JP2020133427A - 排ガス浄化装置の製造方法 - Google Patents

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尚久 大山
重樹 大道
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重樹 大道
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真秀 三浦
金沢 孝明
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孝明 金沢
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信之 高木
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Abstract

【課題】本開示は、HC吸着材からのHCの脱離時において、後方の触媒での分解を効率的に行うことができる排ガス浄化装置の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本実施形態は、ガス流れ方向に直列に配置された少なくとも3つのHC吸着材と、該HC吸着材の下流に配置された触媒と、を含む排ガス浄化装置の製造方法であって、各HC吸着材を、各HC吸着材のHC脱離温度に基づいて配置することを含む、排ガス浄化装置の製造方法に関する。【選択図】図1

Description

本開示は、排ガス浄化装置の製造方法に関するものである。また、本開示は、排ガス浄化装置に関するものである。
三元触媒等の排ガス浄化用触媒に関する技術の向上により、自動車等の内燃機関から排出される排ガス中のHC(炭化水素)等の有害成分は極めて少なくなっている。しかし、排ガス浄化用触媒は、用いられるPt等の触媒金属の触媒作用によって有害成分を酸化又は還元して浄化するものであるために、触媒金属の活性化温度(約200℃)未満の温度では不活性であるという問題がある。すなわち、エンジンの始動直後から排ガス浄化用触媒の温度が触媒金属の活性化温度以上に上昇するまでの数10秒間には、有害成分が浄化されずに排出されてしまう。特に冬季は、有害成分が浄化されずに排出される時間が長くなる。
そこで、始動直後から排ガス浄化用触媒の温度が触媒金属の活性化温度以上に上昇するまでの間は、有害成分を吸着することで排出を抑制することが考えられる。
例えば、特許文献1(特開平05−59941号公報)には、内燃機関の排気系に三元触媒または酸化触媒とその上流側にHC吸着材とを備えたコールドHC吸着除去システムにおいて、前記HC吸着材の細孔のサイズを排気ガス流れ方向、上流側と下流側とで異ならせ、上流側の細孔を下流側の細孔にくらべ大きくしたことを特徴とするコールドHC吸着除去装置が開示されている。特許文献1の技術は、大きなサイズの分子によって小細孔側ゼオライトの閉塞を抑制することにより、全体の吸着効率を向上させるというものである。
特開平05−59941号公報
特許文献1のように、触媒の前にHC吸着剤を配置することにより、エンジン始動時等の触媒活性が低い時に排ガス中のHCをHC吸着材により吸着する技術が開示されている。通常、低温時に吸着させたHCは、その後、排ガス温度が上昇していく間に脱離する。脱離したHCは、後方の触媒で浄化する必要がある。
しかし、HCの脱離挙動については、特許文献1には特に記載がなく、吸着時に最適な構成が脱離後の触媒による分解時でも有効とは言えない。
本開示は、HC吸着材からのHCの脱離時において、後方の触媒での分解を効率的に行うことができる排ガス浄化装置の製造方法を提供することを目的とする。
本実施形態の態様例を以下に記載する。
(1) ガス流れ方向に直列に配置された少なくとも3つのHC吸着材と、該HC吸着材の下流に配置された触媒と、を含む排ガス浄化装置の製造方法であって、
各HC吸着材を、各HC吸着材のHC脱離温度に基づいて配置することを含む、排ガス浄化装置の製造方法。
(2) 触媒が三元触媒である、(1)に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
