JP2020132690A - タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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隆行 永瀬
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Abstract

【課題】臭気が低減されたタイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物で少なくとも一部が構成されたタイヤを提供する。【解決手段】天然ゴムを含み、ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が20質量%以上であり、臭気成分定量評価により算出された臭気成分指数が8.0×107以下であるタイヤ用ゴム組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤに関する。
タイヤは、ゴム特有の臭いを有している。その臭いのために、車内のスペアタイヤからの臭気が問題になることがある。また、車によっては、この臭気のために車外にスペアタイヤを設置しているものもある。
特許文献1では、香料をゴム組成物に配合することにより、臭気が抑制されることが開示されている。
特開2004−203954号公報
しかしながら、本発明者の検討の結果、タイヤの臭気は、特に天然ゴムを含有する場合に顕著であることが判明した。更に、鋭意検討した結果、香料は天然ゴムなどの臭気物質を含む材料と混合されることで場合によっては不快な臭いに変化することもあり、臭気問題の根本的解決には至っていないことも判明した。すなわち、特許文献1に記載の技術では、香料によってマスキングしているだけで、臭気物質による臭気は依然として存在していることとなり、臭気はある程度抑制されているものの低減されてはいないことが判明した。
本発明は、前記課題を解決し、臭気が低減されたタイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物で少なくとも一部が構成されたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、天然ゴムを含み、ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が20質量%以上であり、臭気成分定量評価により算出された臭気成分指数が8.0×10以下であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記臭気成分指数が7.0×10以下であることが好ましく、6.0×10以下であることがより好ましく、5.0×10以下であることが更に好ましい。
上記ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が30質量%以上であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、平均粒子径が100nm以下の疎水性シリカを含有することが好ましい。
上記ゴム組成物は、分散剤を含有することが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物で少なくとも一部が構成されたタイヤ部材を有するタイヤに関する。
上記タイヤ部材が、最表面に位置する部材であることが好ましく、サイドウォールであることがより好ましい。
本発明によれば、天然ゴムを含み、ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が20質量%以上であり、臭気成分定量評価により算出された臭気成分指数が8.0×10以下であるタイヤ用ゴム組成物であるので、臭気が低減される。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴムを含み、ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が20質量%以上であり、臭気成分定量評価により算出された臭気成分指数が8.0×10以下である。
特定の臭気成分指数を有するため、特定量の天然ゴムを含有していても臭気が低減される。
上記ゴム組成物は前述の効果が得られるが、このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
特定の臭気成分指数を有するということは、臭気物質による臭気が香料等によりマスキングされているのではなく、臭気物質による臭気そのものが低減されていることを意味する。そのため、本発明では、特定の臭気成分指数を有するため、臭気物質による臭気そのものが低減されており、特定量の天然ゴムを含有していても臭気が確実に低減される。
なお、本明細書において、臭気成分定量評価により算出された臭気成分指数とは、天然ゴムに由来する臭気成分のうち、特に不快な臭気の原因となるイソ吉草酸アルデヒド、プロピオン酸、酪酸、及びN−吉草酸に着目した臭気成分指数を意味する。より具体的には、臭気成分指数は、ゴム組成物中のイソ吉草酸アルデヒド、プロピオン酸、酪酸、及びN−吉草酸の含有量を嗅覚閾値で補正して算出した各成分のにおい指数を合計して算出される。より詳細には、臭気成分指数は、加硫後のゴム組成物に対し、実施例に記載の方法により算出される。
上記の通り、臭気成分定量評価により算出された臭気成分指数は8.0×10以下であり、好ましくは7.0×10以下、より好ましくは6.0×10以下、更に好ましくは5.0×10以下、特に好ましくは4.0×10以下、最も好ましくは3.0×10以下、より最も好ましくは2.0×10以下、更に最も好ましくは1.3×10以下、特に最も好ましくは0.8×10以下、更には好ましくは0.7×10以下であり、下限は特に限定されないが、好ましくは0.2×10以上、より好ましくは0.4×10以上、更に好ましくは0.6×10以上である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
なお、臭気成分定量評価により算出された臭気成分指数は、平均粒子径が100nm以下の疎水性シリカを配合することにより達成できる。これは、平均粒子径が100nm以下の疎水性シリカは、ゴム組成物中で、イソ吉草酸アルデヒド、プロピオン酸、酪酸、及びN−吉草酸を吸着することが可能であり、イソ吉草酸アルデヒド、プロピオン酸、酪酸、及びN−吉草酸が疎水性シリカに吸着された結果、臭気成分指数が低減するためである。
また、平均粒子径が100nm以下の疎水性シリカは、ゴム組成物中で破壊核とならないため、平均粒子径が100nm以下の疎水性シリカを配合してもゴム組成物は良好な機械的特性(破断強度、破断伸び等)が得られる。
更には、平均粒子径が100nm以下の疎水性シリカと共に、分散剤を配合することにより、疎水性シリカのゴム組成物中での分散性がより良好となり、上記効果がより好適に得られる。
以下、使用可能な薬品について説明する。
上記ゴム組成物は、天然ゴム(NR)を含有する。
NRとしては、例えば、SIR20、RSS3、TSR20、TSS8等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
