JP2020133878A - 車両駆動トルク制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの出力トルクが上昇しなかったり低下した時の、車輪に入力されるトータルのトルクについて運転者に違和感を与えてしまう可能性の小さい制御装置を提供する。【解決手段】第2トルク発生源が出力するトルクが出力トルク上限値よりも小さい場合、係合機構を係合解除状態に制御して第2トルク発生源が発生するトルクのみにより車両を走行させる。第2トルク発生源が出力するトルクが出力トルク上限値以上である場合、係合機構を係合完了状態に制御して第2トルク発生源が出力するトルク及び第1トルク発生源が出力するトルクにより車両を走行させる。また、第2トルク発生源の出力トルクが出力トルク上限値に達する前のタイミングであって、第2トルク発生源の出力トルクが出力トルク上限値に達した時点で係合機構が係合完了状態となっているタイミングにて係合機構を係合解除状態から係合完了状態に移行させる処理を開始する。【選択図】図7
Description
本発明は、車両駆動トルク制御装置に関する。
車両を走行させるための駆動トルクを発生させる内燃機関及びモータ、内燃機関とモータとを接続するシャフトに介装された第1クラッチ、及び、モータとトランスミッションとを接続するシャフトに介装された第2クラッチを備えた車両が知られている。この車両は、第1クラッチを係合解除状態に制御し且つ第2クラッチを係合状態に制御してモータの出力トルクのみを車両を走行させる駆動トルクとするEVモードと、第1クラッチ及び第2クラッチをそれぞれ係合状態に制御して内燃機関の出力トルク及びモータの出力トルクを車両を走行させる駆動トルクとするHVモードと、の何れかの走行モードにより走行される。
上記車両において、走行モードをEVモードからHVモードに移行する場合、内燃機関を始動させる必要がある。この場合、内燃機関の始動が完了する前にモータの出力トルクがその上限値(即ち、モータが出力可能なトルクの上限値であり、以下、「モータトルク上限値」と称呼する。)に達してしまうと、それ以降、モータの出力トルクが上昇しないばかりか、モータの回転速度の上昇によりモータトルク上限値が低下するとモータの出力トルクも低下してしまう。
このようにモータの出力トルクが上昇しなかったり低下したりすると、車両の車輪に入力されるトータルのトルクも上昇しなかったり低下したりする。この場合、車輪に入力されるトータルのトルクについて車両の運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
そこで、内燃機関の始動が完了する前にモータの出力トルクがモータトルク上限値に達しないようにモータの出力トルクを制限するようにした車両が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記車両において、走行モードをEVモードからHVモードに移行する場合、内燃機関とモータとを接続するために第1クラッチを係合させる必要がある。第1クラッチを係合解除状態から係合完了状態(即ち、第1クラッチの係合が完了した状態)に移行させるためには、一定の時間を要する。従って、第1クラッチが係合完了状態に移行する前にモータの出力トルクがモータトルク上限値に達してしまうと、内燃機関の出力トルクの少なくとも一部が車輪に入力されないので、車輪に入力されるトータルのトルクが上昇しなかったり低下したりする可能性がある。この場合、車輪に入力されるトータルのトルクについて運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
本発明は、上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の1つは、走行モードをEVモードからHVモードに移行させるときにクラッチを係合解除状態から係合完了状態に移行させる必要がある場合に車輪に入力されるトータルのトルクについて運転者に違和感を与える可能性の小さい車両駆動トルク制御装置を提供することにある。
本発明に係る車両駆動トルク制御装置は、第1トルク伝達系(51)、第1トルク発生源(10、11)、係合機構(14)、第2トルク伝達系(52)、第2トルク発生源(12)、及び、制御手段(90)を備えている。
前記第1トルク伝達系(51)は、車両(100)の駆動輪である第1駆動輪(100RL、100RR)に接続されている。
前記第1トルク発生源(10、11)は、前記第1トルク伝達系(51)を介して前記第1駆動輪(100RL、100RR)にトルクを入力できるように配設されている。
前記係合機構(14)は、前記第1トルク伝達系(51)に配設されており、前記第1トルク伝達系のトルク伝達経路が確立されている係合完了状態と前記トルク伝達系路が遮断されている係合解除状態との何れかの状態に制御される。
前記第2トルク伝達系(52)は、前記第1駆動輪とは異なる前記車両の駆動輪である第2駆動輪(100FL、100FR)に接続されている。
前記第2トルク発生源(12)は、前記第2トルク伝達系(52)を介して前記第2駆動輪(100FL、100FR)にトルクを入力できるように配設されている。
前記制御手段(90)は、前記第1トルク発生源(10、11)の作動状態、前記第2トルク発生源(12)の作動状態及び前記係合機構(14)の作動状態を制御する。
前記制御手段(90)は、前記第2トルク発生源(12)が出力可能なトルクの上限値を出力トルク上限値(Tlimit)として取得するように構成されている。
更に、前記制御手段(90)は、前記第2トルク発生源(12)が出力するトルク(Tmg2)が前記出力トルク上限値(Tlimit=Tmode)よりも小さい場合(図6のステップ610にて「Yes」と判定される場合を参照。)、前記係合機構(14)を前記係合解除状態に制御して前記第2トルク発生源が発生するトルクのみにより前記車両を走行させる(図6のステップ620及びステップ630の処理を参照。)ように構成されている。
一方、前記制御手段(90)は、前記第2トルク発生源(12)が出力するトルク(Tmg2)が前記出力トルク上限値(Tlimit=Tmode)以上である場合(図6のステップ610にて「No」と判定される場合を参照。)、前記係合機構(14)を前記係合完了状態に制御して前記第2トルク発生源が出力するトルク及び前記第1トルク発生源(10、11)が出力するトルク(Teng、Tmg1)により前記車両を走行させる(図6のステップ640及びステップ650の処理を参照。)ように構成されている。