(3) 各HC吸着材を、上流から下流に向かって各HC吸着材のHC脱離温度が順々に高くなるように配置する、(2)に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
(4) 触媒が電気加熱式触媒である、(1)に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
(5) 各HC吸着材を、上流から下流に向かって各HC吸着材のHC脱離温度が順々に低くなるように配置する、(4)に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
(6) 各HC吸着材を、隣接する各HC吸着材の間で熱伝導が生じるように近接させて配置する、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置の製造方法。
(7) 全てのHC吸着材が、1つの筐体中に配置されている、(6)に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
(8) 各HC吸着材のHC脱離温度は、HC吸着材から脱離する全炭化水素の濃度(メタン換算)が最大となる温度である、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置の製造方法。
(9) 各HC吸着材のHC脱離温度は、HC吸着材から脱離する代表成分の濃度が最大となる温度である、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置の製造方法。
(10) 代表成分が、パラフィン、オレフィン及びアロマから選択される、(9)に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
(11) 代表成分が、パラフィンとしてのイソペンタン、オレフィンとしてのプロピレン及びイソブチレン、並びにアロマとしてのトルエンから選択される、(10)に記載の排ガス浄化装置の製造方法。
(12) ガス流れ方向に直列に配置された少なくとも3つのHC吸着材と、該HC吸着材の下流に配置された触媒と、を含む排ガス浄化装置であって、
各HC吸着材が、各HC吸着材のHC脱離温度に基づいて配置されている、排ガス浄化装置。
(13) 触媒が三元触媒である、(12)に記載の排ガス浄化装置。
(14) 各HC吸着材が、上流から下流に向かって各HC吸着材のHC脱離温度が順々に高くなるように配置されている、(13)に記載の排ガス浄化装置。
(15) 触媒が電気加熱式触媒である、(12)に記載の排ガス浄化装置。
(16) 各HC吸着材が、上流から下流に向かって各HC吸着材のHC脱離温度が順々に低くなるように配置されている、(15)に記載の排ガス浄化装置。
(17) 各HC吸着材が、隣接する各HC吸着材の間で熱伝導が生じるように近接して配置されている、(12)〜(16)のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置。
(18) 全てのHC吸着材が、1つの筐体中に配置されている、(17)に記載の排ガス浄化装置。
(19) 各HC吸着材のHC脱離温度は、HC吸着材から脱離する全炭化水素の濃度(メタン換算)が最大となる温度である、(12)〜(18)のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置。
(20) 各HC吸着材のHC脱離温度は、HC吸着材から脱離する代表成分の濃度が最大となる温度である、(12)〜(18)のいずれか1つに記載の排ガス浄化装置。
(21) 代表成分が、パラフィン、オレフィン及びアロマから選択される、(20)に記載の排ガス浄化装置。
(22) 代表成分が、パラフィンとしてのイソペンタン、オレフィンとしてのプロピレン及びイソブチレン、並びにアロマとしてのトルエンから選択される、(21)に記載の排ガス浄化装置。
