JP7180662B2 - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物及びタイヤに関する。
従来からタイヤなどに使用されるゴム組成物には、種々の性能が求められているが、安全性の観点から、操縦安定性、グリップ性能などが重要視され、氷上操縦安定性能などの向上が望まれている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-210199号公報
本発明は、前記課題を解決し、氷上での操縦安定性に優れたゴム組成物及びタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填材と、発泡剤と、シリコーン樹脂とを含有し、前記充填材100質量%中のシリカ含有率が90質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記発泡剤の含有量が0.5質量部以上、前記シリコーン樹脂の含有量が1.0質量部以上であるゴム組成物に関する。
前記ゴム組成物は、前記シリカ及び前記シリコーン樹脂の含有量が下記式を満たすことが好ましい。
シリカの含有量/シリコーン樹脂の含有量≦20
前記ゴム組成物は、前記シリコーン樹脂及び前記発泡剤の含有量が下記式を満たすことが好ましい。
シリコーン樹脂の含有量/発泡剤の含有量≧2.0
前記ゴム組成物は、加硫後ゴム組成物内における発泡径が10~1000μmであることが好ましい。
前記ゴム組成物は、加硫後ゴム組成物内における発泡率が5.0~10.0%であることが好ましい。
前記シリコーン樹脂は、変性基を有するシリコーン樹脂であることが好ましい。
前記充填材がカーボンブラックを含むことが好ましい。
前記発泡剤は、熱膨張性マイクロカプセル、水溶性無機塩、及び水溶性有機物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記シリコーン樹脂は、下記一般式(1)~(3)で表される化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
HO-Si(CH-(O-SiXCH-H (1)
X-Si(CH-[O-Si(CHX (2)
CH-[Si(CHO]-Si(CHX (3)
(式中、mは整数を示す。Xは、同一若しくは異なって、変性基又は変性基を有する有機残基を示す。)
前記ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物であることが好ましい。
本発明また、前記ゴム組成物を用いたタイヤに関する。
本発明によれば、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填材と、発泡剤と、シリコーン樹脂とを含有し、前記充填材100質量%中のシリカ含有率が90質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対する前記発泡剤の含有量が0.5質量部以上、前記シリコーン樹脂の含有量が1.0質量部以上であるゴム組成物であるので、氷上での操縦安定性に優れたタイヤを提供できる。
本発明は、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填材と、発泡剤と、シリコーン樹脂とを所定配合で含有するゴム組成物である。前記ゴム組成物は、氷上での操縦安定性に優れている。
前述の作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のメカニズムにより奏するものと推察される。
ゴム組成物で使用されるシリコーン樹脂はゴムから析出しやすいものの、発泡剤によりゴム内部に空隙が形成されることで、その空隙部分にシリコーン樹脂が蓄えられ、充填材のように機能するため、ゴム内部に良好な剛性が付与される。また、ゴム組成物の表面は、発泡剤により形成された空隙からシリコーン樹脂が脱離し、シリコーン樹脂が存在しない状態となるため、空隙により表面積が増加し、路面との実接触面積が増えることで、氷上での操縦安定性が向上する。更にイソプレン系ゴム及びブタジエンゴムのゴム成分を用いることで、ガラス転移温度(Tg)が低くなり、低温でもポリマー分子鎖の運動性が高く、硬化し難いため、ポリマー分子鎖間をシリコーン樹脂が移動し易くなり、ゴム内部の空隙へのシリコーン樹脂の析出が促進される状況になることから、ゴム内部は、シリコーン樹脂の存在により良好な剛性が担保される。このようにイソプレン系ゴム及びブタジエンゴムのゴム成分により低温で柔軟な状態がゴム表面に保持される共に、ゴム内部はシリコーン樹脂により剛性が担保されることから、良好な氷上での操縦安定性が付与される。シリコーン樹脂は、一般にゴムとの相性が悪く、分散しにくい傾向があるものの、シリカと共に使用すると、シリカ表面に結合し、シリカと共にゴム中に分散され易くなる。このようにシリコーン樹脂の分散が向上することで、発泡剤により生成したゴム内部の空隙の一部分のみではなく、概ね全体にシリコーン樹脂が満たされる状態が形成されるため、良好な剛性が担保されると共に、前述のゴム表面における空隙により接触面積が高まることから、良好な氷上での操縦安定性が付与される。以上の作用機能により、氷上での操縦安定性が顕著に改善されると推察される。
(ゴム成分)
ゴム組成物は、ゴム成分として、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)を含有する。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。上限は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、BRは、シス含量が90質量%以上のハイシスBRを含むことが好ましい。該シス含量は、95質量%以上がより好ましい。なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。
変性BRとしては、シリカ等の充填材と相互作用する官能基を有するBRであればよく、例えば、BRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性BR(末端に上記官能基を有する末端変性BR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性BRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性BR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性BR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性BR等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)が好ましい。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。上限は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴム及びBRの合計含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%でもよい。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム以外に使用可能なゴム成分としては、例えば、他のジエン系ゴムを使用できる。他のジエン系ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。また、ブチル系ゴム、フッ素ゴムなども挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、SBRが好ましい。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。該スチレン含有量は、好ましくは45質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