加えて、前記制御手段(90)は、前記第2トルク発生源(12)が出力するトルク(Tmg2)が前記出力トルク上限値(Tlimit=Tmode)に達する前のタイミングであって、前記第2トルク発生源が発生するトルクが前記出力トルク上限値に達した時点で前記係合機構が前記係合完了状態となっているタイミングにて前記係合機構を前記係合解除状態から前記係合完了状態に移行させる処理を開始する(図7のステップ710乃至ステップ770の処理を参照。)ように構成されている。
本発明に係る車両駆動トルク制御装置によれば、車両を走行させるための制御が「第2トルク発生源が発生するトルクのみにより車両を走行させる制御」から「第2トルク発生源が出力するトルク及び第1トルク発生源が出力するトルクにより車両を走行させる制御」に切り替えられる時点において、係合機構が係合完了状態となっている。
従って、車両を走行させるための制御が切り替えられた場合、即座に、第1トルク発生源が出力するトルクの全てが第1トルク駆動系を介して第1駆動輪に入力される。即ち、車両を走行させるための制御が切り替えられた直後、第2トルク発生源が出力できない分のトルクを第1トルク発生源により出力させて第1駆動輪に入力することができる。このため、車両の車輪に入力されるトータルのトルクについて車両の運転者に違和感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要素は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る車両駆動トルク制御装置(以下、「実施装置」と称呼する。)について説明する。
実施装置は、図1に示した車両100に適用される。実施装置は、図2に示したように、ECU90を備える。ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称である。ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。CPUは、ROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。
図1に示したように、実施装置は、車両100に適用される。車両100には、内燃機関10、第1モータジェネレータ11、第2モータジェネレータ12、制振ダンパ13、係合機構14、及び、トランスミッション15が搭載されている。
以下、内燃機関10を「機関10」と称呼し、第1モータジェネレータ11を「第1モータ11」と称呼し、第2モータジェネレータ12を「第2モータ12」と称呼する。本例において、機関10は、圧縮着火式の内燃機関(いわゆるディーゼルエンジン)であるが、火花点火式の内燃機関(いわゆるガソリンエンジン)であってもよい。
機関10は、機関出力シャフト20を介してトランスミッション15に接続されている。制振ダンパ13は、機関出力シャフト20に介装されている。係合機構14は、いわゆるクラッチであり、制振ダンパ13とトランスミッション15との間において機関出力シャフト20に介装されている。
第1モータ11は、制振ダンパ13と係合機構14との間において機関出力シャフト20に介装されている。より具体的には、第1モータ11は、そのロータ(図示略)が制振ダンパ13と係合機構14との間において機関出力シャフト20に配設される形で機関出力シャフト20に設けられている。
トランスミッション15は、第1プロペラシャフト21及び第1デファレンシャルギア31を介して第1ドライブシャフト41に接続されている。第1ドライブシャフト41は、その一端において車両100の左後輪100RLに接続されており、その他端において車両100の右後輪100RRに接続されている。
第2モータ12は、第2プロペラシャフト22及び第2デファレンシャルギア32を介して第2ドライブシャフト42に接続されている。第2ドライブシャフト42は、その一端において車両100の左前輪100FLに接続されており、その他端において車両100の右前輪100FRにそれぞれ接続されている。
<内燃機関>
図2に示したように、機関10は、燃料噴射弁16を備えている。燃料噴射弁16は、ECU90に接続されている。燃料噴射弁16の作動は、ECU90によって制御される。ECU90は、燃料噴射弁16の作動を制御することにより、燃料噴射弁16から噴射される燃料の量を制御し、それにより、機関10から機関出力シャフト20に入力されるトルクを制御することができる。即ち、ECU90は、燃料噴射弁16の作動を制御することにより、機関10の運転状態を制御することができる。
図2に示したように、機関10は、燃料噴射弁16を備えている。燃料噴射弁16は、ECU90に接続されている。燃料噴射弁16の作動は、ECU90によって制御される。ECU90は、燃料噴射弁16の作動を制御することにより、燃料噴射弁16から噴射される燃料の量を制御し、それにより、機関10から機関出力シャフト20に入力されるトルクを制御することができる。即ち、ECU90は、燃料噴射弁16の作動を制御することにより、機関10の運転状態を制御することができる。
機関10が運転されると、機関10から機関出力シャフト20にトルクが入力される。機関10から機関出力シャフト20に入力されたトルクは、係合機構14が係合完了状態に制御されている場合、機関出力シャフト20、制振ダンパ13及び係合機構14を介してトランスミッション15に入力される。
以下、燃料噴射弁16から噴射される燃料の量を「燃料噴射量Q」と称呼し、機関10から機関出力シャフト20に入力されるトルク(即ち、機関10から出力されるトルク)を「機関トルクTeng」と称呼する。
<係合機構>
係合機構14は、係合解除状態と係合完了状態との何れかの状態に制御されるようになっている。係合機構14は、係合解除状態に制御されている場合、機関10から機関出力シャフト20にトルクが入力されても、そのトルクを係合機構14下流側の機関出力シャフト20には伝達又は入力しない。従って、この場合、機関10から機関出力シャフト20に入力されたトルクは、トランスミッション15に入力されない。一方、係合機構14は、係合完了状態に制御されている場合、機関出力シャフト20からトランスミッション15に入力されたトルクを係合機構14下流側の機関出力シャフト20に伝達又は入力する。従って、この場合、機関10から機関出力シャフト20に入力されたトルクは、トランスミッション15に入力される。
