JPH09236547A - 水素検出子及びその製造方法 - Google Patents

水素検出子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH09236547A
JPH09236547A JP4518496A JP4518496A JPH09236547A JP H09236547 A JPH09236547 A JP H09236547A JP 4518496 A JP4518496 A JP 4518496A JP 4518496 A JP4518496 A JP 4518496A JP H09236547 A JPH09236547 A JP H09236547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
detector
light
thin film
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4518496A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirohisa Sakuma
博久 佐久間
Hisataka Yakabe
久孝 矢加部
Hiroshi Kikuchi
啓 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Gas Co Ltd filed Critical Tokyo Gas Co Ltd
Priority to JP4518496A priority Critical patent/JPH09236547A/ja
Publication of JPH09236547A publication Critical patent/JPH09236547A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】都市ガスのように水素と他の可燃性ガスが混在
し且つ酸素を実質的に含まないガス中の水素を、低濃度
域まで定量的に高感度で検知でき、しかも高応答性を具
備した光学的水素検出子並びにその製造方法を提供す
る。 【解決手段】透明基板12の表面又は表裏両面を連続的
に被覆する水素化触媒金属の薄膜11を蒸着法、スパッ
タリング法または浸漬法により形成し、基板12を被覆
したこの薄膜11を可視光線又は赤外線の進行方向に対
して複数個重ね、かつ夫々の薄膜11を検知対象ガス8
中の水素が流通できる空間13に露出するように設けて
水素検出子を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ガスの導管や
燃焼装置、石油化学プラント等に設置して水素ガスの濃
度を信頼性高く検知する光学的水素センサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、可燃性ガスセンサとして接触燃
焼式、半導体式、固体電解質式及び光学式センサが知ら
れている。この中で、前三者はいずれも無酸素中では作
動しないので、例えば都市ガス導管中の水素濃度測定は
できない。一方、光学的センサは都市ガスのように水素
と他の可燃性ガスが混在しかつ酸素を含まない気体に係
わる選択性の良い水素検知に有用であり、また空気と混
合すると爆発性の混合気体を生成し易いガスの検知に
は、防爆対策上、光学的センサが特に適している。
【0003】一般に光学的センサは、ガスと接触して着
色、或いは透過光または反射光の変化などを生じる検出
子、検出子に光束を投射する光源、検出子を経由した光
束を検出する光検出器、光検出器から発する信号を計測
して受光量として表示する測定計器、検出子にガスを導
入するガス流路等により主要部が構成されている。
【0004】従来、水素ガス検知用の光学的センサに用
いる光学的検出子として、水素分子を吸着し原子状水素
に解離する作用を持つ触媒金属、例えばパラジウム(P
d)の薄膜を表面層とし、この解離した原子状水素によ
って化学的に還元される酸化物、例えば酸化タングステ
ン(WO3 )を下地層として、基板上に積層して構成し
た検出子が知られている(特公平3−15975号公
報)。解離した水素はWO3 と反応して発色するので、
この着色による光透過率の変化を測定して水素ガスを検
知する。しかし、WO3 は極めて耐水性が悪いので実用
上問題がある。
【0005】別の光学的水素検出子として、ガラス等の