なお、本明細書において、スチレン含有量は、H-NMR測定によって測定できる。
SBRのビニル結合量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上である。該ビニル結合量は、好ましくは25質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは13質量%以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
なお、本明細書において、ビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。変性SBRとしては、変性BRと同様の官能基が導入された変性SBRが挙げられる。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
ゴム組成物がSBRを含む場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。上限は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
(シリカ)
ゴム組成物には、充填材としてシリカが配合される。使用可能なシリカとしては、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは150m/g以上、特に好ましくは170m/g以上である。また、シリカのNSAの上限は特に限定されないが、好ましくは350m/g以下、より好ましくは250m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される値である。
ゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは60質量部以上、特に好ましくは65質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下、特に好ましくは100質量部以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
(シランカップリング剤)
ゴム組成物は、氷上での操縦安定性の観点から、シランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT-Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、特に好ましくは7質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
(他の充填材)
シリカ以外の他の充填材としては特に限定されず、ゴム分野で公知の材料を使用でき、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどの無機フィラー等が挙げられる。なかでも、氷上での操縦安定性の観点から、カーボンブラックが好ましい。
ゴム組成物において、充填材の含有量(充填材の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは55質量部以上、更に好ましくは65質量部以上、特に好ましくは70質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下、特に好ましくは100質量部以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
ゴム組成物において、充填材100質量%中のシリカ含有率は、90質量%以上である。90質量%以上とすることで、シリコーン樹脂と混合時に相互作用しやすく、シリコーンの分散性を向上させやすくなるため、良好な氷上での操縦安定性が得られる。氷上での操縦安定性の観点から、91質量%以上が好ましく、92質量%以上が好ましく、93質量%以上が更に好ましい。上限は特に限定されないが、99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、97質量%以下が更に好ましい。
ゴム組成物に使用可能なカーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、70m/g以上がより好ましく、90m/g以上が更に好ましく、110m/g以上が特に好ましい。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217-2:2001によって求められる。
ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、特に好ましくは7質量部以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
(発泡剤)
ゴム組成物は、発泡剤を含む。ここで、発泡剤とは、ゴム組成物内に空隙を形成させることが可能な材料である。発泡剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡剤の平均粒子径(発泡前の発泡剤の平均粒子径)は、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上、特に好ましくは6μm以上である。上限は、好ましくは1000μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは200μm以下、特に好ましくは150μm以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
ゴム組成物において、発泡剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上である。好ましくは0.7質量部以上、より好ましくは0.9質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上である。該含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは3.0質量部以下、特に好ましくは2.5質量部以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
発泡剤としては、例えば、熱膨張性マイクロカプセルを使用できる。