係合機構14は、係合解除状態と係合完了状態との何れかの状態に制御されるようになっている。係合機構14は、係合解除状態に制御されている場合、機関10から機関出力シャフト20にトルクが入力されても、そのトルクを係合機構14下流側の機関出力シャフト20には伝達又は入力しない。従って、この場合、機関10から機関出力シャフト20に入力されたトルクは、トランスミッション15に入力されない。一方、係合機構14は、係合完了状態に制御されている場合、機関出力シャフト20からトランスミッション15に入力されたトルクを係合機構14下流側の機関出力シャフト20に伝達又は入力する。従って、この場合、機関10から機関出力シャフト20に入力されたトルクは、トランスミッション15に入力される。
係合機構14は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、係合機構14を係合解除状態と係合完了状態との何れかの状態に制御することができる。
<トランスミッション>
トランスミッション15は、変速を行う装置であり、そこに入力されたトルクを第1プロペラシャフト21に伝達又は入力する。トランスミッション15から第1プロペラシャフト21に入力されたトルクは、第1デファレンシャルギア31及び第1ドライブシャフト41を介して左後輪100RL及び右後輪100RRにそれぞれ入力される。これにより、左後輪100RL及び右後輪100RRに回転力が与えられ、それにより、車両100が走行する。従って、左後輪100RL及び右後輪100RRは、それぞれ、車両100の駆動輪である。
トランスミッション15は、変速を行う装置であり、そこに入力されたトルクを第1プロペラシャフト21に伝達又は入力する。トランスミッション15から第1プロペラシャフト21に入力されたトルクは、第1デファレンシャルギア31及び第1ドライブシャフト41を介して左後輪100RL及び右後輪100RRにそれぞれ入力される。これにより、左後輪100RL及び右後輪100RRに回転力が与えられ、それにより、車両100が走行する。従って、左後輪100RL及び右後輪100RRは、それぞれ、車両100の駆動輪である。
<第1モータ>
第1モータ11は、パワーコントロールユニット17を介してバッテリ18に電気的に接続されている。パワーコントロールユニット17は、ECU90に電気的に接続されている。パワーコントロールユニット17は、インバータ(図示略)を備えている。ECU90は、パワーコントロールユニット17のインバータの作動を制御することにより、バッテリ18から第1モータ11に供給される電力量を制御し、それにより、第1モータ11から機関出力シャフト20に入力されるトルクを制御することができる。即ち、ECU90は、パワーコントロールユニット17のインバータの作動を制御することにより、第1モータ11の駆動状態を制御することができる。
第1モータ11は、パワーコントロールユニット17を介してバッテリ18に電気的に接続されている。パワーコントロールユニット17は、ECU90に電気的に接続されている。パワーコントロールユニット17は、インバータ(図示略)を備えている。ECU90は、パワーコントロールユニット17のインバータの作動を制御することにより、バッテリ18から第1モータ11に供給される電力量を制御し、それにより、第1モータ11から機関出力シャフト20に入力されるトルクを制御することができる。即ち、ECU90は、パワーコントロールユニット17のインバータの作動を制御することにより、第1モータ11の駆動状態を制御することができる。
第1モータ11が駆動されると、第1モータ11から機関出力シャフト20にトルクが入力される。第1モータ11から機関出力シャフト20に入力されたトルクは、機関出力シャフト20を介してトランスミッション15に入力される。
以下、第1モータ11から出力されるトルクを「第1モータトルクTmg1」と称呼する。
尚、第1モータ11のロータが機関トルクTengにより回転されている状態においては、第1モータ11は、電動機としてではなく、発電機として働く。この場合、第1モータ11は、電力を発生する。第1モータ11が発生した電力は、パワーコントロールユニット17を介してバッテリ18に充電される。
<第1トルク伝達系>
本例においては、機関出力シャフト20、トランスミッション15、第1プロペラシャフト21、第1デファレンシャルギア31及び第1ドライブシャフト41等により、機関トルクTeng及び第1モータトルクTmg1を後輪100RL及び100RRに伝達するための第1トルク伝達系51が形成されている。トランスミッション15の係合機構14が係合完了状態に制御されている場合、第1トルク伝達系51のトルク伝達経路が確立されている。一方、係合機構14が係合解除状態に制御されている場合、第1トルク伝達系51のトルク伝達経路が遮断されている。
本例においては、機関出力シャフト20、トランスミッション15、第1プロペラシャフト21、第1デファレンシャルギア31及び第1ドライブシャフト41等により、機関トルクTeng及び第1モータトルクTmg1を後輪100RL及び100RRに伝達するための第1トルク伝達系51が形成されている。トランスミッション15の係合機構14が係合完了状態に制御されている場合、第1トルク伝達系51のトルク伝達経路が確立されている。一方、係合機構14が係合解除状態に制御されている場合、第1トルク伝達系51のトルク伝達経路が遮断されている。
又、機関10及び第1モータ11は、第1トルク伝達系51を介して後輪100RL及び100RRにトルクを入力できるように設けられたトルク発生源である。
<第2モータ>
第2モータ12も、パワーコントロールユニット17を介してバッテリ18に電気的に接続されている。ECU90は、パワーコントロールユニット17のインバータを制御することにより、バッテリ18から第2モータ12に供給される電力量を制御し、それにより、第2モータ12から第2プロペラシャフト22に入力されるトルクを制御することができる。即ち、ECU90は、パワーコントロールユニット17のインバータの作動を制御することにより、第2モータ12の駆動状態を制御することができる。