透明性基板上に上記の触媒金属、例えばPdの薄膜を形
成したものが特開平5−196569号公報に開示され
ている。これは解離した水素の作用によって起こるPd
膜の光透過率または光反射率の変化を測定して水素ガス
を検知するものであり、酸化物を用いる検出子より応答
性が優れており、また検知性能の経時的安定性が良い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のPd膜を用いる
検出子は、水素雰囲気中で薄膜状Pdが水素化物を生成
することにより薄膜表面の光反射率が減少し、これに対
応してPd膜自体の光透過率が増大することを原理とす
るものとされている。従って、水素がPd膜内へ拡散す
る距離が短いほど可逆的水素化反応の反応速度が速くな
り、検知の応答性が速くなる。即ちPd膜の厚みを薄く
するほど応答性が向上する。
【0007】しかし、Pd膜を薄くすると、或る水素濃
度以下では水素が存在することにより増大する光透過率
の増分が微小になり検知困難となる。即ち、Pd膜を薄
くすると、水素を検知できる光透過率の変化が次第に小
さくなり、この意味で検知感度が著しく低下し、実用上
問題となる。逆にPd膜を厚くすると、検知感度は向上
するものの、水素が検出子表面に到達してから検出子が
検知信号を発するまでの時間が長くなり、この意味で検
知応答性が悪化し、従来技術によるPd膜を用いる検出
子では実用上問題となる。
【0008】そこで本発明は、触媒金属薄膜を用いた光
学的水素検出子について、都市ガスのように水素と他の
可燃性ガスが混在し且つ酸素を含まないガスの水素を定
量的に検知する際の高応答性と高感度を両立させて、検
知性能を著しく向上させることを課題とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、Pd膜を
用いた光学的水素センサについて研究を重ね、透明基板
上に形成する一定表面積のPd膜の厚みを薄くするほど
水素検知の応答性は速くなるが検知感度は低下するこ
と、一方、膜の厚みが一定の場合には光を複数個のPd
膜を逐次的に透過させることにより高感度になることを
見出し、本発明を完成した。換言すれば、Pdを技術的
に可能な限り薄い連続膜の形態に形成して透明基板を被
覆し、このように基板を被覆した複数個の薄膜を光線の
進行方向に対して重ね、かつ夫々の薄膜を水素が流通で
きる限り狭い空間に露出させることにより、高応答性と
高感度を両立できることが新たな知見として得られ、こ
の知見を利用して水素濃度を定量的に検知する高性能水
素検出子を構成できた。
【0010】即ち本発明は、水素を吸着し解離する触媒
金属の薄膜(ア)により透明基板(イ)を被覆してなる
水素検出子において、上記薄膜(ア)が可視光線または
赤外線を透過できる膜厚を持ち、上記薄膜(ア)が連続
膜として上記基板(イ)を被覆し、上記基板(イ)を被
覆した複数個の上記薄膜(ア)を可視光線または赤外線
の進行方向に対して重ね、かつ上記薄膜(ア)をそれぞ
れ水素が流通できる空間に露出するように設けたことを
特徴とする光学的水素検出子の発明である。
【0011】本発明で、触媒金属の薄膜(ア)の個数を
多くすることの作用は次の如く考えられる。即ち光源か
らの投射光の強度をI、n枚目の薄膜を透過した透過光
の強度をIn 、1枚の薄膜について水素が無い場合の光
透過率をT1 、水素が存在することによる光透過率の増
分を△T1 とすると、次のような数式が得られる。
【0012】
【数1】 I1 =I(T1 +△T1 )=IT1 (1+△T1 /T1 ) I2 =I1 (T1 +△T1 )=I(T1 +△T1 )2 =IT12(1+△T1 /T1 )2 In =I(T1 +△T1 )n =IT1n(1+△T1 /T1 )n =IT1n(1+n△T1 /T1 +・・・)
【0013】検出子の感度は△T/Tで表されるから、
n枚目の透過光の強度In は、漸化式(数1)の多項展
開の結果から薄膜1枚の感度のn倍に対応して大きくな
ることが判る。但し、光透過率Tは通常T<1であるか
らTn <1となるので、実際にn枚の薄膜を使用して検
出子を構成する場合にはIn が実用的な大きさになるよ
うに薄膜や光源を調整する必要があることは勿論であ
る。しかし、例えばPd薄膜の場合、n枚の薄膜の合計
膜厚が100nm程度までは十分な透過率が得られるの
で、通常の強さの光源を用いても実用上十分な枚数の薄