熱膨張性マイクロカプセルとして、熱により気化又は膨張して気体を発生させる物質を内包した熱可塑性樹脂粒子からなる材料などが挙げられる。ここで、熱膨張性マイクロカプセルは、上記物質の気化又は膨張開始温度以上の温度(例えば、130~190℃)で加熱することにより、熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体が封入されたマイクロカプセルとなる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリロニトリルの重合体、(メタ)アクリロニトリル含有量の高い共重合体などが好適に用いられる。共重合体の場合の他のモノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが使用できる。
なお、熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレートなどの架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形態については、未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質を損なわない程度に部分的に架橋していてもよい。
熱膨張性マイクロカプセル中に含まれる熱により気化又は膨張して気体を発生させる物質としては、例えば、液体材料として、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンなどの塩素化炭化水素;等が挙げられ、また、固定材料として、アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、トルエンスルホニルヒドラジド誘導体、芳香族スクシニルヒドラジド誘導体等が挙げられる。
熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径(膨張前(発泡前)の熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径)は、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上、特に好ましくは6μm以上である。上限は、好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは75μm以下、特に好ましくは15μm以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
熱膨張性マイクロカプセルの市販品としては、エクスパンセル社製「EXPANCEL 091DU-80」、「EXPANCEL 092DU-120」等、松本油脂製薬社製「マイクロスフェアー F-85D」、「マイクロスフェアー F-100D」等を使用できる。
発泡剤としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’-ジメチル-N,N’-ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、P-トルエンスルホニルセミカルバジド、P,P’-オキシービス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等も挙げられる。
発泡剤としては、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸金属塩(ベンゼンスルフィン酸ナトリウムなど)なども使用できる。
更に発泡剤としては、水などで溶解させることで後発的に気泡を生成するものも使用可能である。このような発泡剤としては、水溶性無機塩、水溶性有機物等が挙げられる。水溶性無機塩としては、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム等の金属硫酸塩;塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の金属塩化物;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩;リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のリン酸塩;等が挙げられる。水溶性有機物としては、リグニン誘導体、糖類等が挙げられる。リグニン誘導体としては、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、等が好適である。リグニン誘導体は、サルファイトパルプ法、クラフトパルプ法のいずれにより得られたものでもよい。
後発的に気泡を生成する発泡剤の発泡前(溶解前)の粒子径(配合する該発泡剤の粒子径)は、5~300μmが好ましく、10~200μmがより好ましく、50~200μmが更に好ましい。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
(シリコーン樹脂)
シリコーン樹脂としては、例えば、オルガノポリシロキサンを主鎖とする化合物などが挙げられる。具体的には、ポリジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジメチルシリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニルシリコーン生ゴム、フルオロシリコーン生ゴム等が挙げられる。なかでも、氷上での操縦安定性の観点から、ポリジメチルシロキサンが好ましい。シリコーン樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリコーン樹脂(シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーンオリゴマーなど)として、変性基を有するシリコーン樹脂を好適に使用できる。変性基を有するシリコーン樹脂を用いると、シリカ表面へ結合しやすくなり、分散しやすくなるため、ゴム内部の空隙への析出がより起こりやすくなり、それにより、ゴム内部の剛性が向上すると考えられ、結果、氷上での操縦安定性が向上すると推察される。
変性基としては、例えば、少なくとも一種のヘテロ原子又はヘテロ原子からなる原子団を有する置換基が挙げられ、ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが例示される。具体的には、ヒドロキシ基、カルビノール基、アミノ基、カルボキシル基、オキシ基(エーテル基、エポキシ基)、カルボニル基、エステル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、アミド基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基などが挙げられる。なかでも、氷上での操縦安定性の観点から、ヒドロキシ基、カルビノール基、アミノ基、エポキシ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
