上に、熱蒸着法を用いて金属層310を形成する。
手順(D2):金属層310上に、スパッタ等によって、基体層322と、ナノ構造体324を形成する材料からなる層とをこの順に積層する。
手順(D3):ナノ構造体324を形成する材料からなる層上に、スピンコート等によりネガ型のフォトレジストを塗布して、フォトレジスト膜を形成する。この後、複数のナノ構造体324の配置及び直径に対応した開口部を有するマスクを介して、フォトレジスト膜を露光する。そして、現像により、複数のナノ構造体324が形成される領域外のフォトレジスト膜を除去して、ナノ構造体324を形成する材料からなる層上にフォトレジストパターンを形成する。
手順(D4):フォトレジストパターン以外の領域にある、基体層322上に積層した、ナノ構造体324を形成する材料からなる層をエッチングにより除去する。
以上説明したように、本実施形態の水素検出用素子10においては、特定のナノ構造体アレイ300を備えるため、水素に対する応答が速く、かつ、水素の検出感度が高められる。
ナノ構造体アレイ300において、水素吸蔵前の基体322は絶縁体であり、水素吸蔵後の基体322はメタルライク(金属)へ可逆的に変化する。これに伴い、水素吸蔵の前後で表面プラズモン共鳴の挙動が変わるため、光学的特性が変化する。すなわち、水素検出装置100においては、水素の検出感度が高まり、反射率の変化量が大きくなる。
上述した第2実施形態のナノ構造体アレイ300では、ナノ構造体324を円柱状としたが、これに限定されず、例えば四角柱状、三角柱状等の角柱状としてもよい。
また、第2実施形態のナノ構造体アレイ300は、基体層322上に、複数のナノ構造体324が縦横の2次元に、所定の周期(ピッチ)で配列したものとしたが、これに限定されるものではない。複数のナノ構造体324の配列は、目的等に応じて適宜設定することができる。
<その他実施形態>
上述した第1実施形態の水素検出用素子10では、金属層210上に、複数の積層体220(基体222とナノ構造体224とが積層したもの)が配列したものとしたが、これに限定されず、第2実施形態と同様に、金属層210に隣接した基体層(基体222からなる層)上に、複数のナノ構造体224が縦横の2次元に配列した構成としてもよい。但し、例えばイットリウムYなど、基体222を形成する材料の中には高い酸化性を有するものがある。このため、基体層(基体222からなる層)の露出部を酸化防止膜で被覆しておくことが好ましい。
上述した第1実施形態及び第2実施形態の各水素検出用素子10では、金属層210、310を備える構成としたが、これに限定されず、金属層210、310を欠く構成でもよい。
すなわち、基材層上に、基体とナノ構造体との複数の積層体が配列した構成の水素検出用素子(第3実施形態)であってもよいし、又は基材層に隣接した基体層上に、複数のナノ構造体が配列した構成の水素検出用素子(第4実施形態)であってもよい。
第3実施形態又は第4実施形態の水素検出用素子を適用した水素検出装置においては、水素検出用素子を透過した赤外光を受光する構成、又は水素検出用素子に反射した赤外光を受光する構成とすることができる。
また、第3実施形態又は第4実施形態によれば、メタルホールアレイ形式又はナノディスクアレイ形式の水素検出用素子を採用することができる。
(水素検出装置)
本発明の一態様に係る水素検出装置は、水素検出用素子と、前記水素検出用素子に対して光を出射可能な光源部と、前記水素検出用素子を介した前記光を受光する受光部と、前記受光部の受光結果に基づいて水素を検出する検出部とを備えたものである。
図1に示した水素検出装置100は、水素検出用素子10と、光源部及び受光部を有する光量測定部30と、検出部40とを備えている。
本実施形態の水素検出装置100において、水素検出用素子10は、本発明を適用したもの(基材層12上に、ナノ構造体アレイ層14を備えたもの)である。ナノ構造体アレイ層14には、上述の第1実施形態又は第2実施形態のナノ構造体アレイを採用することができる。
水素検出用素子10は、チャンバー20内に収納されている。