一方、タンパク質、リン脂質などの非ゴム成分が除去されることにより高純度化された改質天然ゴム(高純度天然ゴム(UPNR))が知られている。このような改質天然ゴムでは、改質の際に臭気成分も併せて除去されているため、元々臭いの問題が生じにくいものの、製造工程の増大、製造コストの増大等の問題もある。そこで、本発明では、上記NRに改質天然ゴムは含まれない。
また、上記ゴム組成物では、改質天然ゴムの含有量が少ない場合であっても、臭気を低減できるため、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは0質量%である。
上記改質天然ゴムは、例えば、該改質天然ゴム中のリン含有量が、好ましくは500ppm以下、より好ましくは400ppm以下、更に好ましくは300ppm以下、特に好ましくは200ppm以下、最も好ましくは150ppm以下である。
なお、上記リン含有量は、ICP発光分析等、従来の方法で測定できる。リンは、天然ゴムに含まれるリン脂質に由来するものと考えられる。
上記改質天然ゴムは、人工の老化防止剤を含んでいる場合、アセトン中に室温(25℃)下で48時間浸漬した後の窒素含有量が、0.15質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以下であることがより好ましい。
高純度化した天然ゴムは天然ゴムが元々有しているといわれる天然の老化防止剤成分が除去されているため、長期の保存で劣化するおそれがある。そのため、人工の老化防止剤が添加されることがある。上記窒素含有量は、アセトン抽出によりゴム中の人工の老化防止剤を除去した後の測定値である。上記窒素含有量は、ケルダール法、微量窒素量計等、従来の方法で測定できる。窒素は、タンパク質やアミノ酸に由来するものである。
上記の通り、本発明では、上記NRに改質天然ゴムは含まれない。上記NRとしては、例えば、上記リン含有量が500ppmを超える及び/又は上記窒素含有量が0.15質量%を超える特性を有するNRが挙げられる。
ゴム成分100質量%中の上記NRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上、最も好ましくは55質量%以上であり、また、上限は特に限定されないが、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
NR以外に使用できるゴム成分としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム等のジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴムが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、BRが好ましい。
BRとしては特に限定されず、高シス含量のBR、低シス含量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。市販品としては、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRのシス含量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上であり、上限は特に限定されない。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、BRのシス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
BRは、非変性BR、変性BRのいずれでもよい。
変性BRが有する官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)、アミド基が好ましい。
BRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、香料を含有してもよいが、上記ゴム組成物では、香料の含有量が少ない場合であっても、臭気を低減できるため、香料の含有量は少ない方が好ましい。
香料の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下、特に好ましくは0.1質量部以下、最も好ましくは0.01質量部以下、より最も好ましくは0質量部である。
上記香料としては、特に限定されず、例えば、ヘリオトロープ系、ジャスミン系、ローズ系、オレンジフラワー系、アンバー系、ムスク系の香料が挙げられる。
具体的には、パチュリ油を主成分とするオリエンタルベース(パチュリ油、ハーコリン(メチルアビエテート)、バニリン、エチルバニリン、クマリン)に、ローズ系(フェニルエチルアルコール、ゲラニオール、イソ−ボルニルメトキシシクロヘキサノール)、アンバー系(テトラヒドロパラメチルキノリン)、ムスク系(ガラクソリッド、ムスクケトン)およびジャスミン系の香料成分(α−アミルシンナムアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート)を、溶剤としてジオクチルフタレートとともに上乗せしたタブ(TABU)タイプの香料があげられる。
また、ヘリオトロープ系香料成分(ヘリオトロピン、ムスクケトン、クマリン、エチルバニリン、アセチルセドレン、ハーコリン(メチルアビエテート)、オイゲノール、メチルヨノン)を主香調とし、ジャスミン系香料成分(メチルジヒドロジャスモネート)、さらに高調性、拡散性を付与する目的で、ローズ系香料成分(ダマスコン−β、ダマスコン−α、イソ−ボルニルメトキシシクロヘキサノール)、またはオレンジフラワー系香料成分(メチルアンスラニレート、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナデカラクトン)を、溶媒としてジオクチルフタレートとともに加えたアメシスト(AMETHYST)タイプの香料があげられる。
上記ゴム組成物は、平均粒子径が100nm以下の疎水性シリカを含有することが好ましい。
疎水性シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、表面処理シリカが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ここで、表面処理シリカは、シラノール基を有するため親水性を呈するシリカ表面を疎水化処理剤で表面処理することにより疎水性が高められたシリカであり、表面処理が施されることにより、ゴム組成物中で、イソ吉草酸アルデヒド、プロピオン酸、酪酸、及びN−吉草酸をより好適に吸着することが可能であるという理由から、疎水性シリカのなかでも表面処理シリカが好ましい。ここで、表面処理が施されるシリカとしては、乾式法シリカ(無水ケイ酸)でも湿式法シリカ(含水ケイ酸)でもよい。
疎水性シリカの平均粒子径は、100nm以下であり、好ましくは75nm以下、より好ましくは50nm以下、更に好ましくは30nm以下である。これにより、疎水性シリカが破壊核となることを抑制でき、良好な機械的特性(破断強度、破断伸び等)が得られる。また、疎水性シリカの平均粒子径の下限は特に限定されないが、ゴム組成物中へ良好に分散でき、良好な臭気低減効果、機械的特性(破断強度、破断伸び等)が得られるという理由から、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上である。