変性基は、有機残基を介してシリコーン樹脂に結合することができる。有機残基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基などが例示され、好ましくはアルキル基である。有機残基と結合した変性基としては、例えば、カルビノール基(ヒドロキシ基と有機残基とが結合したもの)が挙げられる。変性基は有機残基に少なくとも1個結合することができ、2個以上結合することができる。有機残基に変性基が2個以上結合するものとして、例えば、ポリオール基(ジオール基等)が挙げられる。
変性基を有するシリコーン樹脂としては、氷上での操縦安定性の観点から、側鎖及び/又は片末端若しくは両末端に変性基を有するシリコーン樹脂を好適に使用でき、例えば、下記一般式(1)~(3)で表されるオルガノポリシロキサンなどを挙げることができる。
HO-Si(CH-(O-SiXCH-H (1)
X-Si(CH-[O-Si(CHX (2)
CH-[Si(CHO]-Si(CHX (3)
(式中、mは整数を示す。Xは、同一若しくは異なって、変性基又は変性基を有する有機残基を示す。)
mは、通常、1~10,000、好ましくは1~1,000、更に好ましくは1~500の整数を示す。
X(変性基、又は変性基を有する有機残基)について、変性基を有する有機残基の具体例としては、ヒドロキシアルキル基(カルビノール基など)、アミノアルキル基、カルボキシアルキル基、エポキシアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシル基、アシルアルキル基、アシルオキシ基、アシルオキシアルキル基などが挙げられる。なかでも、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、カルボキシルアルキル基、エポキシアルキル基、アルコキシ基などが好ましく、アルコキシ基がより好ましい。有機残基の炭素数は、通常1~20個、好ましくは1~10個、更に好ましくは1~6個である。
なお、シリコーン樹脂の市販品として、信越化学工業の製品等を使用できる。
シリコーン樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は特に限定されないが、氷上での操縦安定性の観点から、下限は1,000以上が好ましく、3,000以上がより好ましい。上限は、100,000以下が好ましく、60,000以下がより好ましい。
ゴム組成物において、シリコーン樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1.0質量部以上である。好ましくは2.0質量部以上、より好ましくは3.0質量部以上、更に好ましくは4.0質量部以上である。該含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは20.0質量部以下、より好ましくは15.0質量部以下、更に好ましくは10.0質量部以下、特に好ましくは8.0質量部以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
(可塑剤)
ゴム組成物には、可塑剤を配合してもよい。可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、例えば、液体可塑剤(常温(25℃)で液体状態の可塑剤)、樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)等が挙げられる。なお、本明細書において、前記シリコーン樹脂は、可塑剤に含まれないとする。
ゴム組成物において、可塑剤の含有量(可塑剤の総量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは25質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは70質量部以下、特に好ましくは50質量部以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
ゴム組成物に使用可能な液体可塑剤(常温(25℃)で液体状態の可塑剤)としては特に限定されず、オイル、液状ポリマー(液状樹脂、液状ジエン系ポリマー、液状ファルネセン系ポリマーなど)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム組成物において、液体可塑剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。なお、後述のオイルの含有量も同様の範囲が望ましい(オイルの含有量には、油展オイルに含まれるオイルも含まれる)。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。市販品としては、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)、日清オイリオグループ(株)等の製品を使用できる。なかでも、プロセスオイル(パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等)、植物油が好ましい。
液状樹脂としては、テルペン系樹脂(テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂を含む)、ロジン樹脂、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、クマロンインデン系樹脂(クマロン、インデン単体樹脂を含む)、フェノール樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。また、これらの水素添加物も使用可能である。
液状ジエン系ポリマーとしては、25℃で液体状態の液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)、液状ファルネセン重合体、液状ファルネセンブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは、末端や主鎖が極性基で変性されていても構わない。また、これらの水素添加物も使用可能である。
ゴム組成物に使用可能な上記樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)としては、例えば、常温(25℃)で固体状態の芳香族ビニル重合体、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。また、樹脂は、水添されていてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、氷上での操縦安定性の観点から、芳香族ビニル重合体、石油樹脂、テルペン系樹脂が好ましい。
ゴム組成物において、上記樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