本開示によれば、HC吸着材からのHCの脱離時において、後方の触媒での分解を効率的に行うことができる排ガス浄化装置の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る製造方法により得られる排ガス浄化装置の模式的概略図である。 一実施形態に係る排ガス浄化装置の構成例を示す模式的概略図である。 一実施形態に係る排ガス浄化装置の構成例を示す模式的概略図である。 ベータ型、Y型及びZSM−5型の各HC吸着材単独の場合について、エンジン条件を調整して徐々に昇温させた時のHC脱離挙動を計測した結果を示すグラフである。 図2の具体的実施形態について、低温時(エンジン始動時に相当)から高温(一定温度)時までのHC脱離挙動を示すグラフである。 図2の具体的実施形態の排ガス浄化装置(実施例)及び図7に示す構成を有する排ガス浄化装置(比較例)について、HCの浄化率を測定した結果は示すグラフである。 図6に示す比較例に用いた排ガス浄化装置の構成例を示す模式的概略図である。 脱離温度の測定に使用する装置の構成例を示す模式的概略図である。 エンジン回転数と負荷を調整して排ガス温度を100℃から450℃まで昇温させた時の時間と温度の関係を示すグラフである。 図8の構成により、ベータ型HC吸着材から脱離してきたHC15成分の濃度を実際に測定した結果を示すグラフである。 図10Aに続き、ベータ型HC吸着材から脱離してきたHC15成分の濃度を実際に測定した結果を示すグラフである。 イソペンタン(図中、IP)、イソブチレン(図中、IB)、トルエン(図中、TL)について、3種類のHC吸着材(ベータ型、Y型、ZSM−5型)からの脱離HC濃度からHC吸着材に流入したHC濃度を引いた値を示すグラフである。 図3の具体的実施形態の排ガス浄化装置について、低温時(エンジン始動時に相当)から高温(一定温度)時までのHC脱離挙動を示すグラフである。 図3の具体的実施形態の排ガス浄化装置のHC浄化性能を評価した結果を示すグラフである。
本実施形態は、ガス流れ方向に直列に配置された少なくとも3つのHC吸着材と、該HC吸着材の下流に配置された触媒と、を含む排ガス浄化装置の製造方法であって、各HC吸着材を、各HC吸着材のHC脱離温度に基づいて配置することを含む、排ガス浄化装置の製造方法に関する。
本実施形態に係る製造方法により、HC吸着材からのHCの脱離時において、後方の触媒での分解を効率的に行うことができる排ガス浄化装置を提供することができる。より具体的には、各HC吸着材を、各HC吸着材のHC脱離温度に基づいて配置することにより、HC脱離後の下流の触媒での浄化に有利となる配置を決定することとができる。
以下、本実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る製造方法により得られる排ガス浄化装置の模式的概略図である。
図1に示すように、排ガス浄化装置は、ガソリンエンジン等のエンジン(図示せず)で生じた排ガスを浄化するための装置である。図1において、エンジンの下流に、排気管に接続された筐体1と筐体2とが配置されている。筐体1の内部には、ガス流れ方向の上流から、第一のHC吸着材10a、第二のHC吸着材10b及び第三のHC吸着材10cが収納されている。筐体2は、筐体1の下流に配置されており、筐体2の内部には、触媒20が配置されている。なお、図1では、HC吸着材が3つ存在する形態が示されているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、HC吸着材は少なくとも3つ存在すればよい。また、図1では、全てのHC吸着材が1つの筐体中に収納されている形態が示されているが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、1つのHC吸着材が1つの筐体に収納される形態であってもよい。
エンジンを始動させた直後において、エンジンから流通してくる排ガスの温度は比較的低いため、排ガス中に含まれているHCは吸着材10に吸着する。そして、エンジンが温まり、排ガスの温度が高温になると、吸着材10に吸着していたHCは徐々に放出される。放出されたHCは、下流に存在する触媒20により分解される。
触媒は、排ガス中の炭化水素(HC)を分解する触媒である。触媒は、例えば、三元触媒を含む。また、触媒は、電気加熱式触媒であり得る。電気加熱式触媒とすることにより、可及的且つ速やかに触媒を所定温度まで昇温することができる。
HC吸着材は、HCを吸着する物質として、ゼオライトを含むことが好ましい。ゼオライトは、別名分子篩いとも称されるように、分子の大きさに匹敵する細孔を有し、吸着材として利用することができる。ゼオライトとしては、例えば、ベータ型、Y型、ZSM−5型、A型、フェリエライト型、MCM−22型、シリカライト型、モルデナイト型、L型、又はSSZ型等が挙げられる。