膜を使用することができる。また強い光源を用いたり高
感度の光検出器を用いれば、更に薄膜の枚数を増して構
成することもできる。
【0014】一般論として上記の原理は検知に用いる光
線の波長に拠らないが、可視光線を用いるのが実用的で
あり、同様な薄膜を使用する限り、可視光線より波長の
長い赤外線領域の電磁波も用いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に使用する透明基板(イ)
は、単に触媒金属の薄膜を保持するための固体である
が、材質は解離水素と実質的に反応しないものであるこ
とが必須条件であり、また透過光量の変化により水素の
存在を検知し易い透明性かつ光学的に均質であることが
必須である。具体的にはガラス、ポリカーボネート樹脂
等の合成樹脂を例示することができる。形状は、光を効
率良く透過するために表面が平滑な平板状或いは集光レ
ンズ状であることが好ましい。
【0016】本発明に用いる触媒金属としては、水素化
触媒と通常呼ばれる金属もしくは金属酸化物のうち、白
金族金属が好ましく用いられ、より好ましくはパラジウ
ムが使用される。
【0017】次に本発明の構成要素である触媒金属薄膜
(ア)は、可視光線が透過できる程度に上記金属を薄い
連続膜として形成したものである。ここに連続膜とは、
薄膜に可視光線もしくは赤外線の波長以上の大きさの貫
通孔や亀裂等が無く、同質の金属が二次元的に連続して
存在するものを意味する。この状態になる薄膜の具体的
な厚みは、経験的に約2〜数十nmが好ましいが、使用
する金属にも依るものであり、この数値に限定されるも
のではない。
【0018】この範囲の厚みを持つ薄膜を形成する方法
としては、触媒金属を真空中で溶融し発生する蒸気を基
板に付着させる蒸着法、または触媒金属錯化合物の水溶
液中に基板を浸漬し焼成する浸漬法、或いは触媒金属を
ターゲットとして基板にスパッタを行うスパッタリング
法を、当業界が常用する周知の原材料や条件下で使用す
ることができる。
【0019】本発明において、基板(イ)を金属薄膜
(ア)により被覆する態様は、基板の片面のみの被覆で
も良く、また基板の両面を被覆しても良い。いずれの場
合も、被覆した膜の表面が平滑でかつ厚みが均一である
ことが好ましい。なお両面を被覆した基板を用いる場合
は、水素が両面の金属薄膜(ア)の表面を流通できるよ
うに水素センサを構成する限り1個の基板即ち2枚の薄
膜(ア)を用いることも本発明に含まれる。このように
両面を金属薄膜で被覆した基板を用いる場合は、1個の
基板について2枚の金属薄膜が存在することになり、片
面のみを金属薄膜で被覆した基板を2個用いるよりも検
出子の体積が効率的である。
【0020】
【実施例】図1に本発明の検出子の例を示す。検出子1
0は透明基板12を金属のPdの連続膜11で被覆した
もの複数個を重ねて構成したものであるが、重ねる際に
水素(H2 )を含む検知対象ガス8が流通できる間隔の
空間13に連続膜11が露出するように構成したもので
ある。
【0021】図2は、本発明の検出子10を用いて水素
センサを構成した基本系統図の一例を示す。H2 を含む
検知対象ガス8は流路配管21を通って透光室22に入
る。透光室22にはガス流路を挟んだ対向側壁にそれぞ
れ開口23が設けてあり、開口23はガラス窓24で封
止してあり、両窓の間に本発明の検出子10を、その触
媒金属薄膜11に光束2がほぼ垂直に交わるように固定
して取り付けてある。一方の窓の外側に光源1(例えば
半導体レーザー)を配置してあり、光源1から投射され
た光束2はビームスプリッター3により分光され、片方
の光は窓24を通り本発明の検出子10を透過し、透過
光5を受光する位置に配置された光検出器であるフォト
ダイオード4により受光量の信号に変換され、これに接
続したスキャナー6に伝達される。もう片方の光は別の
フォトダイオード4によりゼロ点較正用の信号に変換さ
れてスキャナー6に伝達され、透過光及び較正用光の双
方の受光量がマルチメーター7により計測される。
【0022】[実施例1] 検出子10の製作方法。 高周波マグネトロンスパッタリング装置を用いて、Pd
金属をターゲットとして1mTorrのアルゴンガス雰
囲気中でガラス基板面に対してスパッタを行った。高周
波の出力は20W、スパッタレートは0.12nm/s
ecであった。この成膜条件でガラス基板の両面に順次
片面ずつPd金属薄膜を形成した。Pd膜の厚みは2.