上記樹脂の軟化点は、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましい。上限は、160℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、115℃以下が更に好ましい。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。なお、上記樹脂の軟化点は、JIS K6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記芳香族ビニル重合体は、芳香族ビニルモノマーを構成単位として含むポリマーである。例えば、α-メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂が挙げられ、具体的には、スチレンの単独重合体(スチレン樹脂)、α-メチルスチレンの単独重合体(α-メチルスチレン樹脂)、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体、スチレンと他のモノマーの共重合体などが挙げられる。
上記クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂である。クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α-メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
上記クマロン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロンを含む樹脂である。
上記インデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、インデンを含む樹脂である。
上記フェノール樹脂としては、例えば、フェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類とを酸又はアルカリ触媒で反応させることにより得られるポリマー等の公知のものを使用できる。なかでも、酸触媒で反応させることにより得られるもの(ノボラック型フェノール樹脂など)が好ましい。
上記ロジン樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、変性ロジン、これらのエステル化合物、これらの水素添加物に代表されるロジン系樹脂等が挙げられる。
上記石油樹脂としては、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、これらの水素添加物などが挙げられる。なかでも、DCPD樹脂、水添DCPD樹脂が好ましい。
上記テルペン系樹脂は、テルペンを構成単位として含むポリマーであり。例えば、テルペン化合物を重合して得られるポリテルペン樹脂、テルペン化合物と芳香族化合物とを重合して得られる芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂としては、テルペン化合物及びフェノール系化合物を原料とするテルペンフェノール樹脂や、テルペン化合物及びスチレン系化合物を原料とするテルペンスチレン樹脂、テルペン化合物、フェノール系化合物及びスチレン系化合物を原料とするテルペンフェノールスチレン樹脂も使用できる。なお、テルペン化合物としては、α-ピネン、β-ピネンなど、フェノール系化合物としては、フェノール、ビスフェノールAなど、芳香族化合物としては、スチレン系化合物(スチレン、α-メチルスチレンなど)が挙げられる。
上記アクリル系樹脂は、アクリル系モノマーを構成単位として含むポリマーである。例えば、カルボキシル基を有し、芳香族ビニルモノマー成分とアクリル系モノマー成分とを共重合して得られる、スチレンアクリル樹脂等のスチレンアクリル系樹脂などが挙げられる。なかでも、無溶剤型カルボキシル基含有スチレンアクリル系樹脂を好適に使用できる。
上記可塑剤としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業等の製品を使用できる。
(他の材料)
ゴム組成物は、耐クラック性、耐オゾン性等の観点から、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されないが、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。市販品としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
ゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。該含有量は、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。
ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。ゴム組成物において、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは0.5~5質量部である。
なお、ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。ゴム組成物において、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1~5質量部である。
なお、酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。ゴム組成物において、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1~5質量部である。
ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理した合成ワックスも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。市販品としては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ゴム組成物には、ポリマー鎖に適度な架橋鎖を形成し、良好な性能を付与するという点で、硫黄を配合することが好ましい。
ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上である。該含有量は、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
ゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は特に制限はなく、要望する加硫速度や架橋密度に合わせて自由に決定すれば良いが、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上である。上限は、好ましくは8.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以下である。
加硫促進剤の種類は特に制限はなく、通常用いられているものを使用可能である。加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系、ベンゾチアゾール系加硫促進剤が好ましい。
ゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、離型剤等の材料を適宜配合してもよい。
ゴム組成物において、氷上での操縦安定性の観点から、シリカの含有量(ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部))、シリコーン樹脂の含有量(ゴム成分100質量部に対するシリコーン樹脂の含有量(質量部))は、下記式を満たすことが好ましい。