第2モータ12も、パワーコントロールユニット17を介してバッテリ18に電気的に接続されている。ECU90は、パワーコントロールユニット17のインバータを制御することにより、バッテリ18から第2モータ12に供給される電力量を制御し、それにより、第2モータ12から第2プロペラシャフト22に入力されるトルクを制御することができる。即ち、ECU90は、パワーコントロールユニット17のインバータの作動を制御することにより、第2モータ12の駆動状態を制御することができる。
第2モータ12が駆動されると、第2モータ12から第2プロペラシャフト22にトルクが入力される。第2モータ12から第2プロペラシャフト22に入力されたトルクは、第2デファレンシャルギア32及び第2ドライブシャフト42を介して左前輪100FL及び右前輪100FRそれぞれに入力される。これにより、左前輪100FL及び右前輪100FRに回転力が与えられ、それにより、車両100が走行する。従って、左前輪100FL及び右前輪100FRは、車両100の駆動輪である。
以下、第2モータ12から出力されるトルクを「第2モータトルクTmg2」と称呼し、第2モータ12から第2プロペラシャフト22に入力されたトルクを「第2プロペラトルクTps2」と称呼する。
<第2トルク伝達系>
本例においては、第2プロペラシャフト22、第2デファレンシャルギア32及び第2ドライブシャフト42等により、第2モータトルクTmg2を前輪100FL及び100FRに伝達するための第2トルク伝達系52が形成されている。
本例においては、第2プロペラシャフト22、第2デファレンシャルギア32及び第2ドライブシャフト42等により、第2モータトルクTmg2を前輪100FL及び100FRに伝達するための第2トルク伝達系52が形成されている。
又、第2モータ12は、第2トルク伝達系52を介して前輪100FL及び100FRにトルクを入力できるように設けられたトルク発生源である。
<センサ>
図2に示したように、車両100には、アクセルペダル19の操作量APを検出するアクセルペダル操作量センサ81が搭載されている。アクセルペダル操作量センサ81は、ECU90に電気的に接続されている。アクセルペダル操作量センサ81は、アクセルペダル19の操作量APを検出し、その検出した操作量APを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてアクセルペダル19の操作量APをアクセルペダル操作量APとして取得する。
図2に示したように、車両100には、アクセルペダル19の操作量APを検出するアクセルペダル操作量センサ81が搭載されている。アクセルペダル操作量センサ81は、ECU90に電気的に接続されている。アクセルペダル操作量センサ81は、アクセルペダル19の操作量APを検出し、その検出した操作量APを表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいてアクセルペダル19の操作量APをアクセルペダル操作量APとして取得する。
更に、機関10には、そのクランクシャフト(図示略)が所定角度だけ回転する毎にパルス信号を発信するクランク角センサ82が取り付けられている。クランク角センサ82は、ECU90に電気的に接続されている。クランク角センサ82は、パルス信号をECU90に送信する。ECU90は、そのパルス信号等に基づいてクランクシャフトの回転速度を機関回転速度NEとして取得する。
更に、車両100には、第2プロペラシャフト22の回転速度Rps2を検出する回転速度センサ83が搭載されている。回転速度センサ83は、ECU90に電気的に接続されている。回転速度センサ83は、第2プロペラシャフト22の回転速度Rps2を検出し、その検出した回転速度Rps2を表す信号をECU90に送信する。ECU90は、その信号に基づいて第2プロペラシャフト22の回転速度Rps2を第2回転速度Rps2として取得する。更に、ECU90は、取得した第2回転速度Rps2等に基づいて車両100の速度を車速SPDして取得する。
<実施装置の作動の概要>
次に、実施装置の作動の概要について説明する。実施装置は、アクセルペダル操作量AP及び車速SPD等に基づいて車両100の各車輪100FL、100FR、100RL及び100RRに入力されるトータルのトルク(以下、「車輪入力トルクTtotal」と称呼する。)として要求されるトルクを要求駆動トルクTreqとして取得する。
次に、実施装置の作動の概要について説明する。実施装置は、アクセルペダル操作量AP及び車速SPD等に基づいて車両100の各車輪100FL、100FR、100RL及び100RRに入力されるトータルのトルク(以下、「車輪入力トルクTtotal」と称呼する。)として要求されるトルクを要求駆動トルクTreqとして取得する。
更に、実施装置は、要求駆動トルクTreq等に基づいて第2プロペラシャフト22に入力されるべき第2モータトルクTmg2を目標第2モータトルクTmg2_tgtとして取得する。
そして、実施装置は、第2モータトルクTmg2が目標第2モータトルクTmg2_tgtとなるように第2モータ12の駆動状態を制御する。
<EVモード制御>
このとき、第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmodeよりも小さい場合、第2モータトルクTmg2のみにより車両100を走行させるEVモード制御を行う。EVモード制御は、車両100を走行させるための走行制御の1つである。
このとき、第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmodeよりも小さい場合、第2モータトルクTmg2のみにより車両100を走行させるEVモード制御を行う。EVモード制御は、車両100を走行させるための走行制御の1つである。
そして、実施装置は、EVモード制御を行う場合、係合機構14を係合解除状態に制御しつつ、第2モータトルクTmg2が目標第2モータトルクTmg2_tgtとなるように第2モータ12の駆動状態を制御する。
<モード切替閾値>
尚、実施装置は、第2モータ12が出力可能なトルクの上限値である出力トルク上限値(以下、「第2モータトルク上限値Tlimit」と称呼する。)を上記モード切替閾値Tmodeとして設定する。第2モータトルク上限値Tlimitは、車速SPD及び第2モータ12に印加される電圧(以下、「第2モータ電圧Vmg2」と称呼する。)に応じて変化する値であり、車速SPDが高くなるほど小さくなり、第2モータ電圧Vmg2が低くなるほど小さくなる。別の言い方をすれば、第2モータトルク上限値Tlimitは、第2モータ12の回転速度Rmg2及び第2モータ電圧Vmg2に応じて変化する値であり、第2モータ12の回転速度Rmg2が大きくなるほど小さくなり、第2モータ電圧Vmg2が低くなるほど小さくなる。