4nmであった。
【0023】光透過率及び応答時間の測定 図2の基本系統図に示した水素センサにおいて、検出子
10として上記の通り製作した2枚のPd膜と1個のガ
ラス基板からなる本発明の検出子を所定の位置に固定し
た。ガス流路配管21に最初に100%の窒素ガス(N
2 )を流し、半導体レーザーを光源とする波長780n
mの光を用いて検出子10の光透過率Tをマルチメータ
ー7により測定した。次に、H2 5体積%とN2 95体
積%との混合ガスに切り換えて約5分間流しつつ、光透
過率(T+△T)を測定し、再び100%N2 に切り換
えて光透過率Tを測定した。同様にして混合ガス中のH
2濃度(体積%)を種々なレベルに変えて光透過率及び
その時間的変化を測定し、図3に示した。
【0024】感度及び応答時間の算定 図3において、H2 0%のときの光透過率をTとし、所
定のH2 濃度の混合ガスを導入して光透過率が定常値に
達したときの値をT+△Tとすると、H2 が検出される
ときの光透過率の増分は△Tとなる。ここで、検出子の
H2 検出感度を△T/Tと定義する。
【0025】それぞれPd膜厚約2.4nm、約4.8
nm及び約9.6nmの本発明の検出子(各Pd膜2
枚)について、H2 濃度5体積%の混合ガスを用いて測
定を行い、求めた△T/Tの値を図4に示した。
【0026】次に、図3においてH2 濃度0%から所定
のH2 濃度の混合ガスへ切り換えた瞬間を時間の基点と
し、光透過率の増分が90%に到達するまでの所要時
間、即ち光透過率がTからT+0.9×△Tに至る迄に
要する時間(秒)を応答時間と定義する。それぞれPd
膜厚約2.4nm、約4.8nm及び約9.6nmの本
発明の検出子(各Pd膜2枚)について、上記の感度測
定と同時に光透過率の時間経過を測定し、求めた応答時
間を図5に示した。
【0027】[比較例1]実施例1と同様にしてガラス
基板の片面にのみスパッタを行い、従来技術による検出
子を製作した。この検出子を図2の基本系統図に示した
水素センサの検出子10として組み込み、それぞれ膜厚
約2.4nm、約4.8nm及び約9.6nmの従来型
検出子(各Pd膜1枚)について、実施例と同じ条件で
感度及び応答時間を測定し、その結果を図4及び図5に
実施例と併せて表示した。
【0028】
【発明の効果】図4から明らかな通り、本発明による検
出子(Pd膜2枚)の感度を従来型検出子(Pd膜1
枚)の感度に比べると、Pd膜1枚当たりの膜厚が約
2.4nmから約9.6nmの場合において概ね正比例
的に3乃至4倍程度高感度になっており、光を透過でき
る限り膜厚に依らず本発明の検出子が感度において著し
く優れていることが判る。
【0029】なお、感度は光透過率の増分△Tに依存す
ることから、図3で明らかな通り、H2 濃度が高い場合
は勿論、H2 濃度が1体積%前後の低濃度域においても
高い感度でしかも或る程度定量的にH2 検出ができるこ
とが判る。
【0030】次に本発明の検出子のH2 ガス応答性を従
来型検出子のものと比べると、本発明では光が触媒金属
薄膜であるPd膜を複数枚透過しているにも拘らず、図
5から明らかな通り応答時間はPd膜1枚当たりの膜厚
が約2.4nmから約9.6nmの場合において殆ど従
来型検出子と同等の高速応答であり、本発明により応答
時間を高いレベルに維持しながら高感度化を達成できた
ことが判る。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検出子の構成を説明するための模式
図。
【0032】
【図2】本発明の検出子を用いた水素センサの基本系統
図。
【0033】
【図3】本発明の検出子の光透過率及びその時間経過の
一例をH2 濃度の或る範囲にわたり例示する特性図。
【0034】
【図4】実施例1及び比較例1のH2 検出感度を対比し
て示す図。
【0035】
【図5】実施例1及び比較例1の応答時間を対比して示
す図。
【0036】
【符号の説明】
1・・・光源 2・・・光束 3・・・ビームスプリッター 4・・・フォトダイオード 5・・・透過光 6・・・スキャナー 7・・・マルチメーター 8・・・検知対象ガス 10・・・水素検出子 11・・・触媒金属薄膜 12・・・透明基板 13・・・水素が流通する空間 21・・・ガス流路配管 22・・・透光室 23・・・開口 24・・・ガラス窓
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月11日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0004]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】従来、水素ガス検知用の光学的センサに用
いる光学的検出子として、水素分子を吸着し原子状水素
に解離する作用を持つ触媒金属、例えばパラジウム(P
d)の薄膜を表面層とし、この解離した原子状水素によ
って化学的に還元される酸化物、例えば酸化タングステ
ン(W3 )を下地層として、基板上に積層して構成し
た検出子が知られている(特公平3−15975号公
報)。解離した水素はW3 と反応して発色するので、
この着色による光透過率の変化を測定して水素ガスを検
知する。しかし、W3 は極めて耐水性が悪いので実用