シリカの含有量/シリコーン樹脂の含有量≦20
シリコーン樹脂量に対してシリカ量が多量であると、シリカ表面に吸着してしまい、ゴム内部の空隙に析出しにくくなるが、該シリカ量を所定量以下に調整することで、このような現象を抑制できると考えられる。従って、前記式を充足することで、ゴム内部へのシリコーンの空隙への析出が進行し、ゴム内部の剛性が向上するため、氷上での操縦安定性が向上すると推察される。
シリカの含有量/シリコーン樹脂の含有量は、18以下がより好ましく、17以下が更に好ましく、16以下が特に好ましい。下限は特に限定されないが、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、12以上が更に好ましい。
ゴム組成物において、氷上での操縦安定性の観点から、シリコーン樹脂の含有量(ゴム成分100質量部に対するシリコーン樹脂の含有量(質量部))、発泡剤の含有量(ゴム成分100質量部に対する発泡剤の含有量(質量部))は、下記式を満たすことが好ましい。
シリコーン樹脂の含有量/発泡剤の含有量≧2.0
シリコーン樹脂を発泡剤に対して2.0倍以上配合すると、多量のシリコーン樹脂の存在により、発泡剤により形成されるゴム内部の空隙にシリコーン樹脂が析出しやすくなると考えられる。従って、前記式を充足することで、ゴム内部へのシリコーンの空隙への析出が進行し、ゴム内部の剛性が向上するため、氷上での操縦安定性が向上すると推察される。
シリコーン樹脂の含有量/発泡剤の含有量は、3.0以上がより好ましく、3.5以上が更に好ましく、4.0以上が特に好ましい。上限は特に限定されないが、15.0以下が好ましく、10.0以下がより好ましく、8.0以下が更に好ましく、7.0以下が特に好ましい。
ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常50~200℃、好ましくは80~190℃であり、混練時間は、通常30秒~30分、好ましくは1分~30分である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常100℃以下、好ましくは室温~80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常120~200℃、好ましくは140~180℃である。
加硫後ゴム組成物内における発泡径(加硫後(発泡後)のゴム組成物の内部に形成されている空隙の径)は、好ましくは10μm以上、より好ましくは50μm以上、更に好ましくは200μm以上、特に好ましくは300μm以上である。上限は、好ましくは20000μm以下、より好ましくは10000μm以下、更に好ましくは1000μm以下、特に好ましく750μm以下はである。発泡径が大きい方が、シリコーン樹脂がゴム内部の空隙に多く蓄えられるため、より剛性が出やすくなる一方で、発泡径が大きすぎると、スカスカになってしまうので、剛性が出なくなると考えられる。従って、上記範囲内にすることで、良好な剛性が付与され、氷上での操縦安定性が向上すると推察される。
加硫後ゴム組成物内において、形成されている前述の熱膨張性マイクロカプセルの発泡径(該熱膨張性マイクロカプセルの膨張後の粒子径)は、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上、更に好ましくは200μm以上、特に好ましくは300μm以上である。上限は、好ましくは20000μm以下、より好ましくは10000μm以下、更に好ましくは1000μm以下、特に好ましく750μm以下はである。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
加硫後ゴム組成物内において、形成されている前述の「後発的に気泡を生成する発泡剤」の発泡径(該発泡剤の溶解後に形成された空隙の径)は、好ましくは5μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上である。上限は、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下である。上記範囲内にすることで、氷上での操縦安定性が向上する傾向がある。
なお、本明細書において、加硫後ゴム組成物内に形成された発泡径(加硫後ゴム組成物内に形成されている空隙の径)や、配合する発泡剤の粒子径の測定は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を使用できる。具体的には、加硫ゴム組成物をカットしたサンプルや、配合する発泡剤を透過型電子顕微鏡で写真撮影し、加硫後ゴム組成物内に形成された空隙や、発泡剤を形状を調べ、形状が、球形の場合には球の直径を発泡径、粒子径とし、針状又は棒状の場合には短径を発泡径、粒子径とし、不定型の場合には中心部からの平均粒径を発泡径、粒子径として測定できる。
加硫後ゴム組成物内における発泡率(加硫後(発泡後)のゴム組成物の発泡率)は、氷上での操縦安定性の観点から、1.0~20.0%が好ましい。下限は、2.5%以上がより好ましく、5.0%以上が更に好ましい。上限は、15.0%以下がより好ましく、12.0%以下が更に好ましく、10.0%以下が更に好ましい。シリコーン樹脂が十分に析出できるための空隙が増えると析出しやすくなる一方で、発泡率が多すぎると、スカスカになり、剛性が出なくなると考えられる。従って、上記範囲内にすることで、良好な剛性が付与され、氷上での操縦安定性が向上すると推察される。
ここで、発泡率とは、平均発泡率Vsを意味し、具体的には次式(I)により算出される値を意味する。
Vs=(ρ/ρ-1)×100(%) (I)
(式(I)中、ρは加硫後ゴム組成物(発泡ゴム)の密度(g/cm)を示し、ρは加硫後ゴム組成物(発泡ゴム)における固相部の密度(g/cm)を示す。)
前記ゴム組成物を適用する部材としては、トレッド(キャップトレッド)が好ましい。
タイヤは、ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を未加硫の段階でトレッド等の形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、タイヤが得られる。
タイヤとしては、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤなどが挙げられる。なかでも、空気入りタイヤが好ましい。タイヤは、特に冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、スノータイヤ、スタッドタイヤなど)として好適に使用できる。タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、レース用タイヤ(高性能タイヤ)などに使用可能である。なかでも、乗用車用タイヤに好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
BR:日本ゼオン(株)製のNipol BR1220(シス含量97質量%)
カーボンブラック:三菱ケミカル(株)製のシーストN220(NSA114m/g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA175m/g)