チャンバー20には、水素を含む混合気体を外部から導入する配管94と、前記混合気体を外部へ排気する配管95とが接続されている。また、チャンバー20には、配管94を介して混合器93が接続されている。
混合器93では、窒素供給部91から供給される窒素と、水素供給部92から供給される水素含有ガスとが所定の混合比率で混合される。
本実施形態の水素検出装置100は、混合気体に含まれる水素の濃度が、例えば4体積%以上であれば検知可能であり、1体積%以上でも充分に検知可能であり、ナノ構造体アレイ等を適宜選択することにより0.01体積%以上であっても検知可能である。
混合器93からチャンバー20への混合気体の流量は、装置スケール等に応じて適宜設定すればよく、例えばチャンバー20の容量が1.5Lの場合、かかる混合気体の流量は1500mL/h以上に設定することが好ましく、単位時間当たりの流量は多い方が好ましい。
本実施形態の水素検出装置100において、光量測定部30は、光源部と受光部とを共に有する。光量測定部30は、光源部として、チャンバー20内の水素検出用素子10に対して所定波長の光を出射する。光源部が出射する光としては、ナノ構造体のサイズに応じて適宜選択することが可能であり、例えば赤外光が挙げられ、好ましくは近赤外線から中赤外線が挙げられる。
また、光量測定部30は、受光部として、水素検出用素子10に反射した光を受光する。さらに、光量測定部30は、受光部で受光した情報を検出部40に出力する。
光量測定部30には、例えば、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)などの分光光度計を用いることができる。
検出部40は、光量測定部30における受光部の受光結果から、表面プラズモン共鳴に基づく演算を実施して水素を検出する。具体的には、検出部40では、受光された情報に基づき、水素検出用素子10における水素吸蔵前の赤外光の反射率と、水素吸蔵後の赤外光の反射率との差分に応じて水素が検出される。
本実施形態の水素検出装置100においては、光量測定部30における光源部から出射された光(例えば、波長1300nmの赤外光)が水素検出用素子10を照明し、光の一部が水素検出用素子10に反射して、光量測定部30における受光部に入射する。
チャンバー20には、混合器93から水素を含む混合気体が供給される。チャンバー20に収納されている水素検出用素子10においては、ナノ構造体に入射した光によって表面プラズモン共鳴が起きる。加えて、ナノ構造体アレイを構成する金属が水素を吸蔵する。該金属に吸蔵された水素は、該金属中で精製され、基体中へ拡散して水素応答性材料と反応する。これに伴い、水素吸蔵の前後で前記表面プラズモン共鳴の挙動が変わるため、光学的特性が変化する。水素検出装置100においては、反射スペクトルが短波長又は長波長側へシフトする。このようにして混合気体に含まれる水素が検知され、水素検出装置100は水素センサとして働く。
また、本実施形態の水素検出装置100においては、水素検出に供する前に、予め、水素に曝露した水素検出用素子を用いることが好ましい。
水素検出用素子10として、例えば上述の第1実施形態又は第2実施形態の水素検出用素子を適用する場合、水素検出に供する前に、予め、好ましくは0.5時間以上2日間、より好ましくは1時間以上1日間、水素に曝露したものを用いる。前記の好ましい時間の範囲で予め水素に曝露した水素検出用素子を用いることで、水素に対する応答を速められ、かつ、水素の検出感度も高められる。
予め水素に曝露した水素検出用素子を用いた場合、第1実施形態の水素検出用素子を適用した水素検出装置100においては、反射スペクトルが短波長側へシフトする。第2実施形態の水素検出用素子を適用した水素検出装置100においては、反射スペクトルが長波長側へシフトする。すなわち、かかる水素検出装置100は、水素に対する応答性、水素の検出感度に優れる。