上問題がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0011]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明で、触媒金属の薄膜(ア)の個数を
多くすることの作用は次の如く考えられる。即ち光源か
らの投射光の強度をI、n枚目の薄膜を透過した透過光
の強度をn 、1枚の薄膜について水素が無い場合の光
透過率を1 、水素が存在することによる光透過率の増
分を△1 とすると、次のような数式が得られる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0012]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【数1】 1 =I(1 +△1 )=I1 (1+△1 1 2 1 1 +△1 )=I(1 +△1 2 =I1 21+△1 1 2 n =I(1 +△1 n =I1 n1+△1 1 n =I1 n1+n△1 1 +・・・)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0013]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】検出子の感度は△T/Tで表されるから、
n枚目の透過光の強度n は、漸化式(数1)の多項展
開の結果から薄膜1枚の感度のn倍に対応して大きくな
ることが判る。但し、光透過率Tは通常T<1であるか
n <1となるので、実際にn枚の薄膜を使用して検
出子を構成する場合にはIn が実用的な大きさになるよ
うに薄膜や光源を調整する必要があることは勿論であ
る。しかし、例えばPd薄膜の場合、n枚の薄膜の合計
膜厚が100nm程度までは十分な透過率が得られるの
で、通常の強さの光源を用いても実用上十分な枚数の薄
膜を使用することができる。また強い光源を用いたり高
感度の光検出器を用いれば、更に薄膜の枚数を増して構
成することもできる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0020]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【実施例】図1に本発明の検出子の例を示す。検出子1
0は透明基板12を金属のPdの連続膜11で被覆した
もの複数個を重ねて構成したものであるが、重ねる際に
水素(2 )を含む検知対象ガス8が流通できる間隔の
空間13に連続膜11が露出するように構成したもので
ある。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0021]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】図2は、本発明の検出子10を用いて水素
センサを構成した基本系統図の一例を示す。2 を含む
検知対象ガス8は流路配管21を通って透光室22に入
る。透光室22にはガス流路を挟んだ対向側壁にそれぞ
れ開口23が設けてあり、開口23はガラス窓24で封
止してあり、両窓の間に本発明の検出子10を、その触
媒金属薄膜11に光束2がほぼ垂直に交わるように固定
して取り付けてある。一方の窓の外側に光源1(例えば
半導体レーザー)を配置してあり、光源1から投射され
た光束2はビームスプリッター3により分光され、片方
の光は窓24を通り本発明の検出子10を透過し、透過
光5を受光する位置に配置された光検出器であるフォト
ダイオード4により受光量の信号に変換され、これに接
続したスキャナー6に伝達される。もう片方の光は別の
フォトダイオード4によりゼロ点較正用の信号に変換さ
れてスキャナー6に伝達され、透過光及び較正用光の双
方の受光量がマルチメーター7により計測される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0023]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】光透過率及び応答時間の測定 図2の基本系統図に示した水素センサにおいて、検出子
10として上記の通り製作した2枚のPd膜と1個のガ
ラス基板からなる本発明の検出子を所定の位置に固定し
た。ガス流路配管21に最初に100%の窒素ガス(
2 )を流し、半導体レーザーを光源とする波長780n
mの光を用いて検出子10の光透過率Tをマルチメータ
ー7により測定した。次に、2 5体積%と2 95体
積%との混合ガスに切り換えて約5分間流しつつ、光透
過率(T+△T)を測定し、再び100%2 に切り換
えて光透過率Tを測定した。同様にして混合ガス中の
2 濃度(体積%)を種々なレベルに変えて光透過率及び
その時間的変化を測定し、図3に示した。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0024]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】感度及び応答時間の算定 図3において、2 0%のときの光透過率をTとし、所
定の2 濃度の混合ガスを導入して光透過率が定常値に
達したときの値をT+△Tとすると、2 が検出される
ときの光透過率の増分は△Tとなる。ここで、検出子の