なお、疎水性シリカの平均粒子径は、数平均粒子径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
疎水性シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは100m/g以上、より好ましくは150m/g以上、更に好ましくは200m/g以上、特に好ましくは220m/g以上、最も好ましくは240m/g以上である。また、上記NSAは、好ましくは600m/g以下、より好ましくは400m/g以下、更に好ましくは300m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
なお、疎水性シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
表面処理シリカは、疎水化処理剤で表面処理されたシリカであるが、表面処理に用いられる疎水化処理剤としては、シリカに疎水性を付与できるものであれば特に限定されず、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、界面活性剤、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、有機ケイ素化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機ケイ素化合物としては、例えば、オルガノシラン、オルガノシラザン、オルガノシロキサン、これらの部分加水分解物等が挙げられる。
疎水化処理剤(特に、有機ケイ素化合物)の一例としては、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクチルメチルジクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシランおよびオクタデシルトリクロロシランなどのアルキルクロロシラン;メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランおよびトリメチルメトキシシランなどのメチルメトキシシラン;メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランおよびトリメチルエトキシシランなどのメチルエトキシシラン;メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシランおよびトリメチルアセトキシシランなどのメチルアセトキシシラン;フェニルトリクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランおよびフェニルジメチルエトキシシランなどのフェニルシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシランおよびビニルジメチルエトキシシランなどのビニルシラン;ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザンおよびビス(3,3−トリフルオロプロピル)テトラメチルジシラザンなどのジシラザン;オクタメチルシクロテトラシラザンなどのシクロシラザン;トリメチルシラノールなどのシラノール等が挙げられる。
疎水性シリカの市販品としては、旭化成ワッカーシリコーン(株)、日本アエロジル社、エルケムジャパン社、DSL.ジャパン社、トクヤマ社等の製品が挙げられる。
疎水性シリカを含有する場合、疎水性シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、良好な臭気低減効果が得られるという理由から、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、良好な機械的特性(破断強度、破断伸び等)が得られるという理由から、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、親水性シリカを含有してもよい。
親水性シリカとしては、例えば、表面処理が施されていない湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられる。市販品としては、エボニックデグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
親水性シリカを含有する場合、親水性シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物が疎水性シリカを含有する場合、さらに、分散剤を含有することが好ましい。これにより、疎水性シリカの分散性をより良好にできる。
分散剤としては、シリカの分散性を改善できるものであれば特に限定されないが、例えば、シランカップリング剤、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ポリアルキレングリコールが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリアルキレングリコールとしては、炭素数2〜4のアルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングリコール等)への炭素数が2〜4のAO(エチレンオキサイド、1,2−プロピレンオキサイド及び1,3−プロピレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
AOの付加(重合)は、単重合でもよく、共重合でもよい。共重合の場合は、ブロック共重合、ランダム共重合、ブロックとランダムの併用等いずれでもよい。
AOの重合度は、特に限定されないが、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは20以下である。
なかでも、ポリアルキレングリコールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましく、ポリエチレングリコールがより好ましい。
ポリアルキレングリコールの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1000以上、より好ましくは5000以上、更に好ましくは1万以上であり、好ましくは5万以下、より好ましくは4万以下、更に好ましくは3万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
分散剤(好ましくはポリアルキレングリコール)を含有する場合、分散剤(好ましくはポリアルキレングリコール)の含有量は、シリカ(疎水性シリカ及び親水性シリカの合計)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、特に好ましくは7質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、カーボンブラックを含有してもよい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは20m/g以上、より好ましくは40m/g以上であり、また、好ましくは100m/g以下、より好ましくは80m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217−2:2001に準拠して測定される値である。
カーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは25質量部以上、更に好ましくは40質量部以上であり、また、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
上記ゴム組成物は、粘着性樹脂を含有してもよい。
粘着性樹脂としては、タイヤ工業において慣用されるフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、インデン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)等の芳香族炭化水素系樹脂、C5系樹脂、C8系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂等の脂肪族炭化水素系樹脂や、これらの水素添加物等が挙げられる。市販品としては、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、日本ゼオン(株)、ハリマ化成(株)、東亞合成(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘着性樹脂を含有する場合、粘着性樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。市販品としては、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ワックスを含有する場合、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、オイルを含んでもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等を用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
オイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは7質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
上記ゴム組成物は、老化防止剤を含んでもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。市販品としては、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、p−フェニレンジアミン系老化防止剤がより好ましい。
老化防止剤を含有する場合、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ステアリン酸を含有してもよい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ステアリン酸を含有する場合、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含有してもよい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は硫黄を含有してもよい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄等が挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄を含有する場合、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤を含有してもよい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。市販品としては、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
加硫促進剤を含有する場合、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤、例えば、有機過酸化物;炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤;等を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜200質量部が好ましい。
上記ゴム組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100〜180℃、好ましくは120〜170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは80〜110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫等の加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140〜190℃、好ましくは150〜185℃である。加硫時間は、通常5〜15分である。
上記ゴム組成物は、例えば、トレッド(キャップトレッド)、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、ショルダー、クリンチ、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層などのタイヤ部材に(タイヤ用ゴム組成物として)用いることができる。なかでも、タイヤの最表面に位置する部材(トレッド、サイドウォール、ショルダー、クリンチ)に好適に用いられ、タイヤの臭気に対する影響度が高いサイドウォールにより好適に用いられる。キャップトレッド及びベーストレッドで構成されるトレッドの場合、キャップトレッドに好適に使用可能である。
本発明のタイヤ(空気入りタイヤ等)は、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、サイドウォール)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
なお、上記タイヤのタイヤ部材(例えば、サイドウォール)は、少なくとも一部が上記ゴム組成物で構成されていればよく、全部が上記ゴム組成物で構成されていてもよい。
上記タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ、スタッドレスタイヤ(冬用タイヤ)、オールシーズンタイヤ、ランフラットタイヤ、航空機用タイヤ、鉱山用タイヤ等として好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:テックハービング社製のRSS#3(リン含有量:500ppmを超える、窒素含有量が、0.15質量%を超える)
BR:宇部興産(株)製のBR150L(シス含量:98質量%)