本実施形態のナノ構造体アレイ200、300においては、ナノ構造体224、324が基体222、322上に形成されているため、水素に対する応答が速く、かつ、水素の検出感度が高められる。加えて、ナノ構造体アレイ200、300は、金属層210、310をさらに備えることにより、水素の検出感度が特に高められる。
上述した実施形態の水素検出装置100では、水素検出用素子10に反射した光を受光する構成としたが、これに限定されず、例えば、水素検出用素子10を介した透過光や回折光を受光する構成とした装置でもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<水素検出用素子の製造>
図2に示す水素検出用素子10と同一の実施形態のもの、すなわち、基材層上に、ナノ構造体アレイ層を備えた水素検出用素子を、それぞれ以下のようにして製造した。
実施例1、2、5〜12の水素検出用素子は、図3に示す第1実施形態と同様のナノ構造体アレイ層を備えたものとした。
実施例3、4、13〜20の水素検出用素子は、図4に示す第2実施形態と同様のナノ構造体アレイ層を備えたものとした。
(実施例1)
手順(a1):ガラス基板上に、熱蒸着法を用いて、厚さ3nmのクロムCr層と、厚さ200nmの金Au層とをこの順に堆積させた。
手順(a2):金Au層上に、電子線リソグラフィによりフォトレジストパターン(半径400nmホールのパターン、周期は直径の1.5倍)を形成した。
手順(a3):フォトレジストパターンが形成された金Au層上に、電子ビーム蒸着法を用いて、厚さ100nmのイットリウムY層と、厚さ50nmのパラジウムPd層とをこの順に堆積させた。
手順(a4):リフトオフ法により、金Au層上に形成したフォトレジストパターン、及び当該フォトレジストパターン上に積層した二層(イットリウムY層及びパラジウムPd層)を取り去った。
この結果、金Au層上に、半径400nmのディスク形状の積層体(Y層及びPd層)が縦横の2次元に配列(周期:直径の1.5倍)したナノディスクアレイ層を備えた水素検出用素子を得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして、手順(a1)〜(a4)を行った。この後、純水素曝露を1時間行い、金Au層上に、半径400nmのディスク形状の積層体(Y層及びPd層)が縦横の2次元に配列(周期:直径の1.5倍)したナノディスクアレイ層を備えた、実施例2の水素検出用素子を得た。
(実施例3)
手順(c1):ガラス基板上に、熱蒸着法を用いて、厚さ3nmのクロムCr層と、厚さ200nmの金Au層とをこの順に堆積させた。
手順(c2):金Au層上に、電子ビーム蒸着法を用いて、厚さ100nmの酸化タングステンWO層を堆積させた。
手順(c3):酸化タングステンWO層上に、電子線リソグラフィによりフォトレジストパターン(半径400nmホールのパターン、周期は直径の1.5倍)を形成した。
手順(c4):フォトレジストパターンが形成された酸化タングステンWO層上に、電子ビーム蒸着法を用いて、厚さ50nmのパラジウムPd層を堆積させた。
手順(c5):リフトオフ法により、酸化タングステンWO層上に形成したフォトレジストパターン、及び当該フォトレジストパターン上に積層したパラジウムPd層を取り去った。
この結果、金Au層に隣接したWO層上に、半径400nmのディスク形状のパラジウムPdナノ構造体が縦横の2次元に配列(周期:直径の1.5倍)したナノディスクアレイ層を備えた水素検出用素子を得た。
(実施例4)
実施例3と同様にして、手順(c1)〜(c5)を行った。この後、純水素曝露を1時間行い、金Au層に隣接したWO層上に、半径400nmのディスク形状のパラジウムPdナノ構造体が縦横の2次元に配列(周期:直径の1.5倍)したナノディスクアレイ層を備えた、実施例4の水素検出用素子を得た。
(実施例5〜12)
前記手順(a2)において、ホールの半径を450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nmにそれぞれ変更した以外は、実施例2と同様にして、手順(a1)〜(a4)及び純水素曝露を1時間行い、実施例5〜12の各水素検出用素子を得た。