2 検出感度を△T/Tと定義する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0025]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】それぞれPd膜厚約2.4nm、約4.8
nm及び約9.6nmの本発明の検出子(各Pd膜2
枚)について、2 濃度5体積%の混合ガスを用いて測
定を行い、求めた△T/Tの値を図4に示した。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0026]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】次に、図3において2 濃度0%から所定
2 濃度の混合ガスへ切り換えた瞬間を時間の基点と
し、光透過率の増分が90%に到達するまでの所要時
間、即ち光透過率がTからT+0.9×△Tに至る迄に
要する時間(秒)を応答時間と定義する。それぞれPd
膜厚約2.4nm、約4.8nm及び約9.6nmの本
発明の検出子(各Pd膜2枚)について、上記の感度測
定と同時に光透過率の時間経過を測定し、求めた応答時
間を図5に示した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0029]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】なお、感度は光透過率の増分△Tに依存す
ることから、図3で明らかな通り、2 濃度が高い場合
は勿論、2 濃度が1体積%前後の低濃度域においても
高い感度でしかも或る程度定量的に2 検出ができるこ
とが判る。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0030]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】次に本発明の検出子の2 ガス応答性を従
来型検出子のものと比べると、本発明では光が触媒金属
薄膜であるPd膜を複数枚透過しているにも拘らず、図
5から明らかな通り応答時間はPd膜1枚当たりの膜厚
が約2.4nmから約9.6nmの場合において殆ど従
来型検出子と同等の高速応答であり、本発明により応答
時間を高いレベルに維持しながら高感度化を達成できた
ことが判る。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0033]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【図3】本発明の検出子の光透過率及びその時間経過の
一例を2 濃度の或る範囲にわたり例示する特性図。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】[0034]
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【図4】実施例1及び比較例1の2 検出感度を対比し
て示す図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を吸着し解離する触媒金属の薄膜
    (ア)により透明基板(イ)を被覆してなる水素検出子
    において、上記薄膜(ア)が可視光線または赤外線を透
    過できる膜厚を持ち、上記薄膜(ア)が連続膜として上
    記基板(イ)を被覆し、上記基板(イ)を被覆した複数
    個の上記薄膜(ア)を可視光線または赤外線の進行方向
    に対して重ね、かつ上記薄膜(ア)をそれぞれ水素が流
    通できる空間に露出するように設けたことを特徴とする
    光学的水素検出子。
  2. 【請求項2】 触媒金属の薄膜(ア)を基板(イ)の両
    面に被覆したもの一個または複数個を用いる請求項1記
    載の光学的水素検出子。
  3. 【請求項3】 触媒金属が白金族金属である請求項1ま
    たは2記載の光学的水素検出子。
  4. 【請求項4】 触媒金属がパラジウムである請求項1ま
    たは2記載の光学的水素検出子。
  5. 【請求項5】 触媒金属の薄膜(ア)を蒸着法、スパッ
    タリング法または浸漬法により連続膜として形成するこ
    とを特徴とする請求項1、2、3または4記載の光学的
    水素検出子の製造方法。
  6. 【請求項6】 触媒金属が白金族金属である請求項5記
    載の光学的水素検出子の製造方法。
  7. 【請求項7】 触媒金属がパラジウムである請求項5記
    載の光学的水素検出子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の光学的水素検出
    子を用いることを特徴とするガスセンサ。
JP4518496A 1996-03-01 1996-03-01 水素検出子及びその製造方法 Pending JPH09236547A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4518496A JPH09236547A (ja) 1996-03-01 1996-03-01 水素検出子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4518496A JPH09236547A (ja) 1996-03-01 1996-03-01 水素検出子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09236547A true JPH09236547A (ja) 1997-09-09