本実施形態に係る製造方法は、上述の通り、各HC吸着材のHC脱離温度に基づいて配置することを含む。
HC脱離温度を把握する際には、HC濃度として従来よく使われているメタン換算の全炭化水素(THC)濃度を用いて決定すればよい。すなわち、HC吸着材からの脱離HC濃度(メタン換算のTHC濃度)が最大となる脱離温度を測定することにより、各HC吸着材の脱離温度を決定することができる。換言すると、一実施形態において、各HC吸着材のHC脱離温度は、HC吸着材から脱離する全炭化水素の濃度(メタン換算)が最大となる温度である。
また、HC脱離温度は、排ガス中のある代表成分のHC吸着材からの脱離濃度に応じて決定してもよい。すなわち、HC吸着材からの脱離する代表成分濃度が最大となる脱離温度を測定することにより、各HC吸着材の脱離温度を決定することができる。換言すると、一実施形態において、各HC吸着材のHC脱離温度は、HC吸着材から脱離する代表成分の濃度が最大となる温度である。代表成分のHCで効率的な浄化性能が得られるように設定することにより、全体として優れた浄化性能を得ることができる。
代表成分は、例えば、パラフィン、オレフィン及びアロマから選択することができる。HC吸着材の吸着脱離特性は、HC分子サイズよりも、パラフィン、オレフィン、アロマ等の構造に応じて異なるため、これらの構造を考慮して代表成分を決定することより効果的な配置を選択できる。また、代表成分は、パラフィンとしてのイソペンタン、オレフィンとしてのプロピレン及びイソブチレン、並びにアロマとしてのトルエンから選択されることが好ましい。
一実施形態に係る製造方法において、図2に示すように、触媒20が三元触媒である場合、各HC吸着材が、上流から下流に向かって各HC吸着材のHC脱離温度が順々に高くなるように配置される。下流に三元触媒が配置されている場合、HCの脱離を広く分散させることで、三元触媒の負荷が低減し、効率的にHCを浄化することができる。
図2に示す形態の具体例として、第一のHC吸着材10aがベータ型ゼオライトを含み、第二のHC吸着材10bがY型ゼオライトを含み、及び第三のHC吸着材10cがZSM−5型を含む形態について以下に説明する。
図2の具体的実施形態において、上流側にHC吸着材、下流側に三元触媒が配置されている。第一のHC吸着材10aはベータ型ゼオライトを含み、第二のHC吸着材10bはY型ゼオライトを含み、第三のHC吸着材10cはZSM−5型ゼオライトを含む。3つのHC吸着材は、排ガスの方向に直列に並んでいる。また、隣接する各HC吸着材の間で熱伝導が生じるように近接して配置されている。互いに熱伝導することにより、下流に配置されたHC吸着材での再吸着の可能性を低減することができる。具体的には、3つのHC吸着材は1つの筐体中に収容されている。
ここで、図4は、ベータ型、Y型及びZSM−5型の各HC吸着材単独の場合について、エンジン条件を調整して徐々に昇温させた時のHC脱離挙動を計測した結果を示すグラフである。なお、HC吸着材には、昇温させる前に、低温でHCを吸着させている。図4(A)は、横軸に時間、縦軸にHC吸着材の温度をプロットしたグラフであり、図4(B)は、横軸に時間、縦軸に各HC吸着材における脱離HC濃度をプロットしたグラフである。図4(B)に示される通り、ベータ型、Y型及びZSM−5型の順にHC脱離温度が高くなっている。
図5は、このようなHC脱離挙動を示す各HC吸着材を所定の配列順で含む、図2の具体的実施形態について、低温時(エンジン始動時に相当)から高温(一定温度)時までのHC脱離挙動を示すグラフである。図5(A)は、低温時から高温時までの各HC吸着材の温度変化を示すグラフである。図5(B)は、低温時から高温時までの、各HC吸着材における脱離HC濃度を示すグラフである。図5(C)は、低温時から高温時までの、三元触媒に流入するHC濃度を示すグラフである。図5(A)に示されるように、HC吸着材に流入するガス温度が時間とともに徐々に上昇していくと、まず、最上流に配置されている第一のHC吸着材10a(ベータ型)の温度が上昇する。次に、そこからやや遅れて第二のHC吸着材10b(Y型)の温度が上昇し、さらに遅れて第三のHC吸着材10c(ZSM−5型)の温度が上昇する。