(実施例13〜20)
前記手順(c3)において、ホールの半径を450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nmにそれぞれ変更した以外は、実施例4と同様にして、手順(c1)〜(c5)及び純水素曝露を1時間行い、実施例13〜20の各水素検出用素子を得た。
(比較例1)
ガラス基板上に、熱蒸着法を用いて、厚さ3nmのクロムCr層と、厚さ200nmの金Au層とをこの順に堆積させた。次いで、金Au層の一面全体に、電子ビーム蒸着法を用いて、厚さ100nmのイットリウムY層と、厚さ50nmのパラジウムPd層とをこの順に堆積させた。この後、純水素曝露を4秒間行い、Au層/Y層/Pd層の積層体からなる比較例1の水素検出用素子を得た。
<評価>
図1に示す水素検出装置100と同一の実施形態のものを作製し、混合気体をチャンバー内へ供給して、反射スペクトルを測定した。
水素検出用素子10には、実施例1〜20及び比較例1の水素検出用素子をそれぞれ適用した。光源部及び受光部を有する光量測定部30には、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた。
[測定条件]
・光量測定部30における光源部から出射された光:波長1300nmの赤外光
・混合気体の比率:窒素/水素=96/4(体積比)
・混合器93からチャンバー20に供給される混合気体の流量:1500mL/h
図5は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて測定された、赤外光波長と反射率との関係(反射スペクトル)を示す図である。横軸は波長(μm)、縦軸は反射率(%)を示している。
図5は、実施例1及び実施例2、並びに実施例3及び実施例4の各水素検出用素子を適用した水素検出装置に対し、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて測定された、赤外光波長と反射率との関係(反射スペクトル)を示す図である。
比較例1の水素検出用素子を適用した場合、水素応答速度に関しては、実施例2の水素検出用素子を適用した場合と同程度であった。その一方で、比較例1の水素検出用素子を適用した場合、反射率の変化量は非常に少なく、水素検出感度については非常に弱いものであった。
尚、Au層/Y層/Pd層の積層体からなる比較例1の水素検出用素子は、純水素曝露を開始して4秒間以内で水素と反応(水素吸蔵)すること、純水素曝露を停止して4秒後には水素を放出することが確認された。
図5において、実施例2の水素検出用素子を適用した場合、特定波長に反射率が極小となるディップが認められた。このことから、ナノ構造体アレイを備えることで、水素の検出感度がより高められることが確認できる。
実施例1及び実施例2の各水素検出用素子を適用した場合の対比:
実施例2の水素検出用素子を適用した場合の反射スペクトルは、実施例1の水素検出用素子を適用した場合の反射スペクトルに比べて、短波長側へシフト(ブルーシフト)していること、かつ、特定波長に反射率が極小となるディップがより顕著であること(透過率が高くなること)が認められた。このことから、水素検出の試験前に、予め、純水素曝露を1時間行うことで、水素に対する応答を速められ、かつ、水素の検出感度も高められることが確認できる。
尚、実施例2の水素検出用素子においては、イットリウムYが、純水素曝露を1時間行うことで、Y→YHの状態に変化して、表面プラズモン共鳴が起きやすくなるため、反射スペクトルシフトが得られる、と推測される。
実施例3及び実施例4の各水素検出用素子を適用した場合の対比:
実施例4の水素検出用素子を適用した場合の反射スペクトルは、実施例3の水素検出用素子を適用した場合の反射スペクトルに比べて、長波長側へシフト(レッドシフト)していること、かつ、反射率が高くなることが認められた。このことから、水素検出の試験前に、予め、純水素曝露を1時間行うことで、水素に対する応答を速められ、かつ、水素の検出感度も高められることが確認できる。