尚、実施装置は、第2モータ12が出力可能なトルクの上限値である出力トルク上限値(以下、「第2モータトルク上限値Tlimit」と称呼する。)を上記モード切替閾値Tmodeとして設定する。第2モータトルク上限値Tlimitは、車速SPD及び第2モータ12に印加される電圧(以下、「第2モータ電圧Vmg2」と称呼する。)に応じて変化する値であり、車速SPDが高くなるほど小さくなり、第2モータ電圧Vmg2が低くなるほど小さくなる。別の言い方をすれば、第2モータトルク上限値Tlimitは、第2モータ12の回転速度Rmg2及び第2モータ電圧Vmg2に応じて変化する値であり、第2モータ12の回転速度Rmg2が大きくなるほど小さくなり、第2モータ電圧Vmg2が低くなるほど小さくなる。
又、実施装置は、EVモード制御を行っているときにバッテリ18に電力を充電する必要が生じた場合、係合機構14を係合解除状態に制御した状態で機関10を運転させることにより第1モータ11のロータを回転させ、それにより、第1モータ11に電力を発生させ、その電力をバッテリ18に充電する。
従って、実施装置は、EVモード制御を行う場合、バッテリ18に電力を充電する必要がない限り、機関10の運転を停止させている。
<HVモード制御>
一方、第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmode以上である場合、実施装置は、第2モータトルクTmg2と機関トルクTengとにより車両100を走行させるHVモード制御を行う。HVモード制御は、車両100を走行させる走行制御の1つである。
一方、第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmode以上である場合、実施装置は、第2モータトルクTmg2と機関トルクTengとにより車両100を走行させるHVモード制御を行う。HVモード制御は、車両100を走行させる走行制御の1つである。
本例においては、実施装置は、HVモード制御を行う場合、モード切替閾値Tmodeに等しいトルクを目標第2モータトルクTmg2_tgtとして設定する。
更に、実施装置は、目標第2モータトルクTmg2_tgtに等しいトルクが第2プロペラシャフト22に入力されたときに第2ドライブシャフト42に入力されるトルクを第2ドライブトルクTds2として取得する。
実施装置は、取得した第2ドライブトルクTds2を要求駆動トルクTreqから減じて得られるトルクを要求第1ドライブトルクTds1_req(=Treq−Tds2)として取得する。要求第1ドライブトルクTds1_reqは、第1ドライブシャフト41に入力されるべきトルクである。実施装置は、要求第1ドライブトルクTds1_req等に基づいて機関10から出力させるべきトルクTengを目標機関トルクTeng_tgtとして取得する。
そして、実施装置は、第2モータトルクTmg2が目標第2モータトルクTmg2_tgtとなるように第2モータ12の駆動状態を制御する。加えて、実施装置は、機関トルクTengが目標機関トルクTeng_tgtとなるように機関10の運転状態を制御する。より具体的には、目標機関トルクTeng_tgt及び機関回転速度NE等に基づいて目標機関トルクTeng_tgtを達成できる燃料噴射量Qを目標燃料噴射量Qtgtとして取得し、燃料噴射量Qが目標燃料噴射量Qtgtとなるように燃料噴射弁16の作動を制御する。
尚、実施装置は、HVモード制御を行う場合、係合機構14を係合完了状態に制御している。
又、本例においては、実施装置は、HVモード制御を行う場合、モード切替閾値Tmodeに等しいトルクを目標第2モータトルクTmg2_tgtとして設定している。しかしながら、実施装置は、モード切替閾値Tmodeよりも小さいトルクを目標第2モータトルクTmg2_tgtとして設定するように構成されてもよい。
<係合機構の作動制御>
次に、実施装置による係合機構14の作動制御について、図3に示した例を参照しつつ説明する。
次に、実施装置による係合機構14の作動制御について、図3に示した例を参照しつつ説明する。
図3に示した例においては、時刻t30までは要求駆動トルクTreqが第1要求駆動トルクTreq_1で一定であり、時刻t30において要求駆動トルクTreqが上昇し始め、時刻t33において要求駆動トルクTreqが第1要求駆動トルクTreq_1よりも大きい第2要求駆動トルクTreq_2に達して一定となる。
時刻t30において要求駆動トルクTreqが上昇し始めるので、第2モータトルクTmg2も上昇し始める。すると、車速SPDが第1車速SPD1から上昇し始める。これにより、第2モータトルク上限値Tlimitが低下し始める。
そして、時刻t31において、第2モータトルクTmg2は、値Tmg2_2となる。一方、時刻t31において、第2モータトルク上限値Tlimitは、値Tlimit_2となる。時刻t31における第2モータトルクTmg2の値Tmg2_2は、第2モータトルク上限値Tlimitの値Tlimit_2に等しい、従って、時刻t31において、第2モータトルクTmg2は、第2モータトルク上限値Tlimitに達する。第2モータトルク上限値Tlimitがモード切替閾値Tmodeに設定されるので、時刻t31において、走行制御がEVモード制御からHVモード制御に切り替えられる。
この場合において、時刻t31において、係合機構14を係合解除状態から係合完了状態に移行させる処理(係合処理)を開始したと仮定する。係合機構14が係合解除状態から係合完了状態に移行するまでに一定の時間(以下、「係合所要時間Δt」と称呼する。)を要する。従って、時刻t31から一定の時間Δtが経過する時刻t32までの期間T1においては、機関トルクTengの全てが第1ドライブシャフト41に入力されるわけではない。
一方、期間T1においても、車速SPDが徐々に上昇するので、第2モータトルク上限値Tlimitが徐々に低下する。このため、第2モータトルクTmg2も徐々に低下する。従って、要求駆動トルクTreqが上昇しているにもかかわらず、車輪入力トルクTtotalが上昇せず或いは低下してしまう可能性がある。この場合、車両100の運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