この実施形態において、図4(B)に示されるように、第一のHC吸着材10a(ベータ型)のHC脱離温度は、最も低い温度である。さらに、第一のHC吸着材10a(ベータ型)は、最上流に位置するため、温度上昇が最も早く開始する。そのため、図5(B)に示されるように、第一のHC吸着材10a(ベータ型)では最も早い時間帯でHC脱離が生じる。一方、図4(B)に示されるように、第三のHC吸着材10c(ZSM−5型)のHC脱離温度は、最も高い温度である。さらに、第三のHC吸着材10c(ZSM−5型)は、最下流に位置するため、温度上昇が最も遅く開始する。そのため、図5(B)に示されるように、第三のHC吸着材10c(ZSM−5型)では最も遅い時間帯でHC脱離が生じる。第二のHC吸着材10b(Y型)は、第一のHC吸着材10a(ベータ型)と第三のHC吸着材10c(ZSM−5型)の間の時間帯でHC脱離が生じる。その結果、全体としては、T(図5(C)参照)という比較的広い時間域に亘って、脱離したHCが下流の三元触媒に到達する。
図6は、この図2の具体的実施形態の排ガス浄化装置について、HCの浄化率を測定した結果は示すグラフである。また、図6には、図7に示す種類の構成、すなわち、Y型ゼオライトを含むHC吸着材(上流側)及びZSM−5型ゼオライトを含むHC吸着材(下流側)を含み且つそれらの下流に三元触媒が配置されている排ガス浄化装置(図7(A))、及びZSM−5型ゼオライトを含むHC吸着材(上流側)及びY型ゼオライトを含むHC吸着材(下流側)を含み且つそれらの下流に三元触媒が配置されている排ガス浄化装置(図7(B))についてHCの浄化率を測定した結果も比較例として示されている。図6に示すように、図2の具体的実施形態の排ガス浄化装置は、比較例に比べて高い浄化率を有し、優れたHC浄化性能を有することがわかる。それゆえ、本実施形態において、少なくとも3種類のHC吸着材を配置し、かつ低温域のHC脱離温度を有するHC吸着材を上流側に配置し、高温域のHC脱離温度を有するHC吸着材を下流側に配置することで、広い時間域で下流の三元触媒に脱離したHCを到達させることができる。これにより、三元触媒に対する負荷を抑えることができ、従来技術に比べてHC浄化率を大きく向上させることができる。
上述のように、HC脱離温度を把握する際には、HC濃度として従来よく使われているメタン換算の全炭化水素(THC)濃度を用いて決定すればよい。HC吸着材からの脱離HC濃度(メタン換算のTHC濃度)が最大となる脱離温度を測定することにより、各HC吸着材の脱離温度を決定することができる。
また、さらに精度を向上させるためには、排ガス中の各HCの濃度を測定して、それぞれの成分毎に脱離温度を把握する方法がある。その方法について図8を用いて説明する。図8は、脱離温度の測定に使用する装置の構成例を示す。図8の構成において、エンジン30で発生した排ガスをHC吸着材40に導入し、HC吸着材の出口付近で赤外分光型排ガス分析計(以後、FT−IR排ガス分析計と称す)50を用いてHC成分毎の濃度を計測する。FT−IR排ガス分析計は、例えば、岩田電業製FAST−3200を用いることができる。具体的な実験手順としては、まず、100℃で約60分間排ガスをHC吸着材に流入させ、HCをHC吸着材に吸着させる。次に、図9に示すようにエンジン回転数と負荷を調整して排ガス温度を100℃から450℃まで昇温させ、HC吸着剤からHCを脱離させる。脱離したHCは、FT−IR排ガス分析計にて測定される。図10A及び図10Bに、図8の構成により、ベータ型HC吸着材から脱離してきたHC15成分の濃度を実際に測定した結果を示す。なお、岩田電業製等のFT−IR排ガス分析計でHC成分を計測する際は、事前に含有している成分をガスクロマトグラフ等の方法により把握しておき、そのHC種が計測可能となるように解析ソフトウェアの内容を調整しておく必要がある。