尚、実施例4の水素検出用素子においては、酸化タングステンWOが、純水素曝露を1時間行うことで、WO→HxWOの状態に変化して、表面プラズモン共鳴が消えやすくなるため、反射スペクトルシフトが得られる、と推測される。
実施例5〜12の水素検出用素子を適用した場合、いずれも、実施例2の水素検出用素子を適用した場合に測定される反射スペクトルと同様の変化を示す反射スペクトルが得られた。但し、ディスク半径が大きくなるのに伴い、反射スペクトルは長波長側へシフトしていた。
実施例13〜20の水素検出用素子を適用した場合、いずれも、実施例4の水素検出用素子を適用した場合に測定される反射スペクトルと同様の変化を示す反射スペクトルが得られた。但し、ディスク半径が大きくなるのに伴い、反射スペクトルは長波長側へシフトしていた。
以上より、実施例1、2、5〜12の水素検出用素子を適用した水素検出用素子を採用した水素検出装置は、水素センサとして動作することが実証された。
また、実施例3、4、13〜20の水素検出用素子を適用した水素検出用素子を採用した水素検出装置は、水素センサとして動作することが実証された。
本発明に係る水素検出用素子及び水素検出装置は、水素漏洩の検知等のため、燃料として水素を用いるものに広く利用することができる。本発明に係る水素検出用素子及び水素検出装置は、例えば、燃料電池、水素をエネルギーとする車両、水素をエネルギーとするガスタービン等に設置することができる。
10 水素検出用素子、
12 基材層、
14 ナノ構造体アレイ層、
30 光量測定部、
40 検出部、
100 水素検出装置、
200 ナノ構造体アレイ、
210 金属層、
220 積層体、
222 基体、
224 ナノ構造体、
300 ナノ構造体アレイ、
310 金属層、
322 基体層、
324 ナノ構造体

Claims (9)

  1. 基体と、該基体上に形成されたナノ構造体とを備え、複数の前記ナノ構造体が配列したナノ構造体アレイであって、
    前記ナノ構造体は、表面プラズモンが存在し、水素を吸蔵及び放出する性質をもつ金属からなり、
    前記基体は、水素と反応して導体から誘電体へ可逆的に変化する水素応答性材料からなり、
    前記ナノ構造体に入射した光によって表面プラズモン共鳴が起きる、ナノ構造体アレイ。
  2. 前記ナノ構造体は、パラジウムを少なくとも含む金属からなる、請求項1に記載のナノ構造体アレイ。
  3. 前記基体と前記ナノ構造体との複数の積層体が配列した、請求項1又は2に記載のナノ構造体アレイ。
  4. 前記水素応答性材料は、イットリウム及びランタノイドの元素からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノ構造体アレイ。
  5. 前記基体上に、複数の前記ナノ構造体が配列した、請求項1又は2に記載のナノ構造体アレイ。
  6. 前記水素応答性材料は、金属三酸化物、金属五酸化物及びマグネシウムを含む合金からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項5に記載のナノ構造体アレイ。
  7. さらに、金、銀、銅、パラジウム及び白金からなる群より選択される少なくとも一種を含む金属層を備え、
    前記金属層と前記基体とが隣接し、前記金属層と前記ナノ構造体との間に前記基体が配置された、請求項1〜6のいずれか一項に記載のナノ構造体アレイ。
  8. 表面プラズモン共鳴に基づいて水素が検出される水素検出用素子であって、
    基材上に、請求項1〜7のいずれか一項に記載のナノ構造体アレイを備えた水素検出用素子。
  9. 請求項8に記載の水素検出用素子と、
    前記水素検出用素子に対して光を出射可能な光源部と、
    前記水素検出用素子を介した前記光を受光する受光部と、
    前記受光部の受光結果に基づいて水素を検出する検出部と、
    を備えた水素検出装置。
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