尚、図3に示した例においては、期間T1において、車速SPDは、期間T1以前における車速SPDの上昇速度よりも小さい上昇速度で上昇する。そして、時刻t32において、係合機構14が係合完了状態に制御されると、時刻t32以降は、機関トルクTengの全てが第1ドライブシャフト41に入力されるので、車速SPDは、期間T1における車速SPDの上昇速度よりも大きい上昇速度で上昇する。
このように、第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmodeに達した時点で係合処理が開始されるようになっている場合、車輪入力トルクTtotalが上昇せず或いは低下してしまい、その結果、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
そこで、実施装置は、係合処理を実行すべきか否かを判定するために用いる係合開始閾値Tclutchを以下に述べるようにして設定し、第2モータトルクTmg2が係合開始閾値Tclutchに達した時点で係合処理を開始する。
即ち、一定時間dtにおける車速SPDの変化量ΔSPDについて、下式1が成立することが知られている。
上式1において、「Ttotal」は、車両の各車輪に入力されるトータルのトルクであり、「Tres」は、車両が走行している道路の路面抵抗であり、「I」は、車両のイナーシャである。
そして、上式1を利用すれば、現時点から一定時間dtが経過した時点における車速SPDを下式2により表すことができる。
SPDest=SPDnow+ΔSPD=SPDnow+((Ttotal−Tres)/I)・dt ・・・(2)
上式2において、「SPDest」は、現時点から一定時間dtが経過した時点における車速であり、「SPDnow」は、現時点における車速であり、「Ttotal」は、車両の各車輪に入力されるトータルのトルクであり、「Tres」は、車両が走行している道路の路面抵抗であり、「I」は、車両のイナーシャであり、「dt」は、一定時間である。
EVモード制御が行われているときにおいては、要求駆動トルクTreqと車輪入力トルクTtotalとは等しい。従って、上式2の「SPDnow」として現時点における車速SPDを入力し、上式2の「Ttotal」として現時点における要求駆動トルクTreqを入力し、上式2の「Tres」として車両100が現時点で走行している道路の路面抵抗Tresを入力し、上式2の「I」として車両100のイナーシャIを入力し、上式2の「dt」として係合所要時間Δtを入力すれば、現時点から係合所要時間Δtが経過した時点における車速SPDを取得することができる。
そこで、実施装置は、現時点における車速SPD、現時点における要求駆動トルクTreq、車両100が現時点で走行している道路の路面抵抗Tres、車両100のイナーシャI、及び、係合所要時間Δtを上式2に適用することにより得られる車速SPDを推定車速SPDestとして取得する。
一方、先に述べたように、第2モータトルク上限値Tlimitは、車速SPDと第2モータ電圧Vmg2とに応じて決まる。従って、現時点から係合所要時間Δtが経過した時点における車速SPD及び第2モータ電圧Vmg2が分かれば、その時点における第2モータトルク上限値Tlimitが分かる。現時点から係合所要時間Δtが経過した時点における車速SPDは、上式2から取得される推定車速SPDestである。一方、第2モータ電圧Vmg2は、既知の一定値である。
そこで、実施装置は、推定車速SPDest及び第2モータ電圧Vmg2をルックアップテーブルMapTlimit_est(SPDest,Vmg2)に適用することにより、現時点から係合所要時間Δtが経過した時点における第2モータトルク上限値Tlimitを推定第2モータトルク上限値Tlimit_estとして取得する。
従って、推定第2モータトルク上限値Tlimit_estは、図4の(A)に示したように、現時点(時刻t40)から係合所要時間Δtが経過した時点(時刻t41)における第2モータトルク上限値Tlimitの推定値である。尚、図4の(A)において、値Tlimit_nowは、現時点における第2モータトルク上限値Tlimitである。
一方、実施装置は、要求駆動トルクTreqに基づいて現時点から係合所要時間Δtが経過した時点における第2モータトルクTmg2を推定第2モータトルクTmg2_estとして取得する。実施装置は、取得した推定第2モータトルクTmg2_estから現時点における第2モータトルクTmg2(第2モータトルクTmg2_now)を減じて得られる値を推定第2モータトルク変化量ΔTmg2(=Tmg2_est−Tmg2_now)として取得する。
従って、推定第2モータトルク変化量ΔTmg2は、図4の(A)に示したように、現時点(時刻t40)から係合所要時間Δtが経過する時点(時刻t41)までにおける第2モータトルクTmg2の変化量である。
実施装置は、推定第2モータトルク上限値Tlimit_estから推定第2モータトルク変化量ΔTmg2を減じて得られる値を係合開始閾値Tclutch(=Tlimit_est−ΔTmg2_est)として設定する。
従って、係合開始閾値Tclutchは、図4の(A)に示したように、値Tlimit_estよりも値ΔTmg2だけ小さい値である。
このように係合開始閾値Tclutchが設定された場合、第2モータトルクTmg2と第2モータトルク上限値Tlimitとは、以下に述べるような関係となる。即ち、図4の(B)に示したように、第2モータトルクTmg2が係合開始閾値Tclutchに達した時点(時刻t40)で係合処理が開始された場合、現時点(時刻t40)から係合所要時間Δtが経過した時点(時刻t41)で第2モータトルク上限値Tlimitが推定第2モータトルク上限値Tlimit_estに等しい値となる。一方、現時点(時刻t40)から係合所要時間Δtが経過する時点(時刻t41)までに第2モータトルクTmg2が値ΔTmg2だけ変化して推定第2モータトルク上限値Tlimit_estに等しい値となる。
このように係合開始閾値Tclutchが設定される場合における実施装置による係合機構14の作動制御について、図5に示した例を参照しつつ説明する。
図5に示した例においては、図3に示した例と同様に、時刻t50までは要求駆動トルクTreqが第1要求駆動トルクTreq_1で一定であり、時刻t50において要求駆動トルクTreqが上昇し始め、時刻t53において要求駆動トルクTreqが第2要求駆動トルクTreq_2に達して一定となる。