発泡剤1:マツモトマイクロスフェアーFシリーズ(F-80DE、松本油脂製薬社製熱膨張性マイクロカプセル、平均粒子径90~130μm)
発泡剤2:マツモトマイクロスフェアーFシリーズ(F-100SS、松本油脂製薬社製熱膨張性マイクロカプセル、平均粒子径6~11μm)
発泡剤3:馬居化成工業(株)製のMN-00(硫酸マグネシウム、平均粒子径50~150μm、中央値粒度(メジアン径)75μm)
シリコーン樹脂1:未変性シリコーン1(信越シリコーン社製KF-96L(メチル基)、ジメチルシリコーンオイル)
シリコーン樹脂2:変性シリコーンオイル(信越シリコーン社製X-21-5841(水酸基変性)、主鎖はジメチルシリコーン、両末端変性)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:出光興産(株)製のPS-32(ミネラルオイル)
樹脂:Arizona chemical社製のSYLVARES SA85(α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体、Tg43℃、軟化点85℃)
ワックス:日本精鑞(株)製のオゾエースワックス
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(6PPD))
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製の桐
硫黄:細井化学工業社製のHK-200-5(5%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
<実施例及び比較例>
各表に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、ポリマーや配合薬品添加し、150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、100℃の条件下で2分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた各未加硫ゴム組成物をそれぞれキャップトレッドの形状に成型し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて170℃で15分間加硫することにより、試験タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造した。
得られた試験タイヤについて、以下の評価を行った。評価結果を各表に示した。なお、表1、2は、それぞれ比較例1-4、2-4を基準比較例とした。
<氷上での操縦安定性>
試験用タイヤを国産2000ccのFR車に装着し、下記の条件において、氷上の実車性能(操縦安定性)を評価した(氷上気温:-1~-6℃)。
ハンドリング性能(フィーリング評価):上記車両を用いて発進、加速、停止について、10人のドライバーによるフィーリングによる評価を行った。1人につき10点満点で評価し、その合計点を求め、基準比較例の点数を100として指数化した。指数が大きいほど、氷上での操縦安定性が良好であることを示す。
Figure 0007180662000001
Figure 0007180662000002
表より、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填材と、発泡剤と、シリコーン樹脂とを所定配合で含有する実施例のゴム組成物は、氷上での操縦安定性に優れていた。

Claims (10)

  1. イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填材と、発泡剤と、シリコーン樹脂とを含有し、
    前記充填材100質量%中のシリカ含有率が90質量%以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記発泡剤の含有量が0.5質量部以上、前記シリコーン樹脂の含有量が1.0質量部以上であるゴム組成物であって、
    前記シリコーン樹脂及び前記発泡剤の含有量が下記式を満たすゴム組成物。
    シリコーン樹脂の含有量/発泡剤の含有量≧2.0
  2. イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填材と、発泡剤と、シリコーン樹脂とを含有し、
    前記充填材100質量%中のシリカ含有率が90質量%以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記発泡剤の含有量が0.5質量部以上、前記シリコーン樹脂の含有量が1.0質量部以上であるゴム組成物であって、
    加硫後ゴム組成物内における発泡径が10~1000μmであるゴム組成物。
  3. イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカを含む充填材と、発泡剤と、シリコーン樹脂とを含有し、
    前記充填材100質量%中のシリカ含有率が90質量%以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記発泡剤の含有量が0.5質量部以上、前記シリコーン樹脂の含有量が1.0質量部以上であるゴム組成物であって、
    加硫後ゴム組成物内における発泡率が5.0~10.0%であるゴム組成物。
  4. 前記シリカ及び前記シリコーン樹脂の含有量が下記式を満たす請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
    シリカの含有量/シリコーン樹脂の含有量≦20
  5. 前記シリコーン樹脂は、変性基を有するシリコーン樹脂である請求項1~のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記充填材がカーボンブラックを含む請求項1~のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 前記発泡剤は、熱膨張性マイクロカプセル、水溶性無機塩、及び水溶性有機物からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1~のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 前記シリコーン樹脂は、下記一般式(1)~(3)で表される化合物の少なくとも1種を含む請求項1~のいずれかに記載のゴム組成物。
    HO-Si(CH-(O-SiXCH-H (1)
    X-Si(CH-[O-Si(CHX (2)
    CH-[Si(CHO]-Si(CHX (3)
    (式中、mは整数を示す。Xは、同一若しくは異なって、変性基又は変性基を有する有機残基を示す。)
  9. トレッド用ゴム組成物である請求項1~のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 請求項1~のいずかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
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