Family

ID=12712195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4518496A Pending JPH09236547A (ja) 1996-03-01 1996-03-01 水素検出子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09236547A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008096424A (ja) * 2006-09-12 2008-04-24 Canon Inc 画像形成装置、印刷方法、及び印刷装置
JP2009516204A (ja) * 2005-10-28 2009-04-16 アドバンスト ケミカル テクノロジーズ フォー サステイナビリティ 水素センサ
US8144370B2 (en) 2006-09-12 2012-03-27 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus, printing method and printing apparatus

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009516204A (ja) * 2005-10-28 2009-04-16 アドバンスト ケミカル テクノロジーズ フォー サステイナビリティ 水素センサ
JP2008096424A (ja) * 2006-09-12 2008-04-24 Canon Inc 画像形成装置、印刷方法、及び印刷装置
US8144370B2 (en) 2006-09-12 2012-03-27 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus, printing method and printing apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5563707A (en) Interference enhanced optical sensor for detecting chemical species
US4661320A (en) Gas sensor
US4668635A (en) Method of detecting reative gases in a gas mixture
JPH09222392A (ja) 多角形平面複数通過セルとそれを有するシステムおよび装置と使用方法
Slaman et al. Optimization of Mg-based fiber optic hydrogen detectors by alloying the catalyst
Lloyd et al. Surface plasmon resonance studies of gas effects in phthalocyanine Langmuir-Blodgett films
US20050214950A1 (en) Optical disk based gas-sensing and storage device
JPH05196569A (ja) 水素センサ
JPH09236547A (ja) 水素検出子及びその製造方法
JP2007057233A (ja) 光学式ガスセンサ
JPH1010048A (ja) 新型水素検出子、その製造方法およびガスセンサ
JP2004053542A (ja) マグネシウム・ニッケル合金薄膜を用いた水素センサ及び水素濃度測定方法
JPH07243973A (ja) 酸性ガスまたはアルカリ性ガスの検知材及びその製造方法並びに検知装置
JP4644869B2 (ja) 光学式水素ガス検出素子及びその製造方法と、その素子を使用した光学式水素ガス検知装置及び方法
US11215558B2 (en) Nanostructure array, hydrogen detection element, and hydrogen detection device
CN114112973B (zh) 一种基于高载流子浓度导电薄膜的气体传感架构及传感器
JPH0513458B2 (ja)
JP3962807B2 (ja) マグネシウム薄膜を用いた水素センサ及び水素濃度測定方法
JPH0210374B2 (ja)
WO2006109408A1 (ja) 全反射減衰型光学プローブおよびそれを用いた遠紫外分光測定装置
WO1995030889A1 (en) Method and device for optoelectronic chemical sensing
JPH09250981A (ja) 表面プラズモン共鳴センサ
Wang et al. Detectivity comparison between thin-film Pd/PVDF photopyroelectric interferometric and optical reflectance hydrogen sensors
JPH09145621A (ja) 化学発光式窒素酸化物計
JPH0529061B2 (ja)