また、以上のように、複数種(例えば10種以上)のHC成分毎に把握した結果から、そのHCの化学的な性質によって飽和脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素に分けて把握する方法もある。図11に、飽和脂肪族炭化水素の代表成分であるイソペンタン(図中、IP)、不飽和脂肪族炭化水素の代表成分であるイソブチレン(図中、IB)、芳香族炭化水素の代表成分であるトルエン(図中、TL)について、3種類のHC吸着材(ベータ型、Y型、ZSM−5型)からの脱離HC濃度からHC吸着材に流入したHC濃度を引いた値を示す。以上のようにして得られたHCガス成分毎の脱離挙動データを使用することで、排ガスの成分に応じてHC吸着材の種類を選択することができる。
一実施形態に置いて、図3に示すように、触媒20が電気加熱式触媒(EHC)である場合、各HC吸着材が、上流から下流に向かって各HC吸着材のHC脱離温度が順々に低くなるように配置されている。下流に電気加熱式触媒が配置されている場合、HCの脱離を短い時間に集中させることで、少ない電力で浄化することが可能になる。
図3に示す形態の具体例として、第一のHC吸着材10aがZSM−5型ゼオライトを含み、第二のHC吸着材10bがY型ゼオライトを含み、及び第三のHC吸着材10cがベータ型ゼオライトを含む形態について以下に説明する。3つのHC吸着材は、排ガスの方向に直列に並んでいる。また、隣接する各HC吸着材の間で熱伝導が生じるように近接して配置されており、具体的には、3つのHC吸着材は1つの筐体中に収容されている。
図12は、図3の具体的実施形態について、低温時(エンジン始動時に相当)から高温(一定温度)時までのHC脱離挙動を示すグラフである。図12(A)は、低温時から高温時までの各HC吸着材の温度変化を示すグラフである。図12(B)は、低温時から高温時までの、各HC吸着材における脱離HC濃度を示すグラフである。図12(C)は、低温時から高温時までの、電気加熱式触媒に流入するHC濃度を示すグラフである。図12(D)は、電気加熱式触媒の通電のON/OFF時間(T)を示す図である。図12(A)に示されるように、HC吸着材に流入するガス温度が時間とともに徐々に上昇していくと、まず、最上流側に配置されている第一のHC吸着材10a(ZSM−5型)の温度が上昇する。次に、そこからやや遅れて、第二のHC吸着材10b(Y型)の温度が上昇し、さらに遅れて第三のHC吸着材10c(ベータ型)の温度が上昇する。最上流に配置した第一のHC吸着材10a(ZSM−5型)では、早い時間帯に高温となってHCの脱離が生じ、下流に配置した第三のHC吸着材10c(ベータ型)は遅い時間帯に高温となってHCの脱離が生じる。しかし、上述の図2の具体的実施形態の排ガス浄化装置と対照的に、図3の具体的実施形態の排ガス浄化装置では、上流から下流に向かってHC吸着材の脱離温度が低い。そのため、トータルの脱離時間Tは、上述のT(図5参照)と比較して狭い時間幅となる。ここで、下流に配置された触媒は電気加熱式触媒であり、電気加熱式触媒に通電する時間は短い方が省エネルギーの観点から好ましい。図3の具体的実施形態の排ガス浄化装置では脱離時間Tが短くなるため、省エネルギーのシステム構築が可能であり、すなわち、効率的にHCを分解することができる。また、この実施形態において、総HC量を燃焼させる酸素量の観点から、電気加熱式触媒の上流位置で空気(2次空気)を供給することが好ましい。図13は、図3の具体的実施形態の排ガス浄化装置のHC浄化性能を評価した結果を示すグラフである。短時間で一気に電気加熱式触媒にHCを供給することで、効率的にHCを分解することできることがわかる。
以上、本実施形態の実施形態について詳述したが、本実施形態は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本実施形態の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1 第一の筐体
2 第二の筐体
10 吸着材
10a 第一のHC吸着材
10b 第二のHC吸着材
10c 第三のHC吸着材
20 触媒
30 エンジン
40 HC吸着材
50 赤外分光型排ガス分析計

Claims (1)

  1. ガス流れ方向に直列に配置された少なくとも3つのHC吸着材と、該HC吸着材の下流に配置された触媒と、を含む排ガス浄化装置の製造方法であって、
    各HC吸着材を、各HC吸着材のHC脱離温度に基づいて配置することを含む、排ガス浄化装置の製造方法。
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