要求駆動トルクTreqが時刻t50において上昇し始めた場合、時刻t51において第2モータトルクTmg2が係合開始閾値Tclutchに達する。従って、時刻t51において係合処理が開始され、時刻t51から係合所要時間Δtが経過した時刻t52において係合機構14が係合完了状態となる。
一方、時刻t51から係合所要時間Δtが経過するまでの期間T1、即ち、時刻t51から時刻t52までの期間T1においては、車速SPDが徐々に上昇するので、第2モータトルク上限値Tlimitが徐々に低下し、時刻t52において、値Tlimit_2となる。
更に、時刻t51から係合所要時間Δtが経過するまでの期間T1においては、第2モータトルクTmg2が徐々に上昇し、時刻t52において、値Tmg2_2となる。この時刻t52における第2モータトルクTmg2の値Tmg2_2は、時刻t52における第2モータトルク上限値Tlimitの値Tlimit_2と等しい。即ち、時刻t52において、第2モータトルクTmg2が第2モータトルク上限値Tlimitに達する。そして、上述したように、時刻t52において、係合機構14が係合完了状態となっている。
即ち、実施装置は、第2モータトルクTmg2が第2モータトルク上限値Tlimitに達する前のタイミングであって、第2モータトルクTmg2が第2モータトルク上限値Tlimitに達した時点で係合機構14が係合完了状態となっているタイミングにて係合機構14を係合解除状態から係合完了状態に移行される係合処理を開始するようになっている。
従って、時刻t52において、第2モータトルクTmg2が第2モータトルク上限値Tlimit(即ち、モード切替閾値Tmode)に達し、その結果、走行制御がEVモード制御からHVモード制御に切り替えられた場合、即座に、機関トルクTengの全てが第1ドライブシャフト41に入力される。従って、走行制御がEVモード制御からHVモード制御に切り替えられた直後も、要求駆動トルクTreqの上昇に合わせて車輪入力トルクTtotalが上昇する。従って、車輪入力トルクTtotalについて車両100の運転者に違和感を与えてしまう可能性を小さくすることができる。
尚、実施装置は、HVモード制御を行っているときに第2モータトルクTmg2が低下してモード切替閾値Tmodeに達した場合、第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmodeに達した時点において係合機構14を係合完了状態から係合解除状態に移行させるための処理(係合解除処理)を開始する。
<実施装置の具体的な作動>
次に、実施装置の具体的な作動について説明する。実施装置のECU90のCPUは、図6にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図6のステップ600から処理を開始してステップ610に進み、第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmodeよりも小さいか否かを判定する。
次に、実施装置の具体的な作動について説明する。実施装置のECU90のCPUは、図6にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図6のステップ600から処理を開始してステップ610に進み、第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmodeよりも小さいか否かを判定する。
第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmodeよりも小さい場合、CPUは、ステップ610にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ620及びステップ630の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ695に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ620:CPUは、先に述べたようにして目標第2モータトルクTmg2_tgtを取得する。
ステップ630:CPUは、第2モータトルクTmg2が目標第2モータトルクTmg2_tgtとなるように第2モータ12の駆動状態を制御する。
第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmode以上である場合、CPUは、ステップ610にて「No」と判定し、以下に述べるステップ640及びステップ650の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ695に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ640:CPUは、先に述べたようにして目標第2モータトルクTmg2_tgtを取得すると共に目標機関トルクTeng_tgtを取得する。
ステップ650:CPUは、第2モータトルクTmg2が目標第2モータトルクTmg2_tgtとなるように第2モータ12の駆動状態を制御する。更に、CPUは、機関トルクTengを目標機関トルクTeng_tgtとすることができる燃料噴射量Qを目標燃料噴射量Qtgtとして取得し、燃料噴射量Qが目標燃料噴射量Qtgtとなるように燃料噴射弁16の作動を制御する。
更に、CPUは、図7にフローチャートにより示したルーチンを所定時間の経過毎に実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図7のステップ700から処理を開始してステップ705に進み、係合完了フラグXengageの値が「0」であるか否かを判定する。
係合完了フラグXengageの値は、係合機構14が係合完了状態に制御されているときに「1」に設定され、係合機構14が係合完了状態に制御されていないときに「0」に設定される。
係合完了フラグXengageの値が「0」である場合、CPUは、ステップ705にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ710乃至ステップ750の処理を順に行う。その後、CPUは、ステップ760に進む。
ステップ710:CPUは、先に述べたようにしてアクセルペダル操作量AP等に基づいて要求駆動トルクTreqを取得する