カーボンブラック:東海カーボン(株)製のシーストSO(NSA:42m/g)
アロマオイル:ジャパンエナジー社製のプロセスX140
ステアリン酸:花王(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
中空多孔質球状シリカ粒子:鈴木油脂工業(株)製のゴッドボールB−6C(平均粒子径:0.5〜6.0μm、NSA:550〜600m/g)
湿式シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(親水性シリカ、NSA:175m/g、平均粒子径:25nm)
疎水性シリカ1:旭化成ワッカーシリコーン(株)製のHDK−H20(NSA:170m/g、平均粒子径:25nm、疎水化処理剤で表面処理された疎水性シリカ)
疎水性シリカ2:旭化成ワッカーシリコーン(株)製のHDK−H30(NSA:250m/g、平均粒子径:21nm、疎水化処理剤で表面処理された疎水性シリカ)
ポリエチレングリコール:三洋化成(株)製のポリエチレングリコール(重量平均分子量(Mw):1万)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄(5%オイル含有)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(Nーシクロヘキシル一2ーベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(実施例及び比較例)
表1に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を140℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、90℃の条件下で4分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫し、厚さ2mmの加硫ゴムシートを製造した。
得られた加硫ゴムシートを用いて下記評価を行った。結果を表1に示す。
(機械的特性の評価)
JIS K 6251の「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」にしたがって、上記加硫ゴムシートから作製したゴムスラブシート(2mm×130mm×130mm)の25℃における破断強度(TB)及び破断伸び(EB)を測定した。
(臭気成分定量評価)
加硫ゴムシート200mgを細断し、サンプル管に封入した。該サンプル管を150℃で20分加温して揮発した成分を、ヘッドスペース−ガスクロマトグラフ質量分析計(HS−GCMS)を用いて分析した。分析に用いたHS−GCMS、及び分析条件は下記のとおりである。
〔HS−GCMS〕
ヘッドスペースサンプラ―:株式会社島津製作所製「HS−20」
GCMS:株式会社島津製作所製「GCMS−QP2010 Ultra」
カラム:アジレント・テクノロジー社製「Agilent J&W GCカラム−HP−5ms」
〔昇温プログラム〕
40℃で3分保持→3℃/分で100℃まで昇温→100℃で1分保持→8℃/分で250℃まで昇温
上記GCMSによる分析で検出された、イソ吉草酸アルデヒド、プロピオン酸、酪酸、及びN−吉草酸それぞれのピーク面積比を各成分の嗅覚閾値で補正して各成分のにおい指数を算出した。すなわち、各成分のにおい指数は、下記式により算出される。そして、上記4種類の化合物全てについてのにおい指数を足し合わせて臭気成分指数を求めた。すなわち、臭気成分指数は、下記式により算出される。
(イソ吉草酸アルデヒドのにおい指数)=
〔(イソ吉草酸アルデヒドのピークのピーク面積)/(加硫ゴムシートサンプルの重量)/(イソ吉草酸アルデヒドの嗅覚閾値)〕
(プロピオン酸のにおい指数)=
〔(プロピオン酸のピークのピーク面積)/(加硫ゴムシートサンプルの重量)/(プロピオン酸の嗅覚閾値)〕
(酪酸のにおい指数)=
〔(酪酸のピークのピーク面積)/(加硫ゴムシートサンプルの重量)/(酪酸の嗅覚閾値)〕
(N−吉草酸のにおい指数)=
〔(N−吉草酸のピークのピーク面積)/(加硫ゴムシートサンプルの重量)/(N−吉草酸の嗅覚閾値)〕
(臭気成分指数)=
(イソ吉草酸アルデヒドのにおい指数)+(プロピオン酸のにおい指数)+(酪酸のにおい指数)+(N−吉草酸のにおい指数)
なお、各成分の嗅覚閾値は、「三点比較式臭袋法による臭気物質の閾値測定結果」(日環セ所報 No.17、1990年、77−89頁)に準じた。上記各成分の嗅覚閾値を以下に抜粋する。
イソ吉草酸アルデヒド:0.000410
プロピオン酸:0.005700
酪酸:0.000190
N−吉草酸:0.000037
(臭い評点)
200mLガラス密閉容器に加硫ゴムシート20gを入れ、オーブンで60℃、3時間加温後に、下記基準での官能評価を行った。官能評価は2人が行い、2人の平均点を官能評価の評点とした。
評価基準は強い腐敗臭を感じる比較例1を基準5点として、
4点:腐敗臭を感じる
3点:やや弱いが腐敗臭を感じる
2点:注意して嗅げば、わずかに腐敗臭を感じる
1点:無臭(腐敗臭を感じない)
として判定した。
Figure 2020132690
表1より、天然ゴムを含み、ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が20質量%以上であり、臭気成分定量評価により算出された臭気成分指数が8.0×10以下である実施例は、臭気が低減された。

Claims (10)

  1. 天然ゴムを含み、ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が20質量%以上であり、臭気成分定量評価により算出された臭気成分指数が8.0×10以下であるタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記臭気成分指数が7.0×10以下である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記臭気成分指数が6.0×10以下である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記臭気成分指数が5.0×10以下である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が30質量%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 平均粒子径が100nm以下の疎水性シリカを含有する請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 分散剤を含有する請求項6記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物で少なくとも一部が構成されたタイヤ部材を有するタイヤ。
  9. 前記タイヤ部材が、最表面に位置する部材である請求項8記載のタイヤ。
  10. 前記タイヤ部材がサイドウォールである請求項8記載のタイヤ。
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