ステップ720:CPUは、先に述べたようにして推定車速SPDestを取得する。
ステップ730:CPUは、先に述べたように、推定車速SPDest及び第2モータ電圧Vmg2をルックアップテーブルMapTlimit_est(SPDest,Vmg2)に適用することにより、推定第2モータトルク上限値Tlimit_estを取得する。
ステップ740:CPUは、先に述べたように、推定第2モータトルクTmg2_estから現時点における第2モータトルクTmg2を減じて得られる値を推定第2モータトルク変化量ΔTmg2として取得する。
ステップ750:CPUは、先に述べたように、推定第2モータトルク上限値Tlimit_estから推定第2モータトルク変化量ΔTmg2を減じて得られる値を係合開始閾値Tclutch(=Tlimit_est−ΔTmg2)として取得する。
CPUは、ステップ760に進むと、第2モータトルクTmg2が係合開始閾値Tclutch以上であるか否かを判定する。
第2モータトルクTmg2が係合開始閾値Tclutch以上である場合、CPUは、ステップ760にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ770の処理を行う。その後、CPUは、ステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ770:CPUは、先に述べた係合処理を実行する。
一方、第2モータトルクTmg2が係合開始閾値Tclutchよりも小さい場合、CPUは、ステップ760にて「No」と判定してステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
CPUがステップ705の処理を実行する時点において係合完了フラグXengageの値が「1」である場合、CPUは、ステップ705にて「No」と判定してステップ780に進み、第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmodeよりも小さいか否かを判定する。
第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmodeよりも小さい場合、CPUは、ステップ780にて「Yes」と判定し、以下に述べるステップ790の処理を行う。その後、CPUは、ステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ790:CPUは、先に述べた係合解除処理を実行する。尚、このとき、係合機構14が既に係合解除状態に制御されている場合、CPUは、係合機構14を係合解除状態に維持する。
一方、第2モータトルクTmg2がモード切替閾値Tmode以上である場合、CPUは、ステップ780にて「No」と判定してステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
以上が実施装置の具体的な作動である。実施装置が図6及び図7に示したルーチンを実行した場合、第2モータトルクTmg2が第2モータトルク上限値Tlimitに達した時点で係合機構14が係合完了状態に制御されている。従って、走行制御をEVモード制御からHVモード制御に切り替えた直後に、車輪入力トルクTtotalが上昇しなかったり低下してしまったりすることが防止される。このため、運転者に違和感を与えてしまうことを防止することができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、実施装置は、HVモード制御を行う場合、第1モータトルクTmg1を第1ドライブシャフト41に入力せずに、機関トルクTengのみを第1ドライブシャフト41に入力している。しかしながら、実施装置は、HVモード制御を行う場合、機関トルクTengに加えて第1モータトルクTmg1を第1ドライブシャフト41に入力するように構成されてもよい。或いは、実施装置は、HVモード制御を行う場合、機関トルクTengに代えて第1モータトルクTmg1を第1ドライブシャフト41に入力するように構成されてもよい。
10…内燃機関、11…第1モータジェネレータ、12…第2モータジェネレータ、14…係合機構、20…機関出力シャフト、21…第1プロペラシャフト、22…第2プロペラシャフト、31…第1デファレンシャルギア、32…第2デファレンシャルギア、41…第1ドライブシャフト、42…第2ドライブシャフト、90…ECU、100…車両、100FL…左前輪、100FR…右前輪、100RL…左後輪、100RR…右後輪
Claims (1)
- 車両の駆動輪である第1駆動輪に接続された第1トルク伝達系、
前記第1トルク伝達系を介して前記第1駆動輪にトルクを入力できるように配設された第1トルク発生源、
前記第1トルク伝達系に配設された係合機構であって、前記第1トルク伝達系のトルク伝達経路が確立されている係合完了状態と前記トルク伝達系路が遮断されている係合解除状態との何れかの状態に制御される係合機構、
前記第1駆動輪とは異なる前記車両の駆動輪である第2駆動輪に接続された第2トルク伝達系、
前記第2トルク伝達系を介して前記第2駆動輪にトルクを入力できるように配設された第2トルク発生源、並びに、
前記第1トルク発生源の作動状態、前記第2トルク発生源の作動状態及び前記係合機構の作動状態を制御する制御手段、
を備えた、車両駆動トルク制御装置において、
前記制御手段は、
前記第2トルク発生源が出力可能なトルクの上限値を出力トルク上限値として取得し、
前記第2トルク発生源が出力するトルクが前記出力トルク上限値よりも小さい場合、前記係合機構を前記係合解除状態に制御して前記第2トルク発生源が発生するトルクのみにより前記車両を走行させ、
前記第2トルク発生源が出力するトルクが前記出力トルク上限値以上である場合、前記係合機構を前記係合完了状態に制御して前記第2トルク発生源が出力するトルク及び前記第1トルク発生源が出力するトルクにより前記車両を走行させ、
前記第2トルク発生源が出力するトルクが前記出力トルク上限値に達する前のタイミングであって、前記第2トルク発生源が発生するトルクが前記出力トルク上限値に達した時点で前記係合機構が前記係合完了状態となっているタイミングにて前記係合機構を前記係合解除状態から前記係合完了状態に移行させる処理を開始する、
ように構成された、
車両駆動トルク制御装置。
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